JP2017165148A - 車両用シートシステム - Google Patents

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敦 小池
直樹 戸田
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Abstract

【課題】小型且つ簡素な構成によって着座者の着座姿勢を是正することができ、且つ着座姿勢に是正に起因するペダル操作性の低下を抑制することができる車両用シートシステムを提供する。
【解決手段】車両用シートシステム100は、シートパッド11をシート前後方向に周回状に覆い且つシートパッド上を周回方向に滑動可能な帯状中央片13を含むトリムカバー12によってシートパッドが覆われたシートクッション2を有するシート1と、周回方向に帯状中央片13を牽引可能な牽引部6と、牽引部6の動作を制御する制御部103と、を備え、制御部103は、着座者による車両操作ペダル104のペダル操作に所定の操作ストロークが保たれる場合に、牽引部6を動作させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、着座者の着座姿勢を是正することができる車両用シートシステムに関する。
自動車等の車両において、着座時間が比較的長時間に及ぶと、疲労やシート上での振動などによって着座者の骨盤が後傾し、前滑りを生じて、シートバック側に深く腰掛けた着座位置より前に着座する、いわゆる「浅座り」となる場合がある。
着座者が浅座りの状態で着座していると、シートベルトを装着していても、緊急時の慣性力によって、着座者の尻部がシートクッションに沈み込みながら前方に移動する尻滑り現象、いわゆるサブマリン現象に対してシートベルトが拘束性能を十分に発揮できず、有効に機能しない虞のあることが指摘されている。浅座り状態で着座している着座者を後方に移動させて、着座姿勢を是正するシートが知られている。
特許文献1に記載された車両用シートは、座面の圧力部分を検出するセンサを備え、座面の圧力分布から着座者の浅座りを検出すると、シートクッションを後方に移動させ、着座姿勢を是正する。
特許文献2に記載された車両用シートは、シートクッションを後方に移動させる替わりに、シートクッションのトリムカバーを後方に牽引して着座者の尻部をトリムカバーとともに後方に移動させ、着座姿勢を是正する。
実開平03−019345号公報 特開2008−018801号公報
特許文献1に記載された車両用シートのようにシートクッションそのものを後方に移動させる構成では、着座姿勢を是正するための構成が大型且つ複雑化する傾向にある。これに対して、特許文献2に記載された車両用シートのようにトリムカバーを牽引して着座者をトリムカバーとともに後方に移動させる構成では、着座姿勢を是正するための構成を小型且つ簡素化できる。
しかし、特許文献2に記載された車両用シートでは、トリムカバーの後端は巻き取り軸に固着されている。後端が固着されたトリムカバーを後方に牽引してその張力を増すためには、トリムカバーの前端も固定する必要がある。そして、トリムカバーの前端が固定されていると、トリムカバーの牽引量がトリムカバーの弛み及び伸長の範囲内に限定され、る。このため、浅座りが解消されるのに必要な着座者の尻部の移動距離に対してトリムカバーの牽引量が不足する虞がある。
また、特許文献2に記載された車両用シートが運転席に適用された場合に、トリムカバーが牽引されることに伴って着座者がトリムカバーとともに後方に移動された際に、ブレーキペダル及びアクセルペダルなどの車両操作ペダルを操作する着座者の脚が伸びてしまう虞がある。そして、車両操作ペダルを操作する着座者の脚が伸びてしまうと、ペダル操作に支障をきたす虞がある。
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、小型且つ簡素な構成によって着座者の着座姿勢を是正することができ、且つ着座姿勢に是正に起因するペダル操作性の低下を抑制することができる車両用シートシステムを提供することを目的としている。
本発明の一態様の車両用シートシステムは、シートパッドをシート前後方向に周回状に覆い且つ上記シートパッド上を周回方向に滑動可能な帯状中央片を含むトリムカバーによって上記シートパッドが覆われたシートクッションを有するシートと、上記シートクッションの座面側においてシート後方に向かう正周回方向及び座面側においてシート前方に向かう逆周回方向の両周回方向に上記帯状中央片を牽引可能な牽引部と、上記牽引部の動作を制御する制御部と、を備え、上記制御部は、上記シートに着座する着座者による車両操作ペダルのペダル操作に所定の操作ストロークが保たれる場合に、上記正周回方向に上記帯状中央片が牽引されるように上記牽引部を動作させる。
本発明によれば、小型且つ簡素な構成によって着座者の着座姿勢を是正することができ、且つ着座姿勢に是正に起因するペダル操作性の低下を抑制することができる車両用シートシステムを提供することができる。
本発明の実施形態を説明するための、車両用シートシステムに含まれるシートの一例の模式図である。 図1のシートの斜視図である。 図1のシートのシートクッションの断面図である。 図1のシートの動作を示す模式図である。 図1のシートの動作を示す模式図である。 図1のシートの動作を示す模式図である。 図1のシートの動作を示す模式図である。 図1のシートを含む車両用シートシステムの機能ブロック図である。 車両操作ペダルを操作する着座者の脚のペダル操作に伴う姿勢変化を示す模式図である。 車両操作ペダルを操作する着座者の脚のペダル操作に伴う姿勢変化を示す模式図である。 車両操作ペダルを操作する着座者の脚のペダル操作に伴う姿勢変化を示す模式図である。 車両操作ペダルの踏込量及び座面前部の負荷荷重とペダル操作の余裕代との関係を示すグラフである。 図6の車両用シートシステムの動作例を示す模式図である。 図6の車両用シートシステムの動作例を示す模式図である。 図6の車両用シートシステムの動作例を示す模式図である。 図6の車両用シートシステムの動作例を示す模式図である。 図6の車両用シートシステムの他の動作例を示す模式図である。 図6の車両用シートシステムの他の動作例を示す模式図である。 図6の車両用シートシステムの他の動作例を示す模式図である。 図6の車両用シートシステムの他の動作例を示す模式図である。 図6の車両用シートシステムの他の動作例を示す模式図である。 図6の車両用シートシステムの他の動作例を示す模式図である。 図6の車両用シートシステムの変形例の機能ブロック図である。 車両操作ペダルを操作する着座者の脚のペダル操作に伴う姿勢変化を示す模式図である。 車両操作ペダルを操作する着座者の脚のペダル操作に伴う姿勢変化を示す模式図である。 図6の車両用シートシステムの他の動作例を示す模式図である。 図6の車両用シートシステムの他の動作例を示す模式図である。 図1のシートの牽引部の構成例の斜視図である。 図15の牽引部の動作を示す模式図である。 図15の牽引部の動作を示す模式図である。 図1のシートの牽引部の他の構成例の斜視図である。 図17の牽引部の動作を示す模式図である。 図17の牽引部の動作を示す模式図である。 図17の牽引部の変形例の斜視図である。
図1から図3は、本発明の実施形態を説明するための、車両用シートシステムに含まれるシートの一例を示す。
シート1は、車両の運転席に設置されるシートであって、車両フロアに対するシート1の位置及び姿勢を調節可能とする調節部101を介して車両フロアに設置されている。シート1は、座面部分を構成するシートクッション2と、背もたれ部分を構成するシートバック3と、着座者をシートクッション2及びシートバック3に拘束するシートベルト4と、を備える。
シートベルト4は三点式シートベルトであって、シートベルト4のウェビング5は、肩から腰にかけて着座者の胸部に斜めに掛け渡され、且つ着座者の腰部を横切って掛け渡される。なお、シートベルト4は三点式シートベルトに限られず、二点式シートベルトであってもよいし、四点以上の多点式シートベルトであってもよい。
シートクッション2は、シートフレーム10と、シートフレーム10に載置されたシートパッド11と、シートパッド11を覆うトリムカバー12とを含む。
シートクッション2は、シート幅方向中央に配置されて着座者の尻部を支持するセンター部、及びセンター部の両側部にそれぞれ配置された一対のサイドサポート部の三つの部位に大略区分される。トリムカバー12は、シートクッション2のシート幅方向の部位区分に対応して、センター部を覆う帯状中央片13と、サイドサポート部をそれぞれ覆う側片14a,14bとで構成されている。
トリムカバー12の帯状中央片13は側片14a,14bから分離されている。そして、帯状中央片13は、シートクッション2のセンター部において、シートパッド11の座面側を覆い、さらにシート前方及び後方それぞれからシートパッド11の裏面側にまわり込んで延びており、シートパッド11をシート前後方向に周回状に覆っている。
シートパッド11と帯状中央片13との間にはシートパッド11に固定された隔離表皮15が配置されている。隔離表皮15は、摩擦抵抗が小さい布素材によって形成され、又は、帯状中央片13に接する表面にシリコーンなどの摩擦軽減剤が塗布あるいは浸透された適宜な布素材によって形成されている。帯状中央片13は隔離表皮15を介してシートパッド11上を周回方向に滑動可能とされている。
なお、帯状中央片13と接するシートパッド11の表面に摩擦軽減剤を塗布あるいは浸透させてもよく、この場合には、隔離表皮15を省略することができる。
シート1は、シートパッド11上で周回方向に滑動可能とされたトリムカバー12の帯状中央片13を周回方向両方向に牽引可能な牽引部6をさらに備える。牽引部6は、シート1を含む車両用シートシステムの制御部によって動作される。車両用シートシステムについては後述する。
図4に示すように、着座者が浅座りの状態でシート1に着座している際に、トリムカバー12の帯状中央片13が、座面側においてシート後方に向かう正周回方向(図中、矢印によって示される方向)に牽引部6によって牽引されると、着座者の尻部が帯状中央片13に引きずられて座面後部に移動される。これにより、着座者の浅座りが解消され、着座姿勢が是正される。
また、シート1に着座者が存在していない際に、トリムカバー12の帯状中央片13が、座面側においてシート前方に向かう逆周回方向(図中、矢印によって示される方向とは反対方向)に牽引部6によって牽引されることにより、正周回方向への帯状中央片13の牽引が再び可能となり、帯状中央片13の牽引による着座姿勢の是正が繰り返し利用可能となる。
シート1を支持する調節部101は、公知の電動スライド機構及び電動リフトアップ機構並びに電動チルト機構を含んで構成されており、調節部101によって支持されたシート1は、図5Aに示すように、電動スライド機構によってシートクッション2の車両フロアに対する車両前後方向の位置が調節可能であり、また、図5Bに示すように、電動リフトアップ機構によってシートクッション2の車両フロアに対する車両上下方向の位置が調節可能であり、また、図5Cに示すように、電動チルト機構によってシートクッション2の車両フロアに対する傾きが調節可能である。
図6は、シート1を含む車両用シートシステムの一例を示す。
車両用シートシステム100は、上述シート1と、シート1を支持する調節部101と、着座者の浅座りを検出する浅座り検出部102と、浅座り検出部102による着座者の浅座りの検出結果に基づいてシート1の牽引部6及び調節部101の動作を制御する制御部103と、車両操作ペダル104(図1参照)の踏込量を検出する踏込量検出部105と、着座者の車両操作ペダルを操作する脚の姿勢を検出する姿勢検出部106とを備える。
浅座り検出部102は、シート1の着座者の存否を検出する第1スイッチ110と、着座者の尻部の位置を検出する第2スイッチ111とで構成されている。第1スイッチ110及び第2スイッチ111は、荷重の負荷及び除荷に応じてオンオフされるスイッチであり、例えばメンブレンスイッチが好適に用いられる。
図2を参照して、第1スイッチ110は、シートクッション2のセンター部の座面後部からシート前後方向に延びて設けられている。第1スイッチ110は、シート1に着座者が存在しない場合に、オフ(非通電)状態に保持され、シート1に着座者が存在する場合には、着座者の着座姿勢が浅座りであるか否かにかかわらず着座者の尻部によって押圧されてオン(通電)状態に保持される。
第2スイッチ111は、シートクッション2のセンター部の座面後部にてシート幅方向に延びて設けられている。第2スイッチ111は、着座者の尻部が座面中央部から前寄りに配置されている場合に、オフ(非通電)状態に保持され、着座者の尻部が座面後部に配置されている場合には、着座者の尻部によって押圧されてオン(通電)状態に保持される。
浅座り検出部102は、第1スイッチ110がオン状態にあり且つ第2スイッチ111がオフ状態である場合に、即ちシート1に着座者が存在しており、着座者の尻部が座面中央部から前寄りに配置されている場合に、着座者の浅座りを検出する。そして、浅座り検出部102は、第1スイッチ110がオン状態にあり、且つ第2スイッチ111がオン状態である場合に、即ちシート1に着座者が存在しており、着座者の尻部が座面後部に配置されている場合に、着座者の浅座りが解消したことを検出する。
なお、浅座り検出部102は、圧力分布を測定可能な面圧センサによって構成されてもよい。この場合に、シートクッション2のセンター部の座面全体の圧力分布が面圧センサによって測定され、面圧センサの任意の領域に圧力が負荷されている場合にシート1における着座者の存在が検出され、且つ座面後部の圧力が座面中央部から前寄りの圧力に比べて低い場合に着座者の浅座りが検出される。
制御部103は、着座者の浅座りが浅座り検出部102によって検出された場合に、シート1の帯状中央片13が正周回方向に牽引されるように牽引部6を動作させる。上記のとおり、帯状中央片13が正周回方向に牽引部6によって牽引されることにより、着座者の尻部が帯状中央片13に引きずられて座面後部に移動され、着座者の浅座りが解消される。そして、制御部103は、着座者の浅座りが解消したことが浅座り検出部102によって検出された場合に、牽引部6の動作を停止させる。
制御部103は、帯状中央片13が正周回方向に牽引されるように牽引部6を動作させる際に、着座者による車両操作ペダル104のペダル操作に所定の操作ストロークが保たれるように調節部101を動作させる。
そして、制御部103は、調節部101を動作させるに際し、踏込量検出部105によって検出される踏込量及び姿勢検出部106によって検出される着座者の脚の姿勢に応じたペダル操作の余裕代を求め、この余裕代に基づき、ペダル操作に所定の操作ストロークが保たれるように調節部101を動作させる。ここで、ペダル操作の「余裕代」とは、上記所定の操作ストロークを超えた余剰の操作ストロークをいうものとする。
踏込量検出部105は、例えばポテンショメータによって構成される。ポテンショメータが車両操作ペダル104の回転軸に取り付けられ、ポテンショメータによって検出される車両操作ペダル104の回転角度に基づいて車両操作ペダル104の踏込量が検出される。なお、車両にアクセル開度センサやブレーキ開度センサが既設されている場合に、車両操作ペダル104としてのアクセルペダルやブレーキペダルの踏込量はアクセル開度センサやブレーキ開度センサから取得するようにしてもよい。
姿勢検出部106は、車両操作ペダル104を操作する着座者の脚の大腿部によって座面に負荷される荷重を検出する荷重検出部107を有する。図2を参照して、荷重検出部107は、面圧センサによって構成されており、シートクッション2のセンター部において着座者の脚の大腿部を支持する座面前部に設けられている。
図7Aから図7Cは、車両操作ペダル104を操作する着座者の脚のペダル操作に伴う姿勢変化を模式的に示し、図8は車両操作ペダル104の踏込量及び座面前部の負荷荷重とペダル操作の余裕代との関係を示す。
図7Aに示す状態では、着座者の脚の膝関節が屈曲されており、大腿部と座面前部との間に隙間が生じているものとする。この状態から車両操作ペダル104が踏み込まれた場合に、車両操作ペダル104の踏み込みに応じて膝関節が伸展され、併せて大腿部が股関節を支点に座面側に向けて揺動されて座面前部に接し、さらには、図7Bに示すように、大腿部が座面前部に押し付けられる。
また、図7Aに示す状態から着座者の尻部が座面後部側に移動された場合にも、尻部の移動に応じて膝関節が伸展され、併せて大腿部が股関節を支点に座面側に向けて揺動されて座面前部に接し、さらには図7Cに示すように、大腿部が座面前部に押し付けられる。
図7Aに示す状態での着座者のペダル操作の余裕代(所定の操作ストロークを超えた余剰の操作ストローク)をSTとして、図7Aに示す状態から車両操作ペダル104の踏み込みによって大腿部が座面前部に押し付けられた図7Bに示す状態での余裕代は、図7Aに示す状態での余裕代と同じSTである。一方、図7Aに示す状態から尻部が座面後部側に移動されることによって大腿部が座面前部に押し付けられた図7Cに示す状態での余裕代は、図7Aに示す状態での余裕代STよりも尻部の移動量だけ小さくなる。
なお、ここでは尻部の座面後部側への移動に伴って尻部の移動量と同一の量でペダル操作の余裕代が減少するものとしているが、尻部の移動量とペダル操作の減少量とが異なる場合もあり、尻部の移動量とペダル操作の減少量との関係は、例えば標準的な体格の被験者から収集される実験データに基づいて取得することができる。
着座者の脚の大腿部の座面前部に対する押し付けの強弱は、座面前部に負荷される荷重の大小に関連しており、図8に示すように、同一の車両操作ペダル104の踏込量で比較した場合(図7Aに示す状態と図7Cに示す状態とを比較した場合)に、負荷荷重が大きいほど余裕代は小さくなっており、負荷荷重が小さいほど余裕代は大きくなっている。また、同一の負荷荷重で比較した場合(図7Bに示す状態と図7Cに示す状態とを比較した場合)に、車両操作ペダル104の踏込量が大きいほど余裕代は大きくなっており、車両操作ペダル104の踏込量が小さいほど余裕代は小さくなっている。
制御部103は、踏込量検出部105によって検出された踏込量及び荷重検出部107によって検出された負荷荷重に基づき、図8に示した車両操作ペダル104の踏込量及び座面前部の負荷荷重とペダル操作の余裕代との関係を用いて、ペダル操作の余裕代を求める。そして、制御部103は、求めた余裕代に基づき、ペダル操作に所定の操作ストロークが保たれるように調節部101を動作させる。
なお、所定の操作ストロークは適宜設定でき、例えば車両操作ペダル104の最大踏込量とすることができる。また、図8に示した車両操作ペダル104の踏込量及び座面前部の負荷荷重とペダル操作の余裕代との関係は、例えば標準的な体格の被験者から収集される実験データに基づいて設定することができる。
図9Aから図9Dは、車両用シートシステム100の動作例を示す。
図9Aから図9Dに示す例は、調節部101に含まれる電動スライド機構によってシートクッション2の車両フロアに対する車両前後方向の位置を調節することにより、着座者のペダル操作に所定の操作ストロークを保つようにしたものである。
まず、図9Aに示すとおり、着座者が浅座りの状態で着座しており、着座者の尻部とシートバック3との間に80mmの隙間Gが生じているものとする。浅座り検出部102によって着座者の浅座りが検出される(ステップS1)。
浅座り検出部102によって着座者の浅座りが検出されると、踏込量検出部105によって検出された踏込量及び荷重検出部107によって検出された座面前部の負荷荷重に基づき、制御部103によって着座者のペダル操作の余裕代が求められる(ステップS2)。ここでは、余裕代は30mmであるものとする。
次に、図9Bに示すとおり、制御部103によってシート1の牽引部6が動作され、トリムカバー12の帯状中央片13が、ステップS1で求められた余裕代30mmだけ正周回方向に牽引される(ステップS3)。着座者の尻部もまた帯状中央片13に引きずられて座面後部側に30mmだけ移動される。
上記のとおり、着座者の尻部が座面後部側に移動されることに伴って余裕代は尻部の移動量だけ小さくなる。帯状中央片13が正周回方向に30mm牽引された状態では余裕代はなくなっており、着座者の脚の大腿部は座面前部に押し付けられている。一方、尻部とシートバック3との間には50mmの隙間Gが残っており、浅座り検出部102によって着座者の浅座りが依然として検出されている。
図9Cは、浅座り検出部102によって着座者の浅座りが解消したことが検出されるまで牽引部6が単独で引き続き動作され、帯状中央片13が、尻部とシートバック3との間に残る隙間50mm分、正周回方向に牽引された場合を示す。この場合には、着座者のペダル操作に残される操作ストロークは所定の操作ストロークに対して50mm不足し、ペダル操作に支障をきたす虞がある。
そこで、ステップS3で帯状中央片13が正周回方向に30mmだけ牽引されて余裕代が無くなった後は、浅座り検出部102によって着座者の浅座りが解消したことが検出されるまで牽引部6が引き続き動作され、併せて、着座者のペダル操作に所定の操作ストロークが保たれるように、制御部103によって調節部101が動作される。
図9Dに示すとおり、帯状中央片13が、着座者の尻部とシートバック3との間に残る隙間50mm分、正周回方向に牽引される。併せて、調節部101に含まれる電動スライド機構により、シートクッション2が車両前方に向けて50mm移動される(ステップS4)。
帯状中央片13が、着座者の尻部とシートバック3との間に残る隙間50mm分、正周回方向に牽引されることにより、尻部が座面後部に配置され、着座者の浅座りが解消される。また、シートクッション2が帯状中央片13の正周回方向への牽引量と等しい移動量Lで車両前方に向けて移動されることにより、尻部と車両操作ペダル104の位置関係が帯状中央片13の牽引の前後で変化せず、着座者のペダル操作に所定の操作ストロークが保たれる。
そして、浅座り検出部102によって着座者の浅座りが解消したことが検出され、制御部103によって牽引部6及び調節部101の動作が停止される(ステップS5)。
図10Aから図10Cは、車両用シートシステム100の他の動作例を示す。
図10Aから図10Cに示す例は、調節部101に含まれる電動リフトアップ機構によってシートクッション2の車両フロアに対する車両上下方向の位置を調節することにより、着座者のペダル操作に所定の操作ストロークを保つようにしたものである。
まず、図10Aに示すとおり、着座者が浅座りの状態で着座しており、着座者の尻部とシートバック3との間に80mmの隙間Gが生じているものとする。浅座り検出部102によって着座者の浅座りが検出される(ステップS11)。
浅座り検出部102によって着座者の浅座りが検出されると、踏込量検出部105によって検出された踏込量及び荷重検出部107によって検出された座面前部の負荷荷重に基づき、制御部103によって着座者のペダル操作の余裕代が求められる(ステップS12)。ここでは、余裕代は30mmであるものとする。
次に、図10Bに示すとおり、制御部103によってシート1の牽引部6が動作され、トリムカバー12の帯状中央片13が、ステップS11で求められた余裕代30mmだけ正周回方向に牽引される(ステップS13)。着座者の尻部もまた帯状中央片13に引きずられて座面後部側に30mmだけ移動される。
帯状中央片13が正周回方向に30mm牽引された状態では余裕代はなくなっており、着座者の脚の大腿部は座面前部に押し付けられている。一方、尻部とシートバック3との間には50mmの隙間Gが残っており、浅座り検出部102によって着座者の浅座りが依然として検出されている。
ステップS13で帯状中央片13が正周回方向に30mmだけ牽引されて余裕代が無くなった後は、浅座り検出部102によって着座者の浅座りが解消したことが検出されるまで牽引部6が引き続き動作され、併せて、着座者のペダル操作に所定の操作ストロークが保たれるように、制御部103によって調節部101が動作される。
図10Cに示すとおり、帯状中央片13が、着座者の尻部とシートバック3との間に残る隙間50mm分、正周回方向に牽引される。これにより、尻部が座面後部に配置され、着座者の浅座りが解消される。併せて、調節部101に含まれる電動リフトアップ機構により、シートクッション2が帯状中央片13の牽引量に応じた降下量Hで降下される。これにより、着座者の脚の大腿部の座面前部に対する押し付けが弱まり、着座者のペダル操作に所定の操作ストロークが保たれる。(ステップS14)。
帯状中央片13の正周回方向への牽引量とシートクッション2の降下量Hとの対応関係は、例えば標準的な体格の被験者から収集される実験データに基づいて設定することができる。
図11Aから図11Cは、車両用シートシステム100の他の動作例を示す。
図11Aから図11Cに示す例は、調節部101に含まれる電動チルト機構によってシートクッション2の車両フロアに対する傾きを調節することにより、着座者のペダル操作に所定の操作ストロークを保つようにしたものである。
まず、図11Aに示すとおり、着座者が浅座りの状態で着座しており、着座者の尻部とシートバック3との間に80mmの隙間Gが生じているものとする。浅座り検出部102によって着座者の浅座りが検出される(ステップS21)。
浅座り検出部102によって着座者の浅座りが検出されると、踏込量検出部105によって検出された踏込量及び荷重検出部107によって検出された座面前部の負荷荷重に基づき、制御部103によって着座者のペダル操作の余裕代が求められる(ステップS22)。ここでは、余裕代は30mmであるものとする。
次に、図11Bに示すとおり、制御部103によってシート1の牽引部6が動作され、トリムカバー12の帯状中央片13が、ステップS11で求められた余裕代30mmだけ正周回方向に牽引される(ステップS23)。着座者の尻部もまた帯状中央片13に引きずられて座面後部側に30mmだけ移動される。
帯状中央片13が正周回方向に30mm牽引された状態では余裕代はなくなっており、着座者の脚の大腿部は座面前部に押し付けられている。一方、尻部とシートバック3との間には50mmの隙間Gが残っており、浅座り検出部102によって着座者の浅座りが依然として検出されている。
ステップS23で帯状中央片13が正周回方向に30mmだけ牽引されて余裕代が無くなった後は、浅座り検出部102によって着座者の浅座りが解消したことが検出されるまで牽引部6が引き続き動作され、併せて、着座者のペダル操作に所定の操作ストロークが保たれるように、制御部103によって調節部101が動作される。
図11Cに示すとおり、帯状中央片13が、着座者の尻部とシートバック3との間に残る隙間50mm分、正周回方向に牽引される。これにより、尻部が座面後部に配置され、着座者の浅座りが解消される。併せて、調節部101に含まれる電動チルト機構により、シートクッション2が、帯状中央片13の牽引量に応じた回転量θで、座面前端が降下する向きに傾けられる。これにより、着座者の脚の大腿部の座面前部に対する押し付けが弱まり、着座者のペダル操作に所定の操作ストロークが保たれる。(ステップS25)。
帯状中央片13の正周回方向への牽引量とシートクッション2を傾ける回転量θとの対応関係は、例えば標準的な体格の被験者から収集される実験データに基づいて設定することができる。
このように、車両用シートシステム100では、着座者の尻部に接するシートクッション2のトリムカバー12の帯状中央片13を牽引することによって尻部を座面後部側に移動させ、これにより着座者の浅座りを解消しており、着座者の着座姿勢を是正するためにシートクッション2そのものを移動させる場合に比べて、着座姿勢を是正するための構成を小型且つ簡素化することができる。
そして、帯状中央片13を牽引する牽引部6を動作させる際に、電動スライド機構及び電動リフトアップ機構並びに電動チルト機構を含む調節部101を動作させることにより、着座者のペダル操作に所定の操作ストロークを保つので、着座姿勢が是正されるのに起因したペダル操作性の低下を抑制することができる。
なお、以上の動作例では、調節部101の電動スライド機構及び電動リフトアップ機構並びに電動チルト機構のいずれか一つの機構が動作されることにより、着座者のペダル操作に所定の操作ストロークが保たれているが、複数の機構を組み合わせて動作させてもよい。複数の機構を組み合わせて動作させることにより、着座者のペダル操作に所定の操作ストロークを保つための調節の幅を広げることができ、また、個々の機構の動作量を小さくして調節に要する時間を短縮することができる。
また、以上の動作例では、牽引部6が動作される直前の着座者のペダル操作の余裕代が牽引部6による帯状中央片13の牽引に伴って無くなり、その後に調節部101が動作されているが、牽引部6が動作される直前の余裕代が維持されるように、牽引部6の動作開始時点から調節部101が動作されてもよい。牽引部6が動作される直前の余裕代を維持することによってペダル操作性も維持することができる。
また、以上の動作例では、浅座り検出部102によって着座者の浅座りが検出された際に着座者のペダル操作の余裕代が有るものとして説明したが、浅座り検出部102によって着座者の浅座りが検出された際に着座者のペダル操作の余裕代が無い場合も想定される。ペダル操作の余裕代が無い場合には、牽引部6を動作させないようにしてもよい。そして、ペダル操作の余裕代が無い場合には、まず調節部101のみを動作させて着座者のペダル操作に所定の操作ストロークを確保し、ペダル操作に所定の操作ストロークが確保された後に、牽引部6を動作させ、併せて所定の操作ストロークが保たれるように調節部101を動作させるようにしてもよい。
図12は、上述した車両用シートシステム100の変形例を示す。
図12に示す例では、姿勢検出部106は、車両操作ペダル104を操作する着座者の脚の踵と車両操作ペダル104との間の距離を検出する距離検出部108をさらに有し、制御部103は、踏込量検出部105によって検出される車両操作ペダル104の踏込量、及び荷重検出部107によって検出される座面前部の負荷荷重、並びに距離検出部108によって検出される踵と車両操作ペダル104との間の距離に基づき、着座者のペダル操作の余裕代を求める。
距離検出部108は、例えば面圧センサによって構成される。面圧センサが車両操作ペダル104の近傍にて車両フロアに設けられ、面圧センサによって検出される圧力分布に基づき、車両操作ペダル104を操作する着座者の脚の踵の位置が検出される。そして、その際の車両操作ペダル104の踏込量との関係から踵と車両操作ペダル104との間の距離Dが検出される。
図13A及び図13Bに示すように、車両操作ペダル104の操作は足首関節の屈伸によっても可能であるところ、足首関節の屈伸状態によって操作可能量は変化し、足首関節が屈曲されているほど操作可能量は大きくなり、足首関節が伸展されているほど操作量は小さくなる。そして、足首関節の屈伸状態は、踵と車両操作ペダル104との間の距離に関連しており、踵と車両操作ペダル104との間の距離Dが小さいほど足首関節は屈曲された状態にあり、踵と車両操作ペダル104との間の距離Dが大きいほど足首関節は伸展された状態にある。
同一の車両操作ペダル104の踏込量及び同一の座面前部の負荷荷重で比較した場合に、踵と車両操作ペダル104との間の距離Dが小さいほど、即ち足首関節が屈曲されているほど余裕代は大きく、踵と車両操作ペダル104との間の距離Dが大きい、即ち足首関節が伸展されているほど余裕代は小さい。
踏込量検出部105によって検出される車両操作ペダル104の踏込量、及び荷重検出部107によって検出される座面前部の負荷荷重、並びに距離検出部108によって検出される踵と車両操作ペダル104との間の距離に基づき、着座者のペダル操作の余裕代を求めることにより、余裕代の確度を高めることができ、着座姿勢が是正されるのに起因したペダル操作性の低下を一層抑制することができる。
なお、急ブレーキ時等、減速度が生じた際、減速度による乗員の慣性力が帯状中央片13の座面側と着座者の衣服との摩擦力より大きくなった場合、帯状中央片13の座面側と着座者との間で滑動が生じ、着座者を座面後部側に移動できない場合も想定される。しかし、そのような場合は、例えば、シート又は車体に加速度センサを設定し、加速度センサで検知した減速度が、所定の値を超えた場合(減速度による着座者の慣性力が帯状中央片13の座面側と着座者の衣服との摩擦力より大きくなるような場合)に、図14A及び図14Bに示すように、ペダル操作の余裕代にかかわらず、シートを車両前方へ向けて移動させることにより、着座者の尻部とシートベルトの固定点(ベルトバックル)16との車両前後方向の距離Dが小さくでき、着座者の拘束性能を高めることができる。
以下、シート1の牽引部6の構成について説明する。
図15は、シート1の牽引部6の構成例を示す。
図15に示す例では、牽引部6は、シートパッド11の裏面側でトリムカバー12の帯状中央片13の前端部13aと後端部13bとの間に架け渡された連結体30と、連結体30をシート前後方向に駆動する駆動部31と、駆動部31を支持するベースブラケット32とを含む。ベースブラケット32は、シートクッション2において不動な構造部品(例えばシートフレーム10)に固定される。
帯状中央片13の前端部13aには第1の連結ブラケット33が取り付けられており、後端部13bには第2の連結ブラケット34が取り付けられている。連結体30は、第1の連結ブラケット33及び第2の連結ブラケット34にそれぞれ接続され、帯状中央片13の前端部13aと後端部13bとの間に架け渡されている。連結体30は、例えば棒材などの剛性の高い部材であり、帯状中央片13のシート前後方向に延びる中心線Cに対してシート幅方向一方側に偏倚して配置されている。
ベースブラケット32には、第2の連結ブラケット34と係合するガイド部が設けられている。ガイド部は、シート前後方向に延びる平行な一対のスリット35によって構成されており、第2の連結ブラケット34は一対のスリット35によってシート前後方向にガイドされている。なお、ベースブラケット32のガイド部は、第1の連結ブラケット33をシート前後方向にガイドするものであってもよい。
駆動部31は、アクチュエータ36と、アクチュエータ36の出力を連結体30に伝達するリンク37とを有する。
アクチュエータ36は、例えばモータと、モータの回転を直動に変換して出力する出力部36aとを含み、シート前後方向の変位を出力可能に構成されている。モータの回転を直動に変換する機構としては、ラックアンドピニオン機構を例示することができる。アクチュエータ36(詳細には出力部36a)は、中心線Cに対して連結体30とは反対側に偏倚して配置されている。
リンク37は、図示の例では、ベースブラケット32に揺動可能に支持されたアームによって構成されており、一方の端部はアクチュエータ36の出力部36aに接続され、他方の端部は連結体30に接続されており、揺動支点37aは、アクチュエータ36の出力部36aに接続された力点37bと、連結体30に接続された作用点37cとの間に配置されている。揺動支点37aと作用点37cとの間の距離は揺動支点37aと力点37bとの間の距離よりも大きく、力点37bに入力されるアクチュエータ36のシート前後方向の変位はリンク37によって増幅されて連結体30に伝達される。
図16A及び図16Bは、図15に示した牽引部6の動作を示す。
着座者の着座姿勢を是正するための制御部103による制御のもとで牽引部6が動作される前において、図16Aに示すように、トリムカバー12の帯状中央片13の後端部13bに取り付けられている第2の連結ブラケット34は、ベースブラケット32の一対のスリット35の後端部に配置されている。
制御部103によって牽引部6が動作されると、図16Bに示すように、駆動部31のアクチュエータ36の出力部36aがシート後方に向けて変位される。出力部36aの変位はリンク37によって連結体30に伝達され、連結体30はシート前方に向けて移動される。
そして、連結体30のシート前方への移動に伴い、連結体30が接続されている第2の連結ブラケット34もまたシート前方に向けて移動され、第2の連結ブラケット34が取り付けられている帯状中央片13の後端部13bはシートパッド11の裏面側においてシート前方に向けて牽引される。これにより、帯状中央片13が正周回方向に牽引される。これにより、図4に示したように、着座者の尻部が帯状中央片13に引きずられて座面後部に移動され、着座者の着座姿勢が是正される。
このように、シート1では、シートパッド11をシート前後方向に周回状に覆う帯状中央片13をシートパッド11上で周回方向に滑動させて着座者の着座姿勢を是正しており、シートクッション2そのものを後方に移動させる場合に比べて構成を小型且つ簡素化でき、また、帯状中央片13の弛みや伸長の範囲内で移動させる場合に比べて帯状中央片13の移動量を拡大でき、着座者の着座姿勢をより確実に是正することができる。
さらに、帯状中央片13のシート前後方向に延びる中心線Cに対して連結体30をシート幅方向一方側に偏倚して配置し、駆動部31のアクチュエータ36をシート幅方向他方側に偏倚して配置し、アクチュエータ36の出力をリンク37によって増幅して連結体30に伝達しており、アクチュエータ36を小型化して牽引部6を一層小型化することができる。
また、連結体30が帯状中央片13のシート前後方向に延びる中心線Cに対してシート幅方向一方側に偏倚して配置されていることに起因して帯状中央片13の牽引が中心線Cに関して非対称となるが、第2の連結ブラケット34をベースブラケット32の一対のスリット35によってシート前後方向にガイドしており、牽引に伴う帯状中央片13の傾きを防止することができる。
図17は、牽引部6の他の構成例を示す。
図17に示す例では、牽引部6は、シートパッド11の裏面側でトリムカバー12の帯状中央片13の前端部13aと後端部13bとの間に架け渡された連結体40と、連結体40をシート前後方向に駆動する駆動部41とを含む。駆動部41は、シートクッション2において不動な構造部品(例えばシートフレーム10)に固定されるベースブラケット42に支持されている。
帯状中央片13の前端部13aには第1の連結ブラケット43が取り付けられており、後端部13bには第2の連結ブラケット44が取り付けられている。連結体40は、第1の連結ブラケット43及び第2の連結ブラケット44にそれぞれ接続され、帯状中央片13の前端部13aと後端部13bとの間に架け渡されている。連結体40は、ケーブルなどの柔軟な部材であり、帯状中央片13のシート前後方向に延びる中心線Cに対してシート幅方向一方側に偏倚して配置されている。
駆動部41は、モータ(不図示)と、モータの出力軸に固定されたプーリ47とを有する。連結体40はプーリ47に巻回されており、連結体40の両端がプーリ47からそれぞれ引き出されて第1の連結ブラケット43及び第2の連結ブラケット44にそれぞれ接続されている。プーリ47の回転に伴い、連結体40の一端側がプーリ47に巻き取られ、他端側はプーリ47から繰り出される。
図18A及び図18Bは、図17に示した牽引部6の動作を示す。
着座者の着座姿勢を是正するための制御部103による制御のもとで牽引部6が動作される前において、図18Aに示すように、トリムカバー12の帯状中央片13の後端部13bに取り付けられている第2の連結ブラケット44は、ベースブラケット42の一対のスリット45の後端部に配置されている。
制御部103によって牽引部6が動作されると、図18Bに示すように、駆動部41のモータによってプーリ47が回転されて、連結体40の第2の連結ブラケット44側の端部がプーリ47に巻き取られると共に第1の連結ブラケット43側の端部がプーリ47から繰り出され、連結体40は全体としてシート前方に向けて移動される。
そして、連結体40のシート前方への移動に伴い、連結体40が接続されている第2の連結ブラケット44もまたシート前方に向けて移動され、第2の連結ブラケット44が取り付けられている帯状中央片13の後端部13bはシートパッド11の裏面側においてシート前方に向けて牽引される。これにより、帯状中央片13が正周回方向に牽引される。これにより、図4に示したように、着座者の尻部が帯状中央片13に引きずられて座面後部に移動され、着座者の着座姿勢が是正される。
本例においても、連結体40が帯状中央片13のシート前後方向に延びる中心線Cに対してシート幅方向一方側に偏倚して配置されていることに起因して帯状中央片13の牽引が中心線Cに関して非対称となるが、第2の連結ブラケット44をベースブラケット42の一対のスリット45によってシート前後方向にガイドしており、牽引に伴う帯状中央片13の傾きが防止される。
図19は、図17に示した牽引部6の変形例を示す。
図19に示す例は、連結体40を帯状中央片13のシート前後方向に延びる中心線C上に配置し、第2の連結ブラケット44をシート前後方向にガイドする一対のスリット45を省略したものである。連結体40が中心線C上に配置されていることから、帯状中央片13の牽引が中心線Cに関して対称となり、ベースブラケット42の一対のスリット45によって第2の連結ブラケット44をシート前後方向にガイドしなくとも、牽引に伴う帯状中央片13の傾きを抑制することができる。これにより、一対のスリット45を省略して牽引部6の構成を一層簡素化することができる。
無論、連結体40が帯状中央片13のシート前後方向に延びる中心線C上に配置された図19に示す例においても、ベースブラケット42に一対のスリット45を設け、第2の連結ブラケット44を一対のスリット45によってシート前後方向にガイドするようにしてもよい。
1 シート
2 シートクッション
3 シートバック
4 シートベルト
5 ウェビング
6 牽引部
10 シートフレーム
11 シートパッド
12 トリムカバー
13 帯状中央片
13a 前端部
13b 後端部
14a 側片
14b 側片
15 隔離表皮
16 ベルトバックル
30 連結体
31 駆動部
32 ベースブラケット
33 第1の連結ブラケット
34 第2の連結ブラケット
35 スリット
36 アクチュエータ
36a 出力部
37 リンク
37a 揺動支点
37b 力点
37c 作用点
40 連結体
41 駆動部
42 ベースブラケット
43 第1の連結ブラケット
44 第2の連結ブラケット
45 スリット
47 プーリ
100 車両用シートシステム
101 調節部
102 浅座り検出部
103 制御部
104 車両操作ペダル
105 踏込量検出部
106 姿勢検出部
107 荷重検出部
108 距離検出部
110 第1スイッチ
111 第2スイッチ

Claims (14)

  1. シートパッドをシート前後方向に周回状に覆い且つ前記シートパッド上を周回方向に滑動可能な帯状中央片を含むトリムカバーによって前記シートパッドが覆われたシートクッションを有するシートと、
    前記シートクッションの座面側においてシート後方に向かう正周回方向及び座面側においてシート前方に向かう逆周回方向の両周回方向に前記帯状中央片を牽引可能な牽引部と、
    前記牽引部及の動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記シートに着座する着座者による車両操作ペダルのペダル操作に所定の操作ストロークが保たれる場合に、前記正周回方向に前記帯状中央片が牽引されるように前記牽引部を動作させる車両用シートシステム。
  2. 請求項1記載の車両用シートシステムであって、
    前記車両操作ペダルの踏込量を検出する踏込量検出部と、
    前記着座者の前記車両操作ペダルを操作する脚の姿勢を検出する姿勢検出部と、
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記踏込量検出部によって検出される踏込量及び前記姿勢検出部によって検出される脚の姿勢に応じたペダル操作の余裕代を求め、前記余裕代に基づいて前記牽引部を動作させる車両用シートシステム。
  3. 請求項2記載の車両用シートシステムであって、
    前記制御部は、前記余裕代が有る場合にのみ前記牽引部を動作させる車両用シートシステム。
  4. 請求項2又は3記載の車両用シートシステムであって、
    前記姿勢検出部は、前記シートクッションの座面において前記着座者の脚の大腿を支持する領域に負荷される荷重を検出する荷重検出部を含み、
    前記制御部は、前記踏込量検出部によって検出される踏込量、及び前記荷重検出部によって検出される荷重に基づき、前記余裕代を求める車両用シートシステム。
  5. 請求項4記載の車両用シートシステムであって、
    前記姿勢検出部は、前記着座者の脚の踵と前記車両操作ペダルとの間の距離を検出する距離検出部をさらに含み、
    前記制御部は、前記踏込量検出部によって検出される踏込量、及び前記荷重検出部によって検出される荷重、並びに前記距離検出部によって検出される距離に基づき、前記余裕代を求める車両用シートシステム。
  6. 請求項1記載の車両用シートシステムであって、
    前記シートクッションの車両フロアに対する車両前後方向の位置、及び車両上下方向の位置、並びに傾きの少なくとも一つを調節可能であり、前記制御部によって動作を制御される調節部をさらに備え、
    前記制御部は、前記正周回方向に前記帯状中央片が牽引されるように前記牽引部を動作させる際に、前記シートに着座する着座者による車両操作ペダルのペダル操作に所定の操作ストロークが保たれるように前記調節部を動作させる車両用シートシステム。
  7. 請求項6記載の車両用シートシステムであって、
    前記車両操作ペダルの踏込量を検出する踏込量検出部と、
    前記着座者の前記車両操作ペダルを操作する脚の姿勢を検出する姿勢検出部と、
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記踏込量検出部によって検出される踏込量及び前記姿勢検出部によって検出される脚の姿勢に応じたペダル操作の余裕代を求め、前記余裕代に基づいて前記牽引部及び前記調節部を動作させる車両用シートシステム。
  8. 請求項7記載の車両用シートシステムであって、
    前記制御部は、前記余裕代が無い場合に前記調節部を動作させる車両用シートシステム。
  9. 請求項7記載の車両用シートシステムであって、
    前記制御部は、前記牽引部が動作される直前の前記余裕代が維持されるように前記調節部を動作させる車両用シートシステム。
  10. 請求項7から9のいずれか一項記載の車両用シートシステムであって、
    前記制御部は、前記余裕代が有る場合にのみ前記牽引部を動作させる車両用シートシステム。
  11. 請求項7から10のいずれか一項記載の車両用シートシステムであって、
    前記姿勢検出部は、前記シートクッションの座面において前記着座者の脚の大腿を支持する領域に負荷される荷重を検出する荷重検出部を含み、
    前記制御部は、前記踏込量検出部によって検出される踏込量、及び前記荷重検出部によって検出される荷重に基づき、前記余裕代を求める車両用シートシステム。
  12. 請求項11記載の車両用シートシステムであって、
    前記姿勢検出部は、前記着座者の脚の踵と前記車両操作ペダルとの間の距離を検出する距離検出部をさらに含み、
    前記制御部は、前記踏込量検出部によって検出される踏込量、及び前記荷重検出部によって検出される荷重、並びに前記距離検出部によって検出される距離に基づき、前記余裕代を求める車両用シートシステム。
  13. 請求項1から12のいずれか一項記載の車両用シートシステムであって、
    前記着座者の浅座りを検出する浅座り検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記浅座り検出部によって浅座りが検出されている場合に、前記牽引部を動作させる車両用シートシステム。
  14. 請求項7から12のいずれか一項記載の車両用シートシステムであって、
    前記着座者の浅座りを検出する浅座り検出部と、
    車両又は前記シートに作用する加速度を検出する加速度センサと、
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記加速度センサによって検出される減速度が所定の値を超え、且つ前記浅座り検出部によって浅座りが検出されている場合に、前記余裕代にかかわらず、前記シートが車両前方に向けて移動されるように前記調節部を動作させる車両用シートシステム。
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