JP2017163532A - 投影装置 - Google Patents

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恵伍 小野
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Abstract

【課題】対象物の周囲の投影面において、その対象物に関するコンテンツを視認者にとって見易く投影することができる投影装置を提供する。【解決手段】投影装置100は、投影部と、検出部と、制御部とを備える。投影部は、所定の投影面60において投影画像80を投影する。検出部は、所定の投影面60において、一つ又は複数の物体70,71を検出する。制御部は、投影画像を制御する。制御部は、検出部の検出結果に基づいて、一つ又は複数の物体の中から所定の一つ又は複数の対象物70を特定する。制御部は、検出部の検出結果に基づいて、所定の投影面60上で物体が検出されない一つ又は複数の空き領域61を特定する。制御部は、所定の対象物に関するコンテンツを含む投影画像を制御して、空き領域の範囲内に、コンテンツを投影部に投影させる。【選択図】図8

Description

本開示は、画像を投影する投影装置に関する。
特許文献1は、周囲の環境に応じて高い視認性の画像を投影することを目的とする画像投影システムを開示している。特許文献1に開示されている画像投影システムは、例えば店舗の既設のカメラなどの撮像部による撮像画像中の商品を識別し、商品が存在する商品領域を検出している。上記の画像投影システムは、検出した商品領域には黒画像を投影し、検出した商品領域以外の領域にはセール品の案内などの画像を投影している。
特開2015−139177号公報
本開示は、対象物の周囲の投影面において、その対象物に関するコンテンツを視認者にとって見易く投影することができる投影装置を提供する。
本開示に係る投影装置は、投影部と、検出部と、制御部とを備える。投影部は、所定の投影面において投影画像を投影する。検出部は、所定の投影面において、一つ又は複数の物体を検出する。制御部は、投影画像を制御する。制御部は、検出部の検出結果に基づいて、一つ又は複数の物体の中から所定の一つ又は複数の対象物を特定する。制御部は、検出部の検出結果に基づいて、所定の投影面上で物体が検出されない一つ又は複数の空き領域を特定する。制御部は、所定の対象物に関するコンテンツを含む投影画像を制御して、空き領域の範囲内に、コンテンツを投影部に投影させる。
本開示に係る投影装置によれば、物体の検出結果に基づいて、検出された物体の内の対象物に関するコンテンツが、投影面上で物体とは重ならない空き領域に投影される。これにより、対象物の周囲の投影面において、その対象物に関するコンテンツが視認者にとって見易く投影される。
実施形態1における投影装置が壁に画像を投影する状態を示す図 投影装置がテーブルに画像を投影する状態を示す図 投影装置の電気的構成を示すブロック図 距離検出部の電気的構成を示すブロック図 距離画像を説明するための図 投影部の光学的構成を示すブロック図 コンテンツデータベースを説明するための図 投影装置による投影動作を説明するための図 対象物以外の物体が置かれた場合の投影動作を説明するための図 投影装置による投影動作を説明するためのフローチャート 空き領域を特定する処理を示すフローチャート 距離画像を示す図 空き領域の特定結果を示す図 空き領域を分類する処理を示すフローチャート 対象物までの距離を算出する処理を示すフローチャート 対象物までの距離を算出する処理を説明するための図 対象物までの距離を算出する処理を説明するための図 コンテンツを決定する処理を示すフローチャート 実施形態2に係る投影装置による投影動作を説明するための図 実施形態2における空き領域を分類する処理を示すフローチャート 実施形態2におけるコンテンツを決定する処理を示すフローチャート
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、出願人は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施形態1)
本開示に係る投影装置の具体的な実施例として、投影装置100を説明する。
図1及び図2を用いて、投影装置100の概要を説明する。
図1は、投影装置100が壁140に画像を投影する状態を示す図である。図2は、投影装置100がテーブル150に画像を投影する状態を示す図である。
図1及び図2に示すように、投影装置100は、駆動部110とともに筐体120に固定されている。投影装置100及び駆動部110を構成する各部と電気的に接続される配線は、筐体120及び配線ダクト130を介して電源と接続される。これにより、投影装置100及び駆動部110に対して電力が供給される。投影装置100は、開口部101を有している。投影装置100は、開口部101を介して画像を投影する。
駆動部110は、投影装置100の投影方向を変更するよう駆動することができる。駆動部110は、図1に示すように投影装置100の投影方向を壁140の方向になるよう駆動することができる。これにより、投影装置100は、壁140に対して画像141を投影することができる。同様に、駆動部110は、図2に示すように投影装置100の投影方向をテーブル150の方向になるよう駆動することができる。これにより、投影装置100は、テーブル150に対して画像151を投影することができる。駆動部110は、ユーザのマニュアル操作に基づいて駆動してもよいし、所定のセンサの検出結果に応じて自動的に駆動してもよい。また、壁140に投影する画像141の内容と、テーブル150に投影する画像151の内容とは、異なっていてもよいし、同一であってもよい。
以下、投影装置100の構成及び動作について詳細を説明する。
[1.構成]
図3は、投影装置100の電気的構成を示すブロック図である。投影装置100は、ユーザインターフェース装置200と、投影部250とを備えている。以下、順に投影装置100を構成する各部の構成について説明する。
ユーザインターフェース装置200は、制御部210と、メモリ220と、距離検出部230とを備えている。また、投影部250は、光源部300と、画像生成部400と、投影光学系500とを備えている。
制御部210は、投影装置100全体を制御する半導体素子である。すなわち、制御部210は、距離検出部230、メモリ220、光源部300、画像生成部400、及び投影光学系500の動作を制御する。また、制御部210は、投影画像を映像信号処理により縮小または拡大するデジタルズーム制御を行うことができる。制御部210は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。
メモリ220は、各種のデータを記憶する記憶素子である。メモリ220は、投影装置100における記憶部の一例である。メモリ220は、フラッシュメモリ又は強誘電体メモリなどで構成される。メモリ220は、投影装置100(ユーザインターフェース装置200を含む)を制御するための制御プログラム等を記憶する。また、メモリ220は、制御部210から供給された各種のデータを記憶する。更に、メモリ220は、投影画像を表示させたい投影サイズの設定データ及び投影対象までの距離情報に応じたフォーカス値のテーブルなどのデータを記憶している。メモリ220に記憶される各種のデータについては後述する。
距離検出部230は、例えば、TOF(Time−of−Flight)センサを備える。距離検出部230は、TOFセンサによって、対向する面までの距離を検出する。距離検出部230は、投影装置100における検出部の一例である。距離検出部230は、壁140(図1参照)と対向しているときには、距離検出部230から壁140までの距離を検出する。同様に、距離検出部230は、テーブル150(図2参照)と対向しているときには、距離検出部230からテーブル150までの距離を検出する。
図4Aは、距離検出部230の電気的構成を示すブロック図である。図4Aに示すように、距離検出部230は、赤外検出光を照射する赤外光源部231と、対向する面で反射した赤外検出光を受光する赤外受光部232と、赤外光源部231及び赤外受光部232を制御する検出制御部233と、物体検出部234とから構成される。赤外光源部231、赤外受光部232及び検出制御部233は、TOFセンサに相当する。物体検出部234は、例えば半導体素子である。赤外光源部231は、開口部101(図1参照)を介して、赤外検出光を周囲一面に拡散させるように照射する。赤外光源部231は、例えば、850nm〜950nmの波長の赤外光を、赤外検出光として照射する。検出制御部233は、赤外光源部231が照射した赤外検出光の位相をメモリ220に記憶させる。距離検出部230と対向する面が傾きや形状を有する場合、赤外受光部232の受光面上に配列された複数の画素は、反射した赤外検出光をそれぞれ別々のタイミングで受光する。各画素が別々のタイミングで赤外検出光を受光するため、各画素で受光される赤外検出光の位相はそれぞれ異なる。検出制御部233は、赤外受光部232が各画素で受光した赤外検出光の位相をメモリ220に記憶させる。
検出制御部233は、赤外光源部231が照射した赤外検出光の位相と、赤外受光部232が各画素で受光した赤外検出光の位相とをメモリ220から取得する。これにより、検出制御部233は、赤外光源部231が照射した赤外検出光と、赤外受光部232が受光した赤外検出光との位相差に基づいて、距離検出部230から対向する面までの距離を検出することができる。物体検出部234は、後述するように、検出制御部233が検出した距離に基づき、物体を検出する。以上のように構成された距離検出部230は、検出した距離に基づいて距離画像を生成する。
図4Bは、距離検出部230が生成した距離画像を説明するための図である。距離検出部230は、赤外受光部232を構成する複数の画素の一つ一つについて距離を検出する。これにより、距離検出部230は、赤外受光部232の画角全域に対して、画素単位で距離を検出することができる。以下の説明では、図4Bに示すように、距離画像の横方向をX軸とし、縦方向をY軸とする。そして、検出した距離方向をZ軸とする。制御部210は、距離検出部230が生成した距離画像に基づいて、距離画像を構成する各画素について、XYZの三軸の座標(x、y、z)を取得できる。すなわち、制御部210は、距離検出部230の検出結果に基づいて、距離値を取得できる。
上記では、距離検出部230の構成としてTOFセンサを例示したが、本開示はこれに限定されない。すなわち、距離検出部230は、ランダムドットパターンのような既知のパターンを照射して、そのパターンのズレから距離を検出するものであってもよいし、ステレオカメラによる視差を利用して、距離を検出するものであってもよい。
続いて、光源部300、画像生成部400、及び投影光学系500の構成について、図5を用いて説明する。図5は、投影部250の光学的構成を示すブロック図である。図5に示すように、光源部300は、光を画像生成部400に供給する。画像生成部400は、供給された光から投影画像を生成し、その投影画像を投影光学系500に供給する。投影光学系500は、画像生成部400から供給された投影画像に対してフォーカシング、及びズーミング等の光学的変換を行う。投影光学系500は、開口部101(図1参照)と対向しており、開口部101から投影画像を投影する。
まず、光源部300の構成について説明する。図5に示すように、光源部300は、半導体レーザー310、ダイクロイックミラー330、λ/4板340、及び蛍光体ホイール360などを備えている。
半導体レーザー310は、例えば、波長440nm〜455nmのS偏光の青色光を発光する固体光源である。半導体レーザー310から出射したS偏光の青色光は、導光光学系320を介してダイクロイックミラー330に入射する。
ダイクロイックミラー330は、例えば、波長440nm〜455nmのS偏光の青色光に対しては98%以上の高い反射率を有する光学素子である。一方、ダイクロイックミラー330は、例えば、波長440nm〜455nmのP偏光の青色光及び、波長490nm〜700nmの光(緑色光〜赤色光)に対しては偏光状態に関わらず95%以上の高い透過率を有する。ダイクロイックミラー330は、半導体レーザー310から出射したS偏光の青色光を、λ/4板340の方向に反射する。
λ/4板340は、直線偏光を円偏光に変換又は、円偏光を直線偏光に変換する偏光素子である。λ/4板340は、ダイクロイックミラー330と蛍光体ホイール360との間に配置される。λ/4板340に入射したS偏光の青色光は、円偏光の青色光に変換された後、レンズ350を介して蛍光体ホイール360に入射する。
蛍光体ホイール360は、高速回転が可能なように構成されたアルミ等の平板である。蛍光体ホイール360の表面には、拡散反射面の領域であるB領域と、緑色光を発光する蛍光体が塗付されたG領域と、赤色光を発光する蛍光体が塗付されたR領域とがそれぞれ形成されている。蛍光体ホイール360のB領域に入射した円偏光の青色光は拡散反射されて、円偏光の青色光として再びλ/4板340に入射する。λ/4板340に入射した円偏光の青色光は、P偏光の青色光に変換された後、再びダイクロイックミラー330に入射する。このとき、ダイクロイックミラー330に入射した青色光は、P偏光であるためダイクロイックミラー330を透過して、導光光学系370を介して画像生成部400に入射する。
蛍光体ホイール360のG領域に入射した青色光は、G領域上に塗付された蛍光体を励起して緑色光を発光させる。G領域上から発光された緑色光は、ダイクロイックミラー330に入射する。このとき、ダイクロイックミラー330に入射した緑色光は、ダイクロイックミラー330を透過して、導光光学系370を介して画像生成部400に入射する。同様に、蛍光体ホイール360のR領域に入射した青色光は、R領域上に塗付された蛍光体を励起して赤色光を発光させる。R領域上から発光された赤色光は、ダイクロイックミラー330に入射する。このとき、ダイクロイックミラー330に入射した赤色光は、ダイクロイックミラー330を透過して、導光光学系370を介して画像生成部400に入射する。
蛍光体ホイール360は高速回転しているため、青色光、緑色光、及び赤色光は、それぞれ時分割されて光源部300から出射して、画像生成部400に入射する。
画像生成部400は、制御部210から供給される映像信号に応じた投影画像を生成する。画像生成部400は、DMD(Digital−Mirror−Device)420などを備えている。DMD420は、多数のマイクロミラーが平面状に配列した表示素子である。DMD420は、制御部210から供給される映像信号に応じて、配列したマイクロミラーのそれぞれを偏向させる。これにより、DMD420は入射する光を空間的に変調させる。光源部300は、青色光、緑色光、及び赤色光をそれぞれ時分割して出射させる。DMD420は、導光光学系410を介して、時分割されて出射してくる青色光、緑色光、及び赤色光を順に繰り返し受光する。DMD420は、それぞれの色の光が出射してくるタイミングに同期して、マイクロミラーのそれぞれを偏向させる。これにより、画像生成部400は、映像信号に応じた投影画像を生成する。DMD420は、映像信号に応じてマイクロミラーを偏向させて、一部の光を投影光学系500に進行させ、残りの光を投影光学系500の有効範囲外へと進行させる。これにより、画像生成部400は、生成した投影画像を、投影光学系500に対して供給することができる。
投影光学系500は、ズームレンズ510及びフォーカスレンズ520などの光学部材と、光学部材を駆動するレンズ駆動部501(図3参照)とを備える。レンズ駆動部501は、例えばモータなどで構成される。投影光学系500は、画像生成部400から進行してきた光を拡大して投影面へ投影する。制御部210は、レンズ駆動部501を制御してズームレンズ510の位置を調整できる。これにより、制御部210は、所望のズーム値になるよう投影画像の大きさを制御できる。ズーム値を大きくする場合、制御部210は、ズームレンズ510の位置を画角が狭くなる方向(テレ側)へ移動させて、投影画像を小さくする。一方、ズーム値を小さくする場合、制御部210は、ズームレンズ510の位置を画角が広くなる方向(ワイド側)に移動させて、投影画像を大きくする。また、制御部210は、ズームレンズ510の位置に追従するよう、所定のズームトラッキングデータに基づきフォーカスレンズ520の位置を調整する。これにより、制御部210は、投影画像のフォーカスを合わせることができる。以上のようにして、投影部250は、所定の投影面において投影画像を投影する。
上記では、投影装置100の一例として、DMD420を用いたDLP(Digital―Light−Processing)方式による構成を説明したが、本開示はこれに限定されない。すなわち、投影装置100として、液晶方式による構成を採用しても構わない。
上記では、投影装置100の一例として、蛍光体ホイール360を用いて、光を時分割させる単板方式による構成を説明したが、本開示はこれに限定されない。すなわち、投影装置100として、青色光、緑色光、及び赤色光の各種光源を備えた三光源方式による構成を採用してもよいし、DMDをRGBの各色別に備える三板方式による構成を採用しても構わない。
上記では、青色光を発光する半導体レーザー310と、赤外検出光を照射する赤外光源部231とを別ユニットとする構成を説明したが、本開示はこれに限定されない。すなわち、半導体レーザー310と、赤外光源部231とを統合したユニットとする構成を採用しても構わない。三光源方式を採用するのであれば、各色の光源と赤外光源部231とを統合したユニットとする構成を採用しても構わない。
[1−1.各種のデータについて]
以下、メモリ220に記憶される各種のデータについて、図3及び図6を用いて説明する。図6は、コンテンツデータベースを説明するための図である(以下、「データベース」を「DB」と略記する)。
メモリ220は、図3に示すように、対象物DB21、コンテンツDB22、空き領域特定データ23及び空き領域登録リスト24などを記憶する。対象物DB21は、情報を提示する対象となる対象物の立体形状を示す種々の形状データを記録するためのデータベースである。
コンテンツDB22は、投影画像によって提示する対象物毎の情報を記録するためのデータベースである。図6に、コンテンツDB22の一例を示す。図6に例示するコンテンツDB22には、「画像データ」と、「画素数」と、「デフォルト表示サイズ」と、「最小表示サイズ」とが、コンテンツA,B,Cの各々に関連付けられて記録されている。
図6において、コンテンツA,B,Cの各々は、特定の対象物70(図7参照)に関する情報を有する。コンテンツDB22に記録されたコンテンツA,B,Cの順番は、コンテンツA,B,Cの各々に関連付けられた画像データがコンテンツとして投影される優先順位を示している。図6に示すように、コンテンツAの画像データは、図形、ロゴ及び値段などのテキスト情報を含む。コンテンツBの画像データは、ロゴ及び値段などのテキスト情報を含む。コンテンツCの画像データは、値段などのテキスト情報を含む。
図6において、「画素数」は、コンテンツA,B,Cの各々に関連付けて記録された画像データの画素数である。「デフォルト表示サイズ」は、コンテンツA,B,Cの各々の画像データがコンテンツとして投影面上に表示される際の標準の表示サイズである。「最小表示サイズ」は、コンテンツA,B,Cの各々の画像データがコンテンツとして投影面上に表示される際の最小の表示サイズである。画素数、デフォルト表示サイズ及び最小表示サイズは、それぞれ矩形領域の水平サイズ及び垂直サイズによって規定されている。例えば、図6のコンテンツDB22において、コンテンツAのデフォルト表示サイズとして、水平サイズが400mmであって垂直サイズが400mmであることが記録されている。
図6では、コンテンツDB22において特定の対象物70(図7参照)に関連付けされたデータを例示している。コンテンツDB22には、図6に示すような複数のコンテンツが複数の対象物の各々に関連付けられて記録されている。
空き領域特定データ23(図3参照)は、本実施形態に係る投影装置100がコンテンツを投影するために特定した空き領域の特定結果を示すデータである。空き領域登録リスト24は、コンテンツを投影する候補の空き領域が登録されるリストである。
[2.動作]
以下、本実施形態に係る投影装置100の動作について説明する。
[2−1.動作の概要]
本実施形態に係る投影装置100の動作の概要について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、投影装置100による投影動作を説明するための図である。図8は、対象物70以外の物体71が置かれた場合の投影装置100による投影動作を説明するための図である。
本実施形態に係る投影装置100は、例えば、商品棚600に特定の商品などの対象物70が展示された状態において、商品棚600の棚面60において投影画像80を投影している(図7中の(b)参照)。店員等のユーザは、投影画像80に含まれるコンテンツを用いて、対象物70に関する情報を顧客等に提示することができる。ここで、ユーザが所望のレイアウトで商品棚600の棚面60に対象物70を置いたときに、投影画像80中のコンテンツが対象物70等の物体上に投影されると、コンテンツの表示が歪む。そのため、顧客等の視認者にとってコンテンツが見難くなる。
そこで、本実施形態に係る投影装置100は、図7中の(a)に示すように、距離検出部230(図3参照)を用いて投影面となる棚面60において対象物70を含む一つ又は複数の物体(投影面上の障害物)を検出する。さらに、投影装置100は、物体と重ならずに空いている空き領域61を特定する。そして、投影装置100は、図7中の(b)に示すように、空き領域61の範囲内における対象物70の近傍に、コンテンツを投影する。これにより、視認者にとって投影画像80中のコンテンツが見易くなる。
また、商品棚600には、図8中の(a)に示すように、情報提示の対象外の商品など、対象物70以外の物体71が置かれることが想定される。商品棚600において、対象物70と共に他の物体71が配置された場合、又は、各物体70,71の配置が変更された場合、棚面60上の空き領域61が小さくなったり、コンテンツが空き領域61からはみ出したりすることが想定される。
そこで、本実施形態に係る投影装置100は、特定した空き領域61に応じて、投影画像80中のコンテンツを縮小表示したり(図8中の(b))、投影するコンテンツ自体を切り替えたりする(図8中の(c))。これにより、投影装置100は、ユーザが特段の設定をすることなく自動的に、棚面60上の空き領域61を有効活用して、投影画像80を投影することができる。以下、本実施形態に係る投影装置100の動作の詳細について説明する。
[2−2.動作の詳細]
本実施形態に係る投影装置100による投影動作について、図9を参照して説明する。図9は、投影装置100による投影動作を説明するためのフローチャートである。
図9のフローチャートによる各処理は、投影装置100の制御部210(図3参照)によって実行される。本フローチャートによる処理は、図8中の(a)に示すように、対象物70を含む物体70及び物体71が棚面60に置かれた状態において開始され、所定の周期(例えば1/30秒)において繰り返し実行される。
まず、制御部210は、距離検出部230による検出範囲内の物体70及び物体71の検出結果を取得する(S1)。本実施形態において、距離検出部230の検出範囲は、商品棚600の棚面60に設定されている。
ステップS1において、距離検出部230は、物体70及び物体71が置かれた棚面60における距離画像の画素毎の距離値を取得する。次に、距離検出部230は、取得した画素毎の距離値を元にして棚面60に置かれている物体70及び物体71を検出する。距離検出部230は、例えば、予め取得しておいた棚面60における距離画像の画素毎の距離値と、取得した画素毎の距離値との差分を用いて物体を検出する。また、距離検出部230は、予め算出した棚面60の平面方程式を用いて、棚面60に置かれた物体を検出しても良い。つまり、距離検出部230は、棚面60に置かれている物体を検出可能な方法であればいずれの方法を用いて物体を検出しても良い。以下、距離画像上の検出範囲(棚面60)に物体70又は物体71が重なっている領域を「物体領域」という。
次に、制御部210は、距離検出部230から取得した距離画像に基づき、検出された物体70及び物体71の中に対象物70があるか否かを判断する(S2)。制御部210は、例えばメモリ220に記憶された対象物DB21(図3参照)を参照し、対象物DB21に記録された形状データと距離画像上の物体領域が示す立体形状とを比較する。これにより、制御部210は、物体70及び物体71に含まれる対象物70を特定する。
制御部210は、検出された物体70及び物体71の中に対象物70がないと判断した場合(S2でNo)、所定の周期(例えば1/30秒)においてステップS1の処理を繰り返す。
一方、制御部210は、検出された物体70及び物体71の中に対象物70があると判断した場合(S2でYes)、距離検出部230の検出結果に基づいて、検出範囲の棚面60における空き領域61を特定する(S3)。本実施形態では、棚面60上で別々の場所にコンテンツを投影可能な複数の空き領域がある場合に、制御部210は、それぞれの場所に応じた空き領域61を特定する。ステップS3では、一つ又は複数の空き領域61の特定結果を示す空き領域特定データ23が生成される。ステップS3において空き領域61を特定する処理の詳細については後述する。
次に、制御部210は、空き領域61の特定結果に基づいて、空き領域61に変化があったか否かを検知する(S4)。例えば、制御部210は、ステップS3で生成された空き領域特定データ23と、前回の周期における空き領域特定データ23とを比較することにより、棚面60における空き領域61の変化を検知する。
制御部210は、空き領域61の変化を検知した場合(S4でYes)、空き領域特定データ23に含まれる一つ又は複数の空き領域61を分類する(S5)。例えば、制御部210は、対象物70と空き領域61との間の距離に応じて、所定の上限距離以内の空き領域61を、メモリ220に記憶された空き領域登録リスト24に登録する。空き領域登録リスト24は、対象物70に関するコンテンツが投影される候補の空き領域を、対象物70から近い順に登録するためのリストである。ステップS5の空き領域61を分類する処理の詳細については後述する。
次に、制御部210は、空き領域登録リスト24に基づいて、投影候補の空き領域があるか否かを判断する(S6)。制御部210は、投影候補の空き領域がないと判断した場合(S6でNo)、ステップS1の処理に戻る。
一方、制御部210は、投影候補の空き領域61があると判断した場合(S6でYes)、コンテンツDB22(図6参照)を参照して、投影候補の空き領域61に応じて投影画像80中のコンテンツの種類、及び表示サイズを決定する(S7)。ステップS7のコンテンツを決定する処理の詳細については後述する。
次に、制御部210は、投影画像80を制御して、空き領域61の範囲内に決定したコンテンツを投影部250に投影させる(S8)。制御部210は、ステップS7において決定した種類及び表示サイズのコンテンツを示す映像信号を生成し、投影部250の画像生成部400に出力する。また、制御部210は、投影部250の投影光学系500を制御して、棚面60を投影面として投影画像80が投影されるようにズーム値及びフォーカス値等を調整する。このようにして、制御部210は投影画像80を制御する。
ステップS8において、制御部210は、投影部250に、前回の周期において用いたズーム値及びフォーカス値を維持して投影画像80を投影させてもよい。この場合、制御部210は、映像信号処理において投影画像80の位置及び表示サイズを調整してもよい。
また、制御部210は、ステップS3の空き領域61の特定結果に基づき、空き領域61の変化を検知しなかった場合(S4でNo)、前回の周期と同様の投影画像80を投影部250に投影させる(S8)。
制御部210は、ステップS8の処理後、所定の周期においてステップS1以降の処理を繰り返す。
以上の処理により、投影装置100は、対象物70と共に対象物70近傍の空き領域61を特定する。そして、投影装置100は、投影画像80を投影することにより、空き領域61の範囲内に対象物70に関するコンテンツを投影することができる。以下、図9のフローチャートのステップS3,S5,S7の各処理の詳細について、それぞれ説明する。
(1)ステップS3の処理について
図9のフローチャートにおけるステップS3の空き領域を特定する処理について、図10、図11A及び図11Bを参照して説明する。図10は、投影装置100による空き領域を特定する処理(S3)を示すフローチャートである。
図10に示す処理において、制御部210は、図9のステップS1で距離検出部230から取得した距離画像に基づき、空き領域を特定する。図11Aは、距離検出部230から取得した距離画像Imを示している。制御部210は、図11Aに示すように、物体の検出範囲における距離画像Im上で空き領域を特定するために、最小領域Raを規定する。制御部210は、最小領域Raよりも小さい領域を除いて、空き領域を特定する。以下、図11Aに示すように、距離画像Imにおいて、水平方向をX方向とし、垂直方向をY方向とする。
図10のフローチャートにおいて、まず、制御部210は、最小領域Raを規定するサイズである最小領域サイズを取得する(S20)。最小領域サイズは、例えば実際の投影面上の矩形領域を表す水平サイズ及び垂直サイズとして、予めメモリ220に記憶されている。例えば、最小領域サイズは、コンテンツDB22に記録された全対象物に関する最小表示サイズの中で最も小さい水平サイズ及び垂直サイズに規定される。
ステップS20において、制御部210は、メモリ220から最小領域サイズを取得し、距離画像Imにおける最小領域サイズを表す水平サイズΔx及び垂直サイズΔyを算出する(図11A参照)。例えば、制御部210は、距離画像Imにおいて物体70が重なっている物体領域R70及び物体71が重なっている物体領域R71を除いた領域の各画素の距離値の平均値に基づいて、距離画像Im内で一律に、水平サイズΔx及び垂直サイズΔyを算出する。
次に、制御部210は、図11Aに示すように距離画像Im上で、X座標としてx=0を選択し(S21)、Y座標としてy=0を選択する(S22)。座標の原点は、距離画像Im上で空き領域の特定を開始する開始点として、適宜、設定される。
次に、制御部210は、選択した座標(x,y)に基づく最小領域Raが、物体70又は物体71と重ならずに空いているか否かを判断する(S23)。本実施形態において、ステップS23における最小領域Raは、距離画像Im上で、制御部210が選択した座標(x,y)に基づく4点(x,y)、(x+Δx,y)、(x,y+Δy)、(x+Δx,y+Δy)を頂点として有する矩形領域である。例えば、制御部210は、最小領域Raの画素毎の距離値と所定のしきい値とを比較し、最小領域Ra内に物体領域R70又は物体領域R71があるか否かを判断する。また、制御部210は、最小領域Raにおける距離値の分布の変化に基づき、最小領域Ra内に物体領域R70又は物体領域R71があるか否かを判断してもよい。
制御部210は、選択した座標(x,y)に基づく最小領域Raが物体70又は物体71と重ならずに空いていると判断した場合(S23でYes)、判断した最小領域Raの位置を空き領域が特定された位置として、メモリ220に記憶させる(S24)。例えば、図11Aの例において、座標(x,y)=(0,0)に基づく最小領域Raは、物体領域R70又は物体領域R71と重なっていないため、ステップS24において最小領域Raの位置{(0,0)、(Δx,0)、(0,Δy)、(Δx,Δy)}がメモリ220に記憶される。
一方、制御部210は、選択した座標(x,y)に基づく最小領域Raが空いていないと判断すると(S23でNo)、最小領域Raの位置をメモリ220に記憶させずにステップS25に進む。
次に、制御部210は、選択したyが上限値Ys未満であるか否かを判断する(S25)。上限値Ysは、距離画像Im中のY方向における検出範囲の境界に基づき設定される。本実施形態では、上限値Ysは、図11Aに示すように、距離画像Im上の棚面60のY方向の最大値よりも垂直サイズΔy分小さい値に設定される。
選択したyがYsよりも小さい場合(S25でYes)、制御部210は、最小領域Raの垂直サイズΔy分大きいY座標としてy+Δyを新たに選択して(S26)、ステップS23以降の処理を繰り返す。これにより、最小領域サイズ分の空き領域の特定が順次、Y方向に走査して行われる。
選択したyがYs以上に達すると(S25でNo)、制御部210は、選択したxが上限値Xs未満であるか否かを判断する(S27)。上限値Xsは、距離画像Im中のX方向における検出範囲の境界に基づき設定される。本実施形態では、上限値Xsは、図11Aに示すように、距離画像Im上の棚面60のX方向の最大値よりも水平サイズΔx分小さい値に設定される。
選択したxがXsよりも小さい場合(S27でYes)、制御部210は、最小領域Raの水平サイズΔx分大きいX座標としてx+Δxを新たに選択して(S28)、ステップS22以降の処理を繰り返す。これにより、X方向を副走査方向、Y方向を主走査方向として、最小領域サイズ分の空き領域の特定が検出範囲全域に渡って行われる。
選択したxがXs以上に達すると(S27でNo)、制御部210は、メモリ220に記憶された複数の最小領域Raの位置に基づいて、一つ又は複数の空き領域を特定する(S29)。制御部210は、メモリ220に記憶された複数の最小領域Raの各々の位置が連結している領域を一つの空き領域として特定する。また、制御部210は、メモリ220に記憶された複数の最小領域Raの各々の位置が分離している複数の領域を複数の空き領域として特定する。これにより、制御部210は一つ又は複数の空き領域を特定する。例えば、図11Aに例示する距離画像Imでは、制御部210は、図11Bに示すように、3つの空き領域61,62,63を特定する。制御部210は、空き領域群61,62,63を特定結果として示す空き領域特定データ23(図3参照)を生成する。
制御部210は、空き領域特定データ23を生成して図9のフローチャートのステップS3の処理を終了し、ステップS4に進む。
以上の処理により、制御部210は、距離検出部230によって生成された距離画像Imを用いて、検出範囲の棚面60上で対象物70による物体領域R70又は他の物体71による物体領域R71とは重ならない空き領域群61,62,63を特定することができる。
図11Bは、図11Aの距離画像Imに基づく空き領域の特定結果を示している。図11Bに示すように、距離画像Im中の座標p1に基づく最小領域Rapは、物体領域R70と一部、重なっている。本実施形態では、制御部210は、最小領域Rapのような、物体領域と重なる最小領域を除外する(S23でNo)。これにより、制御部210は、複数の空き領域61,62,63をそれぞれ特定することができる。
(2)ステップS5の処理について
図9のフローチャートにおけるステップS5の空き領域を分類する処理について、図12を参照して説明する。図12は、投影装置100による空き領域を分類する処理(S5)を示すフローチャートである。
まず、制御部210は、図9のステップS3の特定結果に基づいて、一つ以上の空き領域が特定されたか否かを判断する(S40)。例えば、図11Bの例では、空き領域群61,62,63の特定結果を示す空き領域特定データ23が生成されており、制御部210は、ステップS40において「Yes」に進む。
制御部210は、一つ以上の空き領域が特定されたと判断した場合(S40でYes)、空き領域特定データ23が示す空き領域群61,62,63から一つの空き領域を選択する(S41)。
次に、制御部210は、選択した空き領域の投影面上でのサイズが所定の基準サイズ以上か否かを判断する(S42)。基準サイズは、例えば、図9のステップS2において特定された対象物70に関するコンテンツDB22に記録された最小表示サイズの内で、最も小さいサイズに設定される。
ステップS42において、制御部210は、距離画像Imに基づき、選択した空き領域の範囲内で最大の矩形領域を設定し、設定した矩形領域のサイズを計算する。ステップS42の処理は、実際の投影面(棚面60)上でのサイズを基準として行われる。制御部210は、空き領域内の矩形領域が実際の投影面上で矩形となるように、適宜、幾何補正等を行う。
制御部210は、選択した空き領域のサイズが基準サイズ以上であると判断した場合(S42でYes)、メモリ220に記憶された空き領域登録リスト24(図3参照)に、選択した空き領域を登録する(S43)。空き領域登録リスト24には、コンテンツが投影される候補の空き領域が登録される。
一方、制御部210は、選択した空き領域のサイズが基準サイズ以上でないと判断した場合(S42でNo)、選択した空き領域を空き領域登録リスト24へ登録せずにステップS44に進む。これにより、基準サイズよりも小さい空き領域が、コンテンツが投影される候補の空き領域から除外される。
次に、制御部210は、空き領域特定データ23においてステップS41で未だ選択されていない空き領域があるか否かを判断する(S44)。制御部210は、未選択の空き領域がある場合(S44でYes)、未選択の空き領域に対してステップS41以降の処理を繰り返す。
空き領域特定データ23において未選択の空き領域がなくなると(S44でNo)、制御部210は、空き領域登録リスト24に登録された空き領域の中から、一つの空き領域を選択する(S45)。
次に、制御部210は、選択した空き領域から、図9のステップS2において特定された対象物70までの距離を算出する(S46)。本実施形態では、投影装置100が対象物70に最も近い空き領域に優先的にコンテンツを投影するために、制御部210は、各空き領域と対象物70との間の距離を定義し、投影候補の空き領域毎に対象物70までの距離を算出する。ステップS46において対象物70までの距離を算出する処理の詳細については、後述する。
次に、制御部210は、算出した距離が、所定の上限距離以下であるか否かを判断する(S47)。上限距離は、対象物70から所定の範囲内にコンテンツを投影するために設定される距離であり、例えば対象物70のサイズに応じて設定される。
算出した距離が上限距離以下である場合(S47でYes)、制御部210は、空き領域登録リスト24において、空き領域の内で距離が近い順に、選択した空き領域を並べ替える(S48)。これにより、空き領域登録リスト24において、対象物70までの距離が近い順に投影候補の空き領域が分類される。
一方、算出した距離が上限距離以下ではない場合(S47でNo)、制御部210は、空き領域登録リスト24から、選択した空き領域を削除する(S49)。これにより、上限距離に基づき、対象物70に関するコンテンツの投影場所としては対象物70と離れ過ぎている空き領域が、投影候補から除外される。
次に、制御部210は、空き領域登録リスト24においてステップS45で未選択の空き領域があるか否かを判断する(S50)。制御部210は、空き領域登録リスト24に未選択の空き領域がある場合(S50でYes)、未選択の空き領域に対してステップS45以降の処理を繰り返す。
制御部210は、空き領域登録リスト24に未選択の空き領域がなくなると(S50でNo)、図9のステップS5の処理を終了し、ステップS6に進む。
また、制御部210は、図9のステップS3の特定結果に基づき、一つ以上の空き領域が特定されていないと判断すると(S40でNo)、ステップS41以降の処理を行わずに図9のステップS5の処理を終了する。この場合、制御部210は、図9のステップS6において「No」に進み、再度、物体の検出が行われる(S1)。
以上の処理によると、棚面60等の検出範囲内に空き領域群61,62,63が特定された場合に、各空き領域のサイズ及び各空き領域から対象物70までの距離に基づき、コンテンツが投影される候補の空き領域として適切な空き領域が分類される。
(2−1)ステップS46の処理について
図12のフローチャートにおけるステップS46の対象物までの距離を算出する処理について、図13、図14A及び図14Bを参照して説明する。図13は、対象物までの距離を算出する処理(S46)を示すフローチャートである。図14A及び図14Bの各々は、対象物までの距離を算出する処理を説明するための図である。
本処理は、図9のステップS2において特定された対象物70、及び図12のステップS45において選択された空き領域を対象として行われる。以下、一例として、ステップS45において空き領域61が選択された例について説明する(図14A及び図14B参照)。
まず、制御部210は、例えば図14Aに示すように、距離画像Im中の対象物70の複数の輪郭座標C70と、空き領域61の複数の輪郭座標C61とをそれぞれ抽出する(S61)。
次に、制御部210は、抽出した複数の輪郭座標C61から一点を選択する(S62)。本実施形態では、制御部210が、複数の輪郭座標C61の点毎に対象物70までの距離を算出するために、ステップS62において複数の輪郭座標C61から一点を選択する。制御部210は、例えば、複数の輪郭座標C61において所定の間隔の点群から一点を選択する。
次に、制御部210は、選択した輪郭座標C61から対象物70までの最短距離を算出するために、抽出した複数の輪郭座標C70から一点を選択する(S63)。制御部210は、例えば、複数の輪郭座標C70において所定の間隔の点群から一点を選択する。
次に、制御部210は、複数の輪郭座標C61と複数の輪郭座標C71とからそれぞれ選択した二点間の距離を算出する(S64)。制御部210は、距離画像Imにおける各点の座標及び画素の距離値に基づき、実際の空間における選択した二点間の距離を算出する。
次に、制御部210は、算出した二点間の距離がメモリ220に記憶された仮最短距離よりも短いか否かを判断する(S65)。メモリ220には、予め仮最短距離のデフォルトの値(例えば後述のカットオフの値)が記憶されていてもよい。
制御部210は、算出した二点間の距離が仮最短距離よりも短いと判断した場合(S65でYes)、メモリ220に記憶された仮最短距離を算出した距離に書き換えて、仮最短距離を更新する(S66)。
一方、制御部210は、算出した二点間の距離が仮最短距離よりも短くないと判断した場合(S65でNo)、仮最短距離を更新せずに、ステップS67に進む。
次に、制御部210は、複数の輪郭座標C70において未選択の点があるか否かを判断する(S67)。複数の輪郭座標C70において未選択の点がある場合(S67でYes)、制御部210は、未選択の点に対してステップS63以降の処理を繰り返す。これにより、最終的に更新された仮最短距離として、複数の輪郭座標C61において選択された一点から、複数の輪郭座標C70における各点までの距離の内の最短距離が得られる。
制御部210は、複数の輪郭座標C70に未選択の点がなくなるまでステップS63以降の処理を行った後(S67でNo)、得られた最短距離が所定のカットオフの値以下か否かを判断する(S68)。カットオフの値は、空き領域61の各輪郭座標C61において対象物70から遠い点を選択した際に算出される対象物70までの最短距離が、空き領域61の大きさに応じて大きくなってしまう影響を除外するための値である。カットオフの値は、例えば、メモリ220に記憶されているコンテンツDB22のデフォルト表示サイズの中で最大の寸法等に設定される。
制御部210は、得られた最短距離がカットオフの値以下であると判断した場合(S68でYes)、複数の輪郭座標C61における点毎の最短距離の合計値に、得られた最短距離を加算する(S69)。また、制御部210は、加算回数の合計値に、1を加算する。
一方、制御部210は、得られた最短距離がカットオフの値以下でないと判断した場合(S68でNo)、最短距離の合計値に得られた最短距離を加算せずに、ステップS70に進む。
次に、制御部210は、複数の輪郭座標C61において、未選択の点があるか否かを判断する(S70)。複数の輪郭座標C61において未選択の点がある場合(S70でYes)、制御部210は、複数の輪郭座標C61における未選択の点に対してステップS62以降の処理を繰り返す。これにより、複数の輪郭座標C61上の各点に対する対象物70までの最短距離が計算される。また、最短距離の合計値は、複数の輪郭座標C61においてカットオフの値以下の最短距離の合計値である(図14B参照)。
制御部210は、複数の輪郭座標C61において未選択の点がなくなるまでステップS62以降の処理を行った後(S70でNo)、ステップS69の算出結果に基づき、空き領域61から対象物70までの距離を算出する(S71)。制御部210は、空き領域61から対象物70までの距離として、ステップS69において加算した最短距離の合計値及び加算回数の合計値に基づき、複数の輪郭座標C61においてカットオフの値以下の最短距離の平均値を算出する。
これにより、制御部210は、図12のステップS46の処理を終了し、ステップS47に進む。
以上の処理によると、制御部210は、各輪郭座標C61から対象物70までの最短距離の平均値を用いることにより(S71)、対象物70に対する空き領域61の近さを表す距離を算出することができる。また、制御部210がカットオフの値以下の最短距離のみを用いて平均値を算出することにより(S68)、空き領域61が大きいことによって距離が大きく算出されることが抑制される。
(3)ステップS7の処理について
図9のフローチャートにおけるステップS7のコンテンツを決定する処理について、図15を参照して説明する。図15は、投影装置100によるコンテンツを決定する処理(S7)を示すフローチャートである。
まず、制御部210は、空き領域登録リスト24から、コンテンツが投影される候補として一つの空き領域を選択する(S81)。制御部210は、空き領域登録リスト24において登録された順番に従って(図12のS48)、一つの空き領域を選択する。
次に、制御部210は、距離画像Imにおける選択した空き領域の輪郭座標に基づいて、空き領域内部に矩形領域を設定する(S82)。制御部210は、矩形領域の向きが実際の棚面60上で所定の向きになるように、適宜、幾何補正等を行い、選択した空き領域の内部で最大の矩形領域を設定する。所定の向きは、例えば矩形領域のX方向が棚面60の境界に沿う向きなどの視認者にとって視易い向きである。所定の向きは、例えば検出範囲(棚面60)と関連付けられてメモリ220に予め記憶されている。
次に、制御部210は、メモリ220に記憶されたコンテンツDB22から、対象物70に関連付けされた一つのコンテンツを選択する(S83)。制御部210は、コンテンツDB22に記録された順番に従って(図6参照)、一つのコンテンツを選択する。
次に、制御部210は、コンテンツDB22を参照し、投影候補の空き領域中の矩形領域のサイズが、選択したコンテンツの最小表示サイズ以上か否かを判断する(S84)。制御部210は、距離画像Imにおける矩形領域内の各画素の距離値に基づき、実際の棚面60上の矩形領域の水平サイズ及び垂直サイズを算出する。制御部210は、算出した矩形領域の水平サイズ及び垂直サイズの双方が、それぞれ最小表示サイズの水平サイズ及び垂直サイズ以上である場合には、ステップS84において「Yes」に進み、それ以外の場合には、「No」に進む。
制御部210は、投影候補の空き領域中の矩形領域のサイズが、選択したコンテンツの最小表示サイズ以上であると判断した場合(S84でYes)、投影候補として選択した空き領域に、選択したコンテンツを投影することを決定する(S85)。
次に、制御部210は、コンテンツDB22を参照し、空き領域中に設定した矩形領域のサイズが、投影するコンテンツのデフォルト表示サイズ以上か否かを判断する(S86)。制御部210は、矩形領域の水平サイズ及び垂直サイズの双方が、それぞれデフォルト表示サイズの水平サイズ及び垂直サイズ以上である場合には、ステップS86において「Yes」に進み、それ以外の場合には「No」に進む。
制御部210は、空き領域中に設定した矩形領域のサイズが投影するコンテンツのデフォルト表示サイズ以上であると判断した場合(S86でYes)、デフォルト表示サイズのコンテンツが空き領域内で対象物70に最も近接するように、コンテンツの投影位置を決定する(S87)。このとき、制御部210は、例えば、矩形領域の各辺のうち、コンテンツが対象物70に最も近い辺に隣接するように、コンテンツの投影位置を決定する。これにより、制御部210は、空き領域の範囲内における対象物70の近傍に、コンテンツを投影部250に投影させることができる。
一方、制御部210は、空き領域中に設定した矩形領域のサイズが投影するコンテンツのデフォルト表示サイズ以上でないと判断した場合(S86でNo)、設定した矩形領域内にコンテンツが収まるように、コンテンツの表示サイズを調整し、ステップS87の処理に進む。例えば、制御部210は、投影画像80を示す映像信号処理において、コンテンツの表示サイズの調整を行う。表示サイズの調整は、コンテンツのアスペクト比を維持するように行われる。なお、制御部210はコンテンツに応じてアスペクト比を変更してもよい。
制御部210は、コンテンツの投影位置を決定することにより(S87)、図9のステップS7を終了する。これにより、図9のステップS8において、決定したコンテンツが、対象物の近傍の空き領域に投影される(図7中の(b)参照)。
また、制御部210は、投影候補の空き領域中に設定した矩形領域のサイズが、選択したコンテンツの最小表示サイズ以上でないと判断した場合(S84でNo)、コンテンツDB22に未選択のコンテンツがあるか否かを判断する(S89)。
制御部210は、コンテンツDB22に未選択のコンテンツがある場合(S89でYes)、未選択のコンテンツに対してステップS83以降の処理を行う。これにより、コンテンツDB22において、高い優先順位を設定されたコンテンツの最小表示サイズが投影候補の空き領域に収まらなければ、次の優先順位のコンテンツが選択される。
また、制御部210は、コンテンツDB22に未選択のコンテンツがなくなると(S89でNo)、空き領域登録リスト24に未選択の空き領域があるか否かを判断する(S90)。
制御部210は、空き領域登録リスト24に未選択の空き領域がある場合(S90でYes)、未選択の空き領域に対してステップS81以降の処理を行う。これにより、空き領域登録リスト24において、対象物70までの距離が近い空き領域に投影可能なコンテンツがなければ、次に近い空き領域が選択される。
また、制御部210は、空き領域登録リスト24に未選択の空き領域がなくなると(S90でNo)、図9のステップS7を終了する。この場合、制御部210は、図9のステップS8でコンテンツが投影されないように投影画像を制御し、ステップS1に戻る。
以上の処理によると、棚面60等の検出範囲における空き領域の特定結果に基づき、対象物70近傍の空き領域61の範囲内にコンテンツが投影される(図7中の(b)参照)。また、特定された空き領域61のサイズに応じて、自動的に投影画像80中のコンテンツが切り替えられたり、コンテンツの表示サイズが縮小されたりする(S84,S88、図8中の(b),(c)参照)。また、特定された空き領域61のサイズがデフォルト表示サイズ以上の場合、空き領域61の内部で対象物70の近傍にコンテンツの投影位置が決定される(S87)。
[3.効果等]
以上のように、本実施形態において、投影装置100は、投影部250と、距離検出部230と、制御部210とを備える。投影部250は、投影面となる棚面60において投影画像80を投影する。距離検出部230は、棚面60において、物体70及び物体71を検出する。制御部210は、投影画像80を制御する。制御部210は、距離検出部230の検出結果に基づいて、物体70及び物体71の中から対象物70を特定する。制御部210は、距離検出部230の検出結果に基づいて、棚面60上で物体70又は物体71が検出されない空き領域61を特定する。制御部210は、対象物70に関するコンテンツを含む投影画像80を制御して、空き領域61の範囲内に、コンテンツを投影部250に投影させる。
以上の投影装置100によると、距離検出部230の検出結果に基づいて、検出された物体70及び物体71の内の対象物70に関するコンテンツが、棚面60上で物体70又は物体71とは重ならない空き領域61の範囲内に投影される。これにより、対象物70の周囲の棚面60において、対象物70に関するコンテンツが視認者にとって見易く投影される。
また、本実施形態に係る投影装置100において、制御部210は、特定した空き領域61の範囲内における対象物70の近傍に、コンテンツを投影部250に投影させる(S87,図7中の(b)参照)。これにより、物体70及び物体71の中で特定された対象物70に関するコンテンツが、棚面60上で対象物70の近傍に投影される。そのため、視認者は、コンテンツが対象物70に関連していることを認識しやすくなる。
また、本実施形態に係る投影装置100において、制御部210は、空き領域61の範囲に基づいて、コンテンツのサイズを変更することにより、投影画像80を制御する(S88,図8(b)参照)。投影画像80におけるコンテンツのサイズの変更は、制御部210によるデジタルズームによって行われてもよいし、レンズ駆動部510による光学ズームによって行われてもよい。デジタルズームによってコンテンツのサイズが変更される場合には、投影画像80自体のサイズは変更されない。一方で、光学ズームによってコンテンツのサイズが変更される場合には、投影画像80自体のサイズが変更される。
また、本実施形態に係る投影装置100は、対象物70に関連付けされた複数のコンテンツA,B,Cを記憶するメモリ220をさらに備える。制御部210は、空き領域61の範囲に基づいて、複数のコンテンツA,B,Cの中から空き領域61の形状に応じたコンテンツを選択することにより、投影画像80を制御する(S83,図8中の(c)参照)。
これにより、空き領域61のサイズ及び形状に応じて、見易いコンテンツが投影される。なお、投影装置100は、外部機器から対象物70に関するコンテンツを示す情報を取得してもよい。また、投影装置100は、例えば有線又は無線通信によってコンテンツを示す情報を取得する通信部を備えてもよい。
また、本実施形態に係る投影装置100において、制御部210は、距離検出部230の検出結果に基づいて複数の空き領域61,62,63を特定する。この場合、制御部210は、複数の空き領域61,62,63の各々と対象物70との間の各距離に基づき、複数の空き領域61,62,63の中で対象物70との間の距離が最も近い空き領域を選択する。そして、制御部210は、その最も近い空き領域の範囲内にコンテンツを投影部250に投影させる。
これにより、物体70及び物体71の中で特定された対象物70に関するコンテンツが、棚面60上で対象物70に最も近い空き領域の範囲内に投影される。そのため、視認者は、コンテンツが対象物70に関連していることを認識しやすくなる。
また、本実施形態に係る投影装置100において、制御部210は、距離検出部230の検出結果に基づいて、空き領域61の変化を検知する(S4)。制御部210は、変化した空き領域61に応じて、コンテンツを投影部250に投影させる(図8中の(a)〜(c)参照)。このとき、制御部210は、例えば、空き領域61の位置や形状の変化を検知する。
これにより、例えば棚面60上で対象物70を動かしたときに、対象物70に関するコンテンツの投影位置も連動して変化する。そのため、棚面60上で対象物70を動かしたときでも、投影装置100は自動的に棚面60上の空き領域61を有効活用してコンテンツを投影することができる。なお、図9のフローチャートでは、制御部210は、ステップS4の処理を行ったが、これに限らず、例えば、空き領域の検出後に(S3)、毎回、空き領域の分類(S5)を行ってもよい。すなわち、制御部210は、ステップS4の処理を行わなくてもよい。
また、本実施形態に係る投影装置100において、空き領域61は、平面における領域である。より具体的には、空き領域61は、商品棚600の棚面における領域である。空き領域61は棚面60における領域に限らず、例えば投影装置100の投影面を壁面又は床面に設定した場合(図1又は図2参照)、空き領域61は壁面又は床面における領域であってもよい。空き領域61が、棚面60、壁面及び床面の少なくとも一つを含む平面における領域であることにより、空き領域61上で投影画像80の歪みが抑制され、コンテンツが見易く投影される。
また、本実施形態に係る投影装置100は、距離検出部230から物体70及び物体71までの距離を検出することにより、物体70及び物体71を検出する距離検出部230を備える。投影装置100は、距離検出部230により、物体の立体形状を示す情報を取得でき、物体を精度良く検出することができる。
(実施形態2)
以下、図面を用いて、実施形態2を説明する。実施形態1では、物体の検出範囲内に置かれた一つの対象物70が特定される例について説明したが、複数の対象物が特定されてもよい。実施形態2では、複数の対象物の各々に対してコンテンツが投影される例について説明する。
以下、実施形態1に係る投影装置100と同様の構成、動作の説明は適宜、省略して、本実施形態に係る投影装置100を説明する。
図16は、実施形態2に係る投影装置100による投影動作を説明するための図である。本実施形態に係る投影装置100は、実施形態1に係る投影装置100と同様に構成される。本実施形態では、図16に示すように、商品棚600の棚面60に、複数の対象物70,72が置かれた場合の投影装置100の動作について説明する。
本実施形態に係る投影装置100は、図9のフローチャートと同様の処理を行う。本実施形態では、投影装置100の制御部210は、図9のステップS2において、棚面60上の物体70,71,72の検出結果に基づき複数の対象物70及び対象物72を特定する(図16中の(a))。この場合、投影装置100は、図16中の(b)に示すように、各対象物70,72に関するコンテンツを含む投影画像82を投影する。投影装置100は、投影画像82を投影することによって、対象物70の近傍の空き領域63に対象物70に関するコンテンツを投影し、対象物72の近傍の空き領域64に対象物72に関するコンテンツを投影する。
図17は、本実施形態における空き領域を分類する処理を示すフローチャートである。制御部210は、図9のステップS5において、図12の各処理に代えて図17のフローチャートによる処理を実行する。
図17のフローチャートにおいて、制御部210は、ステップS44において「No」に進むと、特定された対象物70及び対象物72の中から一つの対象物を選択する(S51)。
次に、制御部210は、選択した対象物毎に、投影候補の空き領域を空き領域登録リスト24に登録する(S45〜S50)。
次に、制御部210は、特定された対象物70及び対象物72においてステップS51で未選択の対象物があるか否かを判断する(S52)。制御部210は、対象物70及び対象物72に未選択の対象物がある場合(S52でYes)、未選択の対象物に対してステップS51以降の処理を繰り返す。
制御部210は、特定された対象物70及び対象物72に未選択の対象物がなくなると(S52でNo)、図9のステップS5の処理を終了し、ステップS6に進む。
これにより、制御部210は、特定された対象物70及び対象物72のそれぞれに対して距離の近い順に投影候補の空き領域を選択することができる。
図18は、本実施形態におけるコンテンツを決定する処理を示すフローチャートである。投影装置100の制御部210は、図9のステップS7において、図15の各処理に代えて図18のフローチャートによる処理を実行する。
図18のフローチャートにおいて、制御部210は、まず、複数の対象物70,72の中から、一つの対象物を選択する(S80)。例えば、制御部210は、投影装置100までの距離の近い順に対象物を選択する。
次に、制御部210は、選択した対象物に対して、投影するコンテンツを決定する(S81〜S90)。
次に、制御部210は、特定された対象物70及び対象物72においてステップS80で未選択の対象物があるか否かを判断する(S91)。制御部210は、対象物70及び対象物72に未選択の対象物がある場合(S91でYes)、未選択の対象物に対してステップS80以降の処理を繰り返す。
制御部210は、特定された対象物70及び対象物72に未選択の対象物がなくなると(S91でNo)、図9のステップS7の処理を終了し、ステップS8に進む。
この際、制御部210は、選択済みの対象物に関するコンテンツを投影することが決定した空き領域を、ステップS83において空き領域の選択肢から除外する。これにより、投影装置100は、複数の対象物70,72のそれぞれの近傍の空き領域に、各対象物に関するコンテンツを投影することができる。
以上のように、本実施形態に係る投影装置100において、制御部210は、距離検出部230の検出結果に基づいて複数の対象物70,72を特定する。この場合、制御部210は、複数の対象物70,72の各々に関するコンテンツを投影部250に投影させる(S80〜S91)。これにより、複数の対象物70,72の各々に関するコンテンツを同時に含む投影画像82が投影される。
(他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態1,2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置換、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記各実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施形態を例示する。
上記の実施形態では、投影装置100は、検出部として距離検出部230を備える構成であったが、この構成に限定されない。投影装置100は、検出部として、距離検出部230に代えて、可視光(RGB)による撮像画像を撮像するCCDカメラなどの撮像部を備えてもよい。例えば、制御部210は、撮像部によって撮像された撮像画像を画像解析することによって、対象物の特定および空き領域の特定を行ってもよい。また、投影装置100は、距離検出部230及び撮像部を検出部として備えてもよい。この場合、制御部210は、距離検出部230で生成された検出画像及び撮像部で撮像された撮像画像に基づいて、対象物の特定および空き領域の特定を行ってもよい。
上記の実施形態では、投影装置100において、棚面60を物体の検出範囲且つ投影面として設定した。物体の検出範囲は予め設定されなくてもよく、例えば、投影装置100が、距離検出部230の検出結果に基づき駆動部110等を制御して、物体の検出範囲及び投影面を決定してもよい。
上記の実施形態では、投影装置100は投影方向を変更する駆動部110を備えたが、投影装置100は駆動部110を備えなくてもよい。例えば、投影装置100は、投影面における所定の領域内においてのみ投影画像を投影する場合に、投影面全体へ投影画像を投影できるように最大の画角を設定することで、駆動部を省略できる。
上記の実施形態では、空き領域は平面における領域であったが、空き領域は平面における領域に限定されない。空き領域は、視認者が投影されたコンテンツを認識しやすい程度の凹凸形状を有する面における領域であってもよい。
上記の実施形態では、棚面60が投影装置100の投影面として設定されたが、二つ以上の平面から構成される面が投影装置100の投影面として設定されてもよい。例えば、棚面60と壁面とから構成される面が投影装置100の投影面として設定されてもよい。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において、種々の変更、置換、付加、省略などを行うことができる。
本開示に係る投影装置は、投影面に画像を投影する種々の用途に適用可能である。
60 棚面
61,62,63,64 空き領域
70,71,72 物体
70,72 対象物
80,82 投影画像
100 投影装置
210 制御部
220 メモリ(記憶部)
230 距離検出部(検出部)
250 投影部
600 商品棚

Claims (10)

  1. 所定の投影面において投影画像を投影する投影部と、
    前記所定の投影面において、一つ又は複数の物体を検出する検出部と、
    前記投影画像を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記一つ又は複数の物体の中から所定の一つ又は複数の対象物を特定し、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記所定の投影面上で前記物体が検出されない一つ又は複数の空き領域を特定し、
    前記所定の対象物に関するコンテンツを含む前記投影画像を制御して、前記空き領域の範囲内に、前記コンテンツを前記投影部に投影させる
    投影装置。
  2. 前記制御部は、
    前記投影画像を制御して、前記空き領域の範囲内における前記所定の対象物の近傍に、前記コンテンツを前記投影部に投影させる
    請求項1に記載の投影装置。
  3. 前記制御部は、
    前記空き領域の範囲に基づいて、前記コンテンツのサイズを変更することにより、前記投影画像を制御する
    請求項1又は2に記載の投影装置。
  4. 前記所定の対象物に関連付けされた複数のコンテンツを記憶する記憶部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記空き領域の範囲に基づいて、前記複数のコンテンツの中から前記空き領域の形状に応じたコンテンツを選択することにより、前記投影画像を制御する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の投影装置。
  5. 前記制御部は、
    前記検出部の検出結果に基づいて複数の空き領域を特定した場合、
    前記複数の空き領域の各々と前記所定の対象物との間の各距離に基づき、前記複数の空き領域の中で前記所定の対象物との間の距離が最も近い空き領域を選択し、
    前記最も近い空き領域の範囲内に、前記コンテンツを前記投影部に投影させる
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の投影装置。
  6. 前記制御部は、
    前記検出部の検出結果に基づいて複数の所定の対象物を特定した場合、
    前記複数の所定の対象物の各々に関するコンテンツを前記投影部に投影させる
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の投影装置。
  7. 前記制御部は、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記空き領域の変化を検知し、
    変化した空き領域に応じて、前記コンテンツを前記投影部に投影させる
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の投影装置。
  8. 前記空き領域は、平面における領域である
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の投影装置。
  9. 前記平面は、商品棚の棚面、壁面及び床面の少なくとも一つを含む
    請求項8に記載の投影装置。
  10. 前記検出部は、前記検出部から前記物体までの距離を検出することにより、前記物体を検出する
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の投影装置。
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