JP2017172107A - 裏込構造の施工方法および混合材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】水中構造物の背面側に裏込石と裏埋土とから構築される裏込構造において吸い出し防止機能を維持可能な裏込構造を施工する方法およびそのための混合材料を提供する。【解決手段】この裏込構造の施工方法は、裏込石11と裏埋土12とから構成される裏込構造10を水中構造物1の背面1b側に構築する際に、含水比を100〜300%に調整した粘性土(内割り体積比で70〜90%)と粒径37.5mm以下の製鋼スラグ(内割り体積比で10〜30%)とを混合しさらに繊維状物質を外割り体積比で0.1〜1.0%添加した混合材料を、裏込石上に水中打設するものである。【選択図】図1

Description

本発明は、裏込構造を施工する方法およびそのための混合材料に関する。
護岸・岸壁の築造の際に、裏込石を通して裏埋土が吸い出されてしまうことを防止するために裏込石の法面に防砂シートが敷設されるが、防砂シートの被災による裏埋土の吸い出しや陥没が報告されている。また、裏込石法面の均しやシートの接続等に潜水作業が必要となるため、大深度での施工の際には困難が伴う。かかる問題を解決するために、裏込石法面にFAモルタル等を適用することが提案されている(非特許文献1)。また、流動化状態の粘土やさらに固化材を充填した多数の袋を捨石の裏込石法面に敷設する方法、裏埋土に浸透固化液を注入する方法が提案されている(特許文献1,2)。
特開平07-82722号公報 特開2003-13437号公報
平成13年度研究論文集「FAモルタルの防砂シート代替材としての適用に関する技術的検討」元木卓也・鶴谷広一・吉平健治 平成14年8月発行 発行所 財団法人沿岸開発技術研究センター(http://www.cdit.or.jp/ronbun/2002/H13-29.pdf)
しかし、上記公知の方法には次のような問題が指摘されている。すなわち、セメントなどの固化材を使用した材料では、クラック等が生じて吸い出し防止機能が低下する可能性がある。ポンプ打設の際に流動性のある材料が裏込石の空隙に落下して材料のロスが生じる可能性がある。材料の流動性が高いため勾配を大きくするためには、増粘剤の添加、土嚢等を用いて土留を行う等の対策が必要となる。また、粘土や固化材を充填した多数の袋を用意するのは手間がかかり、また、浸透固化液の注入法は裏埋土の施工前には適さない。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、水中構造物の背面側に裏込石と裏埋土とから構築される裏込構造において吸い出し防止機能を維持可能な裏込構造を施工する方法およびそのための混合材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための裏込構造の施工方法は、裏込石と裏埋土とから構成される裏込構造を水中構造物の背面側に構築する裏込構造の施工方法であって、含水比を100〜300%に調整した粘性土(内割り体積比で70〜90%)と粒径37.5mm以下の製鋼スラグ(内割り体積比で10〜30%)とを混合し、さらに繊維状物質を外割り体積比で0.1〜1.0%添加した混合材料を前記裏込石上に水中打設することを特徴とする。
この裏込構造の施工方法によれば、粘性土と製鋼スラグと繊維状物質との混合材料を裏込石上に打設することで、裏埋土の吸い出し防止層を形成することができるが、かかる吸い出し防止層を形成する混合材料は、繊維状物質を添加することで、クラックの発生が抑制され、さらには、たとえ変形によりクラックが発生しても、その後強度の回復を図ることができるので、吸い出し防止層による吸い出し防止機能を確実に維持することができる。また、かかる混合材料は、その流動性が固化材を用いた材料と比較すると小さいため、また、製鋼スラグの粒子によるアーチ作用のため、裏込石の空隙に落下し難く、したがって、無駄になる材料を減らすことができる。
上記裏込構造の施工方法において、前記混合材料からなる層を前記裏込石の法面に形成し、次に、前記形成された層に接するように前記裏埋土を構築することができる。上述のように混合材料の流動性は比較的小さいので、裏込石の法面の勾配が大きくなっても増粘剤の添加や土嚢等を用いて土留を行う等の対策が不要であり、また、法面勾配の大小の制約がなくなるので、裏込構造の設計の自由度が高まる。
また、低流動性の前記混合材料を水中打設して第1層を形成し、次に、高流動性の前記混合材料を前記第1層上に水中打設して第2層を形成することで2層構造とすることができる。
また、前記混合材料のフロー値を82mm以上90mm未満に調整して第1層を形成し、次に、前記フロー値を90mm以上に調整して前記第1層上に第2層を形成することで2層構造とすることができる。
上述のように、吸い出し防止層を2層構造とすることで、吸い出し防止機能の維持と、裏込石の空隙に落下する材料の低減と、増粘剤の添加や土留を行う等の対策の不要化との各効果をいっそう確実に得ることができる。
なお、混合材料の流動性・フロー値の調整は、粘性土の含水比、製鋼スラグの混合量および繊維状物質の添加量の少なくともいずれか1つを変更することで、実施することができる。また、比較的低流動性の混合材料を第1層として水中打設し、次に、同じ配合割合の混合材料に対し水中打設時または水中打設後に衝撃・振動を与えることで流動性を高めることで第2層を形成するようにしてもよい。
また、前記第1層をグラブ投入により形成し、前記第2層をポンプ打設により形成することが好ましい。
上記目的を達成するための混合材料は、裏込石と裏埋土とから構成される裏込構造において前記裏込石上に前記裏埋土の吸い出し防止のために適用される材料であって、含水比を100〜300%に調整した粘性土(内割り体積比で70〜90%)と、粒径37.5mm以下の製鋼スラグ(内割り体積比で10〜30%)と、繊維状物質(外割り体積比で0.1〜1.0%)と、を含む。
この混合材料によれば、裏込石上に打設することで、裏埋土の吸い出し防止層を形成することができるが、かかる吸い出し防止層において、繊維状物質によりクラックの発生が抑制され、さらには、たとえ変形によりクラックが発生しても、その後強度の回復を図ることができるので、吸い出し防止層による吸い出し防止機能を維持することができる。また、かかる混合材料は、その流動性が固化材を用いた材料と比較すると小さいため、また、製鋼スラグの粒子によるアーチ作用のため、裏込石の空隙に落下し難く、したがって、無駄になる材料を減らすことができる。
本発明の裏込構造の施工方法および混合材料によれば、水中構造物の背面側に裏込石と裏埋土とから構築される裏込構造において裏込石上で吸い出し防止機能を確実に維持することができる。
本実施形態によるケーソン式の護岸・岸壁構造を概略的に示す断面図である。 図1の吸い出し防止層13をポンプ打設により施工する様子を示す概略図である。 図1の吸い出し防止層13をグラブ投入により施工する様子を示す概略図である。 図1の吸い出し防止層13を2層構造にした構成例を示す要部断面図である。 本実施例において表1の混合材料について実施した一軸圧縮試験から得られた応力ひずみ線図を示す図である。 本実施例において強度回復の確認のために表2の混合材料について実施した一軸圧縮試験から得られた圧縮ひずみと圧縮応力比との関係を示す図(a)(b)である。 本実施例において表3の混合材料についてJHS A 313に基づいて実施したフロー試験の結果を示すグラフである。 本実施例において表3の混合材料についてJIS R5201に基づいて実施したモルタルフロー試験の結果を示すグラフである。 本実施例において表4に示す混合材料について実施したフロー試験の結果を示すグラフである。 本実施例において表5に示す混合材料について実施したフロー試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態によるケーソン式の護岸・岸壁構造を概略的に示す断面図である。
図1のように、本実施形態による護岸・岸壁構造は、内部1aに中詰砂が充填された重力式のケーソン1と、捨石により水底に構築されケーソン1が設置されるマウンド2と、護岸・岸壁の岸側(図1の紙面右側)に構築される裏込構造10と、を有する。この護岸・岸壁構造の上部には必要な上部工(図示省略)が設置される。
図1の裏込構造10は、ケーソン1の背面1b側(岸側)に砕石から構築される裏込石11と、裏込石11の法面11a上に構築される吸い出し防止層13と、吸い出し防止層13に接するように岸側(図1の紙面右側)に土砂から構築される裏埋土12と、を有する。
吸い出し防止層13は、含水比を100〜300%に調整した粘性土(内割り体積比で70〜90%)と粒径37.5mm以下の製鋼スラグ(内割り体積比で10〜30%)とを混合し、さらに繊維状物質を外割り体積比で0.1〜1.0%添加した混合材料から構成される。
かかる混合材料からなる吸い出し防止層13により、裏込構造10の裏埋土12の土砂が裏込石11の砕石の隙間およびマウンド2の捨石の隙間を通してケーソン1の前面側に吸い出されて裏埋土12が減少してしまう吸い出し現象を防止することができる。
上述の粘性土としては、浚渫土の他、購入材料、たとえば山粘土、ベントナイトなどを使用できる。含水比を100〜300%に調整して使用する。
上述の製鋼スラグは粒径37.5mm以下であり、目標強度等に応じて、製鋼スラグの混合量を粘性土に対し10〜30%(体積比)の範囲で調整する。なお、製鋼スラグとして、高炉で製造された銑鉄を転炉で精錬する工程で生成される粒状体である転炉系製鋼スラグを用いることが好ましい。
上述の繊維状物質として各種繊維を使用可能であり、たとえば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ビニロン等を使用できる。繊維の寸法は任意であるが、製鋼スラグのザラザラした表面に繊維が引っかかるため、混練時に事前の短繊維をほぐす手間を省略することが可能である。また、細い繊維を使用することにより、少ない繊維量で効果を発揮することが可能である。添加量は外割り体積比で0.1〜1.0%の範囲で調整される。
本実施形態による混合材料によれば、粘性土に製鋼スラグを混合することで、強度を向上させることができる。また、繊維状物質の添加により粒状材料である製鋼スラグに繊維状物質が絡みやすくなることで、高い変形追随性を有するとともに、ひずみが加えられても強度低下が抑制され、クラックの発生を抑制することができる。さらに、この混合材料にクラックが発生しても、その後、強度の回復を期待することができる。
本実施形態による混合材料によれば、かかる混合材料からなる吸い出し防止層13におけるクラック発生が抑制されるとともに、変形によりクラックが生じた場合でも、その後強度の回復を期待できるので、クラック発生の問題を回避でき、このため、吸い出し防止層13による裏埋土吸い出し防止機能を確実に維持することができる。
また、本実施形態の混合材料は、セメントなどの固化材を使用した材料と比較して流動性が小さいため、また、製鋼スラグの粒子によるアーチ作用のため、裏込石11を構成する砕石の空隙に落下し難くなり、このため、無駄になる材料を減らすことができ、材料コストが嵩まない。また、裏込石11の法面11aの勾配が大きくなっても増粘剤の添加や土嚢等を用いて土留を行う等の対策が不要であり、また、法面勾配の大小の制約がなくなるので、裏込構造の設計の自由度が高まる。
また、本実施形態の混合材料において、粘性土の含水比が100%以上であると、製鋼スラグや繊維状物質との施工性が低下せずに良好で、含水比300%以下であると、強度が低下せずに良好である。製鋼スラグの混合量が体積比30%以下であると、流動性・施工性が低下せずに良好であり、また、体積比10%以上であると、強度の向上が期待できる。また、繊維状物質の添加量が体積比0.1%以上であると、強度低下抑制・変形追随性付与・強度回復の効果を得ることができ、また、添加量が体積比1.0%以下であると、流動性・施工性を確保できるとともに添加量が多くなり過ぎずにコストがさほどかさまない。
本実施形態の混合材料は、密度の大きい製鋼スラグを含むため、単位体積重量がFAモルタル(1.65)よりも大きい(1.8程度)。吸い出し防止層13においては、マウンド2を透過した透過波圧に対して自重で抵抗させる必要があるが、本混合材料は単位体積重量が大きくなるため、吸い出し防止層13の厚さを低減することが可能となり、材料・施工コストの低減に寄与できる。また、従来の防砂シートを必要としないので、裏込石法面の均しやシートの接続等のための大深度での潜水作業が不要となり、このため施工性が低下しない。
図1の裏込構造10は、ケーソン1の背面1b側(岸側)に砕石を投入して裏込石11を施工し、次に、裏込石11の法面11a上に上述の混合材料を用いて吸い出し防止層13を施工し、次に、吸い出し防止層13に接して岸側に土砂を投入して裏埋土12を施工することで、構築することができる。
次に、上述の吸い出し防止層13の施工について図2,図3を参照してさらに説明する。図2は、図1の吸い出し防止層13をポンプ打設により施工する様子を示す概略図である。図3は、図1の吸い出し防止層13をグラブ投入により施工する様子を示す概略図である。
図2のように、混合打設艤装台船20上において浚渫土を貯留部21からベルトコンベア23により搬送し、製鋼スラグを貯留部22からベルトコンベア24により搬送し、所定の体積比で浚渫土および製鋼スラグをミキサ25へ供給するとともに、短繊維を所定の体積比でミキサ25に供給し、これらの浚渫土と製鋼スラグと短繊維とをミキサ25で混合してから、この混合材料を打設ポンプ26によりホース27、打設管28を通して裏込石11の法面11a上に水中打設し、吸い出し防止層13を施工する。打設管28はクレーン29により吊られて移動され所定位置に設置される。
図3のように、上述の混合材料Mを陸上プラントで作製し、この混合材料Mを土運船30で引き船31により運搬し、クレーン船32のクレーン33で吊られたグラブバケット34により土運船30の混合材料Mを所定量だけブロック状にして裏込石11の法面11aに投入することで水中打設し、吸い出し防止層13を施工する。
以上のように、本実施形態によれば、図1の裏込石11の法面11aに対し、上述の混合材料を図2のポンプ打設または図3のグラブ投入により水中打設することで、吸い出し防止層13を構築することができる。
次に、図1の吸い出し防止層13を2層構造にした別の実施形態について図4を参照して説明する。図4は、図1の吸い出し防止層13を2層構造にした構成例を示す要部断面図である。
図4の吸い出し防止層13は、低流動性に調整された上述の混合材料を用いて裏込石11の法面11a上に形成された第1層13aと、高流動性に調整された上述の混合材料を用いて第1層13aの上に形成された第2層13b、とから構成される。
具体的には、上述の混合材料のフロー値を82mm以上90mm未満の低流動性に調整して第1層13aを形成し、次に、フロー値を90mm以上の高流動性に調整して第1層13a上に第2層13bを形成する。上述の混合材料の流動性・フロー値の調整は、粘性土の含水比、製鋼スラグの混合量および繊維状物質の添加量の少なくともいずれか1つを変更することで行うことができ、フロー値は、JHS A 313によるフロー試験により求めることができる。
また、図4の吸い出し防止層13の施工は、第1層13aを図3のようなグラブ投入により形成し、第2層13bを図2のようなポンプ打設により形成することで、実施することが好ましい。
本実施形態の混合材料は、セメントなどの固化材を使用した材料と比較してその流動性が低くなる傾向があるので、上述のように、裏込石11の砕石の空隙に落下することを防止できるのであるが、その一方、打設した混合材料同士の間に隙間ができ易く、隙間が形成されてしまうと、その部分が水みちとなり、吸い出し防止効果が低下してしまう。この問題に対し、図4の吸い出し防止層13の2層構造によれば、第1層13aを比較的低流動性の混合材料から形成することで、混合材料の空隙落下を防止するとともに、たとえ混合材料同士の間に隙間が形成されたとしても、その上に第2層13bを比較的高流動性の混合材料から形成するので、その隙間を埋めることができ、水みちの形成を防止できる。これにより、吸い出し防止層13における裏埋土の吸い出し防止機能の維持効果と混合材料の空隙落下防止効果とを確実に得ることができる。
なお、混合材料の流動性は、粘性土の含水比や製鋼スラグの混合量や短繊維の添加量により調整できるが、混合材料の打設時または打設後に振動や衝撃を与えることにより、混合材料の流動性を高めるようにしてもよい。かかる衝撃や振動は、バイブレーターや振動バケット等を用いて混合材料に与えることができる。
また、たとえば、図4の2層構造の構築の際に、第1層13aを通常の混合材料から形成し、その同じ配合割合の混合材料に対し衝撃・振動を与えることで高流動性として第2層13bを形成するようにしてもよい。
本発明による混合材料について実施例によりさらに説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
本実施例の混合材料は、含水比160%に調整した浚渫土(土粒子密度2.633g/cm3、液性限界101.3%)と、製鋼スラグ(室内試験のため粒径9.5mm以下に調整)とを混合し、ポリエステル短繊維(繊維長20mm、繊維径14.8μm)を所定の体積比で添加し混合したものである。実施例1〜6では短繊維の配合割合を体積比で0.1〜1.0vol%まで6段階に変え、比較例1では短繊維を配合していない。実施例1〜6および比較例1についての配合を次の表1に示す。
Figure 2017172107
表1のように繊維添加量をパラメータにした混合材料を作製し、養生7日後に一軸圧縮試験を実施した。この一軸圧縮試験から得られた応力ひずみ線図を図5に示す。なお、一軸圧縮試験は、JIS A 1216に基づいて実施した。
図5の結果から、短繊維を混合しない比較例1では5%の圧縮ひずみに達する前から圧縮応力が低下したのに対し、実施例2〜6のように短繊維を体積比で0.2%vol以上添加すると、5%以上の大ひずみレベルにおいても圧縮応力が低下しない材料となることがわかる。また、短繊維を体積比で0.1vol%添加した実施例1では、圧縮ひずみが5%のとき圧縮応力が低下しないことがわかる。また、繊維添加量が体積比で0.2〜1.0vol%の実施例2〜6では、繊維の添加量に応じて5%以上の大ひずみレベルにおいて圧縮応力の保持効果が高くなることがわかる。つまり、繊維添加量が増すと、混合材料の変形追随性が向上し、クラックの発生が抑制される。
上述のように、繊維添加量が0.1〜1.0vol%の実施例1〜6では、繊維の添加量に応じてひずみ5%またはそれ以上における圧縮応力が低下せず、変形追随性が向上することがわかる。また、繊維添加量が1.0vol%を超えた場合においても圧縮応力が低下しないと考えられるが、5%のひずみレベルにおいて添加量を増やすことによる顕著な差が認められないこと、添加量の増加はコストアップの要因となることから、繊維添加量の上限は、1.0vol%と設定することが妥当であることがわかる。
次に、含水比160%に調整した浚渫土(土粒子密度2.633g/cm3、液性限界101.3%)に、次の表2のように、実施例7として製鋼スラグ(室内試験のため粒径9.5mm以下に調整)を所定の体積比で、ポリエステル短繊維(繊維長20mm、繊維径14.8μm)を所定の体積比で添加し混合して混合材料を得た。繊維の添加量は、本実施形態による混合材料における繊維添加量(0.1〜1.0vol%)の中央値に近いことから0.5vol%とした。また、繊維の添加の有無によるせん断強度の回復性を比較するため、比較例2として繊維添加量を0vol%とした材料を得た。なお、繊維の比重を1.38g/cm3とすると、繊維添加量が0.5vol%の場合の単位体積あたりの繊維重量は6.9kg/m3となる。
Figure 2017172107
上記混合材料から作製した供試体を28日間養生してから、5%のひずみレベルまで一軸圧縮した後、載荷を一旦停止し供試体をとりだし、85日間暴露した後、再び一軸圧縮試験を実施した。暴露方法は、供試体をラップで包み乾燥を防ぐ方法(気中暴露)による。なお、最初に与える圧縮のひずみレベルを5%とした理由は、比較例2の繊維添加量0vol%の供試体では、5%を超える圧縮ひずみを与えると、その後、供試体をとりだし暴露の準備をする際に供試体が崩壊してしまう恐れがあるためである。
図6(a)に比較例2、図6(b)に実施例7の各圧縮試験の結果を示す。図6(a)(b)の縦軸の圧縮応力は、圧縮ひずみ5%以下における圧縮応力の最大値により正規化(圧縮応力比)している。図6(a)のように繊維を添加していない場合、再負荷すると最初の圧縮時の一軸圧縮強さ以下であったのに対し、図6(b)のように繊維添加量を0.5vol%とした場合、浚渫土に製鋼スラグと繊維を添加することで、最初の圧縮時の一軸圧縮強さを超え、強度回復が確認できる。このように、本実施例の混合材料によれば、クラックが発生しても、その後の強度の回復を期待することができる。
次に、粒径37.5mm以下の製鋼スラグを30vol%添加する条件で、浚渫土(土粒子密度2.668g/cm3、液性限界84.3%)の含水比を液性限界(wL)の百分率として125,150,175%と3段階に変え、ポリエステル短繊維の添加量を所定の体積比で変化させて混合材料を作製した。次の表3のように、実施例8〜12では短繊維の配合割合を体積比で0.1〜1.0vol%まで5段階に変え、比較例3では短繊維を配合していない。
Figure 2017172107
表3の混合材料について日本道路公団規格JHS A 313に基づいてフロー試験を実施し、その結果を図7に示す。JHS A 313に基づくフロー試験では、縦80mm×直径80mmの円筒形の筒に混合材料を充填し、筒を引き上げた後の混合材料の直径を測定した。図7から、浚渫土の含水比と繊維添加量とにより、混合材料の流動性を調整できることがわかる。すなわち、図7の実線の範囲の配合をフロー値90mm以上の高流動性と設定し、図7の破線の範囲の配合をフロー値90mm未満(82mm以上)の低流動性と設定できる。なお、フロー値82mmは、良好な施工性・流動性を得る上での下限値である。
次に、表3の混合材料についてJIS R5201に基づいてモルタルフロー試験を実施し、その結果を図8に示す。JIS R5201に基づくモルタルフロー試験では、西尾レントオール株式会社が販売するモルタルフロー試験器(JIS R5201適合品)を用いて、上部内径70mm、下部内径100mm、高さ60mmのフローコーンに混合材料を充填し、フローコーンを引き上げ、15秒間に15回ハンドルを回してフローテーブルを上下させた後に混合材料の直径を測定した。図8から、図7と同様に、浚渫土の含水比と繊維添加量とにより、混合材料の流動性を調整できることがわかる。また、混合材料に衝撃や振動を与えることにより、モルタルフロー値が大きくなり、流動性が大きくなることがわかる。たとえば、浚渫土の含水比1.25wL、繊維添加量0.5vol%のフロー値は図7のように82.5mmであり、充填した筒の直径から2.5mmしか広がらないのに対し、同じ配合で衝撃を与えたモルタルフロー試験を行った結果では図8のように123.5mmであり、下部内径100mmから23.5mm広がった。
次に、含水比126.5%(液性限界の150%)の浚渫土(土粒子密度2.668g/cm3、液性限界84.3%)に、表4のように、実施例13〜22として製鋼スラグ(粒径37.5mm以下)を所定の体積比(20vol%,30vol%)で混合し、ポリエステル短繊維(繊維長20mm、繊維径14.8μm)を体積比0.1〜1.0vol%添加し混合した混合材料についてJHS A 313に基づいてフロー試験を実施した。また、比較例4〜7として繊維添加量を0vol%,1.5vol%とした混合材料についても同様のフロー試験を実施した。
Figure 2017172107
これらの試験結果を図9に示す。図9から、製鋼スラグの混合量が20vol%の場合でも、30vol%の場合と同様に、短繊維の添加量が増えるに従い、フロー値が小さくなり流動性が低下することがわかる。短繊維を1.5vol%添加した比較例5,7と、1.0vol%の繊維添加量の実施例17,22と、を比べると、フロー値が82mm以上を確保するには、繊維添加量の上限は1.0vol%であることが好ましいことがわかる。
次に、表5のように、実施例23〜25として含水比160%(液性限界の168%)に調整した浚渫土(土粒子密度2.633 g/cm3、液性限界101.3%)と製鋼スラグ(室内試験のため粒径9.5mm以下に調整)とを所定の体積比で混合し、ポリエステル短繊維(繊維長20mm、繊維径14.8μm)を体積比0.5vol%で添加し混合し、これに流動性を向上させるため、分散材(AMPS系)を2kg/m3添加した混合材料についてJHS A 313に基づいてフロー試験を実施した。また、比較例8として製鋼スラグの体積比を40vol%とした以外は同様の材料についてフロー試験を実施した。
Figure 2017172107
図10に試験結果を示す。図10から製鋼スラグの混合量が増えるにしたがって、フロー値が小さくなり、混合材料の流動性が低下することがわかる。製鋼スラグの混合量を40vol%とした比較例8は、フロー値が82mm未満となって、流動性がかなり低くなることがわかる。これに対し、製鋼スラグの混合量が30vol%以下の実施例23〜25はフロー値が82mmを超えて、流動性を確保できることがわかる。これにより、本混合材料において製鋼スラグの混合量を10〜30vol%とすることが妥当であることが確認できた。なお、製鋼スラグの混合量を30vol%とした際の材令28日の一軸圧縮強さは、300kN/m2程であった。
以上のように本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。たとえば、本発明による裏込構造を本実施形態ではケーソン式の護岸・岸壁構造に適用したが、本発明はこれに限定されず、他の水中構造物に適用でき、たとえば、矢板式の護岸・岸壁構造に適用してもよい。
また、図1の吸い出し防止層13を一層に構成した場合、混合材料の流動性を、混合材料の空隙落下を防止できかつ隙間の形成を防止できるように調整する。この場合、混合材料の流動性は、粘性土の含水比や製鋼スラグの混合量や短繊維の添加量により調整できるが、混合材料の打設時または打設後に混合材料に振動や衝撃を与えることで混合材料の流動性を高めるようにしてもよい。
また、図2では、艤装台船20上のプラントで浚渫土と製鋼スラグと短繊維とを混合し混合材料を作製したが、混合材料の作製方法は、これに限定されず、たとえば、陸上プラントで行うようにしてもよく、この場合は、作製した混合材料を土運船で運搬し、ポンプ打設を行う。また、図3では、混合材料を陸上プラントで作製したが、図2と同様に、艤装台船上のプラントで作製し、グラブ投入するようにしてもよい。
本発明によれば、水中構造物の背面側に裏込石と裏埋土とから構築される裏込構造において裏込石上で吸い出し防止機能を確実に維持できるので、裏埋土の吸い出し・裏埋土における陥没を防止できる。
1 ケーソン、水中構造物
1b ケーソンの背面
2 マウンド
10 裏込構造
11 裏込石
11a 法面
12 裏埋土
13 吸い出し防止層
13a 第1層
13b 第2層
M 混合材料

Claims (6)

  1. 裏込石と裏埋土とから構成される裏込構造を水中構造物の背面側に構築する裏込構造の施工方法であって、
    含水比を100〜300%に調整した粘性土(内割り体積比で70〜90%)と粒径37.5mm以下の製鋼スラグ(内割り体積比で10〜30%)とを混合し、さらに繊維状物質を外割り体積比で0.1〜1.0%添加した混合材料を前記裏込石上に水中打設することを特徴とする裏込構造の施工方法。
  2. 前記混合材料からなる層を前記裏込石の法面に形成し、次に、前記形成された層に接するように前記裏埋土を構築する請求項1に記載の裏込構造の施工方法。
  3. 低流動性の前記混合材料を水中打設して第1層を形成し、次に、高流動性の前記混合材料を前記第1層上に水中打設して第2層を形成することで2層構造とする請求項1または2に記載の裏込構造の施工方法。
  4. 前記混合材料のフロー値を82mm以上90mm未満に調整して第1層を形成し、次に、前記フロー値を90mm以上に調整して前記第1層上に第2層を形成することで2層構造とする請求項1または2に記載の裏込構造の施工方法。
  5. 前記第1層をグラブ投入により形成し、前記第2層をポンプ打設により形成する請求項3または4に記載の裏込構造の施工方法。
  6. 裏込石と裏埋土とから構成される裏込構造において前記裏込石上に前記裏埋土の吸い出し防止のために適用される材料であって、
    含水比を100〜300%に調整した粘性土(内割り体積比で70〜90%)と、粒径37.5mm以下の製鋼スラグ(内割り体積比で10〜30%)と、繊維状物質(外割り体積比で0.1〜1.0%)と、を含む混合材料。
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