JP2017166771A - アルミニウム合金製部材及びlng気化器 - Google Patents

アルミニウム合金製部材及びlng気化器 Download PDF

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Abstract

【課題】防食性に優れた長寿命なアルミニウム合金製部材及び当該アルミニウム合金製部材を備えたLNG気化器を提供する。
【解決手段】アルミニウム合金製部材(伝熱管13、下部ヘッダー管14及びトラフ12)は、アルミニウム合金からなる基材と、当該基材の表面に形成された被膜と、を備えている。当該被膜は、0.8質量%以上20.7質量%以下のマグネシウムと、0.004質量%以上1.20質量%以下のクロムと、を含有し、残部アルミニウム及び不可避不純物からなっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム合金製部材及びLNG気化器に関し、より特定的には、防食性に優れたアルミニウム合金製部材及び当該アルミニウム合金製部材を備えたLNG気化器に関する。
従来、液化天然ガス(LNG)気化器や各種熱交換器に使用される伝熱管やヘッダー管などの伝熱部材として、良好な熱伝導性を有するアルミニウム合金製部材が多く用いられている。このようなアルミニウム合金製部材は、大気や水に対して長期間曝されることで局所的に腐食(孔食)が進行し、その結果貫通に至る場合がある。このため、アルミニウム合金製部材に対して何らかの防食対策を講じる必要があるが、その一つとして、陰極防食法が多く用いられている。具体的には、アルミニウム合金からなる基材よりも電位が卑であるAl−Zn合金などで形成された犠牲防食被膜やフィン材を当該基材に接触させることにより、防食効果が得られることが知られている。また熱交換器における伝熱管の内面などの密閉系では、循環水に腐食抑制剤(インヒビター)を添加することも併用されている。
近年、LNGは、クリーンエネルギーとして注目されており、通常、−162℃以下の極低温において液化した状態で貯蔵、輸送される。そして、オープンラック式LNG気化器(ORV)において、海水を熱源として用いた熱交換によってLNGが使用前に気化される。一般に、ORVは、アルミニウム合金製の伝熱管がパネル状に配置され、LNGが当該伝熱管の内部を下側から上側に向かって流れると共に、海水が当該パネルの外面を上側から下側に向かって流下する構造となっている。このため、ORVの伝熱管は、その外面が海水に曝されるため腐食の進行が問題となる。これに対して、下記特許文献1及び2に開示されるように、Al−Zn合金やAl−Mg合金からなる犠牲防食被膜を溶射法やクラッド法などにより伝熱管の外面に形成する対策が提案されている。
ORVの伝熱管では、犠牲防食被膜に不可避的に存在する気孔に海水が進入し、これによって犠牲防食被膜と基材との界面において優先的に腐食が進行する。この腐食に伴って生成する腐食生成物や気孔中に進入した海水の凍結に起因した体積膨張により、犠牲防食被膜の膨れや剥離が発生し、その結果伝熱管の寿命が短くなるという問題がある。これに対して、下記特許文献1では、犠牲防食被膜と基材との界面における粗さを調整することにより、犠牲防食被膜の膨れや剥離を防ぐことが提案されている。
特開2014−157009号公報 特開2007−78237号公報
上記特許文献1及び2に開示されるように、Al−Zn合金やAl−Mg合金からなる犠牲防食被膜を形成することにより、海水のような腐食性媒体に曝されるORVの伝熱管の耐久性をある程度向上させることができる。しかしながら、これらの従来の対策による防食効果は十分ではなく、エネルギー安定供給の観点からLNG気化器や各種熱交換器の安全性を向上させるため、さらなる腐食低減及び寿命延長が要求される。
また、海水中に極微量に含有される銅イオンは、アルミニウム合金の表面に析出してカソードとして作用するため、アルミニウム合金の腐食を著しく促進させる。このため、銅イオンの含有量が多い海域では、犠牲防食被膜の劣化が激しく、腐食寿命が極端に短くなることから、効果的な腐食低減策が一層要求される。またORVの伝熱管のように、外面側の防食が必要な場合では、腐食抑制剤の使用も困難であることから、材料面からの防食対策が必要である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、防食性に優れた長寿命なアルミニウム合金製部材及び当該アルミニウム合金製部材を備えたLNG気化器を提供することである。
本発明の一局面に係るアルミニウム合金製部材は、アルミニウム合金からなる基材と、前記基材の表面に形成された被膜と、を備えている。前記被膜は、0.8質量%以上20.7質量%以下のマグネシウムと、0.004質量%以上1.20質量%以下のクロムと、を含有するアルミニウム合金からなっている。
本発明者らは、海水などの腐食性媒体に曝されるアルミニウム合金製部材において、防食性を向上させるための方策について鋭意検討を行った。その結果、基材の表面に形成されたアルミニウム合金からなる被膜において、マグネシウム(以下、化学記号である「Mg」でも表す。他元素も同様。)及びCrの組成範囲を適量に調整することにより、当該被膜の初期劣化である被膜膨れが抑制されると共に、基材露出後における被膜の消耗が低減されることで基材の防食性が向上することを見出し、本発明に想到した。
上記アルミニウム合金製部材において、基材の表面に形成された被膜は、0.8質量%以上20.7質量%以下のMgを含有している。被膜中のMgは、アルミニウム合金の電位を卑化させることにより犠牲防食性を向上させ、また被膜中のCrとの相互作用により海水などの腐食環境における表面、界面近傍のpHを中性に近づけるように緩和し、局部腐食や界面剥離を抑制する。このような効果を得るためには、被膜中に0.8質量%以上のMgを含有させる必要がある。一方で、被膜中のMg含有量が過剰になると、pHがアルカリ性に近づくことにより腐食が進行し、被膜の消耗速度が増大するため、所望の寿命を得るのが困難になる。このため、被膜中のMg含有量は、20.7質量%以下に調整する必要がある。
上記アルミニウム合金製部材では、被膜中のMg含有量が0.8質量%以上20.7質量%以下に調整されることにより当該被膜の防食性が向上しており、これによって長寿命化されている。また、被膜中のMg含有量は、1質量%以上であることが好ましく、1.2質量%以上であることがより好ましく、1.5質量%以上であることがさらに好ましい。また、被膜中のMg含有量は、20質量%以下であることが好ましく、19質量%以下であることがより好ましく、18質量%以下であることがさらに好ましい。
また上記アルミニウム合金製部材において、被膜は、0.004質量%以上1.20質量%以下のCrを含有している。被膜中のCrは、Mgとの相互作用により、海水などの腐食環境における表面、界面近傍のpHを中性に近づけるように緩和し、局部腐食や界面剥離を抑制する。また被膜中のCrは、アルミニウム合金の表面に堆積する腐食生成物を緻密化することで保護膜を形成し、当該保護膜によって腐食性物質の進入を抑制することにより、アルミニウム合金の防食性を向上させる。これらの効果は、特にCuイオンを含有する海水中において有効であり、これを得るためには、被膜中のCr含有量を0.004質量%以上に調整する必要がある。一方で、被膜中のCr含有量が過剰になると、AlとCrの金属間化合物が多量に生成し、局部腐食が促進されることにより防食性が低下する。これを防止するため、被膜中のCr含有量を1.20質量%以下に調整する必要がある。
上記アルミニウム合金製部材では、被膜中のMg含有量が上記範囲内に調整されるのに加えて、Cr含有量が0.004質量%以上1.20質量%以下の範囲内に調整されており、これにより被膜の防食性が向上している。また、被膜中のCr含有量は、0.01質量%以上であることが好ましく、0.02質量%以上であることがより好ましく、0.03質量%以上であることがさらに好ましい。また、被膜中のCr含有量は、1.0質量%以下であることが好ましく、0.9質量%以下であることがより好ましく、0.8質量%以下であることがさらに好ましい。
上記アルミニウム合金製部材において、前記被膜は、50μm以上1000μm以下の厚さを有するものであってもよい。
被膜の厚さが小さすぎると、塩化物イオンや酸素などの腐食性物質が基材に進入するのを十分に抑制することが困難になり、また当該被膜が早期に溶失するため、十分な防食効果を長期間に亘って得ることが困難になる。一方で、被膜の厚さが大きすぎると、被膜と基材との界面において剥離が生じ、また被膜にクラックが生じることで、十分な防食効果を得ることが困難になる。
このような観点から、被膜の厚さは、50μm以上1000μm以下の範囲内であることが好ましい。また下限値に関しては、被膜の厚さは、平均で60μm以上であることがより好ましく、70μm以上であることがさらに好ましい。また上限値に関しては、被膜の厚さは、平均で980μm以下であることがより好ましく、950μm以下であることがさらに好ましい。
上記アルミニウム合金製部材において、前記被膜は、0.01質量%以上20質量%以下のZnをさらに含有していてもよい。
被膜中のZnは、腐食電位を卑化させる作用を有するため、犠牲防食性をより向上させることができる。しかし、被膜中のZn含有量が過剰になると、被膜の消失速度が増大し、所望の寿命を得ることが困難になる。このため、被膜中のZn含有量は、0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましい。また下限値に関しては、被膜中のZn含有量は、0.02質量%以上であることがより好ましく、0.03質量%以上であることがさらに好ましい。また上限値に関しては、被膜中のZn含有量は、19質量%以下であることがより好ましく、18質量%以下であることがさらに好ましい。
上記アルミニウム合金製部材において、前記被膜は、0.01質量%以上1.0質量%以下のSi、0.01質量%以上1.0質量%以下のFe、0.01質量%以上1.0質量%以下のCu、0.01質量%以上1.0質量%以下のMn及び0.01質量%以上1.0質量%以下のTiからなる群より選択される少なくとも一種の元素をさらに含有していてもよい。
被膜中のSi、Fe、Cu、Mn及びTiは、Alのアノード反応速度を低下させることにより、被膜の消耗速度の低減に寄与する。しかし、被膜中においてこれらの元素の含有量が過剰になると、腐食電位が貴化し、犠牲防食性が低下する場合がある。このため、被膜中におけるSi、Fe、Cu、Mn及びTiの含有量は、0.01質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。また下限値に関しては、これらの元素の含有量は、0.02質量%以上であることがより好ましく、0.03質量%以上であることがさらに好ましい。また上限値に関しては、これらの元素の含有量は、0.9質量%以下であることがより好ましく、0.8質量%以下であることがさらに好ましい。
上記アルミニウム合金製部材において、前記基材は、3000系、5000系及び6000系のうち何れかのアルミニウム合金からなるものであってもよい。ここで、「3000系、5000系及び6000系」は、国際アルミニウム合金名である。
上記アルミニウム合金製部材では、基材として、熱伝導性が良好であり、低温下でも脆性破壊がなく靱性が良好なアルミニウム合金からなるものが用いられる。また、アルミニウム合金の中でも、強度の観点から、2000系、3000系、5000系、6000系又は7000系のものを用いることが好ましいが、特に、3000系、5000系又は6000系のものを用いることが好ましい。これらのアルミニウム合金を用いることにより、良好な強度及び防食性を得ることができる。具体的には、A3003、A3203、A5052、A5154、A5083、A6061、A6063、又はA6N01などを用いることができる。また必要に応じて、焼き入れ、焼き戻し、人工時効などの熱処理を施したものが用いられてもよい。
上記アルミニウム合金製部材は、0℃以下の低温環境で使用されてもよい。上記アルミニウム合金製部材は、防食性に優れた被膜が基材の表面に形成されたものであるため、0℃以下の低温環境で使用される場合でも高寿命で継続的に使用することができる。
上記アルミニウム合金製部材は、LNG気化器の伝熱管又はヘッダー管であってもよい。
上記アルミニウム合金製部材は、防食性に優れた被膜が基材の表面に形成されたものである。このため、LNG気化器の伝熱管やヘッダー管のように、腐食性媒体である海水に曝され、且つ、低温と常温との温度変化を受ける環境下で使用される場合でも、高い防食性を得ることができる。
本発明の他局面に係るLNG気化器は、上記アルミニウム合金製部材を備えている。上記アルミニウム合金製部材は、防食性に優れた被膜が基材の表面に形成されたものであるため、これを備えることによりLNG気化器の寿命をより長くすることができる。
本発明によれば、防食性に優れた長寿命なアルミニウム合金製部材及び当該アルミニウム合金製部材を備えたLNG気化器を提供することができる。
本発明の実施形態1におけるオープンラック式LNG気化器の側方から見た構成を示す模式図である。 上記オープンラック式LNG気化器の断面構造を示す模式図である。 上記オープンラック式LNG気化器を構成する伝熱管の断面構造を示す模式図である。 上記オープンラック式LNG気化器を構成する下部ヘッダー管の断面構造を示す模式図である。 上記オープンラック式LNG気化器を構成するトラフの断面構造を示す模式図である。 本発明の実施形態2における中間媒体式LNG気化器の構成を示す模式図である。 上記中間媒体式LNG気化器を構成する伝熱管の断面構造を示す模式図である。 被膜の耐膨れ性を評価するための供試材を示す模式図である。 被膜の犠牲防食性を評価するための供試材を示す模式図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。
(実施形態1)
[LNG気化器]
まず、本発明の実施形態1に係るLNG気化器1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、LNG気化器1の側方から見た構成を模式的に示している。図2は、図1中の線分II−IIに沿ったLNG気化器1の断面構造を模式的に示している。
LNG気化器1は、オープンラック式LNG気化器(ORV)であり、海水を熱源(流体)として使用し、伝熱管13の内部を流れる極低温(−162℃以下)の液化ガスであるLNGと伝熱管13の外部を流れる常温の海水との間で熱交換させることにより、LNGをガス化させるものである。LNG気化器1は、LNGと海水との熱交換を行う複数の伝熱管パネル11と、伝熱管パネル11に海水を供給するトラフ12と、を主に有している。海水は、Cuイオンを含有していてもよい。
図2に示すように、伝熱管パネル11は、上下方向に起立した姿勢で横方向に互いに間隔を空けて配置されている。図1に示すように、伝熱管パネル11は、互いに間隔を空けて並べられた複数本の伝熱管13と、各伝熱管13の下端に接続された下部ヘッダー管14と、各伝熱管13の上端に接続された上部ヘッダー管15と、を有している。下部ヘッダー管14には、これに連通する入口マニホールド16が接続され、上部ヘッダー管15には、これに連通する出口マニホールド17が接続されている。
伝熱管13及び下部ヘッダー管14は、伝熱部材であり、極低温のLNGが流れるため、0℃以下の低温環境で使用される。伝熱管13及び下部ヘッダー管14は、それぞれ本実施形態に係るアルミニウム合金製部材であり、詳細については後述する。
トラフ12は、本実施形態に係るアルミニウム合金製部材であり、上方が開口し、海水が溜まる容器からなる。図2に示すように、トラフ12は、隣り合う伝熱管パネル11の間において当該伝熱管パネル11の上側(上部ヘッダー管15よりも下側)に配置されている。トラフ12は、不図示の海水ヘッダー管から供給された海水を溜める。そして、図2中矢印に示すように、トラフ12から溢れた海水は、各伝熱管パネル11において伝熱管13の外面に沿って流れ落ちる。なお、トラフ12の詳細についても後述する。
上記LNG気化器1によるLNGのガス化プロセスについて説明すると、まず、LNGが入口マニホールド16、下部ヘッダー管14の順に流入し、その後、各伝熱管13に分流される。そして、図2に示すように、各伝熱管13の内部に形成された流路7においてLNGが下側から上側に向かって流れ、一方でトラフ12から伝熱管パネル11に供給された海水が伝熱管13の外面に沿って流れ落ちる。この過程において、LNGは、伝熱管13を介して海水と熱交換する(海水から吸熱する)ことにより気化し、NGとなる。そして、NGは上部ヘッダー管15に集まり、出口マニホールド17を通過して常温のガスとして排出される。
上記LNG気化器1において、アルミニウム合金製部材である伝熱管13、下部ヘッダー管14及びトラフ12等の海水が流れる部材又は海水を溜める部材は、上記のようなLNGのガス化プロセスにおいて、腐食性媒体である海水に曝される。具体的には、伝熱管13及び下部ヘッダー管14の外面やトラフ12の内面が海水に曝される。このため、上記LNG気化器1の運転中に長時間に亘って海水に曝されることによりアルミニウムの腐食が進行し、孔食などの問題が生じる場合がある。特に、海水がCuイオンを含む場合には腐食の進行が顕著であり、また伝熱管13及び下部ヘッダー管14は、低温と常温の温度変化を受けることから、腐食がより進行し易くなる。これに対して、本実施形態に係るアルミニウム合金製部材である伝熱管13、下部ヘッダー管14及びトラフ12は、各基材(母材)の表面に防食性に優れた犠牲防食被膜が形成されたものとなっており、これにより腐食の進行を効果的に防ぐことができる。以下、伝熱管13、下部ヘッダー管14及びトラフ12について各々詳細に説明する。
[伝熱管]
図3は、伝熱管13の径方向に沿った断面構造を示している。伝熱管13は、LNGが流れる流路7が内部に形成されたものであり、アルミニウム合金からなる基材21と、基材21の表面に形成された被膜22と、を有する。
基材21は、円筒形状の管本体23と、管本体23の外面から径方向外側に向かって突設された複数のフィン24と、を有する。フィン24は、伝熱管13の伝熱面積を広くするためのものであり、図3に示すように管本体23の外面に沿って等間隔に形成されている。
基材21は、3000系、5000系及び6000系のうちいずれかのアルミニウム合金からなる。具体的には、基材21は、強度及び防食性に優れたA3003、A3203、A5052、A5154、A5083、A6061、A6063又はA6N01などのアルミニウム合金からなる。
被膜22は、基材21の腐食を防止するための犠牲防食被膜であり、管本体23及びフィン24の形状に沿うように基材21の外面に形成されている。被膜22は、適量のMg及びCrを含有するアルミニウム合金からなっており、これにより優れた防食性を有する。即ち、被膜22は、0.8質量%以上20.7質量%以下のMgと、0.004質量%以上1.20質量%以下のCrと、を含有し、残部アルミニウム及び不可避不純物からなることにより、優れた犠牲防食被膜として機能する。なお「不可避不純物」とは、被膜22の防食性能を害さない程度の量だけ含有されるものであり、例えば、H、O、C、Bなどを挙げることができる。
被膜22に含有されるMgは、アルミニウム合金の電位を卑化させることにより犠牲防食性を向上させ、また被膜22に含有されるCrとの相互作用により海水による腐食環境における表面、界面近傍のpHを中性に近づけるように緩和し、局部腐食や界面剥離を抑制する。被膜22は、0.8質量%以上のMgを含有することにより、このような腐食防止効果を有する。しかし、被膜22のMg含有量が過剰になると、被膜22の消耗速度が増大し、その結果伝熱管13の寿命が低下する。これを防止するため、被膜22中のMg含有量は、20.7質量%以下に調整されている。
また被膜22に含有されるCrは、被膜22中のMgとの相互作用により腐食環境における表面、界面近傍のpHを中性に近づけるように緩和し、局部腐食や界面剥離を抑制する。また被膜22に含有されるCrは、アルミニウム合金の表面に堆積する腐食生成物を緻密化し、当該緻密層によって腐食性物質(塩化物イオンや酸素など)が基材21側へ進入するのを防ぐことにより防食性を向上させる。被膜22は、0.004質量%以上のCrを含有することにより、このような腐食防止効果を有する。しかし、被膜22のCr含有量が過剰になると、AlとCrの金属間化合物が多量に生成し、局部腐食が促進されることにより防食性が低下する。これを防ぐため、被膜22中のCr含有量は、1.20質量%以下に調整されている。
被膜22は、例えば溶射法によって基材21の外面上に形成されている。溶射法としては、フレーム溶射、高速フレーム溶射、爆発溶射、アーク溶射、プラズマ溶射又はレーザー溶射などの通常の方法を用いることができる。フレーム溶射における燃料としては、プロパンと酸素の混合ガスやアセチレンと酸素の混合ガスなどを用いることができる。また溶射材としては、被膜22と同じ組成を有するアルミニウム合金の線材や粉末を用いることができる。
また溶射の施工前に、基材21の外面(被膜22が形成される面)に対して適切な前処理を施すことにより、基材21と被膜22の密着性を向上させることができる。具体的には、ショットブラスト処理やグリッドブラスト処理などにより、基材21の外面における表面粗度を調整することが挙げられる。基材21の表面粗度は、例えば平均粗さRaで1μm以上30μm以下とすることができ、また最大粗さRmaxで10μm以上100μm以下とすることができる。また、ブラスト処理に用いた研掃材が基材21の外面に残存すると、溶射により形成される被膜22と基材21との密着性が低下する。このため、ブラスト処理後には、ブラッシングなどを行うことにより研掃材を除去することが好ましい。
被膜22の厚さT1は、溶射時の条件によって調整可能であるが、50μm以上1000μm以下となっている。被膜22の厚さT1が小さすぎると、塩化物イオンや酸素などの腐食性物質の基材21への進入を十分に抑制することが困難になり、さらに被膜22が早期に溶失するため、十分な防食効果を長期間に亘って得ることが困難になる。一方で、被膜22の厚さT1が大きすぎると、低温と常温の温度変化に起因して被膜22の剥離が生じ、また被膜22にクラックが生じることで、十分な防食効果を得ることが困難になる。このため、被膜22の厚さT1は、50μm以上1000μm以下の範囲に調整されている。
[下部ヘッダー管,トラフ]
図4は、下部ヘッダー管14の径方向に沿った断面構造を示している。図5は、トラフ12の断面構造を示している。図4に示すように、下部ヘッダー管14は、LNGが流れる流路33が形成された円筒形状の基材31と、溶射などによって基材31の外面全体に形成された被膜32と、を有する。また図5に示すように、トラフ12は、開口部43が形成された容器である基材41と、溶射などによって基材41の表面全体に形成された被膜42と、を有する。基材31,41は、上記伝熱管13を構成する基材21と同様に、熱伝導性に優れたアルミニウム合金からなる。また被膜32,42は、上記伝熱管13を構成する被膜22と同様のものである。即ち、被膜32,42は、0.8質量%以上20.7質量%以下のMgと、0.004質量%以上1.20質量%以下のCrと、を含有し、残部アルミニウム及び不可避不純物からなるものであり、優れた犠牲防食被膜として機能する。
[実施形態1のまとめ,変形例]
以上のように、本実施形態に係るアルミニウム合金製部材(伝熱管13、下部ヘッダー管14及びトラフ12)は、基材21,31,41の表面において適量のMg及びCrを含有するアルミニウム合金からなる被膜22,32,42が形成されたものとなっている。このため、低温と常温の温度変化を受け、海水のような腐食性媒体に曝される環境下で使用された場合にも、優れた防食性を発揮することができる。このように、腐食劣化が進行しにくくなることから、各部材を長寿命化し、定期補修の回数を削減することができる。このため、LNG気化器1の安全性向上や維持管理コストの削減を図ることができる。
また被膜22は、Mg及びCrに加えて、0.01質量%以上20質量%以下のZnをさらに含有するアルミニウム合金からなっていてもよい。即ち、被膜22は、0.8質量%以上20.7質量%以下のMgと、0.004質量%以上1.20質量%以下のCrと、0.01質量%以上20質量%以下のZnと、を含有し、残部アルミニウム及び不可避不純物からなっていてもよい。
被膜22中のZnは、腐食電位を卑化させる作用を有し、これにより被膜22の犠牲防食性をより向上させることができる。しかし、被膜22中のZn含有量が過剰になると、被膜22の消失速度が増大し、その結果伝熱管13の寿命が低下する。このため、被膜22中のZn含有量は、0.01質量%以上20質量%以下に調整されている。
また被膜22は、Mg及びCrに加えて、0.01質量%以上1.0質量%以下のSi、0.01質量%以上1.0質量%以下のFe、0.01質量%以上1.0質量%以下のCu、0.01質量%以上1.0質量%以下のMn及び0.01質量%以上1.0質量%以下のTiからなる群より選択される少なくとも一種の元素をさらに含有するアルミニウム合金からなっていてもよい。即ち、被膜22は、0.8質量%以上20.7質量%以下のMgと、0.004質量%以上1.20質量%以下のCrと、0.01質量%以上1.0質量%以下の元素M(Si、Fe、Cu、Mn及びTiのうち少なくとも一種の元素)と、を含有し、残部アルミニウム及び不可避不純物からなっていてもよい。
被膜22中のSi、Fe、Cu、Mn及びTiは、Alのアノード反応速度を低下させることにより、被膜22の消耗速度を低減させる。しかし、被膜22中においてこれらの元素含有量が過剰になると、腐食電位が貴化し、その結果被膜22の犠牲防食性が低下する場合がある。このため、被膜22中におけるSi、Fe、Cu、Mn及びTiの含有量は、0.01質量%以上1.0質量%以下に調整されている。また被膜22は、Mg及びCrに加えて、Zn及び元素Mの両方がさらに添加されたアルミニウム合金からなっていてもよい。
また上記実施形態1では、伝熱管13、下部ヘッダー管14及びトラフ12の全てに本発明のアルミニウム合金製部材が適用される場合について説明したがこれに限定されず、少なくともいずれかの部材に対して本発明のアルミニウム合金製部材が適用されてもよい。つまり、伝熱管13、下部ヘッダー管14及びトラフ12のうちいずれかの部材が、適量のMg及びCrを含有するアルミニウム合金からなる被膜が基材の表面に形成されたものであってもよい。
また上記実施形態1において、被膜22,32,42の厚さは、50μm未満であってもよいし、1000μmを超えていてもよい。
また上記実施形態1では、基材21,31,41が3000系、5000系又は6000系のアルミニウム合金からなる場合について説明したが、2000系や7000系などの他の種類のアルミニウム合金からなっていてもよい。
また上記実施形態1では、溶射によって被膜22,32を基材21,31,41上に形成して伝熱管13及び下部ヘッダー管14を作製する場合について説明したが、押出などによってクラッド管を形成する方法でもよい。このようにクラッドによって製造する場合には、基材21,31と被膜22,33との密着性を向上させることができる。
なお、クラッドにより伝熱管13及び下部ヘッダー管14をそれぞれ作製し、これらを組み合わせて伝熱管パネル11を製造する場合には、伝熱管13の下端と下部ヘッダー管14とを溶接により接合する必要がある。この場合、伝熱管13の下端においてフィン24を削り落として除去する必要があり、このとき被膜22も除去される。このため、伝熱管13の下端を下部ヘッダー管14に対して溶接により接合した後、溶接部に対して溶射法により被膜22をさらに形成する必要がある。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係るLNG気化器2について、図6を参照して説明する。LNG気化器2は、加熱源である海水の温度とLNGの温度との間に沸点及び凝縮点を有する中間媒体61を介して熱交換を行う中間媒体気化器(IFV)である。LNG気化器2は、中間媒体蒸発部51と、気化部52と、NG加温部53と、を有する。
中間媒体蒸発部51は、シェル70の底側の部分であり、当該底部側のシェル空間に配設された複数(本実施形態では3つ)の伝熱管71を有する。中間媒体蒸発部51は、伝熱管71の内部を流れる海水72と、シェル70の底部に溜まった液状の中間媒体61と、の熱交換を行う。この熱交換によって液状の中間媒体61が蒸発し、中間媒体ガス61Aが発生する。つまり、伝熱管71は、海水72と中間媒体61との間の熱交換を行うための伝熱部材である。
気化部52は、シェル70の上側の部分であり、図6中矢印に示すようにLNGが流れるLNG配管73を有する。気化部52は、LNG配管73の内部を流れるLNGと中間媒体ガス61Aとの熱交換を行い、これによりLNGが気化し、NGが発生する。NGは、NG配管74を通ってNG加温部53に送られる。一方、中間媒体ガス61Aは、LNGとの熱交換により凝縮し、液状の中間媒体61としてシェル70の底部に溜まる。
NG加温部53は、加熱源である海水が流れる複数(本実施形態では3つ)の伝熱管81を有する。NG加温部53には、気化部52からNG配管74を介してNGが送られ、当該NGは伝熱管81の内部を流れる海水72と熱交換する。その後、海水によって加温されたNGは、常温のガスとして排出される。つまり、伝熱管81は、海水72とNGとの間で熱交換するための伝熱部材である。
上記LNG気化器2において、伝熱管71,81は、内面が腐食性媒体である海水72に曝されるため、腐食が進行することによって孔食などの問題が生じる。ここで、伝熱管71,81は、本実施形態に係るアルミニウム合金製部材であり、上記実施形態1(伝熱管13、下部ヘッダー管14、トラフ12)と同様に、適量のMg及びCrを含有するアルミニウム合金からなる被膜が基材の表面に形成されることにより、防食性が向上したものとなっている。具体的には、図7の断面図に示すように、伝熱管71,81は、海水が流れる流路91Aが内部に形成された円筒形状の基材91と、基材91の内面に沿って形成された被膜92と、有し、当該被膜92は、0.8質量%以上20.7質量%以下のMgと、0.004質量%以上1.20質量%以下のCrと、を含有し、残部アルミニウム及び不可避不純物からなっている。このため、流路91Aに腐食性の海水を流しても、被膜92によって基材91の腐食を防止することができ、伝熱管71,81の寿命をより長くすることができる。また伝熱管71,81以外に海水72に曝されることにより腐食が懸念される部材に対しても、伝熱管71,81と同様に、適量のMg及びCrを含有するアルミニウム合金からなる犠牲防食被膜を形成してもよい。
(その他実施形態)
上記実施形態1,2では、本発明のアルミニウム合金製部材がLNG気化器1,2における伝熱管13,71,81、下部ヘッダー管14及びトラフ12として用いられる場合について説明したが、これに限定されない。例えば、本発明のアルミニウム合金製部材は、液化石油ガス(LPG)の気化器における伝熱部材として用いることもでき、またプレート熱交換器における伝熱パネルやフィンアンドチューブ型熱交換器におけるプレートフィンなどの板状の伝熱部材としても用いることができる。
また、このような板状のアルミニウム合金製部材は、クラッド圧延により作製することができる。具体的には、まず、アルミニウム合金製の基材及び被膜材をそれぞれ溶解、鋳造し、必要に応じて均質化熱処理を施し、それぞれの鋳塊を得る。次に、当該鋳塊を圧延(熱間圧延、冷間圧延)又は切断することにより、所望のサイズの板材を得る。その後、これらの板材を重ね合わせて熱間圧延により圧着することにより一体の板材とし、所定の最終板厚になるまで冷間圧延を行うことにより、基材の表面に被膜が形成された板状のアルミニウム合金製部材を作製することができる。このとき、被膜に相当する板材の板厚と熱間圧延における圧下率とを調整することにより、被膜の厚さを制御することができる。
[供試材の作製]
アルミニウム合金製部材の耐膨れ性及び犠牲防食性について、本発明の効果を確認するための評価を行った。まず、図8及び図9に示す2種類の供試材100,101を作製した。図8は、耐膨れ性評価用の供試材であって、アルミニウム合金製部材の健全部を想定したものであり、実用時の初期劣化を評価するために用いた。図9は、犠牲防食性評価用の供試材であって、アルミニウム合金製部材の劣化がある程度進み、基材が露出した状態を想定したものである。
まず、基材として、大きさが50mm(L1)×50mm(L2)×20mm(厚さ)の各種アルミニウム合金からなるものを準備した。そして、いずれの供試材100,101の作製においても、被膜形成の前処理として、平均粗さRaが10±2μmとなるように、アルミナを研掃材として用いたショットブラスト処理を50mm(L1)×50mm(L2)の1つの面に対して行い、ブラッシングで研掃材の除去を行った。その後、プロパンと酸素の混合ガスを用いたフレーム溶射により、ショットブラスト処理を施した基材の表面に被膜を形成し、供試材100,101を作製した。被膜における各元素の成分組成(質量%)、被膜の厚さ(μm)及び基材に用いたアルミニウム合金の種類は、下記表1に示す通りである。被膜の成分組成は、溶射材の組成によって調整した。
犠牲防食性評価用の供試材101の作製においては、20mmφの大きさの基材露出部100Aを切削加工により形成した。また全ての供試材100,101において、被膜を形成した50mm(L1)×50mm(L2)の大きさの面以外の面は、テフロン(登録商標)テープでシールし、その後次の熱サイクル腐食試験に供試した。
[熱サイクル腐食試験]
低温と常温による温度変化及び海水の腐食作用に対するアルミニウム合金製部材の防食性を評価する試験として、以下の熱サイクル腐食試験を行った。供試材100,101の溶射被膜が形成された面に対して、液温35℃に調整された人工海水の噴霧を行い、供試材100,101の基材部分のみを液体窒素に浸漬して冷却する工程を1日1回合計3カ月行った。人工海水としては、株式会社ヤシマ製金属腐食試験用アクアマリンにCu2+イオン濃度が1ppmとなるように塩化銅(II)を添加したものを用いた。腐食試験終了後、耐膨れ性評価用の供試材100の外観写真を撮影し、その画像解析により被膜の膨らんだ部分の面積を測定した。
犠牲防食性評価用の供試材101については、室温の30%硝酸に浸漬させることにより腐食生成物を除去した。その後、基材露出部100Aをレーザー顕微鏡で観察し、焦点深度法により局部腐食の深さを測定し、最も深い局部腐食の深さを求めた。また、犠牲防食性評価用の供試材101の腐食消耗量は、腐食試験前後の重量変化により測定した。腐食試験後の重量は、腐食生成物を除去した後の重量とした。各測定項目の評価基準は、下記の通りである。
[膨れ面積の評価基準]
◎:No.1に対する膨れ面積の比率が50未満
○:No.1に対する膨れ面積の比率が50以上75未満
△:No.1に対する膨れ面積の比率が75以上100未満
×:No.1に対する膨れ面積の比率が100以上
[基材露出部における腐食深さの評価基準]
◎:基材露出部の局部腐食なし
○:基材露出部の局部腐食の最大値が10μm未満
△:基材露出部の局部腐食の最大値が10μm以上20μm未満
×:基材露出部の局部腐食の最大値が20μm以上
[腐食消耗量の評価基準]
◎:No.1に対する腐食消耗量の比率が50未満
○:No.1に対する腐食消耗量の比率が50以上75未満
△:No.1に対する腐食消耗量の比率が75以上100未満
×:No.1に対する腐食消耗量の比率が100以上
[試験結果]
上記熱サイクル腐食試験の結果は、表1の通りである。表1に示される通り、銅イオンを比較的多く含有する海水環境(1ppm)で温度サイクルが付与された場合でも、0.8質量%以上20.7質量%以下のMgと、0.004質量%以上1.20質量%以下のCrと、を含むアルミニウム合金からなる被膜が形成されたもの(No.2〜29)では、Znのみを含むアルミニウム合金からなる被膜を形成した場合(No.1)に比べて、膨れ面積が小さくなり、基材露出部100Aにおける腐食深さが小さくなり、腐食消耗量も低減された。以上の結果より、本発明のアルミニウム合金製部材によれば、腐食劣化の進行を防ぐことができ、これによりLNG気化器や熱交換器を長寿命化し、またメンテナンス負荷を低減することが可能であることが分かった。
今回開示された実施形態及び実施例は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1,2 LNG気化器
12 トラフ(アルミニウム合金製部材)
13,71,81,91 伝熱管(アルミニウム合金製部材)
14 下部ヘッダー管(アルミニウム合金製部材)
21,31,41 基材
22,32,42,92 被膜

Claims (8)

  1. アルミニウム合金からなる基材と、
    前記基材の表面に形成された被膜と、を備え、
    前記被膜は、0.8質量%以上20.7質量%以下のマグネシウムと、0.004質量%以上1.20質量%以下のクロムと、を含有するアルミニウム合金からなることを特徴とする、アルミニウム合金製部材。
  2. 前記被膜は、50μm以上1000μm以下の厚さを有することを特徴とする、請求項1に記載のアルミニウム合金製部材。
  3. 前記被膜は、0.01質量%以上20質量%以下の亜鉛をさらに含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のアルミニウム合金製部材。
  4. 前記被膜は、0.01質量%以上1.0質量%以下の珪素、0.01質量%以上1.0質量%以下の鉄、0.01質量%以上1.0質量%以下の銅、0.01質量%以上1.0質量%以下のマンガン及び0.01質量%以上1.0質量%以下のチタンからなる群より選択される少なくとも一種の元素をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のアルミニウム合金製部材。
  5. 前記基材は、3000系、5000系及び6000系のうち何れかのアルミニウム合金からなることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のアルミニウム合金製部材。
  6. 0℃以下の低温環境で使用されることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のアルミニウム合金製部材。
  7. LNG気化器の伝熱管又はヘッダー管であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載のアルミニウム合金製部材。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載のアルミニウム合金製部材を備えることを特徴とする、LNG気化器。
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