JP2017166089A - 糸加工装置および糸加工方法 - Google Patents

糸加工装置および糸加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】糸加工の生産効率を向上することのできる技術を提供する。【解決手段】糸加工装置(10)は、糸(16)を送り出す糸送出し部(11)と、糸(16)を巻き取る糸巻取り部(12)と、を備える。また、糸加工装置(10)は、スプレー部13を備える。スプレー部(13)は、糸(16)を複数列に配置する配列部(50)と、糸(16)に向けて塗料をスプレーするノズル(24)と、糸(16)とノズル(24)との間で電場を発生させる電場発生部(31)と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、糸の加工技術に関し、特に、エレクトロスプレー(静電スプレーともいう)を用いた糸に対する染色や抗菌消臭などの機能性付加に適用して有効な技術に関する。
国際公開2015/060341号(以下「特許文献1」という)には、エレクトロスプレー現象を利用して、繊維材料に染料、抗菌剤、消臭剤等を含有した塗料を付着させることが記載されている。
国際公開2015/060341号
糸の染色においてチーズ染色という浸漬法がある。このチーズ染色は、糸が巻き付けられたボビン数十個を、染色液が充填された釜に浸漬して行う。このため、大量に染色加工が可能となる。しかしながら、大量の染色液の使用により大量の廃液や乾燥工程におけるエネルギー消費などによる環境負荷が大きい。また、ボビン単位での加工を行うため、糸一本の中で色合いや加工を制御することが不可能である。
この点、特許文献1に記載の技術によれば、廃液の削減や乾燥処理等の省略が可能となるとともに、小ロット、多品種生産に適用可能となって、繊維製品の製造コストや環境負荷の低減に繋がる。そして、このような技術を用いても更なる生産効率の向上が求められている。
本発明の目的は、糸加工の生産効率を向上することのできる技術を提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明の一解決手段に係る糸加工装置は、糸を複数列に配置する配列部と、前記糸に向けて塗料をスプレーするノズルと、前記糸と前記ノズルとの間で電場を発生させる電場発生部と、を備えることを特徴とする。これによれば、複数列の糸に対して一度に塗料をスプレーして高速処理することができ、糸加工の生産効率を向上することができる。
ここで、前記配列部は、一対のドラムと、前記糸の複数列の並び方向に、前記一対のドラムの間で前記糸を順繰りに巻き付ける位置を調節する位置調節部と、を備えることがより好ましい。これによれば、一本の糸に対して複数列に配置することができる。
また、前記位置調節部は、軸状に構成されて、前記一対のドラムにおける一のドラムに対して前記糸が巻きつけられる位置を所定ピッチ間隔で調節可能に構成された軸部材と、前記糸の端部を掴みながら前記一対のドラムの外周を通過するように移動することで、前記一対のドラムの外周に前記糸を巻きつける糸掴み部と、を備えることがより好ましい。これによれば、所定ピッチで糸を複数列に配置することができる。
また、前記糸の長さ方向に沿って前記ノズルが複数並んで設けられることがより好ましい。また、複数列に並ぶ前記糸の並び方向に沿って前記ノズルが複数並んで設けられることがより好ましい。これによれば、例えば同一又は異なる色の塗料を連続的に付着させる場合や、塗料を付着させた後に連続的に抗菌剤または消臭剤の少なくともいずれか一方を付着させる場合等に利用することができる。
また、前記電場発生部は、複数列の前記糸と接する位置に設けられ、前記糸の並び方向に沿って延在する電極を備えることがより好ましい。これによれば、複数列の糸を等電位として電場を発生させることができる。
また、前記電場発生部は、前記糸の周囲に設けられ、前記電場の状態を制御するマスクを備えることがより好ましい。これによれば、電場の状態を調整することで、塗料を糸に引き寄せ易くし、糸加工の生産効率を向上することができる。
前記マスクは、導電性を有しており、前記電場発生部は、前記マスクに電圧を印加する電源部を備えることがより好ましい。これによれば、塗料を糸に引き寄せ易くし、糸加工の生産効率を向上することができる。
また、前記マスクは、絶縁性を有していることが好ましい。これによれば、簡易な構成で電場の状態を調整することができる。
また、前記電場発生部は、前記糸に電解質溶液を接触させる液接触部と、前記糸から前記電解質溶液を絞る液絞り部と、を備えることがより好ましい。これによれば、糸に含まれる電解質溶液の量を調節することができる。
また、糸を送り出す送出し部と、前記送出し部から送り出された前記糸を巻き取る巻取り部と、前記ノズルおよび前記電場発生部を備えるスプレー部と、塗料がスプレーされた前記糸を乾燥させる乾燥部と、前記送出し部、前記巻取り部、前記スプレー部および前記乾燥部を制御する制御部と、を備え、前記送出し部から前記巻取り部まで送られる前記糸に対して前記スプレー部および前記乾燥部の組が複数設けられることがより好ましい。これによれば、連続して糸加工を行うことができる。
また、本発明の他の解決手段に係る糸加工装置は、糸を複数列に配置する配列部と、前記糸に向けて塗料をスプレーするノズルと、前記糸と前記ノズルとの間で電場を発生させる電場発生部と、を備え、前記ノズルが、前記糸の長さ方向に沿う方向に複数並んで設けられると共に、前記糸の並び方向に沿って複数列に並ぶように設けられることを特徴とする。これによれば、糸に対し、より確実に塗料を付着させることができる。
本発明の一解決手段に係る糸加工方法は、ノズルから糸に塗料をスプレーする糸加工方法であって、(a)前記糸を複数列に配置する工程と、(b)前記糸と前記ノズルとの間で電場を発生させる工程と、(c)電場が発生している状態で前記糸に向けて塗料をスプレーする工程と、を含むことを特徴とする。これによれば、複数列の糸に対して一度に塗料をスプレーして高速処理することができ、糸加工の生産効率を向上することができる。
ここで、前記(a)工程では、前記糸の複数列の並び方向に、一対のドラムの間で前記糸を順繰りに巻き付けながら送って配置することがより好ましい。これによれば、一本の糸に対して複数列に配置することができる。
また、前記(b)工程では、前記糸の周囲に設けられるマスクによって前記電場の状態を調整することを特徴とする。これによれば、電場の状態を調整することで、塗料を糸に引き寄せ易くし、糸加工の生産効率を向上することができる。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、糸加工の生産効率を向上することができる。
本発明の一実施形態に係る糸加工装置の全体説明図である。 図1に示す糸加工装置の制御系ブロック図である。 図1に示す糸加工装置のスプレー部の説明図である。 図3に示すスプレー部のノズル正面周辺の説明図である。 図3に示すスプレー部のノズル側面周辺の説明図である。 図1に示すスプレー部の配列部周辺の動作説明図である。 図6に続くスプレー部の配列部周辺の動作説明図である。 図7に続くスプレー部の配列部周辺の動作説明図である。 図8に続くスプレー部の配列部周辺の動作説明図である。 図9に続くスプレー部の配列部周辺の動作説明図である。 図10に続くスプレー部の配列部周辺の動作説明図である。 糸加工装置の変形例の制御系ブロック図である。 ノズル配置の変形例の説明図である。 ノズル配置の変形例の説明図である。 マスク配置の変形例の説明図である。 マスク配置の変形例の説明図である。 ノズル配置の変形例の説明図である。
以下の本発明における実施形態では、必要な場合に複数のセクションなどに分けて説明するが、原則、それらはお互いに無関係ではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細などの関係にある。このため、全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、構成要素の数(個数、数値、量、範囲などを含む)については、特に明示した場合や原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。また、構成要素などの形状に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似または類似するものなどを含むものとする。
(糸加工装置の概要)
まず、本発明の一実施形態に係る糸加工装置10の概要について、図面を参照して説明する。図1は、糸加工装置10の全体説明図である。図2は、糸加工装置10の制御系ブロック図である。図12は、糸加工装置10の変形例の制御系ブロック図である。なお、図1では、説明を明解にするために、XYZ座標(3次元座標)における糸加工装置10を示しているが、その他の図中の座標軸はこの図1に示すXYZ座標に対応している。
図1および図2に示すように、糸加工装置10は、糸送出し部11と、糸巻取り部12と、スプレー部13と、乾燥部14と、制御部15と、を備えて構成される。糸加工装置10では、糸送出し部11から糸巻取り部12まで一本の糸16が送り出される。また、糸加工装置10では、スプレー部13および乾燥部14が糸送りの中途に連続して設けられる。また、制御部15は、例えば、CPUやメモリを備えて構成されるコンピュータであり、これにインストールされた制御プログラムの実行によって糸送出し部11、糸巻取り部12、スプレー部13および乾燥部14における各部の構成要素の動作を制御する。
糸送出し部11は、加工前の糸16を送り出す(供給する)よう構成される。例えば、糸送出し部11は、ボビン20を備え、糸16が巻き付けられたボビン20が回転しながら糸16を送り出す。糸巻取り部12は、糸送出し部11から送り出された糸16を巻き取るよう構成される。例えば、糸巻取り部12は、ボビン21を備え、ボビン21が回転しながら糸が巻き付けられるよう構成される。また、糸加工装置10は、例えば糸送りの方向を所定の方向に変えるために、複数のプーリー22を備える。本実施形態では、図1に示すように糸送出し部11から送り出された一本の糸16が糸巻取り部12で巻き取られるよう構成される。
糸送りの中途でスプレー部13によって糸16に塗料(加工用の顔料、染料又は薬剤の溶液)がスプレーされる。スプレー部13では、エレクトロスプレー法を用い、塗料を微粒化し(帯電した極微小液滴となる)、それらを電場の制御によって糸16に集束・定着させる。
塗料がスプレーされた糸16は、乾燥部14で乾燥されて、糸巻取り部12で巻き取られる。乾燥部14は、図示しない筐体の内部が、常温よりも高温な所定温度(例えば60℃程度)に、又は、外気よりも低湿度に設定可能に構成され、所定時間で糸16が通過するよう構成される。乾燥部14は、例えば、後述するスプレー部13と同様の配列部を備え、一対のドラム(一方のドラム23A、他方のドラム23B)の間で糸16が順繰りに巻き付けられた状態で高温雰囲気下を所定時間をかけて通過させることで、後述する電解質溶液や塗料に含まれる揮発成分などを揮発(蒸発)させ除去する乾燥処理を行う。これにより、糸16の送り速度を高速化しても乾燥し易い構成とすることができる。
このような糸加工装置10によれば、染色、機能性付加(抗菌、消臭、撥水、糊付けなど)や、乾燥等の複数の工程を連続かつ高速・高効率で行うことができる。すなわち、糸加工装置10によれば、浸漬法では達成できない高機能化・高品質化を行うことができ、加工プロセスにおける環境負荷軽減を行うことができる。
なお、変形例として、糸加工装置10は、スプレー部13および乾燥部14を一組として、これを複数設けて連続処理する構成であってもよい。例えば、図12に示すように、糸送出し部11から糸巻取り部12まで送られる糸16に対してスプレー部13および乾燥部14が二組設けられる。これによれば、糸16への塗料の定着が安定してから連続して糸加工を行うことができる。
(スプレー部)
次に、糸加工装置10の要部であるスプレー部13について、図面を参照して説明する。図3は、糸加工装置10のスプレー部13の説明図である。図4は、ノズル正面方向におけるスプレー部13のノズル24周辺の説明図である。図5は、ノズル側面方向におけるスプレー部13のノズル24周辺の説明図である。図6〜図11は、糸16を複数列に配置する準備工程におけるスプレー部13の配列部50周辺の動作説明図である。図13および図14は、ノズル24の配置の変形例の説明図である。図15および図16は、マスク42の配置の変形例の説明図である。
スプレー部13は、糸16に向けて塗料をスプレーするノズル24を備える。また、スプレー部13は、複数のノズル24を保持するノズルホルダ25を備える。これら複数のノズル24は、糸16の長さ方向(糸送り方向、X軸に沿う方向)に沿って並んで設けられる。これによれば、糸16の長さ方向に塗料を連続して付着させることができる。なお、1本のノズル24を有するノズルホルダ25を用いることができる。この場合、ノズルホルダ25単位でノズル24を簡易に交換可能となる。
なお、変形例として、複数のノズル24は、例えば、複数列に並ぶ糸16の並び方向(Y軸に沿う方向)に沿って並べられる構成であってもよい(図13参照)。また、複数のノズル24は、上下方向(Z軸に沿う方向)に配置される複数段の糸16のそれぞれに配置される構成であってもよいし、対向して配置される構成であってもよい(図14参照)。このような配置としては、例えば、図1に示すように一対のドラム51A、51Bに巻きつけられることで、この上側及び下側において送られる糸16の列に対して、それぞれを水平方向で挟み込むように一対のノズルホルダ25を設ける配置とすることができる。
また、スプレー部13は、各ノズル24へ塗料を供給するプランジャ26を有するシリンジ27を備える。また、スプレー部13は、シリンジ27のプランジャ26を往復動させるモータ30を備える。このモータ30は、制御部15によって制御される。すなわち、制御部15は、シリンジ27内の塗料をノズル24からスプレーすることについて制御することができる。例えば、制御部15は、ノズル24からスプレーするか否か、及び、ノズル24からスプレーされる塗料の量を制御することができる。
このように、図3に示すスプレー部13は、一本のシリンジ27から複数のノズル24へ塗料を供給するよう構成される。例えば、複数のノズル24のそれぞれが同一色の塗料をスプレーするのであれば、同一色の塗料を連続的に付着させることができる。
なお、変形例として、複数のノズル24のそれぞれに塗料を供給するシリンジ27を設けることで、複数のシリンジ27を備える構成としてもよい。これによれば、複数のノズル24のそれぞれが異なる色や機能性を有する塗料をスプレーすることができる。例えば、複数のノズル24から異なる色の塗料をスプレーさせることで、異なる色の塗料を選択的にスプレーすることができる。具体的には、異なる色の塗料をスプレーするノズル24から所定間隔で順次スプレーさせるようにしたり、同時に複数色の塗料をスプレーしながら、その分量の比率を変えたりして、糸16の長さ方向においてグラデーションを付けるように連続的に塗料を付着させることもできる。また、塗料を付着させた後に連続的に抗菌剤または消臭剤といった機能性を有する塗料を付着させる場合等に利用することができる。
スプレー部13は、一本の糸16を複数列に配置する配列部50(セット部)を備える。これによれば、複数列の糸16に対して一度に塗料をスプレーすることができる。これによれば、塗料が複数の糸16に付着できるようにスプレーされることで、塗料を複数の糸16に対して確実に付着させることができる。したがって、糸16の送り出される速度を高速化することによって塗料が糸16に付着し難い状態になっても、塗料を糸16により確実に付着させることができる。これにより、高速処理することができ、糸加工の生産効率を向上することができる。また、糸16に塗料を付着し易くすることにより、スプレーされた塗料のうち糸16に付着する割合を向上させることができ、塗料の利用率を高めて環境負荷のさらなる低減を図ることができる。なお、配列部50で配置される一本の糸16は、後述するように、糸送出し部11や糸巻取り部12のように重なって巻き付けられるものではない。
本実施形態では、配列部50は、糸送出し部11から糸巻取り部12までに送り出される糸16を一本とし、この一本の糸16を複数列に配置するよう構成される。配列部50は、一対のドラム(一方のドラム51A、他方のドラム51B)を備える。ドラム51A、51Bは、それぞれ回転軸60A、60B(Y軸に沿う軸)を有し、X軸に沿う方向に所定の間隔で配置される。
また、配列部50は、図6に示すように、位置調節部52を備えた構成とすることができる。位置調節部52は、糸16の複数列の並び方向(Y軸に沿う方向)に、ドラム51A、51Bの間で糸16を順繰りに巻き付ける位置を調節するよう構成される。
位置調節部52は、糸掴み部53と、糸掴み部53が固定されるベルト54(チェーン)と、ベルト54が掛け回される一対のプーリー(一方のプーリー55A、他方のプーリー55B)と、プーリー55A、55Bを介してベルト54を回転させるモータ56と、を備える。プーリー55Aは、ドラム51Aに隣接して設けられ、共通となる回転軸60A(Y軸に沿う軸)を有する。プーリー55Bは、ドラム51Bに隣接して設けられ、共通となる回転軸60B(Y軸に沿う軸)を有する。これにより、糸掴み部53は、モータ56の回転によって、一対のドラム51A、51Bのいずれかの外周に沿った円弧状の移動と、一対のドラム51A、51Bにおける直線状の移動とを繰り返し行う。これにより、糸16の先端部をドラム51A、51Bの外周で周回させることで、糸16をドラム51A、51Bの外周に巻き付けるように移動させることができる。モータ56は、制御部15によって制御される。すなわち、制御部15は、糸掴み部53の動きを制御することができる。
また、位置調節部52は、一対の螺旋状の軸部材(一方の軸部材61A、他方の軸部材61B)と、軸部材61A、61Bを連動させる連動機構62(例えばベルト)と、連動機構62を駆動するモータ63と、を備える。軸部材61A、61Bは、それぞれ回転軸(Y軸に沿う軸)を有し、X軸に沿う方向に所定の間隔で配置される。また、軸部材61A、61Bは、螺旋状に凹凸のある螺旋部材により複数のピッチ溝(螺旋溝)を有する。そして、軸部材61A、61Bは、これらの間にドラム51Aの上部が位置するように配置される。これにより、軸部材61A、61Bは、モータ63の回転によって、連動して螺旋回転する。このモータ63は、制御部15によって制御される。すなわち、制御部15は、軸部材61A、61Bのピッチ(位置)を制御することができる。
ここで、配列部50の動作方法について説明する。まず、図6に示すように、後述する液絞り部41を通過させた一本の糸16を、螺旋状の軸部材61A、61Bのピッチ溝内に掛け渡し、糸16の先端部を糸掴み部53に掴ませる。糸掴み部53がベルト54に固定されているため、糸16は軸部材61A、61Bのベルト側に近いピッチ溝に掛かる。
続いて、図7に示すように、モータ56によりプーリー55A、55Bを介してベルト54を回転させ、ベルト54に取り付けた糸掴み部53を回転させることで、ドラム51Bに糸16を巻き付けていく。これにより、糸掴み部53は、糸16の先端部を掴みながら一対のドラム51A、51Bとで挟まれて構成される長丸状の領域の外周を通過するように移動することで、一対のドラム51A、51Bの外周に糸16を巻きつける。
続いて、図8に示すように、モータ63により連動機構62を介して螺旋状の軸部材61A、61Bを例えば1周回転させる。これにより、液絞り部41側から送り出された糸16が螺旋状の軸部材61A、61Bで位置調整される(1ピッチずらされる)。このとき、糸掴み部53によって掴まれた糸16は、軸部材61Bにおいて、送り出された糸16の溝とは1ピッチずれた異なる溝に掛かることとなる。このように、軸部材61A、61Bは、所定ピッチの溝を有する軸状に構成されて、一対のドラム51A、51Bにおける一のドラム51Aに対して糸16が巻きつけられる位置を所定ピッチ間隔で調節可能に構成される。
このように、糸16の巻き付けと巻き付け位置の調整(図6乃至図8に示す動作)を繰り返すことで、図9に示すように、一対のドラム51A、51Bの間では糸16が複数列に配置されていく。また、複数列の糸16が一対のドラム51A、51Bに巻き付けられていく。所定回数を巻き付けた後は、巻き受け動作を完了し(図10参照)、糸掴み部53から糸16の先端部を取り外すことで、次の工程(本実施形態では、乾燥部14)に
糸16の先端部を送り出させることができる(図1、図11参照)。位置調節部52を用いた構成とすることで、所定ピッチで糸16を複数列に配置することができる。本実施形態では、一対のドラム51A、51Bの間で複数列に配置された糸16に向けて塗料をスプレーすることとなる。また、位置調節部52を用いた糸16の配置構成は、乾燥部14にも用いることができる。このような構成とすることにより、乾燥部14内においても、複数列の糸16を所定ピッチで離した状態で送りながら乾燥させることができ、効果的に乾燥させることができる。
スプレー部13は、図3に示すように、このように配列部50によって複数列に配置された糸16に対して、その糸16とノズル24(塗料)との間で電場を発生させる電場発生部31を備える。すなわち、電場発生部31は、糸16およびノズル24が導電性を有する(電気を帯びる)よう構成される。
電場発生部31は、ノズル24内に設けられるノズル用電極32(例えば、白金線)を備える。また、電場発生部31は、ノズル用電極32と電気的に接続され、電圧印加可能なノズル用電源部33を備える。ノズル用電源部33は、制御部15によって制御される。すなわち、制御部15は、塗料と接するノズル用電極32を有するノズル24に電圧印加するよう制御することができる。
ノズル24はノズル用電極32を備えることで、導電性を有するよう構成される。このノズル用電極32(導電性を有するノズル24)は、塗料と接して設けられる。なお、ノズル用電極32を設ける構成でもよいが、ノズル24自体を、導電性を有する材料から構成してもよい。
また、電場発生部31は、ノズル用電極32(ノズル24)と対をなす糸用電極34を備える。また、電場発生部31は、糸用電極34と電気的に接続され、糸用電極34に電圧印加可能な糸用電源部35を備える(図3参照)。糸用電源部35は、制御部15によって制御される。すなわち、制御部15は、糸16と接する糸用電極34に電圧印加するよう制御することができる。
この糸用電極34は、糸16と接する位置に設けられる。糸16が複数列に配置されるため、糸用電極34は、糸16の並び方向(Y軸に沿う方向)に沿って延在するものが用いられる。このため、糸用電極34は、X軸に沿う方向に延びる複数列の糸16とは複数箇所で交差する。糸用電極34としては、例えば導電性を有する棒状の金属部材を用いることができる。本実施形態では、糸16を棒状の糸用電極34の上に乗せることで、糸16に対して所定の電位を付与することができる。これによれば、複数列の糸16を所定の電位として、ノズル24に印加された電位との電位差により任意の電場を発生させることができる。
また、糸用電極34は、複数配置することができる。本実施形態では、図1に示すように、一対のドラム51A、51Bの間の中央で平行な2つの糸用電極34、34が配置される。これにより、一対のドラム51A、51Bの間で張られた状態の複数列の糸16が中央(2つの糸用電極34、34の間)で垂れ下がって所定の位置(例えば、塗料をスプレーするノズル24の先端の位置)から糸16がずれてしまうのを防止することができる(図3乃至図5参照)。すなわち、この糸用電極34を、糸16の送られる位置を規制する糸送り位置規制部材として用いることができる。なお、同図に示すように糸用電極34を複数設ける構成とするときには、糸用電源部35に電気的に接続されるのは少なくとも1本あればよい。
ところで、エレクトロスプレー現象は、塗料を充填したノズル24と糸用電極34との間に高電圧を印加して、ノズル24と糸用電極34との間に電場を生じさせることにより、塗料が荷電液滴となって糸用電極34に向かってスプレーされる現象である。このため、スプレー対象が絶縁体(例えば、絶縁性を有する繊維材料)としての糸16である場合には、ノズル24との間に電場が生じ難い。このため、本実施例では糸16に電解質溶液を含ませて、導電性を付与することにより、糸16とノズル24との間に電場を生じさせてエレクトロスプレー現象を効果的に発生させる構成としている。なお、本実施形態では、糸16が導電性を有することとなるため、その糸16と接する部材(一対のドラム51A、51Bなど)は絶縁性(非導電性)を有して構成される。
糸16に導電性を付与するために、電場発生部31は前処理部36を備える(図1参照)。この前処理部36は、糸16に電解質溶液を接触させる液接触部40を備える。液接触部40は、電解質溶液が貯留されている液槽40Aに、糸送出し部11から送り出された糸16が浸漬されるよう構成される。これにより、糸16が導電性を有し、糸用電極34を介して糸16とノズル24との間で電場を発生させることができるようになる。なお、液接触部40は、例えば、スプレーガン等の公知のスプレー機を利用して電解質溶液を糸16にスプレーする構成や、公知の滴下器具を利用して電解質溶液を糸16に滴下する構成であってもよい。
また、前処理部36は、糸16から電解質溶液を絞る液絞り部41を備える。液絞り部41は、例えば、所定間隔の一対の弾性体(例えばゴム材質の部材やスポンジ状の部材)で糸16を挟み込むよう構成される。この液絞り部41によれば、弾性体の材質や挟み込む強さを調節することで糸16に含まれる電解質溶液の量を調節することができる。電場発生部31では、電解質溶液によって導電性を有する糸16とノズル24との間で電場を発生させる構成である。このため、糸16に付着する電解質溶液の量によって所定の電場が変化してしまう。そこで、液絞り部41によって電解質溶液の量を調整することで、電場を安定して発生させることができる。
また、電場発生部31は、発生される電場に沿うように糸16の周囲に設けられ、電場の状態を調整するマスク42(電場調整部材)を備える。マスク42としては、例えば、板状の部材を用いることができる。マスク42の材質としては、金属板やプラスチック板などの各種の材質を用いることができる。このマスク42は、複数配置することができる。本実施形態では、図3乃至図5に示すように、2つのマスク42、42を用い、複数列の糸16がその間の中央に位置するように2つのマスク42、42を平行に配置している。
なお、変形例として、マスク42は、フィルム状、ブロック状、メッシュ状などの種々の形状とすることができる。また、マスク42は、例えば、ノズル24の吐出方向(Y軸に沿う方向)において糸16よりも奥に配置される構成であってもよい(図15参照)。また、マスク42は、例えば、平行配置と奥配置の組み合わさった構成(コ字状となる)であってもよい(図16参照)。
また、電場発生部31は、マスク42と電気的に接続され、マスク42に電圧印加可能なマスク用電源部43を備える構成としてもよい(図3参照)。マスク用電源部43は、制御部15によって制御される。すなわち、制御部15は、糸16とノズル24との間で発生する電場の状態を容易に制御することができる。例えば、ノズル24からスプレーされる塗料の液滴にかけられた電位とマスク42とを同極性にすることができる。これによれば、荷電した塗料の液滴が同極性のマスク42を避けたような軌跡を移動して、逆極性に荷電させた糸16に吸引され易くなるように電場の状態を調整することができる。これによれば、糸16に塗料を引き寄せ易くし、糸加工の生産効率を向上することができる。また、塗料の利用率を高めて環境負荷のさらなる低減を図ることができる。
なお、マスク42の構成の一例として、例えば、絶縁性を有する絶縁板としてプラスチックフィルム(例えばポリテトラフルオロエチレンフィルム)を用いて構成されてもよい。この場合、ノズル24からスプレーされる塗料の液滴の荷電状態によりマスク42が容易に帯電し、同極性に荷電した絶縁性のマスク42を避けて移動するように、電場の状態を調整することができる。これによれば、例えばマスク用電源部43を用いなくても、簡易な構成で電場の状態を調整することができる。
(糸加工方法)
次に、本発明の一実施形態に係るノズル24から糸16に塗料をスプレーする糸加工方法について、前述の糸加工装置10のスプレー部13の動作に対応させて説明する。このため、糸加工方法は、配列工程と、電場発生工程(前処理工程を含む)と、スプレー工程と、を含む。
(糸)
スプレー対象となる糸16は、高分子化合物を構成成分として含む糸状の材料、又はこれを束ねた材料(綿、織布、不織布、紙等)であれば、具体的な材質、天然繊維・合成繊維の違い、材料の形態等は特に限定されない。例えば、糸16の種類としては、麻、木綿等の植物繊維、羊毛、絹等の動物繊維、レーヨン等の再生繊維、ポリアミド系合成繊維、ポリエステル系合成繊維、アクリル系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、ポリオレフィン系合成繊維、ポリウレタン系合成繊維、セルロース系半合成繊維、及びタンパク質系半合成繊維等が挙げられる。
(前処理工程)
前処理工程は、後述する電場発生工程で電場を発生させることのできる導電性を有する糸16を準備する。ここでは、電解質溶液を含有した糸16を入手しても、或いは電解質溶液を含有した糸16を自ら調製してもよい。電解質溶液を含有した糸16を自ら調製する場合の調製方法は、特に限定されないが、例えば糸16を電解質溶液に浸漬する方法、電解質溶液を糸16にスプレーする方法、及び電解質溶液を糸16に滴下する方法が挙げられる。本実施形態では、前述の前処理部36における、液接触部40(液槽40A)内で糸16を電解質溶液に浸漬する。
糸16が含有する電解質溶液の電解質の種類、濃度、含有量等は、特に限定されず、塗着させる塗料の種類や糸16の種類等に応じて適宜設定することができる(例えば、糸16の種類に応じて中性の電解質やアルカリ性の電解質を選択することが挙げられる。)。
電解質の種類としては、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、炭酸カリウム、酢酸カリウム、硫酸カリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、カリウムミョウバン等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はアルミニウム塩が挙げられるほか、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、塩化アンモニウム等のアンモニウム塩、塩化鉄、硫酸鉄等の遷移金属塩等が挙げられる。これらの中でも、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、硫酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、酢酸アンモニウム、カリウムミョウバン、及び硫酸鉄からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
電解質溶液の濃度は、通常0.001質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上であり、通常20.0質量%以下、好ましくは15.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下である。上記範囲内であると、効率良く塗料を塗着させることができる。
糸16が含有する電解質溶液の含有量(糸16の100質量%における電解質溶液の質量)は、通常300質量%以上、好ましくは400質量%以上、より好ましくは500質量%以上であり、通常1000質量%以下、好ましくは850質量%以下、より好ましくは700質量%以下である。上記範囲内であると、効率良く塗料を塗着させることができる。
また、前処理工程において準備する糸16は、還元剤を含有するものであってもよい。詳細については後述するが、例えば糸16が還元剤を含有し、本発明に係るスプレー工程において金属イオンを含有する塗料をスプレーすることによって、金属イオンと還元剤が反応して糸16中で金属粒子を生成させることができる。なお、還元剤としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、亜硫酸塩、亜硝酸塩、ヒドラジン、アスコルビン酸及びその塩、シュウ酸及びその塩等が挙げられるが、これらの還元剤は電解質としての役割も果たすために、前述した電解質の代わりに、これらの還元剤を溶解した溶液を電解質溶液として使用してもよい。
前処理工程において準備する糸16は、必ずしも全面に電解質溶液を含有する必要はなく、部分的に電解質溶液を含有したものであってもよい。エレクトロスプレー法は、帯電した部分にスプレーした液滴が引き寄せられるため、糸16の部分的に塗料を塗着させることにも応用することができる。
(配列工程)
配列工程は、一本の糸16を複数列に配置する。本実施形態では、前述の配列部50における、糸16の複数列の並び方向(Y軸に沿う方向)に、一対のドラム51A、51Bの間で糸16を順繰りに巻き付けながら送って配置する。これによれば、一本の糸に対して複数列に配置することができる。なお、配列工程は、図6乃至図11を参照して説明したとおりである。
(電場発生工程)
電場発生工程は、糸16とノズル24との間で電場を発生させる。本実施形態では、前述の電場発生部31における、糸16と接する糸用電極34およびノズル24内に設けられるノズル用電極32のそれぞれに電圧を印加する。
ノズル24と糸16の間の電場は、ノズル用電源部33および糸用電源部35を用いて、ノズル24側を正電位に、糸16側を0kV若しくは負電位に設定する、或いはノズル24側を負電位に、糸16側を0kV若しくは正電位に設定することによって、生じさせることができる。また、ノズル24と糸16との間に電位勾配があればよいため、例えば(ノズル24の電位)>(糸16の電位)>0Vに設定する、或いは0V>(糸16の電位)>(ノズル24の電位)に設定した場合もエレクトロスプレー現象を生じさせることができる。このようなエレクトロスプレー現象は、発生した荷電液滴が電場によってスプレー対象である糸16に引き寄せられる(集束する)ため、効率良く塗料を付着させることができる方法である。
印加電圧(ノズル24と糸16との間に生じさせる電位差)は、通常5.5kV以上、好ましくは6kV以上、より好ましくは7kV以上であり、通常16kV以下、好ましくは15kV以下、より好ましくは12kV以下である。また、ノズル24に印加する電位は、通常正電位であり、基準電位を接地とした場合の電位は、通常+2.0kV以上、好ましくは+3.0kV以上、より好ましくは+4.5kV以上であり、通常+10.0kV以下、好ましくは+8kV以下、より好ましくは+7kV以下である。一方、糸16に印加する電位は、通常負電位であり、基準電位を接地とした場合の電位は、通常−5kV以上、好ましくは−4kV以上、より好ましくは−3.5kV以上であり、通常−0.5kV以下、好ましくは−1kV以下、より好ましくは−2kV以下である。上記範囲内であると、効率良く塗料を塗着させることができる。
ここで、本実施形態では、前述したように、糸16の周囲に設けられるマスク42によって電場の状態を調整する。これによれば、電場の状態を調整することで、塗料を糸16に引き寄せ易くし、糸加工の生産効率を向上することができる。
(スプレー工程)
スプレー工程は、電場が発生している状態で糸16に向けて塗料をスプレーする。本実施形態では、前述のスプレー部13における、ノズル24で糸16にスプレーすることをスプレー工程としている。ここで、ノズル24のスプレー口の口径は、通常0.03mm以上、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上であり、通常1.0mm以下、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.3mm以下である。上記範囲内であると、効率良く塗料を塗着させることができる。
スプレー工程は、発生する電場によってスプレーした塗料が糸16に引き寄せられるため、糸16は必ずしもノズル24のスプレー方向上に存在する必要はない。但し、糸16は、ノズル24のスプレー方向から45°以内の範囲に存在することが好ましく、30°以内の範囲に存在することがより好ましい。上記範囲内であると、効率良く塗料を塗着させることができる。
塗料のスプレー量は、通常3μL/min以上、好ましくは5μL/min以上、より好ましくは7μL/min以上であり、通常50μL/min以下、好ましくは30μL/min以下、より好ましくは20μL/min以下である。上記範囲内であると、効率良く塗料を塗着させることができる。
スプレーする塗料に含まれる成分は、塗着目的(塗着方法の用途)に応じて適宜選択することができる。塗料に含まれる成分として、例えば(a)糸16を変性するため若しくは糸16に機能を付与するために使用される変性・機能付与成分及び補助成分、(b)糸16中で形成させる物質の原料化合物、(c)溶媒等に分類することができる。以下、(a)〜(c)についてそれぞれ詳細に説明する。
(a)変性・機能付与成分及び補助成分
「変性・機能付与成分」とは、例えば糸16を染色するための染料(顔料)のほか、抗菌剤、消臭剤、撥水撥油剤、難燃剤、漂白剤、柔軟剤、糊剤、防汚剤等の糸16を変性するため若しくは糸16に機能を付与するために使用される公知の成分を意味するものとする。また、「補助成分」とは、例えば染料の分散性・定着性を高めるために用いられる界面活性剤、染色に使用される酸・塩基等の糸16の加工処理に使用される補助的な成分を意味するものとする。下記に染料等の具体的種類を列挙するが、糸16に使用される変性・機能付与成分は幅広く市販されており、本発明の塗着方法が下記に挙げるものに限定されない。なお、本発明における「染料」には、溶媒に溶解しない「顔料」も含まれるものとする。
・染料(顔料)
直接染料、酸性染料(レベリング系、ハーフミーリング系、ミーリング系)、分散染料(アゾ系、キノン系)、反応染料、カチオン染料、建染染料、硫化染料、ナフトール染料
・抗菌剤、消臭剤
銀、酸化チタン、酸化亜鉛、金、白金、銅、ゼオライト、木炭、トリアジン系化合物、フェノール系化合物、キチン、キトサン
・撥水撥油剤
フッ素系高分子化合物、シリコン系高分子化合物、ポリオレフィン系高分子有機化合物
・難燃剤
リン系有機化合物、ハロゲン系化合物、硫酸アンモニウム、酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、ケイ酸ナトリウム
・糊剤
カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、セルロースナノファイバー、アルギン酸ナトリウム、キトサン
(b)原料化合物
「原料化合物」とは、具体的には糸16中で形成させる物質の原料化合物を意味し、例えば抗菌剤、消臭剤として用いられる銀や酸化チタン等の無機固体化合物を糸16に塗着させるために有効な成分である。具体的な原料化合物としては、無機固体化合物の原料となる金属イオン(金属塩)、有機金属化合物、並びに金属イオンや有機金属化合物を酸化する酸化剤、又は還元する還元剤が挙げられる。
・金属イオン(金属塩)
硝酸銀(AgNO3)、テトラクロロ金(III)酸(HAuCl4)、ヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)、塩化銅(II)(CuCl2
・有機金属化合物
アルコキシシラン
・酸化剤
過酸化水素、オゾン、塩酸、硫酸
・還元剤
水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、亜硫酸塩、亜硝酸塩、ヒドラジン、アスコルビン酸及びその塩、シュウ酸及びその塩
(c)溶媒
塗料に使用される溶媒は、塗料に含まれる成分等に応じて適宜選択されるべきであるが、コストの観点から通常水を使用する。なお、水のほか、メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、ブタノール、酢酸、ギ酸等のプロトン性極性溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホルム、トリクロロエチレン、ベンゼン、エチルベンゼン、キシレン、トルエン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン等の無極性溶媒等が挙げられる。なお、溶媒は1種類に限られず、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
スプレーする塗料に含まれる成分の濃度は、成分の種類等に応じて適宜選択されるものであるが、通常0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.25質量%以上であり、通常2.0質量%以下、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下である。上記範囲内であると、効率良く塗料を塗着させることができる。
スプレー工程の好ましい態様として、金属イオンを含有する塗料を糸16にスプレーすることが挙げられる。例えば、糸16が還元剤を含有している場合、本発明に係るスプレー工程において金属イオンを含有する塗料をスプレーすることによって、金属イオンと還元剤が反応して糸16中で金属粒子を生成させることができる。
なお、かかる態様で生成させる金属粒子の種類(元素)、粒子形態等は特に限定されないが、水素よりもイオン化傾向小さい貴金属が好ましく、具体的には銅、銀、パラジウム、白金、及び金が好ましい。このような金属であると、糸16中で生成させ易く、また抗菌作用や菌の増殖抑制に基づく消臭作用が発現されるため、糸16に抗菌作用及び/又は消臭作用を付与する抗菌消臭化方法として利用することができる。また、生成させる金属粒子の平均粒子径は、通常100nm以下、好ましくは70nm以下、より好ましくは50nm以下であり、通常1nm以上、好ましくは2nm以上、より好ましくは3nm以上である。なお、金属粒子の平均粒子径は、具体的には体積平均粒子径を意味し、例えば電子顕微鏡観察や動的光散乱法等によって測定することができる。
このような糸加工方法によれば、複数列の糸16に対して一度に塗料をスプレーして高速処理することができ、糸加工の生産効率を向上することができる。
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施形態では、糸送出し部から巻取り部までに送り出される糸を一本とし、この一本の糸を複数列に配置する配列部(セット部)を用いる場合について説明した。この点、例えば、糸送り部および巻取り部を複数組設け、複数本の糸を複数列に配置する配列部(セット部)を用いることもできる。
例えば、前記実施形態では、ワークとして、糸(糸状の繊維材料)を用いた場合について説明した。この点、例えば、複数列に配列に送ることが可能な幅であれば、織布、不織布、紙などの繊維材料を用いることもでき、これらに染色、抗菌消臭化処理、撥水撥油化処理、難燃化処理、漂白処理、柔軟化処理等を施すことができる。
図17は、ノズル24の配置の変形例の説明図である。同図に示す構成においては、糸16を複数列に配置する配列部50と、糸16に向けて塗料をスプレーするノズル24と、糸16と前記ノズルとの間で電場を発生させる電場発生部31と、を備える点については、上述の実施形態と同様である。しかしながら、図17に示す構成では、ノズル24が、糸16の長さ方向に沿う方向に複数並んで設けられると共に、糸16の並び方向に沿って複数列に並ぶように設けられる点が、上述の実施形態と相違する。このため、同図に示す構成例では、複数列に並べられた糸16に対し、所定距離を離した状態で、ノズル24が例えばn行m列(n及びmは2以上の整数)のマトリックス状に設けられることとなる。このような構成によれば、ノズル24から塗料が面状の領域からスプレーされることで、糸16に対し、より確実に塗料を付着させることができる。また、図17に示すようにノズル24をマトリックス状に配置する構成と、図1及び図3に示すようにノズル24を並べる構成とを組み合わせとすることで、更に効果的に塗料を付着できる構成としてもよい。
また、図17に示すマトリックス状に設けられたノズル24は、同図に示すようにノズル24から同図のZ方向に向けて塗料をスプレー(吐出)する構成のみならず、糸16の側方においてノズル24から同図のY方向に向けて塗料をスプレー(吐出)する構成とすることもできる。また、マトリックス状に設けられたノズル24を、図17に示すようにZ方向に向けて塗料をスプレー(吐出)する位置と、糸16の側方においてノズル24から同図のY方向に向けて塗料をスプレー(吐出)する位置との両方に配置する構成とすることもできる。
10 糸加工装置
11 糸送出し部
16 糸
24 ノズル
31 電場発生部
50 配列部

Claims (15)

  1. 糸を複数列に配置する配列部と、
    前記糸に向けて塗料をスプレーするノズルと、
    前記糸と前記ノズルとの間で電場を発生させる電場発生部と、
    を備えることを特徴とする糸加工装置。
  2. 請求項1記載の糸加工装置において、
    前記配列部は、
    一対のドラムと、
    前記糸の複数列の並び方向に、前記一対のドラムの間で前記糸を順繰りに巻き付ける位置を調節する位置調節部と、
    を備えることを特徴とする糸加工装置。
  3. 請求項2記載の糸加工装置において、
    前記位置調節部は、
    軸状に構成されて、前記一対のドラムにおける一のドラムに対して前記糸が巻きつけられる位置を所定ピッチ間隔で調節可能に構成された軸部材と、
    前記糸の端部を掴みながら前記一対のドラムの外周を通過するように移動することで、前記一対のドラムの外周に前記糸を巻きつける糸掴み部と、
    を備えることを特徴とする糸加工装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の糸加工装置において、
    前記糸の長さ方向に沿って前記ノズルが複数並んで設けられることを特徴とする糸加工装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の糸加工装置において、
    複数列に並ぶ前記糸の並び方向に沿って前記ノズルが複数並んで設けられることを特徴とする糸加工装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の糸加工装置において、
    前記電場発生部は、複数列の前記糸と接する位置に設けられ、前記糸の並び方向に沿って延在する電極を備えることを特徴とする糸加工装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の糸加工装置において、
    前記電場発生部は、前記糸の周囲に設けられ、前記電場の状態を制御するマスクを備えることを特徴とする糸加工装置。
  8. 請求項7記載の糸加工装置において、
    前記マスクは、導電性を有しており、
    前記電場発生部は、前記マスクに電圧を印加する電源部を備えることを特徴とする糸加工装置。
  9. 請求項7記載の糸加工装置において、
    前記マスクは、絶縁性を有していることを特徴とする糸加工装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の糸加工装置において、
    前記電場発生部は、前記糸に電解質溶液を接触させる液接触部と、前記糸から前記電解質溶液を絞る液絞り部と、を備えることを特徴とする糸加工装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の糸加工装置において、
    糸を送り出す送出し部と、
    前記送出し部から送り出された前記糸を巻き取る巻取り部と、
    前記ノズルおよび前記電場発生部を備えるスプレー部と、
    塗料がスプレーされた前記糸を乾燥させる乾燥部と、
    前記送出し部、前記巻取り部、前記スプレー部および前記乾燥部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記送出し部から前記巻取り部まで送られる前記糸に対して前記スプレー部および前記乾燥部の組が複数設けられることを特徴とする糸加工装置。
  12. 糸を複数列に配置する配列部と、
    前記糸に向けて塗料をスプレーするノズルと、
    前記糸と前記ノズルとの間で電場を発生させる電場発生部と、
    を備え、
    前記ノズルが、前記糸の長さ方向に沿う方向に複数並んで設けられると共に、前記糸の並び方向に沿って複数列に並ぶように設けられることを特徴とする糸加工装置。
  13. ノズルから糸に塗料をスプレーする糸加工方法であって、
    (a)前記糸を複数列に配置する工程と、
    (b)前記糸と前記ノズルとの間で電場を発生させる工程と、
    (c)電場が発生している状態で前記糸に向けて塗料をスプレーする工程と、
    を含むことを特徴とする糸加工方法。
  14. 請求項13記載の糸加工方法において、
    前記(a)工程では、前記糸の複数列の並び方向に、一対のドラムの間で前記糸を順繰りに巻き付けながら送って配置することを特徴とする糸加工方法。
  15. 請求項13または14記載の糸加工方法において、
    前記(b)工程では、前記糸の周囲に設けられるマスクによって前記電場の状態を調整することを特徴とする糸加工方法。
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