JP2017160775A - 橋梁下面作業方法及び橋梁下面作業用竿 - Google Patents

橋梁下面作業方法及び橋梁下面作業用竿 Download PDF

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Abstract

【課題】橋梁下面の位置が高すぎたり、足場を組めなかったりするような地面の状況がわるいような場所に架けられた橋梁の下面に対して、大掛かりな装置等を用いることなく、点検や作業の足掛かりとなる線状体を渡す手段を提供する
【解決手段】橋梁下面に対する作業を補助するための竿であって、竿と、竿に固定された空気より軽い気体を充填された第一の気球とを備える橋梁下面作業用竿を用いる。竿は、好ましくは橋梁の軸方向に垂直な幅方向の巾以上の長さを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、橋梁下面の劣化状態を点検したり、補修したりする作業を補助するために用いられる作業用竿及びそれを用いた橋梁下面作業方法、ならびに構造物の表面検査方法に関する。
近年、老朽化した橋梁の下面のコンクリートなどの疲労、腐食による損傷・劣化状態を点検したり補修したりする作業の効率化が求められている。従来、橋梁下面の点検方法としては、例えば、大きなガイドアームを備えた大型の専用車両を橋梁の路側に駐停車させ、ガイドアームの先端のカメラにより橋梁下面を撮影するような方法が広く用いられていた。また、別の方法としては、地面から組み上げられた足場に作業者が上って橋梁の下面に近づいて撮影するような方法も行われていた。また、橋梁下面の点検方法としては、表面をハンマで打音したときの音の周波数の変化により劣化部分を検査する打音点検等も行われていた。しかしながら、大型の専用車両を橋梁の路側に駐停車させてこれらの点検を行う場合には、車両の通行を阻害するという問題があった。また、足場を組み上げて点検するためには地面から近い距離であることが必要であり、橋梁が高すぎる場合や地面の状態がわるい場合には橋梁の下に足場を組むことができない場合があった。また、橋梁を構成する構造物の陰に隠れて足場から離れた部分を点検することも困難であった。このような足場が組みにくかったり、足場から離れたりした部分の橋梁の下面を簡便に検査するための方法が求められていた。
例えば、下記特許文献1は、橋梁下部にある管路の近傍に単数または複数の線状体を張って軌道を作成する軌道作成装置と、該軌道作成装置により、管路方向、管路方向に垂直な方向及び管路を横切る任意方向に張られた単数または複数の軌道と、該軌道上を移動可能な走行装置と、該走行装置に搭載された管路保守点検用測定装置を開示する。そして、橋梁下部にある管路の近傍に単数または複数の線状体を張って軌道を作成する方法としては、線状体を連結した飛翔体を空気圧により橋梁の一側から他の側へ飛翔させ、他の側で飛翔体をフレームで捕獲することにより、橋梁下部を横断するように線状体を渡す方法や、小気球に線状体及び錘を吸着させた電磁石を連結し、小気球を水面に浮遊させた状態で川の上流側から下流側に移動させ、適切な部分で電磁石の電流を止めることにより、錘を脱落させて小気球を浮揚させることにより、橋梁下部を横断するように線状体を渡す方法を開示する。
また、下記特許文献2は、気球の上部にカメラを備えた空中に浮遊可能な検出装置と、この検出装置の両側に接続されたロープを介して検出装置を自由に移動可能になるように保持するための少なくとも左右一対のロープ支持装置とからなり、ロープ支持装置が橋梁施設に備え付けられるウインチ付基台と、基台上にロープを上下方向へ延出できるように回動可能に接続されたガイドアームとを備えてなる橋梁の点検装置を開示する。
また、下記特許文献3は、浮揚気体収容袋と、この浮揚気体収容袋が結合される枠体と、枠体に支持されて浮揚気体収容袋から作用する浮揚力によって橋桁下面に突き当てられる上方当接部と、上方当接部が橋桁の下面に突き当てられた状態で、該橋桁を撮影するカメラとを備える点検装置を開示する。
また、下記特許文献4は、カメラと撮影用機器を搭載した遠隔操作で浮上・空中静止可能な飛翔体、先端に該飛翔体を接続した伸縮・回転自在な多関節可動アーム、該アーム先端の位置情報を取得する計測・通信機器、及び撮影部位を可視化表示する画像処理装置から構成される車載型遠隔橋梁点検システムを開示する。
特開昭63−206505号公報 特開2000−226816号公報 特開2015−218531号公報 特開2015−7362号公報
上述したような従来知られた橋梁下面の状態を点検したり、補修したりするための作業方法には、実用上、次のような問題があった。例えば、特許文献1に開示されたような線状体を連結した飛翔体を空気圧により橋梁の一側から他の側へ飛翔させるような方法によれば、飛翔体の方向の正確な制御が困難であり、また、飛んできた飛翔体を捕獲することも困難であると思われる。また、小気球に線状体及び錘を吸着させた電磁石を連結し、小気球を水面に浮遊させた状態で移動させ、適切な部分で錘を脱落させて小気球を浮揚させるような方法も、正確な位置で錘を脱落させることが困難であると思われる。
また、特許文献2に開示されたような、気球の上部にカメラを備えた空中に浮遊可能な検出装置をロープを介して移動させる場合、気球の浮力を制御することが困難であるために検出装置を所望の場所に正確に移動させることが難しいと思われる。また、特許文献3に開示されたような、浮揚気体収容袋とカメラと浮揚気体収容袋から作用する浮揚力によって橋梁下面にカメラを突き当てられる上方当接部とを備える点検装置によれば、気体収容袋の方向制御性を多少改良できると思われるものの、浮力を制御することが困難であるために、カメラを所望の場所に正確に移動させることが難しいと思われる。
本発明は、橋梁下面の位置が高すぎたり、足場を組めなかったりするような地面の状況がわるいような場所に架けられた橋梁の下面に対して、大掛かりな装置等を用いることなく、点検や作業の足掛かりとなる線状体を渡す手段を提供することを課題とする。
本発明の一局面は、橋梁下面に対する作業を補助するための竿であって、竿と、竿に固定された空気より軽い気体を充填された第一の気球とを備える橋梁下面作業用竿である。このような橋梁下面作業用竿によれば、人が立ち入れない高さの峡谷にかけられた橋のように下面の位置が高すぎたり、地面の状況がわるいために下面の下に足場を組めなかったりするような橋梁であっても、橋梁の幅方向に後述するようにロープ等の線状体を渡すことができる。また、第一の気球の浮力が竿を支えることにより、第一の気球の浮力を調整すれば、例えば、25m以上のような長い竿であっても、平均的な成人の力で支えて回動させる等の操作を可能にすることができる。また、竿の長さが橋梁の軸方向(長手方向)に垂直な幅方向の巾以上の長さを有する場合には、橋梁の一方の側からの操作で他方の側にロープ等の線状体を渡すことができる。
また、第一の気球はその長軸方向に沿って竿を挿通させる貫通孔を有することが、竿の全体中の適切な位置に浮力を作用させることにより適切なモーメントを作用させ、支点、力点、作用点が最適になるように第一の気球の位置を移動させることができる点から好ましい。
また、竿の一端に空気より軽い気体を充填された第二の気球又は飛翔体をさらに備えることが好ましい。竿の一端に第二の気球や飛翔体を連結することにより竿の先端の目印になるとともに、竿の先端に揚力を作用させることにより橋梁から竿の先端を捕捉させやすくすることができる点から好ましい。
また、竿としては、カーボンロッド,グラスロッド,竹からなる群から選ばれるものであることが、軽量であるために平均的な成人の力で支えたり回動させやすくさせたりすることができる点から好ましい。
また、本発明の他の一局面は、上述した何れかの橋梁下面作業用竿を用いた橋梁下面作業方法であって、橋梁下面作業用竿に沿って第一の線状体を配する工程と、橋梁下面作業用竿を橋梁の軸方向の第一の路側部に沿って配する工程と、橋梁下面作業用竿を第一の路側部から橋梁の下方向に水平姿勢を保持させながら下降させる工程と、下降させた橋梁下面作業用竿の一端を支持しながら他の一端を回動させて幅方向に該他の一端を移動させる工程と、第一の路側部に対向する第二の路側部から第一の線状体を引き取る工程と、を備える橋梁下面作業方法である。このような方法によれば、橋梁下面の位置が高すぎたり、地面の状況がわるいために橋梁下面の下に足場を組めなかったりするような橋梁に対しても、幅方向にロープ等の線状体を確実に渡すことができる。
また、第一の線状体を引き取った後、橋梁下面作業用竿のみを第一の路側部又は第二の路側部に引き上げる工程をさらに備えることが、不要となった橋梁下面作業用竿を橋梁下面から除去することにより点検作業等のスペースを広げることができる点から好ましい。
また、第一の線状体の一端に複数本の第二の線状体が連結されており、第一の路側部又は第二の路側部において第一の線状体の一端を引き取ることにより、複数本の第二の線状体を橋梁下面に渡す工程をさらに備えることが好ましい。例えば、第一の線状体の一端に4本の第二の線状体を連結した場合、第一の線状体の一端を送った後、第一の線状体の他の一端を手繰り寄せることにより、1本の第一の線状体から4本の第二の線状体に分岐させてそれらを橋梁下面に渡すことができる。
また、カメラ又は打音検査装置の少なくとも一方を備える橋梁下面点検装置を複数本の第二の線状体を含む線状体で支持し、該橋梁下面点検装置を橋梁下面に配する工程と、第一の路側部及び第二の路側部で複数本の線状体の一端をそれぞれ移動させることにより、橋梁下面点検装置を橋梁下面の所望の位置に移動させる工程と、をさらに備えることが好ましい。例えば、4本の線状体を送った場合には、後述するような比較的重い橋梁下面点検装置を4か所で支持することができるために装置を支える力を4分割することができる。それにより橋梁下面の所望の位置に橋梁下面点検装置を容易に移動させることができる。
また、かごを複数本の第二の線状体を含む線状体で支持し、かごを橋梁下面に配する工程と、第一の路側部及び第二の路側部で複数本の線状体をそれぞれ操作することにより、かごを橋梁下面の所望の位置に移動させる工程と、をさらに備えることが好ましい。このような方法によれば、かごに人を載せることにより、人を橋梁下面に容易に近づかせることができる。
また、本発明の他の一局面は、空気より軽い気体を充填された第一の気球をそれぞれ備える第一の橋梁下面作業用竿及び第二の橋梁下面作業用竿を用いた橋梁下面作業方法であって、第一の橋梁下面作業用竿と第二の橋梁下面作業用竿との合計長さは、橋梁の軸方向に垂直な幅方向の巾以上の長さを有し、第一の橋梁下面作業用竿に沿って第一の線状体を配する工程と、第一の橋梁下面作業用竿を橋梁の軸方向の第一の路側部に沿って配する工程と、第一の橋梁下面作業用竿を第一の路側部から橋梁の下方向に水平姿勢を保持させながら下降させる工程と、下降させた第一の橋梁下面作業用竿の一端を支持しながら他の一端を回動させて幅方向に該他の一端を移動させる工程と、第二の橋梁下面作業用竿を第一の路側部に対向する第二の路側部に沿って配する工程と、第二の橋梁下面作業用竿を第二の路側部から橋梁の下方向に水平姿勢を保持させながら下降させる工程と、下降させた第二の橋梁下面作業用竿の一端を支持しながら他の一端を回動させて幅方向に該他の一端を移動させる工程と、第二の橋梁下面作業用竿により第一の橋梁下面作業用竿から第一の線状体を引き取る工程と、第二の路側部または第一の路側部から第一の線状体を引き取る工程と、を備える橋梁下面作業方法である。このような方法によれば、橋梁下面の位置が高すぎたり、地面の状況がわるいために橋梁下面の下に足場を組めなかったりするような場合であって、橋梁の幅が広い場合であっても、橋梁の幅方向にロープ等の線状体を確実に渡すことができる。
また、本発明の他の一局面は、構造物の表面を加熱する工程と、加熱後に表面の温度分布を計測して可視化した画像を形成する工程とを備え、画像の温度分布により表面の不均質な部分を識別する構造物の表面検査方法である。このような表面検査方法によれば、橋梁下面に劣化によるクラック等が存在する場合に、クラック部分のような加熱されにくい部分のみ低温になるために、画像で小さいクラックのような不均質な部分も容易に識別することができる。
本発明によれば、橋梁下面の位置が高すぎたり、足場を組めなかったりするような地面の状況がわるいような場所に架けられた橋梁の下面に対しても、大掛かりな装置等を用いることなく、点検や作業の足掛かりとなる線状体を渡すことができる。
図1は、第1実施形態の橋梁下面作業用竿10の模式図である。 図2は、橋梁下面作業用竿の他の実施形態である橋梁下面作業用竿30の模式図である。 図3は、橋梁下面作業用竿10に第一の線状体6を配した状態を説明するための説明図である。 図4は、第1実施形態の橋梁下面作業用竿10を第一の路側部R1から橋梁下方向に水平姿勢を保持させながら下降させる工程を説明するための説明図である。 図5は、下降させた橋梁下面作業用竿10の一端を支持しながら他の一端を回動させて幅方向に他の一端を移動させる工程を説明するための説明図である。 図6は、第一の路側部に対向する第二の路側部から第一の線状体を引き取る工程を説明するための説明図である。 図7は、第一の路側部又は第二の路側部において第一の線状体の一端を引き取る工程を説明するための説明図である 図8は、第2実施形態の2本の橋梁下面作業用竿10を組み合わせて第一の線状体を引き取る工程を説明するための説明図である。 図9は、第一の路側部又は第二の路側部に複数本の第二の線状体を橋梁下面に渡す工程を説明するための説明図である。 図10は、第1実施形態の橋梁下面作業方法を説明するためのフローチャートである。 図11は、第2実施形態の橋梁下面点検装置20の斜視模式図である。 図12は、第一の路側部R1及び第二の路側部R2で複数本の線状体をそれぞれ移動させることにより、橋梁下面点検装置20を橋梁下面の所望の位置に移動させる工程を説明するための説明図である。 図13は、第一の路側部R1及び第二の路側部R2で複数本の線状体をそれぞれ移動させることにより、作業者M16を載せたかご21を橋梁下面の所望の位置に移動させる工程を説明するための説明図である。 図14は、第一の路側部R1から第二の路側部R2へ渡した複数本の線状体を用いて架けられたロープ構造体40を用いた作業者M22による橋梁下面作業を説明するための説明図である。 図15は、実施形態の構造物の表面検査方法を説明するための説明図である。
[第1実施形態]
本発明に係る橋梁下面作業用竿及びそれを用いた橋梁下面作業方法を図面を参照しながら説明する。はじめに、橋梁下面作業方法に用いる橋梁下面作業用竿の一例について図1及び図2を参照して説明する。
図1は、橋梁下面作業用竿10の模式図であり、1は後述する橋梁Rの軸方向に垂直な幅方向の巾以上の長さを有する竿、2は空気より軽い気体を充填された第一の気球、3は空気より軽い気体を充填された第二の気球、3aは竿1と第二の気球3とを接続する紐、4は後述する第一の線状体6を支持するためのフックガイド、5は竿1の末端の一端を収容する鞘管である。第一の気球2及び第二の気球3にはヘリウムガスのような空気より比重の軽いガスが充填されている。
竿1としては軽量の素材から形成されているものであることが好ましく、例えば、カーボンファイバをバインダで固めた素材であるカーボンロッド,グラスファイバをバインダで固めた素材であるグラスロッド,竹、とくにはカーボンロッドやグラスロッドが、軽量であるために平均的な成人の力で支えたり回動させたりしやすい点から好ましい。竿の長さは、橋梁の幅に応じて適切なものが選択されるが、例えば、5m以上、さらには10m以上、とくには20m以上であることが、幅の広い橋梁にも適用できる点から好ましい。また、鞘管5は、竿1の末端を収容し、てこの原理を作用させて竿1を持ち上げやすくさせるために用いられるとともに、長さを補うためにも用いられる。
第一の気球2は、例えば、その長軸方向に沿って竿を挿通させるドーナツ状のような貫通孔1aを有し、貫通孔1aに竿1を挿通させて固定されている。このように貫通孔1aに竿を挿通させて固定することにより、竿1の全長において適切な位置に浮力の適切なモーメントを作用させ、支点、力点、作用点を最適になるように第一の気球2の位置を移動調整できる点から好ましい。
第一の気球2による浮力は、竿1の長さや重さにより調整されるが、具体的には、例えば、竿1の質量による重力に対して、0.5〜3倍、さらには、0.6〜1.5倍程度であることが、一般的な成人の力により、容易に水平姿勢を維持した状態で竿1を支持することができる点から好ましい。なお、浮力が竿1の質量による重力よりも大きく橋梁下面作業用竿10が浮上する場合には、後述する水平姿勢で支持する際には作業者は浮上を抑える方向に竿1を支持する。一方、浮力が竿1の質量による重力よりも小さく橋梁下面作業用竿10が落下する場合には、後述する水平姿勢で支持する際には作業者は落下を抑える方向に竿1を支持する。
また、図1に示すように、竿1の先端には空気より軽い気体を充填された第二の気球3が連結されている。竿1の先端に連結された第二の気球3は、竿1の先端に浮力を作用させるとともに、竿1の先端の目印にもなる。また、図1に示すような第二の気球3を連結された橋梁下面作業用竿10の代わりに、図2に示すような、無線で制御されて飛行する、マルチコプターのような飛翔体31を連結された橋梁下面作業用竿30を用いてもよい。このような飛翔体31を連結された橋梁下面作業用竿30を用いた場合には、飛翔体31の移動方向を無線で制御することにより、竿1の先端を所定の位置に自由に誘導することができる。
次に、本実施形態の橋梁下面作業用竿10を用いた橋梁下面作業方法について図3〜図10を参照して説明する。図3〜図9は橋梁下面作業方法の各工程を説明するための説明図であり、図10は本実施形態の橋梁下面作業方法のフローチャートである。各図において、同様の符号は同様の要素を示す。各図中、Rは高架道路である橋梁、R1は第一の路側部、R2は第二の路側部、M1〜M6は作業者、7a,7bは第二の線状体、Bは作業者M1を載せるバケット、Hは梯子、Fは第一の線状体6の一端を捕捉するためのフックである。
本実施形態の橋梁下面作業方法においては、はじめに、図3に示すように橋梁下面作業用竿10に沿って第一の線状体6を配する(S1)。ここで、第一の線状体の具体例としては、釣糸や凧糸等の糸,紐,ロープ等が挙げられるが、引き渡しが容易である点から、軽量の糸を用いることが好ましい。第一の線状体の長さとしては、後述するように、橋梁の幅方向の下面を通過させて、橋梁の両側の路側部から把持できる長さであれば特に限定されない。このような第一の線状体6は、例えば、橋梁下面作業用竿10に沿って設けられたフックガイド4に支持したり、竿1に巻き付けたり絡ませたりするように配設される。
次に、第一の線状体6を支持した橋梁下面作業用竿10を橋梁Rの軸方向に沿って第一の路側部R1に配置する(S2)。そして、図4に示すように、橋梁下面作業用竿10を橋梁Rの下方向に水平姿勢を保持させながら下降させる(S3)。橋梁下面作業用竿10の下降方法は特に限定されないが、例えば、次のような方法が挙げられる。本実施形態においては、図4に示したように、バケットBを固定した梯子Hを第一の路側部R1の端部の欄干にフック等を用いて固定し、作業者M1が梯子Hを足場としてバケットBに移り載り、バケットBで待機する。そして、作業者M1の合図を待って、第一の路側部R1上の作業者M2及び作業者M3が、橋梁下面作業用竿10の両端部に予め連結された補助ロープ26を把持して水平姿勢を保持させながら徐々に下降させる。ここで、水平姿勢には厳密な水平が求められるものではなく、水平状態を意味するものである。そして、作業者M1は橋梁下面作業用竿10の一端を捕捉してしっかりとその端部を把持し、鞘管5をその端部に挿入する。このようにして、橋梁下面作業用竿10が橋梁の下方向に水平姿勢を保持させながら下降される。なお、橋梁下面作業用竿10の下降は作業者による人力の代わりに、ウインチ装置等の機械を用いて下降させてもよい。
本実施形態の橋梁下面作業方法においては、作業者M1が橋梁下面作業用竿10の端部を把持し、支持する。橋梁下面作業用竿10には、第一の気球2により大きな浮力が付与されるために、平均的な成人である作業者M1であれば、水平姿勢を維持した状態で落下させることなく容易に支持することができる。また、2本の手で、てこの原理を作用させることにより、方向転換等の移動操作も難なく行うことができる。
次に、図5に示すように、作業者M1は、下降された橋梁下面作業用竿10の一端を把持しながら他の一端を回動させて幅方向に先端である他の一端を移動させる(S4)。このとき、橋梁下面作業用竿10においては、第一の気球2の浮力が竿1を支えることにより、例えば、25m以上のような長い竿1を用いた場合であっても、作業者M1は橋梁下面作業用竿10を水平姿勢を維持した状態で支えることができる。一方、第二の路側部R2では作業者M4が作業者M1による橋梁下面作業用竿10の回動操作を待機する。そして、作業者M4は橋梁下面作業用竿10の回動操作の完了を確認する。本実施形態においては、作業者M4が橋梁下面作業用竿10の先端に固定された第二の気球3を第二の路側部R2から目視することにより、回動操作の完了を確認する。そして、回動操作の完了を待って、作業者M4はフックFで第一の線状体6を捕捉する。そして、図6に示すように、作業者M4は第一の線状体6を捕捉した後、第一の線状体6を手繰り寄せ、引き取る(S5)。
そして、図7に示すように、作業者M1は回動させた橋梁下面作業用竿10を橋梁Rの軸方向に略平行になるように再び回動させる。そして、橋梁下面作業用竿10は、作業者M1、作業者M2、または必要に応じてその他の作業者に補助されて橋梁R上に引き上げられて回収される(S6)。橋梁下面作業用竿10の回収方法は特に限定されず、橋梁R上から降ろされたロープに固定し、橋梁上から作業者により人力で引き上げたり、または、ウインチ装置等の機械を用いて引き上げたりする等の方法を用いることができる。このように、橋梁下面作業用竿を橋梁上に引き上げることにより、作業に不要となった橋梁下面作業用竿を橋梁下面から除去して点検作業等のスペースを広げることができる。
ここで、図7に示すように、作業者M4により手繰り寄せられる第一の線状体6の終端には連結具6aにより、第二の線状体7a,7bが連結されていることが好ましい。このように第一の線状体6の終端に第二の線状体7a,7bが連結されている場合、第一の線状体6を完全に手繰り寄せた後は、図8に示すように、2本の第二の線状体7a,7bが橋梁Rの第一の路側部R1から第二の路側部R2へ、橋梁Rの下面を通過させて引き渡される(S8)。このような方法によれば、橋梁Rの第一の路側部R1から第二の路側部R2へ橋梁Rの下面を通過する複数の軌道を形成することができる。
上述した方法においては、一本の橋梁下面作業用竿10を用いた橋梁下面作業方法について詳しく説明した。しかしながら、橋梁Rの幅が広い場合には、竿1の撓みが大きくなりすぎて一本の橋梁下面作業用竿10のみでは線状体を渡せない場合がある。このような場合には、図9(a)に示すように、橋梁Rの第一の路側部R1から第一の線状体6を配した第一の橋梁下面作業用竿110を、及び第二の路側部R2から第一の線状体6’を配した第二の橋梁下面作業用竿111をそれぞれ操作し、第二の橋梁下面作業用竿111の先端を第一の橋梁下面作業用竿110の先端に合わせて第一の線状体6と第一の線状体6’とを連結するようにして第一の線状体6を引き渡してもよい。このときは、第一の橋梁下面作業用竿110と第二の橋梁下面作業用竿111との合計長さは、橋梁Rの軸方向に垂直な幅方向の巾以上の長さを有するように設定される。また、引き渡しは、例えば、図9(b)の破線円中に示した模式拡大図のように、例えば、第一の線状体6’にスナップフック6bを接続し、第一の線状体6に環6cを形成し、スナップフック6bと環6cとにより連結するような方法や、図9(c)の破線円中に示した模式拡大図のように、例えば、第二の橋梁下面作業用竿111の竿1’の先端に直接スナップフック6b’を接続し、スナップフック6b’と環6cとにより連結し、第二の橋梁下面作業用竿111を引き上げる際に第一の線状体6を第二の路側部R2から引き取る方法等が挙げられる。また、連結方法は特に限定されず、上述したような方法の代わりに、例えば、各先端に磁石を接続し磁石により先端同士を連結する方法等を用いてもよい。
上述したような本実施形態の橋梁下面作業方法によれば、人が立ち入れない高さの峡谷にかけられた橋梁のような橋梁下面の位置が高すぎたり、地面の状況がわるいために橋梁の下に足場を組めなかったりするような場合であっても、橋梁下面作業用竿10を用いることにより、複数の作業者の人力だけで、線状体を橋梁の第一の路側部R1から第二の路側部R2へ橋梁下面を通過させて引き渡し、作業用の軌道を容易に形成することができる。なお、本実施形態においては、第一の線状体6の終端に第二の線状体7a,7bを連結し、一本の線状体を2本に分岐させる例を示したが、3本以上の複数本に分岐させることもできる。このように一本の線状体により軌道を形成することにより、それを元にして種々の作業が可能になる。例えば、釣り糸のような細い第一の線状体を渡したのちに、その釣り糸にロープのような太い線状体を連結することにより、釣り糸で形成した空中に移動足場となるロープのような太い線状体を渡すこともできる。
[第2実施形態]
本実施形態では、第1実施形態で説明した橋梁下面作業方法により、橋梁の第一の路側部から第二の路側部へ下面を通過させて引き渡された線状体を用いた橋梁下面の点検作業の一例を説明する。
本実施形態で用いる橋梁下面点検装置20及びそれを用いた橋梁下面点検方法について図面を参照して説明する。図11は橋梁下面点検装置20の斜視模式図であり、図中、11及び12は静止画カメラ、12aは静止画カメラ制御装置、13は照明装置、14はエアピストンで壁面を叩くハンマ、14aはハンマによる打音を取得する録音装置、15はムービーカメラ、16はレーザ距離計、18はウエイトバランサであり、19は各装置に電力を供給するための電線である。また、7a,7bは第二の線状体、7c,7dは第三の線状体である。また、図12は、橋梁下面点検装置20を用いた橋梁下面の点検作業を説明するための説明図である。図中、M11〜M15は作業者であり、19は情報処理端末である。
図11に示すように橋梁下面点検装置20には、橋梁下面のような上方の検査対象を検査するための各種デバイスを備え、また、各種デバイスを上方に向かせるための鉛やバラスト等の重量物からなるウエイトバランサ18を備える。また、橋梁下面点検装置20には、空中で支持されるためのロープである第二の線状体7a,7b及び第三の線状体7c,7dが連結されている。第二の線状体7a,7bは、第1実施形態で説明した橋梁下面作業方法により、橋梁の第一の路側部R1から第二の路側部R2へ橋梁下面を通過させて引き渡されたものである。そして、第一の路側部R1または第二の路側部R2において、引き渡された第二の線状体7a,7bのそれぞれの一端が橋梁下面点検装置20に連結されたものである。また、第三の線状体7c,7dは、橋梁下面点検装置20に予め連結されているものである。
橋梁下面点検装置20に連結された第二の線状体7a,7b及び第三の線状体7c,7dは、図12に示したように作業者M11〜M14の各人によりそれぞれ把持されている。そして、橋梁下面点検装置20は第一の路側部R1または第二の路側部R2から下降されて、図12に示すように、橋梁下面に対向するように吊るされる。橋梁下面点検装置20は第二の線状体7a,7b及び第三の線状体7c,7dの4本の線状体で支えられているために、各作業者に割り当てられる重量負担は4分割され、各作業者に係る負担は比較的小さい。また、橋梁下面点検装置20は4本の線状体で支えられているために、作業者M11〜M14の各人が協働してロープを手繰ったり、緩めたり、歩いたりすることにより、橋梁の前方向f、後ろ方向b、右方向r、左方向lのような水平方向や、高さ方向等、所望の位置に自由に移動される。なお、本実施形態においては、橋梁下面点検装置20は4本の線状体で支えられているが、橋梁下面点検装置を支える線状体は2〜3本であっても、5本以上であってもよい。
図11に示すように、橋梁下面点検装置20は、互いに一定の距離を保持して離間した一対の静止画カメラ11,12を静止画カメラ制御装置12aで制御することにより、ステレオカメラとして機能させることができる。また、レーザ距離計16は所定の基準点からの高さや距離を取得することができる、そして、一対の静止画カメラ11,12をステレオカメラとして用いる場合には予めキャリブレーションしておき、橋梁Rの下面を撮影することにより、所定の基準点からの各位置の三次元座標を撮影した画像に関連付けたデータを取得することもできる。このような装置を用い、一対の静止画カメラ11,12をステレオカメラとして用い、オーバーラップさせた複数枚の写真を撮影して画像を解析することにより、橋梁下面の三次元写真モデルを作成することもできる。
また、図11に示すように、橋梁下面点検装置20は、打音検査するためのエアピストンで壁面を叩くためのハンマ14及びハンマ14による打音を取得する録音装置14aを備える。これらは打音検査装置を構成する。このような打音検査装置によれば、ハンマ14による打音を録音装置14aで録音し、打音の周波数変化を解析することにより、橋梁下面を形成するコンクリートの損傷や劣化等の情報を取得することもできる。
さらに、橋梁下面点検装置20が取得した画像情報、映像、座標情報、打音等の情報は、第二の路側部R2上で待機する作業者M15が操作する情報処理端末19に有線又は無線により送信されて、その場で加工されてもよい。具体的には、例えば、一対の静止画カメラ11,12をステレオカメラとして用いて取得された三次元写真モデルと各座標における打音の周波数とを関連付けて、三次元写真モデルと打音点検のデータとを組み合わせた点検データに加工することもできる。
[第3実施形態]
本実施形態では、第1実施形態で説明した橋梁下面作業方法により、橋梁の第一の路側部から第二の路側部へ下面を通過させて引き渡された線状体を用いて、作業者により橋梁下面の点検作業または補修作業を行う例を説明する。
図13は、橋梁下面の点検作業または補修作業を説明するための説明図である。図中、M16〜M20は作業者であり、21はかごである。
図13に示すように、かご21には、作業者M16が載り込んでいる。また、かご21には、それを空中で支持するためのロープである第二の線状体7a,7b及び第三の線状体7c,7dが連結されている。第二の線状体7a,7bは、第1実施形態で説明した橋梁下面作業方法により、橋梁の第一の路側部R1から第二の路側部R2へ橋梁下面を通過させて引き渡されたものである。そして、第一の路側部R1または第二の路側部R2において、引き渡された第二の線状体7a,7bのそれぞれの一端が、かご21に連結されたものである。また、第三の線状体7c,7dは、かご21に予め連結されていたものである。
かご21に連結された第二の線状体7a,7b及び第三の線状体7c,7dは図13に示したような作業者M17〜M20の各人により、それぞれ把持されて支持される。かご21は第一の路側部R1または第二の路側部R2から下降されて、図13に示すように、橋梁下面に対向するように吊るされる。かご21は4本の線状体で支えられているために、その重量を4分割することができるために、各作業者に係る負担は比較的小さい。また、かご21は4本の線状体で支えられているために、作業者M17〜M20の各人が協働してロープを手繰ったり、緩めたり、歩いたりすることにより、橋梁の前方向、後ろ方向、右方向、左方向のような水平方向や、高さ方向等、所望の位置に自由に移動させられる。なお、本実施形態においては、かご21は4本の線状体で支えられているが、線状体は2〜3本であっても、5本以上であってもよい。
作業者M16は、予め、橋梁下面に対向するように吊るされたかご21に、第二の線状体7a,7bまたは第三の線状体7c,7dを伝って接近し、載り込むことができる。この際、落下防止のために安全帯を装着しておくことが好ましい。
作業者M16はかご21を足場として、橋梁下面の写真撮影による記録や、ハンマによる打音検査、または、損傷部分の簡易的な補修を行うことができる。また、本実施形態においては、かご21を用いる例を説明したが、かご21を用いずに、渡された線状体を軌道として、図14に示すような縄梯子のようなロープ構造体40を渡し、安全帯41を付帯した作業者M22によりロープアクセスのみで各種作業を行うこともできる。
[第4実施形態]
本実施形態では、橋梁下面等の構造物の表面検査方法の一例を説明する。
本実施形態の構造物の表面検査方法は、構造物の表面を加熱する工程と、加熱後に表面の温度分布を計測して可視化した画像を形成する工程とを備え、画像の温度分布により表面の不均質な部分を識別するものである。
本実施形態の構造物の表面検査方法においては、はじめに構造物の表面を加熱する。このような表面検査方法に適した構造物の種類としては、橋梁下面、トンネル内表面、ビル表面等が挙げられ、また、構造物の材質としてはコンクリートのような劣化しやすく熱伝導率が比較的低い材質が好ましい。また、構造物表面を加熱する手段は、特に限定されないが、例えば、温風ヒータや電熱ヒータの他、表面に光を照射することにより加熱する投光器等が挙げられる。
構造物の表面に劣化によるクラック等が存在する場合に、構造物の表面を加熱したとき、クラックのような加熱されにくい部分は相対的に低温になり、それ以外の部分が優先的に伝熱されて相対的に高温になる。従って、構造物の表面を形成するコンクリートの表層部にひび割れなどの欠陥部が存在する場合、これらの欠陥部はその他の均質な健全部に比べて温度が上昇しにくくなる。従って、このような温度分布を赤外線カメラで撮像した場合、図15に示すように、クラックCの部分は相対的に温度が低くなるために低温部分として表示され、その他の均質な部分Uは相対的に高温部分として表示される。従って、温度分布を可視化することにより、図15に示すように一見して欠陥部の存在を識別することができる。
従って、このような構造物の表面検査方法を、既に述べた橋梁下面作業方法に組み合わせた場合には、橋梁下面の劣化によるクラック等を容易に識別できるようになる。
1 竿
2 第一の気球
3 第二の気球
3b 紐
4 フックガイド
5 鞘管
6,6’ 第一の線状体
7a,7b 第二の線状体
7c,7d 第三の線状体
10,110,111 橋梁下面作業用竿
11,12 静止画カメラ
12a カメラ制御装置
14 ハンマ
14a 録音装置
18 ウエイトバランサ
19 情報処理端末
20 橋梁下面点検装置
21 かご
31 飛翔体
F フック
H 梯子
R1 第一の路側部
R2 第二の路側部
本発明によれば、橋梁の下面の天井 (スラブとも称される)や下面の構造等の点検作業を容易に行うことができる。また、特別な機械等を要しないために、低コストで点検、施工が行うことができる。また、大型の車両を路側に駐停車する必要もないために、車両の通行を妨げ過ぎずに橋梁の下面に対する作業を行うことができる。
本発明は、橋梁下面の劣化状態を点検したり、補修したりする作業を補助するための橋梁下面作業方法、及びその方法に用いられる作業用竿に関する。
本発明の一局面は、竿と、竿に固定された空気より軽い気体を充填された気球と、を備える橋梁下面作業用竿を準備する工程と、橋梁下面作業用竿に、竿に沿って第一の線状体を配する工程と、橋梁下面作業用竿を橋梁の第一の路側部から橋梁の下方向に水平姿勢を保持させながら下降させる工程と、下降させた後、第一の線状体を配された前橋梁下面作業用竿の一端を支持しながら他の一端を回動させて橋梁の第二の路側部の方向に該他の一端を移動させる工程と、第二の路側部において第一の線状体の一端を受け取る工程と、を備える橋梁下面作業方法である。このような方法によれば、人が立ち入れない高さの峡谷にかけられた橋のように下面の位置が高すぎたり、地面の状況がわるいために下面の下に足場を組めなかったりするような橋梁であっても、橋梁の幅方向に後述するようにロープ等の線状体を渡すことができる。また、気球の浮力が竿を支えることにより、気球の浮力を調整すれば、例えば、25m以上のような長い竿であっても、平均的な成人の力で支えて回動させる等の操作を可能にすることができる。また、竿の長さが橋梁の軸方向に垂直な幅方向の巾以上の長さを有する場合には、橋梁の一方の側からの操作で他方の側にロープ等の線状体を渡すことができる。
また、第一の線状体の一端を受け取った後、橋梁下面作業用竿のみを第一の路側部又は第二の路側部に引き上げる工程をさらに備えることが、不要となった橋梁下面作業用竿を橋梁下面から除去することにより点検作業等のスペースを広げることができる点から好ましい。
また、第一の線状体の一端に複数本の第二の線状体が連結されており、第一の線条体の一端を受け取ることにより、橋梁の裏面である橋梁下面に第一の線条体を渡した後、第一の路側部の側又は第二の路側部の側において第一の線状体を引き取ることにより、複数本の第二の線状体を橋梁下面に渡す工程をさらに備えることが好ましい。例えば、第一の線状体の一端に4本の第二の線状体を連結した場合、第一の線状体の一端を送った後、第一の線状体の他の一端を手繰り寄せることにより、1本の第一の線状体から4本の第二の線状体に分岐させてそれらを橋梁下面に渡すことができる。
また、カメラ又は打音検査装置の少なくとも一方を備える橋梁下面点検装置を複数本の第二の線状体を含む線状体で支持し、該橋梁下面点検装置を橋梁下面に配する工程と、第一の路側部及び第二の路側部で複数本の線状体の一端をそれぞれ移動させることにより、橋梁下面点検装置を橋梁下面の所望の位置に移動させる工程と、をさらに備えることが好ましい。例えば、4本の線状体を送った場合には、後述するような比較的重い橋梁下面点検装置を4か所で支持することができるために装置を支える力を4分割することができる。それにより橋梁下面の所望の位置に橋梁下面点検装置を容易に移動させることができる。
また、かごを複数本の第二の線状体を含む線状体で支持し、かごを橋梁下面に配する工程と、第一の路側部及び第二の路側部で複数本の線状体をそれぞれ操作することにより、かごを橋梁下面の所望の位置に移動させる工程と、をさらに備えることが好ましい。このような方法によれば、かごに人を載せることにより、人を橋梁下面に容易に近づかせることができる。
また、本発明の他の一局面は、空気より軽い気体を充填された気球をそれぞれ備える第一の橋梁下面作業用竿及び第二の橋梁下面作業用竿を用いた橋梁下面作業方法であって、第一の橋梁下面作業用竿に沿って第一の線状体を配する工程と、第一の橋梁下面作業用竿を橋梁の第一の路側部から橋梁の下方向に水平姿勢を保持させながら下降させる工程と、下降させた後、第一の線状体を配された第一の橋梁下面作業用竿の一端を支持しながら他の一端を回動させて橋梁の第二の路側部の方向に該他の一端を移動させる工程と、第二の橋梁下面作業用竿を第二の路側部から橋梁の下方向に水平姿勢を保持させながら下降させる工程と、下降させた第二の橋梁下面作業用竿の一端を支持しながら他の一端を回動させて第一の路側部の方向に該他の一端を移動させる工程と、第二の橋梁下面作業用竿、または第二の橋梁下面作業用竿に予め沿わせた別の線条体の一端により、第一の橋梁下面作業用竿から第一の線状体の一端を受け取る工程と、を備える橋梁下面作業方法である。このような方法によれば、橋梁下面の位置が高すぎたり、地面の状況がわるいために橋梁下面の下に足場を組めなかったりするような場合であって、橋梁の幅が広い場合であっても、橋梁の幅方向にロープ等の線状体を確実に渡すことができる。
また、本発明の他の一局面は、橋梁下面に線条体を渡す作業を補助するための竿であって、線条体を沿わせるための竿と、竿に固定された空気より軽い気体を充填された気球と、を備え、気球は貫通孔を有し、竿が貫通孔に挿通されている橋梁下面作業用竿である。このような橋梁下面作業用竿によれば、人が立ち入れない高さの峡谷にかけられた橋のように下面の位置が高すぎたり、地面の状況がわるいために下面の下に足場を組めなかったりするような橋梁であっても、橋梁の幅方向に後述するようにロープ等の線状体を渡すことができる。また、気球の浮力が竿を支えることにより、気球の浮力を調整すれば、例えば、25m以上のような長い竿であっても、平均的な成人の力で支えて回動させる等の操作を可能にすることができる。また、竿の長さが橋梁の軸方向に垂直な幅方向の巾以上の長さを有する場合には、橋梁の一方の側からの操作で他方の側にロープ等の線状体を渡すことができる。また、気球は竿を挿通させる貫通孔を有するために、竿の全体中の適切な位置に浮力を作用させることにより適切なモーメントを作用させ、支点、力点、作用点が最適になるように第一の気球の位置を移動させることができる点から好ましい。
また、竿の一端に空気より軽い気体を充填された第二の気球又は飛翔体をさらに備えることが好ましい。竿の一端に第二の気球や飛翔体を連結することにより竿の先端の目印になるとともに、竿の先端に揚力を作用させることにより橋梁から竿の先端を捕捉させやすくすることができる点から好ましい。
また、竿としては、カーボンロッド,グラスロッド,竹からなる群から選ばれるものであることが、軽量であるために平均的な成人の力で支えたり回動させやすくさせたりすることができる点から好ましい。
上述した方法においては、一本の橋梁下面作業用竿10を用いた橋梁下面作業方法について詳しく説明した。しかしながら、橋梁Rの幅が広い場合には、竿1の撓みが大きくなりすぎて一本の橋梁下面作業用竿10のみでは線状体を渡せない場合がある。このような場合には、図9(a)に示すように、橋梁Rの第一の路側部R1から第一の線状体6を配した第一の橋梁下面作業用竿110を、及び第二の路側部R2から別の線状体6’を配した第二の橋梁下面作業用竿111をそれぞれ操作し、第二の橋梁下面作業用竿111の先端を第一の橋梁下面作業用竿110の先端に合わせて第一の線状体6の一端と別の線状体6’の一端とを連結するようにして第一の線状体6を別の線状体6’に引き渡してもよい。このときは、第一の橋梁下面作業用竿110と第二の橋梁下面作業用竿111との合計長さは、橋梁Rの軸方向に垂直な幅方向の巾以上の長さを有するように設定される。また、引き渡しは、例えば、図9(b)の破線円中に示した模式拡大図のように、例えば、別の線状体6’の一端にスナップフック6bを接続し、第一の線状体6の一端に環6cを形成し、スナップフック6bと環6cとにより連結するような方法や、図9(c)の破線円中に示した模式拡大図のように、例えば、第二の橋梁下面作業用竿111の竿1’の先端に直接スナップフック6b’を接続し、スナップフック6b’と環6cとにより連結し、第二の橋梁下面作業用竿111を引き上げる際に第一の線状体6を第二の路側部R2から引き取る方法等が挙げられる。また、連結方法は特に限定されず、上述したような方法の代わりに、例えば、各先端に磁石を接続し磁石により先端同士を連結する方法等を用いてもよい。
1 竿
2 第一の気球
3 第二の気球
3b 紐
4 フックガイド
5 鞘管
6 第一の線状体
6’ 別の線状体
7a,7b 第二の線状体
7c,7d 第三の線状体
10,110,111 橋梁下面作業用竿
11,12 静止画カメラ
12a カメラ制御装置
14 ハンマ
14a 録音装置
18 ウエイトバランサ
19 情報処理端末
20 橋梁下面点検装置
21 かご
31 飛翔体
F フック
H 梯子
R1 第一の路側部
R2 第二の路側部

Claims (12)

  1. 橋梁下面に対する作業を補助するための竿であって、
    竿と、前記竿に固定された空気より軽い気体を充填された第一の気球とを備えることを特徴とする橋梁下面作業用竿。
  2. 前記竿は、橋梁の軸方向に垂直な幅方向の巾以上の長さを有する請求項1に記載の橋梁下面作業用竿。
  3. 前記第一の気球はその長軸方向に沿って前記竿を挿通させる貫通孔を有する請求項1または2に記載の橋梁下面作業用竿。
  4. 前記竿の一端に空気より軽い気体を充填された第二の気球又は飛翔体をさらに備える請求項1〜3の何れか1項に記載の橋梁下面作業用竿。
  5. 前記竿は、カーボンロッド,グラスロッド,及び竹からなる群から選ばれる請求項1〜4の何れか1項に記載の橋梁下面作業用竿。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の橋梁下面作業用竿を用いた橋梁下面作業方法であって、
    前記橋梁下面作業用竿に沿って第一の線状体を配する工程と、
    前記橋梁下面作業用竿を橋梁の軸方向の第一の路側部に沿って配する工程と、
    前記橋梁下面作業用竿を前記第一の路側部から前記橋梁の下方向に水平姿勢を保持させながら下降させる工程と、
    下降させた前記橋梁下面作業用竿の一端を支持しながら他の一端を回動させて前記幅方向に該他の一端を移動させる工程と、
    前記第一の路側部に対向する第二の路側部から前記第一の線状体を引き取る工程と、を備える橋梁下面作業方法。
  7. 前記第一の線状体を引き取った後、前記橋梁下面作業用竿のみを前記第一の路側部又は前記第二の路側部に引き上げる工程をさらに備える請求項6に記載の橋梁下面作業方法。
  8. 前記第一の線状体の一端に複数本の第二の線状体が連結されており、
    前記第一の路側部又は前記第二の路側部において前記第一の線状体の一端を引き取ることにより、複数本の前記第二の線状体を前記橋梁下面に渡す工程をさらに備える請求項6または7に記載の橋梁下面作業方法。
  9. カメラ又は打音検査装置の少なくとも一方を備える橋梁下面点検装置を複数本の前記第二の線状体を含む線状体で支持し、該橋梁下面点検装置を前記橋梁下面に配する工程と、
    前記第一の路側部及び前記第二の路側部で複数本の線状体をそれぞれ操作することにより、前記橋梁下面点検装置を前記橋梁下面の所望の位置に移動させる工程と、をさらに備える請求項8に記載の橋梁下面作業方法。
  10. かごを複数本の前記第二の線状体を含む線状体で支持し、該かごを前記橋梁下面に配する工程と、
    前記第一の路側部及び前記第二の路側部で複数本の線状体をそれぞれ操作することにより、前記かごを前記橋梁下面の所望の位置に移動させる工程と、をさらに備える請求項8に記載の橋梁下面作業方法。
  11. 空気より軽い気体を充填された第一の気球をそれぞれ備える第一の橋梁下面作業用竿及び第二の橋梁下面作業用竿を用いた橋梁下面作業方法であって、
    前記第一の橋梁下面作業用竿と前記第二の橋梁下面作業用竿との合計長さは、橋梁の軸方向に垂直な幅方向の巾以上の長さを有し、
    第一の橋梁下面作業用竿に沿って第一の線状体を配する工程と、
    前記第一の橋梁下面作業用竿を橋梁の軸方向の第一の路側部に沿って配する工程と、
    前記第一の橋梁下面作業用竿を前記第一の路側部から前記橋梁の下方向に水平姿勢を保持させながら下降させる工程と、
    下降させた前記第一の橋梁下面作業用竿の一端を支持しながら他の一端を回動させて前記幅方向に該他の一端を移動させる工程と、
    前記第二の橋梁下面作業用竿を前記第一の路側部に対向する第二の路側部に沿って配する工程と、
    前記第二の橋梁下面作業用竿を前記第二の路側部から前記橋梁の下方向に水平姿勢を保持させながら下降させる工程と、
    下降させた前記第二の橋梁下面作業用竿の一端を支持しながら他の一端を回動させて前記幅方向に該他の一端を移動させる工程と、
    前記第二の橋梁下面作業用竿により前記第一の橋梁下面作業用竿から第一の線状体を引き取る工程と、
    前記第二の路側部または前記第一の路側部から前記第一の線状体を引き取る工程と、を備える橋梁下面作業方法。
  12. 構造物の表面を加熱する工程と、前記加熱後に前記表面の温度分布を計測して可視化した画像を形成する工程とを備え、
    前記画像の温度分布により前記表面の不均質な部分を識別することを特徴とする構造物の表面検査方法。
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