JP2017160713A - 室内用建装シート - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性及び汚染防止性に優れ、かつ、吸湿した際の寸法変化が小さい室内用建装シートを提供する。
【解決手段】ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂のうち少なくとも1つを含む第1の表材層2と、ナイロンを含む第2の表材層3と、エチレン−ビニルアルコール共重合体、メタキシレンジアミンナイロンのうち少なくとも1つを含む第3の表材層4とを備え、この順番で積層された室内用建装シートであって、第3の表材層4は最表層であり、第3の表材層4の厚みが、2μm以上、14μm以下である、室内用建装シート1を選択する。
【選択図】図1

Description

本発明は、室内用建装シートに関する。
オフィス、体育館、病院等の室内の床面及び壁面に敷設される建装材の表面には、ゴム等の汚染から基材の表面を守るために保護シートが用いられている。
ここで、特許文献1には、耐汚染性及びエンボス加工による凹凸追従性に優れ、厚さによる段差の問題がなく、張替え及び取外し等の施行が容易であることを課題とした、室内用の床材用シートの構成が開示されている。具体的には、特許文献1に開示された床材用シートは、基材上に、発泡剤及び無機充填剤を含む塩化ビニル樹脂からなる発砲樹脂層、絵柄層、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)からなるフィルム層、及び電離放射線硬化性樹脂である表面保護層がこの順で積層された構成となっている。
特許文献1に開示された室内用の床材用シートによれば、中間層には吸湿性の高いEVOHを配し、表層にはシリコーン(メタ)アクリレートを含有する電離放射線硬化性樹脂を架橋硬化した表面保護層を配する構成であるため、吸湿(寸法変化)の影響が小さい。したがって、室内用の建材として、寸法安定性に優れる床材用シートを提供できる、とされている。
特許第4672503号公報
しかしながら、特許文献1に開示された室内用の床材用シートの構成では、耐摩耗性が充分ではなく、クラックが発生して汚染してしまうおそれがあった。また、硬い表面保護層が設けられているため、曲げ加工等が困難であり、室内用の建材として用いる際に施行しやすいとは言い難かった。さらに、表面保護層の硬化時に収縮して、反り(カール)や変形が生じるおそれがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、寸法安定性、耐摩耗性及び汚染防止性(防汚性)に優れ、室内用の建材として用いる際に反りや変形が生じることなく、かつ、曲げ加工等が容易で施工性に優れる室内用建装シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、請求項1に係る発明は、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂のうち、少なくとも1種以上の樹脂を含む第1の表材層と、ナイロンを含む第2の表材層と、エチレン−ビニルアルコール共重合体及びメタキシレンジアミンナイロンのうち、少なくとも1種以上の樹脂を含むとともに、最表層となる第3の表材層と、を備え、
前記第1乃至3の表材層がこれらの順で積層された多層フィルムであって、
前記第3の表材層の厚みが、2μm以上、14μm以下である、室内用建装シートである。
また、請求項2に係る発明は、前記第3の表材層が、エチレン含有量が20モル%以上50モル%以下のエチレン−ビニルアルコール共重合体を含む、請求項1に記載の室内用建装シートである。
また、請求項3に係る発明は、前記第2の表材層が、ナイロン11及びナイロン12の少なくとも一方を含む、請求項1又は2に記載の室内用建装シートである。
また、請求項4に係る発明は、前記第2の表材層が、ナイロン11及びナイロン12の少なくとも一方とナイロン6とを含み、
前記ナイロンの総質量において、前記ナイロン11及びナイロン12の総質量が85質量%以上、100質量%未満であり、前記ナイロン6が0質量%超、15質量%以下である、請求項1又は2に記載の室内用建装シートである。
また、請求項5に係る発明は、前記第3の表材層側の表面に凹凸処理が施されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の室内用建装シートである。
また、請求項6に係る発明は、オフィス、体育館、病院の床面及び壁面に敷設される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の室内用建装シートである。
本発明の室内用建装シートは、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂のうち少なくとも1種以上の樹脂を含む第1の表材層と、ナイロンを含む第2の表材層と、エチレン−ビニルアルコール共重合体及びメタキシレンジアミンナイロンのうち少なくとも1種以上の樹脂を含むとともに、最表層となる第3の表材層と、を備え、これらの表材層が上記順番で積層された多層シートであり、第3の表材層の厚みが2μm以上14μm以下であるため、寸法安定性、耐摩耗性及び汚染防止性に優れる。また、本発明の室内用建装シートは、硬化収縮させる層を構成中に有さないため、室内用の建材として用いる際に反りや変形が生じることなく、かつ、曲げ加工等が容易で施工性に優れる。
本発明を適用した一実施形態である室内用建装シートの構成の一例を示す断面模式図である。
以下、本発明を適用した一実施形態である室内用建装シートについて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
<室内用建装シート>
先ず、本発明を適用した一実施形態である室内用建装シートの構成の一例について説明する。図1は、本発明を適用した一実施形態である室内用建装シートの構成の一例を示す断面模式図である。図1に示すように、本実施形態の室内用建装シート1は、第1の表材層2と、第2の表材層3と、第3の表材層4と、を備え、これらがこの順に積層された積層シートである。本実施形態の室内用建装シート1は、主としてオフィス、体育館、病院等の室内の床面及び壁面に敷設される建装材(例えば、塩ビ材、ウレタン材、木材等)の表面を被覆する表層材(建装内装材)として用いることができる。
第1の表材層2は、室内用建装シート1の一方の最表層となるように設けられた樹脂層である。ここで、室内用建装シート1を室内の床面あるいは壁面に敷設する際には、当該室内用建装シート1の一方の最表層1B(すなわち、第1の表材層2の露出する表面2b)側が、例えば、塩ビ材、ウレタン材、木材等の建装材の表面と対向するようにして敷設される。
第1の表材層2に含まれる樹脂としては、ヒートシール機能または圧着機能を付与することができるものであれば、特に限定されない。なお、ヒートシール機能または圧着機能は、プライマーや接着剤を用いて付与するものであってもよい。具体的には、例えば、溶剤の揮発による人体等への影響が小さいことから熱可塑性透明樹脂(熱可塑性樹脂)などが好ましく、その中でもポリオレフィン系樹脂などが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、エチレンの単独重合体および共重合体(ポリエチレン系樹脂)、プロピレンの単独重合体および共重合体(ポリプロピレン系樹脂)、ならびにポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂との混合樹脂などが挙げられる。なお、第1の表材層2は、上記ポリエチレン系樹脂及び上記ポリプロピレン系樹脂のうち、1種類含むものであってもよいし、2種類以上含むものであってもよい。上記樹脂は、滑り性およびヒートシール性に優れる。
第1の表材層2がポリオレフィン系樹脂を含むことにより、本実施形態の室内用建装シート1にクッション性を付与することができる。また、本実施形態の室内用建装シート1を塩ビ材等の基材と貼り合わせる際に均一に接着することができる。さらには、建装材として使用する際に衝撃を吸収して、傷やへこみの発生を抑える効果を付与することができる。
第1の表材層2の厚さは、特に限定されるものではないが、30〜500μmの範囲が好ましく、50〜300μmの範囲がより好ましい。第1の表材層2の厚さが上記範囲内であると、本実施形態の室内用建装シート1を室内の床面あるいは壁面に敷設(後貼り)する際に、建装内装材の表面とのシワの発生を防止できるため、施工性に優れる。また、室内用建装シート1と、ウレタン材や塩ビ材等と、を事前に貼り合わせたタイルやロールシート(先貼り)を施工する場合においても取扱いが容易である。
第2の表材層3は、耐摩耗性を担保するために第1の表材層2と第3の表材層4との間に設けられた樹脂層である。この第2の表層材3は、第1の表材層2及び第3の表材層4に隣接するようにして積層されている。
第2の表材層3に含まれる樹脂としては、耐摩耗性を付与することができるものであれば、特に限定されない。具体的には、ナイロン系樹脂が挙げられる。ここで、ナイロン系樹脂は、ラクタムまたはアミノカルボン酸の重合、もしくは、ジアミンとジカルボン酸との重縮合によって得られるポリマーである。また、ナイロン系樹脂は、単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。さらに、ナイロン系樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を混合した態様で用いてもよい。
ラクタムとしては、たとえば、ブチロラクタム、ピバロラクタム、ε−カプロラクタム、カプリロラクタム、エナントラクタム、ウンデカノラクタム、及びラウロラクタム(ドデカノラクタム)などが挙げられる。
アミノカルボン酸としては、たとえば、上述のラクタムが開環した化合物であるω−アミノカルボン酸およびα,ω−アミノ酸などが挙げられる。また、アミノカルボン酸としては、ω位がアミノ基で置換された直鎖又は分岐の飽和脂肪族カルボン酸であってよく、たとえば、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、及び12−アミノドデカン酸などが挙げられる。さらに、アミノカルボン酸としては、芳香族アミノカルボン酸であってよく、たとえば、パラアミノメチル安息香酸などが挙げられる。
ジアミンとしては、脂肪族ジアミンおよび芳香族ジアミンが挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、たとえば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、及びトリデカメチレンジアミンなどの直鎖脂肪族ジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルオクタメチレンジアミン、及び2,4−ジメチルオクタメチレンジアミンなどの分岐状脂肪族ジアミンなどが挙げられる。さらに、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、及び1,3−シクロペンタンジアミンなどの脂環式ジアミンも挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、芳香族を含有するジアミンであり、たとえば、メタキシリレンジアミン、オルトキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどが挙げられる。
ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、たとえば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルグルタル酸、2,2−ジエチルコハク酸、2,3−ジエチルグルタル酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、及びジグリコール酸などの炭素数3〜20の直鎖又は分岐状脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、及び5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの無置換又は種々の置換基で置換された炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
なお、ジカルボン酸としては、上述のジカルボン酸化合物のみならず、上述のジカルボン酸と等価な化合物も含まれる。ジカルボン酸と等価な化合物としては、上述のジカルボン酸に由来するジカルボン酸構造と同様のジカルボン酸構造となり得る化合物であれば特に限定されるものではなく、たとえば、ジカルボン酸の無水物及びハロゲン化物などが挙げられる。
ナイロン系樹脂を構成する主たるモノマー成分(ラクタム、アミノカルボン酸、または、ジアミンおよびジカルボン酸の少なくとも一方)は、炭素数6以上の脂肪族炭化水素鎖を有することが好ましく、炭素数10以上の脂肪族炭化水素鎖を有することがより好ましい。当該炭素数の上限は特に限定されないが、たとえば20である。
あるいは、ナイロン系樹脂中の、アミド基数に対する炭素数の比(炭素数/アミド基数)が、たとえば8以上、好ましくは9以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは11以上である。当該比の範囲の上限は特に限定されないが、たとえば20である。
本発明において、上述のように比較的長い炭化水素鎖を有するナイロン系樹脂を用いることで、吸湿性の低い樹脂で構成することができる。なお、ナイロン系樹脂の吸水率は、好ましくは8.0wt%以下、より好ましくは4.0wt%以下、さらに好ましくは1.5wt%以下、さらに好ましくは0.5wt%以下である。また、ナイロン系樹脂は、融点が160℃以上270℃以下であってよい。これにより、ナイロン系樹脂として、汎用性のあるエンジニアリングプラスチックを選択しやすい。
より具体的には、ナイロン系樹脂として、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン10、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン1010、ナイロン11、ナイロン12、メタキシリレンジアミンとアジピン酸との共重合体(ナイロンMXD6)、ナイロン66/6共重合体、パラアミノメチル安息香酸とε−カプロラクタムとの共重合体(ナイロンAHBA)、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン・テレフタル酸塩を主成分とするナイロン(ナイロンTHDT、THDT/6I)などが用いられてよい。低吸湿性およびカール抑制効果を考慮した場合、または使用される温湿度環境の変化に対する耐久性および防汚性の安定を考慮した場合、上述の例示の中では、ナイロン10、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン1010、ナイロン11、ナイロン12を用いることが好ましい。
その中でも吸湿性が低く、寸法安定性に優れる点、安定した耐摩耗性が維持できる点からナイロン11またはナイロン12が好ましい。なお、第2の表材層3は、上記ナイロン樹脂を1種類含むものであってもよいし、2種類以上含むものであってもよい。
寸法変化が小さいことで、塩ビ等の基材との貼り合わせた後の剥がれやシワの発生を防止することができる。
より具体的には、上記ナイロン樹脂を1種類含むものとしては、ナイロン12が100質量%であるものが挙げられる。また、上記ナイロン樹脂を2種類以上含むものとしては、例えば、ナイロン12とナイロン6とを含むものが挙げられる。さらに、ナイロン12とナイロン6とを含む場合、ナイロンの総質量においてナイロン12が85質量%以上、100質量%未満であり、ナイロン6が0質量%超、15質量%以下であることが好ましい。
また、第2の表材層3は、上記樹脂の他に、耐候剤を適宜含む構成であってもよい。第2の表材層3に含まれる耐候剤としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、銅系の耐候安定剤、無機系の耐候安定剤、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ベンゾトリアゾール系、アクリレート系、サリシレート系、ヒンダードアミン系、等の有機系耐候安定剤、トリアジン系の紫外線吸収剤といった一般的なものを用いることができる。
また、添加物が含まれていてもよい。添加物は、製造工程、および/または床材への実適用を考慮し、適宜決定することができる。添加物としては、たとえば、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、難燃材、アンチブロッキング剤(シリカ、アルミノケイ酸塩などの無機粒子)、充填材(炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタンなどの無機充填材、および、ポリマービーズなどの有機充填材など)などが挙げられる。
第2の表材層3の厚さは、特に限定されるものではないが、10〜200μmの範囲が好ましく、20〜150μmの範囲がより好ましく、20〜120μmの範囲がさらに好ましい。第2の表材層3の厚さが上記好ましい範囲内であると、本実施形態の室内用建装シート1に温度および湿度の変動に対して安定した、充分な耐摩耗性を付与することができる。
第3の表材層4は、室内用建装シート1の他方の最表層となるように設けられた樹脂層である。ここで、室内用建装シート1を室内の床面あるいは壁面に敷設する際には、当該室内用建装シート1の他方の最表層1A(すなわち、第3の表材層4の露出する表面4a)側が表面となるようにして敷設される。
第3の表材層4に含まれる樹脂としては、防汚性を付与することができるものであれば、特に限定されない。このような樹脂としては、具体的には、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、メタキシレンジアミンナイロン等が挙げられる。なお、第3の表材層4は、上記樹脂を1種類含むものであってもよいし、2種類以上含むものであってもよい。
第3の表材層4に含まれるEVOHのエチレン含有量としては、20〜50モル%の範囲であることが好ましく、25〜48モル%の範囲であることがより好ましく、27〜48モル%の範囲であることがより好ましく、27〜44モル%の範囲であることがさらに好ましい。
ここで、EVOHのエチレン含有量が少なくなると、水やアルコールとのなじみが良くなり、例えば、含有量が0%では水に溶けるようになる。具体的には、EVOHのエチレン含油量が20モル%以上であることにより、耐水性が得られ、寸法安定性が向上する効果が得られる。また、使用する(湿度)環境によらず、第2の表材層3との接着性が安定する効果が得られる。
一方、EVOHのエチレン含有量が50モル%以下であることにより、摩擦熱や擦れによる傷付きを抑制する効果が得られる。また、密着する材料(テープの粘着剤、机の脚のゴム、台車のキャスター、靴底、面振ゴム等)からの成分の移行を防止し、室内用建装シート1の変色を防止する効果が得られる(EVOHのエチレン含有量が少ないほど耐熱性が上がり、熱で溶けにくくなるとともに、硬くなる傾向がある)。さらに、第2の表材層3と第3の表材層4との層間で十分な接着力を得ることができる。更にまた、エチレン含有量が50モル%以下であることにより、第3の表材層4の吸湿を抑制することができる。さらに、EVOHのエチレン含有量が32モル%以上となると、ナイロン12との接着強度が高くなり、層間剥がれを防止することができる。
第3の表材層4の厚さは、特に限定されるものではないが、2〜14μmの範囲であることが好ましく、5〜14μmの範囲であることがより好ましい。第3の表材層4の厚さが2μm以上であることにより、本実施形態の室内用建装シート1を室内で用いる際に十分な防汚性及び強度を得ることができる。また、第3の表材層4の厚さが14μmを超えると、吸湿した際の寸法変化が大きくなり、反り(凸反り及び凹反りのいずれの変形も含む)等が生じやすくなるが、厚さが14μm以下とすることにより、本実施形態の室内用建装シート1は寸法安定性に優れたものとなる。
本実施形態の室内用建装シート1は、第3の表材層4側の表面1A(4a)に、凹凸処理が施されていてもよい。これにより、本実施形態の室内用建装シート1を室内の床面や壁面に敷設した後、摩擦熱による表面の外観変化や、白っぽく反射する擦れ跡を目立たなくすることができる。
以上説明したように、本実施形態の室内用建装シート1によれば、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂のうち少なくとも1種以上の樹脂を含む第1の表材層と、ナイロンを含む第2の表材層と、エチレン−ビニルアルコール共重合体及びメタキシレンジアミンナイロンのうち少なくとも1種以上の樹脂を含む第3の表材層と、を備え、上記第3の表材層が最表層となるように積層された構成であるため、耐摩耗性及び汚染防止性に優れる。
また、本実施形態の室内用建装シート1は、第3の表材層の厚みが、2μm以上14μm以下の範囲であるため、当該第3の表材層が最表層に設ける場合であっても、吸湿による寸法変化の影響が小さく、十分に寸法安定性を確保することができる。
さらに、本実施形態の本発明の室内用建装シート1は、硬化収縮させて形成する表材層を構成中に有さないため、室内用の建材として用いる際に反りや変形が生じることなく、かつ、曲げ加工等が容易で施工性に優れる。
また、本実施形態の室内用建装シート1によれば、第3の表材層4が、エチレン含有量が、20モル%以上、50モル%以下のエチレン−ビニルアルコール共重合体を含むため、第2の表材層3と第3の表材層4との層間で十分な接着力を得ることができ、かつ、第3の表材層4の吸湿を抑制することができる。
本実施形態の室内用建装シート1を事務オフィスの樹脂フロアに適用すれば、机のゴムや椅子のタイヤゴム跡が残らない、優れた防汚性が得られる。また、本実施形態の室内用建装シート1を体育館の床面に適用すれば、靴跡が残らない、優れた防汚性が得られる。また、本実施形態の室内用建装シート1を病院の床面に適用すれば、キャスターの跡が残らない、優れた防汚性が得られる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
以下、本発明の効果を実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<室内用建装シートの作製>
室内用建装シート1は、第1の表材層2と、第2の表材層3と、第3の表材層4と、を備え、これらがこの順に積層された積層シートを作製した。
ここで、第1〜第3の表材層2,3,4として、以下の原料を組み合わせて、実施例1〜13及び比較例1〜8の室内用建装シートを作製した。下記の表1に、第2の表材層3と、第3の表材層4との組み合わせを示す。
(第1の表材層:LDPE)
低密度ポリエチレン(LLDPE):宇部丸善ポリエチレン製、「ユメリット1520F」
(接着剤層:AD)
マレイン酸変性LLDPE(AD):三井化学製、アドマー「NF518」
(第2の表材層:Ny)
・A1:ナイロン12(12Ny)、宇部興産製、宇部ナイロン「3030U」
・A2:ナイロン11(11Ny)、アルケマ製、Rilsan 「BESN O P40TL」
・A3:ナイロン6(6Ny)、宇部興産製、宇部ナイロン「1030U」
(第3の表材層:EVOH又はMXD6)
・B1:EVOH;クラレ製、エバール「M1008」(エチレン比率:24mol%)
・B2:EVOH;日本合成化学工業製、ソアノール「V2504RB」(エチレン比率:25mol%)
・B3:EVOH;クラレ製、エバール「L171B」(エチレン比率:27mol%)
・B4:EVOH;クラレ製、エバール「F171B」(エチレン比率:32mol%)
・B5:EVOH;クラレ製、エバール「H171B」(エチレン比率:38mol%)
・B6:EVOH;クラレ製、エバール「E171B」(エチレン比率:44mol%)
・B7:EVOH;クラレ製、エバール「G156B」(エチレン比率:48mol%)
・B8:MXD6−Ny;三菱エンジニアリングプラスチック製、「S6007」
・B9:PVOH;日本酢ビ・ポバール株式会社製、ポバール「JC−40」(エチレン比率:0mol%)
・B10:変性PE;三井化学製、「LF308」
(実施例1)
第1の表材層(LDPE)として低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン製、「ユメリット1520F」)、接着剤層(AD)としてマレイン酸変性LLDPE(三井化学製、アドマー「NF518」)、第2の表材層(Ny)としてナイロン12(12Ny;宇部興産製、宇部ナイロン「3030U」)、及び第3の表材層としてEVOH(クラレ製、エバール「M1008」)を用い、これらをTダイによる共押出法によって溶融製膜して、LDPE/AD/12Ny/EVOH/の順で積層された総厚100μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後のEVOH層の層厚は12μm、12Ny層の層厚は60μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は20μmであった(表1を参照)。
(実施例2)
第3の表材層としてEVOH(日本合成化学工業製、ソアノール「V2504RB)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、総厚100μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後のEVOH層の層厚は12μm、12Ny層の層厚は60μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は20μmであった(表1を参照)。
(実施例3)
第3の表材層としてEVOH(クラレ製、エバール「L171B」)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、総厚98μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後のEVOH層の層厚は10μm、12Ny層の層厚は60μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は20μmであった(表1を参照)。
(実施例4)
第3の表材層としてEVOH(クラレ製、エバール「F171B」)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、総厚95μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後のEVOH層の層厚は2μm、12Ny層の層厚は60μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は25μmであった(表1を参照)。
(実施例5)
製膜後のEVOH層の層厚を14μmとした以外は、上記実施例4と同様にして、総厚102μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後の12Ny層の層厚は60μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は20μmであった(表1を参照)。
(実施例6)
第3の表材層としてEVOH(クラレ製、エバール「H171B」)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、総厚100μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後のEVOH層の層厚は12μm、12Ny層の層厚は60μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は20μmであった(表1を参照)。
(実施例7)
第2の表材層(Ny)としてナイロン11(11Ny;アルケマ製、Rilsan 「BESN O P40TL」)を、第3の表材層としてEVOH(クラレ製、エバール「E171B」)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、総厚100μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後のEVOH層の層厚は12μm、12Ny層の層厚は60μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は20μmであった(表1を参照)。
(実施例8)
第3の表材層としてEVOH(クラレ製、エバール「E171B」)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、総厚100μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後のEVOH層の層厚は12μm、12Ny層の層厚は60μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は20μmであった(表1を参照)。
(実施例9)
第2の表材層(Ny)として、ナイロン12(12Ny;宇部興産製、宇部ナイロン「3030U」)とナイロン6(6Ny;宇部興産製、宇部ナイロン「1030U」)との混合層を用いるとともに、ナイロンの総質量においてナイロン6が3質量%とした以外は、上記実施例7と同様にして、総厚100μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後のEVOH層の層厚は12μm、Ny層の層厚は60μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は20μmであった(表1を参照)。
(実施例10)
第2の表材層(Ny)として、ナイロン12(12Ny;宇部興産製、宇部ナイロン「3030U」)とナイロン6(6Ny;宇部興産製、宇部ナイロン「1030U」)との混合層を用いるとともに、ナイロンの総質量においてナイロン6が5質量%とした以外は、上記実施例7と同様にして、総厚100μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後のEVOH層の層厚は12μm、Ny層の層厚は60μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は20μmであった(表1を参照)。
(実施例11)
第2の表材層(Ny)として、ナイロン12(12Ny;宇部興産製、宇部ナイロン「3030U」)とナイロン6(6Ny;宇部興産製、宇部ナイロン「1030U」)との混合層を用いるとともに、ナイロンの総質量においてナイロン6が10質量%とした以外は、上記実施例7と同様にして、総厚100μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後のEVOH層の層厚は12μm、Ny層の層厚は60μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は20μmであった(表1を参照)。
(実施例12)
第3の表材層としてEVOH(クラレ製、エバール「G156B」)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、総厚70μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後のEVOH層の層厚は12μm、12Ny層の層厚は30μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は20μmであった(表1を参照)。
(実施例13)
第3の表材層としてMXD6−Ny(三菱エンジニアリングプラスチック製、「S6007」)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、総厚115μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後のMXD6−Ny層の層厚は12μm、12Ny層の層厚は70μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は25μmであった(表1を参照)。
(比較例1)
第3の表材層としてPVOH(日本酢ビ・ポバール株式会社製、ポバール「JC−40」)を用いた以外は、上記実施例1と同様の原料を用い、総厚100μmの積層フィルムを得た。具体的には、ナイロン12とAD層とLDPE層を積層したフィルムの上に、水に溶解させたPVOHを塗布し、乾燥してPVOH層を製膜した。
また、製膜後のPVOH層の層厚は2μm、12Ny層の層厚は70μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は20μmであった(表1を参照)。
(比較例2)
第2及び第3の表材層の厚さを変更した以外は、上記実施例3と同様にして、総厚60μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後のEVOH層の層厚は1μm、12Ny層の層厚は30μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は21μmであった(表1を参照)。
(比較例3)
第2及び第3の表材層の厚さを変更した以外は、上記実施例4と同様にして、総厚118μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後のEVOH層の層厚は20μm、12Ny層の層厚は70μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は20μmであった(表1を参照)。
(比較例4)
第2及び第3の表材層の厚さを変更した以外は、上記実施例3と同様にして、総厚50μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後のEVOH層の層厚は12μm、12Ny層の層厚は10μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は20μmであった(表1を参照)。
(比較例5)
第2の表材層(Ny)としてナイロン6(6Ny;宇部興産製、宇部ナイロン「1030U」)を用いた以外は、上記実施例3と同様にして、総厚98μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後のEVOH層の層厚は10μm、6Ny層の層厚は60μm、AD層の層層厚は8μm、LDPE層の層厚は20μmであった(表1を参照)。
(比較例6)
第2の表材層(Ny)として、ナイロン12(12Ny;宇部興産製、宇部ナイロン「3030U」)とナイロン6(6Ny;宇部興産製、宇部ナイロン「1030U」)との混合層を用いるとともに、ナイロンの総質量においてナイロン6が20質量%とした以外は、上記実施例7と同様にして、総厚100μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後のEVOH層の層厚は12μm、Ny層の層厚は60μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は20μmであった(表1を参照)。
(比較例7)
第2の表材層(Ny)としてナイロン6(6Ny;宇部興産製、宇部ナイロン「1030U」)を用いた以外は、上記実施例8と同様にして、総厚100μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後のEVOH層の層厚は12μm、6Ny層の層厚は60μm、AD層の層層厚は8μm、LDPE層の層厚は20μmであった(表1を参照)。
(比較例8)
第3の表材層として変性PE(三井化学製、「LF308」)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、総厚104μmの積層フィルムを得た。
また、製膜後の変性PE層の層厚は12μm、12Ny層の層厚は60μm、AD層の層厚は8μm、LDPE層の層厚は24μmであった(表1を参照)。
Figure 2017160713
<耐摩耗性の評価>
実施例1〜13及び比較例1〜8の室内用建装シートの耐摩耗性の評価として、テーバー摩耗試験機を用い、「JIS K7204」に規定された耐摩耗性を評価した。
(評価方法)
耐摩耗性としては、具体的には、第3の表材層および第2の表材層が摩耗するまでの回転数を確認した。結果を表2に示す。なお、表2中、第3の表材層が摩耗するまでの回転数が50回転以上かつ、第2の表材層が摩耗するまでの回転数が500回転以上のものを「○」評価、いずれかを満たさないものを「×」評価とした。
(評価結果)
表2に示すように、第3の表材層として変性PEを用いた比較例8、及び第2の表材層の厚さが10μmである比較例4では、上述した評価のいずれかを満たさなかった。
これに対して、本発明に係る実施例1〜13の室内用建装シートでは、上述した評価をいずれも満たしており、耐摩耗性に優れていることを確認した。
<防汚性の評価>
実施例1〜13及び比較例1〜8の室内用建装シートの防汚性の評価として、耐ゴム汚染性を調査した。
(評価方法)
耐ゴム汚染性の評価方法としては、具体的には、耐ヒールマーク性テスト用ゴム(日本フロアーポリッシュ工業会頒布品、黒色ゴム)の上に評価対象となるシート(フィルム)を重ね、100℃に加熱した熱板(アイロン)を1時間接触させ、フィルムの変色を確認した。結果を表2に示す。なお、表2中、ゴムとの接触部が変色しなかったものを「○」評価、変色が見られたものを「×」評価とした。
(評価結果)
表2に示すように、第3の表材層であるEVOH層の厚さが1μm以下の比較例2及び比較例8では、フィルムに変色が見られた。
これに対して、本発明に係る実施例1〜13の室内用建装シートでは、フィルムに変色が見られず、防汚性に優れていることを確認した。
<寸法安定性の評価>
実施例1〜13及び比較例1〜8の室内用建装シートの寸法安定性の評価として、吸湿した際の寸法変化率を調査した。
(評価方法)
寸法変化率の評価方法としては、具体的には、先ず、評価対象となるシート毎に3片のサンプル片に切断して寸法を測定し、それぞれ基準寸法を求めた。次に、基準寸法を求めたサンプル片を、40℃、相対湿度90%、7日間、の条件下でそれぞれ保管した。次いで、保管後のサンプル片の実測寸法から、基準寸法に基づいて、伸縮率(%)を求めた。結果を表2に示す。なお、表2中、吸湿後の寸法変化が、1%以下のものを「○」評価、1.3%以下のものを「△」評価、1.3%を超えるものを「×」評価とした。
(評価結果)
表2に示すように、第2の表材層として6Ny単体を使用した比較例5及び比較例7では、寸法変化が大きくなることを確認した。
また、第3の表材層として用いたEVOHのエチレン比率が0%である比較例1では、寸法変化が大きく、寸法安定性が不足することを確認した。
さらに、第3の表材層として用いたEVOHの厚みが20μmである比較例3では、寸法変化が大きく、寸法安定性が不足することを確認した。
これに対して、本発明に係る実施例1〜13の室内用建装シートでは、吸湿後の寸法変化率が1.3%以下と小さく、寸法安定性に優れていることを確認した。
<耐傷性の評価>
実施例1〜13及び比較例1〜8の室内用建装シートの耐傷性を調査した。
(評価方法)
耐傷性の評価方法としては、具体的には、先ず、縦26cm×横16cm×高10cmの金属缶の天板と地板の内側表面に、評価対象となる表層材を両面テープで貼り付けた。この場合、エンボス加工面が金属管の内部を向くように貼り付けた。次に、金属缶内に5cm角の耐ヒールマーク性テスト用ゴム(日本フロアーポリッシュ工業会頒布品、黒色のゴム)を入れて、振動試験機で15000回(ストローク:3cm、振動速度:250回/分)振動させた。次いで、振動試験後、フィルムの外観を確認した。結果を表2に示す。なお、表2中、上記振動試験後に汚れ付着が少なく、容易にふき取れ、かつ拭き取った後、全面の光沢が維持されているものを「○」評価、少し白い傷状に見えるものを「△」評価、光沢が著しく失われているものを「×」評価とした。
(評価結果)
表2に示すように、第3の表材層としてEVOH層を用いない比較例1及び比較例8では、いずれも「×」評価であり、耐傷性に劣ることを確認した。
これに対して、本発明に係る実施例1〜13の室内用建装シートでは、全面の光沢がほぼ維持されており、耐傷性に優れていることを確認した。
<層間強度の評価>
実施例1〜13及び比較例1〜8の室内用建装シートの層間強度の評価として、第2の表材層(Ny層)と第3の表材層との間の接着強度を調査した。
(評価方法)
接着強度の測定方法としては、具体的には、評価対象となる室内用建装シートに対し、テンシロン引張試験機を用いて、剥離速度200mm/分で剥離を行って、接着強度を測定した。結果を表2に示す。なお、表2中、接着強度が300g/25mm以上の場合を「○」評価、300g/25mm未満、100g/25mm以上の場合を「△」評価、100g/25mm未満の場合を「×」評価とした。
(評価結果)
表2に示すように、第3の表層材として用いたEVOH層中のエチレン比率が0モル%である比較例1では、50g/25mmと低い接着強度であることを確認した。
これに対して、本発明に係る実施例1〜13の室内用建装シートでは、第3の表層材として用いたEVOH層中のエチレン比率が32モル%以上において、高い接着強度が得られることを確認した。また、第2の表層材において、ナイロン12Nyにナイロン6を添加することで良好な接着強度が得られることを確認した。
<透明性の評価>
実施例1〜13及び比較例1〜8の室内用建装シートの透明性の評価として、曇度を調査した。
(評価方法)
具体的には、日本電色製 HANDY GLOSSMETER PG−1を用いて、測定角60°の条件(JIS K7136−2)において、評価対象となる室内用建装シートの曇度を測定した。結果を表2に示す。なお、表2中、曇度が20%を超える場合を「×」評価とした。
(評価結果)
表2に示すように、第2の表材層としてナイロン12とナイロン6とを混合した混合層を用いており、ナイロン6がナイロン総量の10質量%を超える比較例12では、曇度の悪化を確認した。
これに対して、本発明に係る実施例1〜13の室内用建装シートでは、曇度が20%未満であり、透明性に優れていることを確認した。
Figure 2017160713
本発明の室内用建装シートは、オフィス、体育館、病院等の室内の床面及び壁面に敷設される建装内装材として、産業上の利用可能性がある。
1…室内用建装シート
2…第1の表材層
3…第2の表材層
4…第3の表材層

Claims (6)

  1. ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂のうち、少なくとも1種以上の樹脂を含む第1の表材層と、
    ナイロンを含む第2の表材層と、
    エチレン−ビニルアルコール共重合体及びメタキシレンジアミンナイロンのうち、少なくとも1種以上の樹脂を含むとともに、最表層となる第3の表材層と、を備え、
    前記第1乃至3の表材層がこれらの順で積層された多層フィルムであって、
    前記第3の表材層の厚みが、2μm以上、14μm以下である、室内用建装シート。
  2. 前記第3の表材層は、エチレン含有量が、20モル%以上、50モル%以下のエチレン−ビニルアルコール共重合体を含む、請求項1に記載の室内用建装シート。
  3. 前記第2の表材層が、ナイロン11及びナイロン12の少なくとも一方を含む、請求項1又は2に記載の室内用建装シート。
  4. 前記第2の表材層が、ナイロン11及びナイロン12の少なくとも一方とナイロン6とを含み、
    前記ナイロンの総質量において、前記ナイロン11及びナイロン12の総質量が85質量%以上、100質量%未満であり、前記ナイロン6が0質量%超、15質量%以下である、請求項1又は2に記載の室内用建装シート。
  5. 前記第3の表材層側の表面に凹凸処理が施されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の室内用建装シート。
  6. オフィス、体育館、病院の床面及び壁面に敷設される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の室内用建装シート。
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