JP2017166345A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Yasuo Mizushima
康夫 水嶋
泰弘 村上
Yasuhiro Murakami
泰弘 村上
亮太 中井
Ryota Nakai
亮太 中井
匡宏 野呂
Masahiro Noro
匡宏 野呂
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Abstract

【課題】ラップ先端と鏡板との接触を防止可能で、かつ、ラップ先端と鏡板との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制可能な、信頼性が高く効率のよいスクロール圧縮機を提供する。【解決手段】スクロール圧縮機では、固定側ラップ312の先端312aと可動側鏡板321との隙間、及び、可動側ラップ322の先端322aと固定側鏡板311との隙間が、常温下において、外周側から内周側に向かって広くなるように形成される。固定側ラップには、固定側ラップの先端の、固定側ラップの先端と可動側鏡板との隙間が最小となる第1隙間最小領域の領域外に開口し、高圧の下部油貯留空間から油が供給される第1給油穴81が形成される。可動側ラップには、可動側ラップの先端の、可動側ラップの先端と固定側鏡板との隙間が最小となる第2隙間最小領域の領域外に開口し、下部油貯留空間から油が供給される第2給油穴82が形成される。【選択図】図2

Description

スクロール圧縮機では、スクロールの内周側が外周側に比べて高温になりやすく、内周側ほどスクロールが大きく熱膨張する。そのため、スクロール全体の温度が均一な場合に、一方のスクロールのラップの先端(歯先)と、その先端が対向する他方のスクロールの鏡板との距離が一様であるという構成では、運転時に、ラップの先端と、その先端が対向する鏡板とが、スクロールの内周側ほど接触しやすいという問題がある。
これに対し、特許文献1(国際公開第2014/155646号)のように、常温下で、一方のスクロールのラップの先端と、その先端が対向する他方のスクロールの鏡板との距離が内周側ほど大きくなるように、スクロールの鏡板に段差を設けたスクロール圧縮機が知られている。スクロール圧縮機がこのように構成されることで、スクロールの内周側が外周側に比べて高温になっても、スクロールの内周側における、ラップの先端と、これに対向する鏡板との接触を防止できる。
しかし、特許文献1(国際公開第2014/155646号)のように構成される場合、スクロールの内周側の温度上昇及び熱膨張による変形が比較的小さい運転条件では、ラップの先端と、これに対向する鏡板との隙間が比較的大きくなりやすい。その結果、この隙間を通って、高圧側の圧縮室の冷媒が低圧側の圧縮室へと漏れ、スクロール圧縮機の効率が低下するおそれがある。
本発明の課題は、ラップの先端とその先端が対向する鏡板との接触を防止可能で、かつ、運転条件によらず、ラップの先端とその先端が対向する鏡板との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制可能な、信頼性が高く効率のよいスクロール圧縮機を提供することにある。
本発明の第1観点に係るスクロール圧縮機は、固定スクロールと、可動スクロールと、駆動部と、駆動軸と、を備える。固定スクロールは、固定側鏡板と、固定側鏡板の前面から突出する渦巻状の固定側ラップと、を有する。可動スクロールは、可動側鏡板と、可動側鏡板の前面から突出する渦巻状の可動側ラップと、を有する。駆動部は、可動スクロールを固定スクロールに対して旋回させる。駆動軸は、可動スクロールと駆動部とを連結する。固定側ラップと可動側ラップとは、固定側鏡板の前面と可動側鏡板の前面とが対向するように組み合わされて、隣接する固定側ラップと可動側ラップとの間に圧縮室を形成する。スクロール圧縮機は、駆動部が駆動されることで、圧縮室で冷媒が圧縮され、圧縮された高圧の冷媒が吐出空間へと吐出されるよう構成される。
スクロール圧縮機では、
(A)可動側鏡板に対向する固定側ラップの先端と、可動側鏡板との隙間が、常温下において、固定側ラップの外周側から内周側に向かって広くなるように形成される。固定側ラップには、第1給油穴が形成されている。第1給油穴は、固定側ラップの先端であって、固定側ラップの先端と可動側鏡板との隙間が最小となる第1隙間最小領域の領域外に開口する。第1給油穴には、吐出空間と連通する高圧の空間から油が供給される。
及び/又は、
(B)固定側鏡板に対向する可動側ラップの先端と、固定側鏡板との隙間は、常温下において、可動側ラップの外周側から内周側に向かって広くなるように形成される。可動側ラップには、第2給油穴が形成されている。第2給油穴は、可動側ラップの先端であって、可動側ラップの先端と固定側鏡板との隙間が最小となる第2隙間最小領域の領域外に開口する。第2給油穴には、吐出空間と連通する高圧の空間から油が供給される。
本発明の第1観点に係るスクロール圧縮機では、常温下において、一方のスクロールのラップの先端と、そのラップの先端が対向するスクロールの鏡板との隙間が、運転中に高温になりやすいラップの内周側において広くなるよう構成されている。そのため、運転中に、熱膨張により、ラップの先端とこれに対向する鏡板とが接触することを防止できる。また、本観点に係るスクロール圧縮機では、ラップの先端であって、常温下において、そのラップの先端とこれに対向する鏡板との隙間が比較的大きい領域に開口する給油穴が、ラップに形成されている。そのため、スクロールの温度が比較的低く、ラップの先端とこれに対向する鏡板との隙間が比較的大きい場合には、この隙間に、給油穴から比較的多くの油が供給される。そのため、スクロールの温度が比較的低い条件においても、ラップの先端とこれに対向する鏡板との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制できる。その結果、信頼性が高く、効率のよいスクロール圧縮機を実現できる。
本発明の第2観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点に係るスクロール圧縮機であって、少なくとも固定側ラップの先端と、可動側鏡板との隙間が、常温下において、固定側ラップの外周側から内周側に向かって広くなるように形成され、固定側ラップに第1給油穴が形成されている。
固定側ラップに給油穴を形成する場合、可動側ラップに給油穴を形成する場合に比べ、給油穴の開口の配置の自由度が高い。そのため、本発明の第2観点に係るスクロール圧縮機では、固定側ラップの先端と可動側鏡板との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制しやすい位置に第1給油穴の開口を配置し、効率のよいスクロール圧縮機を実現することが特に容易である。
本発明の第3観点に係るスクロール圧縮機は、第2観点に係るスクロール圧縮機であって、ハウジングを更に備える。ハウジングは、クランク室と、油貯留空間と、を形成する。クランク室には、可動スクロールと駆動軸との連結部が配置される。油貯留空間は、クランク室と連通する。油貯留空間は、吐出空間と連通する高圧の空間から駆動軸の内部に形成された給油経路を経て供給される油を貯留する。ハウジングは、固定スクロール及び可動スクロールに隣接して配置される。第1給油穴には、油貯留空間から、ハウジング及び固定スクロールに形成された経路を経て油が供給される。
本発明の第3観点に係るスクロール圧縮機では、油貯留空間に貯留された油が第1給油穴に供給されるため、第1給油穴に十分な量の油が供給されやすい。そのため、固定側ラップの先端とこれに対向する可動側鏡板との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制できる。
本発明の第4観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点から第3観点のいずれかに係るスクロール圧縮機であって、第1給油穴は、固定側ラップの先端の、吐出空間とは直接連通しない領域において開口する、及び/又は、第2給油穴は、可動側ラップの先端の、吐出空間とは直接連通しない領域において開口する。
本発明の第4観点に係るスクロール圧縮機では、給油穴が吐出空間と直接連通しない位置に開口するため、差圧により十分な量の油が給油穴に供給されやすい。そのため、ラップの先端とこれに対向する鏡板との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制できる。
本発明の第5観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点から第3観点のいずれかに係るスクロール圧縮機であって、第1給油穴は、固定側ラップの先端の、吐出空間とは直接連通しない領域内で、常温下で、固定側ラップの先端と可動側鏡板との隙間が最大となる領域に開口する、及び/又は、第2給油穴は、可動側ラップの先端の、吐出空間とは直接連通しない領域内で、常温下で、可動側ラップの先端と固定側鏡板との隙間が最大となる領域に開口する。
本発明の第5観点に係るスクロール圧縮機では、給油穴が、吐出空間とは直接連通しない領域内で、ラップの先端と対応する鏡板との隙間が最大となる領域に開口する。そのため、本観点に係るスクロール圧縮機では、比較的温度が低い場合にラップと鏡板との隙間を通過する冷媒の漏れが問題となりやすい領域に、差圧により十分な量の油が供給されやすい。そのため、比較的温度が低い条件においても、ラップの先端とこれに対向する鏡板との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制できる。
本発明の第6観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点から第3観点のいずれかに係るスクロール圧縮機であって、第1給油穴が形成される場合に、第1給油穴は、固定側ラップの先端の、固定側ラップの内周側の巻き始めを基準として、2π以上の角度領域で開口する。
本発明の第6観点に係るスクロール圧縮機では、吐出圧にならない角度領域に第1給油穴を開口させることができるため、差圧により十分な量の油が第1給油穴に供給されやすい。そのため、固定側ラップの先端とこれに対向する可動側鏡板との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制できる。
本発明の第7観点に係るスクロール圧縮機は、第6観点に係るスクロール圧縮機であって、第1給油穴は、固定側ラップの内周側の巻き始めを基準として、2π以上2.5π未満の角度領域で開口する。
本発明の第7観点に係るスクロール圧縮機では、比較的温度が低い場合に固定側ラップと可動側鏡板との隙間の冷媒の漏れが問題となりやすい領域に、差圧により十分な量の油が供給されやすい。そのため、比較的温度が低い条件においても、固定側ラップの先端とこれに対向する可動側鏡板との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制できる。
本発明の第8観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点から第3観点のいずれかに係るスクロール圧縮機であって、第2給油穴が形成される場合に、第2給油穴は、可動側ラップの先端の、可動側ラップの内周側の巻き始めを基準として、3π以上の第1角度領域で開口する。
本発明の第8観点に係るスクロール圧縮機では、吐出圧にならない角度領域に第2給油穴を開口させることができるため、差圧により十分な量の油が第2給油穴に供給されやすい。そのため、可動側ラップの先端とこれに対向する固定側鏡板との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制できる。
本発明の第9観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点から第3観点のいずれかに係るスクロール圧縮機であって、第2給油穴が形成される場合に、第2給油穴は、可動側ラップの先端の、可動側ラップの内周側の巻き始めを基準として、2π以上3π未満の第2角度領域で開口する。
本発明の第9観点に係るスクロール圧縮機では、比較的温度が低い場合に可動側ラップと固定側鏡板との隙間の冷媒の漏れが問題となりやすい領域に、油を供給できる。そのため、比較的温度が低い条件においても、可動側ラップの先端とこれに対向する固定側鏡板との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制できる。
本発明に係るスクロール圧縮機では、常温下において、一方のスクロールのラップの先端と、そのラップの先端が対向するスクロールの鏡板との隙間が、運転中に高温になりやすいラップの内周側において広くなるよう構成されている。そのため、運転中に、熱膨張により、ラップの先端とこれに対向する鏡板とが接触することを防止できる。また、本観点に係るスクロール圧縮機では、ラップの先端であって、常温下において、そのラップの先端とこれに対向する鏡板との隙間が比較的大きい領域に開口する給油穴が、ラップに形成されている。そのため、スクロールの温度が比較的低く、ラップの先端とこれに対向する鏡板との隙間が比較的大きい場合には、この隙間に、給油穴から比較的多くの油が供給される。そのため、スクロールの温度が比較的低い条件においても、ラップの先端とこれに対向する鏡板との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制できる。その結果、信頼性が高く、効率のよいスクロール圧縮機を実現できる。
本発明の一実施形態に係るスクロール圧縮機の概略縦断面図である。 図1のスクロール圧縮機の圧縮機構周りの概略縦断面図である。 図1のスクロール圧縮機の固定スクロールを下方から見た概略平面図である。 図1のスクロール圧縮機の可動スクロールを上方から見た概略平面図である。 図1のスクロール圧縮機の、固定スクロールと可動スクロールとが組み合わされた状態を下方から見た概略平面図である。図5は、図1のスクロール圧縮機の固定側ラップに形成された第1給油穴の開口位置を説明するための図である。図5では、可動スクロールについては、可動側ラップだけを二点鎖線で描画している。隣接する可動側ラップ間のハッチングを付した領域は、可動側鏡板の前面の第2領域を示している。 図1のスクロール圧縮機の、固定スクロールと可動スクロールとが組み合わされた状態を下方から見た概略平面図である。図6は、図1のスクロール圧縮機の可動側ラップに形成された第2給油穴の開口位置を説明するための図である。図6では、可動スクロールについては、可動側ラップだけを二点鎖線で描画している。隣接する固定側ラップ間のハッチングを付した領域は、固定側ラップの前面の第2領域を示している。 他の例に係るスクロール圧縮機の可動スクロールを上方から見た概略平面図である。 固定スクロールと図7に係る可動スクロールとが組み合わされた状態を下方から見た概略平面図である。図8は、図7の可動側ラップに形成された第2給油穴の開口位置を説明するための図である。図8では、可動スクロールについては、可動側ラップだけを二点鎖線で描画している。隣接する固定側ラップ間のハッチングを付した領域は、固定側ラップの前面の第3領域を示している。
本発明の一実施形態に係るスクロール圧縮機10を、図面を参照しながら説明する。なお、下記の実施形態は、実施例に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
(1)全体構成
本実施形態に係るスクロール圧縮機10は、例えば、空気調和装置の室外機に使用され、空気調和装置の冷媒回路に接続される。冷媒回路では、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。具体的には、冷媒回路では、スクロール圧縮機10で圧縮された冷媒が、凝縮器で放熱し、減圧機構で減圧され、蒸発器で吸熱し、再びスクロール圧縮機10に吸引される。スクロール圧縮機10で圧縮される冷媒は、R32(HFC32)を50重量%より多く含むR32系冷媒である。R32系冷媒は、具体的には、R32単体、R32とHFO−1234yfとの混合物、および、R32とHFO−1123との混合物等である。スクロール圧縮機10で圧縮される冷媒の種類は、R32系冷媒に限定されるものではない。ただし、地球温暖化係数の観点からは、スクロール圧縮機10で圧縮される冷媒の種類は、R32を50重量%より多く含むR32系冷媒であることが好ましい。
スクロール圧縮機10は、図1に示されるように、ケーシング20、圧縮機構30、駆動モータ50、駆動軸60、及び下部軸受70を主に有する。
スクロール圧縮機10の構成について以下に詳述する。なお、以下の説明では、方向や配置を説明するために、「上」、「下」等の表現を用いる場合があるが、特に断りの無い場合、図1中の矢印Uの方向を上とする。
(2)詳細構成
(2−1)ケーシング
スクロール圧縮機10は、縦長円筒状のケーシング20を有する。ケーシング20は、上下が開口した略円筒状の円筒部材21と、円筒部材21の上端及び下端にそれぞれ設けられた上蓋22a及び下蓋22bと、を有する(図1参照)。円筒部材21と、上蓋22a及び下蓋22bとは、気密を保つように溶接により固定される。
ケーシング20には、圧縮機構30、駆動モータ50、駆動軸60及び下部軸受70を含むスクロール圧縮機10の構成機器が収容される。
ケーシング20の下部には、下部油貯留空間26が形成される。下部油貯留空間26には、スクロール圧縮機10の摺動部を潤滑するための油O(冷凍機油)が溜められる。下部油貯留空間26は、後述する圧縮機構30のハウジング33より駆動モータ50側に形成される第1空間S1と連通する(図1参照)。
ケーシング20の上部には、圧縮機構30の圧縮対象である冷媒を吸入する吸入管23が、上蓋22aを貫通して設けられる(図1参照)。吸入管23の下端は、後述する圧縮機構30の固定スクロール31に接続される。吸入管23は、後述する圧縮機構30の圧縮室Scと連通する。吸入管23には、圧縮前の低圧の冷媒(冷凍サイクルにおける低圧の冷媒)が流れる。
ケーシング20の円筒部材21の中間部には、ケーシング20外に吐出されるガス冷媒が通過する吐出管24が設けられる。吐出管24は、吐出管24のケーシング20内側の端部が、後述する圧縮機構30のハウジング33の下方に形成される第1空間S1に突き出すように配置される。吐出管24には、圧縮機構30により圧縮された高圧の冷媒(冷凍サイクルにおける高圧の冷媒)が流れる。
(2−2)圧縮機構
圧縮機構30は、図1に示されるように、主に、ハウジング33と、ハウジング33の上方に配置される固定スクロール31と、固定スクロール31と組み合わされて圧縮室Scを形成する可動スクロール32と、を有する。
(2−2−1)固定スクロール
固定スクロール31は、図1及び図3に示されるように、円板状の固定側鏡板311と、固定側鏡板311の前面311a(下面)から突出する渦巻状の固定側ラップ312と、固定側ラップ312を囲む周縁部313と、を有する。
固定側鏡板311の前面311aには、段差が設けられている。言い換えれば、固定側鏡板311の前面311aは平坦ではない。そのため、固定側鏡板311の前面311aに対向する、後述する可動側ラップ322の先端322aと、固定側鏡板311の前面311aとの距離は、場所により異なる。固定側鏡板311間の前面311aに設けられた段差については後述する。
固定側鏡板311の中央部には、非円形形状の吐出ポート311bが、固定側鏡板311を厚さ方向に貫通して形成される(図1及び図3参照)。吐出ポート311bは、固定側ラップ312と後述する可動スクロール32の可動側ラップ322とが組み合わされて形成される圧縮室Scに連通する(図1参照)。
固定側鏡板311の上面には、下方に凹むように凹部311c(図1参照)が形成されている。凹部311cは、固定側鏡板311の上面に、平面視において略円形状に形成されている。固定スクロール31の上面には、凹部311cを塞ぐように蓋体35がボルト35aにより固定されている(図1参照)。凹部311cと蓋体35との間には、吐出空間Saが形成される(図1参照)。
吐出空間Saは、吐出ポート311bを介して圧縮室Scと連通する(図1参照)。吐出空間Saには、圧縮室Scで圧縮された高圧の冷媒が吐出される。吐出空間Saは、固定スクロール31及びハウジング33にわたって形成された、図示しない冷媒経路と連通している。冷媒経路は、吐出空間Saとハウジング33の下方に形成される第1空間S1とを連通する経路である。圧縮室Scで圧縮された高圧の冷媒は、吐出ポート311bから上方の吐出空間Saに吐出され、固定スクロール31及びハウジング33に形成された図示しない冷媒経路を通過して第1空間S1へ流入する。高圧の冷媒が流入する第1空間S1は、ケーシング20の円筒部材21と後述する駆動モータ50のステータコア52との間に形成された経路(コアカット52a)等を介して、下部油貯留空間26と連通している(図1参照)。言い換えれば、下部油貯留空間26は、吐出空間Saと連通する高圧の空間である。
固定側鏡板311には、リリーフ穴311dが、固定側鏡板311を厚さ方向(上下方向)に貫通して形成されている(図2及び図3参照)。リリーフ穴311dを設け、圧縮室Sc内部の過圧縮ガスを吐出空間Saに逃がすことで、過圧縮損失が低減される。固定側鏡板311には、4箇所にリリーフ穴311dが形成されている(図3参照)。リリーフ穴311dは、圧縮室Sc、より具体的には後述する第1圧縮室Sc1及び第2圧縮室Sc2の両方の過圧縮損失を低減するために設けられている。リリーフ穴311dには、例えば特開2011−149376号公報に開示されているような構成を適用可能である。リリーフ穴311dの上方には、リリーフ弁311eが配置されている(図2参照)。
固定側ラップ312は、渦巻き状に形成され、固定側鏡板311の前面311aから下方に延びる(図1参照)。固定側ラップ312の縦断面を側方から見た時に、固定側ラップ312の先端312aの高さ位置は一様である。なお、固定側ラップ312の先端312aの高さ位置が一様であるとは、固定側ラップ312の先端312aの高さ位置が実質的に一様である場合を含む。
周縁部313は、厚肉のリング状に形成され、固定側ラップ312を取り囲むように配置される(図2及び図3参照)。
固定スクロール31の周縁部313及び固定側鏡板311には、後述するハウジング33に形成された第1油経路33eと連通する、第2油経路31aが形成されている(図2参照)。第2油経路31aには、第1油経路33eを通って油Oが供給される。第2油経路31aを流れた油Oは、固定側ラップ312に形成され、固定側ラップ312の先端312aに開口する第1給油穴81に供給される(図2参照)。
第1給油穴81は、固定側ラップ312を、上下方向に貫通するように形成された穴である(図2参照)。第1給油穴81は、ここでは断面が円形状の穴であるが、第1給油穴81の断面形状は円形状に限定されるものではない。第1給油穴81の上端は、第2油経路31aに接続されている(図2参照)。第1給油穴81は、第2油経路31aと連通している。第1給油穴81は、第2油経路31aとの接続部から下方に延び、固定側ラップ312の先端312aで開口する。第1給油穴81の開口位置については後述する。
(2−2−2)可動スクロール
可動スクロール32は、図1及び図4に示されるように、略円板状の可動側鏡板321と、可動側鏡板321の前面321a(上面)から突出する渦巻状の可動側ラップ322と、可動側鏡板321の背面(下面)から突出する円筒状のピン軸受部323とを有する。
可動側ラップ322は、可動側鏡板321の前面321aから上方に延びる。可動側ラップ322の縦断面を側方から見た時に、可動側ラップ322の先端322aの高さ位置は一様である。なお、可動側ラップ322の先端322aの高さ位置が一様であるとは、可動側ラップ322の先端322aの高さ位置が実質的に一様である場合を含む。
固定スクロール31の固定側ラップ312と、可動スクロール32の可動側ラップ322とは、固定側鏡板311の前面311aと可動側鏡板321の前面321aとが対向するように組み合わされ、隣接する固定側ラップ312と可動側ラップ322との間に圧縮室Scを形成する(図1参照)。なお、圧縮室Scには、可動スクロール32の可動側ラップ322の外周面322bと、固定スクロール31の固定側ラップ312の内周面312bと、によって囲まれて形成されるA室を含む(図6参照)。また、圧縮室Scには、可動スクロール32の可動側ラップ322の内周面322cと、固定スクロール31の固定側ラップ312の外周面312cと、によって囲まれて形成されるB室を含む(図6参照)。ここでは、A室を第1圧縮室Sc1と呼び、B室を第2圧縮室Sc2と呼ぶ(図6参照)。
可動側鏡板321の前面321aには、段差が設けられている。言い換えれば、可動側鏡板321の前面321aは平坦ではない。そのため、可動側鏡板321の前面321aに対向する固定側ラップ312の先端312aと、可動側鏡板321の前面321aとの距離は、場所によって異なる。可動側ラップ322間の前面321aに設けられた段差については後述する。
可動スクロール32の可動側鏡板321には、可動側ラップ322に形成された第2給油穴82と連通する可動側鏡板内油経路321bが形成されている。
可動側鏡板内油経路321bは、可動側鏡板321の背面側に設けられたピン軸受部323内の、後述する駆動軸60のピン軸部61の上面と、可動側鏡板321の背面(下面)との間に形成される油連絡室36と連通している(図2参照)。油連絡室36には、後述するように駆動軸60の内部に形成された給油経路63を通って、下部油貯留空間26の油Oが流入する。給油経路63を通って油連絡室36に流入した、吐出空間Saと連通する下部油貯留空間26の油Oは、可動側鏡板内油経路321bを通過して、第2給油穴82に供給される。
第2給油穴82は、可動側ラップ322を、上下方向に貫通するように形成された穴である(図2参照)。第2給油穴82は、ここでは断面が円形状の穴であるが、第2給油穴82の断面形状は円形状に限定されるものではない。第2給油穴82の下端は、可動側鏡板内油経路321bに接続されている(図2参照)。第2給油穴82は、可動側鏡板内油経路321bと連通している。第2給油穴82は、可動側鏡板内油経路321bとの接続部から上方に延び、可動側ラップ322の先端322aで開口する。第2給油穴82の開口位置については後述する。
ピン軸受部323は、可動側鏡板321の背面から下方に延びる、円筒状の部分である(図1参照)。ピン軸受部323は、可動側鏡板321により円筒の上端が塞がれている。ピン軸受部323は、ハウジング33が形成する、後述するクランク室37の内部に収容される(図1参照)。可動スクロール32と駆動軸60とは、ピン軸受部323の内部に、後述する駆動軸60のピン軸部61が挿入されることで連結される。言い換えれば、可動スクロール32と駆動軸60とは、ピン軸受部323とピン軸部61とにより連結される。なお、ピン軸受部323の内部には、軸受メタル323aが嵌め込まれている(図2参照)。ピン軸受部323に挿入されるピン軸部61は、軸受メタル323aにより回転自在に支持される。ピン軸受部323において可動スクロール32が駆動軸60と連結されることで、駆動モータ50が駆動されると、駆動モータ50と連結された駆動軸60が回転し、可動スクロール32が駆動される。
なお、ピン軸部61と軸受メタル323aとの間には、上下方向に延びるピン軸部油経路(図示せず)が形成される。ピン軸部油経路は、上端が油連絡室36に開口し、下端がクランク室37に開口している。ピン軸部油経路には、油連絡室36から油Oが流入する。ピン軸部油経路に流入した油Oは、ピン軸部61と軸受メタル323aとの摺動部へ供給される。ピン軸部61と軸受メタル323aとの摺動部を潤滑した油Oは、ハウジング33が形成するクランク室37に流入する。
(2−2−3)ハウジング
ハウジング33は、円筒部材21に圧入され、その外周面において周方向の全体にわたって固定されている。ハウジング33は、固定スクロール31及び可動スクロール32に隣接して配置される。ここでは、ハウジング33は、固定スクロール31及び可動スクロール32の下方に配置される。ハウジング33と固定スクロール31とは、ハウジング33の上端面が、固定スクロール31の周縁部313の下面と対向するように配置され、図示しないボルト等により固定されている。
ハウジング33には、上面中央部に凹むように配置される第1凹部33aと、第1凹部33aの下方に配置される上部軸受33cと、第1凹部33aを囲むように配置される第2凹部33bと、を有する。
第1凹部33aは、平面視において、円形状に形成されている。第1凹部33aは、その内部にクランク室37を形成する。言い換えれば、クランク室37は、第1凹部33aの内壁により囲まれた空間である。第1凹部33aの内部には、後述する駆動軸60のピン軸部61が内部に挿入された、可動スクロール32のピン軸受部323が配置される。言い換えれば、クランク室37は、可動スクロール32と駆動軸60との連結部が配置される空間である。
上部軸受33cの内部には、軸受メタル34が設けられている。軸受メタル34は、ハウジング33の上部軸受33cに挿入された駆動軸60の主軸62を回転自在に軸支する。軸受メタル34の外側には、軸受メタル34の潤滑のために後述する駆動軸60に形成された給油経路63を介して供給された油Oを、クランク室37へと流すための、上部軸受部油経路(図示せず)が形成されている。
第2凹部33bは、ハウジング33の上面に、平面視において、第1凹部33aを取り囲むように形成される。第2凹部33bには、オルダム継手40が配置される。
また、ハウジング33には、ハウジング内油貯留空間33dが形成される(図2参照)。ハウジング内油貯留空間33dは、クランク室37と連通する。ハウジング内油貯留空間33dは、クランク室37の下方に配置される。ハウジング内油貯留空間33dは、上部軸受33cの上部に、軸受メタル34を囲むように円環状に形成された溝である。
ハウジング内油貯留空間33dには、下部油貯留空間26から駆動軸60の内部の給油経路63を経て供給される油Oが貯留される。具体的には、ハウジング内油貯留空間33dの上方に配置されるクランク室37には、駆動軸60の内部に形成された給油経路63を流れ、可動スクロール32のピン軸受部323内に配置された軸受メタル323aと駆動軸60のピン軸部61との摺動部に供給された油Oが、図示しないピン軸部油経路を通過して流れこむ。また、ハウジング内油貯留空間33dの上方に配置されるクランク室37には、駆動軸60の内部に形成された給油経路63を流れ、上部軸受33cに配置された軸受メタル34と駆動軸60の主軸62との摺動部に供給された油Oが、図示しない上部軸受部油経路を通過して流れこむ。これらクランク室37に流入した油Oの一部が、ハウジング内油貯留空間33dに貯留される。
なお、クランク室37に流入した油Oのうち、ハウジング内油貯留空間33dに流れ込まなかった油Oは、ハウジング33内に形成された排油経路33gを流れ、ケーシング20の円筒部材21と後述する駆動モータ50のステータコア52との間の経路(コアカット52a)を通過して、下部油貯留空間26へと戻される(図1及び図2参照)。
また、ハウジング33には、ハウジング内油貯留空間33dと連通する第1油経路33eが形成されている。第1油経路33eは、固定スクロール31に形成された第2油経路31aの下端と連通する経路である。第1油経路33eには、流量制限部材33fが挿入されて固定されている。流量制限部材33fは、雄ねじ状に形成された部材である。流量制限部材33fは、第1油経路33e内に配置されることで、第1油経路33e内にスパイラル状の経路を形成する。第1油経路33e内に流量制限部材33fを配置し、第1油経路33eの流路を狭めることで、第1油経路33eを流れる油Oの圧力が調整される。なお、油Oの圧力を調整する必要が無い場合には、第1油経路33eに、流量制限部材33fが設けられなくてもよい。
クランク室37に流れ込み、ハウジング内油貯留空間33dに溜まった高圧(略吐出圧)の油Oは、差圧により、ハウジング33に形成された第1油経路33e及び固定スクロール31に形成された第2油経路31aを経て、第1給油穴81に供給される。
(2−2−4)オルダム継手
オルダム継手40は、可動スクロール32の自転を防止するための部材である。オルダム継手40は、ハウジング33の第2凹部33bに配置されている。可動スクロール32に連結された駆動軸60が回転すると、可動スクロール32は、オルダム継手40の働きにより固定スクロール31に対して自転することなく公転し、圧縮室Sc(第1圧縮室Sc1及び第2圧縮室Sc2)内の冷媒が圧縮される。具体的には、圧縮室Scは、可動スクロール32の公転により固定側鏡板311及び可動側鏡板321の中心方向に移動するに連れ容積が減少し、それと共に圧縮室Sc内の圧力が上昇する。つまり、中央側の圧縮室Scの圧力は、周縁側の圧縮室Scよりも高圧になる。なお、冷媒は、圧力が上昇するに連れ、温度も上昇する。つまり、中央側の圧縮室Scの温度は、周縁側の圧縮室Scの温度よりも高温になる。
(2−2−5)固定側ラップの先端と可動側鏡板との間の隙間について
固定側ラップ312の先端312aと可動側鏡板321との間の隙間について、以下に説明する。
まず、隣接する可動側ラップ322に挟まれた可動側鏡板321の前面321a(歯底)に設けられた段差について以下に説明する。なお、ここでは、特記無き場合、可動側鏡板321全体の温度が一様であることを前提として以下の説明を行う。
隣接する可動側ラップ322に挟まれた可動側鏡板321の前面321aは、可動側ラップ322の先端322aからの距離(上下方向の距離)の違いにより、3つの領域に分けられる(図4のB1,B2,B3参照)。ここでは、3つの領域を、外周側に配置されるものから順に、第1領域B1、第2領域B2、第3領域B3と呼ぶ(図4参照)。第1領域B1は、可動側ラップ322の先端322aからの距離が最小の領域である。第3領域B3は、可動側ラップ322の先端322aからの距離が最大の領域である。第2領域B2は、可動側ラップ322の先端322aからの距離が、第1領域B1における距離と第3領域B3における距離との中間の値である領域である。各領域B1,B2,B3内では、可動側ラップ322の先端322aから可動側鏡板321の前面321aまでの距離は同一である。第3領域B3は、可動側ラップ322の内周面322c側の巻き始めK(内周側の端部)を基準として、概ね0から2.5πまでの角度領域である(図4参照)。第2領域B2は、可動側ラップ322の内周面322c側の巻き始めKを基準として、概ね2.5πから4.5πまでの角度領域である(図4参照)。第1領域B1は、可動側ラップ322の内周面322c側の巻き始めKを基準として、概ね4.5πから、可動側ラップ322の内周面322c側の巻き終わりまでの角度領域である。
このように可動側鏡板321の前面321aに段差が形成されることで、図2のように、可動側鏡板321に対向する固定側ラップ312の先端312aと、可動側鏡板321との隙間は、常温下において、固定側ラップ312の外周側から内周側に広くなるように形成される。ここでは、固定スクロール31及び可動スクロール32が常温下に置かれ、なおかつ、固定スクロール31及び可動スクロール32の温度が全体に一様であることを前提としている。なお、図2は、説明のための図であって、図2中で示した隙間の大きさは、実際の固定側ラップ312の先端312aと、可動側鏡板321との隙間の実際の大きさを示したものではない。
このように、固定側ラップ312の先端312aと可動側鏡板321との隙間を、常温下において、固定側ラップ312の外周側から内周側に向かって広くなるように構成することで、R32系冷媒(R32を50重量%より多く含む冷媒)のような低圧側と高圧側との温度差が大きくなりやすい冷媒が使用される場合でも、固定側ラップ312の先端312aが、可動側鏡板321に接触することを防止できる。
(2−2−6)可動側ラップの先端と固定側鏡板との間の隙間について
可動側ラップ322の先端322aと固定側鏡板311との間の隙間について、以下に説明する。
まず、隣接する固定側ラップ312に挟まれた固定側鏡板311の前面311a(歯底)に設けられた段差について以下に説明する。なお、ここでは、特記無き場合、固定側鏡板311全体の温度が一様であることを前提として以下の説明を行う。
隣接する固定側ラップ312に挟まれた固定側鏡板311の前面311aは、固定側ラップ312の先端312aからの距離(上下方向の距離)の違いにより、4つの領域に分けられる(図3のA1,A2,A3,A4参照)。ここでは、4つの領域を、外周側に配置されるものから順に、第1領域A1、第2領域A2、第3領域A3、第4領域A4と呼ぶ(図3参照)。第1領域A1は、固定側ラップ312の先端312aからの距離が最小の領域である。第4領域A4は、固定側ラップ312の先端312aからの距離が最大の領域である。第2領域B2は、固定側ラップ312の先端312aからの距離が、第1領域A1における距離と第3領域A3における距離との中間の値である領域である。第3領域A3は、固定側ラップ312の先端312aからの距離が、第2領域A2における距離と第4領域A4における距離との中間の値である領域である。各領域A1,A2,A3,A4内では、固定側ラップ312の先端312aから固定側鏡板311の前面311aまでの距離は同一である。第4領域A4は、固定側ラップ312の内周面312b側の巻き始めL(内周側の端部)を基準として、概ね0から2πまでの角度領域である(図3参照)。第3領域A3は、固定側ラップ312の内周面312b側の巻き始めLを基準として、概ね2πから3.5πまでの角度領域(図3参照)である。第2領域A2は、固定側ラップ312の内周面312b側の巻き始めLを基準として、概ね3.5πから4.5πまでの角度領域である(図3参照)。第1領域A1は、固定側ラップ312の内周面312b側の巻き始めLを基準として、概ね4.5πから、固定側ラップ312の内周面312b側の巻き終わり(外周側の端部)までの角度領域である。
このように固定側鏡板311の前面311aに段差が形成されることで、図2のように、固定側鏡板311に対向する可動側ラップ322の先端322aと、固定側鏡板311との隙間は、常温下において、可動側ラップ322の外周側から内周側に広くなるように形成される。ここでは、固定スクロール31及び可動スクロール32が常温下に置かれ、なおかつ、固定スクロール31及び可動スクロール32の温度が全体に一様である場合を前提としている。なお、図2は、説明のための図であって、図2中で示した隙間の大きさは、実際の可動側ラップ322の先端322aと、固定側鏡板311との隙間の実際の大きさを示したものではない。
このように、可動側ラップ322の先端322aと固定側鏡板311との隙間を、常温下において、可動側ラップ322の外周側から内周側に向かって広くなるように構成することで、R32系冷媒のような低圧側と高圧側との温度差が大きくなりやすい冷媒が使用される場合でも、可動側ラップ322の先端322aが、固定側鏡板311に接触することを防止できる。
(2−2−7)第1給油穴及び第2給油穴の開口する位置について
第1給油穴81及び第2給油穴82の開口する位置について説明する。
まず、第1給油穴81の開口する位置について説明する。
第1給油穴81は、固定側ラップ312の先端312aに開口する。第1給油穴81は、固定側ラップ312の先端312aと可動側鏡板321との隙間が最小となる第1隙間最小領域Ra0の領域外に開口する(図3参照)。第1隙間最小領域Ra0は、可動スクロール32が固定スクロール31に対して旋回する時に、常に可動側鏡板321の前面321aの第1領域B1と対向する領域である。第1隙間最小領域Ra0では、常温下においても、固定側ラップ312の先端312aと可動側鏡板321との隙間が比較的狭い。そのため、固定側ラップ312の先端312aと可動側鏡板321との間に存在する油Oの量が比較的少なくても、固定側ラップ312の先端312aと可動側鏡板321との隙間とを通過する冷媒の漏れが生じにくい。また、第1隙間最小領域Ra0は、可動側ラップ322の外周側の領域であるため、第1隙間最小領域Ra0の可動側ラップ322と隣接する圧縮室Sc内の圧力上昇は比較的小さく、固定側ラップ312の先端312aと可動側鏡板321との隙間を通過する冷媒の漏れが生じにくい。そのため、第1給油穴81は、第1隙間最小領域Ra0の領域外に開口するよう形成される。
また、第1給油穴81は、固定側ラップ312の先端312aの、吐出空間Saとは直接連通しない領域において開口することが好ましい。言い換えれば、第1給油穴81は、固定側ラップ312の先端312aであって、固定側ラップ312の、吐出ポート311bを介して吐出空間Saと直接連通する圧縮室Scと隣接しない領域において開口することが好ましい。第1給油穴81への給油は、ハウジング内油貯留空間33dと圧縮室Scとの圧力差によりなされるため、吐出空間Saとは直接連通しない領域に第1給油穴81を開口させることで、第1給油穴81への給油量を十分確保することが容易になる。このような観点から、第1給油穴81は、固定側ラップ312の先端312aの、固定側ラップ312の内周側の巻き始めLを基準として、2π以上の角度領域で開口することが好ましい。2π以上の角度領域で第1給油穴81が開口するようにすれば、第1圧縮室Sc1及び第2圧縮室Sc2のいずれが吐出ポート311bを介して吐出空間Saと連通する場合にも、第1給油穴81の開口と、吐出空間Saとが直接連通することがない。
さらに、第1給油穴81は、固定側ラップ312の先端312aの、吐出空間Saとは直接連通しない領域内で、常温下で、固定側ラップ312の先端312aと可動側鏡板321との隙間が最大となる領域に開口することが好ましい。吐出空間Saとは直接連通しない領域の中でも、特に固定側ラップ312の先端312aと可動側鏡板321との隙間が最大となる領域に第1給油穴81が形成されることで、固定側ラップ312の先端312aと可動側鏡板321との隙間を通過する冷媒の漏れが特に問題となりやすい領域に、油Oを供給することができる。例えば、ここでは、図5のように、吐出空間Saとは直接連通しない領域(固定側ラップ312の内周側の巻き始めLを基準として、2π以上の角度領域)の中でも、スクロール圧縮機10の運転中に、可動側鏡板321の前面321aの第2領域B2と少なくとも一時的に対向する領域に開口するよう、第1給油穴81が形成されることが好ましい。より好ましくは、吐出空間Saとは直接連通しない領域の中でも、スクロール圧縮機10の運転中に、可動側鏡板321の前面321aの第2領域B2と常に対向する領域に開口するよう、第1給油穴81が形成される。数字で表せば、図3のように、第1給油穴81は、2π以上2.5π未満の角度領域Ra1(図3における固定側ラップ312上のハッチングの付された領域)で開口することが好ましい。さらに好ましくは、第1給油穴81は、吐出空間Saとは直接連通しない領域の中でも出来る限り内周側に形成されることが好ましい。言い換えれば、第1給油穴81は、固定側ラップ312の内周側の巻き始めLを基準として2πの角度の近傍で開口するように形成されることが好ましい。
次に、第2給油穴82の開口する位置について説明する。
第2給油穴82は、可動側ラップ322の先端322aに開口する。第2給油穴82は、可動側ラップ322の先端322aと固定側鏡板311との隙間が最小となる第2隙間最小領域Rb0の領域外に開口する(図4参照)。第2隙間最小領域Rb0は、可動スクロール32が固定スクロール31に対して旋回する時に、常に固定側鏡板311の前面311aの第1領域A1と対向する領域である。第2隙間最小領域Rb0では、常温下においても、可動側ラップ322の先端322aと固定側鏡板311との隙間が比較的狭い。そのため、可動側ラップ322の先端322aと固定側鏡板311との間に存在する油Oの量が比較的少なくても、可動側ラップ322の先端322aと固定側鏡板311との隙間とを通過する冷媒の漏れが生じにくい。また、第2隙間最小領域Rb0は、可動側ラップ322の外周側の領域であるため、第2隙間最小領域Rb0の可動側ラップ322と隣接する圧縮室Sc内の圧力上昇は比較的小さく、可動側ラップ322の先端322aと固定側鏡板311との隙間を通過する冷媒の漏れが生じにくい。そのため、第2給油穴82は、第2隙間最小領域Rb0の領域外に開口するよう形成される。
また、第2給油穴82は、可動側ラップ322の先端322aの、吐出空間Saとは直接連通しない領域において開口することが好ましい。言い換えれば、第2給油穴82は、可動側ラップ322の先端322aであって、可動側ラップ322の、吐出ポート311bを介して吐出空間Saと直接連通する圧縮室Scと隣接しない領域において開口することが好ましい。第2給油穴82への給油は、下部油貯留空間26と圧縮室Scとの圧力差によりなされるため、吐出空間Saとは直接連通しない領域に第2給油穴82を開口させることで、第2給油穴82への給油量を十分確保することが容易になる。このような観点から、第2給油穴82は、可動側ラップ322の先端322aの、可動側ラップ322の内周側の巻き始めKを基準として、3π以上の角度領域で開口することが好ましい。3π以上の角度領域で第2給油穴82が開口するようにすれば、第1圧縮室Sc1及び第2圧縮室Sc2のいずれが吐出ポート311bを介して吐出空間Saと連通する場合にも、第2給油穴82の開口と、吐出空間Saとが直接連通することがない。
さらに、第2給油穴82は、可動側ラップ322の先端322aの、吐出空間Saとは直接連通しない領域内で、常温下で、可動側ラップ322の先端322aと固定側鏡板311との隙間が最大となる領域に開口することが好ましい。吐出空間Saとは直接連通しない領域の中で、特に可動側ラップ322の先端322aと可動側鏡板321との隙間が最大となる領域に第2給油穴82が形成されることで、可動側ラップ322の先端322aと固定側鏡板311との隙間を通過する冷媒の漏れが特に問題となりやすい領域に、油Oを供給することができる。例えば、ここでは、図6のように、吐出空間Saとは直接連通しない領域(可動側ラップ322の内周側の巻き始めKを基準として、3π以上の角度領域)の中でも、スクロール圧縮機10の運転中に、固定側鏡板311の前面311aの第2領域A2と少なくとも一時的に対向する領域に開口するよう、第2給油穴82が形成されることが好ましい。より好ましくは、吐出空間Saとは直接連通しない領域の中でも、スクロール圧縮機10の運転中に、固定側鏡板311の前面311aの第2領域A2と常に対向する領域に開口するよう、第2給油穴82が形成される。数字で表せば、図4のように、第2給油穴82は、3π以上3.5π未満の第1角度領域Rb1(図4における可動側ラップ322上のハッチングの付された領域)で開口することが好ましい(図3参照)。さらに好ましくは、第2給油穴82は、吐出空間Saとは直接連通しない領域の中でも出来る限り内周側に形成されることが好ましい。言い換えれば、第2給油穴82は、可動側ラップ322の内周側の巻き始めKを基準として3πの角度の近傍に開口するように形成されることが好ましい。
(2−3)駆動モータ
駆動モータ50は、可動スクロール32を固定スクロール31に対して旋回させる駆動部の一例である。駆動モータ50は、円筒部材21の内壁面に固定された環状のステータ51と、ステータ51の内側に僅かな隙間(エアギャップ)を空けて回転自在に収容されたロータ53とを有する(図1参照)。
ステータ51は、筒状のステータコア52と、ステータコア52に巻き回される巻線(図示せず)とを有する。ステータコア52の外周面には、上下方向に延びるコアカット52aが形成されている(図1参照)。クランク室37から排油経路33gに流入した油Oは、コアカット52aを介して下部油貯留空間26に戻される。
ロータ53は、円筒状の部材で、内部に駆動軸60が挿通されている。ロータ53は、駆動軸60を介して可動スクロール32と連結されている。ロータ53が回転することで、可動スクロール32が固定スクロール31に対して旋回する。
(2−4)駆動軸
駆動軸60は、円筒部材21の軸心に沿って上下方向に延びるように配置され、駆動モータ50のロータ53と、圧縮機構30の可動スクロール32とを連結する。駆動軸60は、駆動モータ50の駆動力を可動スクロール32に伝達する。
駆動軸60は、円筒部材21の軸心と中心軸が一致する主軸62と、円筒部材21の軸心(主軸62の中心軸)に対して偏心したピン軸部61とを有する(図1参照)。駆動軸60の内部には、給油経路63が形成されている(図1参照)。
ピン軸部61は、主軸62の上方に配置される。ピン軸部61は、可動スクロール32のピン軸受部323に連結される。
主軸62は、ハウジング33に設けられた上部軸受33cに配置された軸受メタル34、及び、後述する下部軸受70に配置された軸受メタル71により、回転自在に軸支される。また、主軸62は、上部軸受33cと下部軸受70との間で、駆動モータ50のロータ53と連結される。主軸62は、上下方向に延びる鉛直軸周りに回転する。
給油経路63は、スクロール圧縮機10の摺動部に油Oを供給するための、油Oの流路である。給油経路63は、駆動軸60の軸方向に、駆動軸60の下端から上端まで延び、駆動軸60の上下の端部で開口する。
駆動軸60の下端には、給油ポンプ65が取り付けられている(図1参照)。給油ポンプ65は、トロコイドポンプ等の容積型ポンプである。給油ポンプ65の油Oの吸入口65aの下端は、下部油貯留空間26内に配置されている(図1参照)。給油ポンプ65の吐出口は、給油経路63の下端と接続されている。駆動軸60が回転すると、給油ポンプ65が駆動され、油Oが吸入口65aを通って下部油貯留空間26から吸い上げられ、給油経路63に流入する。給油経路63に流入した油Oは、駆動軸60内を上方に流れる。給油経路63を流れる油Oの一部は、給油経路63の上端側の開口まで運ばれる。また、給油経路63を流れる油Oの一部は、駆動軸60の内部に形成された図示しない経路を通って、上部軸受33c及び下部軸受70と、駆動軸60との摺動部に供給される。
(2−5)下部軸受
下部軸受70(図1参照)は、駆動モータ50の下方に配置される。下部軸受70は、ケーシング20の円筒部材21と固定されている。下部軸受70は、その内部に収容された軸受メタル71を含む(図1参照)。軸受メタル71は、駆動軸60の主軸62の下部側を回転自在に軸支する。
(3)スクロール圧縮機の動作
スクロール圧縮機10の動作について説明する。
(3−1)圧縮動作
駆動モータ50が駆動されると、ロータ53が回転し、ロータ53と連結された駆動軸60も回転する。駆動軸60が回転すると、オルダム継手40の働きにより、可動スクロール32は自転せずに、固定スクロール31に対して公転する。そして、低圧の(吸入圧の)冷媒が、吸入管23を通ってケーシング20内に吸引される。より具体的には、低圧の冷媒が、吸入管23から圧縮室Scへ、圧縮室Scの周縁側から吸引される。可動スクロール32が公転するのに従い、吸入管23と圧縮室Scとは連通しなくなり、圧縮室Scの容積が減少するのに伴って、圧縮室Scの圧力が上昇する。冷媒は、周縁側の圧縮室Scから、中央側の圧縮室Scへ移動するにつれ圧力が上昇し、最終的に高圧(吐出圧)となる。圧縮機構30によって圧縮された高圧の冷媒は、固定側鏡板311の中央付近に位置する吐出ポート311bから吐出空間Saに吐出される。吐出空間Saの高圧の冷媒は、固定スクロール31及びハウジング33に形成された図示しない冷媒経路を通過して、ハウジング33の下方の第1空間S1へ流入する。
(3−2)給油動作
駆動軸60が回転すると、給油ポンプ65が駆動されて油Oが下部油貯留空間26から吸い上げられ、給油経路63を駆動軸60の上端の開口まで上方に流れ、駆動軸60の上方に形成された油連絡室36に流出する。油連絡室36まで運ばれた油Oの一部は、可動スクロール32の可動側鏡板321の内部に形成された可動側鏡板内油経路321bを通って、第2給油穴82に供給される。また、油連絡室36まで運ばれた油Oの一部は、図示しないピン軸部油経路を通って、ピン軸受部323の内部に配置された軸受メタル323aと駆動軸60のピン軸部61との摺動部に供給される。軸受メタル323aとピン軸部61との摺動部に供給された油Oは、ピン軸部油経路を通ってクランク室37に流入する。また、給油経路63を運ばれた油Oの一部は、主軸62に形成された図示しない経路を通って、上部軸受33cの軸受メタル34と駆動軸60の主軸62との摺動部に供給される。軸受メタル34と主軸62との摺動部を潤滑した油Oは、ハウジング33に形成された上部軸受部油経路(図示せず)を通ってクランク室37に流入する。クランク室37に流入した油Oの一部は、ハウジング33に形成された排油経路33gを通過し、駆動モータ50のステータコア52と円筒部材21との間に形成された経路(コアカット52a)を通過して下部油貯留空間26へと戻る。また、クランク室37の内部に流入した油Oの一部は、クランク室37と連通するハウジング内油貯留空間33d内に溜められる。ハウジング内油貯留空間33d内に溜まった油Oは、差圧により、ハウジング33に形成された第1油経路33e及び固定スクロール31に形成された第2油経路31aを通って、第1給油穴81に供給される。また、給油経路63を運ばれた油Oの一部は、主軸62に形成された図示しない経路を通って、下部軸受70に設けられた軸受メタル71と駆動軸60の主軸62との摺動部に供給される。軸受メタル71と主軸62との動部を潤滑した油Oは、下部油貯留空間26へと戻る。
(4)特徴
(4−1)
本実施形態に係るスクロール圧縮機10は、固定スクロール31と、可動スクロール32と、駆動部の一例としての駆動モータ50と、駆動軸60と、を備える。固定スクロール31は、固定側鏡板311と、固定側鏡板311の前面311aから突出する渦巻状の固定側ラップ312と、を有する。可動スクロール32は、可動側鏡板321と、可動側鏡板321の前面321aから突出する渦巻状の可動側ラップ322と、を有する。駆動モータ50は、可動スクロール32を固定スクロール31に対して旋回させる。駆動軸60は、可動スクロール32と駆動モータ50とを連結する。固定側ラップ312と可動側ラップ322とは、固定側鏡板311の前面311aと可動側鏡板321の前面321aとが対向するように組み合わされて、隣接する固定側ラップ312と可動側ラップ322との間に圧縮室Scを形成する。スクロール圧縮機10は、駆動モータ50が駆動されることで、圧縮室Scで冷媒が圧縮され、圧縮された高圧の冷媒が吐出空間Saへと吐出されるよう構成される。
スクロール圧縮機10では、可動側鏡板321に対向する固定側ラップ312の先端312a(歯先)と、可動側鏡板321との隙間が、常温下において、固定側ラップ312の外周側から内周側に向かって広くなるように形成されている。固定側ラップ312には、第1給油穴81が形成されている。第1給油穴81は、固定側ラップ312の先端312aであって、固定側ラップ312の先端312aと可動側鏡板321との隙間が最小となる第1隙間最小領域Ra0の領域外に開口する。第1給油穴81には、吐出空間Saと連通する高圧の下部油貯留空間26から油Oが供給される。
また、スクロール圧縮機10では、固定側鏡板311に対向する可動側ラップ322の先端322a(歯先)と、固定側鏡板311との隙間は、常温下において、可動側ラップ322の外周側から内周側に向かって広くなるように形成されている。可動側ラップ322には、第2給油穴82が形成されている。第2給油穴82は、可動側ラップ322の先端322aであって、可動側ラップ322の先端322aと固定側鏡板311との隙間が最小となる第2隙間最小領域Rb0の領域外に開口する。第2給油穴82には、吐出空間Saと連通する高圧の下部油貯留空間26から油Oが供給される。
本実施形態に係るスクロール圧縮機10では、常温下において、一方のスクロール31,32のラップ312,322の先端312a,322aと、そのラップ312,322の先端312a,322aが対向するスクロール32,31の鏡板321,311との隙間が、運転中に高温になりやすいラップ312,322の内周側において広くなるよう構成されている。そのため、運転中に、熱膨張により、ラップ312,322の先端312a,322aとこれに対向する鏡板321,311とが接触することを防止できる。また、本実施形態に係るスクロール圧縮機10では、ラップ312,322の先端312a,322aであって、常温下において、そのラップ312,322の先端312a,322aとこれに対向する鏡板321,311との隙間が比較的大きい領域に開口する給油穴81,82が、ラップ312,322に形成されている。そのため、スクロール31,32の温度が比較的低く、ラップ312,322の先端312a,322aとこれに対向する鏡板321,311との隙間が比較的大きい場合には、この隙間に、給油穴81,82から比較的多くの油Oが供給される。そのため、スクロール31,32の温度が比較的低い条件においても、ラップ312,322の先端312a,322aとこれに対向する鏡板321,321との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制できる。その結果、信頼性が高く、効率のよいスクロール圧縮機を実現できる。
なお、固定側ラップ312に形成される第1給油穴81は、可動側ラップ322に形成される第2給油穴82に比べ、開口の配置の自由度が高い。
(4−2)
本実施形態に係るスクロール圧縮機10は、ハウジング33を備える。ハウジング33は、クランク室37と、ハウジング内油貯留空間33dと、を形成する。クランク室37には、可動スクロール32と駆動軸60との連結部(駆動軸60のピン軸部61が挿入される可動スクロール32のピン軸受部323)が配置される。ハウジング内油貯留空間33dは、クランク室37と連通する。ハウジング内油貯留空間33dは、吐出空間Saと連通する高圧の下部油貯留空間26から駆動軸60の内部に形成された給油経路63を経て供給される油Oを貯留する。ハウジング33は、固定スクロール31及び可動スクロール32に隣接して配置される。第1給油穴81には、ハウジング内油貯留空間33dから、ハウジング33に形成された第1油経路33e及び固定スクロール31に形成された第2油経路31aを経て油Oが供給される。
本実施形態に係るスクロール圧縮機10では、ハウジング内油貯留空間33dに貯留された油Oが第1給油穴81に供給されるため、第1給油穴81に十分な量の油Oが供給されやすい。そのため、固定側ラップ312の先端とこれに対向する可動側鏡板321との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制できる。
(4−3)
本実施形態に係るスクロール圧縮機10では、第1給油穴81は、固定側ラップ312の先端312aの、吐出空間Saとは直接連通しない領域において開口する。第2給油穴82は、可動側ラップ322の先端322aの、吐出空間Saとは直接連通しない領域において開口する。
本実施形態に係るスクロール圧縮機10では、給油穴81,82が吐出空間Saと直接連通しない位置に開口するため、差圧により十分な量の油Oが給油穴81,82に供給されやすい。そのため、ラップ312,322の先端312a,322aとこれに対向する鏡板321,311との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制できる。
(4−4)
本実施形態に係るスクロール圧縮機10では、第1給油穴81は、固定側ラップ312の先端312aの、吐出空間Saとは直接連通しない領域内で、常温下で、固定側ラップ312の先端312aと可動側鏡板321との隙間が最大となる領域(角度領域Ra1)に開口する。また、第2給油穴82は、可動側ラップ322の先端322aの、吐出空間Saとは直接連通しない領域内で、常温下で、可動側ラップ322の先端322aと固定側鏡板311との隙間が最大となる領域(第1角度領域Rb1)に開口する。
本実施形態に係るスクロール圧縮機10では、給油穴81,82が、吐出空間Saとは直接連通しない領域内で、ラップ312,322の先端312a,322aと、対応する鏡板321,311との隙間が最大となる領域に開口する。そのため、本実施形態に係るスクロール圧縮機10では、比較的温度が低い場合にラップ312,322と鏡板321,311との隙間を通過する冷媒の漏れが問題となりやすい領域に、差圧により十分な量の油Oが供給されやすい。そのため、比較的温度が低い条件においても、ラップ312,322の先端312a,322aとこれに対向する鏡板321,311との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制できる。
(4−5)
本実施形態に係るスクロール圧縮機10では、第1給油穴81は、固定側ラップ312の先端312aの、固定側ラップ312の内周側の巻き始めLを基準として、2π以上の角度領域Ra1で開口する。特に、第1給油穴81は、固定側ラップ312の先端312aの、固定側ラップ312の内周側の巻き始めLを基準として、2π以上2.5π未満の角度領域Ra1で開口する。
本実施形態に係るスクロール圧縮機10では、吐出圧にならない角度領域Ra1に第1給油穴81を開口させることができるため、差圧により十分な量の油Oが第1給油穴81に供給されやすい。そのため、固定側ラップ312の先端312aとこれに対向する可動側鏡板321との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制できる。
また、本実施形態に係るスクロール圧縮機10では、比較的温度が低い場合に固定側ラップ312と可動側鏡板321との隙間の冷媒の漏れが問題となりやすい領域に、差圧により十分な量の油Oが供給されやすい。そのため、比較的温度が低い条件においても、固定側ラップ312の先端312aとこれに対向する可動側鏡板321との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制できる。
(4−6)
本実施形態に係るスクロール圧縮機10では、第2給油穴82は、可動側ラップ322の先端322aの、可動側ラップ322の内周側の巻き始めKを基準として、3π以上の第1角度領域Rb1で開口する。
好ましくは、第2給油穴82は、可動側ラップ322の先端322aの、可動側ラップ322の内周側の巻き始めKを基準として、3π以上3.5π未満の第1角度領域Rb1で開口する。
本実施形態に係るスクロール圧縮機10では、吐出圧にならない角度領域に第2給油穴82を開口させることができるため、差圧により十分な量の油Oが第2給油穴82に供給されやすい。そのため、可動側ラップ322の先端322aとこれに対向する固定側鏡板311との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制できる。
(5)変形例
以下に本実施形態の変形例を示す。なお、互いに矛盾しない範囲で、複数の変形例が適宜組み合わされてもよい。
(5−1)変形例A
上記実施形態では、吐出空間Saとは直接連通しない第1角度領域Rb1に開口する第2給油穴82が、可動側ラップ322に形成されるが、これに限定されるものではない。
例えば、図7及び図8のように、第2給油穴82’は、可動側ラップ322の先端322aの、可動側ラップ322の内周側の巻き始めKを基準として、2π以上3π未満の第2角度領域Rb2(図7において、可動側ラップ322上のハッチングの付されている領域)に開口するよう構成されてもよい。
第2角度領域Rb2に開口する第2給油穴82’は、第1圧縮室Sc1が吐出空間Saと吐出ポート311bを介して連通しても、吐出空間Saとは直接連通しない。言い換えれば、第2給油穴82’は、可動側ラップ322の先端322aであって、可動側ラップ322の、吐出ポート311bを介して吐出空間Saと直接連通する第1圧縮室Sc1と隣接しない領域において開口する。しかし、第2角度領域Rb2に開口する第2給油穴82’は、第2圧縮室Sc2が吐出空間Saと吐出ポート311bを介して連通する際に、吐出空間Saと少なくとも一時的に直接連通する。言い換えれば、第2給油穴82’は、可動側ラップ322の先端322aであって、可動側ラップ322の、吐出ポート311bを介して吐出空間Saと直接連通する第2圧縮室Sc2と少なくとも一時的に隣接する領域において開口する。そのため、第2圧縮室Sc2と吐出空間Saとが吐出ポート311bを介して連通する時に、第2給油穴82’に供給される油Oの圧力を、第2圧縮室Sc2の圧力に対して高く維持することが困難になる可能性がある。
しかし一方で、第2角度領域Rb2に第2給油穴82’が開口する場合、比較的温度が低い場合に可動側ラップ322と固定側鏡板311との隙間の冷媒の漏れが問題となりやすい領域に、油Oを供給することができる。そのため、比較的温度が低い条件においても、可動側ラップ322の先端322aとこれに対向する固定側鏡板311との隙間を通過する冷媒の漏れが抑制されやすい。
なお、第2給油穴82’は、可動側ラップ322の先端322aと固定側鏡板311との隙間が最小となる第2隙間最小領域Rb0の領域外に開口する(図7参照)。
第2給油穴82’は、第2角度領域Rb2内で、常温下で、可動側ラップ322の先端322aと固定側鏡板311との隙間が最大となる領域に開口することが好ましい。第2角度領域Rb2の中で、特に可動側ラップ322の先端322aと可動側鏡板321との隙間が最大となる領域に第2給油穴82’が形成されることで、可動側ラップ322の先端322aと固定側鏡板311との隙間を通過する冷媒の漏れが特に問題となりやすい領域に、油Oを十分に供給することができる。例えば、ここでは、図8のように、第2角度領域Rb2の中でも、スクロール圧縮機10の運転中に、固定側鏡板311の前面311aの第3領域A3と少なくとも一時的に対向する領域に開口するよう、第2給油穴82’が形成されることが好ましい。より好ましくは、吐出空間Saとは直接連通しない領域の中でも、スクロール圧縮機10の運転中に、固定側鏡板311の前面311aの第3領域A3と常に対向する領域に開口するよう、第2給油穴82’が形成される。
(5−2)変形例B
上記実施形態では、常温下において、両方のスクロール31,32のラップ312,322の先端312a,322aと、そのラップ312,322の先端312a,322aが対向するスクロール32,31の鏡板321,311との隙間が、ラップ312,322の内周側において広くなるよう構成されている。また、上記実施形態では、両方のスクロール31,32のラップ312,322に、給油穴81,82が形成されている。
しかし、これに限定されるものではなく、一方のスクロール31,32のラップ312,322の先端312a,322aと、そのラップ312,322の先端312a,322aが対向するスクロール32,31の鏡板321,311との隙間だけが、ラップ312,322の内周側において広くなるよう構成されてもよい。また、鏡板321,311との隙間が、ラップ312,322の内周側において広くなるよう構成された方のラップ312,322についてのみ給油穴81,82が形成されてもよい。ただし、ラップ312,322の先端とその先端が対向する鏡板321,311との接触を防止し、かつ、運転条件によらず、ラップ312,322の先端312a,322aとその先端312a,322aが対向する鏡板321,311との隙間を通過する冷媒の漏れを抑制可能とするためには、上記実施形態のように構成されることが好ましい。
(5−3)変形例C
上記実施形態では、可動側鏡板321の前面321aが、可動側ラップ322の先端322aからの距離が異なる3つの領域B1,B2,B3を有する。しかし、これに限定されるものではなく、可動側鏡板321の前面321aは、可動側ラップ322の先端322aからの距離が異なる2つ又は4つ以上の領域を有するものであってもよい。また、各領域B1,B2,B3の形成される角度範囲は、図4に例示した角度範囲である必要はなく、適宜設定されればよい。さらに、可動側鏡板321の前面321aには、段差が形成される代わりに、可動側鏡板321に対向する固定側ラップ312の先端312aと、可動側鏡板321との隙間が、常温下において、固定側ラップ312の外周側から内周側に向かって広くなるように、可動側鏡板321の前面321aの、可動側ラップ322の先端322aからの距離が連続的に変化するよう構成されてもよい。
固定側鏡板311の前面311aについても同様である。
(5−4)変形例D
上記実施形態では、鏡板311,321の前面311a,321aに段差を付けることで、ラップ312,322の先端312a,322aと、そのラップ312,322の先端312a,322aが対向するスクロール32,31の鏡板321,311との隙間が、ラップ312,322の内周側において広くなるよう構成されている。ただし、これに限定されるものではない。
例えば、鏡板311,321の前面311a,321aは平坦面とし、ラップ312,322の長さを変化させることで(鏡板311,321の前面311a,321aからラップ312,322の先端312a,322aまでの距離を変化させることで)、ラップ312,322の先端312a,322aと、そのラップ312,322の先端312a,322aが対向するスクロール32,31の鏡板321,311との隙間が、ラップ312,322の内周側において広くなるよう構成してもよい。
また、鏡板311,321の前面311a,321aの段差と、ラップ312,322の長さの変化とを組み合わせて、ラップ312,322の先端312a,322aと、そのラップ312,322の先端312a,322aが対向するスクロール32,31の鏡板321,311との隙間が、ラップ312,322の内周側において広くなるよう構成してもよい。
(5−5)変形例E
上記実施形態では、第1給油穴81は、固定側ラップ312を上下方向に延びるように形成されるが、これに限定されるものではなく、固定側ラップ312を斜め方向に延びるように形成されてもよい。第2給油穴82についても同様である。
(5−6)変形例F
上記実施形態では、縦型スクロール圧縮機を例に説明したが、本発明に係るスクロール圧縮機は縦型スクロール圧縮機に限定されるものではなく、上記実施形態で説明した圧縮機構と同様の構造の圧縮機構を有する横型スクロール圧縮機であってもよい。
本発明は、信頼性が高く効率のよいスクロール圧縮機として有用である。
10 スクロール圧縮機
26 下部油貯留空間(吐出空間と連通する高圧の空間)
31 固定スクロール
31a 第2油経路(経路)
32 可動スクロール
33 ハウジング
33d ハウジング内油貯留空間(油貯留空間)
33e 第1油経路(経路)
37 クランク室
50 駆動モータ(駆動部)
60 駆動軸
63 給油経路
81 第1給油穴
82,82' 第2給油穴
311 固定側鏡板
311a 固定側鏡板の前面
312 固定側ラップ
312a 固定側ラップの先端
321 可動側鏡板
321a 可動側鏡板の前面
322 可動側ラップ
322a 可動側ラップの先端
K 可動側ラップの内周側の巻き始め
L 固定側ラップの内周側の巻き始め
O 油
Ra0 第1隙間最小領域
Ra1 角度領域
Rb0 第2隙間最小領域
Rb1 第1角度領域
Rb2 第2角度領域
Sa 吐出空間
Sc 圧縮室
国際公開第2014/155646号

Claims (9)

  1. 固定側鏡板(311)と、前記固定側鏡板の前面(311a)から突出する渦巻状の固定側ラップ(312)と、を有する固定スクロール(31)と、
    可動側鏡板(321)と、前記可動側鏡板の前面(321a)から突出する渦巻状の可動側ラップ(322)と、を有する可動スクロールと(32)、
    前記可動スクロールを前記固定スクロールに対して旋回させる駆動部(50)と、
    前記可動スクロールと前記駆動部とを連結する駆動軸(60)と、
    を備え、
    前記固定側ラップと前記可動側ラップとが、前記固定側鏡板の前記前面と前記可動側鏡板の前記前面とが対向するように組み合わされて、隣接する前記固定側ラップと前記可動側ラップとの間に圧縮室(Sc)を形成し、
    前記駆動部が駆動されることで、前記圧縮室で冷媒が圧縮され、圧縮された高圧の冷媒が吐出空間(Sa)へと吐出されるよう構成され、
    (A)前記可動側鏡板に対向する前記固定側ラップの先端(312a)と、前記可動側鏡板との隙間が、常温下において、前記固定側ラップの外周側から内周側に向かって広くなるように形成され、前記固定側ラップの先端であって、前記固定側ラップの先端と前記可動側鏡板との隙間が最小となる第1隙間最小領域(Ra0)の領域外に開口し、前記吐出空間と連通する高圧の空間(26)から油(O)が供給される第1給油穴(81)が前記固定側ラップに形成されている、
    及び/又は、
    (B)前記固定側鏡板に対向する前記可動側ラップの先端(322a)と、前記固定側鏡板との隙間が、常温下において、前記可動側ラップの外周側から内周側に向かって広くなるように形成され、前記可動側ラップの先端であって、前記可動側ラップの先端と前記固定側鏡板との隙間が最小となる第2隙間最小領域(Rb0)の領域外に開口し、前記吐出空間と連通する高圧の空間(26)から油(O)が供給される第2給油穴(82,82')が前記可動側ラップに形成されている、
    スクロール圧縮機(10)。
  2. 少なくとも前記固定側ラップの先端と、前記可動側鏡板との隙間が、常温下において、前記固定側ラップの外周側から内周側に向かって広くなるように形成され、前記固定側ラップに前記第1給油穴が形成されている、
    請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記可動スクロールと前記駆動軸との連結部が配置されるクランク室(37)と、前記クランク室と連通し、前記吐出空間と連通する高圧の空間から前記駆動軸の内部に形成された給油経路(63)を経て供給される油を貯留する油貯留空間(33d)と、を形成する、前記固定スクロール及び前記可動スクロールに隣接して配置されるハウジング(33)を更に備え、
    前記第1給油穴には、前記油貯留空間から、前記ハウジング及び前記固定スクロールに形成された経路(33e,31a)を経て油が供給される、
    請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記第1給油穴は、前記固定側ラップの先端の、前記吐出空間とは直接連通しない領域において開口する、及び/又は、前記第2給油穴は、前記可動側ラップの先端の、前記吐出空間とは直接連通しない領域において開口する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記第1給油穴は、前記固定側ラップの先端の、前記吐出空間とは直接連通しない領域内で、常温下で、前記固定側ラップの先端と前記可動側鏡板との隙間が最大となる領域に開口する、
    及び/又は、
    前記第2給油穴は、前記可動側ラップの先端の、前記吐出空間とは直接連通しない領域内で、常温下で、前記可動側ラップの先端と前記固定側鏡板との隙間が最大となる領域に開口する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  6. 前記第1給油穴が形成される場合に、前記第1給油穴は、前記固定側ラップの先端の、前記固定側ラップの内周側の巻き始め(L)を基準として、2π以上の角度領域で開口する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  7. 前記第1給油穴は、前記固定側ラップの内周側の巻き始めを基準として、2π以上2.5π未満の角度領域(Ra1)で開口する、
    請求項6に記載のスクロール圧縮機。
  8. 前記第2給油穴(82)が形成される場合に、前記第2給油穴は、前記可動側ラップの先端の、前記可動側ラップの内周側の巻き始め(K)を基準として、3π以上の第1角度領域(Rb1)で開口する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  9. 前記第2給油穴(82’)が形成される場合に、前記第2給油穴は、前記可動側ラップの先端の、前記可動側ラップの内周側の巻き始め(K)を基準として、2π以上3π未満の第2角度領域(Rb2)で開口する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
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