以下、図面を参照して、実施形態に係るプッシュ通信システム及びプッシュ通信方法を説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明するプッシュ通信システム及びプッシュ通信方法は、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。以下の実施形態及び変形例は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
以下の実施形態では、プッシュメッセージは、メッセージ本体を含んだ、プッシュ通信にて送受信される情報を指す場合があるとともに、メッセージ本体を指す場合もある。
以下の第1の実施形態に係る通信サーバを含むプッシュ通信システムにおいて、通信サーバは、各宅内に設置されたドアホン装置のユーザ情報を含むドアホン識別情報を記憶する第1の記憶部と、メッセージの所定の送信条件を契機として、所定の送信条件に応じたプッシュメッセージを生成するメッセージ生成部と、メッセージ生成部により生成されたプッシュメッセージを、第1の記憶部に記憶されるドアホン識別情報に基づいて、プッシュメッセージの宛先に該当するドアホン装置へ送信する第1の通信部とを具備し、ドアホン装置は、通信サーバからプッシュメッセージを受信する第2の通信部と、通信部により受信されたプッシュメッセージを出力する入出力部とを具備する。
また、以下の第2の実施形態に係るプッシュ通信システムは、通信サーバにおいて、メッセージ生成部は、所定の送信条件に応じたメッセージ及びメッセージに対する応答メッセージを含むプッシュメッセージを生成し、第1の通信部は、ドアホン装置から応答プッシュメッセージを受信し、ドアホン装置において、入出力部は、メッセージ及びメッセージに対する応答メッセージを含むプッシュメッセージを表示するとともに、応答メッセージの選択入力を受け付け、第2の通信部は、入出力部により選択入力を受け付けられた応答メッセージを含む応答プッシュメッセージを生成して通信サーバへ送信する。
また、以下の第3の実施形態に係るプッシュ通信システムは、ドアホン装置において、入出力部は、送信メッセージの入力を受け付け、第2の通信部は、入出力部により入力を受け付けられた送信メッセージを含むプッシュメッセージを生成して通信サーバへ送信し、通信サーバにおいて、第1の記憶部は、ドアホン装置から受信したプッシュメッセージを転送する転送先情報をさらに記憶し、第1の通信部は、ドアホン装置からプッシュメッセージを受信し、第1の記憶部に記憶される転送先情報に基づいて、プッシュメッセージを所定の転送先へ転送する。
また、以下の第4の実施形態に係るプッシュ通信システムは、通信サーバと連携する情報発信元サーバをさらに含み、情報発信元サーバは、ドアホン装置のユーザ情報を含むドアホン識別情報を記憶する第2の記憶部と、メッセージと、第2の記憶部に記憶されるドアホン識別情報に基づくメッセージの送信対象者との指定を含むメッセージ送信依頼を通信サーバへ送信する送受信部とを具備し、通信サーバにおいて、プッシュメッセージ生成部は、情報発信元サーバからのメッセージ送信依頼の受信を契機として、メッセージ送信依頼に応じたプッシュメッセージを生成し、第1の通信部は、メッセージ生成部により生成されたプッシュメッセージを、第1の記憶部に記憶されるドアホン識別情報に基づいて、プッシュメッセージの宛先に該当するドアホン装置へ送信し、プッシュメッセージに対する応答プッシュメッセージをドアホン装置から受信した場合には、応答プッシュメッセージを情報発信元サーバへ転送する。
また、以下の第5の実施形態に係るプッシュ通信システムにおいて、通信サーバは、ドアホン装置との送受信データを蓄積する蓄積部と、情報発信元サーバと連携するインタフェース部とをさらに具備し、複数の情報発信元サーバは、インタフェース部を介して蓄積部に蓄積された送受信データを共有する。
また、以下の第6の実施形態に係るプッシュ通信システムは、通信サーバにおいて、第1の記憶部は、ドアホン装置と対応付けられた端末装置のユーザ情報を含む端末装置識別情報をさらに記憶し、第1の通信部は、メッセージ生成部により生成されたプッシュメッセージを、第1の記憶部に記憶される端末装置識別情報に基づいて、プッシュメッセージの宛先に該当するドアホン装置へ送信するとともに、ドアホン装置と対応付けられた端末装置へプッシュメッセージを送信し、プッシュメッセージに対する応答プッシュメッセージをドアホン装置又は端末装置から受信した場合には、応答プッシュメッセージを情報発信元サーバへ転送する。
また、以下の第7の実施形態に係る通信サーバを含むプッシュ通信システムにおけるプッシュ通信方法は、通信サーバが、各宅内に設置されたドアホン装置のユーザ情報を含むドアホン識別情報を記憶部に記憶させる記憶ステップと、メッセージの所定の送信条件を契機として、所定の送信条件に応じたプッシュメッセージを生成するメッセージ生成ステップと、メッセージ生成ステップにより生成されたプッシュメッセージを、記憶部に記憶されるドアホン識別情報に基づいて、プッシュメッセージの宛先に該当するドアホン装置へ送信する第1の通信ステップとを具備し、ドアホン装置が、通信サーバからプッシュメッセージを受信する第2の通信ステップと、第2の通信ステップにより受信されたプッシュメッセージを出力する出力ステップとを具備する。
[実施形態1]
(実施形態1に係るプッシュ通信システム)
図1は、実施形態1に係るプッシュ通信システムを示す図である。実施形態1に係るプッシュ通信システム1は、インターネット11に接続される通信サーバ10及び情報発信元サーバ20を有する。なお、情報発信元サーバ20には、情報発信元サーバ20のコンソールとして端末装置31が接続される。
また、プッシュ通信システム1は、HEMS(Home Energy Management System)のホームゲートウェイ12を関門としてインターネット11に接続するドアホン親機13、ドアホン子機14を有する。また、ドアホン親機13及びドアホン子機14は、住宅2に設置される。図1では、住宅2毎にドアホン親機13及びドアホン子機14が1組ずつ設置される例を示すが、1つの住宅2に複数組のドアホン親機13及びドアホン子機14が設置されてもよい。また、ドアホン親機13及びドアホン子機14が設置される住宅2は、複数であるが、図1では複数の図示を省略している。
ドアホン親機13は、来訪した客がドアホン子機14を操作した場合、来客通知を、ドアホン子機14から受信する。来客通知を受信した場合、ドアホン親機13は、チャイムなどのあらかじめ決められた来客通知用の音声をスピーカーから出力させる。これにより、ドアホン親機13は、在宅者に来客を報知する。さらに、ドアホン親機13は、ドアホン子機14のカメラ(不図示)により撮影された画像をドアホン子機14から受信する。そして、ドアホン親機13は、受信した画像をモニタ131に映す。これにより、ドアホン親機13は、どのような人が訪問してきたのかをドアホン親機13の操作者に提供する。
操作者は、モニタ131に映された画像を確認し、応答する場合、応答ボタン132を押下する。ドアホン親機13は、応答ボタン132が押下された場合、ドアホン子機14のマイク及びスピーカーをドアホン親機13のマイク及びスピーカーに接続し、ドアホン親機13の操作者とドアホン子機14の操作者とが通話できるようにする。
ドアホン子機14は、呼出ボタン141を有する。また、ドアホン子機14は、図示しないマイク及びスピーカーを有する。
住宅2を訪問した客は、ドアホン子機14の呼出ボタン141を押下し、在宅者に訪問を通知する。ドアホン子機14は、呼出ボタン141が押下されると、来客通知をドアホン親機13へ通知する。その後、ドアホン親機13の応答ボタン132が押下されることで、ドアホン子機14のマイク及びスピーカーがドアホン親機13のマイク及びスピーカーに接続され、客はドアホン子機14を用いて、ドアホン親機13の操作者と通話することができる。
また、インターネット11には、ドアホン親機13と対応付けられたユーザ端末装置32が有線又は無線にて接続される。ユーザ端末装置32は、プッシュ通信可能な端末であり、据え置き型又は可搬型のコンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、タブレット端末などである。なお、ユーザ端末装置32は省略可能である。
通信サーバ10は、情報発信元サーバ20から情報通知の依頼を受け、通知対象のドアホン親機13及びユーザ端末装置32へ、プッシュ通信にて該当情報を通知する。また、通信サーバ10は、プッシュ通信にて情報を通知されたドアホン親機13又はユーザ端末装置32からの、該当情報に対する応答を、情報発信元サーバ20へ送信する。また、通信サーバ10は、ドアホン親機13又はユーザ端末装置32から情報送信依頼に応じて、情報発信元サーバ20へ該当情報を送信する。通信サーバ10の詳細は、後述する。
なお、通信サーバ10は、通知対象のドアホン親機13のみならず、通知対象のドアホン親機13と対応付けられたユーザ端末装置32へもプッシュ通信にて該当情報を通知することで、通知対象のドアホン親機13のユーザは、ドアホン親機13の近くにいない場合、例えば外出中であっても、リアルタイムにプッシュ通知を受け取り、応答することができる。または、通知対象のドアホン親機13のユーザと同一の情報を、このユーザの保護者や後見人などがユーザ端末装置32を介して受け取ることで、ドアホン親機13のユーザを見守ることができる。
情報発信元サーバ20は、ドアホン親機13及びドアホン子機14のユーザに対して、プッシュ通信にて通知する情報を提供する自治体、マンション管理会社、物販業者などの各種の行政機関、団体、法人、個人のサーバである。情報発信元サーバ20の詳細は、後述する。
ドアホン親機13は、ドアホン子機14に接続される。また、ドアホン親機13は、モニタ131、応答ボタン132及び図示しないスピーカー及びマイクを有する。さらに、ドアホン親機13は、ホームゲートウェイ12を経由してインターネット11を介して通信サーバ10に接続する。なお、ホームゲートウェイ12が省略可能である場合には、ドアホン親機13は、インターネット11を介して通信サーバ10に直接接続するとしてもよい。ドアホン親機13には、プッシュ通信を行うためのアプリケーションがあらかじめインストールされている。
ホームゲートウェイ12は、インターネット11に接続される。ホームゲートウェイ12は、ドアホン親機13を含む住宅2に設置された電子機器をインターネット11に接続するためのゲートウェイである。ホームゲートウェイ12は、ドアホン親機13との通信と通信サーバ10との通信との間で、適切なプロトコル変換を行う。
ドアホン親機13は、ホームゲートウェイ12を介してインターネット11に接続する。これにより、ドアホン親機13は、インターネット11を介して通信サーバ10と通信が行える。この場合、ドアホン親機13とホームゲートウェイ12との間の通信プロトコルとしては、例えば、ECHONET/ECHONET Liteが用いられる。また、ホームゲートウェイ12と通信サーバ10との間の通信プロトコルとしては、例えば、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)やHTTPS(Hyper Text Transfer Protocol Secure)が用いられる。
(実施形態1に係る通信サーバ)
図2Aは、実施形態1に係る通信サーバを示す図である。図2Aに示すように、通信サーバ10は、登録管理部101、登録情報記憶部102、メッセージ送信部103、応答受信部104、通信制御部105を有する。ここで、通信サーバ10、ドアホン親機13、情報発信元サーバ20は、実際には図1に示すように、インターネット11を介して通信を行うが、図2Aでは説明を分かり易くするために、インターネット11を省略している。
登録管理部101は、ドアホン識別情報及びユーザ情報を含む登録情報の入力を後述するドアホン親機13の登録部301から受ける。ドアホン識別情報は、住宅2に配置されたドアホン親機13に一意に割り当てられた識別情報である。ユーザ情報は、ドアホン親機13のユーザの識別情報及び属性情報を含む。
例えば、ドアホン識別情報は、ドアホン親機13の通信インタフェースに割り当てられたMAC(Media Control Access)アドレスやIPv6(Internet Protocol Version 6)アドレスなどである。ユーザ情報は、住宅2の居住者の氏名、生年月日、同居者数などの個人情報を含む。そして、登録管理部101は、受信したドアホン識別情報及びユーザ情報を含む登録情報を登録情報記憶部102に記憶させる。
登録情報記憶部102は、メモリなどの記憶装置である。登録情報記憶部102は、登録管理部101により登録されたドアホン識別情報とユーザ情報との対応を記憶する。
図2Bは、実施形態1に係る通信サーバが有する登録情報を示す図である。登録情報記憶部102は、図2Bに示すように、登録情報102aを記憶する。登録情報102aは、「ユーザID」「MACアドレス」「IPアドレス」「氏名」「性別」「生年月日」「住所1」「住所2」「住所3」「同居者数」などの項目を有する。「ユーザID」は、ドアホン親機13のユーザを一意に識別する情報である。「MACアドレス」は、ドアホン親機13に一意に割り当てられているMACアドレスである。「氏名」「性別」「生年月日」「同居者数」は、それぞれドアホン親機13のユーザの氏名、性別、生年月日、同居者数である。
なお、「生年月日」は、年齢にてプッシュ通知対象のユーザを絞り込む際のキーとなり、例えば65際以上の高齢者などを絞り込む際に用いることができる。また、「住所1」「住所2」「住所3」のそれぞれは、都道府県名、市町村名、番地など、住所にてプッシュ通知対象のユーザを絞り込む際の絞り込みキーとなる、住所の階層区分である。また、「同居者数」は、プッシュ通知対象のユーザを、例えば一人暮らしユーザやファミリーユーザに絞り込む際に用いることができる。
例えば「ユーザID」“uid1”のユーザのドアホン親機13の「MACアドレス」は“mac1”、「IPアドレス」は“ip1”、「氏名」は“name1”、「性別」は“m(男性)”、「生年月日」は“ymd1”、「住所1」は“add11”、「住所2」は“add12”、「住所3」は“add13”、「同居者数」は“3(本人を含め同居者数が3人)”である。登録情報102aの1レコードが、1つのドアホン親機13から入力された登録情報である。登録情報102aは、プッシュ通信サービス対象のドアホン親機13のユーザについての情報を、レコード毎に記憶する。
図2Aに説明を戻す。メッセージ送信部103は、プッシュメッセージの送信指示を、通信制御部105を介して、情報発信元サーバ20から受ける。通信制御部105は、API(Application Programming Interface)により実装される。そして、メッセージ送信部103は、受信したプッシュメッセージの宛先に対応するドアホン識別情報を登録情報記憶部102から取得する。なお、メッセージ送信部103は、受信したプッシュメッセージに宛先の絞り込み条件が付加されている場合には、絞り込み条件をもとに絞り込んだドアホン識別情報を登録情報記憶部102から取得する。
なお、メッセージ送信部103は、絞り込み条件として、情報発信元サーバ20が提供する情報の種別を用いてもよい。すなわち、メッセージ送信部103は、情報発信元サーバ20から受信した情報に応じて、情報の通知先を絞り込むとしてもよい。例えば、画像や音声を含む情報であれば、聴力や視力が低下した高齢者向けの情報であるとして、宛先を高齢者(例えば65歳以上)に絞り込むとしてもよい。
次に、メッセージ送信部103は、ドアホン識別情報を宛先とするプッシュメッセージを生成する。この時、メッセージ送信部103は、生成したプッシュメッセージに応じたメッセージ識別情報を作成する。なお、メッセージ送信部103は、プッシュメッセージが、受信者からの応答を要求するものである場合には、応答を受信するか又は一定時間が経過するまでメッセージ識別情報を記憶する。
なお、メッセージ送信部103は、情報発信元サーバ20からの情報の受信に限らず、例えば、HEMS内の電力メータが出力する消費電力のアラートを契機として、このアラートを通知するプッシュメッセージを生成してドアホン親機13へ通知するとしてもよい。例えば、月単位の消費電力が前年同月比で所定率以上の増加である場合に、このアラートを通知するプッシュメッセージを生成してドアホン親機13へ通知するとしてもよい。すなわち、メッセージ送信部103がプッシュメッセージを生成する契機は、HEMS内の各種電気機器が出力する稼働状況や機器状態などであってもよい。
図2Cは、実施形態1に係る通信サーバが有するプッシュメッセージ情報を示す図である。メッセージ送信部103は、図2Cに示すようなプッシュメッセージ情報103aを保持している。プッシュメッセージ情報103aは、「メッセージID」「メッセージ」「URL(Uniform Resource Locator)」の項目を有する。「メッセージID」は、「メッセージ」を一意に識別する情報である。「メッセージ」はプッシュ通信で通知するプッシュメッセージの具体的内容である。「URL」は、「メッセージ」をプッシュ通信にて送信する際に用いるURLである。
例えば、「メッセージID」“mid1”の「メッセージ」は、“明日よりXXXXが実施されます。ご注意下さい。”であり、“url1”で示される「URL」を用いてプッシュ通知されるものである。
なお、プッシュメッセージ情報103aは、通信サーバ10に直接登録されるものであっても、情報発信元サーバ20から同期により登録されるものであっても、情報発信元サーバ20から「メッセージID」が指定されることにより、通信サーバ10においてドアホン親機13へプッシュ通知する目的のメッセージが特定できることができれば、いずれでもよい。
メッセージ送信部103は、通信制御部105を介して情報発信元サーバ20からの指定に基づいて、プッシュメッセージを生成して、送信対象のドアホン親機13へ送信する。プッシュメッセージについては、後述する。
なお、メッセージ送信部103は、プッシュメッセージにクッキーなどのメッセージ識別情報を付加して送信することで、プッシュメッセージが受信者側からの応答を要求するものである場合に、メッセージ識別情報を応答受信部104から受信することで、どのプッシュメッセージの応答が返ってきたか判定することができる。
応答受信部104は、メッセージ送信部103により送信されたプッシュメッセージに対する応答を後述するドアホン親機13の応答送信部303から受信する。そして、応答受信部104は、受信した応答に付加されているメッセージ識別情報をメッセージ送信部103へ通知する。メッセージ送信部103は、応答受信部104から通知されたメッセージ識別情報をもとに、どのプッシュメッセージに対する応答であるかを判断し、該当するプッシュメッセージを送信依頼した情報発信元サーバ20へ応答を送信するよう、通信制御部105へ指示する。
通信制御部105は、メッセージ送信部103からの指示に応じて、プッシュメッセージに対する応答を、プッシュメッセージの送信依頼元の情報発信元サーバ20へ送信する。
なお、ドアホン親機13と通信サーバ10とがHTTPにて直接通信する場合、通信サーバ10からドアホン親機13へのプッシュメッセージの通知方法はいくつか考えられる。例えば、IPv6アドレスを有するHTTPサーバとしてドアホン親機13を稼働させ、通信サーバ10からドアホン親機13のHTTPサーバへ直接アクセスしてもよい。また、ドアホン親機13をHTTPクライアントとして稼働させ、ドアホン親機13が、通信サーバ10へ定期的にポーリングを行い、取得すべきプッシュメッセージが通信サーバ10上にあれば取得するとしてもよい。さらに、ドアホン親機13をHTTPクライアントとして稼働させ、WebSocketと呼ばれる機能により通信サーバ10との通信確立状態を維持させ、ドアホン親機13に、通信サーバ10から即座にプッシュメッセージを受ける構成としてもよい。
(実施形態1に係る情報発信元サーバ)
図3Aは、実施形態1に係る情報発信元サーバを示す図である。図3Aに示すように、情報発信元サーバ20は、登録管理部201、登録情報記憶部202、メッセージ送信依頼部203、応答受信部204、通信制御部205を有する。ここで、情報発信元サーバ20、通信サーバ10は、実際には図1に示すように、インターネット11を介して通信を行うが、図3Aでは説明を分かり易くするために、インターネット11を省略している。
登録管理部201は、通信サーバ10の登録情報記憶部102に記憶されている登録情報102aのうち、情報発信元サーバ20の利用者がプッシュ通信にてメッセージを送信する対象とするドアホン親機13のユーザに関する登録情報102aのレコードの通知を、通信制御部205を介して通信サーバ10から受ける。
登録情報記憶部202は、メモリなどの記憶装置である。登録情報記憶部202は、登録管理部201により通信サーバ10から受信した登録情報102aのレコードを、図3Bに示す登録情報202aとして記憶する。登録情報202aが有する項目は、登録情報102aと同様である。
なお、登録情報202aは、通信サーバ10から受信した登録情報102aのレコードから生成しても、情報発信元サーバ20へ直接入力された情報から生成しても、登録情報202aの全てのレコードが登録情報102aに含まれていれば、いずれでもよい。
メッセージ送信依頼部203は、通信制御部205を介して、端末装置31から入力されたメッセージ及びメッセージの送信対象の指定を、通信制御部205を介して通信サーバ10へ送信する。メッセージ送信依頼部203は、図3Cに示すようなプッシュメッセージ情報203aを保持している。プッシュメッセージ情報203aが有する項目は、プッシュメッセージ情報103aと同様である。なお、プッシュメッセージ情報203aにおいては、「URL」の項目は省略可能である。
メッセージ送信依頼部203は、端末装置31から、送信するメッセージの指定を入力させる際に、プッシュメッセージ情報203aに含まれるメッセージを端末装置31において一覧表示させ、この一覧表示から例えば「メッセージID」を選択させることで、送信するメッセージの指定を受け付ける。
なお、プッシュメッセージ情報203aは、通信サーバ10から受信したプッシュメッセージ情報103aのレコードから生成しても、情報発信元サーバ20へ直接入力された情報から生成してもよく、プッシュメッセージ情報203aの全てのレコードがプッシュメッセージ情報103aに含まれていれば、いずれでもよい。
応答受信部204は、メッセージ送信依頼部203により送信依頼が送信されたプッシュメッセージに対する応答を、通信制御部205を介して通信サーバ10から受信する。そして、応答受信部204は、受信した応答をメッセージ送信依頼部203へ通知する。メッセージ送信依頼部203は、応答受信部204から通知された応答がどのプッシュメッセージ送信依頼に対する応答であるかを判断し、該当するプッシュメッセージの送信依頼に対する応答として、端末装置31に表示するよう送信する。
(実施形態1に係るドアホン親機)
図4は、実施形態1に係るドアホン親機を示す図である。図4に示すように、ドアホン親機13は、登録部301、メッセージ受信部302、応答送信部303、表示制御部304、音声制御部305、表示部306、音声出力部307を有する。
音声出力部307は、例えば、スピーカーである。また、表示部306は、例えば、図1に示したモニタ131にあたる。表示部306は、タッチパネル機能付き表示画面である。これ以外に、表示部306は、表示画面と操作ボタンとを有するものでもよいし、ソフトウェアキーボードなどの任意の文字列が入力可能な機能を有していてもよい。
ドアホン親機13の操作者は、表示部306を用いて、ユーザ情報を入力する。そして、操作者は、表示部306を用いて、入力したユーザ情報及びドアホン識別情報の登録を表示制御部304に指示する。
表示制御部304は、ユーザ情報の入力を表示部306から受ける。また、表示制御部304は、ドアホン親機13の通信インタフェース(不図示)のMACアドレスやIPv6アドレスといったドアホン識別情報をあらかじめ有する。そして、表示制御部304は、表示部306から入力されたユーザ情報及びドアホン識別情報の登録の指示を受けて、ユーザ情報及びドアホン識別情報を登録部301へ送信する。
登録部301は、ユーザ情報及びドアホン識別情報の入力を表示制御部304から受ける。そして、登録部301は、取得したユーザ情報及びドアホン識別情報を通信サーバ10の登録管理部101へ送信する。
メッセージ受信部302は、プッシュメッセージを通信サーバ10のメッセージ送信部103から受信する。プッシュメッセージを受信すると、メッセージ受信部302は、プッシュメッセージの音声による通知を音声制御部305に指示する。さらに、メッセージ受信部302は、プッシュメッセージにしたがったメッセージの表示を表示制御部304に指示する。
応答送信部303は、表示部306から入力された応答内容に応じた指示を表示制御部304から受ける。プッシュメッセージに対する応答の送信が指示された場合、応答送信部303は、応答メッセージを生成する。応答メッセージには、クッキーのようなプッシュメッセージに対応するメッセージ識別情報が付加される。そして、応答送信部303は、生成した応答メッセージを通信サーバ10の応答受信部104へ送信する。
また、表示制御部304は、プッシュメッセージの入力をメッセージ受信部302から受ける。そして、表示制御部304は、取得したプッシュメッセージにしたがって、表示部306に該当するメッセージを表示させる。
表示部306における表示及び操作は、例えば、一般的なWebブラウザの表示及び操作の機能と類似のものとして実現できる。この場合、あるHTML(Hyper Text Markup Language)のデータが与えられると、表示制御部304は、それを解釈して表示部306に表示を行わせる。そして、データ中のリンクとして定義された表示部306上の箇所がタッチパネル上のタッチなどにより選択された時に、表示制御部304は、通信サーバ10への通信が発生したと判定する。実施形態1では、表示部306における表示及び操作が一般的なWebブラウザの表示及び操作の機能と類似のものとして実現される。
図5Aは、実施形態1に係るプッシュメッセージ(その1)を示す図である。例えば、図5Aに示すプッシュメッセージ41−1は、ドアホン親機13と通信サーバ10とが直接通信している場合で、HTTPにて通信を行う場合のプッシュメッセージである。プッシュメッセージ41−1には、図5Aで示すdelivery_idとして表されるクッキーのような一意のメッセージ識別情報が付加される。図5Aに示すメッセージの例は、図2C及び図3Cの「メッセージID」“mid1”に対応する。
また、図5Aに示すように、通信サーバ10のメッセージ送信部103は、プッシュメッセージ41−1により、ドアホン親機13の表示部306に“明日よりXXXXが実施されます。ご注意下さい。”というメッセージとともに、応答のボタンを表示させる。図5Aの例では、通信サーバ10のメッセージ送信部103は、応答のボタンとして、「はい」のボタンを押下可能に表示させる。
図5Bは、実施形態1に係るプッシュメッセージの表示(その1)を示す図である。図5Bの例では、ドアホン親機13の表示制御部304は、ドアホン親機13のモニタ131にメッセージ133−1を表示させる。さらに、表示制御部304は、メッセージに対する応答として応答を行うためのボタン134を操作者が押下できるようにモニタ131に表示させる。
操作者によりボタン134が押下されると、表示制御部304は、応答の入力を表示部306から受ける。そして、表示制御部304は、応答の送信を応答送信部303に指示する。図5Cは、実施形態1に係るプッシュ応答メッセージ(その1)を示す図である。応答送信部303は、図5Cに示すような応答メッセージ42−1を生成する。そして、応答送信部303は、生成した応答メッセージ42−1を通信サーバ10の応答受信部104へ送信する。
音声制御部305は、プッシュメッセージの音声による通知の指示をメッセージ受信部302から受ける。そして、音声制御部305は、チャイムなどのあらかじめ決められたプッシュメッセージに応じた音声を音声出力部307に出力させる。また、音声制御部305は、ドアホン子機14が操作された場合にも、ドアホン子機14から音声通知の指示を受ける。そして、音声制御部305は、チャイムなどのあらかじめ決められた来客通知用の音声を音声出力部307に出力させる。
ここで、音声制御部305は、音声出力部307に出力させる音声を、プッシュメッセージの受信の場合とドアホン子機14が操作された場合とで異ならせてもよい。プッシュメッセージの受信の場合とドアホン子機14が操作された場合とを異ならせることで、在宅者は、プッシュメッセージの受信を容易に且つ確実に把握することができる。また、音声制御部305は、音声出力部307に出力させる音声を、受信したプッシュメッセージの種別や重要度などに応じて異ならせてもよい。これにより、プッシュメッセージの着信や、プッシュメッセージの種別や重要度などを認識することができる。
なお、プッシュメッセージ及び応答メッセージの他の例としては、次のようなものもある。図6Aは、実施形態1に係るプッシュメッセージ(その2)を示す図である。図6Aに示すプッシュメッセージ41−2は、ドアホン親機13と通信サーバ10とが直接通信している場合で、HTTPにて通信を行う場合のプッシュメッセージである。プッシュメッセージ41−2には、図6Aで示すdelivery_idとして表されるクッキーのような一意のメッセージ識別情報が付加される。図6Aに示すメッセージの例は、図2C及び図3Cの「メッセージID」“mid2”に対応する。
また、図6Aに示すように、通信サーバ10のメッセージ送信部103は、プッシュメッセージ41−2により、ドアホン親機13の表示部306に“2/24に、自治会が開催されます。参加されますか?”というメッセージとともに、「はい」及び「いいえ」の応答のボタンを表示させる。図6Aの例では、通信サーバ10のメッセージ送信部103は、応答のボタンとして、「はい」及び「いいえ」のボタンを押下可能に表示させる。
図6Bは、実施形態1に係るプッシュメッセージの表示(その2)を示す図である。図6Bの例では、ドアホン親機13の表示制御部304は、ドアホン親機13のモニタ131にメッセージ133−2を表示させる。さらに、表示制御部304は、メッセージに対する応答として応答を行うためのボタン134及びボタン135を操作者が押下できるようにモニタ131に表示させる。
操作者によりボタン134が押下されると、表示制御部304は、「はい」の応答の入力を表示部306から受ける。そして、表示制御部304は、「はい」の応答の送信を応答送信部303に指示する。図6Cは、実施形態1に係るプッシュ応答メッセージ(その2)を示す図である。応答送信部303は、図6Cに示すような応答メッセージ42−2を生成する。そして、応答送信部303は、生成した応答メッセージ42−2を通信サーバ10の応答受信部104へ送信する。なお、操作者によりボタン135が押下された場合に生成される「いいえ」の応答メッセージは、応答メッセージ42−2と比べ、URLが「いいえ」の応答を示す点のみが異なる。
また、プッシュメッセージ及び応答メッセージの他の例としては、次のようなものもある。図7Aは、実施形態1に係るプッシュメッセージ(その3)を示す図である。図7Aに示すプッシュメッセージ41−3は、ドアホン親機13と通信サーバ10とが直接通信している場合で、HTTPにて通信を行う場合のプッシュメッセージである。プッシュメッセージ41−3には、図7Aで示すdelivery_idとして表されるクッキーのような一意のメッセージ識別情報が付加される。図6Aに示すメッセージの例は、図2C及び図3Cの「メッセージID」“mid3”に対応する。
また、図7Aに示すように、通信サーバ10のメッセージ送信部103は、プッシュメッセージ41−3により、ドアホン親機13の表示部306に“安否確認です。お元気ですか?”というメッセージとともに、「はい」及び「いいえ」の応答のボタンを表示させる。図7Aの例では、通信サーバ10のメッセージ送信部103は、応答のボタンとして、「はい」及び「いいえ」のボタンを押下可能に表示させる。
図7Bは、実施形態1に係るプッシュメッセージの表示(その3)を示す図である。図7Bの例では、ドアホン親機13の表示制御部304は、ドアホン親機13のモニタ131にメッセージ133−3を表示させる。さらに、表示制御部304は、メッセージに対する応答として応答を行うためのボタン134及びボタン135を操作者が押下できるようにモニタ131に表示させる。ボタン134及びボタン135については、図6Bと同様である。また、図7Cに示す応答メッセージ42−3は、図6Cに示す応答メッセージ42−2と同様である。また、操作者によりボタン135が押下された場合に生成される「いいえ」の応答メッセージも、応答メッセージ42−3と比べ、URLが「いいえ」の応答を示す点のみが異なる。
(実施形態1に係る情報登録処理及びプッシュメッセージ送信処理)
図8は、実施形態1に係る情報登録処理及びプッシュメッセージ送信処理を示すシーケンス図である。図8に示すように、先ず、ドアホン親機13は、ユーザ情報が入力されたか否かを判定する(ステップS11)。ドアホン親機13は、ユーザ情報が入力された場合(ステップS11:Yes)、ステップS12へ処理を移す。一方、ドアホン親機13は、ユーザ情報が入力されていない場合(ステップS11:No)、ステップS11を繰り返す。
ステップS12では、ドアホン親機13は、ドアホン識別情報及びユーザ情報を含む登録情報を、通信サーバ10へ送信する。次に、通信サーバ10は、ドアホン親機13から登録情報を受信し、登録情報記憶部102に記憶させる(ステップS13)。
次に、通信サーバ10は、登録情報記憶部102に記憶させた登録情報を、情報発信元サーバ20へ送信して同期する(ステップS14)。情報発信元サーバ20は、通信サーバ10から受信した登録情報を、登録情報記憶部202に記憶させて同期する(ステップS15)。
一方、端末装置31は、プッシュ通知を行う対象ユーザ及びメッセージの選択指示が入力されたか否かを判定する(ステップS16)。端末装置31は、プッシュ通知を行う対象のユーザ及びメッセージの選択指示が入力された場合(ステップS16:Yes)、ステップS17へ処理を移す。端末装置31は、プッシュ通知を行う対象のユーザ及びメッセージの選択指示が入力されていない場合(ステップS16:No)、ステップS16を繰り返す。
ステップS17では、端末装置31は、ステップS16で入力された対象ユーザ及びメッセージの指定情報を、情報発信元サーバ20へ送信する。情報発信元サーバ20は、端末装置31から受信した対象ユーザ及びメッセージの指定情報を受信し(ステップS19)、受信した対象ユーザ及びメッセージの指定情報を、通信サーバ10へ転送する(ステップS19)。
通信サーバ10は、情報発信元サーバ20から対象ユーザ及びメッセージの指定情報を受信すると(ステップS20)、対象ユーザへの対象メッセージを含むプッシュメッセージを生成する(ステップS21)。そして、通信サーバ10は、ステップS21で生成したプッシュメッセージを、対象ユーザのドアホン親機13へ送信する(ステップS22)。
そして、ドアホン親機13は、通信サーバ10からプッシュメッセージを受信すると(ステップS23)、プッシュメッセージを出力する(ステップS24)。そして、ドアホン親機13は、ステップS24で出力したプッシュメッセージに対する応答を受け付けたか否かを判定する(ステップS25)。
ドアホン親機13は、ステップS24で出力したプッシュメッセージに対する応答を受け付けた場合(ステップS25:Yes)、プッシュ応答を生成し(ステップS26)、通信サーバ10へ送信する(ステップS27)。一方、ドアホン親機13は、ステップS24で出力したプッシュメッセージに対する応答を受け付けていない場合(ステップS25:No)、ステップS25を繰り返す。
そして、通信サーバ10は、ドアホン親機13からプッシュ応答を受信すると(ステップS28)、情報発信元サーバ20へ応答を転送する(ステップS29)。
情報発信元サーバ20は、通信サーバ10から応答を受信すると(ステップS30)、端末装置31へ応答出力を指示する(ステップS31)。端末装置31は、情報発信元サーバから応答出力指示を受信すると、受信した応答内容を出力する(ステップS32)。
以上の実施形態1によれば、プッシュ通信に対応している携帯型端末を所持していないユーザに対しても、プッシュ通信にて情報を通知できる。例えば、高齢者などはスマートフォンの操作に困難を伴うため、スマートフォンだけではプッシュ通知の同報配信であっても情報が周知されない。または、高齢者などは、スマートフォンから情報を発信することが難しい。しかし、実施形態1によれば、インターネットに接続可能なドアホン(インターフォン)の送受信機能、表示機能、着信音発生機能を用いたプッシュ通信にて、利便性及び緊急性を確保した情報取得や安否確認に対する応答発信などを容易に行うことができる。
また、ネットワークに接続されたドアホンから、ドアホン識別情報、設置場所、ドアホンユーザの個人情報を収集し、蓄積記憶することで、スマートフォンの扱いに不慣れなユーザであっても、通信サーバを介して情報発信元サーバへの情報登録を容易に行うことができる。また、情報発信元では、把握が難しい周知対象の範囲をより的確に把握することが可能となる。そして、通信サーバ上の登録情報をもとに、情報の周知対象者をより的確に抽出することができるので、自治体による防災通知や防犯通知、定期又は不定期の告知、物販業者による広告などをより的確に周知させることができる。
[実施形態2]
実施形態1では、通信サーバ10からのプッシュメッセージを受信してドアホン親機13に表示し、その応答を返信する。これに対して、実施形態2では、ドアホン親機13のユーザが能動的にドアホン親機13を操作して、通信サーバ10へ、例えば緊急コールを発信する例を示す。ただし、実施形態2では、緊急コールを例に挙げるが、緊急コールに限らず、ドアホン親機13のユーザが能動的にドアホン親機13を操作して、通信サーバ10を介して目的とする宛先へ情報発信する場合を広く含む。
(実施形態2に係る通信サーバ)
実施形態2に係る通信サーバ10−2(図2参照)は、実施形態1に係る通信サーバ10と比較して、登録情報記憶部102に代えて登録情報記憶部102−2を有する点が異なり、その他の点は、通信サーバ10と同様である。
登録情報記憶部102−2は、登録情報102aに加え、緊急コール情報102bを記憶する。図9は、実施形態2に係る通信サーバが有する緊急コール情報を示す図である。図9に示すように、緊急コール情報102bは、「ユーザID」「緊急コールサービス有無」「緊急コール先」などの項目を有する。「ユーザID」は、ドアホン親機13のユーザを一意に識別する情報である。「緊急コールサービス有無」は、ドアホン親機13のユーザが、緊急コールサービスを利用するか否かの情報である。「緊急コール先」は、該当のドアホン親機13のユーザが緊急コールサービスを利用する場合の、1つ以上の緊急コール先の電話番号などの通信識別子である。緊急コール先は、例えば、行政機関、介護施設、病院、かかりつけ医、介護ヘルパー、ケアマネージャーなどである。後述するように、緊急コール情報102bは、実施形態2に係る情報発信元サーバ20−2にも、同期して記憶される。
なお、緊急コール情報102bは、通信サーバ10−2に直接登録されるものであっても、情報発信元サーバ20から同期により登録されるものであっても、いずれでもよい。
(実施形態2に係る情報発信元サーバ)
実施形態2に係る情報発信元サーバ20−2(図3A参照)は、実施形態1に係る情報発信元サーバ20と比較して、登録情報記憶部202に代えて登録情報記憶部202−2を有する点が異なり、その他の点は、情報発信元サーバ20と同様である。
登録情報記憶部202−2は、登録情報202aに加え、緊急コール情報202bを記憶する。図10は、実施形態2に係る情報発信元サーバが有する緊急コール情報を示す図である。
登録情報記憶部202−2は、登録管理部201により通信サーバ10−2から受信した緊急コール情報102bのレコードを、図10に示す緊急コール情報202bとして記憶する。緊急コール情報202bが有する項目は、緊急コール情報102bと同様である。
なお、緊急コール情報202bは、通信サーバ10−2から受信した緊急コール情報102bのレコードから生成しても、情報発信元サーバ20−2へ直接入力された情報から生成しても、緊急コール情報202bの全てのレコードが緊急コール情報102bに含まれていれば、いずれでもよい。
図11Aは、実施形態2に係る表示メッセージを示す図である。図11Aに示すように、通信サーバ10−2のメッセージ送信部103は、ドアホン親機13の表示制御部304は、ドアホン親機13のモニタ131にメッセージ133−4(緊急コールしますか?)を表示させる。なお、ドアホン親機13のモニタ131に表示させるメッセージ133−4のHTMLデータは、あらかじめドアホン親機13に格納されている。さらに、表示制御部304は、メッセージに基づく情報発信を行うための「はい」ボタン134及び「いいえ」ボタン135を操作者が押下できるようにモニタ131に表示させる。
操作者によりボタン134が押下されると、表示制御部304は、「はい」の入力を表示部306から受ける。そして、表示制御部304は、緊急コールの発信を応答送信部303に指示する。図11Bは、実施形態2に係るプッシュメッセージを示す図である。応答送信部303は、図11Bに示すようなプッシュメッセージ42−4を生成する。そして、応答送信部303は、生成したプッシュメッセージ42−4を通信サーバ10−2の応答受信部104へ送信する。
そして、通信サーバ10−2は、応答受信部104がプッシュメッセージ42−4を受信すると、メッセージ送信部103が緊急コール情報202bを参照して、該当する緊急コール先へ自動通報するよう、通信制御部105へ指示する。通信制御部105は、自動通報の指示に応じて、該当する緊急コール先へ自動通報する。
また、通信サーバ10−2は、応答受信部104がプッシュメッセージ42−4を受信すると、メッセージ送信部103が緊急コール情報202bを参照して、該当する緊急コール先を特定する。そして、メッセージ送信部103は、緊急コールの要請元のドアホン親機13の登録情報に含まれる個人情報とともに、通信制御部105を介して緊急コールの要請があったことを情報発信元サーバ20−2へ送信する。
情報発信元サーバ20−2は、通信制御部205を介して緊急コールの要請を受信すると、応答受信部204が端末装置31へ緊急コールの要請及び個人情報を表示させる。あるいは、通信サーバ10−2が該当する緊急コール先へ自動通報することに代えて、情報発信元サーバ20−2が、該当する緊急コール先へ自動通報するとしてもよい。あるいは、通信サーバ10−2が該当する緊急コール先へ自動通報することに代えて、端末装置31に表示された緊急コールの要請及び個人情報を見たオペレータが、該当する緊急コール先へ通報するとしてもよい。
そして、端末装置31に表示された緊急コールの要請及び個人情報を見たオペレータは、緊急コールの要請を確認した旨を示す応答を端末装置31に入力する。そして、端末装置31は、緊急コールの要請を確認した旨を示す応答を、情報発信元サーバ20−2、通信サーバ10−2を介して、ドアホン親機13へ送信して出力させる。
(実施形態2に係る緊急コール処理)
図12は、実施形態2に係る緊急コール処理を示すシーケンス図である。図12に示すように、先ず、ドアホン親機13は、緊急コール要請が入力されたか否かを判定する(ステップS41)。ドアホン親機13は、緊急コール要請が入力された場合(ステップS41:Yes)、ステップS42へ処理を移す。ドアホン親機13は、緊急コール要請が入力されていない場合(ステップS41:No)、ステップS41を繰り返す。
ステップS42では、ドアホン親機13は、ステップS41で入力された緊急コール要請及び該当するユーザ情報を通信サーバ10−2へ送信する。
通信サーバ10−2は、ドアホン親機13から緊急コール要請及び該当するユーザ情報を受信すると(ステップS43)、該当する緊急コール先へ自動通報する(ステップS44)。そして、通信サーバ10−2は、ステップS43で受信した緊急コール要請及び該当するユーザ情報を、情報発信元サーバ20−2へ転送する(ステップS45)。
情報発信元サーバ20−2は、通信サーバ10−2から緊急コール要請及び該当するユーザ情報を受信すると(ステップS46)、緊急コール要請及び該当するユーザ情報を、端末装置31へ出力指示する(ステップS47)。端末装置31は、緊急コール要請及び該当するユーザ情報の出力指示を受信すると、緊急コール要請及び該当するユーザ情報を出力する(ステップS48)。そして、端末装置31は、ステップS48で出力した緊急コール要請及び該当するユーザ情報に対して入力された応答を、情報発信元サーバ20−2へ送信する(ステップS49)。
情報発信元サーバ20−2は、端末装置31から応答を受信すると(ステップS50)、通信サーバ10−2へ応答を転送する(ステップS51)。そして、通信サーバ10−2は、情報発信元サーバ20−2から応答を受信すると(ステップS52)、ドアホン親機13へ応答を転送する(ステップS53)。ドアホン親機13は、通信サーバ10−2から受信した応答を、表示部306や音声出力部307から出力する(ステップS54)。
以上の実施形態2によれば、ネットワークに接続されたドアホン親機13の表示機能及び入力機能、通信サーバ10−2との送受信機能を用い、あらかじめ通信サーバ10−2に登録した緊急コール情報102bに基づいて、容易な操作で利便性が高い緊急コール機能やホットライン機能を実現できる。
[実施形態3]
実施形態2では、ドアホン親機13のユーザが能動的にドアホン親機13を操作して、通信サーバ10を介して目的とする宛先へ情報発信する。これに対し、実施形態3では、ドアホン親機13のユーザが能動的にドアホン親機13を操作して、通信サーバ10を介して目的とする宛先との間で、メッセージのやりとりを行う。
(実施形態3に係るドアホン親機)
実施形態3に係るドアホン親機13−3(図4参照)は、実施形態1に係るドアホン親機13と比較して、登録部301に代えて登録部301−3を有する点が異なり、その他の点は、ドアホン親機13と同様である。
登録部301−3は、記憶領域を有し、ユーザグループ情報301a及びインスタントメッセージ情報301bを記憶する。図13Aは、実施形態3に係るドアホン親機が有するユーザグループ情報を示す図である。図13Bは、実施形態3に係るドアホン親機が有するインスタントメッセージ情報を示す図である。
図13Aに示すように、ユーザグループ情報301aは、「ユーザID」「所属ユーザグループID」などの項目を有する。「ユーザID」は、ドアホン親機13−3のユーザを一意に識別する情報である。「所属ユーザグループID」は、ドアホン親機13−3のユーザがインスタントメッセージをやりとりすることが可能に設定されているユーザのグループを一意に識別する識別情報である。なお、ユーザグループ情報301aは、ドアホン親機13−3を用いてインスタントメッセージをやりとり可能とあらかじめ設定されている他のドアホン親機13−3のユーザIDが記憶されている。
すなわち、同一の「所属ユーザグループID」に属する「ユーザID」のユーザ同士は、各ドアホン親機13−3にあらかじめ記憶しているメッセージの定型文であるインスタントメッセージを用いて、通信サーバ10−3を介したプッシュ通信にてコミュニケーションを図ることができる。図13Bに示すインスタントメッセージ情報301bは、「インスタントメッセージID」に対応付けられた「インスタントメッセージ」を示す。図13Bの例では、例えば「インスタントメッセージID」“imid1”に「インスタントメッセージ」“おはよう”が対応付けられている。
なお、後述するように、ユーザグループ情報301aは、実施形態3に係る通信サーバ10−3にも、同期して記憶される。また、後述するように、インスタントメッセージ情報301bは、通信サーバ10−3に記憶されているインスタントメッセージ情報102dから、各ドアホン親機13のユーザにより選択されてダウンロードされた情報である。
ドアホン親機13−3の表示制御部304は、登録部301−3に記憶されているユーザグループ情報301aを表示部306に一覧表示する。ドアホン親機13−3のユーザは、表示部306に一覧表示されたユーザグループ情報301aから、インスタントメッセージを送信したいユーザ(もしくはユーザID)を、表示部306のタッチパネル機能などの入力機能により選択する。
そして、表示制御部304は、インスタントメッセージを送信したいユーザが選択されると、インスタントメッセージ情報301bを表示部306に一覧表示する。ドアホン親機13−3のユーザは、表示部306に一覧表示されたインスタントメッセージ情報301bから、送信したいインスタントメッセージ(もしくはインスタントメッセージID)を、表示部306のタッチパネル機能などの入力機能により選択する。
そして、応答送信部303は、送信対象のユーザ及びインスタントメッセージが選択されると、選択されたインスタントメッセージを含むプッシュメッセージを生成し、プッシュメッセージを一意に識別するクッキーなどのメッセージ識別情報及び送信者のユーザIDを付加して送信対象のユーザ宛へ送信する。そして、インスタントメッセージを含むプッシュメッセージを受信したドアホン親機13−3の応答送信部303は、インスタントメッセージ受信に応じて、そのユーザにより同様に選択された返信用のインスタントメッセージを、メッセージ識別情報及び送信者のユーザIDをもとに、受信したインスタントメッセージの送信者のドアホン親機13−3へ返信する。
(実施形態3に係る通信サーバ)
実施形態3に係る通信サーバ10−3(図2A参照)は、実施形態1に係る通信サーバ10と比較して、登録情報記憶部102に代えて登録情報記憶部102−3を有する点が異なり、その他の点は、通信サーバ10と同様である。
登録情報記憶部102−3は、登録情報102aに加え、ユーザグループ情報102c及びインスタントメッセージ情報102dを記憶する。図14Aは、実施形態3に係る通信サーバが有するユーザグループ情報を示す図である。図14Bは、実施形態3に係る通信サーバが有するインスタントメッセージ情報を示す図である。
登録情報記憶部102−3は、登録管理部101によりドアホン親機13−3から受信したユーザグループ情報301aのレコードを、図14Aに示すユーザグループ情報102cとして記憶する。ユーザグループ情報102cが有する項目は、ユーザグループ情報301aと同様である。ユーザグループ情報102cは、各ドアホン親機13−3から受信したユーザグループ情報301aを蓄積した情報である。
以上の実施形態3によれば、スマートフォンなどの端末装置を用いずとも、通信サーバ10−3を介してドアホン親機13−3同士で容易にプッシュ通信によるインスタントメッセージのやりとりを行うことができる。
[蓄積情報などを複数の情報発信元サーバで共有]
図15は、実施形態1〜3において蓄積情報などを複数の情報発信元サーバで共有する態様を示す図である。実施形態1〜3に係る通信サーバ10(10−2,10−3)は、ドアホン親機13(13−3)から受信したデータを蓄積し、ドアホン親機(13−3)と通信サーバ10(10−2,10−3)との間の送受信データの種類(音声や画像データを含む)に応じて情報発信元サーバ20(20−2)との連携を行う。
ドアホン親機(13−3)からデータを受信し蓄積する通信サーバ10(10−2,10−3)は、ユーザとの使用許諾を取り交わし、複数の情報発信元サーバ20(20−2)とユーザ情報や通信履歴などを共有してもよい。このための仕組みとして、通信サーバ10(10−2,10−3)は、データ蓄積部100a、API部100bを有する。図15において、通信サーバ10(10−2,10−3)のその他の構成は、省略している。
データ蓄積部100aは、情報発信元サーバ20(20−2)とやりとりしたユーザ情報や通信履歴などを蓄積記憶する。API部100bは、複数の情報発信元サーバ20(20−2)に対して通信サーバ10(10−2,10−3)へのアクセスを許可した場合に、ユーザ情報や通信履歴などを共有するための接続インタフェースである。
これにより、ユーザに対してより多くの情報を提供することが可能となる。例えば、2つの情報発信元サーバ20(20−2)が、物販業者A及び物販業者Bの各情報発信元サーバ20(20−2)である場合に、販売品の広告を配信する物販業者Aがその情報発信元サーバ20(20−2)に保持し、通信サーバ10(10−2,10−3)に蓄積されたユーザ情報を、同じく販売品の広告を配信する物販業者Bに開放することで、ユーザは、物販業者Aからの広告に加え、物販業者Bからの広告も受信することができる。
また、ユーザから発信される緊急コールや安否応答を共有することでユーザに対して必要な支援をタイムラグなしで行うことが可能となる。例えば、自治体と、この自治体が業務を委託している各地区の自治会や委嘱委員との間でユーザ情報を共有することで、より詳細な行政サービスを提供できる。例えば、独居高齢者を巡回サポートしている委嘱民生委員と自治体との連携強化を行うことができ、また、防災の案内と誘導とを連携して行うことができ、また、委嘱委員の訪問を受けた対象者が正規の委嘱委員かどうかを判断でき、また、特殊詐欺の被害を未然に防ぐことへの貢献が期待できる。
また、自治体、集合住宅の管理会社や管理事務所などが、電子掲示板や個別案内などの情報を居住者へ提供したり開示したりすることが可能となる。また、販売業者(巡回販売含む)が、購買者のグループ単位で異なるきめ細かい対応やサービスの提供が可能になる。例えば、灯油販売の際に自宅まで灯油缶を運ぶサービスは高齢者にとって特に利便性が高いサービスであるが、高齢の購買者グループに対して、このようなきめ細かいサービスを提供することができる。また、病院への緊急コールや安否応答を行政から委託されている各地域の民生委員や防災委員が情報を共有することも可能となる。
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態や変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。