JP2017171200A - ハイブリッド自動車 - Google Patents

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Koji Hokoi
耕司 鉾井
孝之 福池
Takayuki Fukuike
孝之 福池
康二 吉原
Koji Yoshihara
康二 吉原
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Abstract

【課題】アクセルレス走行時に、ユーザにもたつき感を感じさせるのを抑制する。【解決手段】クルーズコントロールスイッチがオンとされているときにおいて、車速Vが始動閾値Vst以上であるときには、走行に要求される要求トルクTp*についての始動閾値Tstに、第2モータから定格トルクTm2rt1を出力したときに駆動軸36に作用するトルク(Tm2・Gr)よりも小さい値Tstcを設定し(ステップS150)、要求トルクTp*が始動閾値Tst以上であるときには(ステップS160)、エンジンを始動すると判定し(ステップS170)、エンジンを始動する。これにより、駆動軸に出力されるトルクの減少を抑制し、ユーザにもたつき感を感じさせるのを抑制することができる。【選択図】図4

Description

本発明は、ハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、遊星歯車のサンギヤに発電機モータを、キャリヤにエンジンを、リングギヤに駆動軸を接続し、駆動軸に推進モータを接続し、エンジンの逆回転(負回転)を禁止するワンウェイクラッチを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、エンジンの停止中に、最大加速が要求されていて、推進モータと発電機モータとの推定合計トルクが推進モータとエンジンとの最大合計トルクよりも小さいときに、エンジンを始動する。
特開2003−201880号公報
上述のハード構成のハイブリッド自動車では、発電機モータからのトルクを値0として推進モータからのトルクだけによって走行するいわゆる単駆動モードと、エンジンを回転規制状態として推進モータからのトルクと発電機モータからのトルク(発電機モータを負回転させる方向のトルク)とによって走行するいわゆる両駆動モードと、を選択することができる。また、エンジンを始動する際には、発電機モータからのトルク(発電機モータを正回転させる方向のトルク)によってエンジンをクランキングして始動する。したがって、両駆動モードからエンジンを始動する際には、発電機モータからのトルクの向きが反転することから、発電機モータから出力されて駆動軸に作用するトルクの向きが反転し、駆動軸に出力されるトータルのトルクがある程度大きく減少する可能性がある。ユーザの加速意図が大きい場合、例えば、アクセルペダルの早踏みが行なわれる場合には、ユーザにもたつき感を感じさせやすくなる。こうしたもたつき感を感じさせるのを抑制する手法として、アクセルペダルの早踏みが行なわれたときには、単駆動モードからエンジンを始動する手法が考えられている。ところで、ユーザにアクセルペダルの操作がない状態で、車速を一定に保持しながら走行するクルーズ走行や先行車との車間距離を一定に保持しながら走行する車間保持走行などのアクセルレス走行時に、エンジンをクランキングして始動する際も、こうした駆動軸に出力されるトータルのトルクの大きな減少が起こりうる。アクセルレス走行時には、基本的には、ユーザによるアクセルペダルの操作に基づく制御を行なわないため、上述した手法を適用することができない。
本発明のハイブリッド自動車は、アクセルレス走行時において、ユーザにもたつき感を感じさせるのを抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
エンジンと、
第1モータと、
少なくとも1つの遊星歯車を有し、回転要素に前記エンジンと前記第1モータと車軸に連結された駆動軸とが共線図において前記第1モータ,前記エンジン,前記駆動軸の順に並ぶように接続された遊星歯車装置と、
前記駆動軸に機械的に連結された第2モータと、
前記エンジンの回転を規制可能な回転規制機構と、
前記第1モータおよび前記第2モータと電力のやりとりを行なうバッテリと、
前記エンジンを回転状態として前記エンジンを運転しながら走行するハイブリッド走行モードと、前記エンジンを回転規制状態として前記エンジンを運転せずに少なくとも前記第2モータからのトルクによって走行する電動走行モードと、を含む複数の走行モードの何れかで、アクセル操作量に応じて前記駆動軸に要求される要求トルクを用いて走行するように前記エンジンと前記第1モータと前記第2モータとを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記電動走行モードにおいて、前記第2モータからのトルクだけによって走行する単駆動モードと前記第1モータおよび前記第2モータからのトルクによって走行する両駆動モードとのうち、前記要求トルクが前記単駆動モードで前記駆動軸に出力可能な第1最大トルク以下の選択閾値以下のときには、前記単駆動モードを選択し、前記要求トルクが前記選択閾値よりも大きいときには、前記両駆動モードを選択し、
更に、前記制御手段は、前記電動走行モードで前記要求トルクが始動閾値よりも大きくなったときには、前記第1モータからのトルクによって前記エンジンがクランキングされて始動されるように制御する、
ハイブリッド自動車であって、
ユーザによるアクセル操作がない状態で走行するアクセルレス走行時において、前記車速が所定車速以上であるときには、前記始動閾値に、前記第2モータから定格トルクを出力したときに駆動軸に作用するトルクよりも小さい値を設定する始動閾値設定手段、
を備えることを要旨とする。
この本発明のハイブリッド自動車では、電動走行モードにおいて、第2モータからのトルクだけによって走行する単駆動モードと第1モータからのトルク(負のトルク)および第2モータからのトルクによって走行する両駆動モードとのうち、アクセル操作量に応じて駆動軸に要求される要求トルクが単駆動モードで駆動軸に出力可能な第1最大トルク以下の選択閾値以下のときには、単駆動モードを選択し、要求トルクが選択閾値よりも大きいときには、両駆動モードを選択する。また、電動走行モード(単駆動モードまたは両駆動モード)で要求トルクが始動閾値よりも大きくなったときには、第1モータからのトルク(正のトルク)によってエンジンがクランキングされて始動されるように制御する。そして、ユーザによるアクセル操作がない状態で走行するアクセルレス走行時において、車速が所定車速以上であるときには、始動閾値に、第2モータから定格トルクを出力したときに駆動軸に作用するトルクよりも小さい値を設定する。これにより、エンジンをクランキングして始動する際に、第1モータから遊星歯車装置を介して駆動軸に作用するトルクをキャンセルするトルクと要求トルクとの和のトルクを第2モータから出力できなくなることが抑制され、駆動軸に出力されるトータルのトルクの減少を抑制することができる。この結果、アクセルレス走行時において、ユーザにもたつき感を感じさせるのを抑制することができる。
ここで、「遊星歯車装置」は、第1モータが接続されたサンギヤとエンジンが接続されたキャリヤと駆動軸が接続されたリングギヤとを有する遊星歯車を有し、「第2モータ」は、駆動軸に直結されるものとしてもよい。また、「遊星歯車装置」は、第1モータが接続されたサンギヤとエンジンが接続されたキャリヤと駆動軸が接続されたリングギヤとを有する遊星歯車と、リングギヤに接続された減速ギヤと、を有し、「第2モータ」は、減速ギヤを介してリングギヤに接続されることによって駆動軸に機械的に連結されるものとしてもよい。更に、「遊星歯車装置」は、第1サンギヤと駆動軸が接続された第1キャリヤとエンジンが接続された第1リングギヤとを有する第1遊星歯車と、第1モータが接続された第2サンギヤと駆動軸および第1キャリヤが接続された第2キャリヤと第2リングギヤとを有する第2遊星歯車と、第1サンギヤと第2リングギヤとを接続すると共に両者の接続を解除するクラッチと、第2リングギヤを回転不能に固定すると共に回転自在に解除するブレーキと、を有し、「第2モータ」は、第1サンギヤに接続されることによって駆動軸に機械的に連結されるものとしてもよい。「回転規制機構」は、エンジンの正回転を許容すると共にエンジンの負回転を規制(禁止)するワンウェイクラッチを用いるものとしてもよいし、エンジンを回転不能に固定すると共に回転自在に解放するブレーキを用いるものとしてもよい。「アクセルレス走行」は、ユーザによるアクセル操作がない状態で、車速を一定に保持しながら走行するクルーズ走行や先行車との車間距離を一定に保持しながら走行する車間保持走行としてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 単駆動モードのときのプラネタリギヤ30の共線図の一例を示す説明図である。 両駆動モードのときのプラネタリギヤ30の共線図の一例を示す説明図である。 実施例のHVECU70によって実行される始動判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 クルーズオフ時始動判定処理の一例を示すフローチャートである。 単駆動最大トルクTpmax1,両駆動最大トルクTpmax2,単駆動モードと両駆動モードとの選択閾値Tpref,始動閾値Tst(値Tst1または値Tst2)の関係の一例を示す説明図である。 クルーズコントロールスイッチ90がオンのときの、トルクTm2rt1・Grと始動閾値Tstcとの関係の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図1に示すように、エンジン22と、遊星歯車装置としてのプラネタリギヤ30と、ワンウェイクラッチC1と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、バッテリ50と、充電器60と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70と、を備える。
エンジン22は、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されている。このエンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24によって運転制御されている。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。
エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートから入力されている。エンジンECU24に入力される信号としては、エンジン22のクランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ23からのクランク角θcrやスロットルバルブのポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサからのスロットル開度THなどを挙げることができる。
エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24から出力される信号としては、スロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータへの駆動制御信号や燃料噴射弁への駆動制御信号,イグナイタと一体化されたイグニッションコイルへの駆動制御信号などを挙げることができる。
エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されており、HVECU70からの制御信号によってエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。エンジンECU24は、クランクポジションセンサ23からのクランク角θcrに基づいて、クランクシャフト26の回転数、即ち、エンジン22の回転数Neを演算している。
プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式のプラネタリギヤ(遊星歯車)として構成されており、外歯歯車のサンギヤ31と、内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31およびリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転且つ公転自在に保持するキャリヤ34と、を有する。サンギヤ31には、モータMG1の回転子が接続されている。リングギヤ32には、駆動輪39a,39bにデファレンシャルギヤ38およびギヤ機構37を介して連結された駆動軸36が接続されている。キャリヤ34には、エンジン22のクランクシャフト26が接続されている。
ワンウェイクラッチC1は、エンジン22のクランクシャフト26(プラネタリギヤ30のキャリヤ34)と、車体に固定されたケース21と、に取り付けられている。このワンウェイクラッチC1は、ケース21に対するエンジン22の正回転を許容すると共にケース21に対するエンジン22の負回転を規制(禁止)する。
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤ31に接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が減速ギヤ35を介して駆動軸36に接続されている。インバータ41,42は、バッテリ50と共に電力ライン54に接続されている。電力ライン54には、平滑用のコンデンサ57が取り付けられている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によって、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。
モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。モータECU40に入力される信号としては、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2やモータMG1,MG2の各相に流れる電流を検出する電流センサからの相電流などを挙げることができる。
モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。
モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の駆動状態に関するデータをHVECU70に出力する。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいて、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、上述したように、インバータ41,42と共に電力ライン54に接続されている。このバッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。
バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。バッテリECU52に入力される信号としては、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの電池電圧Vbやバッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからの電池電流Ib(バッテリ50から放電するときが正の値),バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからの電池温度Tbなどを挙げることができる。
バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータをHVECU70に出力する。バッテリECU52は、電流センサ51bからの電池電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合SOCを演算している。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力の容量の割合である。また、バッテリECU52は、演算した蓄電割合SOCと、温度センサ51cからの電池温度Tbと、に基づいて入出力制限Win,Woutを演算している。入力制限Winは、バッテリ50を充電してもよい許容充電電力であり、出力制限Woutは、バッテリ50から放電してもよい許容放電電力である。
充電器60は、電力ライン54に接続されており、AC/DCコンバータと、DC/DCコンバータと、を備える。AC/DCコンバータは、電源プラグ61を介して供給される外部電源からの交流電力を直流電力に変換する。DC/DCコンバータは、AC/DCコンバータからの直流電力の電圧を変換してバッテリ50側に供給する。この充電器60は、電源プラグ61が家庭用電源などの外部電源に接続されているときに、HVECU70によって、AC/DCコンバータとDC/DCコンバータとが制御されることにより、外部電源からの電力をバッテリ50に供給する。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。
HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。HVECU70に入力される信号としては、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,車速を自動的に略一定に保ちながら走行する定則制御の実行を指示するクルーズコントロールスイッチ90からのスイッチ信号などを挙げることができる。
HVECU70からは、充電器60への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。
HVECU70は、上述したように、エンジンECU24,モータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24,モータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、CD(Charge Depleting)モードまたはCS(Charge Sustaining)モードにおいて、ハイブリッド走行(HV走行)モードと電動走行(EV走行)モードとを含む複数の走行モードの何れかで、アクセル開度Accと車速Vとに応じた駆動軸36の要求トルクTp*を用いて走行するようにエンジン22とモータMG1,MG2とを制御する。
ここで、CDモードは、HV走行モードとEV走行モードとのうちEV走行モードをCSモードよりも優先するモードである。実施例では、システム起動したときにバッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shv1(例えば45%,50%,55%など)よりも大きいときには、バッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shv2(例えば25%,30%,35%など)以下に至るまでは、CDモードで走行し、バッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shv2以下に至った以降は、システム停止するまでCSモードで走行するものとした。また、システム起動したときにバッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shv1以下のときには、システム停止するまでCSモードで走行するものとした。なお、自宅などの充電ポイントでシステムが停止しているときに電源プラグ61が外部電源に接続されると、充電器60を制御することにより、外部電源からの電力を用いてバッテリ50を充電する。
また、HV走行モードは、プラネタリギヤ30のキャリヤ34(エンジン22)を回転状態として、エンジン22を運転しながら走行するモードである。EV走行モードは、プラネタリギヤ30のキャリヤ34(エンジン22)を回転規制状態として、エンジン22を運転せずに少なくともモータMG2からのトルクによって走行するモードである。EV走行モードには、モータMG2からのトルクだけによって走行する単駆動モードと、モータMG1およびモータMG2からのトルクによって走行する両駆動モードと、がある。
HV走行モード,EV走行モード(単駆動モード,両駆動モード)のときには、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40との協調制御によって、エンジン22とモータMG1,MG2とを制御する。以下、EV走行モード(単駆動モード,両駆動モード),HV走行モードの順に説明する。
図2,図3は、それぞれ、単駆動モードのとき,両駆動モードのときのプラネタリギヤ30の共線図の一例を示す説明図である。図2,図3中、S軸は、サンギヤ31の回転数であると共にモータMG1の回転数Nm1を示し、C軸は、キャリヤ34の回転数であると共にエンジン22の回転数Neを示し、R軸は、リングギヤ32の回転数であると共に駆動軸36の回転数Npを示し、M軸は、減速ギヤ35の減速前のギヤの回転数であると共にモータMG2の回転数Nm2を示す。「ρ」は、プラネタリギヤ30のギヤ比(サンギヤ31の歯数/リングギヤ32の歯数)を示し、「Gr」は、減速ギヤ35の減速比を示す。図2中、M軸の太線矢印は、モータMG2から出力しているトルクTm2を示し、R軸の太線矢印は、モータMG2から出力されて駆動軸36に作用するトルク(Tm2・Gr)を示す。図3中、S軸の太線矢印は、モータMG1から出力しているトルクTm1を示し、M軸の太線矢印は、モータMG2から出力しているトルクTm2を示し、R軸の2つの太線矢印は、モータMG1,MG2からトルクTm1,Tm2を出力しているときに駆動軸36に作用するトルク(−Tm1/ρ+Tm2・Gr)を示す。
以下、共線図において、回転数については、図2,図3の値0よりも上側を正回転とすると共に図2,図3の値0よりも下側を負回転とし、トルクについては、図2,図3の上向きを正とすると共に図2,図3の下向きを負とする。この場合、モータMG2の回転数Nm2と駆動軸36の回転数Npとの符号は互いに異なるから、減速ギヤ35の減速比Grは、負の値となる。
単駆動モードのときには、HVECU70は、まず、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に要求される要求トルクTp*を設定する。続いて、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共にバッテリ50の入出力制限Win,WoutおよびモータMG2の負側(図2の下向き側)の定格トルクTm2rt1の範囲内で要求トルクTp*が駆動軸36に出力されるようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する。ここで、モータMG2の負側の定格トルクTm2rt1は、モータMG2の回転数Nm2の絶対値が大きいほど絶対値が小さくなる。そして、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。モータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようにインバータ41,42の複数のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
これにより、図2に示すように、モータMG2から負のトルクTm2を出力して駆動軸36に正のトルク(Tm2・Gr)を作用させて走行することができる。なお、単駆動モードで駆動軸36に出力可能な単駆動最大トルクTpmax1は、モータMG2の負側の定格トルクTm2rt1に減速ギヤ35の減速比Grを乗じた値(Tm2rt1・Gr)に等しい。これは、図2の共線図から容易に導くことができる。この単駆動最大トルクTpmax1は、駆動軸36の回転数Npが大きいほど小さくなる。
両駆動モードのときには、HVECU70は、まず、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に要求される要求トルクTp*を設定する。続いて、バッテリ50の入出力制限Win,WoutおよびモータMG1,MG2の負側(図3の下向き側)の定格トルクTm1rt1,Tm2rt1の範囲内で要求トルクTp*が駆動軸36に出力されるようにモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定する。ここで、モータMG1の負側の定格トルクTm1rt1は、モータMG1の回転数Nm1の絶対値が大きいほど絶対値が小さくなる。そして、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。モータECU40は、上述のようにインバータ41,42の複数のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
これにより、図3に示すように、モータMG1,MG2から負のトルクTm1,Tm2を出力して駆動軸36に正のトルク(−Tm1/ρ+Tm2・Gr)を作用させて走行することができる。なお、両駆動モードで駆動軸36に出力可能な両駆動最大トルクTpmax2は、モータMG1の負側の定格トルクTm1rt1にプラネタリギヤ30のギヤ比ρの逆数と値(−1)とを乗じた値と、モータMG2の負側の定格トルクTm2rt1に減速ギヤ35の減速比Grを乗じた値と、の和(−Tm1rt1/ρ+Tm2rt1・Gr)に等しい。これは、図3の共線図から容易に導くことができる。この両駆動最大トルクTpmax2は、駆動軸36の回転数Npが大きいほど小さくなる。
実施例では、EV走行モードのときにおいて、単駆動モードと両駆動モードとのうち、要求トルクTp*が単駆動最大トルクTpmax1よりも小さい選択閾値Tpref以下のときには、単駆動モードを選択し、要求トルクTp*が選択閾値Tprefよりも大きいときには、両駆動モードを選択するものとした。なお、選択閾値Tprefは、駆動軸36の回転数Npが大きいほど小さくなる。
また、実施例では、両駆動モードのときには、モータMG2からのトルクが単駆動モードと両駆動モードとの選択閾値Tprefを減速ギヤ35の減速比Grで除した値(Tpref/Gr)または負側の定格トルクTm2rt1付近となるように、駆動軸36に出力するトータルのトルクのうち、モータMG1から出力して駆動軸36に作用させるトルクと、モータMG2から出力して駆動軸36に作用させるトルクと、の分担割合を調節するものとした。
HV走行モードのときには、HVECU70は、まず、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に要求される要求トルクTp*を設定し、設定した要求トルクTp*に駆動軸36の回転数Npを乗じて走行に要求される要求パワーPp*を計算する。ここで、駆動軸36の回転数Npは、例えば、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35の減速比Grで除して得られる回転数,車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数などを用いることができる。続いて、要求パワーPp*からバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じて車両に要求される要求パワーPe*を計算する。そして、エンジン22から要求パワーPe*が出力されると共に、バッテリ50の入出力制限Win,WoutおよびモータMG1,MG2の負側の定格トルクTm1rt1,Tm2rt1の範囲内で、要求トルクTp*が駆動軸36に出力されるように、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定する。そして、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。エンジンECU24は、HVECU70から目標回転数Ne*および目標トルクTe*を受信すると、この目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいてエンジン22が運転されるようにエンジン22の吸入空気量制御,燃料噴射制御,点火制御などを行なう。モータECU40は、HVECU70からトルク指令Tm1*,Tm2*を受信すると、上述のようにインバータ41,42の複数のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
また、実施例のハイブリッド自動車20では、クルーズコントロールスイッチ90がオンとされると、運転者によるアクセルペダル83の操作がない状態で、車速を一定に保持しながら走行するクルーズ走行制御や先行車との車間距離を一定に保持しながら走行する車間保持走行制御を実行する。ここで、クルーズ走行制御と車間保持走行制御との何れを実行するかは、例えば、所定距離以内に先行車があるか否かなどにより決定することができる。
クルーズ走行制御では、上述したEV走行モード(単駆動モード,両駆動モード)やHV走行モードにおいて、アクセル開度Accと車速Vとに基づく要求トルクTp*に代えて、車速Vが目標車速Vcc*となるように設定した要求トルクTp*に基づくトルクが、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1,MG2とを制御する。クルーズ走行制御では、必要に応じて、図示しないブレーキ装置により車両に制動力を付与することもある。
車間保持走行制御では、上述したEV走行モード(単駆動モード,両駆動モード)やHV走行モードにおいて、アクセル開度Accと車速Vとに基づく要求トルクTp*に代えて、先行車との車間距離Dが目標車間距離D*となるように設定した要求トルクTp*に基づくトルクが、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1,MG2とを制御する。車間保持走行制御では、必要に応じて、図示しないブレーキ装置により車両に制動力を付与することもある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、クルーズコントロールスイッチ90がオンとされたときに、エンジン22を始動するか否かを判定する際の動作について説明する。図4は、実施例のHVECU70によって実行される始動判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、EV走行モードのとき(エンジン22の始動判定を行なっていないとき)に繰り返し実行される。
図4の始動判定ルーチンが実行されると、HVECU70は、まず、アクセル開度Acc,車速V,バッテリ50の出力制限Wout,要求トルクTp*などのデータを入力する(ステップS100)。ここで、アクセル開度Accは、アクセルペダルポジションセンサ84によって検出された値を入力している。車速Vは、車速センサ88によって検出された値を入力している。バッテリ50の出力制限Woutは、バッテリECU52によって演算された値を入力している。要求トルクTp*は、上述の制御によって設定された値を入力している。
こうしてデータを入力すると、クルーズコントロールスイッチ90がオンとされているか否かを判定する(ステップS110)。クルーズコントロールスイッチ90がオフのときには、クルーズオフ時始動判定を実行して(ステップS120)、本ルーチンを終了する。クルーズオフ時始動判定は、以下のようにして行なわれる。
図5は、クルーズオフ時始動判定の一例を示すフローチャートである。クルーズオフ時始動判定では、図4の始動判定ルーチンのステップS100の処理で入力した車速Vとバッテリ50の出力制限Woutとに基づいて、アクセル開度Accについてのエンジン22の始動閾値Astを設定する(ステップS210)。ここで、始動閾値Astは、実施例では、車速Vとバッテリ50の出力制限Woutとの関係を予め定めてマップとして記憶しておき、車速Vとバッテリ50の出力制限Woutとが与えられると、このマップから対応する始動閾値Astを導出して設定するものとした。始動閾値Astは、車速Vが高いときに低いときよりも小さくなり且つバッテリ50の出力制限Woutが小さいときに大きいときよりも小さくなるように、具体的には、車速Vが高いほど小さくなる傾向で且つバッテリ50の出力制限Woutが小さいほど小さくなる傾向に設定するものとした。この始動閾値Astは、例えば、60%〜80%程度の値を用いることができる。
続いて、図4の始動判定ルーチンのステップS100の処理で入力したアクセル開度Accが始動閾値Ast以下であるか否かを判定し(ステップS220)、アクセル開度Accが始動閾値Astよりも大きいときには、エンジン22を始動すると判定して(ステップS290)、本ルーチンを終了する。
エンジン22を始動すると判定すると、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40との協調制御により、エンジン22をクランキングして始動する。エンジン22をクランキングするときには、バッテリ50の入出力制限Win,WoutとモータMG1の正側の定格トルクTm1rt2とモータMG2の負側の定格トルクTm2rt1との範囲内で、エンジン22をクランキングするための正のトルクTm1をモータMG1から出力すると共に、モータMG1から出力されて駆動軸36に作用するトルク(−Tm1/ρ)をキャンセルするためのキャンセルトルクTcrと要求トルクTp*との和の正のトルク(Tcr+Tp*)を減速ギヤ35の減速比Grで除したトルクをモータMG2から出力する。こうしてエンジン22がクランキングされてエンジン22の回転数Neが所定回転数(例えば、800rpm,900rpm,1000rpmなど)よりも大きくなると、エンジン22の運転制御(燃料噴射制御,点火制御など)を開始する。そして、エンジン22の始動を完了すると、HV走行モードに移行する。
ステップS220でアクセル開度Accが始動閾値Ast以下のときには、アクセル開度Accから前回のアクセル開度(前回Acc)を減じた値を本ルーチンの実行間隔Δtで除して、アクセル開度Accの単位時間当たりの増加量としてのアクセル操作速度ΔAccを計算する(ステップS230)。
そして、車速Vとバッテリ50の出力制限Woutとに基づいて、アクセルペダル83の早踏みが行なわれたか否かを判定するための早踏み閾値ΔArefを設定し(ステップS240)、アクセル操作速度ΔAccが早踏み閾値ΔAref以下であるか否かを判定する(ステップS250)。早踏み閾値ΔArefは、車速Vが高いときに低いときよりも小さくなり且つバッテリ50の出力制限Woutが小さいときに大きいときよりも小さくなるように、具体的には、車速Vが高いほど小さくなる傾向で且つバッテリ50の出力制限Woutが小さいほど小さくなる傾向に設定されている。この早踏み閾値ΔArefは、例えば、0.5%/10msec〜1.5%/10msec程度の値を用いることができる。
アクセル操作速度ΔAccが早踏み閾値ΔAref以下のときには、アクセルペダル83の早踏みは行なわれていないと判断し、要求トルクTp*についてのエンジン22の始動閾値Tstに値Tst1を設定する(ステップS260)。ここで、値Tst1は、実施例では、両駆動最大トルクTpmax2よりも若干大きい値を用いるものとした。この値Tst1は、駆動軸36の回転数Npが大きいほど小さくなる。
そして、要求トルクTp*が始動閾値Tst以下であるか否かを判定し(ステップS280)、要求トルクTp*が始動閾値Tst以下のときには、EV走行モードを継続すると判定して、本ルーチンを終了し、要求トルクTp*が始動閾値Tstよりも大きいときには、エンジン22を始動すると判定して(ステップS290)、本ルーチンを終了する。いま、始動閾値Tstに値Tst1を設定するときを考えているから、両駆動モードで要求トルクTp*が始動閾値Tst(=Tst1)よりも大きくなったときに、エンジン22を始動して、HV走行モードに移行することになる。
ステップS250でアクセル操作速度ΔAccが早踏み閾値ΔArefよりも大きいと判定されたときには、アクセルペダル83の早踏みが行なわれたと判断し、始動閾値Tstに値Tst2を設定し(ステップS270)、ステップS280以降の処理を実行する。ここで、値Tst2は、実施例では、単駆動モードと両駆動モードとの選択閾値Tprefよりも若干小さい値を用いるものとした。この値Tst2は、値Tst1と同様に、駆動軸36の回転数Npが大きいほど小さくなる。したがって、単駆動モードで要求トルクTp*が始動閾値Tst(=Tst2)よりも大きくなったときに、エンジン22を始動して、HV走行モードに移行することになる。
ここで、アクセル操作速度ΔAccが早踏み閾値ΔAref以下のときには、始動閾値Tstに両駆動最大トルクTpmax2よりも大きい値Tst1を設定し、アクセル操作速度ΔAccが早踏み閾値ΔArefよりも大きいときには、始動閾値Tstに単駆動モードと両駆動モードとの選択閾値Tprefよりも小さい値Tst2を設定する理由について説明する。
図6は、単駆動最大トルクTpmax1,両駆動最大トルクTpmax2,単駆動モードと両駆動モードとの選択閾値Tpref,始動閾値Tst(値Tst1または値Tst2)の関係の一例を示す説明図である。図6に示すように、大きい側から順に、値Tst1,両駆動最大トルクTpmax2,単駆動最大トルクTpmax1,選択閾値Tpref,値Tst2となる。
いま、CDモードにおけるEV走行モードのときを考えているから、CSモードよりもEV走行を優先することが要求されている。アクセル操作速度ΔAccが早踏み閾値ΔAref以下のときには、始動閾値Tstとして両駆動最大トルクTpmax2よりも大きい値Tst1を設定することにより、エンジン22の始動、即ち、EV走行モードからHV走行モードへの移行をより抑制している。
アクセル操作速度ΔAccが早踏み閾値ΔArefよりも大きいときには、アクセルペダル83の早踏みが行なわれたと判断し、始動閾値Tstに値Tst2を設定する。これにより、現在が単駆動モードのときには、要求トルクTp*が始動閾値Tstよりも大きくなったときに、単駆動モードからエンジン22を始動することになる。単駆動モードからエンジン22を始動する際には、モータMG1からのトルクが値0から正のトルクに切り替わる。これにより、モータMG1からのトルクが負から正に切り替わるものに比して、エンジン22を始動する際の、駆動軸36に出力されるトータルの正のトルクの減少を抑制し、アクセルペダル83の早踏みが行なわれたときに、ユーザにもたつき感を感じさせるのを抑制している。
図4の始動判定ルーチンのステップS110の処理で、クルーズコントロールスイッチ90がオンとされていると判定されたときには、バッテリ50の出力制限WoutとモータMG2の負側の定格トルクTm2rt1とに基づいて、車速Vについてのエンジン22の始動閾値Vstを設定する(ステップS130)。ここで、始動閾値Vstは、実施例では、バッテリ50の出力制限WoutとモータMG2の負側の定格トルクTm2rt1との関係を予め定めてマップとして記憶しておき、バッテリ50の出力制限WoutとモータMG2の負側の定格トルクTm2rt1が与えられると、このマップから対応する始動閾値Vstを導出して設定するものとした。始動閾値Vstは、バッテリ50の出力制限Woutが小さいときに大きいときよりも低くなるように、現在の車速Vにおける定格トルクTm2rt1が小さくときに大きいときより低くなるように、具体的には、バッテリ50の出力制限Woutが小さいほど低くなる傾向且つ定格トルクTm2rt1が小さくなるほど低くなる傾向に設定するものとした。この始動閾値Vstは、例えば、30km/時〜40km/時程度の値を用いることができる。
こうして始動閾値Vstを設定すると、車速Vが始動閾値Vst以上であるか否かを判定し(ステップS140)、車速Vが始動閾値Vst未満であるときには、EV走行モードを継続すると判断して、本ルーチンを終了する。
車速Vが始動閾値Vst以上であるときには、要求トルクTp*についてのエンジン22の始動閾値Tstに値Tstcを設定する(ステップS150)。ここで、値Tstcは、実施例では、モータMG2から定格トルクTm2rt1を出力したときに駆動軸36に作用するトルク(Tm2rt1・Gr)より小さい値であって、選択閾値Tprefより大きい値を用いている。値Tstcは、駆動軸36の回転数Npが大きいほど小さくなる。
そして、要求トルクTp*が始動閾値Tst以上であるか否かを判定し(ステップS160)、要求トルクTp*が始動閾値Tst未満のときには、EV走行モードを継続すると判断して、本ルーチンを終了し、要求トルクTp*が始動閾値Tst以上であるときには、エンジン22を始動すると判定して(ステップS170)、本ルーチンを終了する。
図7は、クルーズコントロールスイッチ90がオンのときの、モータMG2から定格トルクTm2rt1を出力したときに駆動軸36に作用するトルク(Tm2rt1・Gr)と選択閾値Tprefと始動閾値Tstcとの関係の一例を示す説明図である。ステップS170でエンジン22を始動すると判定したときには、図5のクルーズオフ時始動判定ルーチンのステップS290でエンジン22を始動すると判定したときと同様に、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40との協調制御により、エンジン22をクランキングして始動する。エンジン22をクランキングするときには、バッテリ50の入出力制限Win,WoutとモータMG1の正側の定格トルクTm1rt2とモータMG2の負側の定格トルクTm2rt1との範囲内で、エンジン22をクランキングするための正のトルクTm1をモータMG1から出力すると共に、モータMG1から出力されて駆動軸36に作用するトルク(−Tm1/ρ)をキャンセルするためのキャンセルトルクTcrと要求トルクTp*との和の正のトルク(Tcr+Tp*)を減速ギヤ35の減速比Grで除したトルクTm2cr(=(Tcr+Tp*)/Gr)をモータMG2から出力する。要求トルクTp*が、モータMG2から負側の定格トルクTm2rt1を出力したときに駆動軸36に作用するトルク(−Tm2rt1・Gr)を超えている状態で、エンジン22をクランキングして始動すると、モータMG2の負側の定格トルクTm2rt1の制限によりモータMG2からトルクTm2crを出力することができず、駆動軸36に出力されるトータルの正のトルクが減少し、ユーザがもたつき感を感じる場合がある。実施例では、始動閾値TstをモータMG2から定格トルクTm2rt1を出力したときに駆動軸36に作用するトルク(Tm2rt1・Gr)より小さいトルクに設定しているから、要求トルクTp*が、モータMG2から負側の定格トルクTm2rt1を出力したときに駆動軸36に作用するトルク(−Tm2rt1・Gr)を超えない状態で、エンジン22を始動する機会が多くなる。これにより、駆動軸36に出力されるトータルの正のトルクの減少を抑制することができ、ユーザがもたつき感を感じさせるのを抑制する。
以上設定した実施例のハイブリッド自動車20によれば、クルーズコントロールスイッチ90がオンのときにおいて、車速Vが始動閾値Vst以上であるときには、要求トルクTp*についての始動閾値Tstに、モータMG2から定格トルクTm2rt1を出力したときに駆動軸36に作用するトルク(Tm2rt1・Gr)よりも小さい値Tstcを設定するから、ユーザにもたつき感を感じさせるのを抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、始動閾値Tstcを選択閾値Tprefより大きい値とした。しかし、始動閾値Tstcを選択閾値Tprefより小さい値としてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、CDモードにおけるEV走行モードのときにエンジン22を始動するか否かを判定する際の動作について説明した。CDモードとCSモードとを選択しない場合には(例えば、充電器60を備えないハイブリッド自動車など)、EV走行モードのときに、常時、実施例と同様に、エンジン22を始動するか否かを判定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、単駆動モードと両駆動モードとの選択閾値Tprefは、単駆動最大トルクTpmax1よりも小さい値とした。しかし、この選択閾値Tprefは、単駆動最大トルクTpmax1と同一の値としてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22のクランクシャフト26(プラネタリギヤ30のキャリヤ34)には、ワンウェイクラッチC1が取り付けられているが、エンジン22のクランクシャフト26をケース21に対して回転不能に固定(接続)すると共にエンジン22のクランクシャフト26をケース21に対して回転自在に解放するブレーキを設けるものとしてもよい。この場合、EV走行モードでは、ブレーキB1を係合状態としてエンジン22を回転規制状態とすればよい。また、HV走行モードでは、ブレーキを解放状態としてエンジン22を回転状態とすればよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2が減速ギヤ35を介して駆動軸36に接続されている。しかし、モータMG2が駆動軸36に直結していてもよい。また、モータMG2が変速機を介して駆動軸36に接続されていてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、遊星歯車装置として、1つのプラネタリギヤ30を有している。しかし、遊星歯車装置として、複数のプラネタリギヤを有していてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG1が「第1モータ」に相当し、プラネタリギヤ30が「遊星歯車装置」に相当し、モータMG2が「第2モータ」に相当し、ワンウェイクラッチC1が「回転規制機構」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40とが「制御手段」に相当し、図4の始動判定ルーチンを実行するHVECU70が「始動閾値設定手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車20の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、21 ケース、22 エンジン、23 クランクポジションセンサ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、31 サンギヤ、32 リングギヤ、33 ピニオンギヤ、34 キャリヤ、35 減速ギヤ、36 駆動軸、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、57 コンデンサ、60 充電器、61 電源プラグ、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90 クルーズコントロールスイッチ、C1 ワンウェイクラッチ、MG1,MG2 モータ。

Claims (1)

  1. エンジンと、
    第1モータと、
    少なくとも1つの遊星歯車を有し、回転要素に前記エンジンと前記第1モータと車軸に連結された駆動軸とが共線図において前記第1モータ,前記エンジン,前記駆動軸の順に並ぶように接続された遊星歯車装置と、
    前記駆動軸に機械的に連結された第2モータと、
    前記エンジンの回転を規制可能な回転規制機構と、
    前記第1モータおよび前記第2モータと電力のやりとりを行なうバッテリと、
    前記エンジンを回転状態として前記エンジンを運転しながら走行するハイブリッド走行モードと、前記エンジンを回転規制状態として前記エンジンを運転せずに少なくとも前記第2モータからのトルクによって走行する電動走行モードと、を含む複数の走行モードの何れかで、アクセル操作量に応じて前記駆動軸に要求される要求トルクを用いて走行するように前記エンジンと前記第1モータと前記第2モータとを制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記電動走行モードにおいて、前記第2モータからのトルクだけによって走行する単駆動モードと前記第1モータおよび前記第2モータからのトルクによって走行する両駆動モードとのうち、前記要求トルクが前記単駆動モードで前記駆動軸に出力可能な第1最大トルク以下の選択閾値以下のときには、前記単駆動モードを選択し、前記要求トルクが前記選択閾値よりも大きいときには、前記両駆動モードを選択し、
    更に、前記制御手段は、前記電動走行モードで前記要求トルクが始動閾値よりも大きくなったときには、前記第1モータからのトルクによって前記エンジンがクランキングされて始動されるように制御する、
    ハイブリッド自動車であって、
    ユーザによるアクセル操作がない状態で走行するアクセルレス走行時において、前記車速が所定車速以上であるときには、前記始動閾値に、前記第2モータから定格トルクを出力したときに駆動軸に作用するトルクよりも小さい値を設定する始動閾値設定手段、
    を備えるハイブリッド自動車。
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