以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る収容装置10の正面側の斜視図である。図2は、図1に示す収容装置10の背面側の斜視図である。
収容装置10は、開口した袋11の収容部12に収容対象物13を収容するための装置であり、収容対象物13は、収容装置10によって、袋口を介して袋11内の収容部12に挿入及び配置される。
収容対象物13は、一対の挟持部材21によって挟まれて支持可能であれば限定されないが、特に全体の形及び姿勢が崩れやすい「別体の複数の部材」を収容対象物13が含む場合に、本実施形態の収容装置10は好適に適用可能である。収容対象物13を構成する「別体の複数の部材」は限定されず、典型的には、シート状の複数の部材や薄型の複数の物体(小袋等)が積み重ねられて収容対象物13が構成される。収容対象物13を構成する部材の具体的な数は特に限定されないが、典型的には数個〜数十個の部材が積み重ねられることで収容対象物13が構成される。
袋11は、包装機側の一対のグリッパー(図示省略)によって両側縁部が把持された状態で、図示の所定位置(収容処理位置)に配置される。そして一対の挟持部材21によって支持される収容対象物13が、袋11内の収容部12に配置される。収容対象物13が収容部12に配置された袋11は一対のグリッパーによって後段の処理ステーションに送られ、収容対象物13が収容されていない新たな袋11が収容処理位置に配置される。
収容装置10は、一対の挟持部材21、移動部24及び開閉部25を備える。一対の挟持部材21は、収容対象物13を挟んで支持するための部材であり、本例ではプレート部材によって一対の挟持部材21の各々が構成されている。
移動部24は、「一対の挟持部材21が袋11の外側に配置される第1の位置(図1及び図2及び後述の図5、図6及び図9参照)」と「一対の挟持部材21の少なくとも一部が袋11の内側に配置される第2の位置(後述の図7及び図8参照)」との間で、一対の挟持部材21を移動させることができる。一対の挟持部材21が収容対象物13を受け入れるための位置(受け入れ位置)が第1の位置に該当し、一対の挟持部材21によって収容対象物13を袋11内に収容するための位置(収容位置)が第2の位置に該当する。本例の移動部24は、一対の挟持部材21を回転させる回転部27と、一対の挟持部材21を鉛直方向Vへ並進させる並進部28とを有する。
本例では、第1の位置に配置される一対の挟持部材21の間のスペースは水平方向又は鉛直方向へ延在し、第2の位置に配置される一対の挟持部材21の間のスペースは鉛直方向へ延在する。第1の位置に配置される一対の挟持部材21の姿勢は、回転部27によって回転駆動されることによって、「一対の挟持部材21の間のスペース(すなわち挟持部材21の支持面)が水平方向へ延在する姿勢(図1及び図5参照)」と「一対の挟持部材21の間のスペース(すなわち挟持部材21の支持面)が鉛直方向へ延在する姿勢(後述の図6及び図9参照)」との間を移行する。第1の位置に配置されている一対の挟持部材21は、鉛直方向Vへ移動することなく回転部27によって回転され、「一対の挟持部材21の間のスペースが水平方向へ延在する姿勢」及び「一対の挟持部材21の間のスペースが鉛直方向へ延在する姿勢」をとることができる。なお「一対の挟持部材21の間のスペースが水平方向へ延在する姿勢をとる一対の挟持部材21」及び「一対の挟持部材21の間のスペースが鉛直方向へ延在する姿勢をとる一対の挟持部材21」は、いずれも「第1の位置に配置される一対の挟持部材21」に該当する。また一対の挟持部材21は「一対の挟持部材21の間のスペースが鉛直方向Vへ延在する姿勢」を保った状態で、並進部28によって鉛直方向Vへ直進させられ、第1の位置(図6参照)と第2の位置(図7及び図8参照)との間を移動する。
本例の回転部27は、第2回転モータ48によって構成され、この第2回転モータ48はスライドブロック67に固定され、スライドブロック67とともに鉛直方向Vへ移動する。第2回転モータ48のモータ軸48aは、スライドブロック67を貫通し、スライドブロック67に影響を及ぼすことなく軸回転することができる。モータ軸48aの先端部は、一対の挟持部材21に連結される多段階開閉ユニット33(第1エアシリンダ36)に接続及び固定されている。一対の挟持部材21には一対の挟持アーム22が連結され、一対の挟持アーム22は連結部材40を介して多段階開閉ユニット33(第1エアシリンダ36)に連結されている。すなわち多段階開閉ユニット33は、連結部材40及び一対の挟持アーム22を介して一対の挟持部材21に連結されている。したがって第2回転モータ48がモータ軸48aを回転させることにより、モータ軸48aに固定されている多段階開閉ユニット33が回転し、多段階開閉ユニット33に連結されている一対の連結部材40、一対の挟持アーム22及び一対の挟持部材21も多段階開閉ユニット33とともに回転する。
本例の並進部28は、第1回転モータ47、カバー66の内側に設けられ第1回転モータ47により回転されるボールねじ軸(図示せず)、及びボールねじ軸に係合するスライドブロック67を含む。カバー66はボールねじ軸を覆っており、カバー66の内側の空間においてボールねじ軸は回転自在に設けられている。第1回転モータ47がボールねじ軸を回転させることにより、ボールねじ軸の回転に応じてスライドブロック67が鉛直方向Vへ昇降し、スライドブロック67に連結されている多段階開閉ユニット33、一対の連結部材40、一対の挟持アーム22及び一対の挟持部材21もスライドブロック67とともに鉛直方向Vへ昇降する。なお第1回転モータ47及び第2回転モータ48は、後述の駆動制御部50(図3参照)によって制御される。一対の挟持部材21は、駆動制御部50の制御下で、第1回転モータ47の回転に応じて鉛直方向Vへ昇降移動する一方で、第2回転モータ48のモータ軸48aの回転に応じて鉛直方向Vと垂直を成す軸(本例では袋11の幅方向Wに延在する軸)を中心に回転する。
一方、開閉部25は、一対の挟持部材21の間隔を調整する。本例の開閉部25は、多段階開閉ユニット33及び付勢手段34を有する。
本例の多段階開閉ユニット33は、一対の挟持アーム22の間に配置される第1エアシリンダ36を含む。第1エアシリンダ36は、一対の挟持アーム22の一方を駆動するためのロッド37及び他方を駆動するためのロッド37を有し、これらの複数のロッド37は、それぞれ一対の挟持アーム22の各々に関して設けられる一対の連結部材40に固定される。一対の連結部材40は一対の挟持アーム22に固定され、各ロッド37は対応の連結部材40を介して対応の挟持アーム22に連結される。第1エアシリンダ36のシリンダ本体38は、複数のロッド37を突出可能に支持し、シリンダ本体38からのロッド37の突出量は調整可能である。一対の挟持アーム22の一方を駆動するためのロッド37及び他方を駆動するためのロッド37は、互いに対称的にシリンダ本体38からの進退動作を行い、一対の挟持部材21を広げる方向及び狭める方向へ移動する。なお多段階開閉ユニット33(第1エアシリンダ36)は、後述の駆動制御部50(図3)によって制御される。一対の連結部材40の間隔、一対の挟持アーム22の間隔及び一対の挟持部材21の間隔は、駆動制御部50の制御下で、第1エアシリンダ36のシリンダ本体38からのロッド37の突出量に応じて変えられる。
本例の付勢手段34は、一対の挟持アーム22の間に配置される第2エアシリンダ42を含む。第2エアシリンダ42は、ロッド43、シリンダ本体44、及びロッド43と一体的に設けられる押圧板45を有する。シリンダ本体44は一対の挟持部材21の一方に対して一体的に固定され、本例では当該一方の挟持部材21に連結される連結部材40に取り付けられる。ロッド43は他方の連結部材40に向かってシリンダ本体44から突出可能であり、ロッド43の先端には押圧板45が取り付けられている。押圧板45は、ロッド43の突出量に応じて、一対の連結部材40の他方に押し当てられる位置及び一対の連結部材40の他方から離間する位置に配置される。なお付勢手段34(第2エアシリンダ42)は、後述の駆動制御部50(図3)によって制御される。一対の連結部材40の間隔、一対の挟持アーム22の間隔及び一対の挟持部材21の間隔は、駆動制御部50の制御下で、第2エアシリンダ42のシリンダ本体44からのロッド43の突出量に応じて変えられる。
なお付勢手段34は、一対の挟持部材21の間隔を広げる方向へ一対の挟持部材21に力を作用させることができる任意の手段によって構成可能である。したがって、例えば付勢手段34を弾性体(例えばゴムやバネ等)によって構成することも可能である。一対の連結部材40の間に弾性体を配置し、当該弾性体を一対の連結部材40に接触させて、当該弾性体から各連結部材40に弾性力を加えることで、一対の挟持部材21に力を作用させてもよい。
本実施形態の収容装置10は、第1の位置に配置される一対の挟持部材21の間に収容対象物13を配置する供給部30を更に備える。本例の供給部30は、トレイ52、第3エアシリンダ53及び押し込み部材54を有する。
トレイ52は複数設けられ、複数のトレイ52が間欠的に移動し(本例では袋11の厚み方向Tへ移動し)、一対の挟持部材21と押し込み部材54との間に順次配置される。各トレイ52は、底面部と、当該底面部の対向縁部から当該底面部と90度を成す方向へ延在する側面部とを有し、これらの底面部及び側面部によってトレイ52の断面はコの字状(略U字状)に形成される。各トレイ52には、収容対象物13を構成する複数の部材が積み重ねられた状態で載せられる。したがって袋11の厚み方向Tに関し、トレイ52の断面サイズ(特に底面部の断面長さ)は、収容対象物13の断面長さとほぼ同じ長さか、収容対象物13の断面長さよりも僅かに大きいことが好ましい。この場合、トレイ52の側面部によって収容対象物13が規制され、収容対象物13を構成する複数の部材を鉛直方向Vへ適切な状態で積み重ねることができる。
第3エアシリンダ53は図示しない取り付け部材に固定されており、第3エアシリンダ53のロッド53aは、「一対の挟持部材21の間のスペースが水平方向へ延在する姿勢」をとる一対の挟持部材21の間のスペースに向かって突出する。第3エアシリンダ53のロッド53aの突出方向(本例では袋11の幅方向W)に関し、一対の挟持部材21の間のスペースと押し込み部材54との間には、トレイ52に載置された収容対象物13が配置される。押し込み部材54は、トレイ52のうちの収容対象物13が配置されるスペースをスムーズに進退することが可能な大きさを有する。したがって、第3エアシリンダ53のロッド53aが「一対の挟持部材21の間のスペースが水平方向へ延在する姿勢」をとる一対の挟持部材21の間のスペースに向かって突出することで、トレイ52に載置された収容対象物13が押し込み部材54に押されて一対の挟持部材21の間に配置される。このように本例の供給部30は、収容対象物13を構成する各部材が水平方向へ延在する状態で、一対の挟持部材21の間に収容対象物13を供給する。
なお形及び姿勢を崩さないように収容対象物13をトレイ52から一対の挟持部材21の間に移送させる観点からは、収容対象物13が収容されるトレイ52の載置面を、鉛直方向Vに関し、「一対の挟持部材21の間のスペースが水平方向へ延在する姿勢」をとる一対の挟持部材21のうちの鉛直方向Vの下方に配置される挟持部材21の載置面と同じ位置にするか、当該挟持部材21の載置面よりも僅かに高い位置にすることが好ましい。また収容装置10は、供給部30を必ずしも備える必要はなく、上述の供給部30の代わりに、例えば人手によって一対の挟持部材21の間に収容対象物13を配置してもよい。
また収容装置10は、袋11の袋口(開口部)の大きさ及び形状を規制する袋口規制部71を備える。本例の袋口規制部71は、図示しない架台上に固定されているスタンド62から鉛直方向Vへ突出可能な昇降軸61と、昇降軸61に対して開口ガイド取り付けブロック65を介し連結される第4エアシリンダ69と、第4エアシリンダ69の本体部から袋11の幅方向Wへ突出する一対の開口アーム58に取り付けられる一対の開口保持ガイド57とを有する。開口ガイド取り付けブロック65は、昇降軸61及び第4エアシリンダ69の各々に固定されている。
昇降軸61は、鉛直方向Vへ延在するスタンド62の中心軸線上に配置され、駆動制御部50によって鉛直方向Vへ昇降される。昇降軸61が昇降すると、昇降軸61に固定的に取り付けられている開口ガイド取り付けブロック65、第4エアシリンダ69、一対の開口アーム58及び一対の開口保持ガイド57も昇降軸61とともに昇降する。
スタンド62のうち鉛直方向Vに関して異なる2箇所には連結ブロック63が固定され、これらの連結ブロック63には鉛直方向Vへ延在する昇降モータ固定ブロック64が固定されている。したがってスタンド62と昇降モータ固定ブロック64とは連結ブロック63を介して連結されており、スタンド62及び昇降モータ固定ブロック64の相対位置は連結ブロック63によって固定されている。昇降モータ固定ブロック64にはスライドブロック67がスライド自在に取り付けられており、スライドブロック67は昇降モータ固定ブロック64に沿って鉛直方向Vへ昇降することができる。
一対の開口保持ガイド57はそれぞれ一対の開口アーム58の先端に固定的に取り付けられており、開口保持ガイド57同士は同じ構成を有する。各開口保持ガイド57は、底面部と、底面部の対向縁部から底面部と90度を成す方向へ延在する側面部とを有し、これらの底面部及び側面部によって各開口保持ガイド57の断面はコの字状(略U字状)に形成される。各開口保持ガイド57のうち断面外周側の周面は、袋11(収容部12)の内面と接触する面となる。各開口保持ガイド57の底面部の断面長さ(本例では袋11の厚み方向Tへの長さ)は、袋11の袋口の厚み方向Tへの長さを規定するため、収容対象物13の厚み(厚み方向Tへの長さ)よりも大きくなるように設定される。
第4エアシリンダ69のうち袋11の幅方向Wに関する両端面からはロッドとして機能する一対の開口アーム58が突出し、各開口アーム58の幅方向Wへの突出量は調整可能である。第4エアシリンダ69が作動すると、一対の開口アーム58は袋11の幅方向Wへ対称的に移動し、互いに離間する方向又は近接する方向へ移動する。なお第4エアシリンダ69は、後述の駆動制御部50(図3)によって制御される。一対の開口保持ガイド57の間隔は、駆動制御部50の制御下で、第4エアシリンダ69の本体部からの一対の開口アーム58の突出量に応じて変えられる。
図3は、駆動制御部50を示す機能ブロック図である。上述のように、駆動制御部50は、収容装置10を構成する各部が接続されており、各部を制御する。上述の例では、例えば移動部24(回転部27(第2回転モータ48)及び並進部28(第1回転モータ47))、開閉部25(多段階開閉ユニット33(第1エアシリンダ36)及び付勢手段34(第2エアシリンダ42))、供給部30(第3エアシリンダ53)及び袋口規制部71(第4エアシリンダ69及び昇降軸61)が駆動制御部50に接続されている。また収容装置10を構成する他の要素が駆動制御部50に接続されていてもよい。なお駆動制御部50は、一体的に設けられてもよいし、複数の制御ブロックが組み合わされて構成されていてもよい。また駆動制御部50に含まれる制御ブロックは、電気的な信号の送受信に基づいて各部を制御してもよいし、部材間の機械的な相関に基づいて各部を制御してもよい。また複数の制御ブロック間で情報(信号)の送受信を適宜行うことで、収容装置10を構成する各部が統合的に制御されてもよいし、複数の制御ブロック間で情報(信号)の送受信を行うことなく、収容装置10を構成する各部が制御されてもよい。
したがって、駆動制御部50と収容装置10を構成する各部とが一体的に設けられてもよく、収容装置10を構成する個々の要素に駆動制御部50が内蔵されていてもよい。そのため、例えば本実施形態の駆動制御部50及び移動部24の組み合わせを本発明における「移動部」として捉えてもよいし、駆動制御部50及び開閉部25の組み合わせを本発明における「開閉部」として捉えてもよいし、駆動制御部50及び供給部30の組み合わせを本発明における「供給部」として捉えてもよいし、駆動制御部50及び袋口規制部71の組み合わせを本発明における「袋口規制部」として捉えてもよい。
駆動制御部50は、後述の、トレイ52から一対の挟持部材21間へ収容対象物13を供給する工程、一対の挟持部材21により収容対象物13を挟んで支持する工程、一対の挟持部材21に支持された収容対象物13を袋11の収容部12に配置する工程、一対の挟持部材21による収容対象物13の支持を解除して収容部12に収容対象物13を収容する工程、及び一対の挟持部材21を収容対象物13の供給位置に復帰させる工程が連続的に行われるように、各部を制御する。
特に本実施形態の駆動制御部50は、一対の挟持部材21によって収容対象物13を確実に支持した後に袋11を傷つけることなく収容部12に配置し、また袋11を傷つけることなく袋11から一対の挟持部材21のみを抜き出すように、一対の挟持部材21の間隔を精度良く制御する。
図4は、一対の挟持部材21の間隔制御を説明するための図であり、一対の挟持部材21の断面を示す。図4(a)は、トレイ52から一対の挟持部材21間のスペースに収容対象物13が配置される際の一対の挟持部材21の状態(収容対象物受け入れ位置)を示す。図4(b)は収容対象物13を支持する際の一対の挟持部材21の状態(収容対象物挟持位置)を示す。図4(c)は、袋11の収容部12に収容対象物13が配置された後に、収容対象物13の支持を解除して袋11から抜き出される一対の挟持部材21の状態(収容対象物解放位置)を示す。なお図4(a)〜(c)では収容対象物13が点線によって示されている。
駆動制御部50は、開閉部25(特に多段階開閉ユニット33(第1エアシリンダ36)及び付勢手段34(第2エアシリンダ42))を制御し、一対の挟持部材21の間隔を、第1の間隔D1、第2の間隔D2及び第3の間隔D3に調整することができる。第1の間隔D1は、収容対象物13の厚み方向の大きさTaよりも大きい間隔である(図4(a)参照)。第2の間隔D2は、第1の間隔D1よりも小さく収容対象物13の厚み方向の大きさTa以下の間隔である(図4(b)参照)。第3の間隔D3は、第2の間隔D2よりも大きく収容部12の厚み方向の大きさTbよりも小さく収容対象物13の厚み方向の大きさTaよりも大きい間隔である(図4(c)参照)。
駆動制御部50は開閉部25を制御して、以下のように一対の挟持部材21の間隔を調整する。例えば、一対の挟持部材21の間に収容対象物13を配置する際には(特に本例では供給部30によって一対の挟持部材21の間に収容対象物13を配置する際には)、駆動制御部50は、一対の挟持部材21の間隔を第1の間隔D1に調整する(図4(a)参照)。また移動部24によって一対の挟持部材21が第1の位置(図6参照)から第2の位置(図7参照)に移動する際には、駆動制御部50は、一対の挟持部材21の間隔を第2の間隔D2に調整して、一対の挟持部材21によって収容対象物13を挟んで支持させる(図4(b)参照)。また移動部24によって一対の挟持部材21が第2の位置において収容対象物13の支持を解除する際には(図8参照)、駆動制御部50は一対の挟持部材21の間隔を第3の間隔D3に調整して、一対の挟持部材21による収容対象物13の支持を解除する(図4(c)参照)。
このような一対の挟持部材21の間隔の制御は、任意の駆動手段によって実現可能であり、例えばサーボモータ等の駆動手段によって開閉部25を構成することで、一対の挟持部材21の間隔を所望の間隔に調整することも可能である。ただしサーボモータ等の比較的複雑な構造を有する開閉部25は、制御態様が複雑化しやすく、重量も重くなって、高価になる傾向がある。一方、本実施形態の開閉部25は、多段階開閉ユニット33及び付勢手段34の組み合わせによって簡素に構成される。とりわけ上述のように第1エアシリンダ36及び第2エアシリンダ42の組み合わせによって開閉部25を構成することで、開閉部25の制御態様を非常にシンプルにでき、開閉部25全体の重量を軽くでき、比較的安価に開閉部25を製造できる。
多段階開閉ユニット33及び付勢手段34が組み合わされて構成される本実施形態の駆動制御部50は、具体的には以下のようにして一対の挟持部材21の間隔を調整する。すなわち駆動制御部50は、多段階開閉ユニット33によって一対の挟持部材21及び挟持アーム22の間隔を広げる方向へ一対の挟持部材21及び挟持アーム22に力を加えることで、一対の挟持部材21の間隔を第1の間隔D1(図4(a)参照)に調整することができる。また駆動制御部50は、付勢手段34によって一対の挟持部材21の間隔を広げる方向へ一対の挟持部材21に力を加えつつ、一対の挟持部材21の間隔を狭める方向へ多段階開閉ユニット33から一対の挟持部材21に加えられる力を、付勢手段34から一対の挟持部材21に加えられる力よりも小さくすることによって、一対の挟持部材21の間隔を第3の間隔D3(図4(c)参照)に調整することができる。また駆動制御部50は、一対の挟持部材21の間隔を広げる方向へ付勢手段34によって一対の挟持部材21に力を加えつつ、一対の挟持部材21を狭める方向へ多段階開閉ユニット33から一対の挟持部材21に加える力を、付勢手段34から一対の挟持部材21に加えられる力よりも大きくすることによって、一対の挟持部材21の間隔を第2の間隔D2に調整することができる。
上述のように、本実施形態における一対の挟持部材21の間隔の制御は、付勢手段34から一対の挟持部材21に加えられる力と多段階開閉ユニット33から一対の挟持部材21に加えられる力とを調整することで行われる。多段階開閉ユニット33は、一対の挟持部材21の間隔が最も大きい間隔である第1の間隔D1となるように一対の挟持部材21を移動させることができる一方で、一対の挟持部材21の間隔が最も小さい間隔である第2の間隔D2となるように一対の挟持部材21を移動させることができる。一方、付勢手段34は、一対の挟持部材21の間隔が第1の間隔D1と第2の間隔D2との間の中間的な大きさを有する第3の間隔D3となるように一対の挟持部材21を移動させることができる。
そして、多段階開閉ユニット33及び付勢手段34のうちの少なくともいずれか一方(本例では多段階開閉ユニット33)から一対の挟持部材21に作用させる力を可変として、多段階開閉ユニット33から一対の挟持部材21に加えられる力及び付勢手段34から一対の挟持部材21に加えられる力との関係を変えることで、一対の挟持部材21の間隔を簡単に調整することができる。特に、付勢手段34から一対の挟持部材21に力を及ぼすことが可能な一対の挟持部材21の間隔範囲を、多段階開閉ユニット33から一対の挟持部材21に力を及ぼすことができる一対の挟持部材21の間隔範囲よりも狭くすることで、中間的な大きさを有する第3の間隔D3に一対の挟持部材21の間隔を簡単に調整することができる。
上述の多段階開閉ユニット33(第1エアシリンダ36)は、シリンダ本体38からのロッド37の突出量に応じて、一対の挟持部材21に作用させる力を変えて一対の挟持部材21の間隔を調整する。したがって駆動制御部50は、多段階開閉ユニット33(第1エアシリンダ36)のロッド37のシリンダ本体38からの突出量を調整することで一対の挟持部材21の間隔を変えられる。この第1エアシリンダ36のロッド37の突出量は、「一対の挟持部材21の間隔を第1の間隔D1にするための第1の突出量」及び「一対の挟持部材21の間隔を第2の間隔D2にするための第2の突出量」に調整可能である。そのため一対の挟持部材21の間隔が少なくとも第1の間隔D1〜第2の間隔D2の範囲にある場合には、多段階開閉ユニット33(第1エアシリンダ36)は一対の挟持部材21に力を及ぼすことができる。
一方、上述の付勢手段34(第2エアシリンダ42)も、シリンダ本体44からのロッド43の突出量に応じて、一対の挟持部材21に作用させる力を変えて一対の挟持部材21の間隔を調整する。すなわち駆動制御部50は、付勢手段34(第2エアシリンダ42)のロッド43のシリンダ本体44からの突出量を調整することで一対の挟持部材21の間隔を変えられる。ただし、第2エアシリンダ42のロッド43の最大突出量は、「一対の挟持部材21の間隔を第3の間隔D3にするための第3の突出量」となっている。したがって一対の挟持部材21の間隔が第3の間隔D3以下の場合(本例では第2の間隔D2〜第3の間隔D3の範囲にある場合)、付勢手段34(第2エアシリンダ42)は一対の挟持部材21に力を及ぼすことができる。一方、一対の挟持部材21の間隔が第3の間隔D3よりも大きい場合(本例では第3の間隔D3〜第1の間隔D1の範囲にある場合)、付勢手段34(第2エアシリンダ42)は一対の挟持部材21に力を及ぼすことができず、一対の挟持部材21には多段階開閉ユニット33(第1エアシリンダ36)からの力のみが作用する。したがって少なくとも一対の挟持部材21の間隔を第3の間隔D3に調整する際に、付勢手段34(第2エアシリンダ42)のロッド43及び押圧板45によって一対の挟持部材21の他方が押圧される。
本例では、例えば一対の挟持部材21の間隔を第1の間隔D1に調整する場合(図4(a)参照)、第1エアシリンダ36から連結部材40及び一対の挟持アーム22を介して一対の挟持部材21に力を作用させて、一対の挟持部材21の間隔が広げられる。この際、第2エアシリンダ42の押圧板45と連結部材40とは離間し、第2エアシリンダ42から一対の挟持部材21には力が及ばないため、第2エアシリンダ42は作動状態であってもよいし、非作動状態であってもよい。
一方、一対の挟持部材21の間隔を第2の間隔D2に調整する場合(図4(b)参照)、第1エアシリンダ36から連結部材40及び一対の挟持アーム22を介して一対の挟持部材21に力を作用させて、一対の挟持部材21の間隔が狭められる。この際、一対の挟持部材21の間隔を狭める方向へ第1エアシリンダ36から一対の挟持部材21に作用させる力の方が、一対の挟持部材21の間隔を広げる方向へ第2エアシリンダ42から一対の挟持部材21に作用させる力よりも大きい。そのため第1エアシリンダ36からの力の方が第2エアシリンダ42からの力よりも優位に働き、第2エアシリンダ42の押圧板45が連結部材40に接触した状態で、一対の挟持部材21の間隔が第2の間隔D2に調整される。このように第1エアシリンダ36からの力の方が第2エアシリンダ42からの力よりも優位に働くため、第2エアシリンダ42は作動状態であってもよいし、非作動状態であってもよい。
また一対の挟持部材21の間隔を第3の間隔D3に調整する場合(図4(c)参照)、第2エアシリンダ42から連結部材40及び一対の挟持アーム22を介して一対の挟持部材21に力を作用させて、一対の挟持部材21の間隔が広げられる。この際、一対の挟持部材21の間隔を広げる方向へ第2エアシリンダ42から一対の挟持部材21に作用させる力の方が、一対の挟持部材21の間隔を狭める方向へ第1エアシリンダ36から一対の挟持部材21に作用させる力よりも大きい。そのため第2エアシリンダ42からの力の方が第1エアシリンダ36からの力よりも優位に働き、第2エアシリンダ42の押圧板45が連結部材40に接触した状態で、一対の挟持部材21の間隔が第3の間隔D3に調整される。このように第2エアシリンダ42からの力の方が第1エアシリンダ36からの力よりも優位に働くため、第1エアシリンダ36は作動状態であってもよいし、非作動状態であってもよい。
したがって、上述の第1エアシリンダ36(多段階開閉ユニット33)及び第2エアシリンダ42(付勢手段34)を組み合わせることで開閉部25を構成する場合、例えば以下のようにして一対の挟持部材21の開閉制御を行うことができる。
すなわち、一対の挟持部材21の間隔を第1の間隔D1、第2の間隔D2及び第3の間隔D3のいずれに調整する場合にも、第2エアシリンダ42を作動状態にしておき、第2エアシリンダ42のロッド43はシリンダ本体44から突出する方向へ駆動される。そして第1エアシリンダ36の作動状態及び非作動状態の切り換え、及び第1エアシリンダ36のロッド37の突出量の調整によって、一対の挟持部材21の間隔を第1の間隔D1、第2の間隔D2及び第3の間隔D3のうちの所望の間隔に調整できる。例えば一対の挟持部材21の間隔を第1の間隔D1に調整する場合には、第1エアシリンダ36のロッド37の突出量が対応の突出量に調整される。この場合、第1エアシリンダ36のロッド37の突出に要する力(本ケースでは突出力)の大きさは問わない。一方、一対の挟持部材21の間隔を第2の間隔D2に調整する場合には、第1エアシリンダ36のロッド37の突出量が対応の突出量に調整される。この場合、第1エアシリンダ36のロッド37の突出に要する力(本ケースでは引っ込み力)は、第2エアシリンダ42のロッド43の突出力よりも大きく設定される。一方、一対の挟持部材21の間隔を第3の間隔D3に調整する場合には、第1エアシリンダ36が非作動状態に置かれ、ロッド37がフリーの状態になる。この場合、第1エアシリンダ36から一対の挟持部材21には力が全く作用せず(或いはほとんど作用せず)、第1エアシリンダ36のシリンダ本体38からのロッド37の突出量は自在に変動し、一対の挟持部材21には第2エアシリンダ42からの力のみが作用する。
上述の一対の挟持部材21の開閉制御例は、多段階開閉ユニット33及び付勢手段34をエアシリンダによって構成することで簡単に実現可能である。例えば多段階開閉ユニット33(第1エアシリンダ36)及び付勢手段34(第2エアシリンダ42)を非作動状態とする場合には、エアシリンダのシリンダ内を大気に解放して大気圧にすればよい。また、第1エアシリンダ36のロッド37をシリンダ本体38から突出する方向へ動かしたりシリンダ本体38に向かう方向へ動かしたりするには、シリンダ内においてロッド37(すなわちピストンロッド)によって区画される部屋間の圧力の大小関係を切り換えればよい。また第1エアシリンダ36の出力パワーを第2エアシリンダ42の出力パワーよりも大きくするには、例えば第1エアシリンダ36及び第2エアシリンダ42に供給するエアの圧力(エア圧)が同じであっても、第1エアシリンダ36のシリンダ径(断面積)を第2エアシリンダ42のシリンダ径(断面積)よりも大きくすればよい。この場合、第1エアシリンダ36のロッド37がエアから受ける力の方が第2エアシリンダ42のロッド43がエアから受ける力よりも大きくなり、第1エアシリンダ36の出力パワーの方が第2エアシリンダ42の出力パワーよりも大きくなる。
上述のように多段階開閉ユニット33及び付勢手段34をエアシリンダによって構成する場合、多段階開閉ユニット33を構成する第1エアシリンダ36のロッド37のシリンダ本体38からの最大突出量は「一対の挟持部材21の間隔が第1の間隔D1となるような突出量」に設定される。また多段階開閉ユニット33を構成する第1エアシリンダ36のロッド37のシリンダ本体38からの最小突出量は「一対の挟持部材21の間隔が第2の間隔D2となるような突出量」に設定される。また付勢手段34を構成する第2エアシリンダ42のロッド43のシリンダ本体44からの最大突出量は「一対の挟持部材21の間隔が第3の間隔D3となるような突出量」に設定される。
なお多段階開閉ユニット33及び付勢手段34はエアシリンダ以外の手段によって実現されてもよく、例えばゴムやバネ等の弾性体を使って実現されてもよい。例えば弾性体(例えばゴム)によって付勢手段34を構成する場合、上述の開閉制御例に従って一対の挟持部材21の間隔を制御することができる。すなわち一対の挟持部材21の間隔を第1の間隔D1から第2の間隔D2に調整する場合、弾性体の付勢手段34は一対の挟持部材21によって圧縮されて弾性変形し、連結部材40間で潰された状態になる。また一対の挟持部材21の間隔を第2の間隔D2から第3の間隔D3に調整する際に、第1エアシリンダ36が非作動状態に切り換えられると、弾性体の付勢手段34は膨張して元の大きさに復元し、その復元力(弾性力)が一対の挟持部材21に加えられて一対の挟持部材21の間隔が第3の間隔D3まで広げられる。
次に、本例の収容装置10によって収容対象物13を袋11に収容する収容方法の一例について、図5〜9を参照して説明する。なお理解を容易にするために、図5〜9には収容装置10を構成する要素の一部の図示が省略されている図面が含まれる。
本例の収容方法は、一対の挟持部材21間に収容対象物13を配置する工程と、一対の挟持部材21によって収容対象物13を支持する工程と、収容対象物13を袋11内に配置する工程と、収容対象物13の支持を解除する工程と、一対の挟持部材21を供給位置に復帰させる工程と、を含む。これらの一連の工程は、駆動制御部50が収容装置10の各部を駆動制御することによって行われる。
図5は、一対の挟持部材21間に収容対象物13を配置する工程を説明するための収容装置10の斜視図である。
本工程では、収容対象物13の厚み方向Tの大きさよりも大きい第1の間隔D1を有する一対の挟持部材21間に収容対象物13が配置される(収容対象物供給工程)。具体的には、移動部24によって一対の挟持部材21が袋11の外側位置(第1の位置)に配置され、回転部27によって「一対の挟持部材21の間のスペースが水平方向へ延在する姿勢」となるように一対の挟持部材21の回転状態が調整される。そして、開閉部25によって一対の挟持部材21の間隔が第1の間隔D1に調整され(図4(a)参照)、第3エアシリンダ53はロッド53aを突出(伸張)させ、押し込み部材54によりトレイ52内の収容対象物13を押して一対の挟持部材21の間のスペースに収容対象物13が配置される。これにより収容対象物13は、鉛直方向Vに関して上下に配置される2つの挟持部材21のうち下方に配置される挟持部材21の上面に載せられる。なお、この状態では、収容対象物13は一対の挟持部材21によって支持されておらず、2つの挟持部材21のうちの上方に配置される挟持部材21の下面と収容対象物13とは離間している。
収容対象物13が一対の挟持部材21の間に配置される際、一対の挟持部材21同士(特に対向面(支持面)同士)は平行であってもよいし、非平行であってもよい。ただし収容対象物13をトレイ52から挟持部材21上にスムーズに移す観点から、「トレイ52における収容対象物13の載置面」と「挟持部材21(特に鉛直方向Vの下方の挟持部材21)における収容対象物13の載置面」とは平行であることが好ましい。
一方、昇降軸61及び第4エアシリンダ69が駆動制御部50によって制御され、袋11の開口(袋口)が袋口規制部71によって規制される(開口ガイド挿入工程)。すなわち一対の開口保持ガイド57の間隔が袋11の開口の幅方向Wに関する大きさよりも狭くなるように第4エアシリンダ69が一対の開口アーム58を駆動する。そして昇降軸61が鉛直方向Vに関して降下し、一対の開口保持ガイド57が袋11の開口を経て内側の収容部12に挿入され、昇降軸61の降下が停止される。そして第4エアシリンダ69が一対の開口アーム58を駆動して一対の開口保持ガイド57の間隔を広げ、一対の開口保持ガイド57によって内側から袋11を支持する。これにより袋11は幅方向Wへ張った状態となり、袋11のうち一対の開口保持ガイド57によって支持される部分(袋11の開口を含む)は、各開口保持ガイド57の断面の外形に応じた形状に整形され、袋11の開口状態が確保される。
そして、一対の挟持部材21間に収容対象物13を配置した状態で、一対の挟持部材21の間隔が第2の間隔D2に調整され(図4(b)参照)、一対の挟持部材21によって収容対象物13が挟まれて支持される。すなわち開閉部25が駆動制御部50によって制御され、一対の挟持部材21の間隔が狭められて、挟持部材21から収容対象物13に圧力を加えることで、収容対象物13を挟持部材21によって支持させる。このとき挟持部材21から収容対象物13に加えられる圧力は、収容対象物13が損傷しない程度且つ挟持部材21によって収容対象物13を支持可能な程度に設定される。後述のように(図6及び図7参照)、一対の挟持部材21間のスペースが鉛直方向Vへ延在する状態で、収容対象物13に作用する重力に抗して一対の挟持部材21が摩擦力等によって収容対象物13を支持できる程度の圧力が各挟持部材21から収容対象物13に加えられる。したがって挟持部材21から収容対象物13に加えられる圧力は、一対の挟持部材21及び収容対象物13の表面特性(表面形状や摩擦係数等)に応じて決められる。
図6は、袋11の収容部12に収容対象物13を配置する工程の前半を説明するための収容装置10の斜視図である。図7は、袋11の収容部12に収容対象物13を配置する工程の後半を説明するための収容装置10の斜視図である。
本工程において、移動部24は、収容対象物13を支持する一対の挟持部材21を移動して、一対の挟持部材21の少なくとも一部(本例では先端部)及び収容対象物13を袋11の収容部12に配置する。具体的には、第2回転モータ48が駆動制御部50により制御されてモータ軸48aを90°回転させて、一対の挟持部材21の姿勢を「一対の挟持部材21の間のスペース(すなわち挟持部材21の支持面)が水平方向へ延在する姿勢(図5参照)」から「一対の挟持部材21の間のスペース(すなわち挟持部材21の支持面)が鉛直方向Vへ延在する姿勢(図6参照)」に変更するように一対の挟持部材21が回転される。
そして第1回転モータ47が駆動制御部50により制御され、スライドブロック67が鉛直方向Vの下方へ移動され、スライドブロック67とともに移動する一対の挟持部材21及び収容対象物13が袋11の収容部12に挿入される(図7参照)。これにより収容対象物13は、整然とした配置状態(すなわち複数の部材が積み重ねられた状態)が保たれたまま、袋11内の収容部12に配置される。
図8は、収容対象物13の支持を解除する工程を説明するための収容装置10の斜視図である。
本工程では、開閉部25が駆動制御部50により制御され、一対の挟持部材21の少なくとも一部(本例では先端部)及び収容対象物13が収容部12に配置された状態で、一対の挟持部材21の間隔が第3の間隔D3に調整され(図4(c)参照)、一対の挟持部材21による収容対象物13の支持が解除される。これにより、収容対象物13は、袋11内の収容部12において、整然とした配置が保たれた状態で、一対の挟持部材21による支持が解除される。
第3の間隔D3は、一対の開口保持ガイド57によって規制された袋11の開口(袋口)の厚み方向Tに関する長さよりも小さい。そのため、一対の挟持部材21による収容対象物13の支持を解除する際に、一対の挟持部材21は袋11の内面に接触せず、或いは一対の挟持部材21が袋11の内面に接触しても一対の挟持部材21から袋11に対して過度の力は加えられない。このように、収容対象物13の支持を解除する際に一対の挟持部材21の間隔を第3の間隔D3に精度良く調整することで、袋11が一対の挟持部材21によって傷つけられることを効果的に防ぐことができる。
なお収容対象物13の支持が解除された後に収容対象物13(複数の部材)の配置が崩れることを防ぐ観点からは、袋11内の収容部12の底部に近い位置に収容対象物13を配置した状態で、一対の挟持部材21による収容対象物13の支持を解除することが好ましい。したがって本例では、一対の挟持部材21のうち袋11内への挿入側の先端に近い位置で収容対象物13を支持することが好ましい。
図9は、一対の挟持部材21を供給位置に復帰させる工程を説明するための収容装置10の斜視図である。
本工程では、並進部28が駆動制御部50により制御され、一対の挟持部材21が鉛直方向Vに関して上昇され、収容対象物13を袋11内の収容部12に残した状態で、一対の挟持部材21は、袋11内の位置(第2の位置)から袋11外の位置(第1の位置)に復帰する。そして回転部27が駆動制御部50により制御され、「一対の挟持部材21の間のスペースが鉛直方向Vへ延在する姿勢」から「一対の挟持部材21の間のスペースが水平方向へ延在する姿勢」をとるように一対の挟持部材21が回転される。これにより、一対の挟持部材21は初期位置(図1参照)に配置される。
なお一対の挟持部材21は、第3の間隔D3に調整された後(図8参照)に袋11内の位置から袋11外の位置に移動する間は、第3の間隔D3以下の間隔を有するが、袋11の内側から出た後から初期位置(供給位置)に至るまでの間はどのような間隔を有していてもよい。したがって一対の挟持部材21は、袋11の内側から出た後から初期位置(供給位置)に至るまでの間は、第3の間隔D3を有していてもよいし、第3の間隔D3よりも小さい間隔を有していてもよいし、第3の間隔D3よりも大きい間隔(例えば第1の間隔D1)を有していてもよい。例えば、一対の挟持部材21は、袋11内の位置(第2の位置)から初期位置(供給位置)に至るまでの間は第3の間隔D3を保持し、初期位置(供給位置)において第3の間隔D3から第1の間隔D1に広げられてもよい。また一対の挟持部材21は、袋11内の位置(第2の位置)から初期位置(供給位置)に至るまでの間における袋11外の所定の位置(第1の位置)若しくは所定の区間において、第3の間隔D3から第1の間隔D1に広げられてもよい。
そして、第4エアシリンダ69及び昇降軸61が駆動制御部50により制御され、一対の開口アーム58の間隔及び一対の開口保持ガイド57の間隔が狭められ、昇降軸61が鉛直方向Vの上側に向かってスタンド62から伸張(突出)され、一対の開口保持ガイド57が袋11外に移動される。そして、収容対象物13を収容する袋11は図示しないグリッパーによって後段に送られ、収容対象物13が収容されていない次の袋11が図1に示す処理位置に配置され、収容対象物13が載置された新たなトレイ52が押し込み部材54と一対の挟持部材21間のスペースとの間に配置され、上述の一連の工程(収容方法)が繰り返される。
以上説明したように本実施形態によれば、一対の挟持部材21間に収容対象物13を配置する際には、十分な大きさを有する第1の間隔D1に挟持部材21の間隔が調整されるため、一対の挟持部材21間に収容対象物13(複数の部材)を整然とした状態で適切に配置することができる。また一対の挟持部材21によって収容対象物13を支持させる際には、十分な小ささを有する第2の間隔D2に挟持部材21の間隔が調整されるため、一対の挟持部材21間において収容対象物13(複数の部材)を整然とした状態で適切に支持することができる。また一対の挟持部材21による収容対象物13の支持を解除する際には、一対の挟持部材21及び収容対象物13が袋11内に配置されている状態で、第1の間隔D1と第2の間隔D2との間の中間的な大きさの第3の間隔D3に一対の挟持部材21の間隔が調整される。これにより、袋11の収容部12に収容対象物13(複数の部材)を整然とした状態で配置しつつ、袋11内に位置する各挟持部材21を、袋11の内面に過度に接触させることなく退避させることができ、各挟持部材21による袋11の損傷を防いで不良袋の発生を抑制できる。
また上述の例では、第3の間隔D3が第2エアシリンダ42の押圧板45の位置によって定められるため、例えば押圧板45の位置や厚みを調整するだけで、第3の間隔D3の微調整を行うことができ、上述の収容装置10は非常に利便性が高い。
また上述の例のように2つのエアシリンダ(第1エアシリンダ36及び第2エアシリンダ42)を組み合わせて開閉部25を構成することにより、開閉部25を簡素且つ軽量に構成することができる。特に、第1回転モータ47及びボールねじ軸によってスライドブロック67を鉛直方向Vへ昇降させる構成では、重い物体を昇降させることが難しく、この点を踏まえると重量の大きいサーボモータなどを開閉部25に使用することはあまり好ましくない。一方、上述の例のように2つのエアシリンダを組み合わせて軽量の開閉部25を用いることによって、第1回転モータ47及びボールねじ軸によってスライドブロック67を鉛直方向Vへ高精度に昇降させることができる。
本発明は、上述の実施形態及び変形例に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形が加えられた各種態様も含みうるものであり、本発明によって奏される効果も上述の事項に限定されない。したがって、本発明の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲及び明細書に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。