JP2017172616A - 組合せオイルコントロールリング - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間のエンジン運転においても、スペーサエキスパンダとサイドレール間の固着が発生することなく、優れたオイルコントロール機能を維持し得る自動車エンジン用の組合せオイルコントロールリングを提供する。【解決手段】一対のサイドレール20a、20bと軸方向波形に山部と谷部が形成されたスペーサエキスパンダ11とからなる組合せオイルコントロールリングにおいて、前記山部及び前記谷部がそれぞれ、サイドレールの内周面を押圧する耳部12a、12b、サイドレールを支持する突起部13a、13b、及び中手部14a、14bから構成され、中手部と対向するサイドレールの側面との間に形成される空間部15a、15bの最小の軸方向断面積(Smin)と前記組合せオイルコントロールリングが装着されるピストンのオイルリング溝の溝底からシリンダライナ内壁までの軸方向断面積(S0)との比(Smin/S0)を1.9%以上とする。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車用エンジンのピストンに装着される組合せオイルコントロールリングに関し、特に一対のサイドレールと軸方向波形に山部と谷部が形成されたスペーサエキスパンダとからなる組合せオイルコントロールリングに関する。
現代社会にとっての最重要課題として、地球環境負荷の低減に関する施策が活発に進められている。中でも、二酸化炭素(CO2)排出量の削減や石油資源の節約等が重要視され、特に自動車エンジンにおいては、小型軽量化及び各種損失の低減による燃料消費量の低減が一層強く求められている。また一方で、排出ガスの浄化に対する要求も一層高まっており、排出ガス中に含まれる有害物質の低減や、そのための潤滑油消費量の低減が大きな課題とされている。
自動車エンジンにおいては、長時間の運転に伴い、潤滑油が加熱され、ブローバイガスに曝されることにより、潤滑油中に炭化水素の未燃焼物質やオイル添加剤の変性物(以下これらを総じて「オイルスラッジ」という。ここでオイルスラッジには比較的粘性の低いオイルスラッジの前駆体も含む。)が混在する状態となる。オイルスラッジがエンジン部品に付着・堆積すると、部品を摩耗させたり、潤滑油の通路を塞いだりして、組合せオイルコントロールリング(以下、特に意図しない限り「オイルリング」という。)等のエンジン部品の機能に支障を来すことがある。オイルリングでは、特にひどい場合、スペーサエキスパンダとサイドレールが固着し、離間するサイドレールの動きを阻害してオイルコントロール機能を充分に発揮することができなくなる。
従来のオイルリングは、図6(b)に示すように、合口を有する一対の円環状サイドレール(120a、120b)と、サイドレールを支持するスペーサエキスパンダ(101)とからなる。またスペーサエキスパンダ(101)は、図6(a)に示すように、軸方向波形に山部(102)と谷部(103)、並びに山部と谷部を繋ぐ脚部(104)とからなる。山部及び谷部の内周側には耳部(105a、105b)、外周側にはサイドレールを支持する突起部(106a、106b)、耳部と突起部の間に窪んだ中手部(107a、107b)が形成されている。スペーサエキスパンダとサイドレールとを組合せると、耳部、突起部、中手部、サイドレールの間に隙間状の空間部(108a、108b)が形成される。
オイルリングは、スペーサエキスパンダ(101)の耳部(105a、105b)の角度により、サイドレール(120a、102b)が半径方向及び軸方向の分力によって押圧され、シリンダ壁面及びピストンのオイルリング溝側面においてシール機能を発揮する。特に、軸方向幅寸法を小さくした薄幅オイルリングは、シリンダ壁面に対する追従性が良好で、サイドシール機能もあることから、低張力であってもオイル消費を増加させることなく摩擦損失を低減できる。しかし、オイルリングでは、前述したスペーサエキスパンダとサイドレールの間の空間部(108a、108b)にオイルスラッジが堆積しやすく、特に、薄幅化した場合には、堆積したオイルスラッジによってサイドレール(120a、120b)がスペーサエキスパンダ(101)に固着する可能性が高くなる。固着が発生すると、サイドレールのシリンダ壁面への追従性が極端に低下するため、オイル消費量が急激に増大してしまう。
オイルリングへのオイルスラッジの付着及び堆積防止法として、従来技術には、スペーサエキスパンダやサイドレールの表面に固着防止のためのコーティングを施す方法や、スペーサエキスパンダを設計面でオイルスラッジが堆積しにくい寸法にすることが開示されている。
例えば、特許文献1や特許文献2には、フッ素系の樹脂被膜又はフッ素系樹脂を含有する樹脂被膜、特許文献3には、フルオロアルキル基置換アルコキシドを含む被膜、特許文献4には、無機ポリシラザンを含む前駆体ポリマーの親水性被膜、特許文献5には、表面自由エネルギーと水素結合力が低い金属被膜をコーティングする方法が開示されている。これらの被膜は、撥水撥油性、若しくはそれらと反対に親水性の被膜、又はオイルスラッジの付着力に着目して検討された固着防止方法である。
一方、オイルリングの設計面の対策として、特許文献6には、オイルリング溝内に流入したオイルをクランクケース側に環流させる観点で、スペーサエキスパンダの耳部の角度を10〜20°にし、且つ第1及び第2のサイドレールをそれぞれ支持する突起部の軸方向突出距離Xの合計距離2Xと両耳部の軸方向端面間の距離Yとの比2X/Yを0.04〜0.15とすること、さらにオイルリング溝に連通している複数のドレーンホールの開口についてピストンの反スラスト側よりもスラスト側に多く形成することを教示している。また、特許文献7は上記の比2X/Yを0.13〜0.25とし、且つスペーサエキスパンダの凸部(山部)間又は凹部(谷部)間のピッチPと、前記距離Yとの比P/Yを1.35〜1.65とすること、さらにオイルリングの組合せ呼び幅(h1)と組合せ厚さ(a6)との積の、耳部、突起部、中手部、サイドレールの間の空間部の断面積に対する比を12〜71とすることについても教示している。
しかし、上記の通り、比2X/Yについて、特許文献6は0.04〜0.15としているのに対し特許文献7は0.13〜0.25としているように、それぞれ要求範囲が異なっており、実験的裏付けが十分でないようにもみえる。また、特許文献6と特許文献7において、その他のパラメーターの影響については考慮されていない。
特開2002-310299号公報 特開2003-254155号公報 特開2000-027995号公報 特開2006-258110号公報 WO2011/043364A1号公報 特許4633639号公報 特開2013-155829号公報
本発明は、長期間のエンジン運転においても、スペーサエキスパンダとサイドレール間の固着が発生することなく、優れたオイルコントロール機能を維持し得る自動車エンジン用の組合せオイルコントロールリングを提供することを課題とする。
本発明者らは、オイルリングの装着されたピストンのオイルリング溝に流入したオイルがオイルリング溝内径側に形成されたオイル戻し穴に環流する状況について検討するにあたって、オイル戻し穴の数がスペーサエキスパンダの山部及び谷部の数に比べてはるかに少ないことから、スペーサエキスパンダの半径方向のオイルの流れよりも円周方向のオイルの流れのほうがより重要であることに着目して数値流体解析を行った結果、耳部、突起部、中手部、サイドレールの間の隙間を流れるオイルの流速が、当該隙間に付着・堆積するオイルスラッジの排出に密接に関係していることを発見した。さらに、固着防止機能に加え、サイドレールの追従性を改善しうるオイルコントロールリングの寸法設計により、優れたオイルコントロール機能を維持しうる組合せオイルコントロールリングに想到することができた。
すなわち、本発明の組合せオイルコントロールリングは、一対のサイドレールと軸方向波形に山部と谷部が形成されたスペーサエキスパンダとからなる組合せオイルコントロールリングであって、前記スペーサエキスパンダの前記山部及び前記谷部が、それぞれ、前記サイドレールの内周面を押圧する耳部、前記サイドレールを支持する突起部、及び前記耳部と前記突起部の間の中手部から構成され、前記中手部と対向する前記サイドレールの側面との間に形成される空間部の最小の軸方向断面積(Smin)と前記組合せオイルコントロールリングが装着されるピストンのオイルリング溝の溝底からシリンダライナ内壁までの軸方向断面積(S0)との比(Smin/S0)が1.9%以上であることを特徴とする。前記比(Smin/S0)は4.5%以下であることが好ましい。
また、前記耳部の耳高さ(a10)は前記スペーサエキスパンダのエキスパンダ高さ(a9)の28.9〜34.2%であることが好ましい。
また、前記突起部の突起高さ(C)は前記スペーサエキスパンダのエキスパンダ高さ(a9)の5.3〜26.3%であることが好ましく、前記突起部の突起幅(A)は前記スペーサエキスパンダのエキスパンダ幅(h9)の6.7〜13.9%であることが好ましく、前記中手部高さ(B)は前記スペーサエキスパンダのエキスパンダ高さ(a9)の39.5〜55.3%であることが好ましく、前記突起幅(A)は0.12〜0.25 mmであることが好ましい。
さらに、前記サイドレールに対向する前記中手部は略円周方向に傾斜していることが好ましく、前記中手部は略円周方向に凸形状であることが好ましい。
本発明のオイルリングは、スペーサエキスパンダの中手部と対抗するサイドレールの側面との間に形成される空間部の最小の軸方向断面積(Smin)とオイルリングが装着されるピストンのオイルリング溝の溝底からシリンダライナ内壁までの軸方向断面積(S0)との比(Smin/S0)が1.9%以上になるように設計されており、このとき当該空間を流れるオイルの流速の増加により、当該空間に付着・堆積するオイルスラッジの排出が急激に改善され、スペーサエキスパンダとサイドレールの固着を防止することができる。また、スペーサエキスパンダの耳部の耳高さ(a10)を前記スペーサエキスパンダのエキスパンダ高さ(a9)の28.9〜34.2%に設計することにより、スペーサエキスパンダの座りが安定し、且つサイドレールの厚さ(a1)が薄くなるため追従性を著しく向上でき、低張力化してもオイル消費を大きく低減することが可能となる。さらに、中手部を略円周方向に傾斜させ、また凸形状にすることによって、オイルを確実に流し出すことが可能となる。
一対のサイドレールとスペーサエキスパンダを組合せた本発明のオイルリングの一例を示す断面図である。 シリンダライナの中に挿入されたピストンのオイルリング溝を示す断面図である。 本発明のオイルリングを構成するスペーサエキスパンダの別の一例の一部を示す斜視図である。 図3(a)のスペーサエキスパンダとサイドレールを組み合わせた本発明のオイルリングを示す断面図である。 本発明のオイルリングを構成するスペーサエキスパンダのさらに別の一例の一部を示す斜視図である。 図4(a)のスペーサエキスパンダとサイドレールを組み合わせた本発明のオイルリングを示す断面図である。 Smin/S0と合口隙間比(m2/m1)との関係を示す図である。 Smin/S0とオイルスラッジ付着量との関係を示す図である。 従来のスペーサエキスパンダの一部を示す斜視図である。 従来のオイルリングを示す断面図である。
以下に本発明のオイルリングの実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のオイルリングの一実施形態を示す。スペーサエキスパンダ(11)は、従来のスペーサエキスパンダと同様に、山部及び谷部が、それぞれ、耳部(12a、12b)、突起部(13a、13b)及び中手部(14a、14b)から構成され、中手部(14a、14b)と対向するサイドレール(20a、20b)の側面との間に空間部(15a、15b)が形成される。この空間部(15a、15b)の軸方向断面積(Sa、Sb:上下対称なのでSa=Sb)、特に、最小の軸方向断面積(Smin)が、当該空間部(15a、15b)を流れるオイルの流速に影響し、固着防止上、重要なパラメーターとなる。図2に示すオイルリング溝の溝底からシリンダライナ内壁までの軸方向断面積(S0)を基準にして実験的研究を行った結果、比(Smin/S0)を1.9%以上とすることにより、サイドレールとスペーサエキスパンダ間の固着を確実に回避することができ、逆に、比(Smin/S0)が1.9%未満になると固着を回避することが困難となる。比(Smin/S0)に上限は特に設けないが、比(Smin/S0)は4.5%以下であることが好ましい。
また、本発明のオイルリングでは、サイドレールの追従性を向上し、オイル消費を低減するために、サイドレールの幅寸法(a1)を比較的小さくすることが好ましい。その場合、対応するスペーサエキスパンダは、耳部(12a、12b)の耳高さ(a10)をスペーサエキスパンダのエキスパンダ高さ(a9)の28.9〜34.2%とすることが好ましい。
上記のように耳高さ(a10)の調整により、サイドレール(20、20)の厚さ(a1)が小さくなった場合は、オイルリング溝上下面におけるシール機能の観点で耳部(12a、12b)の角度θを調整することが好ましく、本発明のオイルリングの場合、θは10〜30°が好ましく、15〜25°がより好ましい。
また、本発明のオイルリングでは、比(Smin/S0)を1.9%以上とするために、スペーサエキスパンダの突起部(13a、13b)の突起幅(A)を大きくし、中手部(14a、14b)の中手部高さ(B)を大きくすることが好ましい。その場合、関連する突起部(13a、13b)の突起高さ(C)は、スペーサエキスパンダのエキスパンダ高さ(a9)の5.3〜26.3%とすることが好ましいく、5.3〜15.8%とすることがより好ましい。
また、スペーサエキスパンダの突起部(13a、13b)の突起幅(A)は、具体的には0.12〜0.25 mmであることが好ましく、0.15〜0.20 mmであることがより好ましい。また、スペーサエキスパンダのエキスパンダ幅(h9)に対しては6.7〜13.9%であることが好ましく、8.3〜11.5%であることがより好ましい。
図3(a)及び図3(b)は、別の一実施形態であるスペーサエキスパンダ(21)を示している。中手部(24a、24b)は略円周方向に傾斜しており、中手部のオイルを円周方向片側に流し易くしている。隣接する中手部の傾斜角度は、略円周方向にプラス(登り)若しくはマイナス(下り)のいずれでも良く、又はプラス(登り)とマイナス(下り)を交互に繰り返してもよい。よって、中手部(24a、24b)と対向するサイドレール(20a、20b)の側面との間に形成される空間部(25a、25b)の最小の軸方向断面積(Smin)は、前記空間部(25a、25b)の端部の軸方向断面積となる。
図4(a)及び図4(b)は、さらに別の一実施形態であるスペーサエキスパンダ(31)を示している。中手部(35a、35b)は略円周方向に逆V形状の凸形状を呈しており、中手部のオイルを円周方向両側に流し易くしている。前記凸形状の頂上部分に対応する位置の軸方向断面積が空間部(35a、35b)の最小の軸方向断面積(Smin)となる。
上記のスペーサエキスパンダは、線材の塑性加工によって形成することができる。
実施例1〜10(E1〜E10)及び比較例1〜4(C1〜C4)
スペーサエキスパンダは、1.90 mm×0.25 mm(但し、比較例1は1.60 mm×0.25 mm)の圧延帯材(SUS304材)からギアを利用した成形方法を用い、またサイドレールは、1.62 mm×0.35 mm(但し、実施例2〜3、5〜6、8〜10は1.72 mm×0.35 mm、比較例1は1.37 mm×0.35 mm)の圧延帯材(SUS440B)からコイリングにより、組合せオイルリングの呼び径(d1)87 mm、組合せ幅(h1)2.0 mm、組合せ厚さ(a6)2.2 mm(但し、比較例1は1.9 mm)となる組合せオイルリングを作製した。ここで、スペーサエキスパンダの山部(谷部)から山部(谷部)へのピッチは2.7 mm、耳角度は20°(但し、比較例1は25°)、中手部はサイドレール側面に略平行な平面形状とした。なお、張力値は23 Nを目標値としてスペーサエキスパンダの展開長さを調整している。各実施例1〜10及び比較例1〜4について、スペーサエキスパンダの細部寸法を表1に、サイドレールの幅寸法及び厚さ寸法を表2に示す。
Figure 2017172616
Figure 2017172616
[1] 実機試験
実施例1〜4の組合せオイルリングを2.4リットル4気筒エンジンの1番気筒から4番気筒にそれぞれ装着した。試験は、エンジンオイルには市場より回収した劣化オイルを用い、停止状態から最高出力回転数までの運転条件と、低温から高温までの油水温条件を連続的に繰り返すパターン運転を所定時間(所定サイクル数)実施する条件で行った。所定時間経過後に以下の評価方法に従い、サイドレールの合口隙間の測定とオイルスラッジ付着量の測定を行った。ここで、トップリング及びセカンドリングは次の仕様のものを用いた。
(1) トップリング
材質:SWOSC-V、外周面窒化クロムイオンプレーティング処理
サイズ:d1=87.0 mm、h1=1.2 mm、a1=3.1 mm
(2) セカンドリング
材質:SWOSC-V、外周面クロムめっき処理
サイズ:d1=87.0 mm、h1=1.2 mm、a1=3.4 mm
実施例5〜10及び比較例1〜4の組合せオイルリングについても、実施例5〜8、実施例9〜10及び比較例1〜2、比較例3〜4及び実施例1〜2、実施例3〜6、実施例7〜10、並びに比較例1〜4の組合せに分けて、上記2.4リットル4気筒エンジンを用い、実施例1〜4の組合せの場合と同様にして、実機試験を行った。よって、試験回数は各実施例及び比較例について2回となる。
[2] サイドレール合口隙間の測定
実機試験終了後、ピストンをシリンダから抜いた状態で、オイルリングの上下のサイドレールの合口隙間(m2)を測定し、実機試験前のピストンに組み付けた状態の合口隙間(m1)(実機試験前はフリー状態の合口隙間に等しい)との比(m2/m1)を求めた。一対のサイドレールそれぞれについて、m2/m1を求め、2 回の実機試験の平均値を算出した。
[3] オイルスラッジ付着量の測定方法
実機試験終了後、ピストンからオイルリングを取り外し、電気炉中 200℃で 1 時間乾燥し、デシケータ中で室温まで冷却させ、その後のオイルリングの質量を測定した。予め測定した実機試験前のオイルリングの質量との差を算出し、2 回の実機試験の平均値をオイルスラッジ付着量とした。
実施例1〜10及び比較例1〜4の実機試験結果を表3に示す。各試験結果は、合口隙間は実施例1のm2/m1を100とし、オイルスラッジの付着量も実施例1付着量を100として、相対値で示している。
Figure 2017172616
表3より、実機試験後の合口隙間比(m2/m1)は、実施例1〜10の100〜126に対し、比較例1〜4では27〜58に減少し、オイルスラッジ付着量は、実施例1〜10の81〜107に対し、比較例1〜4では169〜359に増加している。すなわち、比較例1〜4では、オイルスラッジの堆積によりサイドレールが拘束されたため、ピストンをシリンダから抜いた状態でも合口が元の状態に戻り(拡がり)にくくなっているのに対し、実施例1〜10では、オイルスラッジの付着・堆積が低減され、よって、オイルリングの拘束の程度が低減され、元の状態に戻り(拡がり)易くなっていると考えられる。
上記の評価結果について考察するため、表4に、スペーサエキスパンダの各寸法によって決まる中手部と対向するサイドレール側面との間に形成される空間部の最小の軸方向断面積(Smin)、ピストンのオイルリング溝の溝底からシリンダライナ内壁までの軸方向断面積(S0)、比(Smin/S0)、耳高さ(a10)のエキスパンダ高さ(a9)に対する比(a10/a9)、突起部高さ(C)のエキスパンダ高さ(a9)に対する比(C/a9)、突起幅(A)のエキスパンダ高さ(a9)に対する比(A/a9)、中手部高さ(B)のエキスパンダ高さ(a9)に対する比(B/a9)について示す。
Figure 2017172616
図5(a)にSmin/S0と合口隙間比(m2/m1)との関係、図5(b)にSmin/S0とオイルスラッジ付着量比との関係を示す。合口隙間比(m2/m1)は、Smin/S0が1.5%から1.9%にかけて急激に上昇し、1.9%以上ではサイドレールの拘束が生じにくくなっていることが分かる。一方、オイルスラッジ付着量は、Smin/S0が1.9%まで単調に減少し、1.9%以上では変化していないので、Smin/S0が1.9%以上でオイルスラッジの付着・堆積が抑制されていることが分かる。
実施例11(E11)
中手部を図3(a)及び図3(b)に示すように略円周方向に傾斜させたスペーサエキスパンダとした以外は実施例1と同様にして組合せオイルリングを作製した。突起部の円周方向一端の突起幅A1を0.12 mm、他端の突起幅A2を0.15 mmとした。よって、Sminは実施例1と同じである。
実施例12(E12)
中手部を図4(a)及び図4(b)に示すように略円周方向に凸形状としたスペーサエキスパンダとした以外は実施例1と同様にして組合せオイルリングを作製した。突起部の円周方向中央の突起幅A3を0.12 mm、円周方向両端の突起幅A4を0.15 mmとした。よって、Sminは実施例1と同じである。
実施例11(E11)及び実施例12(E12)についても、実施例1と同様の実機試験を行った。ここで、2.4リットル4気筒エンジンの1番気筒及び3番気筒に実施例11の組合せオイルリング、2番気筒及び4番気筒に実施例12の組合せオイルリングを装着した。試験結果を表5に示す。
Figure 2017172616
1 ピストン
2 シリンダ
3 ピストンリング溝
11, 21, 31, 101 スペーサエキスパンダ
12a, 12b, 22a, 22b, 32a, 32b, 105a, 105b 耳部
13a, 13b, 23a, 23b, 33a, 33b, 106a, 106b 突起部
14a, 14b, 24a, 24b, 34a, 34b, 107a, 107b 中手部
15a, 15b, 25a, 25b, 35a, 35b, 108a, 108b 空間部
20a, 20b, 120a, 120b サイドレール
a1 サイドレール厚さ
a6 組合せオイルリングの組合せ厚さ
a9 スペーサエキスパンダのエキスパンダ高さ
a10 スペーサエキスパンダの耳高さ
h1 組合せオイルリングの組合せ幅
h9 スペーサエキスパンダのエキスパンダ幅
A スペーサエキスパンダの突起幅
B スペーサエキスパンダの中手部高さ
C スペーサエキスパンダの突起高さ
θ スペーサエキスパンダの耳角度
Smin 空間部の最小の軸方向断面積
S0 シリンダライナ内壁までのオイルリング溝の軸方向断面積
m1 実機試験前のサイドレールの合口隙間
m2 実機試験後のサイドレールの合口隙間

Claims (9)

  1. 一対のサイドレールと軸方向波形に山部と谷部が形成されたスペーサエキスパンダとからなる組合せオイルコントロールリングであって、前記スペーサエキスパンダの前記山部及び前記谷部が、それぞれ、前記サイドレールの内周面を押圧する耳部、前記サイドレールを支持する突起部、及び前記耳部と前記突起部の間の中手部から構成され、前記中手部と対向する前記サイドレールの側面との間に形成される空間部の最小の軸方向断面積(Smin)と前記組合せオイルコントロールリングが装着されるピストンのオイルリング溝の溝底からシリンダライナ内壁までの軸方向断面積(S0)との比(Smin/S0)が1.9%以上であることを特徴とする組合せオイルコントロールリング。
  2. 請求項1に記載の組合せオイルコントロールリングにおいて、前記比(Smin/S0)が4.5%以下であることを特徴とする組合せオイルコントロールリング。
  3. 請求項1又は2に記載の組合せオイルコントロールリングにおいて、前記耳部の耳高さ(a10)が前記スペーサエキスパンダのエキスパンダ高さ(a9)の28.9〜34.2%であることを特徴とする組合せオイルコントロールリング。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の組合せオイルコントロールリングにおいて、前記突起部の突起高さ(C)が前記スペーサエキスパンダのエキスパンダ高さ(a9)の5.3〜26.3%であることを特徴とする組合せオイルコントロールリング。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の組合せオイルコントロールリングにおいて、前記突起部の突起幅(A)が前記スペーサエキスパンダのエキスパンダ幅(h9)の6.7〜13.9%であることを特徴とする組合せオイルコントロールリング。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の組合せオイルコントロールリングにおいて、前記中手部高さ(B)が、前記スペーサエキスパンダのエキスパンダ高さ(a9)の39.5〜55.3%であることを特徴とする組合せオイルコントロールリング。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の組合せオイルコントロールリングにおいて、前記突起部の突起幅(A)が0.12〜0.25 mmであることを特徴とする組合せオイルコントロールリング。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の組合せオイルコントロールリングにおいて、前記サイドレールに対向する前記中手部が略円周方向に傾斜していることを特徴とする組合せオイルコントロールリング。
  9. 請求項8に記載の組合せオイルコントロールリングにおいて、前記サイドレールに対向する前記中手部が略円周方向に凸形状であることを特徴とする組合せオイルコントロールリング。
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