JP2017166279A - コンクリート保温マット、保温マット付きコンクリート打設用型枠、コンクリート保温方法、及びコンクリート構造物の施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】打設したコンクリートを従来よりも好適に保温することができる技術を提供する。【解決手段】コンクリート保温マットは、打設後のコンクリートを保温するためのコンクリート保温マットであって、光を吸収して発熱する光発熱材を有する光発熱層と、光発熱層に積層され、光を光発熱層側に透過する光透過性を有する断熱層と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、コンクリート保温マット、保温マット付きコンクリート打設用型枠、コンクリート保温方法、及びコンクリート構造物の施工方法に関する。
コンクリートの施工において、コンクリートのセメントの水和反応による硬化を促し、コンクリートに構造体としての十分な強度及び耐久性を与え、所要の品質を確保するためには、打設後に、適当な期間、適度な温度と湿度を保つように養生を行う必要がある。適切な養生が行われず、好適な温度や湿潤状態が保たれない場合、セメントの水和反応が十分に進行せず、強度発現が阻害されたり、乾燥によってコンクリート表面にひび割れが生じる等して、構造体コンクリートとしての所要の品質を確保できない虞がある。
特に、冬季などの外気温が低い場合、セメントの水和反応が阻害されることによって強度発現が著しく遅れるだけでなく、養生初期に水分の凍結膨張圧による凍害のおそれがある。養生初期に凍害を受けると、コンクリート表面にひび割れや剥離が生じ、結果として所要の強度を得ることが困難となる。また、コンクリート表面の温度が下がると、コンクリート内部の温度勾配が大きくなり、温度応力によってひび割れが生じる虞がある。したがって、冬季などの寒中時の養生では、打設後のコンクリートに対して保温若しくは給熱を行うことによってコンクリートを好適な温度に保つことが特に重要である。
冬季などの寒中時における従来のコンクリートの養生方法として、一般に保温養生と給熱養生とが知られている。保温養生とは、例えば断熱性が高い材料からなる養生マットで脱型後のコンクリート表面を覆い、セメントの水和熱を利用して所定の強度が得られるまで保温する養生方法である。給熱養生とは、保温のみでは好適な温度を確保することが難しい場合やコンクリートが凍結する虞がある場合に、例えば練炭やジェットヒータ等を用いたり、電熱線を内蔵した養生マットによって脱型後のコンクリート表面を覆う等して、外部からコンクリートに給熱し、セメントの水和反応を促進する養生方法である。外気温が著しく低い場合には給熱養生を行うことが望ましいが、例えばヒータ等を用いて給熱する場合には大掛かりな設備が別途必要である。また、コンクリートへの給熱を行うために電気や燃料を使用するため、コストが嵩みやすく、且つ、環境にも負荷を与えることが懸念される。
これに関連して、吸水性繊維と吸湿発熱繊維とを含む湿潤発熱シートと、断熱部材を含む保温シートとを備え、吸湿発熱繊維が吸湿して発熱することによってコンクリートを保温するコンクリート養生マットが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2015−21345号公報
一般的に、吸湿発熱繊維は、繊維の吸湿が飽和状態になると発熱機能が失われ、或いは著しく減少することが多い。一方、脱型直後のコンクリートに対しては、上記のようにセメントの水和反応を促すために湿潤状態に保つ必要がある。そうすると、コンクリート表面を湿潤状態に保つべく養生マットに散水した場合に、吸湿発熱繊維の吸湿が飽和状態に
なってしまい、十分な発熱機能が発揮できなくなる虞もある。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑み、打設したコンクリートを従来よりも好適に保温することができる技術を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、打設後のコンクリートを保温するためのコンクリート保温マットを、光透過性を有する断熱層を透過させた光を光発熱層に導き、光発熱層において光エネルギーを熱エネルギーに変換して得られた熱をコンクリートに給熱可能な構造とした。
より詳細には、本発明に係るコンクリート保温マットは、打設後のコンクリートを保温するためのコンクリート保温マットであって、光を吸収して発熱する光発熱材を有する光発熱層と、前記光発熱層に積層され、光を前記光発熱層側に透過する光透過性を有する断熱層と、を備えることを特徴とする。
本発明に係るコンクリート保温マットによれば、照射される太陽光が光透過性を有する断熱層を透過し、光発熱層に到達する。そして、光発熱層を形成する光発熱材が太陽光を吸収し、発熱する。したがって、打設後のコンクリートに対して、本発明に係るコンクリート保温マットを、コンクリート表面側に光発熱層が配置され、外側に光透過性を有する断熱層が配置されるように設置することで、光発熱層で発熱した熱を打設後のコンクリートに好適に供給することができる。
また、本発明に係るコンクリート保温マットは、前記光発熱層における前記断熱層が積層されていない方の面に、保水材を有する保水層が積層されていても良い。
また、本発明に係るコンクリート保温マットにおいて、前記断熱層は遮水性を更に有していても良い。
また、本発明は、上述までのコンクリート保温マットが外面に取り付けられた保温マット付きコンクリート打設用型枠として特定することができる。
また、本発明は、上述までのコンクリート保温マットを脱型後のコンクリート表面を覆うように設置してコンクリートを保温するコンクリート保温方法として特定することができる。
また、本発明は、上述した保温マット付きコンクリート打設用型枠を用いてコンクリートの打設を行い、型枠存置中に打設後のコンクリートを保温する、コンクリート保温方法として特定することができる。
また、本発明は、コンクリート構造物の施工方法として特定することができる。即ち、本発明に係るコンクリート構造物の施工方法は、コンクリート打設用の型枠を設置する型枠設置工程と、前記型枠の内側にコンクリートを打設する打設工程と、前記コンクリートの打設後に前記型枠を脱型する脱型工程と、脱型後のコンクリート表面を覆うように上述までのコンクリート保温マットを設置し、当該コンクリート保温マットを所定期間存置することで打設後のコンクリートを保温する保温工程と、を含み、脱型後のコンクリート表面に前記コンクリート保温マットを設置する際、前記光発熱層が前記コンクリート表面側に位置すると共に前記断熱層が外側に位置するように当該コンクリート保温マットを設置することを特徴とする。
また、本発明は、上述した保温マット付きコンクリート打設用型枠を設置する型枠設置工程と、前記型枠の内側にコンクリートを打設する打設工程と、コンクリートを打設してから前記型枠を所定期間存置することで、前記型枠の外面を覆うように設置された前記コンクリート保温マットを用いて打設後のコンクリートを保温する保温工程と、前記型枠を脱型する脱型工程と、を含み、前記型枠に前記コンクリート保温マットを設置する際、前記光発熱層が前記型枠の外面側に位置すると共に前記断熱層が外側に位置するように当該コンクリート保温マットを設置する、コンクリート構造物の施工方法として特定することができる。
また、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせることができる。
本発明によれば、コンクリートの初期養生において、打設後のコンクリートを従来よりも好適に保温することができる技術を提供することができる。
図1は、実施形態1に係るコンクリート保温マットの概略図である。 図2は、実施形態1に係るコンクリート保温マットの断面図である。 図3は、実施形態1に係るコンクリート構造物の施工方法に係る手順を示す図である。 図4は、実施形態1における脱型後のコンクリート表面に対して、コンクリート保温マットを設置した状態を示す斜視図である。 図5は、実施形態1に係るコンクリート構造物における脱型後のコンクリート表面に対して、コンクリート保温マットを設置した状態を説明する図である。 図6は、実施形態1の変形例1に係るコンクリート保温マットを説明する図である。 図7は、実施形態1の変形例2に係るコンクリート保温マットの断面図である。 図8は、実施形態1の変形例3に係るコンクリート保温マットの断面図である。 図9は、コンクリート構造物における脱型後のコンクリート表面に対して、変形例3に係るコンクリート保温マットを設置した状態を説明する図である。 図10は、実施形態2に係る保温マット付きコンクリート打設用型枠を説明する図である。
次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。但し、以下で説明する実施形態は本発明を実施するための例示であり、本発明は以下で説明する態様に限定されない。
<実施形態1>
〔構成〕
図1は、実施形態1に係るコンクリート保温マット1の概略図である。図2は、実施形態2に係るコンクリート保温マット1の断面図である。図1は、コンクリート保温マット1を正面側から眺めた斜視図である。コンクリート保温マット1は、打設後のコンクリートを保温養生するためのマットであり、冬季など寒中時に打設される寒中コンクリートの初期養生を行うために主として用いられる。
図1に示すように、コンクリート保温マット1は全体として矩形の平面形状を有してい
る。また、図2に示すように、コンクリート保温マット1は、2層の積層構造となっており、第1層としての光発熱層111と、第2層としての断熱層112とを有している。断熱層112は透明な断熱材から構成されており、光発熱層111に積層されている。断熱層112は、光を光発熱層111側に透過することができる。また、断熱層112は、遮水性を有している。
光発熱層111は、太陽光などの光を吸収して熱変換する光発熱材を含んでおり、太陽光などが照射されることによって発熱する機能を有する。光発熱材は、太陽光などの光を吸収して効率的に熱エネルギーに変換する材料であり、換言すると、紫外−可視−赤外域の光を効率的に熱エネルギーに変換する材料である。光発熱材としては、種々のものが適用できるが、例えば、金属ナノ粒子をマイクロビーズに高密度で集積することによって太陽光の熱への変換効率を高めた金属ナノ粒子固定化ビーズが塗布された光熱変換フィルムや、太陽光を吸収して熱に変換する黒色発熱粒子を芯部に含んだ光発熱繊維等が挙げられる。
断熱層112は、光透過性及び遮水性を有する断熱材を含んでいる。断熱層112は、断熱性に優れ、光の透過率及び遮水性が高いことが好ましい。光透過性及び遮水性を有する断熱材としては、例えば、ポリエチレンからなる気泡緩衝材等がある。
図1に示す符号13は、光発熱層111と断熱層112とを縫合する縫目である。縫目13を形成する縫合用の糸としては、例えばポリエステル繊維やナイロン繊維であっても良い。縫目13は、コンクリート保温マット1の縁部に沿って配置された外周縫目131と、コンクリート保温マット1の平面領域を長手方向(長辺方向)において一定間隔で区画するための区画縫目132とを有する。区画縫目132は、コンクリート保温マット1の短辺方向に沿って延伸配置されている。このように、縫目13(外周縫目131、区画縫目132)によって、コンクリート保温マット1における光発熱層111と断熱層112とが縫合されているため、コンクリート保温マット1を長尺、例えばロール状に製作した場合においても2層(光発熱層111、断熱層112)が分離することを抑制できる。
〔コンクリート構造物の施工方法・コンクリート保温方法〕
次に、実施形態1に係るコンクリート構造物の施工方法及び打設後のコンクリート保温方法について説明する。図3は、実施形態1に係るコンクリート構造物の施工方法に係る手順を示す図である。本実施形態におけるコンクリート保温マット1によるコンクリートの保温方法を適用するコンクリート構造物としては特に限定されないが、例えば橋脚やボックスカルバート等が例示される。
図3を参照して実施形態1に係るコンクリート構造物の施工方法の手順を説明すると、まず、ステップS01において、所定の位置にコンクリート打設用の型枠を設置する(型枠設置工程)。次に、ステップS02において、型枠の内側にコンクリートを打設する(打設工程)。
そして、コンクリートの打設後、所定期間の間、打設後のコンクリート表面に型枠が存置されることで養生が行われる。なお、本明細書において、「養生」とは、コンクリートの打設後の一定期間において、コンクリートの硬化に必要な温度や湿潤状態を保ち、振動、衝撃、荷重等の有害な作用の影響を受けないようにする作業全般をいう。型枠の存置期間中において、打設後のコンクリート表面が湿潤状態を保つように適宜の頻度で型枠の外面側から散水(給水)が行われる。また、型枠によって覆われていない、コンクリートが外部に露出した天面部からコンクリートに対して散水(給水)を行っても良い。
そして、コンクリートの打設から予め定められた型枠の存置期間が経過した後、ステッ
プS03において型枠が脱型される(脱型工程)。即ち、打設後のコンクリート表面から型枠が取り外される。
次に、ステップS04において、脱型後のコンクリート表面を覆うようにコンクリート保温マット1を設置し、当該コンクリート保温マット1を所定期間存置することで打設後のコンクリートを保温する(保温工程)。
図4は、実施形態1における脱型後のコンクリート表面2に対して、コンクリート保温マット1を設置した状態を示す斜視図である。図5は、実施形態1に係るコンクリート構造物3における脱型後のコンクリートCの表面2に対して、コンクリート保温マット1を設置した状態を説明する図である。図4に示すように、コンクリート構造物3において、型枠を脱型することで外部に露出したコンクリートCの表面2に、当該表面2を覆うようにしてコンクリート保温マット1が設置されている。
本実施形態において、コンクリート保温マット1は、持ち運び及び設置作業の利便性を考慮し、例えば短辺寸法が1m程度の長さに設定され、長辺寸法は1ロールあたり数m〜数10mの長さに設定されている。コンクリート保温マット1をコンクリートCの表面2に設置する際には、適宜の長さにコンクリート保温マット1を切断して使用しても良い。但し、コンクリート保温マット1の寸法、形状は特に限定されず、適宜変更することができるのは勿論である。なお、本実施形態におけるコンクリート保温マット1は柔軟性を有し、且つ、長尺シート状に製造されている。このように、コンクリート保温マット1を長尺方向にロール状に巻くことで、不使用時の収納性にも優れている。但し、コンクリート保温マット1は、必ずしも柔軟性を有していなくてもよく、硬質のパネル積層構造を有していても良い。
図5に示すように、脱型後のコンクリートCの表面2に対して、コンクリート保温マット1は、光発熱層111がコンクリートCの表面2側(内側)に位置すると共に断熱層112が外側に位置するように設置する。このようにコンクリート保温マット1を設置することで、コンクリート保温マット1に照射される太陽光は、最外層に配置された透明な断熱層112を透過し、断熱層112の内側に配置される光発熱層111に到達する。そして、光発熱層111に到達した太陽光は、光発熱層111に含まれる例えば光発熱繊維等の光発熱材によって吸収され、熱エネルギーに変換される。その結果、光発熱材が発熱し、コンクリートCに給熱することができる。
なお、コンクリート保温マット1は、被覆対象面であるコンクリートCの表面2に密着して設置されることが好ましい。このようにすることで、光発熱層111とコンクリートCの表面2との間の熱抵抗が低減され、コンクリートCに熱を供給し易くなる。コンクリート保温マット1は、断熱材を含む断熱層112を備えているため、コンクリート保温マット1を介して、コンクリートCの熱が外気に放熱され難くなり、コンクリートCを養生に適した温度、例えば5℃以上に保ち易くなる。
コンクリート保温マット1の存置期間中においては、コンクリートCの湿潤状態を維持するために、適宜、コンクリートCに対して給水(散水)を行うと良い。コンクリートCに対する給水は、コンクリート保温マット1をコンクリートCから一旦取り外した状態で行っても良いし、コンクリートCの表面2とコンクリート保温マット1との間隙からコンクリートCに給水を行うようにしても良い。
本実施形態におけるコンクリート保温マット1は、断熱層112が遮水性を有しているため、コンクリート保温マット1の存置期間中に給水された水の蒸発を抑制することができる。その結果、コンクリートCの湿潤状態が保たれ易く、給水の頻度を少なくすること
ができる。そして、所定の養生期間の経過後、コンクリート保温マット1を撤去する。
以上のように、実施形態1に係るコンクリート保温マット1によれば、脱型後のコンクリートCに対して最外層に位置する透明の断熱層112が光発熱層111へ太陽光を透過させ、光発熱層111で光を熱に変換して得た熱をコンクリートCに伝達することで、コンクリートCへの給熱を好適に行うことができる。
また、コンクリート保温マット1によれば、ジェットヒータ等といった大掛かりな設備を伴わず、しかも電気や燃料を用いることなく太陽光という自然エネルギーを利用してコンクリートCへの給熱を行うことができる。そのため、コンクリートCの養生コストを低減することができ、しかも環境に負荷を掛ける懸念も無い。更に、本実施形態に係るコンクリート保温マット1によれば、光発熱層111に対して光が供給される限り発熱することができ、寒中時に打設したコンクリートを従来よりも好適に保温することができる。
しかも、コンクリート保温マット1の断熱層112は断熱性を有しているため、コンクリートCの熱や、光発熱層111で発生させた熱が大気中に逃げ難くなる。その結果、コンクリートCを好適に保温することができる。更に、断熱層112は遮水性を有しているため、コンクリートCの表面2に給水された水の蒸発を抑制し、コンクリートCの湿潤状態を維持するとともに、給水の回数を低減することができる。このようにして、寒中時においてもコンクリートCの強度発現が著しく遅れることなく、且つ、コンクリート構造物3として要求される品質を好適に確保することができる。
なお、本実施形態に係るコンクリート保温マット1は、光発熱層111と断熱層112が一体化した2層一体型のマットであるが、光発熱層111及び断熱層112がそれぞれシート状に分離可能であっても良い。
なお、コンクリート保温マット1同士を並べて配置する場合、隣接するマット1同士が上下に重畳してしまうと、その重畳領域においては太陽光を利用して発熱することが困難となってしまう。上側に位置するコンクリート保温マット1の光発熱層111において発熱した熱は、下側に位置するコンクリート保温マット1の断熱層112によって断熱されてしまう一方、上側に位置するコンクリート保温マット1によって太陽光が遮られてしまい、下側に位置するコンクリート保温マット1の光発熱層111には太陽光が届き難くなるからである。そのため、コンクリート保温マット1同士を並べて配置する場合、隣接するマット1同士が上下に重畳しないように配置することが好ましい。
また、コンクリートCの表面2に対するコンクリート保温マット1の取り付けは、種々の方法を採用することができる。例えば、コンクリート保温マット1の上から紐やロープ等を巻きつけることでコンクリートCの表面2にコンクリート保温マット1を固定しても良い。
また、例えば、脱型後のコンクリートCの表面2から突出するセパレータにフォームタイ(登録商標)を取り付け、その座金部分に単管パイプを据えた状態でフォームタイを締め付け、単管パイプとコンクリートCの表面2との間に挟み込むようにしてコンクリート保温マット1を挟着しても良い。また、コンクリートCの表面2に突出するセパレータ、フォームタイを利用して、例えば単管パイプをコンクリートCの表面2に沿って水平に横架し、その単管パイプからコンクリート保温マットを吊り下げても良い。その場合、例えば図6に示す変形例に示すようにコンクリート保温マットを構成しても良い。
図6は、実施形態1の変形例1に係るコンクリート保温マット1Aを説明する図である。変形例1に係るコンクリート保温マット1Aは、脱型後のコンクリートCの表面2を覆
うようにコンクリート保温マット1AをコンクリートCに取り付けるための設置用孔10が複数設けられている。設置用孔10は、コンクリート保温マット1Aを厚さ方向に貫通する貫通孔であり、コンクリート保温マット1Aにおける一方の長辺縁の近傍に、概ね一定間隔で設けられている。例えば、コンクリート保温マット1Aの設置用孔10に、吊り下げ用フックやロープ等を通して、コンクリートCの表面2に沿って横架した単管パイプ等にコンクリート保温マット1Aを吊り下げても良い。なお、コンクリートの養生期間中において、コンクリートCの表面2を湿潤状態に保つために、設置用孔10を給水用の孔として使用し、コンクリートCの表面2に給水を行うことができる。
また、コンクリート保温マット1における光発熱層111のうち、断熱層112が積層されていない方の面に両面接着テープ等を貼り付け、その両面接着テープを介してコンクリートCの表面2にコンクリート保温マット1を貼り付けても良い。接着テープに用いられる接着材は、熱伝導性の優れたものを使用することが好ましい。
図7は、実施形態1の変形例2に係るコンクリート保温マット1Bの断面図である。ここでは、図2で説明したコンクリート保温マット1との相違点を中心に説明し、同一の構成については同一の参照符号を付すことで詳しい説明を割愛する。変形例2に係るコンクリート保温マット1Bは、光発熱層111のうち、断熱層112が積層されていない方の面に、接着材を含む接着層113が積層されている。接着層113に含まれる接着材は、熱伝導性に優れた種類のものを使用することが好ましい。また、接着層113の外面、即ち光発熱層111とは反対側の面には、剥離シート114が貼り付けられている。このように構成されるコンクリート保温マット1Bは、コンクリートCに設置する際、剥離シート114を剥がして接着層113をコンクリートCの表面2に接着する。これにより、コンクリートCに対して容易にコンクリート保温マット1Bを設置することができる。
図8は、実施形態1の変形例3に係るコンクリート保温マット1Cの断面図である。ここでは、図2で説明したコンクリート保温マット1との相違点を中心に説明し、同一の構成については同一の参照符号を付すことで詳しい説明を割愛する。変形例3に係るコンクリート保温マット1Cは、光発熱層111のうち、断熱層112が積層されていない方の面に、保水層115が積層されている。即ち、本変形例に係るコンクリート保温マット1Cは、保水層115、光発熱層111、断熱層112がこれらの順に積層された3層構造となっている。保水層115は、コンクリートCの表面2の湿潤状態を維持するための保水材を含んで構成されている。保水層115を形成する保水材としては、吸水性ポリマーや、スポンジ等が挙げられる。
図9は、コンクリート構造物3における脱型後のコンクリートCの表面2に対して、変形例3に係るコンクリート保温マット1Cを設置した状態を説明する図である。図示のように、コンクリート保温マット1Cは、保水層115を内側に向けて、即ち脱型されたコンクリートCの表面2に対向するようにし、断熱層112を外側に向けて設置される。これによれば、最外層に透明な断熱層112が配置されているため、太陽光が断熱層112を透過して光発熱層111に到達する。そして、光発熱層111に到達した太陽光は、光発熱層111に含まれる例えば光発熱繊維等の光発熱材によって吸収され、熱エネルギーにて変換されることで、光発熱材が発熱する。このようにして光発熱層111で発生した熱は、保水層115を介してコンクリートCに伝達されることで、コンクリートCに給熱を行うことができる。すなわち、光発熱層111において光エネルギーから熱エネルギーに変換されることで得られた熱は、まず保水層115に供給されることで保水層115が温められる。そして、保水層115の熱がコンクリートCに伝達されることで、コンクリートCが温められる。
更に、本変形例によれば、コンクリートCの表面2に保水層115を当接させた状態で
コンクリート保温マット1Cを設置することができるため、コンクリートCの表面2をより一層湿潤状態に保ち易くなるという利点がある。
<実施形態2>
次に、実施形態2について説明する。実施形態2においては、保温マット付きコンクリート打設用型枠を用いて、打設後のコンクリートCを保温する方法について説明する。図10は、実施形態2に係る保温マット付きコンクリート打設用型枠(以下、単に「保温マット付き型枠」と呼ぶ)4を説明する図である。保温マット付き型枠4の内面4aは、コンクリートを打設するための型枠内側空間を臨む方の面である。一方、保温マット付き型枠4の外面4bは、外部空間を臨む方の面である。
保温マット付き型枠4の外面4bには、図1、2等で説明したコンクリート保温マット1が設置されている。上記のように、コンクリート保温マット1は、光発熱層111及び透明な断熱層112の2層構造となっている。光発熱層111は、上記の通り光を熱に変換する光発熱材によって構成されている。また、断熱層112は、実施形態1で説明した通り、光透過性、断熱性、遮水性を有している。
図10に示すように、コンクリート保温マット1は、保温マット付き型枠4の外面4b側に光発熱層111が位置し、外側に断熱層112が位置するように保温マット付き型枠4の外面4bに取り付けられている。つまり、コンクリート保温マット1は、断熱層112が外部空間に面するように保温マット付き型枠4に設置されている。保温マット付き型枠4の外面4bに対するコンクリート保温マット1の取り付け方法を特に限定されないが、例えばコンクリート保温マット1の光発熱層111が、保温マット付き型枠4の外面4bに密着するように、図示しない接着材によって貼り付けられている。
このように構成される保温マット付き型枠4によれば、保温マット付き型枠4の内側にコンクリートを打設した後、当該型枠4を脱型するまでの存置期間中においても、太陽光を利用してコンクリートCに給熱することでコンクリートCを保温することができる。この場合、コンクリート構造物3の施工方法としては、保温マット付き型枠4を設置する型枠設置工程、保温マット付き型枠4の内側にコンクリートを打設する打設工程、コンクリートを打設してから保温マット付き型枠4を所定期間存置することで、保温マット付き型枠4の外面4bを覆うように設置されたコンクリート保温マット1を用いて打設後のコンクリートを保温する保温工程、保温マット付き型枠4を脱型する脱型工程、を含み、保温マット付き型枠4にコンクリート保温マット1を設置する際、光発熱層111が保温マット付き型枠4の外面4b側に位置すると共に断熱層112が外側に位置するように当該コンクリート保温マット1を設置する。これによれば、コンクリートCを打設した後の型枠存置期間において、上記コンクリート保温マット1に照射された太陽光は最外層に配置された透明な断熱層112を透過し、光発熱層111に太陽光が到達することで光発熱層111が発熱する。そして、光発熱層111において得られた熱は、保温マット付き型枠4を介してコンクリートCに好適に供給される。その結果、型枠4の存置期間中においても、コンクリートCに対して好適に給熱を行うことができ、セメントの水和反応をより一層促進することができる。なお、本実施形態では、予め外面4bにコンクリート保温マット1を設置した保温マット付き型枠4を所定位置に設置した後、同型枠4の内部にコンクリートを打設する例を説明したが、コンクリートを打設した後のタイミングで型枠の外面にコンクリート保温マット1を設置しても良い。
以上、本発明の好適な実施形態及び変形例について説明したが、本発明に係るコンクリート保温マット、保温マットを備えたコンクリート打設用型枠、コンクリート保温方法、及びコンクリート構造物の施工方法はこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
また、実施形態において、寒中時の屋外でのコンクリート構造物の施工手順について説明したが、本発明の適用はこれには限定されず、コンクリート養生の際に給熱が必要であれば寒中時でなくとも良い。また、光発熱材が発熱するのに十分な光量が得られる条件下であれば、屋内で例えばプレキャストコンクリートを打設する際に本発明を適用しても良い。
1・・・コンクリート保温マット
3・・・コンクリート構造物
4・・・保温マット付きコンクリート打設用型枠
C・・・コンクリート
111・・・光発熱層
112・・・断熱層
113・・・接着層
114・・・剥離シート
115・・・保水層

Claims (8)

  1. 打設後のコンクリートを保温するためのコンクリート保温マットであって、
    光を吸収して発熱する光発熱材を有する光発熱層と、
    前記光発熱層に積層され、光を前記光発熱層側に透過する光透過性を有する断熱層と、
    を備える、
    コンクリート保温マット。
  2. 前記光発熱層における前記断熱層が積層されていない方の面に、保水材を有する保水層が積層されている、
    請求項1に記載のコンクリート保温マット。
  3. 前記断熱層は遮水性を更に有する、請求項1又は2に記載のコンクリート保温マット。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載されたコンクリート保温マットが外面を覆うようにして設置された保温マット付きコンクリート打設用型枠。
  5. 請求項1から3の何れか1項に記載されたコンクリート保温マットを脱型後のコンクリート表面を覆うように設置してコンクリートを保温する、コンクリート保温方法。
  6. 請求項4に記載された保温マット付きコンクリート打設用型枠を用いてコンクリートの打設を行い、型枠存置中に前記コンクリート打設用型枠の外面を覆うように設置された前記コンクリート保温マットを用いて打設後のコンクリートを保温する、コンクリート保温方法。
  7. コンクリート打設用の型枠を設置する型枠設置工程と、
    前記型枠の内側にコンクリートを打設する打設工程と、
    前記コンクリートの打設後に前記型枠を脱型する脱型工程と、
    脱型後のコンクリート表面を覆うように請求項1から3の何れか1項に記載されたコンクリート保温マットを設置し、当該コンクリート保温マットを所定期間存置することで打設後のコンクリートを保温する保温工程と、
    を含み、
    脱型後のコンクリート表面に前記コンクリート保温マットを設置する際、前記光発熱層が前記コンクリート表面側に位置すると共に前記断熱層が外側に位置するように当該コンクリート保温マットを設置する、
    コンクリート構造物の施工方法。
  8. 請求項4に記載された保温マット付きコンクリート打設用型枠を設置する型枠設置工程と、
    前記型枠の内側にコンクリートを打設する打設工程と、
    コンクリートを打設してから前記型枠を所定期間存置することで、前記型枠の外面を覆うように設置された前記コンクリート保温マットを用いて打設後のコンクリートを保温する保温工程と、
    前記型枠を脱型する脱型工程と、
    を含み、
    前記型枠に前記コンクリート保温マットを設置する際、前記光発熱層が前記型枠の外面側に位置すると共に前記断熱層が外側に位置するように当該コンクリート保温マットを設置する、
    コンクリート構造物の施工方法。
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