JP2017173403A - 採光シート、閉鎖部材、採光システム、及び、採光シートの防眩方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】採光シート10は、互いに対向する入射面20aと出射面20bとを有し、入射面20aから入射した光を偏向して出射面20bから出射させる光偏向部20と、光偏向部20の出射面20b側に設けられ、光偏向部20側に位置する第1面30aと第1面30aに対向する第2面30bとを有し、第1の方向から第1面30aに入射した光が、第1の方向に交差する第2の方向から第1面30aに入射する光よりも多く散乱する光散乱部30とを備える。
【選択図】図1
Description
第2の発明は、透明基板(2)と、前記透明基板の一方の面に配置される第1の発明の採光シート(10)と、を備える閉鎖部材(1)である。
第3の発明は、互いに対向する入射面(20a)と出射面(20b)とを有し、前記入射面から入射した光を偏向して前記出射面から出射させる光偏向部(20)と、前記光偏向部の前記出射面側に配置され、前記光偏向部側に位置する第1面(30a)と前記第1面に対向する第2面(30b)とを有し、第1の方向から前記第1面に入射した光が、前記第1の方向に交差する第2の方向から前記第1面に入射する光よりも多く散乱される光散乱部(30)と、を備える採光システム(10)である。
第4の発明は、第1の発明の採光シート(10)の防眩方法であって、前記採光シートの前記光散乱部の前記第1面(30a)に入射した光のうち、前記第1の方向から入射した光を透過させて前記光散乱部(30)の前記第2面(30b)から出射させ、前記第2の方向から入射した光を散乱させて前記光散乱部の前記第2面から出射させること、を特徴とする採光シートの防眩方法である。
図1は、第1実施形態の閉鎖部材及び採光シートの構成を示す断面図である。
図1及び以下の説明において、本実施形態の閉鎖部材の通常の使用状態における鉛直方向をZ方向、水平方向のうち閉鎖部材の厚み方向をX方向、X方向及びZ方向に直交する左右方向をY方向とする。また、鉛直方向のうち、鉛直上側を+Z側とし、鉛直下側を−Z側とし、厚み方向のうち屋内側を+X側とし、屋外側を−X側とする。
本実施形態の閉鎖部材1は、建造物の壁面に設けられた開口部に配置されており、屋外から入射する太陽光等の光を屋内側へ採光するために用いられる。また、本実施形態の閉鎖部材1は、屋外側(−X側)から順に、透明基板2、接着層3、採光シート10が配置されている。
接着層3は、透明基板2と採光シート10とを接着する光透過性を有する接着剤の層であり、この種の部材の接着に使用する各種の粘着剤、接着剤、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。より具体的に、例えば、アクリル系の粘着剤、アクリル系共重合体とイソシアネート化合物とを組み合わせた粘着剤等を適用することがき、厚み10μm以上100μm以下により作製することができる。
光偏向部20は、基材層21、光透過部22、ルーバー部23を備え、光透過部22及びルーバー部23が入射面20a側(屋外側、−X側)となるように配置される。なお、これに代えて、実用上充分な光学特性を確保できる場合、基材層21が入射面20a側となるように配置してもよい。
また、この凹状溝22aの鉛直上側(+Z側)の壁面は、入射面20aに対する傾きが出射面20b側へ向かうにつれて途中から大きくなるように、断面形状が折れ面形状により形成されており、光透過部22及びルーバー部23の界面に形成される反射面Mにより、鉛直上側から入射する太陽光等の光を効率良く反射して、屋内の広い範囲に導くことができる。なお、この凹状溝22aの鉛直下側(−Z側)の壁面は、平坦面により形成されている。
具体的に、ルーバー部23は、汎用性の観点から、屈折率が1.45以上1.51以下の範囲が好ましく、1.46以上1.49以下であることがより好ましい。またルーバー部23は、光透過部22に対して、屈折率差が0.07以上、より好ましくは0.1以上であることが望ましい。因みに、屈折率差が0.07より小さいと全反射可能な角度が少なくなり、十分な採光を得ることができないので望ましくない。また、屈折率差を大きくするために屈折率を1.45より小さくすると、フッ素材料など汎用性の低い材料を用いることになり、材料物性の面で加工適正が低下し、また、材料の価格面で著しく高価になるので望ましくない。
電離放射線硬化性樹脂としては、アクリレート系、オキセタン系、シリコーン系などが挙げられる。例えば、アクリレート系の電離放射線硬化性樹脂は、単官能(メタ)アクリレートモノマー、2官能(メタ)アクリレートモノマーモノマー、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーなどの(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー乃至は(メタ)アクリル酸エステルプレポリマーなどからなる。さらに3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを例示すれば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。
ルーバー部23は、光透過部22の凹状溝22aに対して、例えば、ルーバー部23を構成する樹脂を充填し、ドクター刃によりワイピングすることによって形成される。
光散乱部30は、図2に示すように、光偏向部20側に位置する第1面30aと、第1面30aに対向する第2面30bを有したシート状の部材であり、斜め左上から右下へ向かう方向(第1の方向)から第1面30aに入射した光が、斜め左下から右上へ向かう方向(第2の方向)から前記第1面に入射する光よりも多く散乱する機能を有している。
本実施形態の光散乱部30は、屈折率の相違する第1屈折率部31及び第2屈折率部32が鉛直方向に交互に配列されており、光散乱部30には、第1屈折率部31及び第2屈折率部32の界面Kが複数形成されている。
また、偏向部20の出射面20bから出射し光散乱部30に入射した光のうち、斜め左上から右下に向かう方向(第1の方向)から入射した光L1は、光散乱部30の第1面30aに入射して、複数の界面K間において全反射を繰り返して散乱光となり、第2面30bから出射することとなる。
なお、光散乱部30は、樹脂基材上に、屈折率の異なる第1屈折率部31、第2屈折率部32を順次、繰り返し積層し、この積層体を斜めに切り出すことによって製造される。
この場合、使用される化合物としては、例えば、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、水添ジシクロペンタジエンジイルジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリスアクリロキシイソシアヌレート、多官能のエポキシアクリレート、多官能のウレタンアクリレートや、これらのアクリレートに対応するメタクリレートおよびジビニルベンゼン、トリアリルイソシヌレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートなどがあげられる。
また、化合物の硬化前後の屈折率差は、0.01以上が望ましく、0.02以上であることがより望ましい。仮に、屈折率差が0.01よりも小さい場合、散乱機能を十分に有することができなくなる場合があるので望ましくない。
図3〜図7は、異なる入射角度の入射光を入射した閉鎖部材の出射特性を示す図である。この図3〜図7では、図1の配置に対応するように鉛直方向を設定し、閉鎖部材の左側を屋外側とし、右側を屋内側としており、閉鎖部材の屋外側に光源が配置され、閉鎖部材の屋内側の透過光量を計測した。
なお、透過光量は、対数表示により示す。透過光量の計測は、3次元変角分光測色システム(村上色彩技術研究所社製 GCMS11)を使用し、D65光源を適用した。測定モードは、透過測定モードである。
図3、図4、図5、図6、図7は、閉鎖部材の屋外側に光源を配置して光源を順次段階的に移動して、光の入射角度が、水平面に対して鉛直上側に20度、30度、40度、50度、60度傾斜した場合の透過光量の計測結果を示した図である。各図中の符号Aは、比較例の閉鎖部材の透過光量の分布であり、符号Bは、実施例の閉鎖部材の透過光量の分布である。
これに対して、光散乱部30を備えた実施例の閉鎖部材では、上述のような屋内側の下側に生じる光量のピークが比較例の閉鎖部材に比して抑制されているのが確認された。これにより、実施例の閉鎖部材は、屋内側の下側を透過する光による眩しさを低減できることが確認された。
また、光散乱部30を備えた実施例の閉鎖部材では、右上側、すなわち屋内側の上側における透過光の光量が、光散乱部を備えない比較例の閉鎖部材とほぼ同等であり、光偏向部20により採光機能が損なわれていないことも確認された。
更に、本実施形態の閉鎖部材1(採光シート10)は、光散乱部30の各界面Kが不等間隔に配置されているので、より確実に透過光を散乱させることができる。
図8は、本発明の第2実施形態の採光シート10に設けられる光散乱部50の詳細を説明する断面図である。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
この本実施形態の閉鎖部材1は、採光シート10に設けられる光散乱部50の形態が上述の第1実施形態の光散乱部30と相違する。
本実施形態の光散乱部50は、透過層53及び散乱層54が鉛直方向(Z方向)に交互に繰り返し配列された形態に形成されている。
透過層53は、光透過性を有する透明な樹脂(例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等のうちの1つ以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等))により形成された層である。
なお、散乱層54は、上記の形態に限定されるものでなく、例えば、透明樹脂から形成された平板状の層の表面に微細凹凸形状を形成することにより、入射した光を分散させるようにしてもよい。
本実施形態の散乱層54は、散乱層54の第1面50a側の端部t1が、第2面50b側の端部t2よりも鉛直下側(−Z)に位置するように形成されている。
ここで、散乱層54を含む平面とは、散乱層54が、厚みが均一な平板状である場合、その表面をいい、また、散乱層54の表面に微細凹凸形状が設けられている場合、その微細凹凸形状の平均高さとなる面をいう。
また、偏向部20の出射面20bから出射し光散乱部50に入射した光のうち、斜め左上から右下に向かう方向(第1の方向)から入射する光L1は、複数の散乱層54を透過することにより散乱光となり、第2面50bから出射することとなる。
なお、光散乱部50は、樹脂基材上に、透過層53、散乱層54を繰り返し作製して積層させた後に、この積層体を斜めに切り出すことによって製造される。
また、本実施形態の閉鎖部材1(採光シート10)は、斜め左上から右下に向かう方向(第1の方向)に交差する散乱層54を複数有し、斜め左上から入射した光を散乱させるので、光散乱部50をより簡易な構成で実現することができる。
(1)上述の実施形態において、光偏向部20に対して光散乱部30(50)が接着剤層40により接着される採光シート10の例を示したが、これに限定されるものでない。
例えば、第1実施形態において採光シート10を構成する代わりに、光偏向部20の出射面20bに対向して、第1面30aが対向するようにして光散乱部30が配置されるが、必要に応じて光散乱部30を光偏向部20から退避可能に配置される採光システムの形態としてもよい。この場合、光散乱部30は、例えば、手動により光偏向部20から退避させるようにしてもよく、光散乱部30を巻き取り可能にして、ロールに巻き取られることにより光偏向部20から退避されるようにしてもよい。
なお、光散乱部30に対して光偏向部20を退避させるようにしてもよい。
例えば、光偏向部20は、上述の光透過部22及びルーバー部23が同一の材料で形成され、光透過部22に対するルーバー部23の上側の界面に、光反射材料(例えば、アルミニウム等の金属)により形成された反射面Mが形成される形態としてもよい。
また、光偏向部20は、入射面20aに沿ってプリズム体が鉛直方向(Z方向)に複数配列された形態としてもよく、更に、プリズム体を形成する代わりに、フレネルレンズ形状を形成する形態としてもよい。
2 透明基板
10 採光シート
20 光偏向部
20a 入射面
20b 出射面
21 基材層
22 光透過部
22a 凹状溝
23 ルーバー部
30 光散乱部
30a 第1面
30b 第2面
31 第1屈折率部
32 第2屈折率部
50 光散乱部
50a 第1面
50b 第2面
53 透過層
54 散乱層
M 反射面
Claims (10)
- 互いに対向する入射面と出射面とを有し、前記入射面から入射した光を偏向して前記出射面から出射させる光偏向部と、
前記光偏向部の前記出射面側に設けられ、前記光偏向部側に位置する第1面と前記第1面に対向する第2面とを有し、第1の方向から前記第1面に入射した光が、前記第1の方向に交差する第2の方向から前記第1面に入射する光よりも多く散乱する光散乱部と、
を備える採光シート。 - 請求項1に記載の採光シートにおいて、
前記光散乱部は、屈折率が相違する界面を複数有し、前記第1の方向から入射した光を互いに隣り合う前記界面間において繰り返し反射させて散乱させること、
を特徴とする採光シート。 - 請求項2に記載の採光シートにおいて、
複数の前記界面の少なくとも一部は、不等間隔に配置されていること、
を特徴とする採光シート。 - 請求項2又は請求項3に記載の採光シートにおいて、
複数の前記界面を含む平面は、前記光偏向部の前記出射面を含む平面となす角度が非垂直であること、
を特徴とする採光シート。 - 請求項1に記載の採光シートにおいて、
前記光散乱部は、前記第1の方向に交差する散乱層を複数有し、前記第1の方向から入射した光を散乱させること、
を特徴とする採光シート。 - 請求項5に記載の採光シートにおいて、
複数の前記散乱層を含む平面は、前記光偏向部の前記出射面を含む平面となす角度が非垂直であること、
を特徴とする採光シート。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の採光シートにおいて、
前記光偏向部は、第3の方向に延びる複数の溝部が形成される光透過部と、前記溝部に形成され、前記光透過部との界面に反射面を有するルーバー部とを有すること、
を特徴とする採光シート。 - 透明基板と、
前記透明基板の一方の面に配置される請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の採光シートと、
を備える閉鎖部材。 - 互いに対向する入射面と出射面とを有し、前記入射面から入射した光を偏向して前記出射面から出射させる光偏向部と、
前記光偏向部の前記出射面側に配置され、前記光偏向部側に位置する第1面と前記第1面に対向する第2面とを有し、第1の方向から前記第1面に入射した光が、前記第1の方向に交差する第2の方向から前記第1面に入射する光よりも多く散乱される光散乱部と、
を備える採光システム。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の採光シートの防眩方法であって、
前記採光シートの前記光散乱部の前記第1面に入射した光のうち、前記第1の方向から入射した光を透過させて前記光散乱部の前記第2面から出射させ、
前記第2の方向から入射した光を散乱させて前記光散乱部の前記第2面から出射させること、
を特徴とする採光シートの防眩方法。
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JP2016056643A JP2017173403A (ja) | 2016-03-22 | 2016-03-22 | 採光シート、閉鎖部材、採光システム、及び、採光シートの防眩方法 |
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