[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る情報処理システムとしてのデザイン作成システムについて説明する。図1には、第1実施形態に係るデザイン作成システムの一例が示されている。デザイン作成システムは、情報処理装置としてのデザイン作成装置10と端末装置12とを含む。デザイン作成装置10と端末装置12は、ネットワーク等の通信経路Nに接続されている。図1に示す例では、1つの端末装置12が通信経路Nに接続されているが、複数の端末装置12が通信経路Nに接続されてもよい。
デザイン作成装置10は、対象物のデザインサンプルであって特定のテイスト(印象)を有するデザインサンプルを作成又は検索し、その対象物のデザインサンプルを表すデータ(例えば対象物の画像データやテンプレートデータ等)を出力物として提供する装置である。対象物は、例えば、名刺、チラシ、広告、ダイレクトメール(DM)、ポスター、はがき、カタログ、その他の文書、衣服、車、建物、橋、等である。また、デザイン作成装置10は、他の装置との間でデータを送受信する機能を備えている。
端末装置12は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話、等の装置であり、他の装置との間でデータを送受信する機能を備えている。端末装置12は、例えば、デザインを作成するときに使用される。
本実施形態では、端末装置12において、デザインの基調となる基調テイスト(デザインのテーマや中心となる印象を有するテイスト)が選択され、デザイン作成装置10において、その基調テイストの印象を主に喚起しつつ、他の印象を副次的に喚起するデザインサンプルが作成又は検索される。
なお、端末装置12がデザイン作成装置10に組み込まれて、デザイン作成装置10と端末装置12が物理的に一体化された装置であってもよい。
以下、図2を参照して、第1実施形態に係るデザイン作成装置10の構成について詳しく説明する。図2には、デザイン作成装置10の構成が示されている。
通信部14は通信インターフェースであり、通信経路Nを介して、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を備えている。例えば、通信部14によって、対象物のデザインサンプルを表すデータが端末装置12に送信され、端末装置12から送信された情報が受信される。
情報記憶部16はハードディスク等の記憶装置であり、コンテンツ18を記憶し、また、感性DB(データベース)20と素材DB(データベース)22を含む。
コンテンツ18は、デザイン作成の対象物を表すデータであり、例えば、名刺、チラシ、広告、ダイレクトメール(DM)、ポスター、はがき、カタログ、その他の文書、衣服、車、建物、橋、等の対象物を表すデータである。
感性DB(データベース)20はハードディスク等の記憶装置であり、感性スコアデータ(テイストスコアデータ)を記憶する。感性スコアデータは、デザイン作成の対象物毎及びテイスト毎に予め作成されたデータであり、デザインのテイスト(印象)を示す感性情報と、そのテイストに対する各デザイン要素(表現要素、デザイン属性)の喚起度(印象度、適合度)を示す感性スコア(テイストスコア、評価値)と、の対応付けを示すデータである。テイストは、例えば、ある対象に対して人が有する印象を類型化した嗜好モデルに基づいて予め決定される。感性スコアは、デザイン要素がテイスト(印象)の喚起に寄与する程度を示す値(印象の強度を示す値)である。デザインサンプルは、例えば複数のデザインアイテム(デザイン部分)によって構成されている。デザイン要素は、各デザインアイテム(各デザイン部分)のデザインを規定する要素である。個々のデザインアイテム毎に複数のデザイン要素が定義されており、テイストに対する各デザイン要素の感性スコアが予め求められている。感性スコアは、例えば、数量化1類に従った感性評価実験により得られた値である。例えば、デザイン要素の持つテイスト(印象)がデザインのテイストに合致するほど、そのデザイン要素の感性スコア(喚起度)は高くなる。
また、感性情報が示すテイストが数値化されており、その数値が感性DB20に記憶されている。感性DB20には、例えば印象マップデータ(テイストマップデータ)が記憶されている。印象マップは、テイスト(印象)の分布を示す1次元又は多次元のマップである。感性情報が示すテイストが、その印象マップ上の座標として定義されている。
素材DB(データベース)22はハードディスク等の記憶装置であり、デザイン作成の対象物を構成する各デザインアイテム(各デザイン部品)のデータを記憶する。
UI部24はユーザインターフェースであり、表示部と操作部を含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置であり、操作部は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル、等の入力装置である。なお、UI部24はデザイン作成装置10に設けられていなくてもよい。
アクセントテイスト選択部26は、基調テイストとは異なる印象を有するアクセントテイストを選択する。アクセントテイスト選択部26は、例えば、選択方式1,2,3のいずれかに従ってアクセントテイストを選択する。選択方式1は固定方式であり、アクセントテイスト選択部26は、予め設定された優先順にN個(Nは1以上の整数)のアクセントテイストを選択する。選択方式2は遠距離方式であり、アクセントテイスト選択部26は、基調テイストが有する印象との差が閾値以上となる印象を有するテイストを、アクセントテイストとして選択する。例えば、アクセントテイスト選択部26は、印象マップ上において、基調テイストとの距離が閾値以上となるテイストをアクセントテイストとして選択する。閾値は、予め設定された値であってもよいし、ユーザ等によって変更されてもよい。また、アクセントテイスト選択部26は、印象マップ上において、基調テイストとの距離が最大となるテイストをアクセントテイストとして選択してもよい。選択方式3はクラスタを利用した遠距離方式であり、アクセントテイスト選択部26は、クラスタリングされたテイストを対象として、印象マップ上において、基調テイストとの距離が閾値以上(例えばその距離が最大)となるテイストをアクセントテイストとして選択する。別の例として、アクセントテイスト選択部26は、デザインの印象を規定する因子の因子負荷量を用いて、因子負荷量が正負側に最大となるテイストをアクセントテイストとして選択してもよい。アクセントテイスト選択部26の処理については後で詳しく説明する。
適合デザイン要素決定部28は、基調テイストに対応するデザインを規定する複数のデザイン要素と、アクセントテイストに対応する複数のデザイン要素と、を組み合わせ、基調テイストを喚起する基準を満たす適合デザイン要素の組み合わせを決定する。この適合デザイン要素の組み合わせを用いることにより、基調テイストの印象を主に喚起しつつ、他の印象を副次的に喚起するデザインサンプルが作成される。
適合デザイン要素決定部28は、例えば、混合比設定部30、混合感性スコア演算部32、基調テイスト喚起度演算部34及び決定部36を含む。
混合比設定部30は、各デザイン要素の感性スコアを混合する際の混合比を設定する。
混合感性スコア演算部32は、上記の混合比に従って、デザイン要素毎に、デザイン要素が基調テイストの喚起に寄与する程度を示す感性スコア(以下、「基調感性スコア」と称する)と、同一のデザイン要素がアクセントテイストの喚起に寄与する程度を示す感性スコア(以下、「アクセント感性スコアと称する」)と、を混合することにより、デザイン要素毎に混合感性スコアを演算する。混合感性スコア演算部32は、デザインアイテム毎に、最大の混合感性スコアを有するデザイン要素を最大値デザイン要素として決定する。混合比設定部30は、処理毎に異なる混合比を設定し、混合感性スコア演算部32は、その混合比を異ならせながら混合処理を行うことにより、混合比毎及びデザイン要素毎に混合感性スコアを演算し、デザインアイテム毎に最大値デザイン要素を決定する。
基調テイスト喚起度演算部34は、全デザインアイテムの最大値デザイン要素の組み合わせを対象として、全デザインアイテムの最大値デザイン要素の基調感性スコアの合計値に基づいて基調テイスト喚起度を演算する。基調テイスト喚起度演算部34は、その合計値を基調テイスト喚起度として採用してもよいし、その合計値に定数を加算することで得られた値を基調テイスト喚起度として採用してもよい。基調テイスト喚起度は、全デザインアイテムの最大値デザイン要素の組み合わせが、基調テイストの喚起に寄与する程度を示す値(印象の強度を示す値)に相当する。基調テイスト喚起度が高い最大値デザイン要素の組み合わせほど、基調テイストの喚起に寄与する程度が高いことになる。
決定部36は、基調テイスト喚起度が喚起度閾値(印象強度閾値)以上となる最大値デザイン要素の組み合わせを、適合デザイン要素の組み合わせとして決定する。喚起度閾値は、予め設定された値であってもよいし、ユーザによって変更されてもよい。
デザイン作成部38は、各デザインアイテムのデザイン要素を用いて、デザイン作成の対象物のデザインサンプル(例えば対象物の画像やテンプレート等)を作成する。例えば、デザイン作成部38は、上記の適合デザイン要素の組み合わせを用いて、デザイン作成の対象物のデザインサンプルを作成する。これにより、基調テイストの印象を主に喚起しつつ、他の印象を副次的に喚起するデザインサンプルが作成される。以下では、適合デザイン要素の組み合わせを用いて作成されたデザインサンプルを、「非類似サンプル」と称することがある。また、デザイン作成部38は、基調テイストに対応するデザイン要素を用いてデザインサンプルを作成してもよい。デザイン作成部38によって作成されたデザインサンプルを表すデータは、例えば、通信部14を介して端末装置12に送信される。
制御部40は、デザイン作成装置10の各部の動作を制御する。
以下、図3を参照して、端末装置12の構成について詳しく説明する。図3には、端末装置12の構成が示されている。
通信部42は通信インターフェースであり、通信経路Nを介して、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を備えている。例えば、通信部42によって、設定情報等の情報がデザイン作成装置10に送信され、デザイン作成装置10から送信されたデザインサンプルを表すデータが受信される。記憶部44はハードディスク等の記憶装置であり、プログラムやデータ等を記憶する。UI部46はユーザインターフェースであり、表示部と操作部を含む。操作部は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル、等の入力装置である。制御部48は、端末装置12の各部の動作を制御する。
以下、図4を参照して、印象マップ(テイストマップ)について詳しく説明する。図4には、印象マップの一例が示されている。印象マップ50は、例えば、2つの軸(X軸、Y軸)で規定された2次元マップである。印象マップ50上の各座標には、テイストを示す感性情報が予め対応付けられている。印象マップ50上の座標を指定することにより、その座標に対応するテイスト(印象)が特定される。印象マップ50においては、横軸(X軸)がテイストの指標「WARM」と「COOL」を規定する指標軸であり、縦軸(Y軸)がテイストの指標「HARD」と「SOFT」を規定する指標軸である。例えば、右側の領域ほど「COOL」の印象が強くなっている。つまり、右側の領域ほど「COOL」感が強く感じられるテイストが対応付けられている。一方、左側の領域ほど「WARM」の印象が強くなっている。つまり、左側の領域ほど「WARM」感が強く感じられるテイストが対応付けられている。また、上側の領域ほど「SOFT」の印象が強くなっている。つまり、上側の領域ほど「SOFT」感が強く感じられるテイストが対応付けられている。一方、下側の領域ほど「HARD」感が強くなっている。つまり、下側の領域ほど「HARD」感が強く感じられるテイストが対応付けられている。
図4に示す例では、印象マップ50は複数の領域に分割されており、各領域に感性情報(例えば符号52で示すテイスト「ロマンチック」等)が対応付けられている。印象マップ50は予め作成され、そのデータは感性DB20に予め記憶されている。デザイン作成の対象物毎に異なる印象マップが定義されてもよいし、複数の対象物に対して共通の印象マップが定義されてもよい。なお、印象マップは、3次元以上の次元を有するマップであってもよいし、1次元のマップであってもよい。
以下、図5及び図6を参照して、感性スコアデータについて説明する。図5及び図6には、感性スコアデータの一例が示されている。感性スコアデータは、デザイン作成の対象物毎及びテイスト毎に予め作成されたデータであり、感性DB20に記憶されている。感性スコアデータにおいては、デザインアイテムとデザイン要素(デザイン属性)と感性スコア(テイストスコア)とが対応付けられている。デザインアイテムは、デザインサンプルを構成する個々のデザイン部品である。各デザインアイテムには1又は複数のデザイン要素が対応付けられている。各デザイン要素は、当該デザイン要素が対応付けられているデザインアイテムのデザインを規定する要素である。感性スコアは、テイストに対するデザイン要素の喚起度(印象強度、適合度)を示す値である。つまり、感性スコアは、デザイン要素がテイスト(印象)の喚起に寄与する程度を示す値(印象の強度を示す値)であり、例えば、数量化1類の分析によって得られた値である。
図5及び図6に示す例では、デザイン作成の対象物は「名刺」であり、デザインのテイストは「ワイルド」である。つまり、図5及び図6に示されている感性スコアデータは、対象物を「名刺」として、テイスト「ワイルド」に対する各デザイン要素の喚起度(印象強度)を示すデータである。一例として、「背景図案」、「ベースカラーの色相(図案の色)」、「ベースカラーの色調(図案の色)」、「文字情報のレイアウト」、等が、対象物「名刺」のデザインアイテムである。デザインアイテム毎に1又は複数のデザイン要素が対応付けられており、デザイン要素毎に、テイスト「ワイルド」に対するデザイン要素の喚起度(印象強度)、つまり、デザイン要素がテイスト「ワイルド」の喚起に寄与する程度を示す喚起度が、感性スコアとして求められている。高い感性スコアを有するデザイン要素ほど、テイスト「ワイルド」の喚起に寄与する程度が高いデザイン要素であり、テイスト「ワイルド」に適したデザイン要素に相当する。
例えば、デザインアイテム「背景図案」については、デザイン要素「6:図案6」の感性スコアは「0.04」であり、デザイン要素「7:図案7」の感性スコアは「0.46」である。それ故、デザイン要素「6:図案6」よりもデザイン要素「7:図案7」の方が、対象物「名刺」のデザインアイテム「背景図案」に関して、テイスト「ワイルド」の喚起に寄与する程度が高い。すなわち、デザイン要素「6:図案6」よりもデザイン要素「7:図案7」の方が、より「ワイルド」な印象を与えると評価されている。
また、デザインアイテム「背景図案」については、デザイン要素「7:図案7」の感性スコアが最も高い。つまり、対象物「名刺」のデザインアイテム「背景図案」に関して、他のデザイン要素と比べて、デザイン要素「7:図案7」がテイスト「ワイルド」の喚起に寄与する程度が高いと評価されている。すなわち、デザイン要素「7:図案7」が、デザインアイテム「背景図案」に属する複数のデザイン要素の中で、最も「ワイルド」な印象を与えると評価されている。
デザインアイテム「背景図案」についてはデザイン要素「7:図案7」の感性スコアが最大値である。デザインアイテム「ベースカラーの色相(図案の色)」についてはデザイン要素「1:R」の感性スコアが最大値である。デザインアイテム「ベースカラーの色調(図案の色)」についてはデザイン要素「1:V&S」の感性スコアが最大値である。デザインアイテム「文字情報のレイアウト」についてはデザイン要素「8:パターン8」の感性スコアが最大値である。デザインアイテム「氏名のフォントサイズ」についてはデザイン要素「特大(31P以上)」の感性スコアが最大値である。デザインアイテム「氏名のフォントタイプ」についてはデザイン要素「6:フォント6」の感性スコアが最大値である。それ故、全デザインアイテムについてこれらのデザイン要素が用いられた場合に、テイスト「ワイルド」の印象強度(喚起度)が最大となる。つまり、全デザインアイテムについてこれらのデザイン要素を用いて対象物「名刺」のデザインサンプルを作成した場合、他のデザイン要素を用いる場合と比べて、より「ワイルド」なテイスト(印象)を有するデザインサンプルが作成される。このようにして作成されたデザインサンプルは、「ワイルド」なテイスト(印象)を有するデザインサンプルとして分類され、図4に示されている印象マップ50上においては、テイスト「ワイルド」に対応する座標に対応付けられる。
例えば、デザインサンプルの作成時に、ユーザによってテイスト「ワイルド」が指定されると、デザイン作成部38は、テイスト「ワイルド」に関する感性スコアデータを参照し、デザインアイテム毎に、最大の感性スコアを有するデザイン要素を選択する。上述したように、デザイン要素「7:図案7」、デザイン要素「1:R」等が選択される。デザイン作成部38は、選択した各デザイン要素を用いてデザインサンプルを作成する。これにより、「ワイルド」なテイスト(印象)を持つデザインサンプルが作成され、そのデザインサンプルのデータがユーザに提供される。
なお、テイスト毎にデザインサンプルが予め作成されて、各デザインサンプルのデータが情報記憶部16に予め記憶されていてもよい。例えば、「ワイルド」なテイストを有するデザインサンプルが予め作成されて、そのデザインサンプルのデータが情報記憶部16に予め記憶される。他のテイストを有するデザインサンプルも予め作成されて、そのデータが情報記憶部16に予め記憶される。この場合において、ユーザによってテイストが指定されると、デザイン作成部38は、情報記憶部16において、指定されたテイストを有するデザインサンプルのデータを検索し、情報記憶部16からそのデザインサンプルのデータを取得する。そのデザインサンプルのデータは、通信経路Nを介して、デザイン作成装置10から端末装置12に送信される。
また、適合デザイン要素の組み合わせを用いて作成された非類似サンプルが予め作成されて、その非類似サンプルのデータが情報記憶部16に予め記憶されてもよい。この場合において、ユーザによって基調テイストが指定されて非類似サンプルの表示指示が与えられると、デザイン作成部38は、情報記憶部16において、指定された基調テイストの印象を主に喚起しつつ、他の印象を副次的に喚起する非類似サンプルのデータを検索し、情報記憶部16からその非類似サンプルのデータを取得する。その非類似サンプルのデータは、通信経路Nを介して、デザイン作成装置10から端末装置12に送信される。
なお、互いに印象が類似するデザインサンプル(以下、「類似サンプル」と称する)が予め作成されて、その類似サンプルのデータが情報記憶部16に予め記憶されてもよい。この場合において、ユーザによってデザインサンプルが指定されて類似サンプルの表示指示が与えられると、デザイン作成部38は、情報記憶部16において、指定されたデザインサンプルに類似する類似サンプルのデータを検索し、情報記憶部16からその類似サンプルのデータを取得する。その類似サンプルのデータは、通信経路Nを介して、デザイン作成装置10から端末装置12に送信される。
対象物「名刺」に関して、テイスト「ワイルド」以外のテイストについても、図5及び図6に示されているデザインアイテム及びデザイン要素と同一のデザインアイテム及びデザイン要素が定義されており、各デザイン要素の感性スコアが求められている。対象物「名刺」に関して各テイストについての感性スコアデータが予め作成されて、感性DB20に予め記憶されている。
なお、図5及び図6に示す例では、対象物「名刺」の場合について説明したが、他の対象物についても同様にテイスト毎に感性スコアデータが予め作成されて、感性DB20に予め記憶されている。例えば、広告、チラシ、ポスター、はがき、その他の文書、衣服、車、建物、橋、等について、それぞれの感性スコアデータが予め作成されて感性DB20に予め記憶されている。対象物毎にデザインアイテムとデザイン要素が定義され、各デザイン要素の感性スコアが求められる。例えば、「名刺」と「広告」とでは、異なるデザインアイテムとデザイン要素が用いられる。
以下、デザインサンプル作成時に表示される画面について詳しく説明する。一例として、対象物「名刺」のデザインサンプルを作成するものとする。そのデザインを作成する際に、端末装置12において、ユーザによって、名刺に表示される名刺情報(ユーザの個人情報)等が入力される。入力された情報は、通信経路Nを介して端末装置12からデザイン作成装置10に送信される。もちろん、それらの情報は、デザイン作成装置10に直接入力されてもよい。
まず、図7を参照して、名刺情報を入力するための画面について説明する。図7には、その画面の一例が示されている。名刺情報登録画面54は、名刺情報を入力するための画面であり、例えば、端末装置12のUI部46に表示される。名刺情報登録画面54には入力欄56が含まれており、その入力欄56に、名刺情報(氏名、会社名、連絡先等の情報)が入力されるようになっている。入力欄56に名刺情報が入力されると、その名刺情報を含む名刺の画像58が、名刺情報登録画面54に表示される。その画像58は、デフォルトのデザインを有する名刺の画像である。入力された名刺情報は、通信経路Nを介して端末装置12からデザイン作成装置10に送信される。デザイン作成装置10のデザイン作成部38は、その名刺情報を用いてデザインサンプルを作成する。
次に、図8を参照して、デザインサンプルを表示するための画面について説明する。図8には、その画面の一例が示されている。デザインサンプル表示画面60は、デザインサンプルを表示するための画面であり、例えば、端末装置12のUI部46に表示される。デザインサンプル表示画面60には、基調テイストを指定するための欄(デザインテイスト指定)が含まれており、その欄がユーザによって指定されると、テイストを選択するための選択欄62が例えばポップアップ方式で表示される。図8に示す例では、選択欄62内に、「ロマンチック」、「ナチュラル」等のテイストを示す文字列が表示されている。ユーザは、選択欄62内に表示されたテイスト群の中から特定のテイストを選択する。その選択されたテイストが基調テイストとして採用される。基調テイストを識別するための識別情報(例えばテイストID)が、通信経路Nを介して端末装置12からデザイン作成装置10に送信される。デザイン作成装置10においては、アクセントテイスト選択部26が、その基調テイストに基づいてアクセントテイストを選択し、適合デザイン要素決定部28が、基調テイストを喚起する基準を満たす適合デザイン要素の組み合わせを決定し、デザイン作成部38が、その適合デザイン要素の組み合わせを用いてデザインサンプルを作成する。または、デザイン作成部38は、その適合デザイン要素の組み合わせを有するデザインサンプルを検索する。これらの処理については後で詳しく説明する。
図8に示す例では、デザインサンプル表示画面60に、サンプル表示条件を指定するための欄が含まれている。サンプル表示条件として、例えば、表示数、表示順序、型、カラーモード、ロゴの表示、写真の表示、背景、等が、ユーザによって指定されるようになっている。指定されたサンプル表示条件に従ってデザインサンプルが表示される。
次に、図9を参照して、デザインサンプルの表示例について説明する。図9には、デザインサンプル表示画面60が示されている。デザインサンプル表示画面60には、非類似サンプル表示ボタン64と類似サンプル表示ボタン66とが表示されている。
非類似サンプル表示ボタン64は、非類似サンプル(基調テイストを喚起する基準を満たす適合デザイン要素の組み合わせによって作成されたデザインサンプル)の表示を指示するためのボタンである。ユーザによって基調テイスト及び表示条件が指定された上で、非類似サンプル表示ボタン64が押下されると、非類似サンプルの表示指示を示す情報が、通信経路Nを介して、端末装置12からデザイン作成装置10に送信される。デザイン作成装置10では、非類似サンプルが作成又は検索され、その非類似サンプルのデータが、通信経路Nを介してデザイン作成装置10から端末装置12に送信される。これにより、デザインサンプル表示画面60に、非類似サンプルの一覧68が表示される。
類似サンプル表示ボタン66は、類似サンプル(指定されたデザインサンプルに類似するデザインサンプル)の表示を指示するためのボタンである。ユーザによって特定のデザインサンプル(例えば非類似サンプル)が指定された上で、類似サンプル表示ボタン66が押下されると、デザインサンプル表示画面60に、指定されたデザインサンプルに類似する類似サンプルの一覧が表示される。もちろん、非類似サンプル以外のデザインサンプルが指定され、そのデザインサンプルに類似する類似サンプルが表示されてもよい。
次に、図10を参照して、非類似サンプル表示の設定項目について説明する。図10には、デザインサンプル表示画面60が示されている。デザインサンプル表示画面60には、設定ボタン70が表示されている。この設定ボタン70がユーザによって押下されると、非類似サンプルの作成条件又は検索条件を設定するためのウィンドウ72が表示される。デザイン作成装置10においては、その作成条件又は検索条件としてデフォルトの条件が予め設定されており、ユーザが作成条件又は検索条件を変更する場合、デザインサンプル表示画面60においてその条件が設定される。
ウィンドウ72内には、その作成条件又は検索条件を設定するための欄として、アクセントテイストの選定方式(ミックスするテイストの選定方式)を選択するための欄、印象強度閾値(喚起度閾値)を設定するための欄、混合比を設定するための欄、デザインサンプルに付加する情報を指定するための欄、等が表示される。
アクセントテイストの選定方式は、アクセントテイスト選択部26によって実行される選択方式であり、ユーザによって、選択方式1,2,3のいずれかが選択されるようになっている。ユーザによって選択方式が選択されない場合、デフォルトの選択方式が用いられる。
印象強度閾値(喚起度閾値)は、決定部36によって用いられる値である。ユーザによって印象強度閾値が指定されない場合、デフォルトの値が印象強度閾値として用いられる。
混合比は、各デザイン要素の感性スコアを混合する際の混合比である。ユーザによって混合比が指定されると、混合感性スコア演算部32は、ユーザによって指定された混合比を用いて感性スコアを混合して混合感性スコアを演算する。ユーザによって混合比が指定されない場合、混合比設定部30が混合比を自動的に設定し、混合感性スコア演算部32は、混合比設定部30によって設定された混合比を用いて混合感性スコアを演算する。
デザインサンプルに付加する情報は、例えば、基調テイスト名、アクセントテイスト名(ミックスしたテイストの名称)、混合比率、等である。ユーザによってこれらの情報が指定されると、デザインサンプルの表示時に、これらの情報も併せて表示される。
ユーザによって作成条件又は検索条件が設定されると、その条件を示す情報が、非類似サンプルの表示指示を示す情報とともに、通信経路Nを介して端末装置12からデザイン作成装置10に送信される。デザイン作成装置10は、その作成条件又は検索条件に従って非類似サンプルを作成又は検索する。
以下、デザイン作成装置10による処理について説明する。
まず、図11を参照して、非類似サンプルの作成処理の概略について説明する。図11には、その処理を示すフローチャートが示されている。以下では、対象物「名刺」の非類似サンプルを作成するものとする。
まず、ユーザが端末装置12を利用して、名刺情報を入力するとともに、基調テイストを指定する(S01)。例えば、ユーザが端末装置12を利用してデザイン作成装置10にアクセスすると、端末装置12のUI部46には、図7に示されている名刺情報登録画面54と、図8に示されているデザインサンプル表示画面60が表示される。名刺情報登録画面54とデザインサンプル表示画面60は、切換操作に応じて、切り替えてUI部46に表示される。ユーザによって、名刺情報登録画面54上で名刺情報が入力され、デザインサンプル表示画面60上で基調テイスト(例えば「ワイルド」等のテイスト)が指定される。その他、デザインサンプル表示画面60上で、ユーザによって表示条件、及び、非類似サンプルの作成条件又は検索条件が指定される。
次に、ユーザが端末装置12を利用して、非類似サンプルの表示指示を与える(S02)。例えば、デザインサンプル表示画面60に表示されている非類似サンプル表示ボタン64がユーザによって押下されると、非類似サンプルの表示指示が与えられる。これに応じて、非類似サンプルの表示指示を示す情報、基調テイストを識別するための識別情報、及び、非類似サンプルの作成条件又は検索条件を示す情報が、通信経路Nを介して端末装置12からデザイン作成装置10に送信される。
デザイン作成装置10においては、アクセントテイスト選択部26が、選択方式1,2,3のいずれかの方式に従って、アクセントテイストを選択し(S03)、適合デザイン要素決定部28は、適合デザイン要素の組み合わせを決定する(S04)。
適合デザイン要素の組み合わせを有する非類似サンプルが、既に端末装置12に送られて表示されている場合(S05,Yes)、適合デザイン要素決定部28は、他の適合デザイン要素の組み合わせを決定する(S04)。
適合デザイン要素の組み合わせを有する非類似サンプルが、未だ端末装置12に送られて表示されていない場合(S05,No)、デザイン作成部38は、その適合デザイン要素の組み合わせを用いてデザインサンプルつまり非類似サンプルを作成する(S06)。別の例として、デザインサンプル群が予め作成されて情報記憶部16に予め記憶されている場合、デザイン作成部38は、情報記憶部16において、適合デザイン要素の組み合わせを有するデザインサンプルを検索し、そのデザインサンプルを非類似サンプルとして情報記憶部16から取得してもよい。
上記のようにして作成又は検索された非類似サンプルのデータは、通信経路Nを介してデザイン作成装置10から端末装置12に送信され、端末装置12のUI部46に非類似サンプルが表示される。例えば、図9に示すように、非類似サンプルの一覧68が表示される。非類似サンプルは、例えばテンプレートとして機能し、ユーザによって編集されてもよい。例えば、一覧68の中から特定の非類似サンプルが選択され、その非類似サンプル中のフォントの種類、文字の配置、色、デザイン、名刺情報、等が、ユーザによって編集される。また、ユーザによって印刷指示が与えられた場合、非類似サンプルが印刷されてもよい。
次に、図12から図14を参照して、アクセントテイスト選択部26による処理について詳しく説明する。
まず、図12を参照して、選択方式1に従った処理について説明する。図12は、その処理を示すフローチャートが示されている。選択方式1は固定方式である。
まず、アクセントテイスト選択部26は、テイストの優先順位が規定されたアクセントテイストリストを読み出す(S10)。このアクセントテイストリストは予め作成されており、そのデータは例えば情報記憶部16に予め記憶されている。また、その優先順位は予め決定されている。アクセントテイストリストには、例えば図4に示されている各テイストの優先順位が規定されている。
次に、アクセントテイスト選択部26は。そのアクセントテイストリストの中から、優先順にN個(Nは1以上の整数)のテイストを選択する(S11)。Nは、予め設定された値であってもよいし、ユーザによって変更されてもよい。
上記N個のテイストの中に基調テイストと同じテイストが含まれている場合(S12,Yes)、アクセントテイスト選択部26は、上記N個のテイストから基調テイストと同じテイストを除外し、除外したテイストの代りに、次の順位((N+1)番目)のテイストをアクセントテイストリストから選択する(S13)。これにより、基調テイストと同じテイストを含まないN個のテイストがアクセントテイストとして選択される。
一方、上記N個のテイストの中に基調テイストと同じテイストが含まれていない場合(S12,No)、処理はステップS14に移行する。この場合、ステップS11にて選択されたN個のテイストがアクセントテイストとして選択される。
ステップS14では、アクセントテイスト選択部26は、ステップS11からステップS13の処理によって選択されたN個のテイストをアクセントテイストとして決定し、N個のテイストの優先順位を、適合デザイン要素決定部28による処理の実施順序として決定する。
次に、図13を参照して、選択方式2に従った処理について説明する。図13には、その処理を示すフローチャートが示されている。選択方式2は遠距離方式である。
まず、アクセントテイスト選択部26は、テイスト座標テーブルを読み出す(S20)。テイスト座標テーブルは予め作成されており、そのデータは例えば情報記憶部16に予め記憶されている。このテイスト座標データは、例えば図4に示されている印象マップ50上における各テイストの座標を示すデータである。
次に、アクセントテイスト選択部26は、テイスト座標テーブルを参照して、基調テイストBから各テイストまでの距離(例えば印象マップ50上の距離)を算出し(S21)、基調テイストBからの距離が最大となるテイストT1を選択する(S22)。
次に、アクセントテイスト選択部26は、テイスト座標テーブルを参照して、基調テイストBからの距離とテイストT1からの距離との合計が最大となるテイストT2を選択する(S23)。
さらに、アクセントテイスト選択部26は、基調テイストB及びテイストT1,T2からの距離の合計が最大となるテイストT3を選択する(S24)。
アクセントテイスト選択部26は、上記の選択処理をN回実施する(S25)。これにより、N個のテイスト(テイストT1,T2,・・・,TN)が選択される。
アクセントテイスト選択部26は、上記のようにして選択されたN個のテイストをアクセントテイストとして決定し、N個のテイストの選択順番を、適合デザイン要素決定部28による処理の実施順序として決定する(S26)。基調テイストからの距離が長いテイストほど、先の順序が割り当てられる。
印象マップ50上において、基調テイストからの距離が長いテイストほど、基調テイストが有する印象との差が大きい印象を有することになる。それ故、選択方式2に従ってアクセントテイストを選択することにより、基調テイストが有する印象との差が比較的に大きい印象を有するテイストがアクセントテイストとして選択される。また、基調テイスト及び他のアクセントテイストからの距離の合計が最大となるテイストが、更に別のアクセントテイストとして選択される。これにより、互いに異なる印象を有する複数のアクセントテイストが選択される。
ここで、図14を参照して、テイスト座標テーブルとして利用される情報の一例について説明する。図14には、テイストに対する因子分析の結果としての因子負荷量の一例が示されている。テイストの印象構造を規定する因子が抽出され、その因子負荷量が予め演算されている。因子負荷量の差が大きいテイスト同士ほど、それらが持つ印象の差が大きくなる。この因子負荷量が、印象マップ上における座標に相当するため、因子負荷量を用いてアクセントテイストを選択してもよい。もちろん、因子分析結果を用いずに、印象マップ50を用いて距離を算出してアクセントテイストを選択してもよい。別の例として、アクセントテイスト選択部26は、因子負荷量が正負側に最大となるテイストをアクセントテイストとして選択してもよい。
次に、図15を参照して、選択方式3に従った処理について説明する。図15には、その処理を示すフローチャートが示されている。選択方式3はクラスタを利用した遠距離方式である。
まず、アクセントテイスト選択部26は、クラスタ別のテイスト相互間距離テーブルを読み出す(S30)。複数のテイストが予め設定された基準に従って予めクラスタリングされており、そのクラスタを示すデータは例えば情報記憶部16に予め記憶されている。例えば、類似する印象を有するテイストが同じクラスタに分類されている。また、テイスト相互間距離テーブルは、クラスタ毎に予め作成されており、そのデータは例えば情報記憶部16に予め記憶されている。テイスト相互間距離テーブルにおいては、印象マップ上における各テイスト間の距離が規定されている。例えば、図4に示されている印象マップ50上における各テイスト間の距離を算出して、テイスト相互間距離テーブルを作成してもよいし、図14に示されている因子負荷量を用いて各テイスト間の距離を算出して、テイスト相互間距離テーブルを算出してもよい。
次に、アクセントテイスト選択部26は、クラスタ別のテイスト相互間距離テーブルを参照して、基調テイストからの距離が長い順に、未選択のクラスタから合計でN個のテイストを選択する(S31)。
次に、アクセントテイスト選択部26は、上記のようにして選択されたN個のテイストをアクセントテイストとして決定し、基調テイストからの距離に従って、適合デザイン要素決定部28による処理の実施順序を決定する(S32)。基調テイストからの距離が長いテイストほど、先の順序が割り当てられる。
基調テイストからの距離が長いテイストほど、基調テイストが有する印象との差が大きい印象を有することになる。それ故、選択方式3に従ってアクセントテイストを選択することにより、上記の選択方式2と同様に、基調テイストが有する印象との差が比較的に大きい印象を有するテイストがアクセントテイストとして選択される。
ここで、図16を参照して、テイストのクラスタリングについて説明する。図16には、テイストのクラスタリングの一例が示されている。図16に示す例では、樹形図を用いてクラスタリングの様子が描画されている。例えば、互いに類似する印象を有するテイストが同一のクラスタに分類されている。このクラスタを示すデータは、情報記憶部16に予め記憶されている。
図17には、クラスタ別のテイスト相互間距離テーブルの一例が示されている。このテイスト相互間距離テーブルは、基調テイストとして「プリティ」が指定された場合において、その基調テイスト「プリティ」と各テイストとの間の距離を示すテーブルである。アクセントテイスト選択部26は、このテーブルを参照して、基調テイストからの距離が長い順に、各クラスタから合計でN個のテイストを選択する。
上記の選択方式1,2,3は、例えば図10に示されているデザインサンプル表示画面60上でユーザよって指定される。なお、ユーザによって選択方式が指定されなかった場合、アクセントテイスト選択部26は、選択方式1,2,3のうち予め設定された選択方式に従ってアクセントテイストを選択する。
以上のようにN個のアクセントテイストが選択されると、N個のアクセントテイストを識別するための識別情報(テイストID)が、アクセントテイスト選択部26から適合デザイン要素決定部28に出力され、適合デザイン要素決定部28によって処理が実行される。これにより、適合デザイン要素の組み合わせが決定される。
以下、図18を参照して、適合デザイン要素決定部28による処理について説明する。図18には、その処理を示すフローチャートが示されている。
まず、混合感性スコア演算部32は、N個のアクセントテイストの中から処理の実施順序に従って1個のアクセントテイストを選択する(S40)。この実施順序は、上述したように、アクセントテイスト選択部26によって決定される。
次に、デザイン要素の混合比の初期値が設定される(S41)。ユーザによって混合比が設定されている場合、この混合比が初期値として用いられる。ユーザによって混合比が設定されていない場合、混合比設定部30が、混合比の初期値を設定する。混合比の初期値として、例えば、基調テイストの比率が95%であり、アクセントテイストの比率が5%である。
次に、混合感性スコア演算部32は、基調テイストの感性スコアデータとアクセントテイストの感性スコアデータを感性DB20から読み出す(S42)。
次に、混合感性スコア演算部32は、基調テイストの感性スコアデータとアクセントテイストの感性スコアデータを参照して、デザイン要素が基調テイストの喚起に寄与する程度を示す基調感性スコアと、同一のデザイン要素がアクセントテイストの喚起に寄与する程度を示すアクセント感性スコアと、を混合することにより、デザイン要素毎に混合感性スコアを演算する。具体的には、混合感性スコア演算部32は、基調感性スコアに、混合比における基調テイストの比率(例えば0.95)を乗算し、アクセント感性スコアに、混合比におけるアクセントテイストの比率(例えば0.05)を乗算し、各比率が乗算された基調感性スコアとアクセント感性テイストとを合算する。これにより、混合感性スコアが得られる。混合感性スコア演算部32は、デザイン要素毎に演算処理を適用することにより、デザイン要素毎に混合感性スコアを演算する。次に、混合感性スコア演算部32は、デザインアイテム毎に、最大の混合感性スコアを有するデザイン要素を、最大値デザイン要素として決定する(S43)。
次に、基調テイスト喚起度演算部34は、全デザインアイテムの最大値デザイン要素の基調感性スコアを合算し、その合計値に基づいて、基調テイストと処理対象のアクセントテイストとに関する基調テイスト喚起度Sを演算する(S44)。例えば、基調テイスト喚起度演算部34は、その合計値に定数を合算することにより、基調テイスト喚起度Sを演算する。その定数は、予め設定された値である。なお、その定数は、ユーザによって変更されてもよい。別の例として、基調テイスト喚起度演算部34は、上記の合計値を基調テイスト喚起度Sとして採用してもよい。
基調テイスト喚起度Sが喚起度閾値θ(印象強度閾値θ)以上の場合(S45,Yes)、混合比設定部30は、混合比におけるアクセントテイストの比率を1段階増加させる(S46)。その後、処理はステップS43に戻る。ステップS43では、新たに設定された混合比に従って、デザイン要素毎に混合感性スコアが演算され、デザインアイテム毎に最大値デザイン要素が決定される。以降、上記のステップS44以降の処理が実行される。
基調テイスト喚起度Sが喚起度閾値θ未満になるまで、混合比設定部30によって、アクセントテイストの比率が段階的に増加させられ(S46)、ステップS43,S44の処理が実行される。
ここで、図19を参照して、混合比の変化について説明する。図19には、混合比の一例が示されている。混合比の初期値(1)として、例えば、基調テイストの比率が95%であり、アクセントテイストの比率が5%である。混合比設定部30は、例えば矢印で示す方向((2)〜(10)へ向かう方向)に、混合比を段階的に変化させる。混合比を1段階変えることにより、基調テイストとアクセントテイストの比率は5%変わる。混合比設定部30は、基調テイストの比率を5%ずつ低くし、アクセントテイストの比率を5%ずつ高くする。これにより、混合比が段階的に変更される。
基調テイスト喚起度Sが喚起度閾値θ以上の場合、混合比設定部30によってアクセントテイストの比率を段階的増加させ、混合感性スコア演算部32は、その比率に従って混合感性スコアを演算する。
図18に戻って説明する。基調テイスト喚起度Sが喚起度閾値θ未満の場合(S45,No)、決定部36は、基調テイスト喚起度Sが喚起度閾値θ以上となる最大値デザイン要素の組み合わせを適合デザイン要素の組み合わせとして決定する(S47)。より詳しく説明すると、決定部36は、基調テイスト喚起度Sが喚起度閾値θ未満となる混合比よりもアクセントテイストの比率が1段階低い混合比を用いた演算によって特定された最大値デザイン要素の組み合わせを、適合デザイン要素の組み合わせとして決定する。例えば、混合比(2)(基調テイスト:90%、アクセントテイスト:10%)のときに、基調テイスト喚起度Sが喚起度閾値θ以上となり、混合比(3)(基調テイスト:85%、アクセントテイスト:15%)のときに、基調テイスト喚起度Sが喚起度閾値θ未満になったとする。この場合、混合比(3)の1つ前の段階の混合比(2)が特定され、決定部36は、その混合比(2)を用いた演算によって特定された最大値デザイン要素の組み合わせを、適合デザイン要素の組み合わせとして決定する。後述するように、この適合デザイン要素の組み合わせを用いて、デザインサンプルが作成される。
上記の処理によって、デザインサンプル数が充足する場合(S48,Yes)、つまり、要求されている表示数分(M個(Mは1以上の整数))のデザインサンプルを作成するための適合デザイン要素の組み合わせ(M個の組み合わせ)が決定された場合、処理はステップS49へ移行する。
一方、デザインサンプル数が充足していない場合(S48,No)、処理はステップS40に戻る。この場合、ステップS40では、混合感性スコア演算部32は、N個のアクセントテイストの中から実施順序に沿って、次の順位のアクセントテイストを選択する。以降、上記のステップS41以降の処理が実行される。そして、M個の組み合わせが決定されるまで、ステップS40以降の処理が実行される。
デザインサンプルの表示数(M)は、端末装置12を用いてユーザによって指定されてもよいし、予め設定されていてもよい。例えば、図8に示されているデザインサンプル表示画面60においてユーザが表示数(M)を指定すると、その表示数分のデザインサンプルを作成するための適合デザイン要素の組み合わせが決定される。
ステップS49では、デザイン作成部38が、適合デザイン要素の組み合わせを用いてデザインサンプルつまり非類似サンプルを作成する。この場合、M個の組み合わせを用いて、M個の非類似サンプルが作成される。なお、デザインサンプルが予め作成されて情報記憶部16に記憶されている場合、デザイン作成部38は、適合デザイン要素の組み合わせを有するデザインサンプル(非類似サンプル)を情報記憶部16から取得する。
非類似サンプルのデータは、通信経路Nを介してデザイン作成装置10から端末装置12に送信され、端末装置12のUI部46に非類似サンプルが表示される。例えば、図9に示されているデザインサンプル表示画面60において、非類似サンプルの一覧68が表示される。
また、基調テイスト名、アクセントテイスト名、及び、混合比の表示指示が与えられている場合、それらを示す情報も、類似サンプルのデータとともに、デザイン作成装置10から端末装置12に送信され、端末装置12のUI部46に表示される。
以下、図20及び図21を参照して、適合デザイン要素決定部28による処理について、具体例を挙げて詳しく説明する。図20及び図21には、感性スコアデータの一例として、基調テイストに対する感性スコア、アクセントテイストに対する感性スコア、及び、混合感性スコアの一例が示されている。
一例として、基調テイスト「プリティ」が指定されており、アクセントテイスト「ダイナミック」が選択されているものとする。また、混合比として、基本テイストの比率が50%であり、アクセントテイストの比率が50%であるとする。
図20及び図21において、符号74で示す列には、基本テイスト「プリティ」に対する各デザイン要素の感性スコア(基調感性スコア)が示されている。符号76で示す列には、アクセントテイスト「ダイナミック」に対する各デザイン要素の感性スコア(アクセント感性スコア)が示されている。符号78で示す列には、各デザイン要素の混合感性スコアが示されている。
混合感性スコア演算部32は、デザイン要素毎に、基調感性スコアとアクセント感性スコアとを混合する。具体的には、混合感性スコア演算部32は、基調感性スコアに比率(0.5)を乗算し、アクセント感性スコアに比率(0.5)を乗算し、各比率が乗算された基調感性スコアとアクセント感性スコアとを合算する。これにより、混合感性スコアが得られる。
具体例を挙げて説明する。デザインアイテム「背景図案」にはデザイン要素「1:渦状の木」が属している。基調テイスト「プリティ」に対するデザイン要素「1:渦状の木」の感性スコアは「0.77」であり、アクセントテイスト「ダイナミック」に対するデザイン要素「1:渦状の木」の感性スコアは「−0.10」である。従って、デザイン要素「1:渦状の木」の混合感性スコアは、以下の式に従って計算される。
混合感性スコア=
0.77×0.5+(−0.1)×0.5=0.33
他のデザイン要素についても、混合感性スコアが演算される。このようにして演算された混合感性スコアが、符号78で示す列に示されている。
また、混合感性スコア演算部32は、デザインアイテム毎に、最大の混合感性スコアを有するデザイン要素を、最大値デザイン要素として選択する。具体例を挙げて説明すると、デザインアイテム「背景図案」については、デザイン要素「8:桜」の混合感性スコア「0.35」が、デザインアイテム「背景図案」に属するデザイン要素群の中で最大となっている。それ故、デザイン要素「8:桜」が最大値デザイン要素として選択される。他のデザインアイテムについても、最大値デザイン要素が選択される。図20及び図21に示す例では、破線で囲まれているデザイン要素が、最大値デザイン要素に相当する。なお、同一のデザインアイテムにおいて、複数の最大値デザイン要素(同一の最大混合感性スコアを有する複数のデザイン要素)が存在する場合には、複数の最大値デザイン要素の中からいずれか1つの最大値デザイン要素が選択されてもよいし、ID番号が小さい最大値デザイン要素が選択されてもよい。
以上のように最大値デザイン要素が決定されると、基調テイスト喚起度演算部34は、全デザインアイテムの最大値デザイン要素の基調感性スコアを合算し、その合計値に基づいて、基調テイスト「プリティ」とアクセントテイスト「ダイナミック」とに関する基調テイスト喚起度Sを演算する。
図20及び図21に示す例では、以下に示すデザイン要素が最大値デザイン要素として選択されている。
デザインアイテム「背景図案」:デザイン要素「8:桜」(基調感性スコア=0.76)
デザインアイテム「文字要素の分布」:デザイン要素「8:放射」(基調感性スコア=0.08)
デザインアイテム「氏名のフォント」:デザイン要素「4:丸ゴシック」(基調感性スコア=0.10)
デザインアイテム「氏名の書き方向」:デザイン要素「2:縦」(基調感性スコア=0.05)
デザインアイテム「氏名の垂直寄せ」:デザイン要素「2:中上」(基調感性スコア=0.02)
デザインアイテム「氏名の水平寄せ」:デザイン要素「1:左」(基調感性スコア=0.01)
デザインアイテム「氏名の形」:デザイン要素「2:斜線」(基調感性スコア=0.06)
デザインアイテム「氏名のサイズ」:デザイン要素「4:31以上」(基調感性スコア=0.02)
デザインアイテム「会社名の書き方向」:デザイン要素「1:横」(基調感性スコア=0.02)
デザインアイテム「会社名の垂直寄せ」:デザイン要素「2:中上」(基調感性スコア=0.03)
デザインアイテム「会社名の水平寄せ」:デザイン要素「3:中」(基調感性スコア=0.03)
デザインアイテム「会社名のサイズ」:デザイン要素「1:9未満」(基調感性スコア=0.10)
上記の例においては、全デザインアイテムの最大値デザイン要素の基調感性スコアの合算値は、以下のように計算される。
合算値=0.76+0.08+0.10+0.05+0.02+0.01+0.06+0.02+0.02+0.03+0.03+0.01
=1.38
基調テイスト喚起度演算部34は、上記の合算値「1.38」に定数(例えば「1.25」)を加算する。これより、基調テイスト喚起度S(1.38+1.25=2.63)が得られる。定数「1.25」は、ユーザによって変更されてもよい。
基調テイスト喚起度Sは、全デザインアイテムの最大値デザイン要素の組み合わせが、基調テイストの喚起に寄与する程度を示す値(印象強度値)に相当する。基調テイスト喚起度Sが大きいほど、その最大デザイン要素の組み合わせが基調テイストの喚起に寄与する程度が大きいことになる。
基調テイスト喚起度Sと基調テイストの喚起に寄与する程度との関係は、例えば以下のようになっている。
基調テイスト喚起度S=1の場合、全く感じない。
基調テイスト喚起度S=2の場合、あまり感じない。
基調テイスト喚起度S=3の場合、やや感じる。
基調テイスト喚起度S=4の場合、かなり感じる。
基調テイスト喚起度S=5の場合、非常に感じる。
例えば、基調テイスト喚起度Sが「1」の場合、基調テイストの喚起に寄与する程度が非常に低く、その基調テイスト喚起度Sを有する最大値デザイン要素の組み合わせによってデザインサンプルを作成した場合、そのデザインサンプルから基調テイストの印象が全く感じ取れないことになる。
基調テイスト喚起度Sが「2」の場合、基調テイストの喚起に寄与する程度が低く、その基調テイスト喚起度Sを有する最大値デザイン要素の組み合わせによってデザインサンプルを作成した場合、そのデザインサンプルから基調テイストの印象があまり感じ取れないことになる。
基調テイスト喚起度Sが「3」の場合、基調テイストの喚起に寄与する程度が中程度であり、その基調テイスト喚起度Sを有する最大値デザイン要素の組み合わせによってデザインサンプルを作成した場合、そのデザインサンプルから基調テイストの印象がやや感じ取れることになる。
基調テイスト喚起度Sが「4」の場合、基調テイストの喚起に寄与する程度が強く、その基調テイスト喚起度Sを有する最大値デザイン要素の組み合わせによってデザインサンプルを作成した場合、そのデザインサンプルから基調テイストの印象がかなり感じ取れることになる。
基調テイスト喚起度Sが「5」の場合、機構テイストの喚起に寄与する程度が非常に強く、その基調テイスト喚起度Sを有する最大値デザイン要素の組み合わせによってデザインサンプルを作成した場合、そのデザインサンプルから基調テイストの印象が非常に感じ取れることになる。
以上のようにして得られた基調テイスト喚起度Sと喚起度閾値θとが比較され、その比較結果に応じて、適合デザイン要素の組み合わせが決定される(図18中のステップS45,S47参照)。
適合デザイン要素の組み合わせを用いて作成されたデザインサンプル(非類似サンプル)が、基調テイストの印象を主に喚起しつつ、アクセントテイストの印象を副次的に喚起するように、喚起度閾値θが設定される。
適合デザイン要素の組み合わせを用いて非類似サンプルとしてデザインサンプルが作成される。なお、デザインサンプルが予め作成されて情報記憶部16に予め記憶されている場合、情報記憶部16において、適合デザイン要素の組み合わせを有するデザインサンプルが検索され、そのデザインサンプルを非類似サンプルとして情報記憶部16から取得されてもよい。作成又は検索されたデザインサンプルのデータは、デザイン作成装置10から端末装置12に送信され、端末装置12のUI部46に非類似サンプルが表示される。例えば図9に示すように、非類似サンプルの一覧68が端末装置12に表示される。そのユーザによってその一覧68から非類似サンプルが選択され、非類似サンプルに対する編集、非類似サンプルの印刷、等の処理が実行される。
以上のように、本実施形態によると、基調テイスト喚起度Sが喚起度閾値θ以上となる最適デザイン要素の組み合わせを用いてデザインサンプルが作成される。これにより、基調テイスト(例えば「プリティ」)を主に喚起しつつ、アクセントテイスト(例えば「ダイナミック」)を副次的に喚起するデザインサンプル(非類似サンプル)が作成される。
また、混合比においてアクセントテイストの比率を段階的に増加させながら、つまり、混合比において基調テイストの比率を段階的に減少させながら、基調テイスト喚起度Sが演算され、基調テイスト喚起度Sが喚起度閾値θ未満となる混合比よりもアクセントテイストの比率が1段階低い混合比が特定される。その特定された混合比を用いた演算によって特定された最大値デザイン要素の組み合わせが、適合デザイン要素の組み合わせとして決定され、その適合デザイン要素の組み合わせを用いてデザインサンプルが作成される。これにより、基調テイスト喚起度Sが喚起度閾値θ以上となる最大値デザイン要素のすべての組み合わせを、適合デザイン要素の組み合わせとして決定してデザインサンプルを作成する場合と比べて、基調テイスト(例えば「プリティ」)を主に喚起しつつ、アクセントテイスト(例えば「ダイナミック」)をより喚起するデザインサンプルが作成される。
また、基調テイストが有する印象との差がより大きい印象を有するテイストをアクセントテイストとして用いることにより、基調テイストが有する印象との差がより小さい印象を有するテイストをアクセントテイストとして用いる場合と比べて、基調テイストを主に喚起しつつ、基調テイストとはより異なる印象を喚起するデザインテイストが作成される。例えば、基調テイストが有する印象との差が最大となる印象を有するテイストをデザインテイストとして用いることにより、基調テイストを主に喚起しつつ、基調テイストとはより異なる印象を喚起するデザインサンプルが作成される。また、上述したアクセントテイストの選択方式2によると、互いに異なる印象を有する複数のアクセントテイストが選択される。このような複数のアクセントテイストを用いて複数のデザインサンプル(非類似サンプル)を作成することにより、基調テイストを主に喚起しつつ、互いに見た目の異なる複数の非類似サンプルが作成されて提供される。
なお、単一の基調テイストを有するデザインサンプルを作成し、そのデザインサンプルと、基調テイストとアクセントテイストとを用いて作成されたデザインサンプル(非類似サンプル)と、を端末装置12に提供して表示してもよい。
また、基調テイスト名、アクセントテイスト名、及び、混合比の表示指示が与えられている場合、それらを示す情報も、デザインサンプルのデータとともに、デザイン作成装置10から端末装置12に送信され、端末装置12のUI部46に表示される。例えば図22に示すように、デザインサンプル80とともに、基調テイストの名称「プリティ」、基調テイストの比率「75%」、アクセントテイストの名称「ダイナミック」、及び、アクセントテイストの比率「25%」が表示される。これにより、ユーザがデザインサンプル(非類似サンプル)を選択する上で参考となる情報が提供される。
また、図23に示すように、デザインサンプル80とともに、当該デザインサンプル80の印象の分析結果を示す印象プロフィール82が、端末装置12のUI部46に表示されてもよい。印象プロフィール82は、デザインサンプル80についての印象強度を示す情報であり、デザイン作成装置10にて作成されて端末装置12に送信される。
(変形例1)
以下、変形例1に係るデザイン作成装置10Aについて説明する。図24には、変形例1に係るデザイン作成装置10Aの一例が示されている。変形例1に係るデザイン作成装置10Aは、上述した実施形態に係るデザイン作成装置10の構成に加えて、類似デザイン作成部84を更に含む。類似デザイン作成部84以外の構成は、上述した実施形態に係るデザイン作成装置10の構成と同じである。
類似デザイン作成部84は、選択されたデザインサンプルに類似するデザインサンプル(類似サンプル)を作成する。
以下、変形例1について詳しく説明する。
図25には、デザインサンプル表示画面60が示されている。非類似サンプル表示ボタン64がユーザによって押下されると、上述したように、デザイン作成装置10Aによって、非類似サンプルとしてのデザインサンプルが作成又は検索され、非類似サンプルとしてのデザインサンプルの一覧68が、デザインサンプル表示画面60に表示される。図25に示す例では、9個のデザインサンプル(デザインサンプルA〜I)が非類似サンプルとして表示されている。
ユーザが端末装置12を用いて特定のデザインサンプル(非類似サンプル)を指定し、類似サンプル表示ボタン66を押下すると、類似サンプルの表示指示を示す情報と、指定された非類似サンプルを識別するための識別情報(サンプルID)が、通信経路Nを介して端末装置12からデザイン作成装置10Aに送信される。
デザイン作成装置10Aにおいては、類似デザイン作成部84が、指定された非類似サンプルに類似するデザインサンプル(類似サンプル)を作成する。例えば、1又は複数の類似サンプルが作成される。類似サンプルのデータは、通信経路Nを介してデザイン作成装置10Aから端末装置12に送信され、端末装置12のUI部46には類似サンプルが表示される。
例えば図26に示すように、デザインサンプル表示画面60には類似サンプルの一覧86が表示される。例えば、デザインサンプルCが選択された場合、デザインサンプルCに類似するデザインサンプル(C1〜C9)が類似サンプルとして作成されて表示される。
以下、図27を参照して、類似デザイン作成部84による処理について詳しく説明する。図27には、その処理を示すフローチャートが示されている。
端末装置12のUI部46には、図25に示されているデザインサンプル表示画面60が表示されているものとする。ユーザはUI部46を用いて、デザインサンプル表示画面60に表示されているデザインサンプル(非類似サンプル)の一覧68の中から特定のデザインサンプルを選択し、類似サンプル表示ボタン66を押下する(S50)。
類似サンプル表示ボタン66が押下されると、類似サンプルの表示指示を示す情報と、ユーザによって選択されたデザインサンプルを識別するための識別情報(サンプルID)が、通信経路Nを介して端末装置12からデザイン作成装置10Aに送信される。
デザイン作成装置10Aにおいては、類似デザイン作成部84が、ユーザによって選択されたデザインサンプルを構成する全デザイン要素の感性スコアの合算し、その合計値に対する各デザイン要素の感性スコアの比率を算出する(S51)。
次に、類似デザイン作成部84は、比率の高い順に各デザイン要素の感性スコアを合算し、その合計値が閾値以上になった段階で合算対象となっているデザイン要素を固定デザイン要素として決定する(S52)。閾値は予め設定された値であってもよいし、ユーザによって変更されてもよい。
次に、類似デザイン作成部84は、固定デザイン要素群を変えずに、固定デザイン要素以外のデザイン要素(非固定デザイン要素)が属するデザインアイテムを対象として、非固定デザイン要素を変えることで、類似サンプルとしてのデザインバリエーションを作成する(S53)。これにより、固定デザイン要素を有しつつ、非固定デザイン要素のみが変更されたデザインバリエーションが作成される。このとき、類似デザイン作成部84は、指定数のバリエーション(類似サンプル)を作成する。その指定数は予め設定された値であってもよいし、ユーザによって指定された値であってもよい。
類似サンプル(デザインバリエーション)のデータは、デザイン作成装置10Aから端末装置12に送信され、図26に示すように、類似サンプルの一覧86が端末装置12のUI部46に表示される(S54)。
以下、具体例を挙げて類似デザイン作成部84による処理について説明する。一例として、デザインサンプル(非類似サンプル)の一覧68の中から特定のデザインサンプルXがユーザによって選択されたものとする。図28には、そのデザインサンプルXを構成するデザインアイテム及びデザイン要素が示されている。デザインサンプルXは、デザインアイテム「1.背景図案」、「2.ベースカラーの色相」、「3.ベースカラーの色調」、「4.氏名のフォントサイズ」、「5.氏名のフォントタイプ」、「6.文字情報のレイアウト」、及び「7.その他のデザインアイテム群」によって構成されている。
デザインアイテム「1.背景図案」としてデザイン要素「図案3」が採用されており、デザインサンプルXを構成する全デザイン要素の感性スコアの合算値に対するデザイン要素「図案3」の感性スコアの比率は「31%」である。
デザインアイテム「2.ベースカラーの色相」としてデザイン要素「R」が採用されており、感性スコアの合計値に対するデザイン要素「R」の感性スコアの比率は「17%」である。
デザインアイテム「3.ベースカラーの色調」としてデザイン要素「V&S」が採用されており、感性スコアの合計値に対するデザイン要素「V&S」の感性スコアの比率は「14%」である。
デザインアイテム「4.氏名のフォントサイズ」としてデザイン要素「特大」が採用されており、感性スコアの合計値に対するデザイン要素「特大」の感性スコアの比率は「10%」である。
デザインアイテム「5.氏名のフォントタイプ」としてデザイン要素「ポップ」が採用されており、感性スコアの合計値に対するデザイン要素「ポップ」の感性スコアの比率は「6%」である。
デザインアイテム「6.文字情報のレイアウト」としてデザイン要素「パターン8」が採用されており、感性スコアの合計値に対するデザイン要素「パターン8」の感性スコアの比率は「3%」である。
感性スコアの合計値に対する「7.その他のデザイン要素群」の感性スコアの比率の合計は、「31%」である。
一例として、閾値を70%とする。類似デザイン作成部84は、比率の高い順に各デザイン要素の感性スコアを合算していき、その合計値が閾値「70%」以上になった段階で合算対象となっているデザイン要素を固定デザイン要素として決定する。図28に示す例では、類似デザイン作成部84は、背景図案「図案3」、ベースカラーの色相「R」、ベースカラーの色調「V&S」、氏名のフォントサイズ「特大」の順に、各デザイン要素の感性スコアを合算する。氏名のフォントサイズ「特大」の比率を合算した段階で、その合計値が閾値「70%」以上となっている。それ故、デザイン要素「図案3」、「R」、「V&S」及び「特大」が、固定デザイン要素として決定される。デザイン要素「ポップ」、「パターン8」及び「その他のデザイン要素群」は、非固定デザイン要素として決定される。
図29には、その合算処理が模式的に示されている。デザインアイテム「1.背景図案」から「4.氏名のフォントサイズ」の感性スコアの比率の合計値が、閾値「70%」以上となっている。
以上のようにして固定デザイン要素が決定されると、類似デザイン作成部84は、固定デザイン要素群を変えずに、非固定デザイン要素が属するデザインアイテムを対象として、非固定デザイン要素を変えることで、類似サンプルとしてのデザインバリエーションを作成する。図28に示す例では、類似デザイン作成部84は、固定デザイン要素としての背景図案「図案3」、ベースカラーの色相「R」、ベースカラーの色調「V&S」及び氏名のフォントサイズ「特大」を変えずに、非固定デザイン要素を変える。具体的には、類似デザイン作成部84は、順位が5位のデザインアイテム「氏名のフォントサイズ」を対象として、固定デザイン要素群と順位が6位以下の非固定デザイン要素を変えずに、そのデザインアイテム「氏名のフォントサイズ」に属する非固定デザイン要素を変えることで、デザインバリエーションを作成する。つまり、類似デザイン作成部84は、5位のデザインアイテム「氏名のフォントサイズ」に属する非固定デザイン要素を異ならせながら、固定デザイン要素群と、6位以下の非固定デザイン要素と、5位の非固定デザイン要素と、を用いてデザインサンプル(デザインバリエーション)を作成する。類似デザイン作成部84は、例えば、5位のデザインアイテムに属する全デザイン要素(例えば、ゴシック、明朝、丸ゴシック等)と、固定デザイン要素群と、6位以下の非固定デザイン要素と、を組み合わせることにより、固定デザイン要素群と6位以下の非固定デザイン要素とが変更されずに、5位のデザイン要素のみが変更された複数のデザインバリエーション(類似サンプル)を作成する。5位の非固定デザイン要素のみが変更された複数のデザインバリエーション(類似サンプル)のデータは、デザイン作成装置10Aから端末装置12に送信され、図26に示すように、複数のデザインバリエーション(類似サンプル)の一覧86が、端末装置12のUI部46に表示される。
同様に、類似デザイン作成部84は、順位が6位のデザインアイテム「文字情報のレイアウト」を対象として、固定デザイン要素群と6位以外の順位の非固定デザイン要素を変えずに、そのデザインアイテム「文字情報のレイアウト」に属する非固定デザイン要素を変えることで、デザインバリエーションを作成する。つまり、類似デザイン作成部84は、6位のデザインアイテム「文字情報のレイアウト」に属する非固定デザイン要素を異ならせながら、固定デザイン要素群と、6位以外の順位の非固定デザイン要素と、6位の非固定デザイン要素と、を用いてデザインサンプル(デザインバリエーション)を作成する。類似デザイン作成部84は、例えば、6位のデザインアイテムに属する全デザイン要素(例えばパターン1から11)と、固定デザイン要素群と、6位以外の順位の非固定デザイン要素と、を組み合わせることにより、固定デザイン要素群と6位以外の順位の非固定デザイン要素が変更されずに、6位のデザイン要素のみが変更された複数のデザインバリエーション(類似サンプル)を作成する。6位の非固定デザイン要素のみが変更された複数のデザインバリエーション(類似サンプル)のデータは、デザイン作成装置10Aから端末装置12に送信され、図26に示すように、その一覧86が端末装置12のUI部46に表示される。
以上のように変形例1では、感性スコアの比率が相対的に高いデザイン要素が固定デザイン要素として用いられ、感性スコアの比率が相対的に低いデザイン要素が非固定デザイン要素として用いられ、固定デザイン要素を変更せずに非固定デザイン要素のみを変更することにより、デザインバリエーション(非類似サンプル)が作成される。固定デザイン要素は、非固定デザイン要素と比べて、印象に対してより大きな影響力を有する。それ故、固定デザイン要素を変えずに非固定デザイン要素のみを変えることにより、固定デザイン要素によって形成される印象を喚起しつつ、非固定デザイン要素によって形成される印象のみが変更されたデザインバリエーションが作成される。つまり、印象に対して大きな影響力を有する固定デザイン要素を変えずに、印象に対して小さな影響力を有する非固定デザイン要素のみを変えることにより、固定デザイン要素によって形成される共通の印象を喚起しつつ、非固定デザイン要素によって形成される印象のみが異なる、複数のデザインバリエーションが作成される。印象に対する非固定デザイン要素の影響力は小さいため、当該複数のデザインバリエーションの印象の差は極僅かである。また、当該複数のデザインバリエーションの印象と、ユーザによって選択されたデザインサンプル(非類似サンプル)の印象と、の差も極僅かである。それ故、類似デザイン作成部84によって作成された複数のデザインバリエーションは、ユーザによって選択されたデザインサンプル(非類似サンプル)に類似するデザインを有するサンプルに相当する。
変形例1によると、2段階の処理によって、デザインサンプルが端末装置12に表示される。つまり、1段階目の処理によって、同一の基調テイストを主に喚起しつつ、互いに見た目の異なる複数の非類似サンプルが作成され、それら複数の非類似サンプルが端末装置12に表示される。例えば、ユーザは複数の非類似サンプルを参照することにより、ユーザが好むデザインの傾向や方向性を確認し、複数の非類似サンプルの中から、その傾向や方向性を持った非類似サンプルを選択する。次に、2段階目の処理として、ユーザによって選択されたデザインサンプル(非類似サンプル)に類似する類似サンプル群が作成され、端末装置12に表示される。これにより、非類似サンプルに比較的に似ているサンプル群が端末装置12に表示される。その類似サンプル群の中から、目的のデザインサンプルがユーザによって選択される。このように、2段階の絞り込み処理によって、目的のデザインサンプルがユーザによって選択されるようになっている。つまり、第1段階で、基調テイストを主に喚起しつつ互いに見た目ができるだけ異なる非類似サンプル群が表示され、第2段階で、非類似サンプル群の中から選択された非類似サンプルに似ている類似サンプル群が表示される。これにより、例えばユーザによって指定されたテイストに類似するテイストを有する複数のデザインサンプルのみを提供する場合と比べて、ユーザの目的に適合し易いデザインサンプルが作成又は検索され、目的のデザインサンプルが見つかり易くなる。例えば、ユーザの好みに適合するテイスト(例えば「プリティ」)を基調テイストとして指定することにより、1段階目の処理として、ユーザの好みに適合した印象(「プリティ」)を主に喚起しつつ互いに見た目ができるだけ異なる非類似サンプル群が提供され、更に、非類似サンプル群からユーザの好みに適合する非類似サンプルを指定することにより、2段階目の処理として、その非類似サンプルに類似する複数の類似サンプルがバリエーションとして提供される。これにより、複数の類似サンプルの中から、ユーザの好みにより適したサンプルを選択し易くなる。
なお、非類似サンプル以外のデザインサンプルが指定されて、そのデザインサンプルに類似するデザインサンプル(類似サンプル)が作成されてもよい。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係るデザイン作成装置について説明する。図30には、第2実施形態に係るデザイン作成装置の一例が示されている。
第2実施形態に係るデザイン作成装置10Bは、第1実施形態に係る適合デザイン要素決定部28の代りにデザイン要素セット選択部88を含む。デザイン要素セット選択部88以外の構成は、第1実施形態に係るデザイン作成装置10の構成と同じである。
デザイン要素セット選択部88は、予め作成されたスコアテーブルを参照し、予め設定された基調テイスト閾値と、アクセントテイスト選択部26によって選択されたアクセントテイストと、に基づいて、各デザインアイテムのデザイン要素を含むデザイン属性セットを選択する。デザイン作成部38は、デザイン要素セット選択部88によって選択されたデザイン要素セットを用いてデザインサンプルを作成する。
デザインアイテム毎に、当該デザインアイテムに属する複数のデザイン要素の中から1つのデザイン要素が選択されており、そのようにして選択された各デザインアイテムのデザイン要素の集合が、デザイン要素セットに相当する。デザインアイテム毎に選択対象のデザイン要素を異ならせながら1つのデザイン要素を選択し、その選択された各デザインアイテムのデザイン要素の集合が、デザイン要素セットとして予め決定されている。
デザイン要素セット毎に、当該デザイン要素セットに含まれる複数のデザイン要素によって作成されるデザインサンプルのテイスト推定値(スコア)が予め算出されており、スコアテーブルは、デザイン要素セット毎のテイスト推定値(スコア)を示すテーブルである。テイスト推定値は、例えば、当該複数のデザイン要素の感性スコアの合計値である。スコアテーブルは、テイスト毎に予め作成されており、そのデータは情報記憶部16に予め記憶されている。
以下、第2実施形態に係るデザイン作成装置10Bについて詳しく説明する。
まず、図31を参照して、スコアテーブルについて詳しく説明する。図31には、スコアテーブルの一例が示されている。
図31に示されているスコアテーブルは、テイスト「プリティ」に関するスコアテーブルである。スコアテーブルにおいては、順位、属性セットID(要素セットID)、スコア(テイスト推定値)、及び、デザイン要素セットが互いに対応付けられている。順位は、スコアの順位である。属性セットID(要素セットID)は、デザイン要素セットを識別するための識別情報である。スコアはテイスト推定値であり、例えば、デザイン要素セットに含まれる複数のデザイン要素の合計値である。
デザイン要素セットは、複数のデザインアイテムのそれぞれから選択された複数のデザイン要素の集合である。一例として、デザインアイテム「背景図案」に属する複数のデザイン要素から1つのデザイン要素が選択され、デザインアイテム「氏名と会社名の揃え方」に属する複数のデザイン要素から1つのデザイン要素が選択されている。他のデザインアイテムについても同様である。具体例を挙げて説明すると、順位が1番目のデザイン要素セットは、デザイン要素「図案A」、「中央揃え」、「フォントA」、「横」、「17−24」、「中央」及び「やや上」を含む。スコアは、例えば、テイスト「プリティ」に対する各デザイン要素の感性スコアの合計値である。各デザインアイテムについてのデザイン要素を異ならせながら、複数のデザイン要素セットが作成されている。
図31に示されているスコアテーブルはテイスト「プリティ」に関するテーブルであるが、他のテイストについても同様にスコアテーブルが予め作成されている。
次に、図32を参照して、デザイン要素セット選択部88による処理について詳しく説明する。図32には、その処理を示すフローチャートが示されている。
まず、第1実施形態と同様に、端末装置12において、ユーザによって基調テイストが選択される。また、基調テイスト閾値θが設定される。基調テイスト閾値θは、ユーザによって設定されてもよいし、予め設定された値であってもよい。例えば、ユーザが端末装置12のUI部46を用いることにより、基調テイスト閾値θを任意の値に設定する。なお、サンプルの表示数等が指定されてもよい。
次に、第1実施形態と同様に、N個(Nは1以上の整数)のアクセントテイストが選択される(S60)。
デザイン作成装置10Bにおいては、デザイン要素セット選択部88が、基調テイストのスコアテーブルを情報記憶部16から読み出す(S61)。
また、デザイン要素セット選択部88は、N個のアクセントテイストの中から未処理のアクセントテイストを選択し、そのアクセントテイストのスコアテーブルを情報記憶部16から読み出す(S62)。
次に、デザイン要素セット選択部88は、アクセントテイストのスコアテーブルにおいて、スコアの高い順にデザイン要素セットを指定し、基調テイストのスコアテーブルにおいて、同じデザイン要素セットを検索し、その検索したデザイン要素セットのスコアS(基調テイストに対するスコアS)を取得する(S63)。
スコアSが基調テイスト閾値θ以上の場合(S64,Yes)、デザイン要素セット選択部88は、その検索したデザイン要素セットを、適合デザイン要素セットとして選択し、その適合デザイン要素セットと、基調テイストに対する当該適合デザイン要素セットのスコアSと、アクセントテイストに対する当該適合デザイン要素セットのスコアと、を記憶する(S65)。
一方、スコアSが基調テイスト閾値θ未満の場合(S64,No)において、全デザイン要素セットについてステップS63,S64の処理が完了した場合(S66,Yes)、デザイン要素セット選択部88は、条件に適合するデザイン要素セットが存在しない旨を記憶する(S67)。全デザイン要素セットについてステップS63,S64の処理が完了していない場合(S66,No)、デザイン要素セット選択部88は、スコアの順位を1つ下げて、デザイン要素セットを指定し(S68)、その上で、ステップS63,S64の処理を実行する。
N個のアクセントテイストに対する上記の処理が完了していない場合(S69,No)、処理はステップS62に戻り、未処理のアクセントテイストを対象として、ステップS62以降の処理が実行される。
N個のアクセントテイストに対する上記の処理が完了した場合(S69,Yes)、デザイン作成部38は、デザイン要素セット選択部88によって選択された適合デザイン要素セットを用いてデザインサンプル(非類似サンプル)を作成する(S70)。これにより、N個の非類似サンプルが作成される。
以下、具体例を挙げて、デザイン要素セット選択部88による処理について説明する。図33には、基調テイストについてのスコアテーブル90とアクセントテイストについてのスコアテーブル92が示されている。
デザイン要素セット選択部88は、アクセントテイストのスコアテーブル92において、スコアの高い順にデザイン要素セットを指定し、基調テイストのスコアテーブル90において、同じデザイン要素セットであって、基調テイストに対するスコアSが初めて基調テイスト閾値θ以上となるデザイン要素セットを、適合デザイン要素セットとして選択する。図33に示す例では、符号94で示すデザイン要素セットが、適合デザイン要素セットとして選択されている。
基調テイスト閾値θ以上のスコアを有するデザイン要素セットが適合デザイン要素セットとして用いられているため、その適合デザイン要素セットを用いることにより、基調テイストを主に喚起するデザインサンプルが作成される。また、アクセントテイストのスコアテーブル92において、スコアの高い順にデザイン要素セットが指定されて適合デザイン要素セットが検索されるため、アクセントテイストの影響度(レベル)が最大となるようなデザインサンプルが作成される。このようにして、基調テイストを主に喚起しつつ、アクセントテイストを副次的にかつより強く喚起するデザインサンプル(非類似サンプル)が作成される。
上述した第1実施形態と同様に、非類似サンプルのデータは、通信経路Nを介してデザイン作成装置10Bから端末装置12に送信され、端末装置12のUI部46に非類似サンプルが表示される。また、基調テイストに対する適合デザイン要素のスコアを示す情報、及び、アクセントテイストに対する適合デザイン要素のスコアを示す情報が、非類似サンプルのデータとともに、端末装置12に送信されてもよい。
図34には、端末装置12に表示されるデザインサンプル表示画面96の一例が示されている。デザインサンプル表示画面96には、デザインサンプル(非類似サンプル)の一覧98が表示されている。一例として、個々のデザインサンプルについて、基調テイストに対する適合デザイン要素のスコア(例えばプリティ3.7)と、アクセントテイストに対する適合デザイン要素のスコア(例えばカジュアル3.7)と、がデザインサンプルとともに表示されている。もちろん、スコアは表示されなくてもよい。
また、デザインサンプル表示画面96には、基調テイスト閾値θ(テイストレベル)を調整するためのスライダ100のアイコンが表示されている。ユーザがスライダ100を操作することにより、例えば1〜5の範囲で基調テイスト閾値θが変更される。基調テイスト閾値θを「1」に設定すると、基調テイストの印象が最も弱いデザインサンプルが非類似サンプルとして作成され、基調テイスト閾値θを「5」に設定すると、基調テイストの印象が最も強いデザインサンプルが非類似サンプルとして作成される。このように、スライダ100を用いることにより、基調テイスト閾値θが動的に変更され、その変更に伴って、デザインサンプル表示画面96に表示される非類似サンプルが変更される。
なお、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、デザイン要素セットによってデザインサンプルが予め作成されて、そのデザインサンプルのデータが情報記憶部16に予め記憶されていてもよい。この場合、デザイン作成部38は、適合デザイン要素セットによって構成されたデザインサンプルを非類似サンプルとして情報記憶部16から取得する。
(変形例2)
以下、図35を参照して、変形例2に係るデザイン作成装置について説明する。図35には、変形例2に係るデザイン作成装置10Cの一例が示されている。
変形例2に係るデザイン作成装置10Cは、第2実施形態に係るデザイン要素セット選択部88の代りにデザイン要素セット選択部88Aを含む。デザイン要素セット選択部88A以外の構成は、第2実施形態に係るデザイン作成装置10Bの構成と同じである。
デザイン要素セット選択部88Aは、第2実施形態に係るデザイン要素セット選択部88と同じ機能を有し、更に、不一致度算出部102を含む。
不一致度算出部102は、基調テイスト閾値θ以上のスコアを有する全デザイン要素セットを対象として、各デザイン要素セット間の非類似性(不一致度)を算出し、互いにデザイン要素が異なるN個(Nは1以上の整数)のデザイン要素セットを選択する。例えば、不一致度算出部102は、各デザイン要素セット間において、異なるデザイン要素の数(非重複数)を算出し、その数が閾値以上となるデザイン要素セットを選択する。閾値は予め設定された値であってもよいし、ユーザによって変更されてもよい。
デザイン作成部38は、不一致度算出部102によって選択されたデザイン要素セットを用いてデザインサンプル(非類似サンプル)を作成する。
変形例2によると、互いに異なるデザイン要素を含むデザイン要素セットを用いてデザインサンプル(非類似サンプル)が作成される。これにより、似たような非類似サンプルが作成され難くなる。
なお、非重複数が同じ複数のデザイン属性セットが選択される場合、デザイン属性毎に異なる重み(ウェイト)を与えることにより、非類似性に差を設けるようにしてもよい。
上記のデザイン作成装置10,10A,10B,10Cは、一例としてハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、デザイン作成装置10,10A,10B,10Cは、図示しないCPU等のプロセッサを備えている。当該プロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、デザイン作成装置10,10A,10B,10Cの各部の機能が実現される。上記プログラムは、CDやDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、記憶装置に記憶される。または、デザイン作成装置10,10A,10B,10Cの各部は、例えばプロセッサや電子回路等のハードウェア資源により実現されてもよい。その実現においてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。別の例として、デザイン作成装置10,10A,10B,10Cの各部は、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現されてもよい。