JP2017170559A - ワーク加工方法およびワーク加工装置 - Google Patents

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Hiroaki Shiragami
博昭 白神
哲郎 渡邊
Tetsuo Watanabe
哲郎 渡邊
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Abstract

【課題】一般的なB軸の回転機構を持った加工機、もしくはそれに準ずるユニットを搭載した加工機を用いて、切削面に繋ぎ目を発生させず、しかも、切削面全体を高精度に切削加工できるワーク加工装置及びワーク加工方法を提供する。【解決手段】切削用チップの一方の側辺の角度をワークの一方の鍔部の内面の角度に合わせた後、ワークの一方の鍔部近傍の加工開始点に切削用チップの切削刃の一方の側辺側の端部を接触させる。切削用チップを一方の鍔部側から他方の鍔部側へ移動させながら、切削用チップの他方の側辺の角度をワークの他方の鍔部の内面の角度に合わせていく。切削用チップの切削刃でワークの加工面を切削し、ワークの他方の鍔部近傍の加工終了点では、切削用チップの他方の側辺の角度とワークの他方の鍔部の内面の角度とが合っている状態で、切削用チップの切削刃の他方の側辺側の端部が接触している。【選択図】図1

Description

本発明は、ワーク加工方法およびワーク加工装置に関する。
従来には、ワークに対して相対的に3次元軸に沿って移動する工具ヘッドを備え、ワークをワーク主軸廻りに回転させつつ、工具ヘッドをB軸廻りに旋回させて旋削加工を行う複合加工工作機械がある(特許文献1)。すなわち、この複合加工工作機械は、5軸加工機である。
ところで、円すいころ軸受等の両側に鍔をもった、断面形状がコの字型のワークを旋削する場合、図13(a)に示すような上向き用の切削工具1と図13(b)に示すような下向き用の切削工具2との2つの工具1,2を用いて、分割加工する場合と、図14に示すように、溝入れ工具15を用いる場合とがある。
図13(a)に示す切削工具1は、シャンク3と、このシャンク3の先端に付設されたバイト刃先4とを備え、バイト刃先4が上方を向くようにシャンク3に取付られている。また、図13(b)に示す切削工具2は、シャンク5と、このシャンク5の先端に付設されたバイト刃先6とを備え、バイト刃先6が下方を向くようにシャンク5に取付られている。
すなわち、図13に示すように、断面形状がコの字型のワークWの転走面10を切削加工する場合、まず、ワークWをその軸心廻りに回転させながら、図13(a)に示すように、転走面10の軸方向中央から前記切削工具1を矢印Aのように上昇させる。この場合、ワークWの転走面10の軸方向端部側には、それぞれ鍔部11,12が設けられ、この各鍔部11,12と転走面10との間にヌスミ溝13,14が形成されている。このため、切削工具1を上昇させる場合、転走面10の軸方向中央からヌスミ溝13まで切削する。
また、図13(b)に示すように、転走面10の軸方向中央から前記切削工具2を矢印Bのように下降させる。この切削工具2を下降させる場合、転走面10の軸方向中央からヌスミ溝14まで切削する。
溝入れ工具15は、シャンク16と、このシャンク16の先端に付設されたバイト刃先17とを備え、このバイト刃先がフルR形状とされている。この場合、例えば、一方のヌスミ溝13側から一方のヌスミ溝14まで矢印Bのように下降させる。
特開2006−68874号公報
前記図13に示すように、分割加工を行う場合、2種類の工具を必要とするため、コスト高となるとともに、工具の取付誤差や摩耗速度の差等によって、加工面(転走面10)の軸方向中央に継ぎ18(図13(b)参照)が発生するおそれがある。
図14に示すように、溝入れ工具15では、工具自体の性格状、溝入れ(切込み)方向に高い切削性能を有することを重視して設計される。このため、送り方向への加工は基本的には精度よく切削できない。このため、加工速度や切屑処理等において、通常の切削工具よりも劣る。また、転走面10と鍔部11、12との間にヌスミ溝13.14が設けられており、工具とワークとの干渉を避けるために小R(幅狭)の工具を使用せざるを得ず、剛性面で不安であった。
そこで、本発明では、一般的なB軸の回転機構を持った加工機、もしくはそれに準ずるユニットを搭載した加工機を用いて、切削面に繋ぎ目を発生させず、しかも、切削面全体を高精度に切削加工できるワーク加工装置及びワーク加工方法を提供する。
本発明のワーク加工方法は、中心角が所定角度に設定されてその弧が切削刃となる扇形状の切削用チップを用いて、加工面とこの加工面の軸方向両端部に突設される鍔部とを有する断面コの字状のリング形状のワークを、その軸心廻りに回転させつつ、前記加工面を旋削加工するワーク加工方法であって、前記切削用チップの一方の側辺の角度を前記ワークの一方の鍔部の内面の角度に合わせた後、ワークの一方の鍔部近傍の加工開始点に切削用チップの切削刃の一方の側辺側の端部を接触させて、この切削用チップを一方の鍔部側から他方の鍔部側へ移動させながら、切削用チップの他方の側辺の角度を前記ワークの他方の鍔部の内面の角度に合わせていき、切削用チップの切削刃でワークの加工面を切削し、ワークの他方の鍔部近傍の加工終了点では、切削用チップの他方の側辺の角度と前記ワークの他方の鍔部の内面の角度とが合っている状態で、切削用チップの切削刃の他方の側辺側の端部が接触しているものである。
本発明のワーク加工方法によれば、切削用チップの一方の側辺の角度をワークの一方の鍔部の内面の角度に合わせた後、ワークの一方の鍔部近傍の加工開始点に切削用チップの切削刃の一方の側辺側の端部を接触させることができる。また、切削用チップを一方の鍔部側から他方の鍔部側へ移動させながら、切削用チップの他方の側辺の角度をワークの他方の鍔部の内面の角度に合わせていき、切削用チップの切削刃でワークの加工面を切削することができる。そして、ワークの他方の鍔部近傍の加工終了点では、切削用チップの他方の側辺の角度とワークの他方の鍔部の内面の角度とが合っている状態で、切削用チップの切削刃の他方の側辺側の端部が接触しているようにできる。
このため、本発明のワーク加工方法は、ワークに対して相対的に3次元軸に沿って移動する工具ヘッドを備え、ワークをワーク主軸廻りに回転させつつ、工具ヘッドを旋回軸(B軸)廻りに旋回させて旋削加工を行う事が出来る加工機を用いることができる。また、切削工具としては1種類でよく、工具の付け替え作業を省略できる。しかも、切削用チップを一方の鍔部側から他方の鍔部側へ移動させながら、切削用チップの他方の側辺の角度をワークの他方の鍔部の内面の角度に合わせていくものであり、加工に寄与している切削刃の部位が変位することになる。
円盤形状のチップ形成用母材を製作した後、このチップ形成用母材を、中心角が前記所定角度を成すように分割し、その分割片を前記切削用チップとすることができる。これによって、中心角が所定角度に設定されてその弧が切削刃となる扇形状の切削用チップを安定して提供することができ、しかも、一度の複数の切削用チップを形成することができるとともに、中心角も任意に設定できる利点がある。
前記分割片の中心角が、360°の約数角であるのが好ましい。このように、360°の約数角であれば、中途半端な中心角となる切削用チップが形成されず、材料の無駄をなくすことができる。
前記ワークが、円すいころ軸受の内輪であってもよい。すなわち、円すいころ軸受の内輪の転走面を切削加工することができる。
本発明のワーク加工装置は、外周面に加工面が形成されるリング形状のワークを切削加工するワーク加工装置であって、前記ワークを保持してこのワークをその軸心廻りに回転させるワーク保持機構と、中心角が所定角度に設定されてその弧が切削刃となる扇形状の切削用チップと、前記切削用チップが先端に付設された工具軸と、前記工具軸を切込軸であるX軸方向に往復動させるX軸方向駆動機構と、前記工具軸を前記X軸と直交するY軸方向に往復動させるY軸方向駆動機構と、前記工具軸を前記X軸及びY軸と直交するZ軸方向に往復動させるZ軸方向駆動機構と、工具旋回軸廻りに旋回させて、前記切削用チップの一方の側辺の角度を任意の所定第1角度に合わせるとともに、前記切削用チップの他方の側辺の角度を任意の所定第2角度に合わせることが可能な旋回駆動機構(B軸廻り旋回駆動機構)とを備えたものである。
本発明のワーク加工装置によれば、前記本発明のワーク加工方法を実施できる。すなわち、B軸廻り旋回駆動機構にて、切削用チップの一方の側辺の角度を任意の所定第1角度であるワークの一方の鍔部の内面の角度に合わせることができる。X軸方向駆動機構、Y軸方向駆動機構、及びZ軸方向駆動機構によって、ワークの一方の鍔部近傍の加工開始点に切削用チップの切削刃の一方の側辺側の端部を接触させることができる。また、X軸方向駆動機構及びZ軸方向駆動機構によって、切削用チップを一方の鍔部側から他方の鍔部側へ移動させることができる。B軸廻り旋回駆動機構にて、切削用チップの他方の側辺の角度を任意の所定第2角度であるワークの他方の鍔部の内面の角度に合わせることができる。すなわち、切削用チップを一方の鍔部側から他方の鍔部側へ移動させながら、切削用チップの他方の側辺の角度をワークの他方の鍔部の内面の角度に合わせていくことができる。この際、ワーク保持機構にて、ワークを保持してこのワークをその軸心であるC軸廻りに回転させることになる。これによって、切削用チップの切削刃でワークの加工面を切削することができる。そして、ワークの他方の鍔部近傍の加工終了点では、切削用チップの他方の側辺の角度とワークの他方の鍔部の内面の角度とが合っている状態で、切削用チップの切削刃の他方の側辺側の端部が接触しているようにできる。
本発明では、切削工具としては1種類でよく、工具の付け替え作業を省略でき、生産コストを低減および生産性の向上を図ることができる。また、仕上げ工程に研削を行う場合、加工面に継ぎ目が発生しないため突起部による砥石の部分摩耗抑制によるドレス回転数低減を図ることができる。また、加工に寄与している切削刃の部位が変位することになって、切削刃の刃長を長くとれ、工具寿命を延ばすことができる。しかも、装置として、既存の加工機を用いることができ、低コスト化を図ることが可能である。
本発明のワーク加工装置の要部断面図である。 前記ワーク加工装置の駆動機構を示す簡略斜視図である。 ワークである内輪を用いた円すいころ軸受の断面図である。 切削用チップの一方の側辺の角度をワークの一方の鍔部の内面の角度に一致させた状態のワーク加工装置の要部断面図である。 切削用チップの一方の側辺の角度とワークの一方の鍔部の内面の角度との関係を示す拡大図である。 本発明のワーク加工方法の切削工程前の要部断面図である。 本発明のワーク加工方法の切削工程開始時を示す要部断面図である。 本発明のワーク加工方法の切削工程終了時を示す要部断面図である。 本発明のワーク加工方法の完了状態を示す要部断面図である。 本発明のワーク加工装置の制御部を示すブロック図である。 切削用チップの製造方法を示し、(a)は中心角が45°となる切削用チップの製造方法の簡略図であり、(b)は中心角が60°となる切削用チップの製造方法の簡略図である。 他のワーク加工装置の示し、(a)は切削工程前の簡略図であり、(b)は切削工程開始時の簡略図であり、(c)は切削工程終了時の簡略図である。 従来の分割加工を示す簡略図である。 従来の溝入れ工具を用いた加工を示す簡略図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図11に基づいて説明する。このワーク加工装置にて加工するワークWとしては、図3等に示す円すいころ軸受20の内輪22である。円すいころ軸受20は、外周面に円すい状の転走面(転走面)21を有する前記内輪22と、内周面に円すい状の転走面(転走面)23を有する外輪24と、内輪22の転走面21と外輪24の転走面23との間に転動自在に介在した複数の円すいころ25と、複数の円すいころ25を軸受周方向に所定の間隔を隔てて保持する保持器26とを主要な構成要素としている。また、図5に示すように、内輪22は、転走面21の小径側に小鍔27を形成すると共に大径側に大鍔28を形成している。また、転走面21と小鍔27の内面27aとの間にぬすみ溝29Aが設けられ、転走面21と大鍔28の内面28aとの間にぬすみ溝29Bが設けられている。
このワーク加工装置は、図1に示すように、前記ワークWを保持してこのワークWをその軸心であるC軸廻りに回転させるC軸廻り回転駆動機構35を有するワーク保持機構30を備える。ワーク保持機構30は、その軸心廻りに回転する回転テーブル31と、この回転テーブル31上に配置されるチャック機構32とを備える。回転テーブル31に、図示省略の駆動用モータの回転駆動力が、例えば、ベルト機構や歯車機構等で構成できる伝達機構を介して伝達される。このため、この回転テーブル31、駆動用モータ、及び伝達機構等で前記C軸廻り回転駆動機構35を構成することができる。
また、チャック機構32は、回転テーブル31上に配置されるチャック本体33と、このチャック本体33上に配置される複数個のチャック爪34とを有するものであり、ワークWの内径側がこのチャック爪34に係合する。これによって、ワークWの軸心Cと回転テーブル31の回転軸心Oとが一致する。このため、回転テーブル31がその軸心廻りOに回転すれば、ワークWがその軸心C軸廻りに回転する。
さらに、この装置は、扇形状の切削用チップ40と、切削用チップ40が先端に付設された工具軸41とを備える。切削用チップ40は、中心角θが所定角度に設定されてその弧が切削刃40aとなる。工具軸41は、工具主軸42と、ホルダ部材43とを有し、ホルダ部材43の先端に切削用チップ40が付設されている。
切削用チップ40は、図5に示すように、前記所定角度θを成す一対の側辺40b、40cと、円弧状の前記切削刃40aとを有し、扇形状をなす。この場合、切削刃40aが前方を向くことになっている。なお、切削用チップ40は、ダブルクランプ方式、レバーロック方式、スクリューオン方式等の公知公用の保持手段によってホルダ部材43の先端に取付られる。
前記工具軸41は、図2に示すように、切込軸であるX軸方向にX軸方向駆動機構45を介して往復動可能とされ、前記X軸と直交するY軸方向にY軸方向駆動機構46を介して往復動可能とされ、前記X軸及びY軸と直交するZ軸方向にZ軸方向駆動機構47を介して往復動可能とされる。さらには、工具旋回軸であるB軸廻りにB軸廻り旋回駆動機構48にて旋回可能とされる。
X軸方向駆動機構45、Y軸方向駆動機構46、及びZ軸方向駆動機構47は、図2に示すようにリニアガイド機構等を用いて構成できる。すなわち、X軸方向駆動機構45は、基台50上にX軸方向に沿って配設されるX軸ガイドレール51,51を配設し、このX軸ガイドレール51,51に嵌合してこのX軸ガイドレール51,51に沿って往復動するスライダ52を備えたものである。
Y軸方向駆動機構46は、基台53上にY軸方向に沿って配設されるY軸ガイドレール54,54を配設し、このY軸ガイドレール54,54に嵌合してこのY軸ガイドレール54,54に沿って往復動するスライダ55を備えたものである。そして、スライダ55上にX軸方向駆動機構45の基台50が固定されている。
Z軸方向駆動機構47は、基盤56の側面にZ軸方向に沿って配設されるZ軸ガイドレール57,57を配設し、このZ軸ガイドレール57,57に嵌合してこのZ軸ガイドレール57,57に沿って往復動するスライダ58を備えたものである。この場合、X軸方向駆動機構45のスライダ52上に基台59が載置固定され、この基台59の端面に前記基盤56が固定されている。
また、スライダ58には、工具軸41を支持する支持ブロック体60が設けられている。支持ブロック体60には、工具軸41をB軸廻りに回動(旋回)可能なように支持する一対の支持片部61,61を有するものである。この場合、工具軸41には、その軸方向と直交する支持軸を有し、この支持軸が支持片部61,61に支持される。そして、この支持軸が図示省略の駆動機構にて回動し、これによって、工具軸41がB軸廻りに回動(旋回)することになる。なお、駆動機構として、駆動用モータと、このモータの駆動力を工具軸41の支持軸に伝達する伝達機構等で構成できる。
このため、工具旋回軸であるB軸廻りに旋回させて、切削用チップ40の一方の側辺40bの角度を任意の所定第1角度(例えば、後述する前記小鍔27の内面27aの角度θ1)に合わせたり、切削用チップ40の他方の側辺40cの角度を任意の所定第2角度(例えば、後述する前記大鍔28の内面28aの角度θ2)に合わせたりすることができる。なお、任意の所定第1角度と任意の所定第2角度としては、同一角度であっても、相違する角度であってもよい。相違する角度である場合、所定第1角度が所定第2角度よりも大きい場合であっても、逆に所定第1角度が所定第2角度よりも小さい場合であってもよい。
ところで、X軸方向駆動機構45、Y軸方向駆動機構46、及びZ軸方向駆動機構47の各スライダ52,55,58は、自走式であっても、他の動力源からの動力付与によって、走行するものであってもよい。
次に、前記のように構成されたワーク加工装置を用いて、ワーク加工方法を説明する。まず、図1に示すように、ワークWである内輪22を、ワーク保持機構30にて保持させる。すなわち、チャック機構32のチャック爪34にてワークWをチャックした状態とする。この状態で、図4と図5に示すように、B軸廻り旋回駆動機構48(図2参照)にて、工具軸41を工具旋回軸であるB軸(図2参照)廻りに旋回させて、小鍔27の内面27aの角度(水平面に対して成す角度)θ1に、切削用チップ40の一方の側辺40bの角度(水平面に対して成す角度)θ3を合わせる。すなわち、θ1=θ3とする。
次に、Z軸方向駆動機構47(図2参照)にて、工具軸41をZ軸方向に沿って図6に示すように下降させる。この場合、切削用チップ40の切削刃40aと一方の側辺40bとの間のコーナ部40dの高さ位置を、一方のぬすみ溝29A(図5参照)の高さ位置に合わせる。この状態から図7に示すように、X軸方向駆動機構45(図2参照)にて、工具軸41をワークWに接近させて、切削用チップ40の切削刃40aを前記コーナ部40d側において、ワークWの転走面21のぬすみ溝29A側の端部(加工開始点21a)(図5参照)に接触させる。この際には、ワークWである内輪22を、ワーク保持機構30にてその軸心廻りに回転させておく。
この状態で、図8に示すように、切削用チップ40を一方の鍔部(小鍔)27側から他方の鍔部(大鍔)28側へ移動させながら、切削用チップ40の他方の側辺40cの角度θ4(図5参照)をワークWの他方の鍔部(大鍔)28の内面28aの角度θ2(図5参照)に合わせていく。この場合、X軸方向駆動機構45及びZ軸方向駆動機構47(図2参照)を介して、切削用チップ40を一方の鍔部(小鍔)27側から他方の鍔部(大鍔)28側へ、切削刃40aと他方の側辺40cとのコーナ部40e(図5及び図6参照)が加工終了点21b(ワークWの転走面21のぬすみ溝29B側の端部)まで移動させることができる。また、切削用チップ40の他方の側辺40cの角度θ4(図5参照)と、ワークWの他方の鍔部(大鍔)28の内面28aの角度θ2とは、B軸廻り旋回駆動機構48を介して行うことができる。
その後は、図9に示すように、X軸方向駆動機構45及びZ軸方向駆動機構47等(図2参照)を用いてワークWから工具軸41を離間させる。これによって、ワークWである内輪22の転走面21の切削作業が完了する。
ところで、このワーク加工装置は、前記加工工程を行うために、各X軸方向駆動機構45、Y軸方向駆動機構46、Z軸方向駆動機構47、C軸廻り回転駆動機構35、B軸廻り旋回駆動機構48は、図10に示す制御手段(数値制御装置)70にて制御される。すなわち、本発明のワーク加工装置はNC工作機械であり、このようなNC工作機械では、工具が移動するXYZなどの座標位置の値や工具が進む速度などを指定したNCデータと呼ばれる数値データによって制御される。このため、このワーク加工装置は、前記数値制御装置を使用する。この場合、工具が移動する位置情報(X,Y,Zの座標位置)や工具を動かすスピードなどの情報を含んだNCデータと呼ばれるプログラムによって制御される。複数の軸を同時に干渉させることなく座標値(X、Y、Z、B、C)を入れて制御するためには3次元CAD/CAMシステムを用いる。
本発明のワーク加工方法によれば、切削用チップ40の一方の側辺40bの角度θ3をワークWの一方の鍔部27の内面27aの角度θ1に合わせた後、ワークWの一方の鍔部(小鍔)27近傍の加工開始点21aに切削用チップ40の弧(切削刃)40aの一方の側辺40b側の端部を接触させることができる。また、切削用チップ40を一方の鍔部27側から他方の鍔部(大鍔)28側へ移動させながら、切削用チップ40の他方の側辺40cの角度θ4をワークWの他方の鍔部28の内面28aの角度θ2に合わせていき、切削用チップ40の弧(切削刃)40aでワークWの加工面を切削することができる。そして、ワークWの他方の鍔部28近傍の加工終了点21bでは、切削用チップ40の他方の側辺40cの角度θ4とワークWの他方の鍔部28の内面28aの角度θ2とが合っている状態で、切削用チップ40の弧(切削刃)40aの他方の側辺28側の端部が接触しているようにできる。
このため、切削工具としては1種類でよく、工具の付け替え作業を省略でき、生産コストを低減および生産性の向上を図ることができる。また、仕上げ工程に研削を行う場合、加工面に継ぎ目が発生しないため突起部による砥石の部分摩耗抑制によるドレス回転数低減を図ることができる。さらに、切削用チップ40を一方の鍔部27側から他方の鍔部28側へ移動させながら、切削用チップ40の他方の側辺40cの角度θ4をワークWの他方の鍔部28の内面28aの角度θ2に合わせていくものであり、加工に寄与している切削刃40aの部位が変位することになる。このため、切削刃40aの刃長を長くとれ、工具寿命を延ばすことができる。
ところで、切削用チップ40は、粉末の焼結及びプレス加工で製作することができる。この場合、一度金型を製作すれば、チップ製作における課題は生じない。また、CBNチップの場合、まず図11に示すような丸型のCBN母材Mを成形し、この母材Mを例えば、ワイヤカット等で扇型に切断すればよい。
この場合、図11(a)では、中心角θが45°となるように8分割し、図11(b)では、中心角θが60°となるように6分割している。このため、分割数を変更することによって種々の中心角θを有する切削用チップを製造することができる。この場合、図11(a)に示すような45°、図11(b)に示すような60°のように、360°の約数角であるのが好ましい。このように、360°の約数角であれば、中途半端な中心角となる切削用チップが形成されず、材料の無駄をなくすことができる。
ところで、前記実施形態のワーク加工装置では、いわゆる5軸加工機であったが、このような5軸加工に限ることなく、図12(a)(b)(c)に示すように、通常の旋盤タレット80に回転機構81をもったユニット(切削用チップ40及びホルダ部材43等にて構成)82を取り付けることによって、本発明に係るワーク加工装置を構成できる。このため、このワーク加工装置を用いて本発明のワーク加工方法を構成できる。なお、切削用チップ40は前記実施形態と同一チップを用いることができる。
すなわち、ワークW(例えば、円すいころ軸受20の内輪22)を図12(a)に示すように、ワーク保持台83に保持した状態とした後、タレット80及びホルダ部材43を揺動させて、切削用チップ40の側辺40bの角度θ3(図5等参照)をワークWの一方の鍔部27(図5等参照)の内面27a(図5等参照)の角度θ1(図5等参照)に合わせた後、図12(b)に示すように、ワークWの一方の鍔部27近傍の加工開始点21a(図5等参照)に切削用チップ40の切削刃40aの一方の側辺40b側の端部を接触させる。その後、この切削用チップ40を一方の鍔部27側から他方の鍔部28側へ移動させながら、切削用チップ40の他方の側辺40c(図5等参照)の角度θ4(図5等参照)を前記ワークWの他方の鍔部28の内面28aの角度θ2(図5等参照)に合わせていけば、切削用チップ40の切削刃40aでワークWの加工面を切削することができる。また、ワークWの他方の鍔部28近傍の加工終了点21b(図5参照)では、図12(c)に示すように、切削用チップ40の他方の側辺40cの角度θ4と前記ワークWの他方の鍔部28の内面28aの角度θ2とが合っている状態で、切削用チップ40の切削刃40aの他方の側辺40c側の端部が接触している。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、前記実施形態では、小鍔27側から大鍔28側への切削であったが、逆に、大鍔28側から小鍔27側への切削であってもよい。また、ワークとして、円すいころ軸受20の内輪22に限るものではなく、円筒ころ軸受や針状ころ軸受等の内輪であってもよい。
ところで、前記実施形態のワーク加工装置では、断面コの字状のリング形状のワークWの加工面(転走面21)に対して切削するものであった。しかしながら、ワークとして、一方の鍔部のみを有するものであっても、鍔部を有さないものであってもよい、つまり、外周面に加工面が形成されるものであればよい。このように、一方の鍔部のみを有するものや鍔部を有さないものでも、これらの加工面を本発明に係るワーク加工装置を用いて切削することができる。
20 円すいころ軸受
21 転走面(加工面)
22 内輪
27 小鍔(鍔部)
27a 内面
28 大鍔(鍔部)
28a 内面
30 ワーク保持機構
35 回転駆動機構
40 切削用チップ
40a 切削刃
40b、40c 側辺
41 工具軸
45 X軸方向駆動機構
46 Y軸方向駆動機構
47 Z軸方向駆動機構
48 B軸廻り旋回駆動機構
W ワーク
θ 中心角
θ1、θ2、θ3、θ4 角度

Claims (5)

  1. 中心角が所定角度に設定されてその弧が切削刃となる扇形状の切削用チップを用いて、加工面とこの加工面の軸方向両端部に突設される鍔部とを有する断面コの字状のリング形状のワークを、その軸心廻りに回転させつつ、前記加工面を旋削加工するワーク加工方法であって、
    前記切削用チップの一方の側辺の角度を前記ワークの一方の鍔部の内面の角度に合わせた後、ワークの一方の鍔部近傍の加工開始点に切削用チップの切削刃の一方の側辺側の端部を接触させて、この切削用チップを一方の鍔部側から他方の鍔部側へ移動させながら、切削用チップの他方の側辺の角度を前記ワークの他方の鍔部の内面の角度に合わせていき、切削用チップの切削刃でワークの加工面を切削し、ワークの他方の鍔部近傍の加工終了点では、切削用チップの他方の側辺の角度と前記ワークの他方の鍔部の内面の角度とが合っている状態で、切削用チップの切削刃の他方の側辺側の端部が接触していることを特徴とするワーク加工方法。
  2. 円盤形状のチップ形成用母材を製作した後、このチップ形成用母材を、中心角が前記所定角度を成すように分割し、その分割片を前記切削用チップとすることを特徴とする請求項1に記載のワーク加工方法。
  3. 前記分割片の中心角が、360°の約数角であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のワーク加工方法。
  4. 前記ワークが、円すいころ軸受の内輪であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のワーク加工方法。
  5. 外周面に加工面が形成されるリング形状のワークを切削加工するワーク加工装置であって、
    前記ワークを保持してこのワークをその軸心廻りに回転させるワーク保持機構と、
    中心角が所定角度に設定されてその弧が切削刃となる扇形状の切削用チップと、
    前記切削用チップが先端に付設された工具軸と、
    前記工具軸を切込軸であるX軸方向に往復動させるX軸方向駆動機構と、
    前記工具軸を前記X軸と直交するY軸方向に往復動させるY軸方向駆動機構と、
    前記工具軸を前記X軸及びY軸と直交するZ軸方向に往復動させるZ軸方向駆動機構と、
    工具旋回軸廻りに旋回させて、前記切削用チップの一方の側辺の角度を任意の所定第1角度に合わせるとともに、前記切削用チップの他方の側辺の角度を任意の所定第2角度に合わせることが可能な旋回駆動機構とを備えたことを特徴とするワーク加工装置。
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