JP2017173403A - 採光シート、閉鎖部材、採光システム、及び、採光シートの防眩方法 - Google Patents

採光シート、閉鎖部材、採光システム、及び、採光シートの防眩方法 Download PDF

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喜洋 金井
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Abstract

【課題】採光機能を有しつつ、眩しさを低減することができる採光シート、閉鎖部材、採光システム、及び、採光シートの防眩方法を提供する。
【解決手段】採光シート10は、互いに対向する入射面20aと出射面20bとを有し、入射面20aから入射した光を偏向して出射面20bから出射させる光偏向部20と、光偏向部20の出射面20b側に設けられ、光偏向部20側に位置する第1面30aと第1面30aに対向する第2面30bとを有し、第1の方向から第1面30aに入射した光が、第1の方向に交差する第2の方向から第1面30aに入射する光よりも多く散乱する光散乱部30とを備える。
【選択図】図1

Description

本開示は、例えば、建造物の内部に太陽光等の光を採り入れる採光シート、閉鎖部材、採光システム、及び、採光シートの防眩方法に関するものである。
従来、例えば、建造物の窓に配置して、太陽光が直接入射しない屋内に太陽光を導く採光シートが提案されている(特許文献1、2等)。このような採光シートは、複数の光反射面を有する光偏向部を備え、この光反射面により入射光を跳ね上げるように反射して屋内に導く。
採光シートは、このように光反射面で入射光を跳ね上げて利用することにより、跳ね上げた外来光が利用者の目に飛び込んで眩しさを感じさせることが無いように、比較的、屋内の高い位置に配置して使用される。
しかしながら、採光シートは、一部の入射光が、反射して跳ね上げられることなく透過して出射され、この透過光により眩しさが感じられる場合がある。特許文献3には、採光シートの屋内側にブラインドを配置することにより、このような透過光による眩しさを低減する方法が提案されている。また特許文献4には、採光シートの屋内側にハードコート層を設けて透過光を散乱させることにより、このような透過光による眩しさを低減する方法が提案されている。
これら特許文献3に開示の構成によれば、跳ね上げられることなく採光シートを透過する透過光に関して、眩しさを低減することができるものの、光反射面の反射により跳ね上げて屋内に採光された光までも、遮光されたり散乱されたりしてしまい、本来の採光機能が損なわれてしまう場合があった。
特開2010−259406号公報 特開2014−119738号公報 特開2015−001083号公報
本発明の目的は、採光機能を有しつつ、眩しさを低減することができる採光シート、閉鎖部材、採光システム、及び、採光シートの防眩方法を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
第1の発明は、互いに対向する入射面(20a)と出射面(20b)とを有し、前記入射面から入射した光を偏向して前記出射面から出射させる光偏向部(20)と、前記光偏向部の前記出射面側に設けられ、前記光偏向部側に位置する第1面(30a)と前記第1面に対向する第2面(30b)とを有し、第1の方向から前記第1面に入射した光が、前記第1の方向に交差する第2の方向から前記第1面に入射する光よりも多く散乱する光散乱部(30)と、を備える採光シート(10)である。
第2の発明は、透明基板(2)と、前記透明基板の一方の面に配置される第1の発明の採光シート(10)と、を備える閉鎖部材(1)である。
第3の発明は、互いに対向する入射面(20a)と出射面(20b)とを有し、前記入射面から入射した光を偏向して前記出射面から出射させる光偏向部(20)と、前記光偏向部の前記出射面側に配置され、前記光偏向部側に位置する第1面(30a)と前記第1面に対向する第2面(30b)とを有し、第1の方向から前記第1面に入射した光が、前記第1の方向に交差する第2の方向から前記第1面に入射する光よりも多く散乱される光散乱部(30)と、を備える採光システム(10)である。
第4の発明は、第1の発明の採光シート(10)の防眩方法であって、前記採光シートの前記光散乱部の前記第1面(30a)に入射した光のうち、前記第1の方向から入射した光を透過させて前記光散乱部(30)の前記第2面(30b)から出射させ、前記第2の方向から入射した光を散乱させて前記光散乱部の前記第2面から出射させること、を特徴とする採光シートの防眩方法である。
本発明によれば、採光機能を有しつつ、眩しさを低減することができる。
第1実施形態の閉鎖部材及び採光シートの構成を示す断面図である。 採光シートに設けられる光拡散部の詳細を説明する断面図である。 図1の構成における入射角20度の係る光の出射特性を示す図である。 図1の構成における入射角30度の係る光の出射特性を示す図である。 図1の構成における入射角40度の係る光の出射特性を示す図である。 図1の構成における入射角50度の係る光の出射特性を示す図である。 図1の構成における入射角60度の係る光の出射特性を示す図である。 第2実施形態の採光シートに設けられる光拡散部の詳細を説明する断面図である。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の閉鎖部材及び採光シートの構成を示す断面図である。
図1及び以下の説明において、本実施形態の閉鎖部材の通常の使用状態における鉛直方向をZ方向、水平方向のうち閉鎖部材の厚み方向をX方向、X方向及びZ方向に直交する左右方向をY方向とする。また、鉛直方向のうち、鉛直上側を+Z側とし、鉛直下側を−Z側とし、厚み方向のうち屋内側を+X側とし、屋外側を−X側とする。
閉鎖部材1は、接着層3により採光シート10が貼付された透明基板2である。閉鎖部材1は、空間を区切って閉鎖空間を形成しており、この閉鎖空間は、例えば、建造物の開口部に設けられる窓により仕切られる屋内空間や、パーテーションにより仕切られた空間である。
本実施形態の閉鎖部材1は、建造物の壁面に設けられた開口部に配置されており、屋外から入射する太陽光等の光を屋内側へ採光するために用いられる。また、本実施形態の閉鎖部材1は、屋外側(−X側)から順に、透明基板2、接着層3、採光シート10が配置されている。
透明基板2は、建造物の開口部に設けられる閉鎖部材1の基礎となる部材であり、例えば、窓ガラスにより構成される。
接着層3は、透明基板2と採光シート10とを接着する光透過性を有する接着剤の層であり、この種の部材の接着に使用する各種の粘着剤、接着剤、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。より具体的に、例えば、アクリル系の粘着剤、アクリル系共重合体とイソシアネート化合物とを組み合わせた粘着剤等を適用することがき、厚み10μm以上100μm以下により作製することができる。
採光シート10は、光偏向部20に、光散乱部30を接着剤層40により積層一体化して構成される。接着剤層40は、光偏向部20と光散乱部30とを接着する光透過性を有する接着剤の層であり、この種の部材の接着に使用する各種の粘着剤、接着剤、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。より具体的に、例えば、アクリル系の粘着剤、アクリル系共重合体とイソシアネート化合物とを組み合わせた粘着剤等を適用することがき、厚み10μm以上100μm以下により作製することができる。
光偏向部20は、太陽光等の入射光を反射面M(後述する)により跳ね上げるように屋内の天井側に反射して、入射光を屋内に採光する平板状のシート状部材である。光偏向部20の屋外側(−X側)の面が入射面20aであり、入射面20aに対向する屋内側(+X側)の面が出射面20bである。
光偏向部20は、基材層21、光透過部22、ルーバー部23を備え、光透過部22及びルーバー部23が入射面20a側(屋外側、−X側)となるように配置される。なお、これに代えて、実用上充分な光学特性を確保できる場合、基材層21が入射面20a側となるように配置してもよい。
基材層21は、光透過性を有し、光透過部22を保持可能な種々の構成を広く適用することができ、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等のうちの1つ以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を適用することができる。本実施形態では、汎用性の高いPETフィルム材が適用される。
光透過部22は、基材層21の透明基板2側の面に設けられた光透過性を有する樹脂の層である。光透過部22は、左右方向(Y方向)に延長する複数の凹状溝22aが鉛直方向(Z方向)に一定のピッチにより形成されている。また、光透過部22の凹状溝22a内には、ルーバー部23が設けられており、このルーバー部23と光透過部22との界面に反射面Mが形成されることとなる。
凹状溝22aが設けられた光透過部22は、基材層21に透明樹脂材料により賦型用樹脂層を作製し、凹状溝22aに対応する形状を有したロール版等の賦型処理用金型を使用して賦型処理することにより作製される。光透過部22の作製には、賦型処理可能な各種の透明樹脂材料を広く適用することができ、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の1つ以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートを適用することができる。本実施形態においては、凹状溝22aに形成されるルーバー部23との間で充分な屈折率差を確保して、光透過部22及びルーバー部23の界面に反射面Mが構成されるように、ウレタンアクリレート系の反応性樹脂が適用される。
凹状溝22aは、光透過部22及びルーバー部23の界面が反射面Mとして機能させるために、そのXZ断面における断面形状が決定される。すなわち、凹状溝22aの断面形状は、閉鎖部材1(採光シート10)の設置場所の緯度、設置の向き等によって、入射する太陽光の入射角度、入射時間帯等が種々に異なるため、これら設置個所に係る条件に従って設定される。
具体的に、この実施形態において、凹状溝22aは、そのXZ断面における断面形状が、楔形形状に形成される。ここで、楔形形状とは、一方の端部の幅が広く、他方に向けて次第に幅が狭くなる形状をいい、三角形形状や台形形状等を含むものをいう。本実施形態の凹状溝22aは、入射面20a側の幅が広く、出射面20b側に向けて次第に幅が狭くなるように形成されている。
また、この凹状溝22aの鉛直上側(+Z側)の壁面は、入射面20aに対する傾きが出射面20b側へ向かうにつれて途中から大きくなるように、断面形状が折れ面形状により形成されており、光透過部22及びルーバー部23の界面に形成される反射面Mにより、鉛直上側から入射する太陽光等の光を効率良く反射して、屋内の広い範囲に導くことができる。なお、この凹状溝22aの鉛直下側(−Z側)の壁面は、平坦面により形成されている。
なお、凹状溝22aは、この実施形態では、一定の間隔により繰り返し形成される形態を示したが、これに限定されるものでなく、不等間隔に形成されるようにしてもよい。また凹状溝22aの断面形状を、凹状溝22aの配列方向(Z方向)や、凹状溝22aの延長方向(Y方向)でその都度変化させるようにしてもよい。
ルーバー部23は、凹状溝22a内に光透過性を有する樹脂部材により形成された部分である。ルーバー部23は、光透過部22に比して屈折率の小さな透明樹脂材料が適用されることによって、鉛直上側より入射する入射光に対して、光透過部22及びルーバー部23の界面のうち、ルーバー部23の鉛直上側の界面により反射面Mが構成される。
具体的に、ルーバー部23は、汎用性の観点から、屈折率が1.45以上1.51以下の範囲が好ましく、1.46以上1.49以下であることがより好ましい。またルーバー部23は、光透過部22に対して、屈折率差が0.07以上、より好ましくは0.1以上であることが望ましい。因みに、屈折率差が0.07より小さいと全反射可能な角度が少なくなり、十分な採光を得ることができないので望ましくない。また、屈折率差を大きくするために屈折率を1.45より小さくすると、フッ素材料など汎用性の低い材料を用いることになり、材料物性の面で加工適正が低下し、また、材料の価格面で著しく高価になるので望ましくない。
光透過部22及びルーバー部23は、それぞれ、電離放射線硬化性樹脂、その他公知の硬化性樹脂等により形成され、要求性能に応じて適宜採用することができる。
電離放射線硬化性樹脂としては、アクリレート系、オキセタン系、シリコーン系などが挙げられる。例えば、アクリレート系の電離放射線硬化性樹脂は、単官能(メタ)アクリレートモノマー、2官能(メタ)アクリレートモノマーモノマー、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーなどの(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー乃至は(メタ)アクリル酸エステルプレポリマーなどからなる。さらに3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを例示すれば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。
ルーバー部23は、光透過部22の凹状溝22aに対して、例えば、ルーバー部23を構成する樹脂を充填し、ドクター刃によりワイピングすることによって形成される。
なお、ルーバー部23は、光透過部22に比して屈折率の大きな透明樹脂材料を適用して、鉛直上側から入射する入射光に対して、光透過部22及びルーバー部23の界面のうち、ルーバー部23の鉛直下側の界面により反射面Mを構成するようにしてもよい。また、ルーバー部23は、例えば、アルミニウム等の金属微粒子を含有する透明樹脂材料、白色インク等を適用して、光透過部22との界面に反射面Mを構成するようにしてもよい。
ところでこのように、太陽光等の鉛直上側から屋内側へ向けて斜め右下側に向かい、光透過部22へ入射する入射光のうち多くは、反射面Mにより跳ね上げられように反射して、屋内側へ向けて斜め右上方向に導かれる。しかし、他の入射光は、ほぼ直進して光透過部22を透過し、斜め右下方向へ向かって出射面20bから出射するため、この透過光により屋内にいる者に眩しさを感じさせてしまう場合がある。
そこで、本実施形態では、光偏向部20の出射面20b側に光散乱部30を設け、この光散乱部30により、この透過光を選択的に散乱させて、太陽光等の屋外の光を、屋内の天井側へ採光する機能を損なうことなく、眩しさをも低減する。
光散乱部30は、図2に示すように、光偏向部20側に位置する第1面30aと、第1面30aに対向する第2面30bを有したシート状の部材であり、斜め左上から右下へ向かう方向(第1の方向)から第1面30aに入射した光が、斜め左下から右上へ向かう方向(第2の方向)から前記第1面に入射する光よりも多く散乱する機能を有している。
本実施形態の光散乱部30は、屈折率の相違する第1屈折率部31及び第2屈折率部32が鉛直方向に交互に配列されており、光散乱部30には、第1屈折率部31及び第2屈折率部32の界面Kが複数形成されている。
この界面Kは、隣り合う他の界面Kとの間隔が不等間隔に配置されている。また、この界面Kを含む平面は、光偏向部20の出射面20bを含む平面(YZ面)となす角度が非垂直、すなわち90度以外の角度に配置されている。本実施形態の界面Kは、界面Kの第1面30a側の端部k1が、第2面30b側の端部k2よりも鉛直上側(+Z側)に位置するように形成されている。
このように界面Kが形成されることにより、偏向部20の出射面20bから出射し光散乱部30に入射した光のうち、斜め左下から右上に向かう方向(第2の方向)から入射した光L2は、光散乱部30に入射して、界面Kとなす角度が全反射を生じさせない程度の入射角度で界面Kへ入射し、散乱されることなく透過して、そのまま第2面30bから出射することとなる。
また、偏向部20の出射面20bから出射し光散乱部30に入射した光のうち、斜め左上から右下に向かう方向(第1の方向)から入射した光L1は、光散乱部30の第1面30aに入射して、複数の界面K間において全反射を繰り返して散乱光となり、第2面30bから出射することとなる。
そのため、採光シート10は、光散乱部30によって、光偏向部20を透過した光のうち鉛直上側へ向かう光をほとんど散乱させることなく屋内側へ出射させるとともに、鉛直下側へ向かう光を散乱させた上で屋内側へ出射させることができ、太陽光等の屋外の光を、屋内の天井側へ採光する機能を損なうことなく、眩しさをも低減することができる。
光散乱部30に設けられた各界面Kは、不規則な間隔により配置され、これにより光散乱部30は、配列された界面Kの繰り返しによる規則性を抑制して、透過光をより効率よく散乱させることができる。
なお、光散乱部30は、樹脂基材上に、屈折率の異なる第1屈折率部31、第2屈折率部32を順次、繰り返し積層し、この積層体を斜めに切り出すことによって製造される。
また、光散乱部30は、例えば、特許第2822065号に提案されているように、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を複数有し、硬化前後に0.01以上の屈折率差を有する化合物を用いて、特定の角度をなす入射光を選択的に散乱させるようにしてもよい。ここで、第1屈折率部31及び第2屈折率部32は、化合物の硬化度の違いにより形成されており、これにより、第1屈折率部31と第2屈折率部32とで屈折率の差が設けられることとなる。
この場合、使用される化合物としては、例えば、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、水添ジシクロペンタジエンジイルジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリスアクリロキシイソシアヌレート、多官能のエポキシアクリレート、多官能のウレタンアクリレートや、これらのアクリレートに対応するメタクリレートおよびジビニルベンゼン、トリアリルイソシヌレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートなどがあげられる。
また、化合物の硬化前後の屈折率差は、0.01以上が望ましく、0.02以上であることがより望ましい。仮に、屈折率差が0.01よりも小さい場合、散乱機能を十分に有することができなくなる場合があるので望ましくない。
(評価結果)
図3〜図7は、異なる入射角度の入射光を入射した閉鎖部材の出射特性を示す図である。この図3〜図7では、図1の配置に対応するように鉛直方向を設定し、閉鎖部材の左側を屋外側とし、右側を屋内側としており、閉鎖部材の屋外側に光源が配置され、閉鎖部材の屋内側の透過光量を計測した。
なお、透過光量は、対数表示により示す。透過光量の計測は、3次元変角分光測色システム(村上色彩技術研究所社製 GCMS11)を使用し、D65光源を適用した。測定モードは、透過測定モードである。
本評価試験では、上述の図1に示す閉鎖部材と同様の構成を有する実施例の閉鎖部材と、図1の閉鎖部材のうち光散乱部30を省略した比較例の閉鎖部材とを用い、それぞれの透過光量の測定を行った。
図3、図4、図5、図6、図7は、閉鎖部材の屋外側に光源を配置して光源を順次段階的に移動して、光の入射角度が、水平面に対して鉛直上側に20度、30度、40度、50度、60度傾斜した場合の透過光量の計測結果を示した図である。各図中の符号Aは、比較例の閉鎖部材の透過光量の分布であり、符号Bは、実施例の閉鎖部材の透過光量の分布である。
なお、透過光の光量は、受光面が直径3mm(視野2度)の円形形状である受光器を使用して、受光面を閉鎖部材1の表面と平行に保持して計測し、直径が3mmの円形形状の受光面で計測した計測結果に正規化して表している。
図3〜図7に示すように、光散乱部を備えない比較例の閉鎖部材の計測結果では、各入射角において、右側下側、すなわち屋内側の下側に光量のピークが計測されている。そのため、比較例の閉鎖部材は、屋内側の下側に向けて透過光が多くなる傾向であり、これにより屋内側に居る者に眩しさを感じさせてしまうことが確認された。
これに対して、光散乱部30を備えた実施例の閉鎖部材では、上述のような屋内側の下側に生じる光量のピークが比較例の閉鎖部材に比して抑制されているのが確認された。これにより、実施例の閉鎖部材は、屋内側の下側を透過する光による眩しさを低減できることが確認された。
また、光散乱部30を備えた実施例の閉鎖部材では、右上側、すなわち屋内側の上側における透過光の光量が、光散乱部を備えない比較例の閉鎖部材とほぼ同等であり、光偏向部20により採光機能が損なわれていないことも確認された。
以上より、本実施形態の閉鎖部材1(採光シート10)は、斜め左上から右下に向かう方向(第1の方向)から第1面30aに入射した光が、斜め左下から右上に向かう方向(第2の方向)から第1面30aに入射する光よりも多く散乱している。これにより、閉鎖部材1(採光シート10)は、光の採光機能を有しつつ、眩しさを低減することができる。特に、透過光を散乱させることにより、入射光を吸収する場合のように入射光を損なうことなく有効に利用することができる。
また、本実施形態の閉鎖部材1(採光シート10)は、光散乱部30が、屈折率が相違する界面Kを複数有し、斜め左上から右下に向かう方向(第1の方向)から入射した光を互いに隣り合う界面K間において繰り返し反射させて散乱させている。これにより、斜め左上方向から入射した光を散乱させる光散乱部30を、より簡易な構成で実現することができる。
更に、本実施形態の閉鎖部材1(採光シート10)は、光散乱部30の各界面Kが不等間隔に配置されているので、より確実に透過光を散乱させることができる。
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態の採光シート10に設けられる光散乱部50の詳細を説明する断面図である。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
この本実施形態の閉鎖部材1は、採光シート10に設けられる光散乱部50の形態が上述の第1実施形態の光散乱部30と相違する。
光散乱部50は、図8に示すように、光偏向部20側に位置する第1面50aと、第1面50aに対向する第2面50bを有したシート状の部材であり、斜め左上から右下に向かう方向(第1の方向)から第1面50aに入射した光が、斜め左下から右上に向かう方向(第2の方向)から前記第1面に入射する光よりも多く散乱する機能を有している。
本実施形態の光散乱部50は、透過層53及び散乱層54が鉛直方向(Z方向)に交互に繰り返し配列された形態に形成されている。
透過層53は、光透過性を有する透明な樹脂(例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等のうちの1つ以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等))により形成された層である。
散乱層54は、光を散乱させる機能を有する厚みの均一なシート状の層である。本実施形態の散乱層54は、透明樹脂中にシリカやアクリルビーズ等から形成される粒状体を分散させることにより形成されており、含有される粒状体によってこの層に入射した光を散乱させることができる。
なお、散乱層54は、上記の形態に限定されるものでなく、例えば、透明樹脂から形成された平板状の層の表面に微細凹凸形状を形成することにより、入射した光を分散させるようにしてもよい。
ここで、この散乱層54を含む平面は、光偏向部20の出射面20bを含む平面となす角度が非垂直、すなわち90度以外の角度に配置されている。
本実施形態の散乱層54は、散乱層54の第1面50a側の端部t1が、第2面50b側の端部t2よりも鉛直下側(−Z)に位置するように形成されている。
ここで、散乱層54を含む平面とは、散乱層54が、厚みが均一な平板状である場合、その表面をいい、また、散乱層54の表面に微細凹凸形状が設けられている場合、その微細凹凸形状の平均高さとなる面をいう。
これにより、偏向部20の出射面20bから出射し光散乱部50に入射した光のうち、斜め左下から右上に向かう方向(第2の方向)から入射した光L2のほとんどは、散乱層54に入射することなく、透過層53のみを透過して、そのまま第2面50bから出射することとなる。
また、偏向部20の出射面20bから出射し光散乱部50に入射した光のうち、斜め左上から右下に向かう方向(第1の方向)から入射する光L1は、複数の散乱層54を透過することにより散乱光となり、第2面50bから出射することとなる。
そのため、採光シート10は、光散乱部50によって、光偏向部20を透過した光のうち鉛直上側へ向かう光をほとんど散乱させることなく屋内側へ出射させるとともに、鉛直下側へ向かう光を散乱させた上で屋内側へ出射させることができ、太陽光等の屋外の光を、屋内の天井側へ採光する機能を損なうことなく、眩しさをも低減することができる。
本実施形態では、光散乱部50に設けられた各散乱層54は、規則的な間隔で配置されているが、これに限定されるものでなく、不等間隔に配置されるようにしてもよい。
なお、光散乱部50は、樹脂基材上に、透過層53、散乱層54を繰り返し作製して積層させた後に、この積層体を斜めに切り出すことによって製造される。
以上より、本実施形態の閉鎖部材1(採光シート10)は、上述の第1実施形態の閉鎖部材1(採光シート10)と同様の効果を奏することができる。すなわち、本実施形態の閉鎖部材1(採光シート10)は、光の採光機能を有しつつ、眩しさを低減することができる。
また、本実施形態の閉鎖部材1(採光シート10)は、斜め左上から右下に向かう方向(第1の方向)に交差する散乱層54を複数有し、斜め左上から入射した光を散乱させるので、光散乱部50をより簡易な構成で実現することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
(1)上述の実施形態において、光偏向部20に対して光散乱部30(50)が接着剤層40により接着される採光シート10の例を示したが、これに限定されるものでない。
例えば、第1実施形態において採光シート10を構成する代わりに、光偏向部20の出射面20bに対向して、第1面30aが対向するようにして光散乱部30が配置されるが、必要に応じて光散乱部30を光偏向部20から退避可能に配置される採光システムの形態としてもよい。この場合、光散乱部30は、例えば、手動により光偏向部20から退避させるようにしてもよく、光散乱部30を巻き取り可能にして、ロールに巻き取られることにより光偏向部20から退避されるようにしてもよい。
なお、光散乱部30に対して光偏向部20を退避させるようにしてもよい。
(2)上述の各実施形態において、光偏向部20は、光透過部22及びルーバー部23を備える例で説明したが、これに限定されるものでなく、異なる構成によって入射した光を偏向するようにしてもよい。
例えば、光偏向部20は、上述の光透過部22及びルーバー部23が同一の材料で形成され、光透過部22に対するルーバー部23の上側の界面に、光反射材料(例えば、アルミニウム等の金属)により形成された反射面Mが形成される形態としてもよい。
また、光偏向部20は、入射面20aに沿ってプリズム体が鉛直方向(Z方向)に複数配列された形態としてもよく、更に、プリズム体を形成する代わりに、フレネルレンズ形状を形成する形態としてもよい。
1 閉鎖部材
2 透明基板
10 採光シート
20 光偏向部
20a 入射面
20b 出射面
21 基材層
22 光透過部
22a 凹状溝
23 ルーバー部
30 光散乱部
30a 第1面
30b 第2面
31 第1屈折率部
32 第2屈折率部
50 光散乱部
50a 第1面
50b 第2面
53 透過層
54 散乱層
M 反射面

Claims (10)

  1. 互いに対向する入射面と出射面とを有し、前記入射面から入射した光を偏向して前記出射面から出射させる光偏向部と、
    前記光偏向部の前記出射面側に設けられ、前記光偏向部側に位置する第1面と前記第1面に対向する第2面とを有し、第1の方向から前記第1面に入射した光が、前記第1の方向に交差する第2の方向から前記第1面に入射する光よりも多く散乱する光散乱部と、
    を備える採光シート。
  2. 請求項1に記載の採光シートにおいて、
    前記光散乱部は、屈折率が相違する界面を複数有し、前記第1の方向から入射した光を互いに隣り合う前記界面間において繰り返し反射させて散乱させること、
    を特徴とする採光シート。
  3. 請求項2に記載の採光シートにおいて、
    複数の前記界面の少なくとも一部は、不等間隔に配置されていること、
    を特徴とする採光シート。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の採光シートにおいて、
    複数の前記界面を含む平面は、前記光偏向部の前記出射面を含む平面となす角度が非垂直であること、
    を特徴とする採光シート。
  5. 請求項1に記載の採光シートにおいて、
    前記光散乱部は、前記第1の方向に交差する散乱層を複数有し、前記第1の方向から入射した光を散乱させること、
    を特徴とする採光シート。
  6. 請求項5に記載の採光シートにおいて、
    複数の前記散乱層を含む平面は、前記光偏向部の前記出射面を含む平面となす角度が非垂直であること、
    を特徴とする採光シート。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の採光シートにおいて、
    前記光偏向部は、第3の方向に延びる複数の溝部が形成される光透過部と、前記溝部に形成され、前記光透過部との界面に反射面を有するルーバー部とを有すること、
    を特徴とする採光シート。
  8. 透明基板と、
    前記透明基板の一方の面に配置される請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の採光シートと、
    を備える閉鎖部材。
  9. 互いに対向する入射面と出射面とを有し、前記入射面から入射した光を偏向して前記出射面から出射させる光偏向部と、
    前記光偏向部の前記出射面側に配置され、前記光偏向部側に位置する第1面と前記第1面に対向する第2面とを有し、第1の方向から前記第1面に入射した光が、前記第1の方向に交差する第2の方向から前記第1面に入射する光よりも多く散乱される光散乱部と、
    を備える採光システム。
  10. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の採光シートの防眩方法であって、
    前記採光シートの前記光散乱部の前記第1面に入射した光のうち、前記第1の方向から入射した光を透過させて前記光散乱部の前記第2面から出射させ、
    前記第2の方向から入射した光を散乱させて前記光散乱部の前記第2面から出射させること、
    を特徴とする採光シートの防眩方法。
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