JP2022146333A - 紫外線硬化型インキ組成物、紫外線硬化型オフセットインキ及び紫外線硬化型オフセットインキの製造方法 - Google Patents

紫外線硬化型インキ組成物、紫外線硬化型オフセットインキ及び紫外線硬化型オフセットインキの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】異なる種類の顔料を使用しても、紫外線硬化性、顔料分散性、堅ろう性等のインキ諸特性を維持しつ、流動性の調製が容易かつ簡便に行うことができる紫外線硬化型インキ組成物を提供する。【解決手段】第1の紫外線硬化型組成物と、前記第1の紫外線硬化型組成物とは粘度が異なる第2の紫外線硬化型組成物とを含む紫外線硬化型インキ組成物であって、第1の紫外線硬化型組成物及び第2の紫外線硬化型組成物は、少なくとも1種以上の多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物、25℃における粘度が10dPa・s以下の多官能(メタ)アクリレート化合物、及び固形樹脂成分を含み、前記第1の紫外線硬化型組成物に含まれる固形樹脂成分と前記第2の紫外線硬化型組成物に含まれる固形樹脂成分とが同一であり、かつ前記第1の紫外線硬化型組成物及び前記第2の紫外線硬化型組成物の前記固形樹脂成分の配合割合が同一である、紫外線硬化型インキ組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、オフセット印刷に好適に用いられる紫外線硬化型インキ組成物に関し、銀行券、旅券、各種証明書等のようなセキュリティ印刷物の特色インキとして好適に用いられる紫外線硬化型インキ組成物及びそれを用いたオフセットインキ並びにそのオフセットインキを製造する方法に関する。
銀行券、旅券、各種証明書類等のような偽造防止効果が求められるセキュリティ印刷物は、一般的な商業印刷とは異なり、複雑な印刷画線の組合せや凹版印刷等の盛り上がりのある画線を組み合わせて配置することで、偽造抵抗力を向上させたものが数多く存在する。これらの印刷物は、特色インキを用いた細画線を重ねて配置する構成や、微小文字等を配置することで、カラーコピー機等の複写機では再現することができない偽造抵抗力の高いセキュリティ印刷物とすることができる。
また、オフセット印刷等により形成された細画線上に凹版印刷画線を重ねて配置するコンビネーション印刷を行うことで、より複雑な画線を配置できるとともに、盛り上がりのある凹版画線を配置することで、さらに偽造抵抗力を高めることができる。そのため、上記したコンビネーション印刷は、各国の紙幣等に多く採用されている。
コンビネーション印刷をワンパスで実施する場合には、オフセット印刷画線の形成と凹版印刷画線の形成とが連続して行われるため、オフセット印刷画線が未硬化状態であると、印刷用紙等の基材に転移したオフセット印刷画線が凹版版面にバックトラッピングしてしまい、著しく濃度の低下を招く。そのため、オフセット印刷及び凹版印刷のコンビネーション印刷を実施する場合には、オフセットインキとして紫外線硬化型のインキを採用している。紫外線硬化型のオフセットインキは、紫外線照射により瞬時にインキ塗膜を硬化させることができるため、オフセット印刷画線の形成直後に紫外線を照射すれば、凹版印刷時のバックトラッピングの発生を抑制することができる。
上記したようなオフセット印刷に使用される紫外線硬化型インキとしては、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂とジアリルフタレート樹脂と前述以外の(メタ)アクリルモノマーを含有する活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、コンビネーション印刷用のインキ組成物として、多官能エポキシアクリレート1種以上と、25℃において粘度20Pa・s以下の、フェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールFのいずれかの1つのアルキレンオキサイド付加アクリレート、又は、ジペンタエリスリトールのε-カプロラクトン付加アクリレート、又は、エポキシアクリレートのいずれか1種以上と、光ラジカル重合開始剤1種以上を含む紫外線硬化型インキ組成物が知られている(例えば、特許文献2参照)。
上記したような紫外線硬化型インキ組成物は、一般的な紫外線硬化型インキ組成物と比較して紫外線硬化性が高く、強靭な硬化皮膜を形成することができるため、耐摩擦性等の堅ろう性に優れ、凹版版面への逆転写や表裏印刷時における凹版圧胴シートへの逆転写の発生を抑制できるものである。
特開2018-83864号公報 特開2010-270186号公報
ところで、オフセット印刷に限らず種々の印刷に使用されるプロセスインキには着色材が含まれている。着色材としては、黄、紅、藍、墨等の種々の着色顔料だけでなく、炭酸カルシウム等の体質顔料があり、同じ組成のビヒクル(すなわち、樹脂成分と溶剤成分)であっても、顔料の種類やその配合割合によってプロセスインキの流動特性が異なっている。例えば、特許文献1においても、黄色インキは、他色のインキと比べて流動性が悪く印刷適性に課題があることを教示している(引用文献1の段落[0003])。
また、オフセット印刷用のプロセスインキは、種々の色相のインキを所定配合割合で混合することで所望の色相のインキを調製したり、あるいは1種又は複数種の着色材(顔料)を所定割合でビヒクルに添加することにより特色インキを調製することが行われている。しかしながら、セキュリティ印刷用途に使用するプロセスインキでは、上記のような様々な色相の特色インキを用いることは想定されておらず、例えば、一つの印画物に6色や10色といった特定の色相のインキを使用する。これら各色のインキには、それぞれ異なる着色顔料や体質顔料が含まれることになる。
プロセスインキには、着色材として、黄、紅、藍、墨等の種々の着色顔料や炭酸カルシウム等の体質顔料が使用されるが、同じ組成のビヒクル(すなわち、樹脂成分と溶剤成分)であっても、着色材の種類やその配合割合によってプロセスインキの流動特性が異なることが知られている。例えば、特許文献1においても、黄色インキは、他色のインキと比べて流動性が悪く印刷適性に課題があることを教示している(引用文献1の段落[0003])。このように、実際のセキュリティ印刷用のプロセスインキにおいては、選択される着色材によって変動する流動特性を調整するためには、再現する色相に合わせた配合によりインキ組成の設計を変更するか、あるいは高い硬化性を得るための成分以外の官能基数の少ないアクリレートを希釈剤として配合して流動特性を調整する必要がある。そのため、調製されたインキごとに、紫外線硬化性、堅ろう性及び印刷適性が異なってしまうという課題があった。
上記の課題は、特許文献2に開示されているようなインキ組成物でも同様にあり、選択される着色材に合わせて組成物自体の配合を見直す必要があり、柔軟なインキ設計ができないという課題が残されていた。また、特許文献2では、インキ組成物中の固形樹脂については特に注目されていないが、固形樹脂の配合割合は、顔料の分散性に大きく影響するため、実際のインキにおいて流動特性を調整すると(すなわち、固形樹脂の配合割合が変動すると)、着色顔料の配合割合が同じであっても再現される色相に影響し、色相調整が難しいという課題が残されていた。
本発明は、このような課題を解決することを目的としたものであり、異なる種類の顔料を使用しても、紫外線硬化性、顔料分散性、堅ろう性等のインキ諸特性を維持しつ、流動性の調製が容易、かつ、簡便に行うことができる紫外線硬化型インキ組成物を提供することを目的としている。
本発明者らは、使用する顔料が異なる2種以上のインキを調製する場合、粘度の異なる2種のビヒクルを準備しておき、両ビヒクルに含まれる樹脂成分を同一にし、樹脂成分の配合割合も同一としておくことで、両ビヒクルの配合割合を変えてインキの流動性を調製した場合であっても、紫外線硬化性、顔料分散性、堅ろう性等のインキ諸特性を維持することができる、との知見を得た。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。即ち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 第1の紫外線硬化型組成物と、前記第1の紫外線硬化型組成物とは粘度が異なる第2の紫外線硬化型組成物とを含む紫外線硬化型インキ組成物であって、
第1の紫外線硬化型組成物及び第2の紫外線硬化型組成物は、少なくとも1種以上の多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物、25℃における粘度が10dPa・s以下の多官能(メタ)アクリレート化合物、及び固形樹脂成分を含み、
前記第1の紫外線硬化型組成物に含まれる固形樹脂成分と前記第2の紫外線硬化型組成物に含まれる固形樹脂成分とが同一であり、かつ前記第1の紫外線硬化型組成物及び前記第2の紫外線硬化型組成物の前記固形樹脂成分の配合割合が同一である、紫外線硬化型インキ組成物。
[2] 前記第1の紫外線硬化型組成物と前記第2の紫外線硬化型組成物の配合割合が、質量基準において1:4~4:1である、[1]に記載の紫外線硬化型インキ組成物。
[3] 前記第1の紫外線硬化型組成物及び前記第2の紫外線硬化型組成物に含まれる前記多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物及び前記多官能(メタ)アクリレート化合物の少なくとも一部が同一である、[1]又は[2]に記載の紫外線硬化型インキ組成物。
[4] 前記第1の紫外線硬化型組成物は、23℃における粘度が800~1,500dPa・sであり、
前記第2の紫外線硬化型組成物は、23℃における粘度が16~80dPa・sである、[1]~[3]のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インキ組成物。
[5] 前記第1の紫外線硬化型組成物は、400rpmにおけるタック値が15~20であり、かつ1,200rpmにおけるタック値が23~28であり、
前記第2の紫外線硬化型組成物は、400rpmにおけるタック値が3~5であり、1,200rpmにおけるタック値が3~5である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インキ組成物。
[6] 前記多官能(メタ)アクリレート化合物の官能基数が3以上である、[1]~[5]のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インキ組成物。
[7] [1]~[7]のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インキ組成物を50~90質量%、
着色顔料を5~30質量%、
光重合開始剤を3~10質量%、及び
希釈用(メタ)アクリレート化合物を1~10質量%
を少なくとも含んでなる、紫外線硬化型オフセットインキ。
[8] [1]~[7]のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インキ組成物を用いて色相の異なる2種以上の紫外線硬化型オフセットインキを製造する方法であって、
各紫外線硬化型オフセットインキの粘度が一定となるように、着色顔料の種類に応じて前記第1の紫外線硬化型組成物と前記第2の紫外線硬化型組成物との配合割合を調整することを含む、方法。
本発明の紫外線硬化型インキ組成物は、高粘度及び低粘度タイプの紫外線硬化型インキ組成物に含まれる多官能エポキシ(メタ)アクリレート、希釈(メタ)アクリレート及び固形樹脂として、同一の材料を少なくとも含む構成とするとともに、同じ固形樹脂を同配合量とすることで、オフセットインキに配合される着色顔料の種類及び量に応じて高粘度及び低粘度タイプの紫外線硬化型組成物のブレンド比を設定しても、着色顔料の分散性に影響することなく、特色インキを作製することができる。
また、再現するオフセットインキの色相によっては、吸油量の高い顔料を多く配合することとなるが、その場合であっても、高粘度及び低粘度タイプの紫外線硬化型インキ組成物のブレンド比を設定することで、希釈用(メタ)アクリレートを大量に配合することがないことから、紫外線硬化型インキ組成物が持つ本来の紫外線硬化性及び堅ろう性等の機能を低下させることがないため、紫外線硬化性及び堅ろう性に優れた紫外線硬化型インキを得ることができる。
製造例1~3の紫外線硬化型インキ組成物の各成分の配合割合及びインキ特性を示す図。 比較製造例1~4の紫外線硬化型インキ組成物の各成分の配合割合及びインキ特性を示す図。 製造例及び比較製造例の紫外線硬化型組成物を用いて調製した青色インキの配合割合及び各種諸特性を示す図。 製造例及び比較製造例の紫外線硬化型組成物を用いて調製した赤色インキの配合割合及び各種諸特性を示す図。 製造例及び比較製造例の紫外線硬化型組成物を用いて調製した暗緑色インキの配合割合及び各種諸特性を示す図。 青色、赤色及び暗緑色インキを用いた印刷物の耐摩擦性の評価結果を示す図。
本明細書において数値範囲を示す「A~B」は、「~」の前後に記載された数値A及び数値Bを、下限値及び上限値、又は上限値及び下限値として含む。例えば「1~10」は、1以上10以下の数値範囲を意味する。
また、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの両方を包含し、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を包含する。
<紫外線硬化型インキ組成物>
本発明の紫外線硬化型インキ組成物は、粘度の異なる2種の紫外線硬化型組成物を含むものであり、第1の紫外線硬化型組成物及び第2の紫外線硬化型組成物は、少なくとも1種以上の多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物、25℃における粘度が10dPa・s以下の多官能(メタ)アクリレート化合物、及び固形樹脂成分を含み、第1の紫外線硬化型組成物に含まれる固形樹脂成分と第2の紫外線硬化型組成物に含まれる固形樹脂成分とが同一であり、かつ、第1の紫外線硬化型組成物及び第2の紫外線硬化型組成物の固形樹脂成分の配合割合が同一であることを特徴とするものである。本発明においては、第1及び第2の紫外線硬化型組成物を任意の配合割合によって紫外線硬化型オフセットインキに使用することが可能であり、どのような配合割合であっても、両組成物に含まれる固形樹脂成分が同一で、かつ、配合割合も同一であるため、異なる種類の顔料を使用しても、紫外線硬化性、顔料分散性、堅ろう性等のインキ諸特性を維持しつ、流動性の調製が容易かつ簡便に行うことができる。以下、第1及び第2の紫外線硬化型組成物を構成する成分について説明する。
[多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物]
第1及び第2の紫外線硬化型組成物に共通して含まれる多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物はとしては、(メタ)アクリル酸とエポキシ樹脂とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られるもののうち、アクリレートの官能基数が2以上であるものを特に制限なく使用することができる。例えば、多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物の原料となるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’-ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記した多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物のなかでも、紫外線硬化特性や被膜強度等のインキ特性の観点から、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートを好適に使用することができ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型グリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、変性エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート等を使用することができる。これら多官能エポキシアクリレートは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
[多官能(メタ)アクリレート化合物]
第1及び第2の紫外線硬化型組成物に共通して含まれる多官能(メタ)アクリレート化合物は、官能基数が2以上のアクリロイル基を有するもののうち、25℃における粘度が10dPa・s以下のものを使用する。本発明の紫外線硬化型インキ組成物は、上記した多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物に加え、低粘度の多官能(メタ)アクリレート化合物を含むことで、紫外線硬化性及び印刷適性を両立させることができる。なお、本明細書において、粘度は、JIS K 5600-2-3(塗料一般試験方法)に準拠して、コーン・プレート型粘度計で測定した値を意味する。
二官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールFエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2-n-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
三官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
四官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールの炭素数2~3のアルキレンオキサイド1~11モル付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記した多官能(メタ)アクリレートのなかでも、ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートは、流動性や顔料分散性を改善できるため、好ましい。例えば、トリメチロールプロパン、イソシアヌル酸、フェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールFのいずれか一つのアルキレンオキサイド付加アクリレート、又はジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、又は、ジペンタエリスリトールのε-カプロラクトン付加アクリレート等が挙げられる。これら多官能(メタ)アクリレートは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、アルキレンオキサイドの付加モル数は、アクリレートの臭気、皮膚刺激性、紫外線硬化性等から、2~4モルが好ましい。付加モル数が多いものは、紫外線硬化性が低下し、本発明の用途には適さない。
また、上記した多官能(メタ)アクリレートのなかでも、更なる紫外線硬化性の観点からは、上記した四官能以上の多官能(メタ)アクリレートを好適に使用することができ、そのなかでも、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを好ましく使用することができる。ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートは、一般にペンタアクリレート等との混合物の形態で市販品として入手できる。ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを含む市販品の例として、日本化薬製カヤラッドDPHA-2C、東亞合成製アロニックスM-400、共栄社化学製ライトアクリレートDPE-6A、ダイセルサイテック社製DPHA等が挙げられる。
[固形樹脂成分]
第1及び第2の紫外線硬化型組成物は、同一の固形樹脂成分を含む。固形樹脂成分としては、上記した多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物や多官能(メタ)アクリレートに可溶であれば特に制限なく、公知公用の各種バインダー樹脂を使用することができ、例えば、ジアリルフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、石油樹脂、ケトン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等を使用することができる。
上記した固形樹脂成分のなかでも、顔料親和性と分散性を有し、印刷インキに要求されるレオロジー特性の観点からは、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、石油樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、セルロース誘導体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブタジエン-アクリルニトリル共重合体等を好ましく使用することができ、特に紫外線硬化性やインキの流動性、更には印刷時の転写性等の印刷適性の観点からは、ジアリルフタレート樹脂を好ましく使用することができる。これら固形樹脂成分は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明の紫外線硬化型インキ組成物を構成する第1及び第2の紫外線硬化型組成物は、いずれも上記した多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物、多官能(メタ)アクリレート化合物及び固形樹脂成分を含むものであるが、それぞれの組成物に含まれる固形樹脂成分は同一であり、その配合割合も同一である。
また、それぞれの組成物に含まれる多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物及び多官能(メタ)アクリレート化合物の少なくとも一部が同一であることが好ましい。
紫外線硬化型インキ組成物を構成する第1及び第2の紫外線硬化型組成物は、それぞれ粘度が異なることを特徴としているが、好ましくは、第1の紫外線硬化型組成物は、23℃における粘度が800~1,500dPa・sであり、第2の紫外線硬化型組成物は、23℃における粘度が16~80dPa・sである。第1及び第2の紫外線硬化型組成物がそれぞれ上記したような粘度範囲にあることで、両者を混合して紫外線硬化型インキ組成物を調製する際に、異なる種類の顔料を使用しても、紫外線硬化性、顔料分散性、堅ろう性等のインキ諸特性を維持しつ、流動性の調製を容易かつ簡便に行うことができる。より好ましい第1の紫外線硬化型組成物の23℃における粘度は、900~1,250dPa・sであり、より好ましい第2の紫外線硬化型組成物の23℃における粘度は、20~60dPa・sである。
上記した第1及び第2の紫外線硬化型組成物は、固形樹脂成分が同じ配合割合となるように多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物及び多官能(メタ)アクリレート化合物を配合するとともに、多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物と多官能(メタ)アクリレート化合物との配合割合を変えることにより、粘度を調整することができる。使用する多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物及び多官能(メタ)アクリレート化合物にもよるが、例えば、同じ多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物及び多官能(メタ)アクリレート化合物を使用し、固形樹脂成分としてジアリルフタレート樹脂を使用して第1及び第2の紫外線硬化型組成物を調整する場合は、第1の紫外線硬化型組成物の多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物と多官能(メタ)アクリレート化合物との配合割合を、質量基準において1:4~3:1とすることにより、23℃における粘度が800~1,500dPa・sの範囲に調整することができる。また、第2の紫外線硬化型組成物の多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物と多官能(メタ)アクリレート化合物との配合割合を、質量基準において1:20~1:3とすることにより、23℃における粘度が16~80dPa・sの範囲に調整することができる。
また、高粘度の第1の紫外線硬化型組成物は、400rpmにおけるタック値が15~20であり、かつ1,200rpmにおけるタック値が23~28であることが好ましい。また、低粘度の第2の紫外線硬化型組成物は、400rpmにおけるタック値が3~5であり、1,200rpmにおけるタック値が3~5であることが好ましい。高粘度及び低粘度の2種の紫外線硬化型組成物は、求められる印刷適性及び配合される着色顔料によって配合割合を設定することで、着色顔料の種類及び配合量に影響されることなく、高い紫外線硬化特性、印刷適性及び堅ろう性等の各種特性を維持することができる。なお、本明細書において、タック値とは、インキの粘着性を数値化したものであり、JIS K 5701-1(平版インキ試験方法)に準拠して、ロータリータックメータを用いて測定したものである。
[光重合開始剤]
本発明の紫外線硬化型インキ組成物には、光重合開始剤が含まれる。光重合開始剤は予め第1及び/又は第2の紫外線硬化型組成物に含まれていてもよいし、第1及び第2の紫外線硬化型組成物を混合して紫外線硬化型インキ組成物(オフセットインキ)を調製する際に添加してもよい。重合開始剤としては、公知の光ラジカル重合開始剤を特に制限なく使用することができ、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノンベンジル、ベンジルジメチルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ジメトキシアセトフェノン、ジメトキシフェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ジフェニルジサルファイト、オルトベンゾイル安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、2,4-ジエチルチオキサンソン、2-メチル-1-[4-(メチル)フェニル]-2-モルホリノプロパノン-1、2-ジメチルアミノ-2-(4-モルホリノ)ベンゾイル-1-フェニルプロパン等の2-アミノ-2-ベンゾイル-1-フェニルアルカン化合物、テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ベンジル、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、4,4-ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゼン誘導体、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,5,4’,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾ-ル等のイミダゾール化合物、2,6-ビス(トリクロロメチル)-4-(4-メトキシナフタレン-1-イル)-1,3,5-トリアジン等のハロメチル化トリアジン化合物、2-トリクロロメチル-5-(2-ベンゾフラン2-イル-エテニル)-1,3,4-オキサジアゾール等のハロメチルオキサジアゾール化合物等を単独で、又は2種以上を併用して使用することができる。
重合開始剤の配合量は、紫外線硬化型オフセットインキの調製前に予め紫外線硬化型インキ組成物に配合しておく場合は、重合開始剤を除く紫外線硬化型インキ組成物の総量に対して、質量基準で通常3~15%であり、好ましくは、5~10%である。また、紫外線硬化型インキ組成物から成る紫外線硬化型オフセットインキを調製する際に重合開始剤を配合する場合は、インキの全質量に対して2~15%であり、好ましくは、3~10%である。
また、必要に応じて光増感剤を加えることができる。例えば、N,N-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、トリエチルアミン等が挙げられる。
本発明の紫外線硬化型インキ組成物を使用したオフセットインキに使用される着色顔料は、再現する特色インキの色相に合わせて任意に選択することが可能であり、公知の有機顔料及び無機顔料を選択できる。
有機顔料としては、例えば、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、金属フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン顔料、金属錯体顔料、ジケトピロロピロール顔料、カーボンブラック顔料、その他多環式顔料等が使用可能である。
無機顔料としては、酸化チタン、グラファイト、亜鉛華等の無機着色顔料;炭酸石灰粉、沈降性炭酸カルシウム、石膏、クレー(ChinaClay)、シリカ粉、珪藻土、タルク、カオリン、アルミナホワイト、硫酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、バライト粉、砥の粉等の無機体質顔料が挙げられる。
上記した着色顔料は、紫外線硬化型インキ組成物からなる紫外線硬化型オフセットインキを調製する際に、インキの全質量に対して通常、5~30%であり、好ましくは8~25%である。
[その他の添加剤]
オフセットインキとして使用される紫外線硬化型インキ組成物には、公知の添加剤が含まれていてもよい。例えば、耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性、スリキズ防止性を付与する添加剤としては、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、及びシリコーン化合物等の合成ワックス等を例示することができる。
また、インキの保存安定性の観点から、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p-ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-tert-ブチル-p-ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ-p-ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等の重合禁止剤が含まれていてもよい。
その他、紫外線硬化型インキ組成物には、要求性能に応じて、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤等が含まれていてもよい。
<紫外線硬化型オフセットインキの製造方法>
上記した各種顔料は、吸油量がそれぞれ異なるため、着色顔料の配合量を同じにしても、紫外線硬化型組成物の組成が同じであると、それぞれ異なる粘度のインキとなってしまい、各色相のインキの流動性を一定とするためには、インキに含まれる硬化性成分や固形樹脂成分の配合割合を調整する必要があった。本発明による色相の異なる2種以上の紫外線硬化型オフセットインキを製造する方法は、各紫外線硬化型オフセットインキの粘度が一定となるように、着色顔料の種類に応じて第1の紫外線硬化型組成物と第2の紫外線硬化型組成物との配合割合を調整することを含む。本発明による紫外線硬化型インキ組成物から成る紫外線硬化型オフセットインキによれば、粘度の異なる2種の紫外線硬化型組成物を準備しておき、両紫外線硬化型組成物に含まれる固形樹脂成分を同一にし、樹脂成分の配合割合も同一としておくことで、両紫外線硬化型組成物の配合割合を変えてインキの流動性を調製した場合であっても、紫外線硬化性、顔料分散性、堅ろう性等のインキ諸特性を維持することができる。
紫外線硬化型オフセットインキを製造する際は、粘度調整のため溶剤等の希釈剤を加えてよいが、本発明においては、希釈剤として(メタ)アクリレート化合物を使用することが好ましい。希釈用(メタ)アクリレート化合物としては、上記した多官能(メタ)アクリレートのうち、官能基数が小さく、かつ、粘度の低いものや、単官能の(メタ)アクリレートを使用することができる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートのような脂肪族(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3-メチル-3-オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレートのような脂環式(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、p-クミルフェニル(メタ)アクリレート、o-ビフェニル(メタ)アクリレート、1-ナフチル(メタ)アクリレート、2-ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(o-フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(1-ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(2-ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレートのような芳香族(メタ)アクリレート、2-テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-N-カルバゾールのような複素環式(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
一般的な紫外線硬化性オフセットインキでは、インキの全質量に対して10~20%の希釈用(メタ)アクリレート化合物を用いるが、本発明の紫外線硬化性インキ組成物の場合、インキの全質量に対して、1~10%であり、好ましくは、1~8%とすることができる。
紫外線硬化型オフセットインキは、例えば、常温から100℃の間で、着色顔料、上記インキ組成物(二種の紫外線硬化型組成物)、及びその他の成分を、ニーダー、三本ロールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、ゲートミキサー等の練肉、混合、調整機を用いて製造することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、図中の数値は、特に断りのない限り全て質量基準である。
[製造例1](高粘度及び低粘度の紫外線硬化性組成物の調製)
以下に示す共通の諸材料を用いて、図1に示した配合割合に従い各成分を加熱溶解して混練することにより、高粘度及び低粘度タイプの2種類の紫外線硬化性組成物を調製した。
・多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物:ビスフェノールA型エポキシアクリレート(大阪有機化学社製ビスコート#540)
・多官能(メタ)アクリレート化合物:ビスフェノールFタイプEO変性ジアクリレート(東亞合成社製アロニクスM-208)、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート(東亜合成社製アロニクスM-350)、及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを含む多官能モノマーの混合物(日本化薬社製カヤラッドDPHA-2C)
・固形樹脂成分:ジアリルフタレート樹脂(ダイソー社製DAP-K)
[製造例2](高粘度及び低粘度の紫外線硬化性組成物の調製)
以下に示す共通の諸材料を用いて、図1に示した配合割合に従い各成分を加熱溶解して混練することにより、高粘度及び低粘度タイプの2種類の紫外線硬化性組成物を調製した。
・多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物:ビスフェノールAエポキシアクリレート(ダイセルオルニクス社製エベクリル3700)
・多官能(メタ)アクリレート化合物:トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート(東亞合成社製アロニックスM-350)、及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成社製アロニックスM-400)
・固形樹脂成分:ジアリルフタレート樹脂(ダイソー社製DAP-K)
[製造例3](高粘度及び低粘度の紫外線硬化性組成物の調製)
以下に示す共通の諸材料を用いて、図1に示した配合割合に従い各成分を加熱溶解して混練することにより、高粘度及び低粘度タイプの2種類の紫外線硬化性組成物を調製した。
・多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物:変性エポキシアクリレート(ダイセルオルニクス社製エベクリル3708)
・多官能(メタ)アクリレート化合物:トリメチロールプロパンテトラアクリレート(東亞合成社製アロニックスM-408)、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート(東亞合成社製アロニックスM-350)及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成社製アロニックスM-400)
・固形樹脂成分:ジアリルフタレート樹脂(ダイソー社製DAP-K)
図1に示した製造例1~3の紫外線硬化性組成物の粘度は、JIS K 5600-2-3(塗料一般試験方法)に準拠して、コーン・プレート型粘度計で測定した。また、タック値は、JIS K 5701-1(平版インキ試験方法)に準拠して、ロータリータックメータを用いて測定した。
[比較製造例1]
比較製造例として、ウレタンアクリレート樹脂を用いた紫外線硬化性組成物を調製した。ウレタンアクリレートについては、2官能のウレタンアクリレート(ダイセルオルニクス社製エベクリル8413)を、多官能アクリレートとして、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを含む多官能モノマーの混合物(日本化薬社製カヤラッドDPHA-2C)を、固形樹脂成分として、ジアリルフタレート樹脂(ダイソー社製DAP-K)を使用し、図2の配合割合に従い、各成分を加熱溶解して混練することにより、紫外線硬化型樹脂組成物を調製した。なお、比較製造例1の紫外線硬化型組成物は、調製するインキの色相に応じて流動特性を調整する必要があるため、印刷インキとして使用する場合には、希釈用アクリレートの配合割合を変更して使用する必要がある。
[比較製造例2~4]
比較製造例2~4の紫外線硬化型組成物として、多官能エポキシアクリレートを用いた紫外線硬化性組成物を調製した。多官能エポキシアクリレートについては、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(大阪有機化学社製ビスコート#540)を、多官能アクリレートについては、ビスフェノールFタイプEO変性ジアクリレート(東亞合成社製アロニクスM-208)及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを含む多官能モノマーの混合物(日本化薬社製カヤラッドDPHA-2C)を、固形樹脂成分として、ジアリルフタレート樹脂(ダイソー社製DAP-K)を使用し、図2の配合割合に従い、各成分を加熱溶解して混練することにより、紫外線硬化型樹脂組成物を調製した。なお、比較製造例2~4の紫外線硬化型組成物については、比較製造例1と同様に、調製するインキの色相によって流動特性を調整する必要があるため、同一の材料を用い、かつ、流動特性を3段階に調整したものである。また、比較製造例1~4の紫外線硬化型組成物の粘度及びタック値は、製造例1~3と同様にして測定した。
製造例1~3及び比較製造例1~4のインキの流動特性は、図1及び図2に示すとおりであり、製造例1~3の紫外線硬化型組成物については、オフセットインキを調製する際に選択される着色顔料及びその配合量によって、高粘度及び低粘度ワニスの配合割合を変更することで、比較製造例1及び2の紫外線硬化性組成物で調製したインキとタック値を合わせることが可能であることがわかる。
[青色インキ]
図3は、上記した製造例及び比較製造例の紫外線硬化型組成物を用いて調製した青色インキの配合割合及び各種諸特性を示したものである。図3に示すように、青色インキの場合、インキに含まれる着色顔料が多く、かつ、流動特性が高くなるため、高粘度及び低粘度タイプの紫外線硬化型組成物の配合割合を1:4としている。
図3に示すとおり、製造例1の紫外線硬化型インキ組成物を使用したインキと、比較製造例1及び2の紫外線硬化型組成物を使用したインキとでは、流動特性自体がほぼ同等になるように調整しているが、希釈用アクリレートの配合量に差異があるため、製造例1の紫外線硬化型インキ組成物を使用したインキは、紫外線硬化性に優れていることがわかる。
[赤色インキ]
図4は、上記した製造例及び比較製造例の紫外線硬化型組成物を用いて調製した赤色インキの配合割合及び各種諸特性を示したものである。図4に示すように、赤色インキの場合、インキに含まれる着色顔料が少なく、かつ、流動特性が低くなるため、高粘度及び低粘度タイプの紫外線硬化型組成物のブレンド比を3:2としている。
図4に示すとおり、製造例1の紫外線硬化型インキ組成物を使用したインキと、比較製造例1及び3の紫外線硬化型組成物を使用したインキとでは、流動特性自体がほぼ同等になるように調整しているが、希釈用アクリレートの配合量に差異があるため、製造例1の紫外線硬化型インキ組成物を使用したインキは、青色インキと同様に紫外線硬化性に優れていることがわかる。
[暗緑色インキ]
図5は、上記した製造例及び比較製造例の紫外線硬化型組成物を用いて調製した暗緑色インキの配合割合及び各種諸特性を示したものである。図5に示すように、暗緑色インキの場合、インキに含まれる着色顔料が多いため、高粘度及び低粘度タイプの紫外線硬化型組成物のブレンド比を2:3としている。
図5に示すとおり、製造例1の紫外線硬化型インキ組成物を使用したインキと、比較例製造1及び4の紫外線硬化型組成物を使用したインキとでは、流動特性自体がほぼ同等になるように調整しているが、希釈用アクリレートの配合量に差異があるため、製造例1の紫外線硬化型インキ組成物を使用したインキは、紫外線硬化性に優れていることがわかる。
図6は、上記した青色、赤色及び暗緑色インキを用いた印刷物の耐摩擦性の評価結果を示したものである。耐摩擦性試験については、各色の製造例1及び比較製造例1~4の紫外線硬化性組成物を用いた印刷物に対し、学振型耐摩擦試験機を用いた耐摩擦性試験を実施した。耐摩擦性試験は、荷重500g、摩擦回数往復100回の条件により評価した。評価方法については、目視による5段階評価とし、以下の基準により行った。
1:印刷画線が強く引き伸ばされている
2:やや引き伸ばされている
3:若干ひきのばされている
4:印刷画線を目視で確認しても画線の変化はほとんど確認できないが、かなきん(印刷画線と接触する摩擦部分に使用する布)にはインキが付着している
5:かなきんへのインキの付着がほとんど確認されない
評価結果は図6に示すとおりであった。
図6に示すとおり、製造例1の紫外線硬化型インキ組成物を使用したインキは、全てかなきんへのインキの付着もほとんど確認されず、耐摩擦性に優れていることが分かる。それに対し、比較製造例1~4の紫外線硬化型組成物を使用したインキは、かなきんへのインキの付着や画線が引き伸ばされている状態を確認した。
以上のように、本発明の紫外線硬化型インキ組成物を用いたオフセットインキは、再現する色相によって選択される着色顔料の種類及び配合量に応じてブレンド比を設定することで、希釈用アクリレートの添加量を一定以下とすることが可能であることから、顔料分散性、紫外線硬化性及び堅ろう性に優れたオフセットインキを得ることができる。

Claims (8)

  1. 第1の紫外線硬化型組成物と、前記第1の紫外線硬化型組成物とは粘度が異なる第2の紫外線硬化型組成物とを含む紫外線硬化型インキ組成物であって、
    前記第1の紫外線硬化型組成物及び前記第2の紫外線硬化型組成物は、少なくとも1種以上の多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物、25℃における粘度が10dPa・s以下の多官能(メタ)アクリレート化合物及び固形樹脂成分を含み、
    前記第1の紫外線硬化型組成物に含まれる前記固形樹脂成分と前記第2の紫外線硬化型組成物に含まれる前記固形樹脂成分とが同一であり、かつ、前記第1の紫外線硬化型組成物及び前記第2の紫外線硬化型組成物の前記固形樹脂成分の配合割合が同一である、紫外線硬化型インキ組成物。
  2. 前記第1の紫外線硬化型組成物と前記第2の紫外線硬化型組成物の配合割合が、質量基準において1:4~4:1である、請求項1に記載の紫外線硬化型インキ組成物。
  3. 前記第1の紫外線硬化型組成物及び前記第2の紫外線硬化型組成物に含まれる前記多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物及び前記多官能(メタ)アクリレート化合物の少なくとも一部が同一である、請求項1又は2に記載の紫外線硬化型インキ組成物。
  4. 前記第1の紫外線硬化型組成物は、23℃における粘度が800~1,500dPa・sであり、
    前記第2の紫外線硬化型組成物は、23℃における粘度が16~80dPa・sである、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インキ組成物。
  5. 前記第1の紫外線硬化型組成物は、400rpmにおけるタック値が15~20であり、1,200rpmにおけるタック値が23~28であり、
    前記第2の紫外線硬化型組成物は、400rpmにおけるタック値が3~5であり、1,200rpmにおけるタック値が3~5である、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インキ組成物。
  6. 前記多官能(メタ)アクリレート化合物の官能基数が3以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インキ組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インキ組成物を50~90質量%、
    着色顔料を5~30質量%、
    光重合開始剤を3~10質量%、及び
    希釈用(メタ)アクリレート化合物を1~10質量%
    を少なくとも含んでなる、紫外線硬化型オフセットインキ。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インキ組成物を用いて色相の異なる2種以上の紫外線硬化型オフセットインキを製造する方法であって、
    各紫外線硬化型オフセットインキの粘度が一定となるように、着色顔料の種類に応じて前記第1の紫外線硬化型組成物と前記第2の紫外線硬化型組成物との配合割合を調整することを含む、方法。
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