JP2017160937A - 一方向クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】空転状態で回転している軌道輪と係合子との間に滑りが発生するのを防止することができる一方向クラッチを提供する。
【解決手段】一方向クラッチ7の保持器74は、内輪71と外輪72との間において外輪72の回転に伴って周方向に揺動可能に配置されている。保持器74には、外輪72が内輪71に対して相対的に周方向他方に回転する空転状態で内輪71のカム面71a1に当接することで、当該保持器74の周方向他方への揺動を規制する他方揺動規制ストッパ93が設けられている。保持器74は、当該保持器74の周方向他方への揺動が規制されると、ころ73が弾性部材75の付勢力により当接する当接面77cを有する。当接面77cは、当該当接面77cにころ73が当接すると、ころ73と外輪72との間に隙間Sが形成されるように、ころ73を保持器74と内輪71との間に噛み込ませる形状とされている。
【選択図】図5

Description

本発明は、一方向クラッチに関する。
従来、ブレードにより風力を受けて当該ブレードに接続された主軸を回転させ、その主軸の回転を増速機により増速させて発電機を駆動するようにした風力発電装置が知られている。また、風力の変動等に起因する発電機の慣性トルクの変動を抑制し、増速機にかかる負荷を低減するため、増速機の出力軸と発電機の入力軸との間に一方向クラッチを設ける技術も知られている(例えば、特許文献1参照)。
前記一方向クラッチは、出力軸に一体回転可能に設けられる内側軌道輪と、入力軸に一体回転可能に設けられる外側軌道輪と、両軌道輪の間で周方向に複数形成されたくさび状空間に個別に配置された複数のころと、を備えている。内側軌道輪には、環状の保持器が外嵌して固定されており、この保持器には、各ころを個別に収容するポケットが周方向に複数形成されている。そして、各ポケットには、ころをくさび状空間の狭い領域側に付勢する弾性部材が設けられている。
このように構成された一方向クラッチは、出力軸の回転速度が入力軸の回転速度を上回る場合には、ころがくさび状空間の狭い領域側に移動して内側軌道輪と外側軌道輪との間に噛み込むことで、出力軸と入力軸とを一体回転可能に接続する。また、一方向クラッチは、出力軸の回転速度が入力軸の回転速度を下回る場合には、ころがくさび状空間の広い領域側に移動して前記噛み込みを解除することで、出力軸と入力軸の接続を遮断する。
特開2014−74348号公報
風力発電装置に用いられる一方向クラッチは非常に大型となる。このため、風力の低下により増速機の出力軸の回転速度が低下し、一方向クラッチの前記噛み込みが解除されると、発電機の入力軸は、発電機のロータや一方向クラッチの外輪の慣性力等によって回転を継続するため、一方向クラッチの前記噛み込みが解除された空転時間が長くなる。そして、この空転時間が長くなると、一方向クラッチのころと外輪軌道輪の内周面との間で滑りによる発熱が生じ、ころが摩耗するなど、一方向クラッチにダメージを与えることがある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、空転状態で回転している軌道輪と係合子との間に滑りが発生するのを防止することができる一方向クラッチを提供することを目的とする。
本発明の一方向クラッチは、内側軌道輪及び外側軌道輪と、これら両軌道輪の間で周方向に形成される複数の空間に個別に配置される複数の係合子と、前記係合子を保持するポケットが周方向に沿って複数設けられている環状の保持器と、前記ポケットに設けられ前記係合子を周方向一方に付勢する弾性部材と、を備え、前記内側軌道輪及び前記外側軌道輪の一方の軌道輪が他方の軌道輪に対して相対的に前記周方向一方に回転することで、前記係合子が前記弾性部材の付勢力により前記両軌道輪に噛み込まれたロック状態となって前記両軌道輪を一体回転可能とし、前記一方の軌道輪が前記他方の軌道輪に対して相対的に周方向他方に回転することで、前記噛み込みを解除した空転状態となって前記一方の軌道輪の相対回転を許容する一方向クラッチであって、前記保持器は、前記一方の軌道輪と前記他方の軌道輪との間において前記一方の軌道輪の回転に伴って周方向に揺動可能に配置されており、前記保持器には、前記空転状態で前記他方の軌道輪の周面に当接することで、当該保持器の前記周方向他方への揺動を規制する他方揺動規制ストッパが設けられており、前記保持器は、当該保持器の前記周方向他方への揺動が規制されると、前記係合子が前記弾性部材の付勢力により当接する当接面を有し、前記当接面は、当該当接面に前記係合子が当接することで、前記係合子と前記一方の軌道輪との間に隙間が形成されるように、前記係合子を前記保持器と前記他方の軌道輪との間に噛み込ませる形状とされていることを特徴とする。
本発明によれば、一方の軌道輪が他方の軌道輪に対して相対的に周方向他方に回転し、前記噛み込みを解除した空転状態になると、保持器は一方の軌道輪の回転に伴って周方向他方に揺動する。そして、保持器に設けられた他方揺動規制ストッパが他方の軌道輪に当接することで、保持器の周方向他方への揺動が規制される。そうすると、係合子は弾性部材の付勢力により保持器の当接面に当接し、保持器と他方の軌道輪との間に係合子が噛み込むことで、係合子と一方の軌道輪との間に隙間が形成される。したがって、空転状態で回転している一方の軌道輪と係合子との間に滑りが発生するのを防止することができる。その結果、前記滑りによる発熱が生じることはないので、係合子が摩耗するなど、一方向クラッチにダメージを与えるのを防止することができる。
前記一方向クラッチにおいて、前記保持器には、前記他方の軌道輪の周面に当接することで、当該保持器の前記周方向一方への揺動を規制する一方揺動規制ストッパが設けられているのが好ましい。
この場合、一方の軌道輪が他方の軌道輪に対して相対的に周方向一方に回転するときに、保持器が周方向一方へ必要以上に揺動するのを防止することができる。
前記一方向クラッチにおいて、前記保持器には、前記一方の軌道輪の周面に対して摺動可能な摺動部が設けられているのが好ましい。この場合、一方の軌道輪が他方の軌道輪に対して相対的に回転するときに、一方の軌道輪の周面に対して摺動部が摺動することで、保持器を一方の軌道輪の回転に伴って容易に揺動させることができる。
前記一方向クラッチにおいて、前記保持器は、軸方向に対向する一対の円環部と、これら両円環部を連結する複数の柱部とを有し、周方向に隣り合う前記柱部同士の間が前記ポケットとされており、前記柱部の前記周方向他方側の側面には、径方向内側から径方向外側に向かうに従って前記ポケット側に漸次突出するテーパ面が形成されており、前記テーパ面が前記当接面とされているのが好ましい。
この場合、保持器の柱部に形成されたテーパ面が、空転状態で係合子が当接する当接面として機能するため、簡単な構成により保持器と他方の軌道輪との間に係合子を噛み込ませることができる。
本発明の一方向クラッチによれば、空転状態で回転している軌道輪と係合子との間に滑りが発生するのを防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る一方向クラッチを備えた風力発電装置を示す概略側面図である。 上記風力発電装置における増速機の出力軸と発電機の駆動軸との連結部分を示す断面図である。 上記一方向クラッチの一方向クラッチを示す断面図である。 上記一方向クラッチのロック状態における要部を示す拡大断面図である。 上記一方向クラッチの空転状態における要部を示す拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係る一方向クラッチを備えた風力発電装置における増速機の出力軸と発電機の駆動軸との連結部分を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら詳述する。
[第1実施形態]
<風力発電装置>
図1は、本発明の第1実施形態に係る一方向クラッチを備えた風力発電装置を示す概略側面図である。この風力発電装置(発電装置)1は、風力(外力)を受けて回転する主軸2と、この主軸2に連結されている増速機3と、この増速機3に連結されている発電機4とを備えている。風力発電装置1は、風力による主軸2の回転を増速機3で増速させて発電機4に伝達し、当該発電機4を駆動させることによって発電する。
主軸2の先端部には、ブレード(図示省略)が一体回転可能に取り付けられており、このブレードは風力を受けると主軸2を回転させる。
発電機4は、増速機3により増速された出力軸35の回転を入力して回転する駆動軸(入力軸)41と、発電機4に内蔵されているロータ42と、図示しないステータ等とを有する。ロータ42は駆動軸41に一体回転可能に連結されており、駆動軸41が回転してロータ42が駆動することに伴って発電するようになっている。
<増速機>
増速機3は、主軸2の回転を入力してその回転を増速する歯車機構(回転伝達機構)30を備えている。この歯車機構30は、遊星歯車機構31と、この遊星歯車機構31により増速された回転を入力して、さらにその回転を増速する高速段歯車機構32とを備えている。
遊星歯車機構31は、内歯車(リングギヤ)31aと、主軸2に一体回転可能に連結された遊星キャリア(図示省略)に保持された複数の遊星歯車31bと、遊星歯車31bに噛み合う太陽歯車31cとを有している。これにより、前記主軸2とともに遊星キャリアが回転すると、遊星歯車31bを介して太陽歯車31cが回転し、その回転が高速段歯車機構32の低速軸33に伝達される。
高速段歯車機構32は、低速ギヤ33aを有する前記低速軸33と、第1中間ギヤ34a及び第2中間ギヤ34bを有する中間軸34と、高速ギヤ35aを有する出力軸35とを備えている。
低速軸33は、主軸2と同心上に配置されている。低速軸33の軸方向両端部はころ軸受36a,36bにより回転自在に支持されている。
中間軸34は、低速軸33の上方に配置されており、その軸方向両端部はころ軸受37a,37bにより回転自在に支持されている。中間軸34の第1中間ギヤ34aは低速ギヤ33aと噛み合い、第2中間ギヤ34bは高速ギヤ35aと噛み合っている。
出力軸35は、中間軸34の上方に配置されており、回転トルクを出力するようになっている。出力軸35の軸方向の一端部35b及び他端部(出力端部)35c側は、それぞれころ軸受38,39により回転自在に支持されている。
以上の構成により、主軸2の回転は、遊星歯車機構31のギヤ比、低速ギヤ33aと第1中間ギヤ34aとのギヤ比、及び第2中間ギヤ34bと高速ギヤ35aとのギヤ比により3段階に増速されて、出力軸35の出力端部35cから回転トルクが出力される。すなわち、風力による主軸2の回転は、増速機3により3段階に増速されて、発電機4を駆動するようになっている。
<一方向クラッチユニット>
風力発電装置1は、増速機3の出力軸35の他端部35cと発電機4の駆動軸41との間に設けられた一方向クラッチユニットUを備えている。一方向クラッチユニットUは、増速機3の出力軸35に一体回転可能に連結されている入力回転体(内側回転体)5と、発電機4の駆動軸41に一体回転可能に連結されている出力回転体(外側回転体)6とを備えている。また、一方向クラッチユニットUは、入力回転体5と出力回転体6との間に配置された一方向クラッチ7と、一方向クラッチ7の軸方向両側に所定間隔をあけて配置された一対の転がり軸受8とをさらに備えている。一方向クラッチ7は、出力軸35の回転を入力回転体5及び出力回転体6を介して駆動軸41に伝達するものである。
図2は、増速機3の出力軸35と発電機4の駆動軸41との連結部分を示す断面図である。入力回転体5は、出力軸35と同心上に配置されており、その軸方向一端部(図2の軸方向一方側の端部)から軸方向他端部(図2の軸方向他方側の端部)に向けて、フランジ部51、大径部52及び小径部53をこの順に有している。
フランジ部51は、大径部52の外周面よりも径方向外側に延びて形成されており、出力軸35の出力端部35cに着脱可能に固定されている。具体的には、フランジ部51は、前記出力端部35cに形成されたフランジ部35c1に当接した状態で、図示しないボルト・ナットにより当該フランジ部35c1に締結固定されている。
出力回転体6は、入力回転体5の径方向外側に同心上に配置されており、円筒部61と、この円筒部61の軸方向他端部に形成されたフランジ部62とを有している。
なお、本実施形態では、入力回転体5及び出力回転体6は、それぞれ出力軸35及び駆動軸41に対して別体として設けられているが、それぞれ出力軸35及び駆動軸41と一体に形成されていてもよい。
フランジ部62は、円筒部61の外周面よりも径方向外側に延びて形成されており、駆動軸41の一端部に着脱可能に固定されている。具体的には、フランジ部62は、駆動軸41の前記一端部に形成されたフランジ部41aに当接した状態で、図示しないボルト・ナットにより当該フランジ部41aに締結固定されている。
円筒部61の軸方向一端部には、円筒部61の内周面と入力回転体5の大径部52の外周面との間の環状空間を密封する環状のシール部材10が設けられている。
<一方向クラッチ>
図3は、一方向クラッチ7を示す断面図である。図2及び図3において、一方向クラッチ7は、内輪(内側軌道輪)71及び外輪(外側軌道輪)72と、内輪71の外周面71aと外輪72の内周面72aとの間に配置された複数のころ(係合子)73とを備えている。
内輪71は、入力回転体5の小径部53の軸方向中央部に外嵌して固定されており、小径部53と一体回転する。そして、出力回転体6における円筒部61の軸方向中央部の領域Bが、一方向クラッチ7の外輪72として機能している。したがって、円筒部61の領域Bの内周面は、外輪72の内周面72aとされている。ころ73は、円柱形状であり、本実施形態では周方向に8つ配置されている。なお、本実施形態では、出力回転体6(円筒部61)を、一方向クラッチ7の外輪72としているが、この外輪72を出力回転体6に対して別体として設けてもよい。
さらに、一方向クラッチ7は、各ころ73を円周方向に沿って所定間隔毎に保持する環状の保持器74と、各ころ73を周方向一方に弾性的に付勢する複数の弾性部材75とを備えている。保持器74は、例えば樹脂部材からなり、軸方向に対向する一対の円環部76と、これら両円環部76を連結する複数の柱部77とを有している。なお、保持器74は、一対の円環部76を金属部材とし、柱部77を樹脂部材としてもよい。
保持器74の柱部77は、両円環部76の間で軸方向に延びかつ周方向等間隔に配列されている。そして、保持器74には、周方向に隣り合う柱部77と両円環部76との間に複数のポケット78が形成されており、各ポケット78には各ころ73が個別に収容されている。
弾性部材75は、圧縮コイルバネからなり、保持器74の各ポケット78においてころ73の周方向他方側に個別に収容されている。そして、弾性部材75の一端部は柱部77の周方向一方側の側面に当接し、弾性部材75の他端部はころ73の外周面73aに当接している。
図3において、内輪71の外周面71aには、ころ73と同数(8つ)の平坦なカム面71a1が形成されている。これに対して、外輪72の内周面72aは円筒面とされている。これにより、カム面71a1と内周面72aとの間には、くさび状空間79が周方向に複数(8つ)形成されている。そして、ころ73は各くさび状空間79に個別に配置されており、弾性部材75がころ73をくさび状空間79の狭い領域側(周方向一方)に付勢している。ころ73の外周面73aは、カム面71a1及び内周面72aに接触する接触面とされている。
このように構成された一方向クラッチ7では、外輪72が内輪71に対して相対的に周方向一方に回転しようとすると、弾性部材75の付勢力により、ころ73はくさび状空間79の狭い領域側へ僅かに移動して、ころ73の外周面73aが内輪71の外周面71a及び外輪72の内周面72aに圧接する。これにより、一方向クラッチ7は、ころ73が内外輪71,72の間に噛み込まれたロック状態となる。このように、一方向クラッチ7がロック状態になると、内外輪71,72は周方向一方に一体回転可能となり、入力回転体5と出力回転体6とが一体回転可能に接続される。
一方、外輪72が内輪71に対して相対的に周方向他方に回転しようとすると、ころ73が弾性部材75の付勢力に抗してくさび状空間79の広い領域側に僅かに移動することで、ころ73と内外輪71,72との噛み込みが解除される。このように、ころ3の噛み込みが解除されることで、外輪72の周方向他方への相対回転が許容され、入力回転体5と出力回転体6との接続が遮断される。これにより、一方向クラッチ7は、駆動軸41及び出力回転体6がロータ42の慣性力によって回転を継続する空転状態となる。なお、この空転状態においても、発電機4はロータ42が慣性力により回転を継続するので発電が行われる。
<転がり軸受>
図2において、入力回転体5と出力回転体6との間の環状空間には、一方向クラッチ7の軸方向両側に所定間隔をあけて一対の転がり軸受8がそれぞれ配置されている。これら一対の転がり軸受8は、入力回転体5及び出力回転体6を互いに相対回転可能に支持している。各転がり軸受8は、例えば円筒ころ軸受からなり、内輪81及び外輪82と、内輪81と外輪82との間に転動可能に配置された複数の円筒ころ83とを備えている。
なお、本実施形態では、転がり軸受8として円筒ころ軸受を用いているが、深溝玉軸受など他の転がり軸受を用いてもよい。また、一対の転がり軸受8として、同じ種類の転がり軸受(円筒ころ軸受)を用いているが、例えば一方を円筒ころ軸受とし、他方を深溝玉軸受にするなど、互いに異なる種類の転がり軸受を用いてもよい。
本実施形態では、出力回転体6における円筒部61の軸方向両端部の領域A及び領域Cが、転がり軸受8の外輪82として機能しており、この領域A,Cの各内周面が外輪82の外軌道面82aとされている。この外軌道面82aと、内輪81の外周に形成された内軌道面81aとの間には、円筒ころ83が転動可能に配置されている。
なお、本実施形態では、出力回転体6(円筒部61)を、各転がり軸受8の外輪82としているが、これらの外輪82を出力回転体6に対して別体として設けてもよい。
<摺動部>
図4は、一方向クラッチ7のロック状態における要部を示す拡大断面図である。また、図5は、一方向クラッチ7の空転状態における要部を示す拡大断面図である。図4及び図5において、保持器74は、内輪71と外輪72との間において外輪72の回転に伴って周方向に揺動可能に配置されている。具体的には、保持器74の各柱部77の外周面には、外輪72の内周面72aに対して摺動可能な摺動部91が突設されている。摺動部91は例えば樹脂部材からなり、その外周面91aは外輪72の内周面72aに面接触するように円弧面とされている。
これにより、保持器74は、外輪72が周方向一方又は周方向他方に回転すると、その内周面72aに摺動部91の外周面91aが摺動することで、保持器74が外輪72の回転方向へ揺動する。なお、摺動部91は、円環部76の外周面に突設されていてもよい。
<一方揺動規制ストッパ>
保持器74の柱部77の内周面には、保持器74の周方向一方への揺動を規制する一方揺動規制ストッパ92が突設されている。一方揺動規制ストッパ92は、柱部77の内周面において、空転状態(図5)で内輪71のカム面71a1から離反するとともに、ロック状態(図4)でカム面71a1に当接する位置に設けられている。一方揺動規制ストッパ92は例えば樹脂部材からなり、その先端面92aはカム面71a1に面接触するように平坦面とされている。
これにより、図5に示す状態から外輪72が周方向一方に相対回転して保持器74が周方向一方に僅に揺動すると、図4に示すように一方揺動規制ストッパ92の先端面92aが内輪71のカム面71a1に当接し、保持器74の周方向一方への揺動が規制される。なお、一方揺動規制ストッパ92は保持器74の円環部76の内周面に突設されていてもよい。
<他方揺動規制ストッパ>
保持器74の円環部76の内周面には、保持器74の周方向他方への揺動を規制する他方揺動規制ストッパ93が突設されている。他方揺動規制ストッパ93は、円環部76の内周面において、ロック状態(図4)で内輪71のカム面71a1から離反するとともに、空転状態(図5)でカム面71a1に当接する位置に設けられている。他方揺動規制ストッパ93は例えば樹脂部材からなり、その先端面93aはカム面71a1に面接触するように平坦面とされている。
これにより、図4に示す状態から外輪72が周方向他方に相対回転して保持器74が周方向他方に僅に揺動すると、図5に示すように他方揺動規制ストッパ93の先端面93aが内輪71のカム面71a1に当接し、保持器74の周方向他方への揺動が規制される。なお、他方揺動規制ストッパ93は保持器74の柱部77の内周面に突設されていてもよい。
<当接面>
保持器74の柱部77における周方向他方側の側面77aは、径方向内端から径方向中央部にかけて形成された平坦面77bと、径方向中央部から径方向外端にかけて形成されたテーパ面77cとからなる。このテーパ面77cは、保持器74が空転状態で他方揺動規制ストッパ93により周方向他方への揺動が規制されたときに、ころ73が弾性部材75の付勢力により当接する当接面とされている。
当接面77cは、ころ73が当接すると、ころ73の外周面73aと外輪72の内周面72aとの間に隙間Sが形成されるように、ころ73を保持器74と内輪71との間に噛み込ませる形状とされている。具体的には、当接面77cは、側面77aの径方向中央部から径方向外端に向かうに従ってポケット78側に漸次突出するように傾斜して形成されている。
<作用効果>
以上の構成により、外輪72が内輪71に対して相対的に周方向他方に回転して空転状態になると、保持器74側の摺動部91が外輪72の内周面72aに対して摺動することで、保持器74は外輪72の回転に伴って周方向他方に揺動する。そして、図5に示すように、他方揺動規制ストッパ93が内輪71のカム面71a1に当接することで、保持器74の周方向他方への揺動が規制される。
そうすると、ころ73は弾性部材75の付勢力により柱部77の当接面77cに当接し、保持器74と内輪71との間にころ73が噛み込むことで、ころ73と外輪72との間に隙間Sが形成される。したがって、空転状態で回転している外輪72ところ73との間に滑りが発生するのを防止することができる。その結果、前記滑りによる発熱が生じることはないので、ころ73が摩耗するなど、一方向クラッチ7にダメージを与えるのを防止することができる。
また、上記空転状態から外輪72が内輪71に対して相対的に周方向一方に回転すると、保持器74側の摺動部91が外輪72の内周面72aに対して摺動することで、保持器74は外輪72の回転に伴って周方向一方に揺動する。これにより、図4に示すように、柱部77の当接面77cがころ73の外周面73aから離反することで、保持器74と内輪71との間におけるころ73の噛み込みが解除される。
そうすると、ころ73は、弾性部材75の付勢力によりくさび状空間79の狭い領域側に僅かに移動することで、内外輪71,72の間に噛み込まれたロック状態となる。そして、一方向揺動規制ストッパ92がカム面71a1に当接することで、保持器74の周方向一方への揺動が規制される。これにより、保持器74が周方向一方へ必要以上に揺動するのを防止することができる。
また、保持器74には、外輪72の内周面72aに対して周方向に摺動可能な摺動部91が設けられているので、外輪72が内輪71に対して相対的に回転するときに、外輪72の内周面72aに対して摺動部91が摺動することで、保持器74を外輪72の回転に伴って容易に揺動させることができる。
また、保持器74の柱部77に形成されたテーパ面77cが、空転状態でころ73が当接する当接面として機能するため、簡単な構成により保持器74と内輪71との間にころ73を噛み込ませることができる。
[第2実施形態]
図6は、本発明の第2実施形態に係る一方向クラッチを備えた風力発電装置における増速機の出力軸と発電機の駆動軸との連結部分を示す断面図である。第2実施形態の一方向クラッチ7は、その保持器74が軸方向他方側に配置された転がり軸受8の保持器としても機能している点で、第1実施形態と相違する。
図6において、本実施形態の風力発電装置1における一方向クラッチユニットUは、一方向クラッチ7の軸方向両側に配置された一対の転がり軸受8が、深溝玉軸受により構成されている。各転がり軸受8は、内輪84及び外輪85と、内外輪84,85の間に転動可能に配置された複数の玉86と、各玉86を円周方向に沿って所定間隔毎に保持する環状の保持器87とを備えている。内輪84の外周には玉86が転動する内軌道面84aが形成され、外輪85の内周には玉86が転動する外軌道面85aが形成されている。
本実施形態では、転がり軸受8の外輪85は、出力回転体6の円筒部61に対して別体として設けられている。したがって、本実施形態の円筒部61では、その軸方向両端部は転がり軸受8の外輪82として機能しておらず、軸方向中央部の領域Bが一方向クラッチ7の外輪72として機能しているだけである。
軸方向一方側の転がり軸受8の保持器87は、いわゆるもみ抜き型の保持器からなり、軸方向に対向する一対の円環部87aと、これら両円環部87aを連結する複数の柱部87bとを有している。
一方、軸方向他方側の転がり軸受8の保持器87は、いわゆる冠型の保持器からなり、軸方向一方側に配置された単一の円環部87cと、この円環部87cから軸方向他方側に延びる複数の柱部87dとを有している。円環部87cは、一方向クラッチ7の保持器74における軸方向他方側の円環部76と一体に形成されている。なお、一方向クラッチ7の保持器74は、軸方向一方側の転がり軸受8の保持器87と一体に形成されていてもよい。
以上の構成により、外輪72(出力回転体6)が内輪71に対して相対的に回転すると、各転がり軸受8の外輪85が出力回転体6と共に回転することで、玉86は内軌道面84a及び外軌道面85aを転動し周方向に回転移動(公転)する。そして、軸方向他方側の転がり軸受8の玉86が回転移動することで、当該玉86を保持する保持器87と共に一方向クラッチ7の保持器74が周方向に回転する。これにより、一方向クラッチ7の保持器74は、外輪72の回転に伴って周方向に揺動可能とされている。
以上、第2実施形態の一方向クラッチにおいても、第1実施形態と同様の作用効果を奏するとともに、以下の作用効果を奏する。すなわち、一方向クラッチ7の保持器74は、転がり軸受8の保持器87と一体に形成することで、外輪72の回転に伴って周方向に揺動するので、第1実施形態のように保持器74に摺動部91(図4参照)を設ける必要がない。したがって、一方向クラッチ7の構成を簡略化することができる。
[その他]
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく適宜変更して実施可能である。例えば、本発明の一方向クラッチは、外力として風力を用いる風力発電装置1に適用する場合について例示したが、水力や火力等の他の外力を用いて発電する発電装置や、発電装置以外の装置にも適用することができる。また、上記実施形態では、一方向クラッチ7の係合子として、ころ73を用いているが、スプラグを用いてもよい。
また、上記実施形態では、増速機3側に接続された入力回転体5を内側回転体とし、発電機4側に接続された出力回転体6を外側回転体としているが、入力回転体5を外側回転体とし、出力回転体6を内側回転体としてもよい。
但し、この場合には、空転状態で内側回転体である出力回転体6が回転するため、その回転に伴う遠心力により一方向クラッチのころが径方向外方に移動し、外輪ところとの間で滑りが発生し易くなる。このため、本発明の一方向クラッチは、上記実施形態のように、外側回転体である入力回転体5と内側回転体である出力回転体6との間に設けるのが好ましい。
7:一方向クラッチ、71:内輪(内側軌道輪,他方の軌道輪)、72:外輪(外側軌道輪,一方の軌道輪)、73:ころ(係合子)、74:保持器、75:弾性部材、76:円環部、77:柱部、77c:テーパ面(当接面)、78:ポケット、91:摺動部、92:一方揺動規制ストッパ、93:他方揺動規制ストッパ、S:隙間

Claims (4)

  1. 内側軌道輪及び外側軌道輪と、これら両軌道輪の間で周方向に形成される複数の空間に個別に配置される複数の係合子と、前記係合子を保持するポケットが周方向に沿って複数設けられている環状の保持器と、前記ポケットに設けられ前記係合子を周方向一方に付勢する弾性部材と、を備え、
    前記内側軌道輪及び前記外側軌道輪の一方の軌道輪が他方の軌道輪に対して相対的に前記周方向一方に回転することで、前記係合子が前記弾性部材の付勢力により前記両軌道輪に噛み込まれたロック状態となって前記両軌道輪を一体回転可能とし、前記一方の軌道輪が前記他方の軌道輪に対して相対的に周方向他方に回転することで、前記噛み込みを解除した空転状態となって前記一方の軌道輪の相対回転を許容する一方向クラッチであって、
    前記保持器は、前記一方の軌道輪と前記他方の軌道輪との間において前記一方の軌道輪の回転に伴って周方向に揺動可能に配置されており、
    前記保持器には、前記空転状態で前記他方の軌道輪の周面に当接することで、当該保持器の前記周方向他方への揺動を規制する他方揺動規制ストッパが設けられており、
    前記保持器は、当該保持器の前記周方向他方への揺動が規制されると、前記係合子が前記弾性部材の付勢力により当接する当接面を有し、
    前記当接面は、当該当接面に前記係合子が当接することで、前記係合子と前記一方の軌道輪との間に隙間が形成されるように、前記係合子を前記保持器と前記他方の軌道輪との間に噛み込ませる形状とされている、一方向クラッチ。
  2. 前記保持器には、前記他方の軌道輪の周面に当接することで、当該保持器の前記周方向一方への揺動を規制する一方揺動規制ストッパが設けられている、請求項1に記載の一方向クラッチ。
  3. 前記保持器には、前記一方の軌道輪の周面に対して摺動可能な摺動部が設けられている、請求項1又は2に記載の一方向クラッチ。
  4. 前記保持器は、軸方向に対向する一対の円環部と、これら両円環部を連結する複数の柱部とを有し、周方向に隣り合う前記柱部同士の間が前記ポケットとされており、
    前記柱部の前記周方向他方側の側面には、径方向内側から径方向外側に向かうに従って前記ポケット側に漸次突出するテーパ面が形成されており、
    前記テーパ面が前記当接面とされている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の一方向クラッチ。
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