JP2017160350A - 活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ、および印刷物 - Google Patents

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朋恵 山上
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Abstract

【課題】本発明の課題は、印刷適性に優れる活性エネルギー線硬化型平版オフセット印刷インキおよびその印刷物を提供することである。
【解決手段】上記課題は、エチレン性不飽和単量体(a)と多官能連鎖移動剤(b)とを含む組成物の重合体である樹脂(A)、および活性エネルギー線硬化性化合物(B)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型平版印刷インキにより解決できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線、電子線等の活性エネルギー線照射により硬化し得うる活性エネルギー線硬化型平版印刷インキに関する。特に、不飽和二重結合を2つ以上有するエチレン性不飽和単量体を共重合させてなる樹脂を用いた平版印刷インキに関する。
平版印刷インキは5〜100Pa・sの比較的粘度の高いインキである。平版印刷機の機構は、インキが印刷機のインキ壺から複数のローラーを経由して版面の画線部に供給され、湿し水を使用する平版印刷では非画線部に湿し水が供給され、湿し水無し平版印刷では非画線部がシリコン層でできておりインキを反発し紙上に画像が形成される。
特に、湿し水を使用した平版印刷においてはインキと湿し水との乳化バランスが重要であり、インキにおいても耐乳化性の高速印刷適性が求められている。インキは乳化量が高過ぎると非画線部にもインキが着肉し易くなり汚れが発生し、乳化量が少ないと絵柄の少ない印刷時には、インキ表面に湿し水が吐き出される為、ロール間のインキ転移や用紙へのインキ着肉性が悪くなり、安定して印刷する事が難しくなる。
さらに近年では、印刷時の省人、省力化、自動化、高速化の要求が高まってきており、特に印刷スピードは益々高速化してきている。そして、様々な印刷条件下に於いてトラブルレスで長時間安定して高品位な印刷物が得られる印刷用インキが望まれており、インキメーカーでは種々の改良を実施してきている。
活性エネルギー線硬化型インキはアクリルエステル化合物のような活性エネルギー線硬化性を有する不飽和化合物を構成成分として含有しており、活性エネルギー線照射とともに瞬時に硬化し、上記不飽和化合物の3次元架橋による強靭な皮膜を形成する。瞬時に硬化することから、印刷直後に後加工を行うことが出来るため、生産性向上および意匠の保護のため強い皮膜が要求される包装用パッケージ印刷や商業分野におけるフォーム印刷等において活性エネルギー線硬化型インキが好適に使用されている。
一般に活性エネルギー線硬化型平版オフセット印刷インキは、バインダー樹脂、アクリルエステル化合物のような活性エネルギー線硬化性化合物、顔料、ラジカル重合開始剤、各種添加剤からなる。
活性エネルギー線硬化型バインダー樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂等が検討されてきた。例えば、特許文献1には、飽和ポリエステルをイソシアネート基含有ウレタンアクリレートで変性した樹脂が開示されている。特許文献2や特許文献3には、スチレン類を共重合成分として含むアクリル樹脂が開示されている。しかしながら、これらの樹脂は直線性の高い構造のため十分なインキ粘弾性が得られ難く、乳化適性や、ミスチング性、地汚れ耐性等の印刷適性を損ない易い。
特開2001−348516号公報 特開2009−263622号公報 特開2011−26522号公報
本発明の目的は、印刷適性に優れる活性エネルギー線硬化型平版オフセット印刷インキおよびその印刷物を提供することである。
本発明は、エチレン性不飽和単量体(a)と多官能連鎖移動剤(b)とを含む組成物の重合体である樹脂(A)、および活性エネルギー線硬化性化合物(B)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型平版印刷インキに関する。
また、本発明は、樹脂(A)の重量平均絶対分子量が5,000〜5,000,000であり、重量平均相対分子量に対する重量平均絶対分子量の比が、1.8〜20であることを特徴とする前記活性エネルギー線硬化型平版印刷インキに関する。
また、本発明は、多官能連鎖移動剤(b)の1分子中の連鎖移動官能基数が2〜8であることを特徴とする前記活性エネルギー線硬化型平版印刷インキに関する。
また、本発明は、エチレン性不飽和単量体(a)が、芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(a1)を含むことを特徴とする前記活性エネルギー線硬化型平版印刷インキに関する。
また、本発明は、エチレン性不飽和単量体(a)が、不飽和二重結合を2つ以上有するエチレン性不飽和単量体(a2)を含むことを特徴とする前記活性エネルギー線硬化型平版印刷インキに関する。
また、本発明は、さらに顔料(C)を含有する、前記活性エネルギー線硬化型平版印刷インキに関する。
また、本発明は、さらに光重合開始剤(D)を含有する、前記活性エネルギー線硬化型平版印刷インキに関する。
また、本発明は、基材上に、前記活性エネルギー線硬化型平版印刷インキから形成された印刷層を有する印刷物。
本発明により、タックバランスに優れ、さらには、分散性、流動性にも優れる活性エネルギー線硬化型平版オフセット印刷インキ、及び印刷物を提供することが出来た。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
本発明の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキの各構成要素について説明する。本発明で使用される活性エネルギー線硬化型平版印刷インキは樹脂(A)、および活性エネルギー線硬化性化合物(B)を含み、必要に応じて顔料(C)、光重合開始剤(D)をさらに含有する。
本発明の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキとは、黄、紅、藍、墨等のカラー印刷用インキや、単色または多色印刷後さらに印刷機で印刷される透明なオーバープリントニス(通称OPニス)などのインキを含む。
活性エネルギー線硬化型平版印刷インキの組成の一例としては、
樹脂(A) 10〜40重量%
活性エネルギー線硬化性化合物(B) 30〜75重量%
顔料(C) 0〜40重量%
光重合開始剤(D) 0〜15重量%
その他成分 1〜15重量%
などが好ましい組成として挙げられる。
<樹脂(A)>
本発明の樹脂(A)は、エチレン性不飽和単量体(a)を、多官能連鎖移動剤(b)を用いて共重合させて得られるものである。すわなち、多官能連鎖移動剤(b)由来の分岐構造を分子内に含む、分岐構造を有するアクリル系重合体である。
多官能連鎖移動剤(b)とは、ラジカル重合条件下における連鎖移動定数が0.01以上である連鎖移動官能基を、1分子中に2つ以上有する連鎖移動剤を意味する。かかる官能基としては、メルカプト基、ジスルフィド基、ハロゲン基などが挙げられる。
多官能連鎖移動剤(b)としては、メルカプト基を有するものが好ましく、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネートなどエチレングリコールチオカルボン酸ジエステル、ジメチロールプロパンビスチオグリコレート、ジメチロールプロパンビスチオプロピオネート、ジメチロールプロパンビスチオブタネートなどの2官能メルカプタン化合物、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリスチオブタネート、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオールなどの3官能基メルカプタン化合物、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(4−メルカプトブタネート)、およびペンタエリストールテトラキス(6−メルカプトヘキサネート)などの4官能メルカプタン化合物、ジペンタエリスリトール ヘキサキス (3-メルカプトプロピオネート)などの6官能メルカプタン化合物が挙げられる。これらの多官能連鎖移動剤(b)は、単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
多官能連鎖移動剤(b)の1分子中の連鎖移動官能基数は、好ましくは2〜8であり、より好ましくは4〜7である。上記範囲内であると、インキのタック低減に有効である。
多官能連鎖移動剤(b)の使用量は、エチレン性不飽和単量体(a)100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.3〜10重量部、更に好ましくは3〜6重量部である。上記範囲内であると、分散性やタック等の物性のバランスが取れたインキが得られる。反応温度は、40〜150℃、好ましくは50〜110℃である。
エチレン性不飽和単量体(a)としては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベヘニルアクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、及びフェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、及びオキセタン(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート類;
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、及びエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、及びアクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びN,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;並びに、
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類等があげられる。
又、上記アクリル系単量体と併用できる単量体として、
スチレン、及びα−メチルスチレン等のスチレン類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、及びイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;並びに、
酢酸ビニル、及びプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等があげられる。
又、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を併用することもできる。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、及びクロトン酸等から1種又は2種以上を選択することができる。
これらの単量体は、単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
エチレン性不飽和単量体(a)としては、芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(a1)を用いることが好ましく、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、及びフェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類、スチレン、及びα−メチルスチレン等のスチレン類が挙げられる。好ましくは芳香族(メタ)アクリレートであり、より好ましくはベンジル(メタ)アクリレートである。芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(a1)の配合量は、エチレン性不飽和単量体(a)の合計100重量%中75〜100重量%であり、好ましくは85〜99.5重量%であり、より好ましくは90〜99.5重量%である。上記範囲内であると、インキの分散・流動性が向上し、さらには光沢感のある印刷塗膜が得られる。
また、エチレン性不飽和単量体(a)は、不飽和二重結合を2つ以上有するエチレン性不飽和単量体(a2)を一部用いることが好ましい。不飽和二重結合を2つ以上有するエチレン性不飽和単量体(a2)は、好ましくは、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有するエチレン性不飽和単量体である。不飽和二重結合を2つ以上有するエチレン性不飽和単量体(a2)の配合量は、エチレン性不飽和単量体の合計100重量%中0.5〜25重量%であり、好ましくは0.5〜15重量%であり、より好ましくは1〜10重量%である。上記範囲内であると、インキの乳化適正や、樹脂のインキに対する溶解性に優れる。
不飽和二重結合を2つ以上有するエチレン性不飽和単量体(a2)は、分子内に架橋構造を導入できるものであれば特に限定されない。不飽和二重結合を2つ以上有するエチレン性不飽和単量体(a2)を共重合することにより、分子内に架橋構造を有するアクリル樹脂が得られ、この構造がインキの乳化適性に寄与しているものと考えられる。
2官能エチレン性不飽和単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、およびアルキレングリコールのアルキレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオール(メタ)アクリレート、アルカンジオールのアルキレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
また、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート(通称マンダ)、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート等が例示される。
3官能のエチレン性不飽和単量体としては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、およびこれらのアルキレンオキサイド付加体等が例示される。
4官能以上のエチレン性不飽和単量体としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート、およびこれらのアルキレンオキサイド付加体等が例示される。
アルキレンオキサイド付加体として例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンチレンオキサイド、ヘキシレンオキサイド等1〜10モル付加体が挙げられる。
これらの単量体は、単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。不飽和二重結合を2つ以上有するエチレン性不飽和単量体(a2)は、疎水性であることが好まく、例えば、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。疎水性であると、タック低減効果に優れる。
不飽和二重結合を2つ以上有するエチレン性不飽和単量体(a2)の不飽和二重結合数は、好ましくは2〜8であり、より好ましくは4〜7である上記範囲内であると、インキのタック低減に有効である。
樹脂(A)は、上記したようなエチレン性不飽和単量体(a)100重量部に対して、0.001〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部の重合開始剤を用い、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合などの方法により合成することができ、好ましくは溶液重合による方法である。
重合開始剤としては、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、及び2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチル(2−エチルヘキサノイル)ペルオキシド、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、及びジアセチルパーオキシド等があげられる。これらの重合開始剤は、単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
溶液重合の場合には、エチレン性不飽和単量体(a)を、有機溶剤(F)中で共重合して樹脂(A)の溶液を製造する。有機溶剤(F)としては、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール及びジエチレングリコールジエチルエーテル等が用いられるが特にこれらに限定されるものではない。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いても良いが、ワニス(G)作製時に活性エネルギー線硬化性化合物(b1)と置換して除去するため、沸点の低い溶剤であることが好ましい。
<活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ用ワニス(G)>
インキを作製する際には、樹脂(A)及び活性エネルギー線硬化性化合物(b1)を含むワニスの形態で用いられることが好ましい。活性エネルギー線硬化性化合物(b1)としては、後述の活性エネルギー線硬化性化合物(B)で記載されるものと同じものを挙げることができる。活性エネルギー線硬化性化合物(b1)は、活性エネルギー線硬化性化合物(B)と同じものを用いても良いし、異なっていても良い。
活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ用ワニス(G)の製造方法は特に限定されないが、好ましい製造方法としては、エチレン性不飽和単量体(a)と多官能連鎖移動剤(b)を有機溶剤(F)中で共重合して樹脂(A)を製造する工程Xと、前記樹脂(A)の溶液中に活性エネルギー線硬化性化合物(b1)を添加した後、有機溶剤(F)を除去する工程Yとを有する方法が挙げられる。
より詳細には、樹脂(A)の溶液中に活性エネルギー線硬化性化合物(B)と禁止剤を添加、混合した後、加温して有機溶剤(F)を除去する方法であり、溶剤を除去する際の温度は、好ましくは50〜130℃、より好ましくは70〜110℃である。必要に応じて系内を減圧してもよい。
<樹脂(A)の分子量>
多官能連鎖移動剤(b)を使用することにより、分子内に分岐構造を有する樹脂(A)が得られ、この構造がインキのタック低減に寄与していると考えられる。
樹脂が分岐構造を有していることは重量平均相対分子量に対する重量平均絶対分子量(LS_Mw)の比によっても表すことができ、重量平均絶対分子量(LS_Mw)/重量平均相対分子量が1.8〜20であることが好ましく、より好ましくは2.0〜16である。
樹脂(A)の、重量平均絶対分子量(LS_Mw)としては、5,000〜5,000,000であることが好ましく、10,000〜4,000,000であることがより好ましく、25,000〜3,000,000であることが特に好ましい。
上記範囲内であると、印刷インキにした際のタック、転移性、硬化性等に優れるため好ましい。
重量平均絶対分子量(LS_Mw)とは多角度光散乱検出器を用いて測定するものであり、示唆屈折率検出器を用いて測定する一般的な重量平均分子量(重量平均相対分子量(RI_Mw))とは異なる。分岐構造を有さない樹脂に比較して、分岐構造を有する樹脂は重量平均相対分子量が重量平均絶対分子量よりも小さく検出されることになるため、重量平均絶対分子量/重量平均相対分子量の値は分子の分岐構造を示す指標となる。
<活性エネルギー線硬化性化合物(B)>
本発明における活性エネルギー線硬化性化合物(B)は、特に限定されるものではなく、紫外線、電子線等の活性エネルギー線の照射により硬化する化合物であればよく、分子内に不飽和二重結合を有する化合物が挙げられる。活性エネルギー線硬化性化合物として具体的には、下記のようなエチレン性不飽和単量体が例示できる。
単官能のエチレン性不飽和単量体としては、先に例示したもののほか、例えば、アルキルフェノール(ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノールまたはドデシルフェノール等)、エチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、アクリオロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン等が例示される。
2官能以上のエチレン性不飽和単量体としては、特に限定されないが、単量体(a2)で例示したものと同じものを挙げることができる。
活性エネルギー線硬化性化合物(B)は、要求される硬化被膜物性に応じて適宜選択することが可能であり、必要に応じて、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の活性エネルギー線硬化性オリゴマーを併用することも可能である。
<顔料(C)>
次に、顔料(C)としては、無機顔料および有機顔料を示すことができる。無機顔料としては黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉等が、有機顔料としては、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アリリド系、アセト酢酸アリリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アリリド系、アセト酢酸アリリド系モノアゾ、アセト酢酸アリリド系ジスアゾ、ピラゾロン系等の不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(塩素または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系等)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系等の多環式顔料および複素環式顔料等の公知公用の各種顔料が使用可能である。
<光重合開始剤(D)、増感剤>
本発明の活性エネルギー線硬化型平版オフセット印刷インキは、紫外線を使用する場合には光重合開始剤、増感剤を添加することが必要である。光重合開始剤としては、光により分子内で結合が開裂して活性種を生成するものと、分子間で水素引き抜き反応を起こして活性種を生成するものの2種類に大別できる。
前者の例として、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ジエトキシアセトフェノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン}、4−(2−アクリロイル−オキシエトキシ)フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン等のアセトフェノン系、ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンとベンゾフェノンとの混合物、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系、ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等がある。
後者の例としては、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系、ミヒラーケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等がある。これらの光重合開始剤を一種、または必要に応じて二種以上を併用して良い。
本発明の活性エネルギー線硬化型平版オフセット印刷インキに紫外線を照射して硬化させる場合、光重合開始剤の添加だけでも硬化するが、硬化性をより向上させるために、光増感剤を併用することもできる。かかる光増感剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等のアミン類がある。
光重合開始剤の配合量は、該印刷インキ中、0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%である。0.01重量%未満では硬化反応が十分に行なわれ難く、20重量部を越えると熱重合反応が起こり易くインキとしての安定性が損なわれ易くなり好ましくない。
<その他の添加剤成分>
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型平版オフセット印刷インキは、必要に応じてその他の添加剤を使用することが可能である。例えば、耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性、スリキズ防止性を付与する添加剤としては、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物などの合成ワックス等を例示することができる。
例えば、インキの保存安定性を付与する添加剤としては、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p −メトキシフェノール、t −ブチルカテコール、t −ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p −ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−tert−ブチル−p −ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p −ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等の重合禁止剤が例示される。
その他、要求性能に応じて、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤等の添加剤を添加することができる。
<インキの製造方法>
本発明の活性エネルギー線硬化型平版オフセット印刷インキは、常温から100℃の間で、印刷インキ成分を、ニーダー、三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサー等の練肉、混合、調整機を用いて製造される。
<印刷物>
上記活性エネルギー線硬化型平版印刷インキを基材に印刷し、活性エネルギー線により硬化させて印刷層を形成し、印刷物を得ることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキは、通常湿し水を使用する平版印刷に適用されるが、湿し水を使用しない水無し印刷にも好適に用いられる。本発明の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキは、フォーム用印刷物、各種書籍用印刷物、カルトン紙等の各種包装用印刷物、各種プラスチック印刷物、シール/ラベル用印刷物、美術印刷物、金属印刷物(美術印刷物、飲料缶印刷物、缶詰等の食品印刷物)などの印刷物に適用される。さらにオーバーコートワニスとして使用されることもある。
基材としては、上質紙等の非塗工紙、微塗工紙、アート紙、コート紙、軽量コート紙、キャストコート紙等の塗工紙、白板紙、ボールコート等の板紙、合成紙、アルミ蒸着紙、およびポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル等のプラスチックシートが挙げられる。
活性エネルギー線を照射する雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガス置換雰囲気が好ましいが、大気中で照射しても硬化性に問題がなければ差し支えない。活性エネルギー線を照射する前に赤外線ヒーター等により活性エネルギー線硬化型組成物層を加温したり、活性エネルギー線を照射後赤外線ヒーター等により活性エネルギー線硬化性平版印刷インキ硬化層を加温することは硬化を速く終了させるために有効である。
本発明の活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、X線、α線、β線、γ線のような電離放射線、マイクロ波、高周波等をいうが、ラジカル性活性種を発生させ得るならばいかなるエネルギー種でも良く、可視光線、赤外線、レーザー光線でもよい。紫外線を発生するものとしては例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、ヘリウム・カドミニウムレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、アルゴンレーザーなどがある。
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、本発明中の「部」は重量部を表し、「%」は、重量%を示す。
(樹脂(A)の平均分子量)
本発明において、重量平均相対分子量(RI_Mw)は、装置としてRI検出器を装備したHLC−8220GPC(東ソー社製)を用い、カラムとしてTSKgel SUPER HZM−N(東ソー社製)を使用し、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)を用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(RI_Mw)である。重量平均絶対分子量(LS_Mw)は、装置としてAlliance GPC(Waters社製)を用い、カラムとしてTSKgel GMH HR−H(東ソー社製)を使用し、検出器としてmini DAWN TREOS、ViscoSter−II、Optilab T−rEX(全てWyatt Technology社製)、溶離液としてTHFを用いて測定した。
〔実施例1〕
ガス導入管、温度計、コンデンサー、撹拌機を備えた反応容器に、ベンジルメタクリレート100部、メチルエチルケトン25部、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)6部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を90℃に加熱して、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部をメチルエチルケトン58部に溶解したものを13回に分けて30分ごとに加え、90℃のまま7時間反応し、重量平均相対分子量(RI_Mw)7,000、重量平均絶対分子量(LS_Mw)12,000の樹脂(R1)を得た。樹脂(R1)溶液は、固形分が55重量%になるように調整した。
次いで、同様のフラスコに、樹脂(R1)溶液を67部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート63部、ハイドロキノン0.1部を混合し、反応容器内を100℃に加熱してメチルエチルケトンを留去し、ワニスの粘度が270〜330Pa・sになるようにジペンタエリスリトールヘキサアクリレートで調整し、無溶剤のワニス(V1)を得た。
ワニスの粘度は、HAAKE社製のRheo Stress 6000を用いて測定し、25℃でせん断速度を0〜120sec−1まで変化させた時の100sec−1のときの値を測定した。
さらに、リオノールブルーFG7330(トーヨーカラー社製藍顔料)20部、ワニス(V1)を60部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート14.9部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン2.5部、イルガキュア907(BASF社製)2.5部、ハイドロキノン0.1部を、40℃の三本ロールミルにて練肉し、インキのタックが9〜10になるようにジトリメチロールプロパンテトラアクリレートで調整し、平版印刷インキ(C1)を得た。
インキのタックは東洋精機社製デジタルインコメーターにてロール温度30℃、400rpm、1分後の値を測定した。
〔実施例2〜19、比較例A〜D〕
実施例1と同様の操作にて、表1に示す配合組成で、樹脂、ワニス、平版印刷インキを得た。
実施例および比較例で得られた平版印刷インキについて、下記の方法でタック、分散性、流動性、乳化適性(印刷適性)および、光沢値を評価した。評価結果を表1に示す。
<タック>
インコメーターにて、30℃、回転速度400rpm、測定時間1分の条件にてタック値を測定した。数値が低い程、ミスチング性が優れる。
(評価基準)
◎:9.0未満
○:9.0以上〜10.0未満
△:10.0以上〜11.0未満
×:11.0以上
<分散性評価>
グラインドメーター(日本シーダースサービス社製)を用いて、JIS K5701−1:2000練和度測定方法に準じて、スクレーパーを引き動かして発生した10mm以上連続した線が、1つの溝について3本以上現れた時の目盛り位置Aおよび10本以上現れた目盛り位置Bとして測定し、次の4段階で評価した。数値が低いほど良好であることを示す。
(評価基準)
◎:A値=5.0μm以下かつB値=5.0μm以下
○:A値=7.5μm以下かつB値=5.0μm以下
△:A値=7.5μm以下かつB値=7.5μm以下
×:A値=7.5μmより大かつB値=5.0μmより大
<流動性評価>
スプレッドメーター法により、JIS K5701:2000流動性測定方法に準じて測定し、水平に置いた2枚の平行板の間に挟まれたインキが、荷重板の自重(115グラム)によって、同心円状に広がる特性を経時的に観察し、60秒後のインキの広がり直径[mm]を、次の3段階で評価した。数値が高いほど良好であることを示す。
(評価基準)
◎:34.0mm以上
○:32.0mm以上
△:30.0mm以上
×:30.0mm未満
<乳化適性>
乳化適性については、以下のように行った。
粘弾性:インキに10%の水を強制的に乳化させた時の撹拌に要するトルクを測定し、乳化前後でのトルク減少率を、次の3段階で評価した。トルク減少率が大きいほど乳化時に粘弾性を維持できるため印刷適性が優れる。
(評価基準)
A:60%以上
B:50%以上〜60%未満
C:50%未満
流動性:インキに10%の水を強制的に乳化させた時の流動性をスプレッドメーター法により、JIS K5701:2000流動性測定方法に準じて測定し、乳化前後での流動性変化幅[mm]を次の3段階で評価した。流動性変化幅が小さいほど乳化時に流動性が維持できるため印刷適性が優れる。
(評価基準)
A:2.0mm未満
B:2.0mm以上〜4.0mm未満
C:4.0mm以上
印刷適性評価としては上記粘弾性および流動性評価を複合的に判断し、次の4段階で評価した。
(評価基準)
◎:粘弾性・流動性のいずれもA評価(極めて良好)
○:粘弾性・流動性のいずれか、若しくは、ともにB評価(良好)
△:粘弾性・流動性のいずれかがC評価(使用可)
×:粘弾性・流動性がともにC評価(不可)
<光沢値>
プルーフバウ展色機にて、三菱製紙社製パールコートに同一濃度に展色し、光沢計グロスメーターモデルGM−26((株)村上色彩技術研究所製)にて60°光沢を測定した。数値が高い程、光沢が良いことを表す。
(評価基準)
◎:60以上
○:50以上〜60未満
△:40以上〜50未満
×:40未満
Figure 2017160350
表1の結果より、本発明の実施例によれば、エチレン性不飽和単量体(a)と多官能連鎖移動剤(b)を共重合して得られた樹脂を使用した活性エネルギー線硬化型平版印刷インキにおいて、比較的良好なタック、分散性および流動性、乳化適性をもつことが分かった。さらに、実施例3,6〜10と実施例11〜14の比較より、エチレン性不飽和単量体が、芳香環を有するエチレン性不飽和単量体を含む場合、良好な分散性および流動性、光沢値をもつことが分かった。
また、実施例1〜3の比較により、連鎖移動剤中のSH数が多いほど樹脂の分岐度が高くなり、タック、乳化耐性が優れることが分かる。また、実施例3と実施例15〜18の比較により、エチレン性不飽和単量体が、不飽和二重結合を2つ以上有するエチレン性不飽和単量体を含む場合、タック、乳化耐性がさらに良好なインキが得られることが分かった。
なお、比較例において下記のことわかる。
(I)比較例A〜C
単官能の連鎖移動剤を使用した場合、インキのタックと乳化耐性が劣ることが分かる。また、単官能連鎖移動剤の少量使用による高分子量化は、分散性や流動性も悪化することが分かる。
(II)比較例D
単官能の連鎖移動剤を使用し、芳香環を有するエチレン性不飽和単量体を不使用な場合、分散性、流動性、乳化適性、光沢値の何れも劣ることが分かった。

Claims (8)

  1. エチレン性不飽和単量体(a)と多官能連鎖移動剤(b)とを含む組成物の重合体である樹脂(A)、および活性エネルギー線硬化性化合物(B)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ。
  2. 樹脂(A)の重量平均絶対分子量が5,000〜5,000,000であり、重量平均相対分子量に対する重量平均絶対分子量の比が、1.8〜20であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ。
  3. 多官能連鎖移動剤(b)の1分子中の連鎖移動官能基数が2〜8であることを特徴とする請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ。
  4. エチレン性不飽和単量体(a)が、芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(a1)を含むことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ。
  5. エチレン性不飽和単量体(a)が、不飽和二重結合を2つ以上有するエチレン性不飽和単量体(a2)を含むことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ。
  6. さらに顔料(C)を含有する、請求項1〜5いずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ。
  7. さらに光重合開始剤(D)を含有する、請求項1〜6いずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ。
  8. 基材上に、請求項1〜7いずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキから形成された印刷層を有する印刷物。
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