JP2017171880A - ポリアミド樹脂組成物および成形品 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物および成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】高い機械的強度を維持しつつ、耐摩耗性に優れた成形品を提供可能なポリアミド樹脂組成物、ならびに、前記ポリアミド樹脂組成物を用いた成形品の提供。【解決手段】(A)ポリアミド樹脂と、(B)ポリオレフィンワックスを含み、前記(A)ポリアミド樹脂が、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂10〜90質量%と、(a−2)前記(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂よりも融点が低く、かつ、ガラス転移温度が20℃以上低い脂肪族ポリアミド樹脂10〜90質量%を含む、ポリアミド樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリアミド樹脂組成物および前記ポリアミド樹脂組成物を用いた成形品に関する。
従来から、ポリアミド樹脂を摺動部品に用いることが検討されている。例えば、特許文献1には、テレフタル酸成分と1,10−デカンジアミン成分からなるポリアミド100質量部および摺動性改良材0.5〜60質量部を含有するポリアミド樹脂組成物からなる摺動部材(摺動部品)が開示されている。また、特許文献2には、繊維状充填材を長さ方向に揃えた状態で束ね、前記繊維状充填材の束にポリアミドを溶融させた状態で含浸させ一体化した後に、5〜15mmの長さに切断した樹脂含浸繊維束を含む樹脂組成物であり、 前記ポリアミドが、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンまたは脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミンから得られる芳香族ポリアミドであり、前記繊維状充填材が、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、玄武岩繊維から選ばれるものであり、前記樹脂組成物を用いた摩耗性試験において、目視により表皮がめくれないと確認できるものである、耐摩耗性成形体用の樹脂組成物が開示されている。
特開2013−64420号公報 特開2012−131918号公報
上述のとおり、ポリアミド樹脂を用いた摺動部品は、耐摩耗性に優れる必要がある。しかしながら、本発明者が検討したところ、耐摩耗性が不十分であったり、耐摩耗性に優れていても、機械的強度が劣る場合があることが分かった。本発明は、かかる課題を解決することを目的としたものであって、高い機械的強度を維持しつつ、耐摩耗性に優れた成形品を提供可能なポリアミド樹脂組成物、ならびに、前記ポリアミド樹脂組成物を用いた成形品を提供することを目的とする。
かかる状況のもと、本発明者が鋭意検討を行った結果、下記手段<1>により、好ましくは<2>〜<14>により、上記課題を解決しうることを見出した。
<1>(A)ポリアミド樹脂と、(B)ポリオレフィンワックスを含み、前記(A)ポリアミド樹脂が、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂10〜90質量%と、(a−2)前記(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂よりも融点が低く、かつ、ガラス転移温度が20℃以上低い脂肪族ポリアミド樹脂10〜90質量%を含む、ポリアミド樹脂組成物。
<2>前記(A)ポリアミド樹脂が、さらに、(a−3)前記(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂よりも融点の高いポリアミド樹脂を1〜50質量%の割合で含む、<1>に記載のポリアミド樹脂組成物。
<3>前記(B)ポリオレフィンワックスの含有量が、(A)ポリアミド樹脂100質量部に対して1〜50質量部である、<1>または<2>に記載のポリアミド樹脂組成物。
<4>さらに、無機充填剤を(A)ポリアミド樹脂100質量部に対し、10〜200質量部の割合で含む、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。
<5>前記無機充填剤がガラス繊維である、<4>に記載のポリアミド樹脂組成物。
<6>前記(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミンの少なくとも一方に由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上が、炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するポリアミド樹脂である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。
<7>前記(A)ポリアミド樹脂が、前記(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂を15〜55質量%の割合で含む、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。
<8>前記(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂がポリアミド6を含む、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。
<9>前記(a−3)ポリアミド樹脂がポリアミド66である、<1>〜<8>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。
<10>さらに、核剤を(A)ポリアミド樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部の割合で含む、<1>〜<9>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。
<11>さらに、黒色着色剤を(A)ポリアミド樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部の割合で含む、<1>〜<10>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。
<12><1>〜<11>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物から形成される成形品。
<13>摺動部品である、<12>に記載の成形品。
<14>上記<1>〜<11>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物であって、さらに、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩から選択される少なくとも1種の金属塩を含むポリアミド樹脂組成物。
本発明により、高い機械的強度を維持しつつ、耐摩耗性に優れた成形品を提供可能なポリアミド樹脂組成物、ならびに、前記ポリアミド樹脂組成物を用いた成形品を提供可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、(A)ポリアミド樹脂と、(B)ポリオレフィンワックスを含み、前記(A)ポリアミド樹脂が、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂10〜90質量%と、(a−2)前記(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂よりも融点が低く、かつ、ガラス転移温度が20℃以上低い脂肪族ポリアミド樹脂10〜90質量%を含むことを特徴とする。このような構成とすることにより、高い機械的強度を維持しつつ、耐摩耗性に優れた成形品が得られる。このメカニズムは、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂が機械的強度を高く維持し、前記(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂よりも融点が低く、かつ、ガラス転移温度が20℃以上低い脂肪族ポリアミド樹脂(a−2)が摺動面の摩擦熱により軟化し、摺動部品を削れにくくすることができるためと推定される。
<(A)ポリアミド樹脂>
<<(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂>>
本発明における(A)ポリアミド樹脂は、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂を含む。半芳香族ポリアミド樹脂を含むことにより、得られる成形品の機械的強度や荷重たわみ温度を高く維持することが可能になる。
ここで、半芳香族ポリアミド樹脂とは、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、ジアミン由来の構成単位およびジカルボン酸由来の構成単位の合計構成単位の30〜70モル%が芳香環を含む構成単位であることをいい、ジアミン由来の構成単位およびジカルボン酸由来の構成単位の合計構成単位の40〜60モル%が芳香環を含む構成単位であることが好ましい。
本発明で用いる半芳香族ポリアミド樹脂としては、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタラミド(ポリアミド6I)、ポリアミド66/6T、ポリキシリレンアジパミド、ポリキシリレンセバカミド、ポリキシリレンドデカミド、ポリアミド9T、ポリアミド9MT、ポリアミド6I/6T等が挙げられる。
上述のようなポリアミド樹脂の中でも、成形性、耐熱性の観点から、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミンの少なくとも一方に由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上が、炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するポリアミド樹脂(以下、「XD系ポリアミド」ということがある)であることが好ましい。
XD系ポリアミドは、ジアミン由来の構成単位の70モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上がメタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミンの少なくとも一方に由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%、さらに好ましくは95モル%以上が、炭素原子数が4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する。
XD系ポリアミドの原料ジアミン成分として用いることができるメタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミン以外のジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環式ジアミン、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン等を例示することができ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
ジアミン成分として、キシリレンジアミン以外のジアミンを用いる場合は、ジアミン由来の構成単位の20モル%未満であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましい。
ポリアミド樹脂の原料ジカルボン酸成分として用いるのに好ましい炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示でき、1種又は2種以上を混合して使用できるが、これらの中でもポリアミド樹脂の融点が成形加工するのに適切な範囲となることから、アジピン酸またはセバシン酸が好ましく、アジピン酸がより好ましい。
上記炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸等のフタル酸化合物、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸といった異性体等のナフタレンジカルボン酸等を例示することができ、1種又は2種以上を混合して使用できる。炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸成分を用いる場合、ジカルボン酸由来の構成単位の20モル%未満であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましい。
尚、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を主成分として構成されるが、これら以外の構成単位を完全に排除するものではなく、ε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸類由来の構成単位を含んでいても良いことは言うまでもない。ここで主成分とは、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂におけるジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位の合計が全構成単位のうち最も多い成分であることをいう。本発明では、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂におけるジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位の合計は、全構成単位の90%以上を占めることが好ましく95%以上を占めることがより好ましい。
(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂の融点は、150〜310℃であることが好ましく、180〜300℃であることがより好ましく、180〜250℃であることがさらに好ましい。
また、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂のガラス転移温度は、50〜150℃が好ましく、55〜120℃がより好ましく、特に好ましくは60〜100℃である。この範囲であると、成形品の耐熱性がより良好となる傾向にある。
(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂は、数平均分子量(Mn)の下限が、6,000以上であることが好ましく、8,000以上であることがより好ましく、10,000以上であることがさらに好ましく、15,000以上であることが一層好ましく、20,000以上であることがより一層好ましく、22,000以上であることがさらに一層好ましい。上記Mnの上限は、35,000以下が好ましく、30,000以下がより好ましく、28,000以下がさらに好ましく、26,000以下が一層好ましい。このような範囲であると、耐熱性、弾性率、寸法安定性、成形加工性がより良好となる。
(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂は、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn))が、好ましくは1.8〜3.1である。分子量分布は、より好ましくは1.9〜3.0、さらに好ましくは2.0〜2.9である。分子量分布をこのような範囲とすることにより、機械物性に優れた立体構造物が得られやすい傾向にある。
(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂の分子量分布は、例えば、重合時に使用する開始剤や触媒の種類、量及び反応温度、圧力、時間等の重合反応条件などを適宜選択することにより調整できる。また、異なる重合条件によって得られた平均分子量の異なる複数種のポリアミド樹脂を混合したり、重合後の(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂を分別沈殿させることにより調整することもできる。
数平均分子量および重量平均分子量は、GPC測定により求めることができ、具体的には、装置として東ソー社製「HLC−8320GPC」、カラムとして、東ソー社製「TSK gel Super HM−H」2本を使用し、溶離液トリフルオロ酢酸ナトリウム濃度10mmol/Lのヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)、樹脂濃度0.02質量%、カラム温度40℃、流速0.3mL/分、屈折率検出器(RI)の条件で測定し、標準ポリメチルメタクリレート換算の値として求めることができる。また、検量線は6水準のPMMAをHFIPに溶解させて測定し作成する。
本発明のポリアミド樹脂組成物における(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂の含有量の下限は、(A)ポリアミド樹脂中、10質量%以上であり、20質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。前記含有量の上限は、90質量%以下であり、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましく、さらには50質量%以下であってもよく、特には40質量%以下であってもよい。
本発明における(A)ポリアミド樹脂は、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂>>
本発明における(A)ポリアミド樹脂は、上記(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂よりも融点が低く、かつ、ガラス転移温度が20℃以上低い脂肪族ポリアミド樹脂(以下、「(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂」ということがある)を含む。(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂は、ガラス転移温度が低く、かつ、融点が低いため、摺動部品に用いた場合に、摺動面の発熱に際し、表面が軟化し、摺動部品の表面の摩耗を効果的に抑制できる。
(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂は、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂よりも融点が低いが、10℃以上低いことが好ましく、15℃以上低いことがより好ましい。また、(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂と(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂の融点の差は、30℃以内であることが好ましい。
(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂は、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂よりもガラス転移温度が20℃以上低いが、25℃以上低いことが好ましく、26℃以上低いことがより好ましい。(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂と(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂よりもガラス転移温度の差は、35℃以内であることが好ましい。
(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂の融点は、180〜300℃であることが好ましく、190〜290℃であることがより好ましく、200〜280℃であることがさらに好ましい。
また、(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂のガラス転移温度は、30〜120℃が好ましく、35〜100℃がより好ましく、特に好ましくは40〜80℃である。
(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂は、数平均分子量(Mn)の下限が、4,000以上であることが好ましく、4,000以上であることがより好ましく、5,000以上であることがさらに好ましく、7,000以上であることが一層好ましく、8,000以上であることがより一層好ましく、10,000以上であることがさらに一層好ましい。上記Mnの上限は、20,000以下が好ましく、17,000以下がより好ましく、15,000以下がさらに好ましく、13,000以下が一層好ましい。
ここで、脂肪族ポリアミド樹脂とは、ポリアミド樹脂を構成する構成単位の60%以上が脂肪族由来の構成単位であることをいい、好ましくは構成単位の60%以上が脂肪族由来の構成単位であり、より好ましくは構成単位の80%以上が脂肪族由来の構成単位であり、さらに好ましくは構成単位の90%以上が脂肪族由来の構成単位であり、一層好ましくは構成単位の95%以上が脂肪族由来の構成単位であることをいう。
(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂は、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11およびポリアミド12が好ましく、ポリアミド6がより好ましい。
ポリアミド6としては、デュポン社製のザイテル1011FB(商品名)、宇部興産社製のUBEナイロン1011B、1015B、1022B、1018SE(商品名)や、東レ社製のアミランCM1007、CM1017、CM1021、CM1026、CM1014(商品名)、BASF社製のUltramid8200、8202、8270、B27、B3K、B3S、8232G(商品名)、EMS社製のGRILON BSシリーズ、BZシリーズ、BRZシリーズ(商品名)を挙げることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物における(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂の含有量の下限は、(A)ポリアミド樹脂中、10質量%以上であり、15質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることがさらに好ましく、30質量%以上が一層好ましく、40質量%以上であってもよい。前記含有量の上限は、90質量%以下であり、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましく、55質量%以下であることが一層好ましい。但し、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂と(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂の合計量が100質量%を超えることはない。
本発明における(A)ポリアミド樹脂は、(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<(a−3)ポリアミド樹脂>>
本発明における(A)ポリアミド樹脂は、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂よりも融点の高いポリアミド樹脂(以下、「(a−3)ポリアミド樹脂」ということがある)を含んでいてもよい。このようなポリアミド樹脂を配合することにより、(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂が起こしうる、樹脂組成物の熱変形温度の低下を補うことができる。
(a−3)ポリアミド樹脂は、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂よりも融点が高いが、10℃以上高いことが好ましく、20℃以上高いことがさらに好ましい。(a−3)脂肪族ポリアミド樹脂と(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂のガラス転移温度の差は、35℃以内であることが好ましい。
(a−3)ポリアミド樹脂の融点は、180〜300℃であることが好ましく、190〜290℃であることがより好ましく、200〜280℃であることがさらに好ましい。
また、(a−3)ポリアミド樹脂のガラス転移温度は、30〜120℃が好ましく、35〜100℃がより好ましく、特に好ましくは40〜80℃である。
(a−3)ポリアミド樹脂は、数平均分子量(Mn)の下限が、6,000以上であることが好ましく、8,000以上であることがより好ましく、10,000以上であることがさらに好ましく、16,000以上であることが一層好ましく、21,000以上であることがより一層好ましく、23,000以上であることがさらに一層好ましい。上記Mnの上限は、35,000以下が好ましく、30,000以下がより好ましく、28,000以下がさらに好ましく、26,000以下が一層好ましい。
(a−3)ポリアミド樹脂は、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11およびポリアミド12が好ましく、ポリアミド66がより好ましい。
ポリアミド66としては、宇部興産社製のUBEナイロン2015B、2020B、2026B(商品名)や、東レ社製のアミランCM3007、CM3001、CM3001-N、CM3006、CM3301、CM3304、CM3004(商品名)、旭化成社製のレオナ1200S、1300S、1500、1700(商品名)、BASF社製のUltramid 1000、1003、A3、N322、A3X2G5(商品名)、EMS社製のGRILON ASシリーズ、AZシリーズ、AR、ATシリーズ(商品名)、DuPont社製のZytel 101、103、42A、408(商品名)を挙げることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物における(a−3)ポリアミド樹脂の含有量の下限は配合する場合、(A)ポリアミド樹脂中、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましく、8質量%以上が一層好ましく、10質量%以上がより一層好ましい。前記含有量の上限は、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。但し、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂と(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂と(a−3)ポリアミド樹脂の合計量が100質量%を超えることはない。
本発明における(A)ポリアミド樹脂は、(a−3)ポリアミド樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<ポリアミド樹脂のブレンド>>
本発明における(A)ポリアミド樹脂は、上記ポリアミド樹脂(a−1)〜(a−3)以外のポリアミド樹脂を1種または2種以上含んでいてもよい。
本発明では、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂と(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂と(a−3)ポリアミド樹脂の合計量が(A)ポリアミド樹脂の90質量%以上を占めることが好ましく、95質量%以上を占めることがより好ましく、99質量%以上を占めることがさらに好ましい。
本発明では、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂と(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂の質量比である、(a−1)/(a−2)が0.5〜5.0であることが好ましく、0.5〜3.0であることがより好ましく、0.5〜2.0であることがさらに好ましい。このような比率とすることにより、比摩耗量がより少なくなる傾向にある。
また、本発明では、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂と(a−3)ポリアミド樹脂の質量比である、(a−1)/(a−3)の割合が2.0〜5.5であることが好ましく、2.0〜4.4であることがより好ましい。このような比率とすることにより、比摩耗量がより少なくなる傾向にある。
本発明のポリアミド樹脂組成物における(A)ポリアミド樹脂の合計量の下限は、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることがさらに好ましく、30質量%以上であることが一層好ましい。上記合計量の上限は、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましく、50質量%以下であることが一層好ましく、45質量%以下であることがより一層好ましく、40質量%以下であることがさらに一層好ましい。
<(B)ポリオレフィンワックス>
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリオレフィンワックスを含む。ポリオレフィンワックスを含むことにより、樹脂組成物の摩擦係数を低減し、材料摺動面の摩耗を低減させることができる。
ポリオレフィンワックスの例には、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリエチレン共重合体、またはそれらを酸化変性または酸変性することによって極性基を導入した、変性ポリエチレンワックスが含まれる。また、酸化変性または酸変性することによって、極性基を導入した、変性ポリエチレンワックスを(B)ポリオレフィンワックスの1〜10質量%の量で配合すると、ポリアミド樹脂中での分散性を向上させることができ、より好ましい。ポリオレフィンワックスの数平均分子量(Mn)は、適宜選択して決定すればよいが、20000未満であることが好ましく、500〜15000がより好ましく、1000〜10000であることがさらに好ましく、1000〜9000であることが特に好ましい。ポリオレフィンワックスのMnは、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定できる。
本発明において用いられるポリオレフィンワックスは、融点が60〜145℃であることが好ましい。
ポリオレフィンワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸変性ポリエチレンワックス、酸変性ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
ポリオレフィンワックスの市販品としては、例えば、三井化学社製"三井ハイワックス"の800P、400P、200P、100P、720P、420P、320P、405MP、320MP、4051E、2203A、1140H、NL800、NP055、NP105、NP505、NP805、1105A、2203AおよびNP0555Aなどを用いることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物におけるポリオレフィンワックスの含有量は、(A)ポリアミド樹脂100質量部に対し、下限が1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることがさらに好ましく、7質量部以上であることが一層好ましく、9質量部以上であることがより一層好ましい。上記含有量の上限は、50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましく、15質量部以下であることが特に好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリオレフィンワックスを、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<無機充填剤>
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂組成物を補強し、剛性、耐熱性および寸法安定性等を向上させる目的で、無機充填剤を配合することが好ましい。無機充填剤の形状等については、特に制限はなく、繊維状、板状、粒状、針状のいずれでもよいが、繊維状が好ましい。但し、本発明における無機充填剤は、後述する核剤および金属塩を除く趣旨である。
無機充填剤の具体例としては、例えば、ガラスを主成分とする無機充填剤(ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ミルドファイバー)、アルミナ繊維および炭素繊維が好ましく、ガラスを主成分とする無機充填剤がより好ましく、ガラス繊維がさらに好ましい。
本発明で好ましく使用されるガラス繊維は、数平均繊維径が20μm以下のものが好ましく、1〜15μmのものが、物性バランス(耐熱剛性、衝撃強度)をより一層高める点、並びに成形反りをより一層低減させる点で好ましい。
原料ガラスの組成は、無アルカリのものも好ましく、例えば、Eガラス、Cガラス、Sガラス等が挙げられるが、本発明では、Eガラスが好ましく用いられる。
ガラス繊維は、例えば、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等の表面処理剤で表面処理されていることが好ましい。表面処理剤の付着量は、ガラス繊維の0.01〜1質量%であることが好ましい。さらに必要に応じて、脂肪酸アミド化合物、シリコーンオイル等の潤滑剤、第4級アンモニウム塩等の帯電防止剤、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の被膜形成能を有する樹脂、被膜形成能を有する樹脂と熱安定剤、難燃剤等の混合物で表面処理されたものを用いることもできる。
本発明のポリアミド樹脂組成物が、 無機充填剤を含む場合、その含有量は、(A)ポリアミド樹脂100質量部に対し、下限が10質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましく、100質量部以上であることがさらに好ましく、130質量部以上であることが一層好ましく、150質量部以上であることがより一層好ましい。上記含有量の上限は、200質量部以下であることが好ましく、190質量部以下であることがより好ましく、185質量部以下であることがさらに好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、無機充填剤を、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<金属塩>
本発明のポリアミド樹脂組成物は、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩から選択される少なくとも1種の金属塩を含んでいてもよい。前記金属塩を配合することにより、ポリオレフィンワックスの溶出を効果的に抑制し、摺動部品としたときの摺動面の硬度をより高く維持することが可能になり、耐摩耗性を向上させることができる。本発明で用いる金属塩は、アルカリ土類金属塩であることが好ましい。
アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムが例示される。アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム、バリウムが例示され、カルシウムまたはバリウムが好ましい。
本発明では、金属塩は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩、および、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウムなどの硫酸塩が好ましく、炭酸塩がより好ましく、炭酸カルシウムおよび炭酸バリウムがさらに好ましく、炭酸カルシウムが一層好ましい。
金属塩の粒子径は、0.1〜50μmであることが好ましく、0.5〜30μmであることがより好ましく、1〜10μmであることがさらに好ましい。
本発明で用いる金属塩は、アスペクト比が5未満の粒子であることが好ましい。このようなアスペクト比とすることにより、金属塩が球状に近づき、本発明の効果がより効果的に達成される。
上記金属塩の市販品としては、日東粉化工業社製、NS100が例示される。
本発明のポリアミド樹脂組成物における上記金属塩の含有量は、(A)ポリアミド樹脂100質量部に対し、下限が1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることがさらに好ましく、6質量部以上であることが一層好ましく、9質量部以上であることがより一層好ましい。上記含有量の上限は、100質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましく、30質量部以下であることがさらに好ましく、20質量部以下であることが一層好ましく、15質量部以下がより一層好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、上記金属塩を、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<核剤>
本発明のポリアミド樹脂組成物は、結晶化速度を上げて成形性を高めるため、核剤を含んでいてもよい。核剤の種類は、特に、限定されるものではないが、タルク、窒化ホウ素、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、窒化珪素、チタン酸カリウムおよび二硫化モリブデンが好ましく、タルクおよび窒化ホウ素がより好ましく、タルクがさらに好ましい。
核剤の平均粒子径は、4〜10μmであることが好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物が核剤を含む場合、その含有量は、(A)ポリアミド樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜8質量部がより好ましく、1〜5質量部がさらに好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、核剤を、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<黒色着色剤>
本発明のポリアミド樹脂組成物は、黒色着色剤を含んでいてもよい。本発明で用いる黒色着色剤としては、カーボンブラックが例示される。カーボンブラックの詳細は、特開2011−57977号公報の段落0021の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、本発明のポリアミド樹脂組成物にカーボンブラック等の黒色着色剤を配合する場合、ポリアミド樹脂組成物の製造に際し、特開2011−57977号公報の段落0038〜0042の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明で用いるカーボンブラックは、DBP吸油量が40〜60g/cm3であることが好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物が黒色着色剤を含む場合、その含有量は、(A)ポリアミド樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜8質量部がより好ましく、1〜5質量部がさらに好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、黒色着色剤を、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<その他の添加剤>
本発明のポリアミド樹脂組成物は、本発明の趣旨を損なわない範囲で、上記の他、ポリアミド樹脂に一般的に用いられうる他の添加剤を含んでいてもよい。このようなその他の添加剤としては、ポリアミド樹脂以外の樹脂、離型剤、潤滑剤、安定剤、難燃剤、蛍光漂白剤、可塑化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、流動性改良剤等が例示される。他の添加剤の含有量は、合計で、ポリアミド樹脂組成物の5質量%以下であることが好ましい。これらの添加剤の詳細は、特開2011−57977号公報や特開2015−129244号公報に記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
他の樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノール樹脂、およびエポキシ樹脂等が挙げられる。
<ポリアミド樹脂組成物の製造方法>
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法は、特に定めるものではなく、公知の熱可塑性樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。具体的には、各成分を、タンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸押出機、二軸押出機、ニーダーなどで溶融混練することによってポリアミド樹脂組成物を製造することができる。
また、例えば、各成分を予め混合せずに、または、一部の成分のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練して、ポリアミド樹脂組成物を製造することもできる。
さらに、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによってポリアミド樹脂組成物を製造することもできる。
<成形品>
次に、本発明のポリアミド樹脂組成物から形成される成形品について説明する。本発明のポリアミド樹脂組成物をペレタイズして得られたペレットは、各種の成形法で成形して成形品とされる。またペレットを経由せずに、押出機で溶融混練された樹脂組成物を直接、成形して成形品にすることもできる。
成形品の形状としては、特に制限はなく、成形品の用途、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、板状、プレート状、ロッド状、シート状、フィルム状、円筒状、環状、円形状、楕円形状、歯車状、多角形形状、異形品、中空品、枠状、箱状、パネル状のもの等が挙げられる。
成形体を成形する方法としては、特に制限されず、従来公知の成形法を採用でき、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、異形押出法、トランスファー成形法、中空成形法、ガスアシスト中空成形法、ブロー成形法、押出ブロー成形、IMC(インモールドコ−ティング成形)成形法、回転成形法、多層成形法、2色成形法、インサート成形法、サンドイッチ成形法、発泡成形法、加圧成形法等が挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、高い機械的強度を維持しつつ、高い耐摩耗性を有する樹脂材料であるので、これを成形した成形品は、摺動部品として好ましく用いられる。
摺動部品の具体例としては、電気用品、事務機器および動力機器等の歯車、回転軸、軸受け、各種ギア、カム、メカニカルシールの端面材、バルブなどの弁座、Vリング、ロッドパッキン、ピストンリング、ライダーリング等のシール部材、圧縮機の回転軸、回転スリーブ、ピストン、インペラー、ローラー等に好適に使用できる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<原料>
(A)ポリアミド樹脂
(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂:ポリアミドMXD6(メタキシリレンジアミンとアジピン酸との重縮合物)、三菱ガス化学社製「ポリアミドMXD6#6000」、融点243℃、ガラス転移温度75℃、Mn25000
(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂:ポリアミド6、デュポン社製、ザイテル1011FB、融点225℃、ガラス転移温度48℃、Mn11000
(a−3)(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂よりも融点の高いポリアミド樹脂:ポリアミド66、東レ社製、アミランCM3001、融点268℃、ガラス転移温度50℃、Mn24000
(B)ポリオレフィンワックス
LDPE−WAX:三井化学社製、ハイワックス720P、Mn7200
HDPE−WAX:三井化学社製、ハイワックス800P、Mn8000
酸変性LDPE−WAX:三井化学社製、ハイワックス1105A、Mn1500
無機充填剤
ガラス繊維:日本電気硝子社製、ECS03T−296GH、数平均繊維径10μm
核剤
タルク:林化成社製、ミクロンホワイト5000A、平均粒子径7μm
黒色着色剤
カーボンブラック:三菱化学社製、#45、DBP吸油量53g/10cm3
<ポリアミド樹脂の融点およびガラス転移温度の測定方法>
ポリアミド樹脂の融点は、DSC(示差走査熱量測定)法により観測される昇温時の吸熱ピークのピークトップの温度として測定した。ポリアミド樹脂のガラス転移温度は、ポリアミド樹脂を一度加熱溶融させ熱履歴による結晶性への影響をなくした後、再度昇温して測定されるピークトップの温度として測定した。
具体的には、DSC測定器を用い、試料であるポリアミド樹脂の量は約1mgとし、雰囲気ガスとしては窒素を30mL/分で流し、昇温速度は10℃/分の条件で室温から予想される融点以上の温度まで加熱し溶融させた際に観測される吸熱ピークのピークトップの温度から融点を求めた。次いで、溶融したポリアミド樹脂を、ドライアイスで急冷し、10℃/分の速度で融点以上の温度まで再度昇温し、ガラス転移温度を求めた。DSC測定器としては、島津製作所(SHIMADZU CORPORATION)製、DSC−60を用いた。
<実施例1>
<<熱可塑性樹脂組成物のコンパウンド>>
最終組成が後述する表に示す組成となるように(表中の各成分の量は質量比である)、各成分をそれぞれ秤量し、ガラス繊維を除く成分をタンブラーにてブレンドし、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)の根本から投入し、溶融した。カーボンブラックは、ポリアミド樹脂で50質量%マスターバッチを製造してから投入し、混練した。混練後、ガラス繊維をサイドフィードして樹脂ペレット(ポリアミド樹脂組成物)を作製した。押出機の設定温度は、280℃にて実施した。
<<曲げ強さおよび曲げ弾性率の測定方法>>
上述の製造方法で得られた樹脂ペレットを120℃で4時間乾燥させた後、日精樹脂工業社製、NEX140IIIを用いて、4mm厚さのISO引張り試験片を射出成形した。シリンダー温度は280℃、金型温度は130℃にて実施した。ISO178に準拠して、上記ISO引張り試験片(4mm厚)を用いて、23℃の温度で曲げ強度(単位:MPa)および曲げ弾性率(単位:GPa)を測定した。
<<荷重たわみ温度(DTUL)>>
ISO75−1,2に準拠して、上記ISO引張り試験片(厚さ4mm)を用いて、曲げ応力1.80MPa条件下で荷重たわみ温度を測定した。
<<比摩耗量>>
上述の製造方法で得られた樹脂ペレットを120℃で4時間乾燥させた後、日精樹脂工業社製、NS−40を用いて、接触面積2cm2の中空円筒試験片を射出成形した。このとき、シリンダー温度は280℃、金型温度は130℃にて実施した。
JISK7218(A)法に準拠し、温度23℃、湿度50%環境下で、中空円筒試験片同士での摩擦摩耗試験を、線速度100mm/秒、加圧荷重5kgf条件下にて20時間実施し、同材料に対する比摩耗量を、装置固定側と可動側それぞれの試験片について測定した。比摩耗量は、摩耗減少した試験片体積を、総走行距離と加圧荷重で除して算出した。
<<限界PV値>>
上述の成形方法で得られた中空円筒試験片同士での摩擦摩耗試験を、線速度100mm/秒条件にて、初期加圧荷重5kgfとし、1分間毎に加圧荷重を5kgf増していく方法で行い、限界PV値を求めた。限界PV値は、線速度と試験片溶融時の加圧荷重の積で求められた。
上記結果から明らかなとおり、ポリオレフィンワックスを配合しない場合(比較例1)、成形品の比摩耗量が多くなってしまった。また、(A)ポリアミド樹脂として、(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂を配合しない場合(比較例2)、成形品の比摩耗量が多くなってしまった。
これに対し、(A)ポリアミド樹脂が、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂と、(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂を所定のブレンド比で含み、かつ、ポリオレフィンワックスを含む場合(実施例1〜6)、高い機械的強度を維持しつつ、比摩耗量の少ない成形品が得られた。特に、(A)ポリアミド樹脂中の、(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂を55質量%以下とすることにより(実施例1〜5)、比摩耗量の更に少ない成形品が得られた。
本発明のポリアミド樹脂組成物から形成される成形品は、機械的強度が高く、耐摩耗性に優れているので、電気用品、事務機器、動力機器等の歯車、回転軸、軸受け、各種ギア、カム、メカニカルシールの端面材、バルブなどの弁座、Vリング、ロッドパッキン、ピストンリング、ライダーリング等のシール部材、圧縮機の回転軸、回転スリーブ、ピストン、インペラー、ローラー等に好適に使用できる。

Claims (13)

  1. (A)ポリアミド樹脂と、(B)ポリオレフィンワックスを含み、
    前記(A)ポリアミド樹脂が、
    (a−1)半芳香族ポリアミド樹脂10〜90質量%と、
    (a−2)前記(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂よりも融点が低く、かつ、ガラス転移温度が20℃以上低い脂肪族ポリアミド樹脂10〜90質量%を含む、ポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記(A)ポリアミド樹脂が、さらに、(a−3)前記(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂よりも融点の高いポリアミド樹脂を1〜50質量%の割合で含む、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 前記(B)ポリオレフィンワックスの含有量が、(A)ポリアミド樹脂100質量部に対して1〜50質量部である、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. さらに、無機充填剤を(A)ポリアミド樹脂100質量部に対し、10〜200質量部の割合で含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. 前記無機充填剤がガラス繊維である、請求項4に記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. 前記(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミンの少なくとも一方に由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上が、炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するポリアミド樹脂である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  7. 前記(A)ポリアミド樹脂が、前記(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂を15〜55質量%の割合で含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  8. 前記(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂がポリアミド6を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  9. 前記(a−3)ポリアミド樹脂がポリアミド66である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  10. さらに、核剤を(A)ポリアミド樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部の割合で含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  11. さらに、黒色着色剤を(A)ポリアミド樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部の割合で含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物から形成される成形品。
  13. 摺動部品である、請求項12に記載の成形品。
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