JP2017172665A - レンジ切替装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライブラインの捩れ量を高い精度で検知することが可能なレンジ切替装置の制御装置を提供する。【解決手段】パーキング機構がパーキングロック状態にある際、パーキングロックポールを、その進退移動方向の一方向側(パーキングロックポールの爪とパーキングギヤの歯との噛み合い量が大きくなる側)に移動するようにアクチュエータを作動させる(ST3)。その際のアクチュエータの駆動電圧が所定値Va未満である場合には、ドライブラインの捩れ量が所定値未満であると判定し、P抜きショック抑制制御を非実行とするべくフラグを0にリセットする(ST5)。一方、アクチュエータの駆動電圧が所定値Va以上である場合には、ドライブラインの捩れ量が所定値以上であると判定し、P抜きショック抑制制御を実行するべくフラグを1にセットする(ST6)。【選択図】図5

Description

本発明は、自動変速機のシフトレンジを切り替えるレンジ切替装置に適用される制御装置に係る。
従来、特許文献1に開示されているように、シフトレバー等のシフト操作装置の操作状態に応じた操作信号に基づいて自動変速機のシフトレンジを切り替えるように電気的に作動するレンジ切替装置が知られている。
ところで、自動変速機が、リバースレンジまたはドライブレンジ(以下、これらシフトレンジを動力伝達レンジという場合もある)にあって、フットブレーキがオンされた車両停車状態では、エンジンからの動力(例えばアイドリング運転しているエンジンからの動力)が駆動輪に向けて伝達されていると共に駆動輪が停止状態に保持されている。この状態では、自動変速機から駆動輪に亘る動力伝達経路に捩り変形が生じている。
そして、シフト操作装置のパーキング操作に従って自動変速機がパーキングレンジに切り替えられる際、前記捩り変形が解除される前(動力伝達レンジで係合していた摩擦係合要素が解放される前)に、レンジ切替装置に備えられたパーキング機構のパーキングギヤとパーキングロックポールとが噛み合わされると、パーキングギヤと駆動輪との間のドライブライン(例えばプロペラシャフトからドライブシャフトに亘るドライブライン)に捩れトルクが残留したまま(以下、このトルクを残留捩れトルクという)、パーキングロック状態とされる場合がある。この場合、次回のシフト操作装置の操作(パーキング以外への操作)に従ってパーキングロック状態が解除された際には、前記ドライブラインの捩れが一気に解放されて(残留捩れトルクが急に解放されて)、車体にショック(以下、P抜きショックと呼ぶ)が発生する可能性がある。
特許文献1では、シフト操作装置がパーキング操作されてパーキングロック状態となった場合に、ドライブラインの捩れの大きさ(以下、捩れ量という)が所定値以上に達したことを条件に、自動変速機の摩擦係合要素を係合させる。そして、その後、シフト操作装置のパーキング以外への操作に従ってパーキングロック状態が解除された際には、そのパーキングロック状態の解除の後、前記摩擦係合要素を徐々に解放するようにしている。これにより、ドライブラインの捩れ量が大きい場合であっても、P抜きショックを抑制できるようにしている。
特開2009−236299号公報
特許文献1においては、プロペラシャフトの回転角度およびドライブシャフトの回転角度それぞれを測定可能な既存の回転数センサ(出力軸回転数センサおよび車輪速センサ)を用いて、プロペラシャフトとドライブシャフトとの回転角度差を求めている。そして、この回転角度差に基づいてドライブラインの捩れ量を求め、この捩れ量が所定値以上に達しているか否か、つまり、前述したP抜きショックを抑制するための制御(摩擦係合要素を徐々に解放する制御)が必要であるか否かを判定している。
このようにしてドライブラインの捩れ量が所定値以上に達しているか否かを判定する場合、各シャフトの回転角度を測定する回転数センサには高い精度が要求されることになる。しかしながら、既存の回転数センサ(前記出力軸回転数センサおよび車輪速センサ)では十分な精度が得られない可能性が高く、ドライブラインの捩れ量が所定値以上に達しているか否か、つまり、前述したP抜きショックを抑制するための制御が必要であるか否かを高い精度で判定することは難しい。つまり、一般的に使用されている電磁ピックアップ型の回転数センサ等では、シャフトの僅かな捩れを高い精度で検知することが困難であるため、ドライブラインの捩れ量が所定値以上に達しているか否かを高い精度で判定することは難しい。その結果、実際のドライブラインの捩れ量が所定値以上に達しているにも拘わらず、前記P抜きショックを抑制するための制御が実行されなかったり、逆に、実際のドライブラインの捩れ量が所定値未満であるにも拘わらず、前記P抜きショックを抑制するための制御が無駄に実行されてしまったりする可能性がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ドライブラインの捩れ量を高い精度で検知することが可能なレンジ切替装置の制御装置を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、動力伝達軸に設けられたパーキングギヤ、および、前記パーキングギヤに対して進退移動可能なパーキングロックポールを備えたパーキング機構と、パーキングロック操作およびパーキングアンロック操作が可能な操作装置の操作状態に応じた操作信号に基づいて前記パーキングロックポールを進退移動させることにより、このパーキングロックポールの爪が前記パーキングギヤの歯同士の間に挿入されるパーキングロック状態と前記パーキングロックポールの爪が前記パーキングギヤの歯同士の間から離脱するパーキングアンロック状態との間で前記パーキング機構を切り替える切替機構と、を備えたレンジ切替装置に適用される制御装置を前提とする。このレンジ切替装置の制御装置に対し、前記操作装置の前記パーキングアンロック操作が行われて、前記パーキング機構が前記パーキングロック状態から前記パーキングアンロック状態とされる際の前記切替機構によるパーキングアンロック動作を、前記パーキングギヤよりも駆動輪側の動力伝達軸の捩れ量に応じて変更するパーキングアンロック制御部と、前記パーキング機構が前記パーキングロック状態にある際、前記パーキングロックポールが前記進退移動方向の一方向側に移動するように前記切替機構を作動させ、その際の荷重に基づいて、前記パーキングギヤよりも駆動輪側の動力伝達軸の前記捩れ量を求める捩れ量算出部とを備えさせている。
この特定事項により、パーキング機構がパーキングロック状態にある際、捩れ量算出部が、パーキングギヤよりも駆動輪側の動力伝達軸の捩れ量を求める。そして、操作装置のパーキングアンロック操作が行われ、切替機構によってパーキング機構がパーキングロック状態からパーキングアンロック状態とされる際、パーキングアンロック制御部は、前記捩れ量算出部で求められた捩れ量に応じてパーキングアンロック動作を変更する。一例として、前記捩れ量が大きい場合(例えば、捩れ量が所定値以上である場合)には、この捩れ量が小さい場合(例えば、捩れ量が所定値未満である場合)に比べてパーキングロックポールの移動速度を低く設定する。これにより、前記捩れ量が大きい場合におけるP抜きショックを抑制できる。そして、前記捩れ量算出部による前記捩れ量(パーキングギヤよりも駆動輪側の動力伝達軸の捩れ量)を求める動作としては、パーキング機構がパーキングロック状態にある際、パーキングロックポールが前記進退移動方向の一方向側に移動するように切替機構を作動させ、その際の荷重に基づいて捩れ量を求める。
つまり、捩れ量が大きい場合には、パーキングロック状態において、パーキングロックポールの爪の側面(爪の両側面のうち、前記捩れに起因してパーキングギヤが回転する方向の上流側に位置する側面)とパーキングギヤの歯の側面(歯の両側面のうち、前記捩れに起因してパーキングギヤが回転する方向の下流側に位置する側面)とが比較的高い面圧で当接した状態となっており、パーキングロックポールを進退移動方向の一方向側に移動させる際の抵抗が大きいことに起因して荷重は大きくなる。
一方、捩れ量が小さい場合には、パーキングロック状態において、パーキングロックポールの爪の側面とパーキングギヤの歯の側面との間の面圧は比較的低いか、若しくは、これら側面は当接していない状態となっている。このため、パーキングロックポールを進退移動方向の一方向側に移動させる際の抵抗が小さいまたは抵抗が殆ど無いことに起因して荷重は小さくなる。
このように、前記捩れ量と前記荷重とは相関があるため、この荷重を検知することで、捩れ量を求めることができる。従って、本解決手段では、シャフトの回転角度を検知する回転数センサを使用することなく(特許文献1の手段を使用することなく)前記捩れ量を求めることができ、高い精度で捩れ量を求めることができる。その結果、前記捩れ量に応じたパーキングアンロック動作(例えば、P抜きショック抑制のための制御動作)を適切に実行することが可能になる。
本発明では、パーキング機構がパーキングロック状態にある際、パーキングロックポールが進退移動方向の一方向側に移動するように切替機構を作動させ、その際の荷重に基づいて動力伝達軸の捩れ量を求めるようにしている。このため、この捩れ量を高い精度で求めることができる。
実施形態に係るレンジ切替装置の概略構成を示す斜視図である。 パーキング機構のパーキングロック状態を示す図である。 パーキング機構のパーキングロック状態におけるパーキングギヤの歯とパーキングロックポールの爪との位置関係を説明するための図であって、ドライブラインの捩れ量が小さい場合を示す図である。 パーキング機構のパーキングロック状態におけるパーキングギヤの歯とパーキングロックポールの爪との位置関係を説明するための図であって、ドライブラインの捩れ量が大きい場合を示す図である。 ドライブライン捩れ量判定動作の手順を示すフローチャート図である。 ドライブラインの捩れ量が小さい場合および大きい場合それぞれにおけるシフトストローク量の変化に対する荷重の推移の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
−レンジ切替装置の概略構成−
図1は、本実施形態に係るレンジ切替装置10の概略構成を示す斜視図である。自動車等の車両に搭載される有段式の自動変速機は、例えば車両の運転席近傍に設置される操作装置としてのシフトレバー1およびPスイッチ11の操作によって選択されたシフトレンジに対応し、レンジ切替装置10の作動によって、パーキングレンジ,リバースレンジ,ニュートラルレンジ,ドライブレンジの何れかを成立するようになっている。
本実施形態のレンジ切替装置10は、いわゆるバイワイヤ方式と呼ばれるものであり、主として、自動変速機のレンジ切替用のマニュアルバルブ20と、パーキング機構30と、切替機構40と、ECU(Electronic Control Unit)5を含んだ構成になっている。
マニュアルバルブ20は、図示しない自動変速機の変速機構部に備えられる各種のブレーキやクラッチ等の摩擦係合要素の係合動作を制御する油圧制御装置の構成要素の一つである。
なお、前記油圧制御装置は、一般的に公知であるが、前記マニュアルバルブ20の他に、前記摩擦係合要素の係合動作を制御する複数のリニアソレノイドバルブを備えており、シフトレバー1やPスイッチ11が操作されたときに、マニュアルバルブ20が作動されて前記各リニアソレノイドバルブに対する作動油供給経路が変更されることによって、前記操作に対応するシフトレンジを自動変速機に成立させるものである。
このマニュアルバルブ20は、一般的に公知のスプールバルブと呼ばれる形態とされており、主として、バルブボディ21と、スプール22とを含んだ構成になっている。
パーキング機構30は、自動変速機のアウトプットシャフト(動力伝達軸)2を回転不可能とするパーキングロック状態あるいは回転可能とするパーキングアンロック状態に切り替えられるもので、主として、パーキングギヤ31と、パーキングロックポール32と、パーキングロッド33とを含んだ構成になっている。
パーキングギヤ31は、前記アウトプットシャフト2に一体回転可能に外装固定されている。
パーキングロックポール32は、パーキングギヤ31の近傍に一端側を支点として揺動(移動)自在となるように配置されている。つまり、このパーキングロックポール32は、後述するように、パーキングギヤ31に噛み合う位置とパーキングギヤ31から離脱する位置との間で、パーキングギヤ31に対して進退移動可能となっている。
このパーキングロックポール32の長手方向の途中には、パーキングギヤ31の歯31a,31a同士の間に挿入または歯31a,31a同士の間から離脱可能とされる爪32aが設けられている。なお、パーキングロックポール32は、図示しないバネによってパーキングギヤ31から後退する(引き離される)方向に常時付勢されている。
パーキングロッド33は、前記アウトプットシャフト2と略平行に延び、その延びる方向に沿って変位可能に配置されている。
このパーキングロッド33は、その前端(図1における左端)が、下記の切替機構40のディテントプレート51に連結されていて、このディテントプレート51の回動に応じて変位する。
また、パーキングロッド33の後端(図1における右端)には、パーキングロックポール32を揺動(上下方向に移動)させるためのテーパコーン37が設けられている。このテーパコーン37は、コイルスプリング38により、パーキングロッド33の後端側へ押圧されている。このコイルスプリング38は、パーキングロッド33に外装されており、その一端が、パーキングロッド33に固定された止め輪39によって支持されている。
切替機構40は、シフトレバー1やPスイッチ11で選択されたシフトレンジ(P,R,N,D)を自動変速機において成立させるために、マニュアルバルブ20やパーキング機構30を作動させるもので、主として、ディテント機構50と、アクチュエータ60とを含んで構成されている。
ディテント機構50は、マニュアルバルブ20のスプール22やパーキング機構30のパーキングロッド33を段階的に押し引きして位置決めするものである。アクチュエータ60は、ディテント機構50を作動させるものである。このアクチュエータ60は、ECU5によって制御される。
ディテント機構50は、ディテントプレート51と、支軸52と、ディテントスプリング53とを含んだ構成になっている。
ディテントプレート51は、アクチュエータ60により回動されることでマニュアルバルブ20のスプール22やパーキング機構30のパーキングロッド33を押し引きするものである。
このディテントプレート51は、扇形に形成されており、その回動中心となる位置には、支軸52が貫通する状態で一体的に回動可能に固定されている。これにより、支軸52が回動すると、それと一体にディテントプレート51が回動するようになっている。
支軸52の一端は、アクチュエータ60の出力軸63に一体的に回動可能に連結されている。
そして、ディテントプレート51の所定位置には、マニュアルバルブ20のスプール22の先端が連結されているとともに、パーキング機構30のパーキングロッド33の前端が連結されている。これにより、ディテントプレート51を回動させると、マニュアルバルブ20のスプール22が軸方向に変位するとともに、パーキングロッド33が軸方向に変位することになる。
このディテントプレート51は、シフトレバー1やPスイッチ11の操作により選択されたシフトレンジに対応して例えば4段階に回動されて、その回動姿勢に応じてマニュアルバルブ20のスプール22を軸方向に4段階に変位させるようになっている。つまり、シフトレンジを、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジおよびドライブレンジの何れかにするようにディテントプレート51が回動されて、マニュアルバルブ20のスプール22を軸方向に変位させるようになっている。
ここで、Pスイッチ11の操作(後述する押し込み操作)が、本発明でいう操作装置のパーキングロック操作に相当する。また、リバースポジション、ニュートラルポジションまたはドライブポジションへのシフトレバー1の操作が、本発明でいう操作装置のパーキングアンロック操作に相当する。
ディテントプレート51の上端には、波形部54が設けられている。波形部54の山の部分に符号55を、谷の部分に符号56をそれぞれ付している。本実施形態での波形部54は、各谷56の形状が、その底を中心として左右対称とされているが、この形状は任意である。
この波形部54は、4つのシフトレンジに対応する数(4つ)の谷56を有している。
ディテントスプリング53は、ディテントプレート51の4段階の回動姿勢を個別に位置決め保持するもので、可撓性を有する帯状の板バネからなり、その先端の二股部分に、ローラ57を回動可能に支持した構成になっている。
このディテントスプリング53の一端側は、マニュアルバルブ20のバルブボディ21に固定されている。また、ローラ57は、ディテントプレート51の波形部54における何れかの谷56に係合されるが、その状態において、ディテントスプリング53が弾性変形して反った姿勢となるように設置することによって、ディテントスプリング53の弾性復元力でローラ57を谷56の底に押し付けるように作用させて、係合状態を強くする形態としている。
アクチュエータ60は、詳細に図示していないが、電動モータと、減速機構と、出力軸63とを、ケース64内に収納した構成になっている。
このアクチュエータ60は、ケース64の外周側数ヶ所に設けられている取付片65を、自動変速機ケース(図示省略)にボルト止めすることによって支持されている。
前記ECU5は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなるマイクロコンピュータと入出力回路とを備えている。ECU5の入力回路には、シフトポジションセンサ4、出力軸回転数センサ6、車輪速センサ7およびPスイッチ11等が接続されている。
シフトポジションセンサ4は、運転者の手動操作によって選択されたシフトレバー1のシフトポジションに応じた出力信号をECU5に送信する。なお、本実施形態におけるシフトレバー1は、操作されていない状態(運転者による操作力が加えられていない状態)では所定のホームポジションに位置し、運転者の操作によってリバースポジションR、ニュートラルポジションNまたはドライブポジションDに操作された場合に、そのシフトポジション(操作位置)がシフトポジションセンサ4によって検知されて、そのシフトポジションに応じた出力信号がシフトポジションセンサ4からECU5に送信される。また、運転者からの操作力が解除されると、シフトレバー1は再びホームポジションに戻ることになる。出力軸回転数センサ6は、前記アウトプットシャフト2におけるパーキングギヤ31よりも自動変速機側(駆動力源であるエンジン側)の回転数に応じた出力信号をECU5に送信する。車輪速センサ7は、図示しない駆動輪に繋がるドライブシャフトの回転数に応じた出力信号をECU5に送信する。Pスイッチ11は、シフトレンジをパーキング以外のシフトレンジ(非Pレンジ)からパーキングレンジ(Pレンジ)へ切り替えるためのスイッチであって、運転者からの指示を受け付ける入力部を備えており、運転者による入力部の操作(ON操作;押し込み操作)により、シフトレンジをパーキングレンジに入れる指示を入力することができる。Pスイッチ11の入力部の操作による指示(パーキングレンジに入れる指示)はECU5に入力される。なお、Pスイッチ11の入力部としては、例えばプッシュスイッチ等を挙げることができる。
ECU5は、各種センサからの出力信号を受けることで、アクチュエータ60にシフトレンジ制御信号(本発明でいう操作装置の操作状態に応じた操作信号)を送信する。アクチュエータ60は、このシフトレンジ制御信号に従ったディテントプレート51の回動位置が得られるように、つまり、シフトレンジ制御信号に従った自動変速機のシフトレンジが成立する前記スプール22の軸方向の位置が得られるように出力軸63を回動させる。このように、レンジ切替装置10は、シフトレバー1およびPスイッチ11の操作状態に応じたシフトレンジ制御信号(操作信号)に基づいて自動変速機のシフトレンジを切り替えるように電気的に作動するものとなっている。
また、このアクチュエータ60の出力軸63の回動は、前記シフトレンジ制御信号に従ってパーキング機構30をパーキングロック状態とパーキングアンロック状態との間で切り替えることになる。つまり、Pスイッチ11が押し込み操作された場合には、パーキング機構30をパーキングロック状態(パーキングロックポール32の爪32aがパーキングギヤ31の歯31a,31a同士の間に挿入された状態)とし、シフトレバー1がリバースポジション、ニュートラルポジションまたはドライブポジションに操作された場合には、パーキング機構30をパーキングアンロック状態(パーキングロックポール32の爪32aがパーキングギヤ31の歯31a,31a同士の間から離脱された状態)とするように出力軸63を回動させる。このように、前記切替機構40は、パーキングロック操作およびパーキングアンロック操作が可能な操作装置(シフトレバー1およびPスイッチ11)の操作状態に応じたシフトレンジ制御信号(操作信号)に基づいてパーキングロックポール32を進退移動させることにより、パーキングロックポール32の爪32aがパーキングギヤ31の歯31a,31a同士の間に挿入されるパーキングロック状態と、パーキングロックポール32の爪32aがパーキングギヤ31の歯31a,31a同士の間から離脱するパーキングアンロック状態との間でパーキング機構30を切り替える構成となっている。
−レンジ切替装置の基本動作−
次に、前述の如く構成されたレンジ切替装置10の基本動作について説明する。
通常のレンジ切替処理では、シフトレバー1またはPスイッチ11を運転者が手動操作することにより選択されたシフトレンジに応じた信号がECU5に入力される。
この信号に基づきECU5が前記選択されたシフトレンジを認識し、このECU5がアクチュエータ60の出力軸63を正方向または逆方向に回動させ、支軸52およびディテントプレート51を適宜回動させる。
このとき、ディテントプレート51の波形部54の山55をローラ57が乗り越えることによってディテントスプリング53が一旦弾性変形して当該ローラ57が波形部54における次の谷56に係合することになり、ディテントプレート51がディテントスプリング53により位置決め保持される。
このディテントプレート51の回動によりマニュアルバルブ20のスプール22が軸方向にスライドされ、マニュアルバルブ20が、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジおよびドライブレンジのうちの選択されたシフトレンジに対応するスライド位置へと切り替えられる。これにより、前記油圧制御装置が作動し、自動変速機における適宜のシフトレンジが成立することになる。
なお、Pスイッチ11が操作(押し込み操作)されてパーキングレンジが選択された場合には、マニュアルバルブ20がパーキングレンジに対応するスライド位置に切り替えられるとともに、パーキング機構30のパーキングロッド33が軸方向にスライドされ、図2(パーキング機構30のパーキングロック状態を示す図)に示すように、パーキングロックポール32の爪32aをパーキングギヤ31の歯31a,31a同士の間に挿入して係合させるようになる。これにより、自動変速機のアウトプットシャフト2が回転不可能なパーキングロック状態にされる。
また、このパーキングロック状態からシフトレバー1が操作された場合には、ECU5は、アクチュエータ60を作動させることにより、支軸52を適宜回動させ、ディテントプレート51が回動されることになる。それに伴いパーキングロッド33およびテーパコーン37がスライドされて、テーパコーン37によるパーキングロックポール32の押し上げ力を解除する。
これにより、パーキングロックポール32が下側に移動して、爪32aがパーキングギヤ31の歯31a,31a同士の間から抜け出る(離脱する)ので、アウトプットシャフト2が回転可能なパーキングアンロック状態にされる。それと同時に、マニュアルバルブ20のスプール22が目標のスライド位置に変位されて、油圧制御装置において適宜の作動油供給経路を作成する。
−P抜きショック抑制制御−
前述したように、従来より、パーキングギヤと駆動輪との間のドライブラインに捩れトルク(前記残留捩れトルク)が残留したまま、パーキングロック状態とされた際、次回のシフトレバーの操作に従ってパーキングロック状態が解除された場合には、前記ドライブラインの捩れが一気に解放されて(残留捩れトルクが急に解放されて)、車体にP抜きショックが発生する可能性がある。
前記特許文献1には、プロペラシャフトの回転角度およびドライブシャフトの回転角度それぞれを測定可能な既存の回転数センサ(出力軸回転数センサおよび車輪速センサ)を用いて、プロペラシャフトとドライブシャフトとの回転角度差を求めている。そして、この回転角度差に基づいてドライブラインの捩れ量を求め、この捩れ量が所定値以上に達しているか否かを判定している。そして、ドライブラインの捩れ量が所定値以上に達している場合には、前記P抜きショックを抑制するための制御を行うようにしている。
しかしながら、特許文献1では、既存の回転数センサを使用しているため、ドライブラインの捩れ量の算出に十分な精度が得られない可能性が高く、ドライブラインの捩れ量が所定値以上に達しているか否か、つまり、P抜きショックを抑制するための制御が必要であるか否かを高い精度で判定することは難しい。
本実施形態は、以上の点に鑑みてなされたものであって、ドライブラインの捩れ量を高い精度で検知し、これにより、P抜きショックを抑制するための制御が適切に行われるようにするものである。以下、具体的に説明する。
本実施形態にあっては、パーキング機構30がパーキングロック状態にある際、パーキングロックポール32が、その進退移動方向の一方向側に移動するように切替機構40を作動させ、その際の荷重に基づいて、ドライブライン(パーキングギヤ31よりも駆動輪側の動力伝達軸)の捩れ量を求めるようにしている。つまり、パーキング機構30がパーキングロック状態にある際、ドライブラインに発生している捩れ量が小さい場合と大きい場合とでは、パーキングロックポール32を進退移動方向の一方向側に移動させる際の荷重が異なっていることを利用し、この荷重からドライブラインの捩れ量を求めるようにしている。
具体的に説明すると、図3は、パーキング機構30のパーキングロック状態におけるパーキングギヤ31の歯31aとパーキングロックポール32の爪32aとの位置関係を説明するための図であって、ドライブラインの捩れ量が小さい場合を示す図である。一方、図4は、パーキング機構30のパーキングロック状態におけるパーキングギヤ31の歯31aとパーキングロックポール32の爪32aとの位置関係を説明するための図であって、ドライブラインの捩れ量が大きい場合を示す図である。
ドライブラインの捩れ量が小さい場合には、前記残留捩れトルクは存在していない、または、残留捩れトルクは小さいので、アウトプットシャフト2に回転力は作用しておらず、図3に示すように、パーキングギヤ31の歯31aの側面31bとパーキングロックポール32の爪32aの側面32bとは当接していないか、若しくは、これら側面31b,32b同士が当接していてもその間の面圧は比較的低くなっている。つまり、この状態からパーキングロックポール32を進退移動方向の一方向側(例えば上側)に移動させる際の抵抗は小さく、その結果、前記荷重は小さくなる。
一方、ドライブラインの捩れ量が大きい場合には、前記残留捩れトルクが大きいために、アウトプットシャフト2に回転力が作用しており、図4に示すように(この図4では、残留捩れトルクに起因にして、アウトプットシャフト2に図中の反時計回り方向の回転力(図4における矢印Fを参照)が作用している場合を示している)、パーキングギヤ31の歯31aの側面31bとパーキングロックポール32の爪32aの側面32bとが比較的高い面圧で当接した状態となっている。つまり、この状態からパーキングロックポール32を進退移動方向の一方向側(例えば上側)に移動させる際の抵抗は大きく、その結果、前記荷重は大きくなる。
このように、ドライブラインの捩れ量と、パーキングロックポール32を進退移動方向の一方向側に移動させる際の荷重との間には相関がある。このことを利用し、本実施形態では、この荷重によってドライブラインの捩れ量を求めるようにしている。
この動作は、前記ECU5によって実行される。このため、ECU5において、パーキング機構30がパーキングロック状態にある際、パーキングロックポール32が、その進退移動方向の一方向側に移動するように切替機構40を作動させ、その際の荷重に基づいて、ドライブラインの捩れ量を求める動作を行う機能部分が本発明でいう捩れ量算出部として構成されている。
また、前記P抜きショックを抑制するための制御として、本実施形態では、パーキングロック状態から、シフトレバー1が、リバースポジション、ドライブポジションまたはニュートラルポジションに操作された際(パーキングアンロック操作が行われた際)には、前記切替機構40によって、パーキング機構30をパーキングロック状態からパーキングアンロック状態にするに当たり、前記求められた捩れ量が大きい場合、この捩れ量が小さい場合に比べてパーキングロックポール32の移動速度を低く設定するようにしている。つまり、アクチュエータ60の電動モータの回転速度(回転数)を調整することによって、パーキングアンロック状態となる位置に向かって移動するパーキングロックポール32の移動速度を低く設定するようにしている。より具体的には、前記パーキング機構30がパーキングロック状態からパーキングアンロック状態となる際のパーキングロックポール32の移動速度が高速と低速との2段階で切り替えられるようにしておき、前記捩れ量が所定値未満である場合にはパーキングロックポール32の移動速度を高速に設定する一方、前記捩れ量が前記所定値以上である場合にはパーキングロックポール32の移動速度を低速に設定するようにしている。
この動作は、前記ECU5によって実行される。このため、ECU5において、ドライブラインの捩れ量が所定値以上に達している場合に、前記P抜きショックを抑制するための制御を行う機能部分が本発明でいうパーキングアンロック制御部(切替機構40によるパーキングアンロック動作を、パーキングギヤ31よりも駆動輪側の動力伝達軸の捩れ量に応じて変更するパーキングアンロック制御部)として構成されている。
また、P抜きショックを抑制するための制御としては、前述したパーキングロックポール32の移動速度の制御には限定されず、前記特許文献1の制御を行うようにしてもよい。つまり、パーキングロック状態となった場合の前記捩れ量が所定値以上である場合には、自動変速機の摩擦係合要素を係合させ、その後、シフトレバー1の操作に従ってパーキングロック状態が解除された際には、そのパーキングロック状態の解除の後、前記摩擦係合要素を徐々に解放することでP抜きショックを抑制する制御である。
以下、前述したドライブライン捩れ量判定動作の手順について図5のフローチャートに沿って説明する。このフローチャートは、エンジンの始動後、所定時間毎に繰り返して実行される。
先ず、ステップST1において、Pスイッチ11の押し込み操作が行われたか否かが判定される。この判定は、Pスイッチ11からの出力信号に基づいて行われる。
Pスイッチ11の押し込み操作が行われておらず、ステップST1でNO判定された場合には、パーキング機構30はパーキングロック状態にはないとして、そのままリターンされる。
一方、Pスイッチ11の押し込み操作が行われ、ステップST1でYES判定された場合には、ステップST2に移り、パーキング機構30がパーキングロック状態となり(パーキングロックポール32の爪32aがパーキングギヤ31の歯31a,31a同士の間に挿入され)、前記ECU5のRAMに記憶されているパーキングレンジフラグが1にセットされたか否かが判定される。このパーキングレンジフラグは、例えばパーキングロックポール32の位置(例えばセンサ等によって検出される位置)がパーキングロック状態となる位置となった際に1にセットされるものである。
未だ、パーキングレンジフラグが1にセットされていない場合には、このパーキングレンジフラグが1にセットされるのを待つ。つまり、パーキング機構30がパーキングロック状態となるのを待つ。
そして、パーキングレンジフラグが1にセットされ、ステップST2でYES判定された場合には、ステップST3に移り、パーキングロックポール32を、その進退移動方向の一方向側に移動させるようにアクチュエータ60を作動させる。ここでは、パーキングロックポール32の爪32aとパーキングギヤ31の歯31aとの噛み合い量が大きくなるように、つまり、パーキングギヤ31の歯31a,31a同士の間に対するパーキングロックポール32の爪32aの挿入量が大きくなるようにパーキングロックポール32を上方へ移動させるべくアクチュエータ60を作動させる。具体的に、このステップST3の動作が開始される前段階でのパーキングロック状態にあっては、図3および図4に示すように、パーキングロックポール32の爪32aの先端面32cと、パーキングギヤ31の歯31a,31aの間の底面31cとの間には、僅かな隙間が存在しており、この状態から更にパーキングロックポール32を上方へ移動させることが可能な移動代が残されている。このため、この移動代分だけ、パーキングロックポール32を上方へ移動させることが可能となっている。ステップST3では、この移動代を小さくする方向にパーキングロックポール32を移動(上方へ移動)させるべくアクチュエータ60を作動させる。
この場合、パーキング機構30はパーキングロック状態となっており、図2に示すように、ディテント機構50にあっては、ディテントスプリング53のローラ57がディテントプレート51のP位置に対応する谷56に係合されているので、このローラ57が、この谷56から波形部54の斜面に沿って移動するようにアクチュエータ60を作動させることになる。つまり、図3に示すように、ドライブラインの捩れ量が小さい場合には、アクチュエータ60の荷重としては、ローラ57を谷56から波形部54の斜面に沿って移動させる程度の荷重であり、その荷重は比較的小さい。これに対し、図4に示すように、ドライブラインの捩れ量が大きい場合には、アクチュエータ60の荷重としては、ローラ57を谷56から波形部54の斜面に沿って移動させる荷重だけでなく、パーキングギヤ31の歯31aの側面31bとパーキングロックポール32の爪32aの側面32bとの当接部分での抵抗(面圧が高くなっていることによる抵抗)も荷重として加わることになり、その荷重は比較的大きくなっている。
前記アクチュエータ60を作動させた後、ステップST4に移り、この際のアクチュエータ60の駆動電圧が所定値Va以上となっているか否かを判定する。この駆動電圧は、前記荷重が大きいほど高くなるものである。また、前記所定値Vaは、前記P抜きショックの許容限界に対応した捩れ量が発生している場合のアクチュエータ60の駆動電圧に相当する値として実験またはシミュレーションによって設定されている。
図6は、ドライブラインの捩れ量が小さい場合および大きい場合それぞれにおけるシフトストローク量の変化に対する荷重の推移の一例を示す図である。この図6に示すように、ドライブラインの捩れ量が大きい場合には、その捩れ量が小さい場合に比べて荷重が大きくなっている。特に、ドライブラインの捩れ量が大きい場合、シフトストローク量の変化の初期時(パーキングロックポール32を進退移動方向の一方向側に移動させる動作の開始時)における荷重は大きくなっている。このため、前記アクチュエータ60の駆動電圧も高くなるので、この駆動電圧によってドライブラインの捩れ量が大きくなっている(捩れ量が所定値以上となっている)ことを検知することが可能である。
アクチュエータ60の駆動電圧が所定値Va未満であって、ステップST4でNO判定された場合には、ステップST5に移り、前記ドライブラインの捩れ量が小さい(捩れ量が所定値未満である)と判定する。
この場合、前記ECU5のRAMに記憶されているP抜きショック抑制制御フラグを0にリセットする。このP抜きショック抑制制御フラグは、次回のシフトレバー1の操作が行われた場合に、前述したP抜きショックを抑制するための制御を実行するか否かを規定するためのフラグであって、0にリセットされている場合には、この制御を非実行とし、1にセットされている場合には、この制御を実行させるものである。
このようにしてP抜きショック抑制制御フラグを0にリセットした後、ステップST7に移り、アクチュエータ60に印加していた電圧を解除し、アクチュエータ60の作動を停止する。つまり、進退移動方向の一方向側にパーキングロックポール32を移動させるようにしていた動作を停止する。
一方、ステップST4の判定において、アクチュエータ60の駆動電圧が所定値Va以上であってYES判定された場合には、ステップST6に移り、前記ドライブラインの捩れ量が大きい(捩れ量が所定値以上である)と判定する。
この場合、前記P抜きショック抑制制御フラグを1にセットする。つまり、次回のシフトレバー1の操作が行われた場合には、前述したP抜きショックを抑制するための制御が実行されることになる。
このようにしてP抜きショック抑制制御フラグを1にセットした後、ステップST7に移り、アクチュエータ60に印加していた電圧を解除し、アクチュエータ60の作動を停止する。つまり、進退移動方向の一方向側にパーキングロックポール32を移動させるようにしていた動作を停止する。
前記ステップST4〜ST6の動作が、本発明でいう「捩れ量算出部による動作であって、パーキング機構がパーキングロック状態にある際、パーキングロックポールが進退移動方向の一方向側に移動するように切替機構を作動させ、その際の荷重に基づいて、パーキングギヤよりも駆動輪側の動力伝達軸の捩れ量を求める動作」に相当する。
以上説明したように、本実施形態では、パーキング機構30がパーキングロック状態にある際、パーキングロックポール32が進退移動方向の一方向側に移動するように切替機構40を作動させ、その際の荷重に基づいて捩れ量を求めるようにしている。つまり、捩れ量が大きい場合には、パーキングロック状態において、パーキングロックポール32の爪32aの側面32bとパーキングギヤ31の歯31aの側面31bとが比較的高い面圧で当接した状態となっており、パーキングロックポール32を進退移動方向の一方向側に移動させる際の抵抗が大きいことに起因して荷重は大きくなる。一方、捩れ量が小さい場合には、パーキングロック状態において、パーキングロックポール32の爪32aの側面32bとパーキングギヤ31の歯31aの側面31bとの間の面圧は比較的低いか、若しくは、これら側面31b,32bは当接していない状態となっている。このため、パーキングロックポール32を進退移動方向の一方向側に移動させる際の抵抗が小さいまたは抵抗が殆ど無いことに起因して荷重は小さくなる。このように、前記捩れ量と前記荷重との間に相関があることを利用し、この荷重を検知することで、捩れ量を求めるようにしている。従って、本実施形態では、シャフトの回転角度を検知する回転数センサを使用することなく、前記捩れ量を高い精度で求めることができる。その結果、実際の捩れ量が大きいにも拘わらずP抜きショック抑制のための制御が実行されず、P抜きショックが発生してしまったり、逆に、実際の捩れ量が小さいにも拘わらずP抜きショック抑制のための制御が無駄に実行されて、車両の発進性能が悪化してしまったりすることを防止できる。
また、本実施形態では、パーキングロックポール32を、その進退移動方向の一方向側に移動させるようにアクチュエータ60を作動させる場合に、パーキングロックポール32の爪32aとパーキングギヤ31の歯31aとの噛み合い量が大きくなるようにアクチュエータ60を作動させている。このため、仮にパーキングロックポール32が移動したとしても、パーキングロックポール32の爪32aがパーキングギヤ31の歯31a,31a同士の間から離脱することはなく、パーキングロック状態が解除されてしまうことはない(捩れ量を求める動作によってパーキングロック状態が解除されてしまうといったことはない)。
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、前記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、前記実施形態は、アクチュエータ60の駆動電圧に基づいてドライブラインの捩れ量を検知するようにしていた。本発明はこれに限らず、アクチュエータ60の駆動電流値に基づいてドライブラインの捩れ量を検知するようにしてもよい。
また、前記実施形態は、パーキングロックポール32を、その進退移動方向の一方向側に移動させる際、パーキングロックポール32の爪32aとパーキングギヤ31の歯31aとの噛み合い量が大きくなるように、つまり、パーキングロックポール32を上方へ移動させるように、アクチュエータ60を作動させていた。本発明はこれに限らず、パーキングロックポール32の爪32aとパーキングギヤ31の歯31aとの噛み合い量が小さくなるように、つまり、パーキングロックポール32を下方へ移動させるように、アクチュエータ60を作動させてもよい。尚、この場合、ドライブラインの捩れ量検知動作が終了した後には、パーキングロックポール32が下方へ移動している(パーキングロックポール32の爪32aとパーキングギヤ31の歯31aとの噛み合い量が小さくなっている)可能性があるので、パーキングロックポール32を上方へ移動させるように、アクチュエータ60を作動させて、パーキングロックポール32の爪32aとパーキングギヤ31の歯31aとの噛み合い量を十分に確保するようにしておくことが好ましい。
また、P抜きショックを抑制する制御としては、前述したもの以外に、エンジンのアイドリング回転数を調整して、自動変速機に入力されるトルクを小さくすることで前記残留捩れトルクを小さくすることも挙げられる。つまり、前述したドライブラインの捩れ量検知動作によって捩れ量が大きいと判定された場合にのみ、この制御を実施することになる。
また、前記実施形態は、自動変速機として有段変速機を適用していた。本発明はこれに限らず、ベルト式等の無段変速機を適用することも可能である。
また、前記実施形態では、駆動力源としてエンジンのみを搭載した車両に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、駆動力源としてエンジンおよび電動モータを搭載したハイブリッド車両や、駆動力源として電動モータのみを搭載した電気自動車に対しても適用が可能である。
また、前記実施形態では、Pスイッチ11の押し込み操作によってパーキングレンジが選択されるようにしていた。本発明はこれに限らず、シフトレバー1の操作によってパーキングレンジが選択されるようにしたものに対しても適用が可能である。
また、前記実施形態では、油圧制御装置にマニュアルバルブ20を備えた構成について説明したが、このマニュアルバルブ20を備えない構成に対しても本発明は適用が可能である。
本発明は、自動変速機のシフトレンジを切り替えるように電気的に作動するレンジ切替装置の切り替え制御に適用可能である。
1 シフトレバー(操作装置)
2 アウトプットシャフト(動力伝達軸)
5 ECU
10 レンジ切替装置
11 Pスイッチ(操作装置)
30 パーキング機構
31 パーキングギヤ
31a 歯
32 パーキングロックポール
32a 爪
40 切替機構

Claims (1)

  1. 動力伝達軸に設けられたパーキングギヤ、および、前記パーキングギヤに対して進退移動可能なパーキングロックポールを備えたパーキング機構と、
    パーキングロック操作およびパーキングアンロック操作が可能な操作装置の操作状態に応じた操作信号に基づいて前記パーキングロックポールを進退移動させることにより、このパーキングロックポールの爪が前記パーキングギヤの歯同士の間に挿入されるパーキングロック状態と、前記パーキングロックポールの爪が前記パーキングギヤの歯同士の間から離脱するパーキングアンロック状態との間で前記パーキング機構を切り替える切替機構と、を備えたレンジ切替装置に適用される制御装置において、
    前記操作装置の前記パーキングアンロック操作が行われて、前記パーキング機構が前記パーキングロック状態から前記パーキングアンロック状態とされる際の前記切替機構によるパーキングアンロック動作を、前記パーキングギヤよりも駆動輪側の動力伝達軸の捩れ量に応じて変更するパーキングアンロック制御部と、
    前記パーキング機構が前記パーキングロック状態にある際、前記パーキングロックポールが前記進退移動方向の一方向側に移動するように前記切替機構を作動させ、その際の荷重に基づいて、前記パーキングギヤよりも駆動輪側の動力伝達軸の前記捩れ量を求める捩れ量算出部とを備えていることを特徴とするレンジ切替装置の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021260794A1 (ja) * 2020-06-23 2021-12-30 武蔵精密工業株式会社 伝動装置

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