JP2017170333A - 粉砕装置 - Google Patents

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哲哉 森
智 藤田
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Abstract

【課題】粉砕対象物と共に粉砕用媒体が投入される粉砕室と、当該粉砕室で粉砕用媒体を撹拌させて粉砕対象物に衝突力を加える撹拌機構部とを備えた粉砕装置において、粉砕対象物を効率良く微細に粉砕することができる技術を提供する。
【解決手段】粉砕対象物Xを粉砕室10の外壁面10aに密着させる密着構造16を備え、撹拌機構部20が、粉砕室10の外壁面10aに密着した粉砕対象物Xに対して粉砕用媒体15の衝突力を加える。
【選択図】図1

Description

本発明は、粉砕対象物と共に粉砕用媒体が投入される粉砕室と、当該粉砕室で前記粉砕用媒体を撹拌させて前記粉砕対象物に衝突力を加える撹拌機構部とを備えた粉砕装置に関する。
このような粉砕装置は、ボールミルやビーズミルとして知られている(例えば特許文献1を参照)。
例えば、従来のボールミルは、水平方向に沿った筒軸心周りで回転自在な筒状容器と、その筒状容器を筒軸心周りで回転駆動させる撹拌機構部とを備える。そして、筒状容器内に形成された粉砕室に粉砕対象物を投入すると共に、セラミックや金属製等のボールを粉砕用媒体として投入し、撹拌機構部により筒状容器を回転駆動させる。すると、筒状容器内の粉砕室では、粉砕用媒体が筒状容器の内壁面に沿って流動する形態で撹拌され、その撹拌された粉砕用媒体が粉砕対象物に衝突し、その衝突力により粉砕対象物が粉砕される。
一方、従来のビーズミルは、固定の筒状容器と、その筒状容器に内挿されて軸心回りで回転自在な撹拌翼と、その撹拌翼を鉛直又は水平方向に沿った軸心周りで回転駆動させる撹拌機構部とを備える。そして、従来のビーズミルは、筒状容器内に形成された粉砕室に粉砕対象物を投入すると共に、セラミックや金属製のビーズを粉砕用媒体として投入し、撹拌機構部により撹拌翼を回転駆動させる。すると、筒状容器内の粉砕室では、粉砕用媒体が撹拌翼との衝突により撹拌され、その撹拌された粉砕用媒体が粉砕対象物に衝突し、その衝突力により粉砕対象物が粉砕される。
特開2016−1613公報
このような粉砕装置では、粉砕室において粉砕対象物が比較的自由に挙動できるため、粉砕用媒体が粉砕対象物に衝突したとしても、粉砕対象物に加えられる衝突力は比較的小さくなる。そのため、粉砕対象物を十分に粉砕するためには、強力に粉砕用媒体を撹拌するか、長時間に亘って粉砕を継続する必要があり、このことで省エネ性や処理効率が低下する。
特に、回転駆動される筒状容器や撹拌翼は粉砕室の中央付近に近づくほど速度が小さくなることから、その粉砕室の中央付近での粉砕用媒体の挙動は緩慢になる。よって、その中央付近に存在する粉砕対象物は他の位置に存在する粉砕対象物よりも粉砕され難くなって、粉砕後の粉砕対象物の粒子径にムラが生じる場合がある。そして、このムラを解消するためには、比較的長時間に亘って処理を行う必要があった。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、粉砕対象物と共に粉砕用媒体が投入される粉砕室と、当該粉砕室で前記粉砕用媒体を撹拌させて前記粉砕対象物に衝突力を加える撹拌機構部とを備えた粉砕装置において、粉砕対象物を効率良く微細に粉砕することができる技術を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、粉砕対象物と共に粉砕用媒体が投入される粉砕室と、当該粉砕室で前記粉砕用媒体を撹拌させて前記粉砕対象物に衝突力を加える撹拌機構部とを備えた粉砕装置であって、
前記粉砕対象物を前記粉砕室の外壁面に密着させる密着構造を備え、
前記撹拌機構部が、前記粉砕室の外壁面に密着した粉砕対象物に対して前記粉砕用媒体の衝突力を加える点にある。
本構成によれば、粉砕室において、粉砕対象物は上記密着構造により粉砕室の外壁面に密着して拘束された状態に維持される。よって、上記撹拌機構部により撹拌された粉砕用媒体は、粉砕室の外壁面に密着され拘束された粉砕対象物に当該外壁面との間に挟み込む状態で衝突するので、粉砕用媒体に対し大きな撹拌力を与えなくても、粉砕対処物に比較的大きな衝突力を加えて短時間で微細に粉砕することができる。更に、粉砕室の外壁面付近では、上記撹拌機構部により撹拌される粉砕用媒体の挙動が中央付近よりも激しくなることから、その外壁面に密着する粉砕対象物に対して、粉砕用媒体は一層強力且つ安定して衝突力を加えることができる。そして、この構成により、粉砕対象物を一層短時間で微細に粉砕することができる。
従って、本発明により、粉砕対象物を効率良く微細に粉砕することができる粉砕装置を実現することができる。
本発明の第2特徴構成は、前記密着構造が、前記粉砕室の外壁面に沿って敷設された可撓性シート部材を備えて、当該可撓性シート部材と前記粉砕室の外壁面との間に前記粉砕対象物を収容する収容空間を形成して構成され、
前記粉砕室において、前記粉砕用媒体が、前記可撓性シート部材の前記収容空間とは反対側に投入され、前記撹拌機構部により撹拌されて、前記可撓性シート部材を介して前記粉砕対象物に衝突する点にある。
本構成によれば、粉砕対象物を粉砕室の外壁面に密着させる密着構造を、粉砕室の外壁面に沿って敷設された可撓性シート部材で実現することができる。即ち、粉砕室に粉砕対象物を投入するにあたり、当該粉砕対象物を可撓性シート部材と粉砕室の外壁面との間に形成された収容空間に収容すれば、粉砕室において粉砕対象物を、粉砕室の外壁面に密着した状態で存在させることができる。一方、粉砕用媒体は、粉砕室において可撓性シート部材の粉砕対象物の収容空間とは反対側の空間に投入され、撹拌機構部により撹拌されることで、その空間の外側に存在する可撓性シート部材の内面に衝突する。すると、可撓性シート部材が外側に撓むことで、粉砕用媒体の衝突力が可撓性シート部材の外側の収容空間に収容された粉砕対象物に伝達され、その衝突力により粉砕対象物が粉砕することになる。
本発明の第3特徴構成は、前記粉砕室を内部に形成し、水平方向に沿った筒軸心周りで回転自在な筒状容器を備えると共に、
前記撹拌機構部が、前記筒状容器を前記筒軸心周りで回転駆動させて、前記筒状容器内で前記粉砕用媒体を撹拌させ、
前記可撓性シート部材が、前記筒状容器の内壁面に沿って敷設された筒状の部材として構成されている点にある。
本構成によれば、粉砕対象物を粉砕室の外壁面に密着させるための密着構造を上述した可撓性シート部材で構成する場合には、所謂ボールミルの構成を採用して本発明に係る粉砕装置を好適に実現することができる。
即ち、水平方向に沿った筒軸心周りで回転自在な筒状容器内の粉砕室において、粉砕対象物は、粉砕室の外壁面となる筒状容器の内壁面と、当該内壁面に沿って敷設された筒状の可撓性シート部材との間に形成された収容空間に収容する形態で、筒状容器内に投入される。一方、粉砕用媒体は、筒状の可撓性シート部材を基点に粉砕対象物の収容空間とは反対側の空間、即ち筒状の可撓性シート部材の内側の空間に投入される。この状態で、上記撹拌機構部により、筒状容器を水平方向に沿った筒軸心周りで回転駆動させると、その粉砕用媒体は、筒状容器の内壁面に沿って流動する形態で撹拌されて、筒状の可撓性シート部材の内周面に衝突し、その衝突力が、筒状の可撓性シート部材を介して筒状容器の内壁面との間の収容空間に収容された粉砕対象物に伝達されることになり、結果、その衝突力により粉砕対象物を粉砕することができる。
本発明の第4特徴構成は、前記密着構造が、ガスの通過を許容しながら粉砕用媒体及び粉砕前の粉砕対象物の通過を阻止する多数の開孔を有するメッシュ状隔壁を前記粉砕室の外壁として備えると共に、前記メッシュ状隔壁の開孔に前記粉砕室から外部へのガス吸引力を発生させる吸引機構部を備えて構成されている点にある。
本構成によれば、粉砕対象物を粉砕室の外壁面に密着させる密着構造を、粉砕室の外壁として備えられたメッシュ状隔壁と、メッシュ状隔壁の開孔に粉砕室から外部へのガス吸引力を発生させる吸引機構部とで実現することができる。即ち、メッシュ状隔壁の内側に形成される粉砕室に粉砕対象物を投入して吸引機構部を作動させれば、粉砕対象物は、吸引機構部の吸引力により、メッシュ状隔壁側に移動し、メッシュ状隔壁の開孔を通過することなく当該メッシュ状隔壁の内壁面に密着することになる。一方、メッシュ状隔壁の内側の粉砕室に投入された粉砕用媒体は、撹拌機構部により撹拌されることで、メッシュ状隔壁の開孔を通過することなく、粉砕室の外壁面となるメッシュ状隔壁の内壁面に密着する粉砕対象物に衝突することになり、結果、その衝突力により粉砕対象物を粉砕することができる。
また、粉砕後の微細な粉砕対象物は、ガスと共にメッシュ状隔壁の開孔を通過するので、その通過したガスから分離する形態で回収することができる。
本発明の第5特徴構成は、前記粉砕室を内部に形成した外側容器を備えると共に、
前記メッシュ状隔壁が、前記外側容器の内壁面の内側に設けられた筒状の部材として構成され、
前記撹拌機構部が、前記メッシュ状隔壁の内側に内挿されて回転軸周りに回転自在な撹拌翼を回転駆動させて、前記メッシュ状隔壁の内側で前記粉砕用媒体を撹拌させ、
前記吸引機構部が、前記外側容器の内壁面と前記メッシュ状隔壁との間に形成された吸引空間から外部にガスを吸引する点にある。
本構成によれば、粉砕対象物を粉砕室の外壁面に密着させるための密着構造を上述したメッシュ状隔壁及び吸引気候部で構成する場合には、所謂ビーズミルの構成を採用して本発明に係る粉砕装置を好適に実現することができる。
即ち、外側容器内に設けられた筒状のメッシュ状隔壁の内側に形成される粉砕室において、粉砕対象物は、吸引機構部の吸引力によりメッシュ状隔壁の内壁面に密着する。一方、粉砕用媒体は、その筒状のメッシュ状隔壁の内側の粉砕室に投入される。この状態で、撹拌機構部により、メッシュ状隔壁に内挿された撹拌翼を回転駆動させると、その粉砕用媒体は、撹拌翼との衝突により撹拌され、その外側のメッシュ状隔壁の内壁面に密着する粉砕対象物に衝突することになり、結果、その衝突力により粉砕対象物を粉砕することができる。
第1実施形態の粉砕装置の概略構成図 図1に示す粉砕装置の粉砕室の状態を説明する側断面図 第2実施形態の粉砕装置の概略構成図 図3に示す粉砕装置の粉砕室の状態を説明する平断面図
〔第1実施形態〕
本発明に係る粉砕装置の第1実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。
本実施形態の粉砕装置100は、バイオ材料、合成樹脂、有機材料、金属等の粒状体である粉砕対象物Xと共にセラミックや金属製等の球状体で構成されたボール15(粉砕用媒体の一例)が投入される粉砕室10と、当該粉砕室10でボール15を撹拌させて粉砕対象物Xに衝突力を加える撹拌機構部30とを備えた所謂ボールミルとして構成されている。
即ち、この粉砕装置100は、粉砕室10を内部に形成し、水平方向に沿った筒軸心周りで回転自在で両端が塞がれた円筒状の筒状容器11を備えており、その筒状容器11内に形成された粉砕室10に、粉砕用媒体であるボール15が、例えば20〜50%の充填率で投入されている。
撹拌機構部30は、筒状容器11の筒軸心に設けられた回転軸部17と、当該回転軸部17を回転自在に軸受けする軸受け部18と、当該回転軸部17を回転駆動させる駆動用モータ19で構成されている。そして、駆動用モータ19が作動することで、回転軸部17を介して筒状容器11が、例えば10〜150rpmの回転速度で、筒軸心周りに回転駆動する。
このように筒状容器11が水平方向に沿った筒軸心周りで回転駆動すると、粉砕室10では、図2に示すように、ボール15がその回転駆動に伴って筒状容器11の内壁面11iに沿って流動する形態で撹拌される。そして、詳細については後述するが、粉砕室10に投入された粉砕対象物Xは、そのように撹拌されたボール15により衝突力が加えられて粉砕されることになる。
この粉砕装置100には、粉砕対象物Xを効率良く微細に粉砕するために、粉砕対象物Xを筒状容器11の内壁面11iである粉砕室10の外壁面10aに密着させる密着構造16を備えている。更に、その密着構造16は、粉砕室10の外壁面10aに沿って敷設された可撓性シート部材12を備えて、当該可撓性シート部材12と粉砕室10の外壁面10aとの間に粉砕対象物を収容する収容空間14を形成して構成されている。
可撓性シート部材12は、粉砕室10の外壁面10aである筒状容器11の内壁面11iに沿って敷設された円筒状の部材として設けられている。尚、可撓性シート部材12の内側への垂下を防止して筒状に保形するために、当該可撓性シート部材12は、筒状容器11の内壁面11iとの間に所定の筒状空間が形成される状態で、当該筒状容器11に対して複数個所で可撓性のバンド13により固定されている。
そして、粉砕対象物Xは、この筒状の可撓性シート部材12と筒状容器11との間に形成された収容空間14に充填される形態で、筒状容器11内に投入される。
尚、可撓性シート部材12の材料としては、ボール15の衝突に対して耐久性を有する可撓性のシート材料を利用することができる。例えば、PEEK樹脂、ポリイミド樹脂、PTFEやPFAなどのフッ素樹脂製のシート材料や、ステンレスの線材をシート状に編み込んでなるステンレスメッシュなどを可撓性シート部材12の材料として好適に利用することができる。
粉砕用媒体としてのボール15は、筒状の可撓性シート部材12を基点にして筒状容器11の内壁面11iとの間の収容空間14とは反対側の空間、即ち筒状の可撓性シート部材12の内側の空間に投入される。この状態で、駆動用モータ19を作動させて筒状容器11を水平方向に沿った筒軸心周りで回転駆動させると、筒状容器11内の粉砕室10では、図2に示すように、ボール15が、筒状容器11の内壁面11iに沿って流動する形態で撹拌されることで、筒状の可撓性シート部材12の内周面に衝突する。すると、そのボール15の衝突により可撓性シート部材12の衝突部が外側に撓み、その可撓性シート部材12の撓みを介して、可撓性シート部材12の外側の収容空間14に収容された粉砕対象物Xには、ボール15と粉砕室10の外壁面10aとの間に挟み込まれる状態で、比較的大きな衝突力が伝達されることになる。更に、粉砕室10において、外周に近いほどボール15の挙動が激しくなることから、粉砕室10の外壁面10aに密着する粉砕対象物Xには、一層強力且つ安定した衝突力が加えられることになる。このことで、粉砕対象物Xは、短時間で効率良く微細に粉砕されることになる。
尚、本実施形態では、可撓性シート部材12を備えて粉砕対象物Xを粉砕室10の外壁面10aに密着させる密着構造16を構成する場合において、粉砕装置100を所謂ボールミルとして構成したが、可撓性シート部材12と粉砕室10の外壁面10aとの間に介在する粉砕対象物Xに対して可撓性シート部材12の内側から粉砕用媒体の衝突力を加えるものであれば、ビーズミルなどの別の形態の粉砕装置として構成しても構わない。
〔第2実施形態〕
本発明に係る粉砕装置の第2実施形態を図3及び図4に基づいて説明する。
本実施形態の粉砕装置200は、バイオ材料、合成樹脂、有機材料、金属等の粒状体である粉砕対象物Xと共にセラミックや金属製等の粒状体で構成されたビーズ25(粉砕用媒体の一例)が投入される粉砕室20と、当該粉砕室20でビーズ25を撹拌させて粉砕対象物Xに衝突力を加える撹拌機構部30とを備えた所謂ビーズミルとして構成されている。
即ち、この粉砕装置200は、粉砕室20を内部に形成した有底筒状の外側容器21を備えており、その外側容器21内に形成された粉砕室20に、粉砕対象物Xと共に、粉砕用媒体であるビーズ25が、後述する撹拌翼27との衝突により比較的自由に挙動できる状態で投入されている。
更に、詳細については後述するが、この外側容器21内には、円筒状のメッシュ状隔壁22が、粉砕室20の外壁として設けられている。
撹拌機構部30は、メッシュ状隔壁22の内側に内挿されて鉛直方向に沿った回転軸部28周りに回転自在な撹拌翼27と、当該撹拌翼27の回転軸部28を回転駆動させる駆動用モータ29で構成されている。そして、駆動用モータ29が作動することで、回転軸部28を介して撹拌翼27が回転駆動する。
このように粉砕室20において撹拌翼27が回転駆動すると、粉砕室20では、図4に示すように、ビーズ25がその撹拌翼27と衝突して撹拌される。そして、詳細については後述するが、粉砕室20に投入された粉砕対象物Xは、そのように撹拌されたビーズ25と直接衝突する形態で衝突力が加えられて粉砕されることになる。
この粉砕装置200には、粉砕対象物Xを効率良く微細に粉砕するために、粉砕対象物Xをメッシュ状隔壁22の内壁面22iである粉砕室20の外壁面20aに密着させる密着構造26を備えている。更に、その密着構造26は、ガスの通過を許容しながらビーズ25及び粉砕前の粉砕対象物Xの通過を阻止する大きさの開孔22aが多数設けられたメッシュ状隔壁22を粉砕室20の外壁として備えると共に、当該メッシュ状隔壁22の開孔22aに粉砕室20から外部へのガス吸引力を発生させる吸引機構部35を備えて構成されている。
円筒状のメッシュ状隔壁22は、外側容器21の内壁面21iとの間に所定の吸引空間24が形成される状態で、当該外側容器21に対して複数個所でスペーサ23を介在させた状態で固定されている。
また、メッシュ状隔壁22に設けられた開孔22aの直径は、粉砕後の粉砕対象物X1の目標粒子径よりも僅かに大きいものに設定されており、これにより、この開孔22aを通過した粉砕後の粉砕対象物X1の粒子径は、目標粒子径又はそれ以下のものとなる。
一方、この吸引機構部35は、外側容器21の内壁面21iとメッシュ状隔壁22との間に形成された吸引空間24から外部にガス(空気)を吸引する吸引ポンプ33により構成されている。
よって、吸引ポンプ33が作動して吸引空間24から外部にガスが吸引されると、粉砕室20では、図4に示すように、メッシュ状隔壁22の開孔22aに粉砕室20から吸引空間24へのガス吸引力が発生し、その吸引力により、粉砕対象物Xは、メッシュ状隔壁22側に移動し、メッシュ状隔壁22の開孔22aを通過することなく当該メッシュ状隔壁22の内壁面22iに密着する状態となる。
粉砕用媒体としてのビーズ25は、粉砕対象物Xと共に粉砕室20に投入される。このとき、ビーズ25の比重は粉砕対象物Xよりも大きいものとされており、更に、吸引ポンプ33によりメッシュ状隔壁22の開孔22aに発生される吸引力は、粉砕対象物Xは引き付けるがビーズ25は引き付けることができない程度の大きさに設定されている。これにより、ビーズ25は、粉砕室20を比較的自由に挙動できることになる。
この状態で、吸引ポンプ33を作動させて開孔22aに粉砕室20から吸引空間24へのガス吸引力を発生させながら、駆動用モータ29を作動させて撹拌翼27を回転駆動させると、粉砕室20では、図4に示すように、ビーズ25が、回転駆動される撹拌翼27と衝突して撹拌されて、その外側のメッシュ状隔壁22の開孔22aを通過することなく、メッシュ状隔壁22の内壁面22iに密着する粉砕対象物Xに衝突する。このことで、当該粉砕対象物Xには、比較的大きな衝突力が加えられることになる。更に、粉砕室20において、外周に近いほどビーズ25の挙動が激しくなることから、粉砕室20の外壁面20aに密着する粉砕対象物Xには、一層強力且つ安定した衝突力が加えられることになる。このことで、粉砕対象物Xは、効率良く微細に粉砕されることになる。
更に、粉砕後に粒子径が小さくなった粉砕後の粉砕対象物X1は、ガスと共にメッシュ状隔壁22の開孔22aを通過し吸引空間24を通じて外部に排出されることになるが、バグフィルタやサイクロンなどの分離装置32により分離する形態で回収することができる。
尚、本実施形態では、メッシュ状隔壁22や吸引機構部35を備えて粉砕対象物Xをメッシュ状隔壁22の内壁面22iに密着させる密着構造26を構成する場合において、粉砕装置200を所謂ビーズミルとして構成したが、メッシュ状隔壁22の内壁面22iに密着する粉砕対象物Xに対して当該メッシュ状隔壁22の内側から粉砕用媒体の衝突力を加えるものであれば、ボールミルなどの別の形態の粉砕装置として構成しても構わない。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、粉砕対象物Xを粉砕室10,20の外壁面10a,20aに密着させる密着構造として、可撓性シート部材12を備えた密着構造16(図1,2参照)や、メッシュ状隔壁22及び吸引機構部35を備えた密着構造26(図3,4参照)を採用したが、例えば粉砕対象物Xに遠心力を加えて外壁面に密着させるなど別の密着構造を採用しても構わない。
(2)上記実施形態では、粉砕対象物Xをバイオ材料、合成樹脂、有機材料、金属等の粒状体としたが、別の形態及び材質の材料を粉砕対象物としても構わない。また、粉砕用媒体についても、セラミックや金属製等の球状体で構成されたボール15やビーズ25とは別の形態及び材質のものを利用しても構わない。
10 粉砕室
10a 外壁面
11 筒状容器
11i 内壁面
12 可撓性シート部材
15 ボール(粉砕用媒体)
16 密着構造
20 粉砕室
20a 外壁面
21 外側容器
21i 内壁面
22 メッシュ状隔壁
22a 開孔
22i 内壁面
24 吸引空間
25 ビーズ(粉砕用媒体)
26 密着構造
27 撹拌翼
30 撹拌機構部
35 吸引機構部
100 粉砕装置
200 粉砕装置
X 粉砕対象物

Claims (5)

  1. 粉砕対象物と共に粉砕用媒体が投入される粉砕室と、当該粉砕室で前記粉砕用媒体を撹拌させて前記粉砕対象物に衝突力を加える撹拌機構部とを備えた粉砕装置であって、
    前記粉砕対象物を前記粉砕室の外壁面に密着させる密着構造を備え、
    前記撹拌機構部が、前記粉砕室の外壁面に密着した粉砕対象物に対して前記粉砕用媒体の衝突力を加える粉砕装置。
  2. 前記密着構造が、前記粉砕室の外壁面に沿って敷設された可撓性シート部材を備えて、当該可撓性シート部材と前記粉砕室の外壁面との間に前記粉砕対象物を収容する収容空間を形成して構成され、
    前記粉砕室において、前記粉砕用媒体が、前記可撓性シート部材の前記粉砕室の外壁面とは反対側に投入され、前記撹拌機構部により撹拌されて、前記可撓性シート部材を介して前記粉砕対象物に衝突する請求項1に記載の粉砕装置。
  3. 前記粉砕室を内部に形成し、水平方向に沿った筒軸心周りで回転自在な筒状容器を備えると共に、
    前記撹拌機構部が、前記筒状容器を前記筒軸心周りで回転駆動させて、前記筒状容器内で前記粉砕用媒体を撹拌させ、
    前記可撓性シート部材が、前記筒状容器の内壁面に沿って敷設された筒状の部材として構成されている請求項2に記載の粉砕装置。
  4. 前記密着構造が、ガスの通過を許容しながら粉砕用媒体及び粉砕前の粉砕対象物の通過を阻止する多数の開孔を有するメッシュ状隔壁を前記粉砕室の外壁として備えると共に、前記メッシュ状隔壁の開孔に前記粉砕室から外部へのガス吸引力を発生させる吸引機構部を備えて構成されている請求項1に記載の粉砕装置。
  5. 前記粉砕室を内部に形成した外側容器を備えると共に、
    前記メッシュ状隔壁が、前記外側容器の内壁面の内側に設けられた筒状の部材として構成され、
    前記撹拌機構部が、前記メッシュ状隔壁の内側に内挿されて回転軸周りに回転自在な撹拌翼を回転駆動させて、前記メッシュ状隔壁の内側で前記粉砕用媒体を撹拌させ、
    前記吸引機構部が、前記外側容器の内壁面と前記メッシュ状隔壁との間に形成された吸引空間から外部にガスを吸引する請求項4に記載の粉砕装置。
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