JP2017164421A - 薬液バッグ - Google Patents

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Abstract

【課題】封入している薬液が少量である場合、点滴中に液面の位置の変化を明確に示し、薬液投与の確実性や薬液の残量を、医療従事者や患者が一見して確認できる薬液バッグを提供する。【解決手段】薬液バッグ1は、上端部12及び下端部13を有し、薬液30を封入可能な薬室11を有する袋本体10と、下端部12に取り付けられて薬液30を流出させる流出ポート21とを、備えており、薬液30を封入した薬室11が、上端部12側から前記下端部13側までの薬室内長さLを薬室内長さL方向に直交する薬室内幅Wに対して1.8〜15倍とし、かつ容量を50〜250mLとするものである。【選択図】図1

Description

本発明は、鎮痛剤のような少量の薬液を、投与するのに用いられる薬液バッグに関する。
薬液を点滴によって患者の静脈に注入する投与方法が、医療現場で行われている。点滴は、薬液が封入された薬液バッグを点滴架台のフックに懸け吊り、薬液バッグに取り付けられた流出ポートにチューブを繋ぎ、薬液を自然落下させて滴下させることにより薬液バッグから流出させ、患者の静脈に留置した注射針を通じて薬液を直接に投与する方法である。点滴に用いられる薬液バッグは、薬液を視認可能にしている透明な熱可塑性樹脂製フィルムで作製された袋容器である。
このような薬液バッグが、特許文献1に開示されている。それの図1に示されるように、この薬液バッグは、薬液を封入する薬室と、その下端部に設けられた薬液取り出し口である流出ポートとを、有している。薬室は、その上端部から下端部までの長さが、この長さ方向に直交する幅に対して僅かに長い、すなわち薬室の長さと幅との差が小さい略矩形をなしている。また薬室の外面に、薬液の残量を示す目盛りが付されている。薬液を点滴によって患者に投与している間、薬液バッグ内の薬液の液面の位置は、流出ポートへ向かって経時的に変化する。医師や看護師等の医療従事者は、液面の相対的な位置の変化や、この目盛りを目視することにより、薬液の残量を確認する。それによって医療従事者は、投与が適切に行われていることを監視できる。
一般的な成人向けの高カロリー輸液や電解質液のような薬液の用量は比較的多いので、特許文献1に開示されているような大容量で大型の薬液バッグに封入されている。そのため、液面の位置が視認し易く、また長い目盛線や大きいサイズの数値を付すことができるので、薬液の残量を目視によって確認し易い。また薬液の用量が多いと滴下速度が遅いことから液面が急激に下がることはなく、医療従事者も患者も長時間待てばよい。
一方、乳児や小児の場合や、又は成人であっても点滴で投与すべき薬液の用量を、上記のような場合と比較して少量とする場合がある。また、100mL前後の少ない用量で十分な薬効が得られる薬液も存在する。さらに患者の容体を観察しながら少量に分けられた薬液を順次投与していき、投与すべき量や投与速度を微調整する場合もある。これらの場合、薬液の投与に要する時間が短くなる。
100mL前後の用量の薬液が、特許文献1に開示されているような長さと幅との差が小さい薬液バッグに封入されていると、点滴中における液面の経時的な位置の変化が小さいので、点滴が確実に進行していることを目視によって確認し難い。また薬室の外面に目盛りが付されていても、少量の薬液を封入している薬液バッグは小型であり、目盛りの表記が小さいので、一見しただけでは即座に薬液の残量を確認できない可能性もある。
そこで、封入している薬液が少量である場合、投与中に液面の位置の変化が大きく、一見するだけで薬液の投与が確実に行われていることの確認や、残量を認識できるものが望まれている。
特開2000−126289号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、封入している薬液が少量である場合、点滴中に液面の位置の変化を明確に示し、薬液投与の確実性や薬液の残量を、医療従事者や患者が一見して確認できる薬液バッグを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた本発明の薬液バッグは、上端部及び下端部を有し、薬液を封入可能な薬室を有する袋本体と、前記下端部に取り付けられて前記薬液を流出させる流出ポートとを、備えた薬液バッグであって、前記薬液を封入した前記薬室が、前記上端部側から前記下端部側までの薬室内長さを前記薬室内長さ方向に直交する薬室内幅に対して1.8〜15倍とし、かつ容量を50〜250mLとするものである。
薬液バッグは、例えば、前記薬室内長さを130〜300mmとし、前記薬室内幅を20〜70mmとするものが挙げられる。
薬液バッグは、前記上端部に、フックを貫通可能な懸吊穴が開いていることが好ましい。
薬液バッグは、前記薬液及び/又はその有効成分の残量、流出量、残存する質量、及び/又は流出した質量を示す目盛りが、前記袋本体の外面に付されているものであってもよい。
薬液バッグは、前記薬室内幅の1/2〜1/3の長さである目盛線を有する前記目盛りが、前記上端部と前記下端部との間に付されていることが好ましい。
薬液バッグは、前記目盛りが複数の前記目盛線を有しており、隣り合う前記目盛線同士の間隔を、15〜35mmとしていてもよい。
薬液バッグは、前記薬室を横断しつつ前記袋本体を挟んでいることによって、前記薬室を仕切っているクリップを有していてもよい。
薬液バッグは、前記薬液として、鎮痛剤、解熱剤、制吐剤、鎮咳剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、気管支拡張剤、ステロイド剤、抗不整脈剤、抗てんかん剤、糖液、電解質補正液、インスリン製剤、タンパク製剤、抗体薬、抗リウマチ薬、造影剤、タンパク質分解酵素阻害剤、脂肪乳剤、抗生物質、抗がん剤、ヘパリンカルシウム、及び麻酔薬のいずれかが挙げられる。
本発明の薬液バッグは、薬室が薬室内長さを薬室内幅の1.8〜15倍とする細長い形状をなしているので、50〜250mLという少量の薬液を、少しずつ流出させて患者に投与する場合に、薬液の液面の位置の経時的変化を視認し易く目立たせて、薬液が確実にかつ適切に患者に投与されていることを、明確にかつ速やかに医療従事者や患者に示すことができる。
薬液バッグは、細長い薬室を有するというだけの簡素な構造であるので、簡易にかつ低コストで製造することができる。
薬液バッグは、細長い薬室を有しているので、薬液の残量等を示す目盛りを有しているものであっても、隣り合う目盛を、一見して識別可能な間隔で付すことができる。それにより医療従事者や患者に、薬液の残量等を確実に示すことができる。
薬液バッグは、外部から薬室を仕切るクリップを有しているものであると、薬室に封入されている薬液を、任意の量に分割できる。細長い薬室の長さ又は目盛りを基準にクリップで挟むだけで薬室を仕切って任意の容量に分割できる。それにより、患者の体重や症状に応じて投与すべき薬液の用量を即座に調節できる。しかも、薬室が細長形をなしているのでクリップで挟み易く、薬室を簡易に仕切って薬液の用量を正確に調節できる。
本発明を適用する薬液バッグ、薬液を封入した薬液バッグ、及び薬液バッグに封入された薬液が流出している途中を示す正面図である。 本発明を適用する別な薬液バッグを示す正面図である。 本発明を適用する薬液バッグの製造途中を示す斜視図である。 本発明を適用する薬液バッグを用いて患者に薬液を投与している状態を示す斜視図である。 本発明を適用する別な薬液バッグを示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明の薬液バッグ1の一態様の正面図を、図1に示す。同図(a)は薬液バッグ1を、同図(b)は薬液を封入した薬液バッグ1を、同図(c)は薬液バッグ1から薬液が流出している途中を、夫々示す正面図である。
薬液バッグ1は図1(a)に示すように、上下方向の長さが、これに直交する幅に対して十分に長い、所謂細長の矩形をなしている袋本体10と、それの下端部13に熱融着によって取り付けられた流出ポート21とを、有している。
袋本体10は、互いに対向する表側フィルム10aと裏側フィルム10bとの上端部12、下端部13、左側縁部14、及び右側縁部15で帯状に熱融着されて形成されている。それによって両フィルム10a,10bの上下端部12,13及び左右側縁部14,15は、液密に密着し、袋本体10の内空である薬室11が液密となっている。表側フィルム10a及び裏側フィルム10bは、柔軟な熱可塑性樹脂製の透明フィルムによって、形成されている。
薬室11は、液体の薬液を封入するものであり、100mLの薬液を封入できる容量を有している。薬室11は、袋本体10と略相似形の細長い略矩形をなしている。薬室11は、両フィルム10a,10b、上辺11a及び下辺11b、上下辺11a,11bに垂直な左側辺11c及び右側辺11d、並びに上下辺11a,11b及び左右側辺11c,11dの端同士を繋いでいる円弧11a,11a,11b,11bに囲まれている。
流出ポート21は筒状を成しており、薬室11に連通している。流出ポート21は、その内部にゴム栓などの栓体が封入されている。また袋本体10の上端部12の中央に、懸吊穴12aが開いている。
表側フィルム10aの外面に、目盛り16及び情報17が、印刷によって付されている。目盛り16及び情報17は、表側フィルム10aの外面に付されていることにより、これを形成しているインク等が薬液30(図1(b)参照)に溶出しない。目盛り16は、等間隔に付された複数の目盛線16aと、薬液30の残量を示すことができるように、この目盛線16aに沿いつつ上辺11aから下辺11bへ向かって100、75、50、及び25mLの降順に、上辺11aと下辺11bとの間に付された数値16bとを、有している。目盛り16は、薬室11の左側辺11cに沿いつつ、上辺11a及び下辺11bに平行に付されている。薬液バッグの細長い薬室に沿って複数の目盛線16aが付されているので、目盛線間隔を大きくして複数の目盛線16a自体を目立たせつつ薬液30の減り具合を薬液30の目盛線16aによって正確かつ確実に認識できるようになっている。目盛り16が左側辺11cに沿って付されていることにより、医療従事者が一見して識別可能なように、情報17を大きく表示することができる。
図1(b)に、薬液バッグ1に薬液30の100mLが封入されている状態を示す。同図は、薬液30が患者に投与される直前の状態を示している。懸吊穴12aにフック41が貫通していることによって、薬液バッグ1は、点滴架台40に懸け吊られている。薬液30及びそれの液面31は、透明な表側フィルム10aを介して視認される。それにより、薬室11に封入される薬液30の成分分離や異物混入が、目視によって即座に判別できる。液面31は、目盛り16の「100」の数値16b及びそれに対応した位置を示す目盛線16aと重なっている。それにより、薬液30が未だ薬液バッグ1から流出していないことが示されている。
薬室11の上辺11aからそれの下辺11bまでの薬室内長さLは、左右側辺11c,11dに挟まれておりかつ薬室内長さLに直交する薬室内幅Wよりも十分に長い。すなわち薬室内長さLと薬室内幅Wとの差が大きい。具体的な一例として、薬室内長さLは180mmであり、薬室内幅Wは42.5mmである。この場合、薬室内長さLは薬室内幅Wの約4倍である。
薬室11の薬室内長さLが薬室内幅Wの約4倍もの長さであることによって、25mLのように少量ずつ割り当てられた目盛りであっても、隣り合う目盛り16同士を十分に離して付すことができる。それにより医療従事者は、目盛り16を一見するだけで明確に識別することができる。
薬液30を封入している薬室11は、図1の手前方向と奥手方向とに膨らんでおり、下端部13に向かって急激に窄んだ窄み部11eを有している(図4参照)。薬室11が細長形をなしているので、封入されている薬液30の質量が下辺11b及びそれの周囲に集中する。それにより薬液バッグ1が懸け吊られた際、両フィルム10a,10bの外面の歪みが小さくなり窄み部11eの曲率も小さくなる。そのため目盛り16は薬室11の左側辺11cに沿って付されていても、歪み難い。その結果、目盛り16によって示される残量と薬液30の真の残量との差を小さくし、目盛り16の精度及び視認性を向上させることができる。
図1(c)に、薬液バッグ1から薬液30が流出している状態を示す。流出ポート21にチューブ23の一端に接続された瓶針22が流出ポート21内の栓体に穿刺されている。この流出ポート21からチューブ23へ薬液30が流出し、患者の静脈に流入する。液面31が、目盛り16の「75」の数値16b及びそれに対応した位置を示す目盛線16aと重なっている。それにより、薬液30の25mLが、薬液バッグ1から流出して既に患者に投与されていることが示されている。薬液30がわずか25mL流出しただけで、液面31は、一見して即座に識別し得るほど明白に、流出前(同図(b))の位置から、下辺11b側に移動している。
このように薬液バッグ1は、薬室内幅Wよりも十分に長い薬室内長さLである細長形の薬室11を有していることによって、液面31の位置の変化を目立たせている。そのため、少しずつ流出する薬液30の液面31の位置の変化を、医療従事者や患者に速やかに認識させることができる。その結果、確実かつ適切な点滴の進行を医療従事者に示すことができるともに、患者に点滴が進行していることの安心感を与えることができる。
さらに目盛り16を一見して識別可能な程度の間隔で付すことができる。具体的に例えば、薬液30が100mL/15分の速度で投与されるものである場合、薬室11が細長形をなしているので、液面31はわずか3分45秒で目盛り16の一目盛分を移動する。その結果、薬液バッグ1は、薬液30の投与状況を医療従事者に、明確かつ確実に認識させることができるとともに、確認の都度、薬液バッグ1の至近にまで移動して液面31の位置を確認するという手間を省き、作業負担を軽減している。
しかも薬液バッグ1は、液面31の位置の経時的な変化を大きくできるので、医療従事者だけでなく薬液30が投与されている患者にも、薬液30の投与が確実にかつ適切に進行しているという安心感を与えることができる。
図1(c)の後も継続的に薬液30が薬液バッグ1から流出して患者に投与されることにより、液面31が同図(b)から(c)への移動速度と同じ速度で、下辺11bに向かって移動する。薬液30の全量が薬液バッグ1から流出すると、表側フィルム10aを介して薬液30が視認できなくなり、薬液30の投与が終了する。
なお情報17は、例えばメーカー名、商品名、製品番号、容量、用量、成分、及び/又は使用上の注意である。また情報17は、これらの情報を含むバーコードやQRコード(登録商標)であってもよい。なお情報17は、これらの情報が記載されたラベルによって袋本体10の外面に貼付されていてもよい。
薬室11の容量として、薬液30の100mLを封入する薬液バッグ1を一例として挙げたが、薬室11の容量はこれに限られず、50〜250mLであることが好ましい。
また薬室11の薬室内長さL及び薬室内幅Wについて一例を示したが、薬室11はこれに限られず、薬室内幅Wに対して薬室内長さLが1.8〜15倍であることが好ましい。薬室内長さLがこの値の範囲よりも小さいと、薬室内幅Wとの差が小さいので、薬室11が細長形をなし難い。一方、この値の範囲よりも大きいと、薬液バッグ1の外形が極端に細長くなり、取扱性が損なわれる。具体的に、薬室内長さLは130〜300mmであることが好ましく、薬室内幅Wは20〜70mmであることが好ましい。
目盛線16aは、薬室内幅Wの1/2〜1/3の長さで、隣り合う目盛線16a同士の間隔を15〜35mmとすることが好ましい。目盛線16aの長さや間隔がこれらの範囲であることにより、ある程度正確な薬液30の排出量や残量を、確認することができる。このように薬室11が細長形であることにより、目盛線16a同士を判別可能なように十分な間隔で付すことができる。
なお図1に、目盛り16の数値が薬液30の残量を示すように降順で付されている例を示したが、薬液30の流出量、すなわち投与された量を示すように昇順で付されていてもよい。また目盛線16a及び数値16bは、25mLずつであることに限られず、封入される薬液30の量や、所定の投与速度に応じて必要な間隔で付すことができる。また目盛り16の数値は、例えばmgやgのように、残存している薬液30の質量や、流出した薬液30の質量を示すように付されていてもよい。また目盛り16は、薬液30に含まれる有効成分の残量等を示すものであってもよい。
目盛り16や情報17は、薬液30の種類や用量に応じて予め定められた色彩を有していてもよい。この場合、例えば薬液30の種類毎に、深緑、青、紫、茶、及び黒のように異なる色彩を用いることもできる。これらの色彩のように、色彩相互間や薬液30が呈する色に対して明確なコントラストを呈する色彩で目盛り16等を付すことにより、肉眼で視認し易いので、医療従事者が一見して種類を識別できる。また、これらの色彩を用いて袋本体10の外面に付されたバーコード等は、読み取り装置で即座にかつ正確に読み取ることができる。
必要に応じて、袋本体10の外面に、薬液30の種類や用量に応じて異なる色彩やデザインを有する模様が付されていてもよい。それによれば、医療従事者や患者が一見して薬液30の種類や用量を確認できる。この場合模様は、薬液30及び液面31の視認性を損なわない面積であることが好ましい。
図2に、薬液バッグ1の別な態様を示す。同図(a)〜(c)に示す薬液バッグ1は、薬室内長さLと薬室内幅Wとの比が互いに異なるものである。同図(a)に示す薬液バッグ1の薬室11の薬室内長さLは、薬室内幅Wの8倍、具体的に薬室内長さL=280mmである。それにより、薬液30の投与速度が、比較的遅い場合であっても、液面31の経時的な位置の変化をより目立たせることができる。同図(b)の薬室11の薬室内長さLは、薬室内幅Wの5倍(薬室内長さL=175mm)である。また同図(c)の薬室11の薬室内長さLは、薬室内幅Wの4倍(薬室内長さL=140mm)である。同図(b)及び(c)に示す薬液バッグ1の薬室内長さLと薬室内幅Wとの差は、同図(a)に比較して若干小さい。それにより、薬液バッグ1の外形が極端に細長形になることを防止して取扱性を保ちつつ、要求される薬室11の容量の確保と、点滴中における液面31の位置の変化の明示とを両立させることができる。同図(c)に示す薬液バッグ1によれば、比較的用量が少量でも十分な薬室内幅Wを確保することにより、薬液の液面31を見え易くしつつ薬室を十分に細長くして減り具合を認識でき易くすることができる。薬室内幅Wに対する薬室内長さLは、上記の範囲内で、封入すべき薬液30の量、種類、粘度、及び投与速度、並びに薬液バッグ1の取扱性、及び使用態様によって、適宜選択され得る。なお、同図に示すように、薬液バッグ1は、目盛り16及び情報17を有していなくてもよい。
薬液バッグ1の製造方法を、図3を参照しつつ説明する。まず流出ポート21を熱可塑性樹脂で成形する。
表側フィルム10a及び裏側フィルム10bを袋本体10の外形に切り出して、流出ポート21を挟んで両フィルム10a,10bの上下端部12,13及び左右側縁部14,15を帯状に熱融着し、薬室11を形成する。さらに上端部12に懸吊穴12aを抜き加工によって開け、薬液バッグ1を得る。
なお図1〜3に、薬液バッグ1として、対向する2枚のフィルムがそれの周縁部である上下端部12,13及び左右側縁部14,15で熱融着された袋本体10を有する例を示したが、他の例として上端部と下端部とに開口を有する筒状のフィルムによって形成された袋本体10を備える薬液バッグ1が挙げられる。この場合、流出ポート21が下端部で挟まれつつ、開口している上端部及び下端部が熱融着によって接合される。この薬液バッグ1によれば、熱融着工程を簡略化できる。なおこの場合、上端部及び下端部の一端同士及び他端同士の間で折り返された折返部が、筒状のフィルムに形成される。目盛り16は、この折返部の一方に沿って付される。また薬液バッグ1は、射出成形やブロー成形のような型を用いた製造方法によって得ることができる。この製造方法によれば、複数の薬液バッグ1間における夫々の薬室11の容量差を小さくできるので、均質な薬液バッグ1を大量にかつ速やかに製造できる。
図4に、薬液バッグ1を用いて患者(不図示)に薬液を投与している状態を示す。同図は、情報17を省略している。
薬液バッグ1は、点滴架台40のフック41が懸吊穴12aに通されることにより、懸け吊られる。チューブ23の一端に設けられた瓶針22が、流出ポート21に液密に穿刺される。医療従事者は、まずクレンメ24を締めてチューブ23を閉塞させる。
医療従事者は、クレンメ24を徐々に緩めて薬液30を自然落下させる。
投与中、時間の経過とともに液面31が、下辺11bに向かって移動する。薬室11が細長形をなしている、すなわち薬室内長さLと薬室内幅Wとの差が大きいことにより(図1(b)参照)、この差が小さい薬室を有する薬液バッグに比較して、薬液バッグ1は、この液面31の位置の経時的変化を目立たせることができる。そのため、医療従事者は、投与終了までのおおよその所要時間を判断できる。また患者は、液面31が徐々に下辺11bに近づいていることを一見するだけで視認できるので、点滴を受けている間の心理的負担が軽減される。
図5に、薬液バッグ1の別な形態を示す。この薬液バッグ1は、クリップ50を有している。クリップ50は、押付アーム51と受けアーム52との一端同士が屈曲部53で繋がって一体化しているものである。
受けアーム52の他端で、爪52aが突き出ている。一方、押付アーム51の他端に、爪52aを係合可能な係合穴51aが開いている。また、押付アーム51の受けアーム52に向いた面で、押付アーム51の長手方向に沿って一直線に延びたリブ51bが、出っ張っている。受けアーム52は、このリブ51bが嵌まるように凹んだ溝52bを有している。屈曲部53が広がることにより、押付アーム51と受けアーム52とが離反して、両者の間に袋本体10を介在させることができる。一方、屈曲部53が屈曲することによって、押付アーム51と受けアーム52とが当接して係合穴51aと爪52aとが係合し、リブ51bが溝52bに嵌まる。それにより押付アーム51と受けアーム52とで、袋本体10を挟むことができる。
押付アーム51と受けアーム52とが、右側辺11dと左側辺11cとに跨りつつ、薬室11を横断して袋本体10を挟んでいる。リブ51bが、目盛り16のうち「50」と表記された位置で、両フィルム10a,10bを溝52bに押し込みつつそこに嵌まり、かつ爪52aが係合穴51aの周縁に係合していることによって、薬室11が上辺11a側と下辺11b側とに二分するように仕切られている。両フィルム10a,10bは液密に密着し、薬液30が、50mLずつに二等分されている。
図5に示すように、この薬液バッグ1の流出ポート21に、チューブ23に繋がった瓶針22が接続されることによって、下辺11b側の薬室11に封入されている薬液30の50mLだけが流出し、上辺11a側の薬室11に封入されている薬液30は、流出せずにそのまま薬液バッグ1に留まる。このように薬液バッグ1は、薬室内幅Wの値が小さい細長形の薬室11を有しているので、比較的小さくかつ簡素な構造のクリップ50によって、簡易に薬室11を仕切ることができる。しかもクリップ50は、袋本体10を任意の位置、例えば目盛り16に合せて挟むことができる。そのため挟む位置の変更だけで薬室11を、所望の容量ずつ仕切り、薬液30の用量を例えば1/2や1/4に調整できる。
それにより、例えば新生児や幼児や小柄な患者ように体重が軽いため、薬液30の用量が通常より少ない場合、クリップ50によって薬室11を仕切ることにより、下辺11b側の薬液30の量を患者の体重に応じた所望の用量に調節することができる。その結果、患者に薬液30が過剰に投与されるような投薬ミスを、効果的に防ぐことができる。また同一種類の薬液30であっても異なる容量毎に、多種類の薬液バッグ1を製造する必要がないので、薬液バッグ1を低コストで製造することができる。
なお、投与すべき薬液30の用量に対応する患者の体重を示すマーカー(不図示)が、袋本体10の外面に、例えば目盛りのように付されていてもよい。それによれば医療従事者は、患者の体重を確認した上で、このマーカーに従ってクリップ50で袋本体10を挟むだけで、薬液30を患者の体重に応じた用量に分けることができる。
薬液30は、製剤をRO水や蒸留水のような無菌水又は生理食塩水で溶解したプレミックス製剤などが挙げられる。プレミックス製剤として鎮痛剤の他、解熱剤、制吐剤、鎮咳剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、気管支拡張剤、ステロイド剤、抗不整脈剤、抗てんかん剤が挙げられる。また薬液30は、ブドウ糖のような糖液、塩化ナトリウムや乳酸カリウムのような電解質補正液、インスリン製剤、タンパク製剤、抗体薬、抗リウマチ薬、造影剤、タンパク質分解酵素阻害剤、脂肪乳剤、抗生物質、抗がん剤、ヘパリンカルシウム、及び麻酔薬であってもよい。
薬液バッグ1の袋本体10、流出ポート21及びクリップ50の材料は、熱可塑性プラスチック、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸、環状ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリ塩化ビニルからなる群の少なくとも1つを含む単独重合体及び/又は共重合体及び/又はポリマーブレンドなどが使用できる。
クリップ50の材料は、上記のプラスチックに代えて、鉄、銅、ステンレス、及び/又はアルミニウムのような金属であってもよい。
本発明の薬液バッグは、特に少量の薬液を点滴によって患者へ投与するのに用いられる。
1:薬液バッグ、10:袋本体、10a:表側フィルム、10b:裏側フィルム、11:薬室、11a:上辺、11a,11a:円弧、11b:下辺、11b,11b:円弧、11c:左側辺、11d:右側辺、11e:窄み部、12:上端部、12a:懸吊穴、13:下端部、14:左側縁部、15:右側縁部、16:目盛り、16a:目盛線、16b:数値、17:情報、21:流出ポート、22:瓶針、23:チューブ、24:クレンメ、30:薬液、31:液面、40:点滴架台、41:フック、50:クリップ、51:押付アーム、51a:係合穴、51b:リブ、52:受けアーム、52a:爪、52b:溝、53:屈曲部、L,L,L,L:薬室内長さ、W,W,W,W:薬室内幅

Claims (8)

  1. 上端部及び下端部を有し、薬液を封入可能な薬室を有する袋本体と、前記下端部に取り付けられて前記薬液を流出させる流出ポートとを、備えた薬液バッグであって、前記薬液を封入した前記薬室が、前記上端部側から前記下端部側までの薬室内長さを前記薬室内長さ方向に直交する薬室内幅に対して1.8〜15倍とし、かつ容量を50〜250mLとすることを特徴とする薬液バッグ。
  2. 前記薬室内長さを130〜300mmとし、前記薬室内幅を20〜70mmとすることを特徴とする請求項1に記載の薬液バッグ。
  3. 前記上端部に、フックを貫通可能な懸吊穴が開いていることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬液バッグ。
  4. 前記薬液及び/又はその有効成分の残量、流出量、残存する質量、及び/又は流出した質量を示す目盛りが、前記袋本体の外面に付されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の薬液バッグ。
  5. 前記薬室内幅の1/2〜1/3の長さである目盛線を有する前記目盛りが、前記上端部と前記下端部との間に付されていることを特徴とする請求項4に記載の薬液バッグ。
  6. 前記目盛りが複数の前記目盛線を有しており、隣り合う前記目盛線同士の間隔を、15〜35mmとしていることを特徴とする請求項5に記載の薬液バッグ。
  7. 前記薬室を横断しつつ前記袋本体を挟んでいることによって、前記薬室を仕切っているクリップを有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の薬液バッグ。
  8. 前記薬液が、鎮痛剤、解熱剤、制吐剤、鎮咳剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、気管支拡張剤、ステロイド剤、抗不整脈剤、抗てんかん剤、糖液、電解質補正液、インスリン製剤、タンパク製剤、抗体薬、抗リウマチ薬、造影剤、タンパク質分解酵素阻害剤、脂肪乳剤、抗生物質、抗がん剤、ヘパリンカルシウム、及び麻酔薬のいずれかであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の薬液バッグ。
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