JP2017159485A - モルタル圧送治具及びモルタル圧送方法 - Google Patents

モルタル圧送治具及びモルタル圧送方法 Download PDF

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雄毅 川野
聡 西側
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Abstract

【課題】コンクリート配管にモルタルの滞留可能な凹部を備える凹部配管を備えることで、満管状態でモルタルを滞留させることができるモルタル圧送治具および圧送方法を提供すること。
【解決手段】
コンクリート圧送に用いる圧送配管2に介設された先送りモルタル4のモルタル圧送治具1であって、モルタル圧送治具1は閉塞部101dを構成する分岐管101bを備えたT字配管101と、モルタル4の滞留可能な凹部を備える凹部配管102と、を少なくとも具備することを特徴とするモルタル圧送治具。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリートポンプ車等の供給装置から配管を介して圧送されるコンクリート打設前に、配管内に圧送される先送りモルタルの圧送治具及び圧送方法に関するものである。
先送りモルタルとは、コンクリートポンプやポンプ車等を用いて、配管にコンクリートを圧送する前に、予め圧送しておくモルタルのことである。
先送りモルタル圧送の目的は、配管内壁の湿潤性を保持すること、潤滑膜を形成しておくこと、圧送時にコンクリートのセメントペースト分が配管内壁面やジョイント部分に付着して失われることに起因する閉塞やコンクリートの品質低下を防止すること、圧送管内の溜まり水やゴミ,ポンプ車洗浄後等に生じ混入した油脂等をモルタルと一緒に除去すること、等が挙げられる。
配管の径や距離にもよるが、前記の通り、先送りモルタルのセメントペースト分が配管の内壁に付着するため、圧送初期に配管より排出されるモルタルは極めて低強度となり品質が低下する。このため、配管内を通過した先送りモルタルは型枠内に打ち込まず、圧送後は適正に廃棄処分する。
一般に、先行水により配管内壁を十分に湿らせ、1:3又は1:2モルタルを圧送する場合が多い。
配管の径や圧送距離にもよるが、ポンプ車を使用する場合、モルタルがトラックアジテータのドラム内に付着し、モルタルが配管内壁面やジョイント部分に到達する前に、ホッパー内面に付着してしまいロスが大きい。また、レディーミクストコンクリートプラントで製造する場合、その使用量は一般に0.5m3又は1.0m3であり、配管が短く先送りに必要な量が少なくても、発注する量を細かく調整することが困難である。
しかし、先送りモルタルは、環境保全対策として建設廃棄物として廃棄されるため、その使用量はできる限り少ない方が望ましい。
そこで、非特許文献1には、図6に示すようなポンプ車付近の配管に取り付けたT字管からモルタルを投入する方法が開示されている。ポンプ車等のコンクリート供給装置に近い配管に介設したT字管から、コンクリートの打設現場で練ったモルタルを投入すれば、その使用量は最小限に抑えることが可能である。
しかしながら、モルタルは流動性が高いため、非特許文献1に記載の方法では、T字管から投入したモルタルは、投入口付近に満管状体で留まらず、配管内部に広がってしまい、配管内壁やジョイントの全周に漏れなくモルタルを付着させるという目的が損なわれる可能性がある。
「報告 ポンプ圧送用特殊先送りモルタルの現場適用実験」コンクリート工学年次論文報告集Vol.21,No.2,1999、p.1411−1416
本発明の目的は、コンクリート配管にモルタルの滞留可能な凹部を備える凹部配管を備えることで、満管状体でモルタルを滞留させることができるモルタル圧送治具および圧送方法を提供することである。
本発明のモルタル圧送治具は、コンクリート圧送に用いる圧送配管に介設された先送りモルタルのモルタル圧送治具であって、前記圧送治具は閉塞部を構成する分岐管を備えたT字配管と、モルタルの滞留可能な凹部を備える凹部配管と、を少なくとも具備することを特徴とするものである。
また、前記凹部配管の内面上端高さが前記T字配管の内面下端高さ以下とする場合、凹部配管に充填されているモルタル量が多くなり、先送りモルタル量を十二分に確保できる。
さらに、本発明のモルタル圧送方法は、請求項1に記載の圧送治具を用いたコンクリートの圧送配管への先送りモルタルのモルタル圧送方法であって、供給装置側の前記圧送配管に前記T字配管の後端を接続し、前記T字配管の先端に前記凹部配管の一端を接続し、前記凹部配管の他端をコンクリート排出側の前記圧送配管に接続し、モルタルを前記分岐管から投入し、前記閉塞部を閉塞した後、前記供給措置からコンクリートを圧送することを特徴とするものである。
本発明のモルタル圧送治具及びモルタル圧送方法によれば、凹部配管でモルタルを満管状体で滞留させることができるため、配管やジョイント全周にモルタルを効率良く付着させることが可能となる。これにより、モルタルの使用量を最小限に抑制でき、建設廃棄物としての排出量を減容できる。
本発明の実施形態に係るモルタル圧送治具の断面図である。 本発明の実施形態に係るモルタル圧送治具の分岐管を閉塞していないT字配管の俯瞰図である。 本発明の実施形態に係るモルタル圧送治具の分岐管を閉塞したT字配管の俯瞰図である。 本発明の実施形態に係るモルタル圧送方法によるコンクリート圧送状況の概念図である。 非特許文献1に記載の方法によるコンクリート圧送状況の概念図である。 非特許文献1に記載の写真―1「特殊T字管」である。
本発明のモルタル圧送治具の構成を図1に示す。
本発明のモルタル圧送治具1は、少なくともT字配管101及び凹部配管102から構成されている。
モルタル圧送治具1は、コンクリート配管2に介設される。できるだけ多くのコンクリート配管2の内壁面にモルタルを付着させるために、モルタル圧送治具1を介設する位置は、不図示のコンクリート供給装置に近い方が好ましい。
図2に示す通り、T字配管101は、T字形状の直管101a及び閉塞部101dを構成する分岐管101bを備えている。
図2は、分岐管101bが開けられた状態を示し、図3は、分岐管101bが閉塞部101dによって閉塞された状態を示す。
本実施形態では、分岐管101bの端部にリング状のカラー101cを溶接にて一体とする。閉塞部101dは、分岐管101bと同径の配管の一方の端部に同じくカラー101cを溶接し、他方の端部を分岐管101bと同径のプレートで閉塞し、周縁を溶接して一体とし、該プレートの上部に取手を溶接で固定する。分岐管101bの上に閉塞部101dを載せ、ジョイント3eで挟持することで、分岐管101bが閉塞される。ジョイント3eには、止水のためのOリングが嵌め込まれている。
分岐管101bは、モルタル4の投入時や管の清掃時等には開けておき、モルタル4の投入後、コンクリート5打設中は、閉塞しておく。
図1のT字配管101は、凹部配管102に対してコンクリートの供給側に配置されているが、後述するT字配管101の分岐管101bからモルタル4を投入した後、モルタル4が凹部配管102内に滞留しさえすれば、コンクリート圧送側に配置されていても良い。
本実施形態では、T字配管101と凹部配管102との間にコンクリート配管2bが介在され、それぞれジョイント3b,3cで連結される。圧送治具1とその前後のコンクリート配管2a及び2cとは、それぞれジョイント3a,3dで連結される。
本実施形態のモルタル圧送治具1は、鋼製であるが、所定の圧力に耐えられれば、材質は限定されない。
また、モルタル圧送治具1は、T字配管101及び凹部配管102を少なくとも具備するが、これらはジョイント3による連結ではなく、溶接による接続であっても、初めから一体であっても良い。
さらに、本実施形態では、コンクリート配管2とモルタル圧送治具1とは、同じ径の配管を用いたが、異径であっても良い。
前述の通り、モルタル4の圧送の目的は、コンクリート配管2の内壁の湿潤性を保持すること、潤滑膜を形成しておくこと等であることである。したがって、モルタル4は、コンクリート配管2の内壁面全周を通過するように圧送されることが良い。
図4(a)に示す通り、分岐管101bから投入されたモルタル4が凹部配管102内部で滞留している際、凹部配管102がモルタル4で満たされ、満管状体であることが望ましい。凹部配管102の内面上端の高さがT字配管101の内面下端高さ以下であるように構成されるように配置すれば、モルタル4投入後、コンクリート5打設前には、少なくとも凹部配管の一部がモルタルで満管の状態であるため、同図(b),(c)に示す通り、コンクリート5の圧送に伴って、モルタル4が満管状体を維持したまま、コンクリート配管2内部を通過することができる。
次に、本発明のモルタル圧送方法について以下に説明する。
図1に示す通り、不図示の供給装置側に連結されたコンクリート配管2aの一方とT字配管101の一方の端部とを、T字配管101の他方の端部とコンクリート配管2bとをそれぞれジョイント3a,3bにて連結する。次にコンクリート配管2bの他端と凹部配管102の端部とを、凹部配管102の他端とコンクリート圧送側のコンクリート配管2cとをそれぞれジョイント3c,3dにて連結する。
その後、図4(a)に示す通り、分岐管101bからモルタル4を所定の量を投入した後、同図(b)に示す通り、分岐管101bを閉塞部101dにて閉塞し、不図示の供給装置からコンクリート5を圧送する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、参考までに、図5(a)に凹部配管102を有さない非特許文献1に記載される形態を示す。本発明の実施形態と比較して、T字配管101から投入したモルタル4を満管状体で滞留させることができないため、同図(b)に示すように、コンクリート5を圧送しても、同図(c)に示す通り、コンクリート配管2の内壁面全周をモルタル4で満たすことが難しい。
一方、本発明の実施形態によれば、凹部配管を用いることで、凹部配管内部にモルタルを満管状体で滞留させることができる。このため、配管やジョイントの内壁面全周にモルタルを効率良く付着させることが可能となり、モルタルの使用量を最小限に抑制でき、建設廃棄物としての排出量を減容できる。
1 モルタル圧送治具
101 T字配管
102 凹部配管
2 コンクリート配管
3 ジョイント
4 モルタル
5 コンクリート
A コンクリート圧送方向

Claims (3)

  1. コンクリート圧送に用いる圧送配管に介設された先送りモルタルのモルタル圧送治具であって、
    前記圧送治具は閉塞部を構成する分岐管を備えたT字配管と、
    モルタルの滞留可能な凹部を備える凹部配管と、
    を少なくとも具備することを特徴とするモルタル圧送治具。
  2. 前記凹部配管の内面上端高さが前記T字配管の内面下端高さ以下であることを特徴とする請求項1に記載のモルタル圧送治具。
  3. 請求項1に記載の圧送治具を用いたコンクリートの圧送配管への先送りモルタルのモルタル圧送方法であって、
    供給装置側の前記圧送配管に前記T字配管の後端を接続し、
    前記T字配管の先端に前記凹部配管の一端を接続し、
    前記凹部配管の他端をコンクリート排出側の前記圧送配管に接続し、
    モルタルを前記分岐管から投入し、
    前記閉塞部を閉塞した後、
    前記供給措置からコンクリートを圧送することを特徴とするモルタル圧送方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109955387A (zh) * 2017-12-14 2019-07-02 南京机器人研究院有限公司 一种混凝土搅拌站用出料装置

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