本発明の実施の形態にかかる頭皮ケア装置は、駆動軸を駆動させる駆動源を有する本体部と、前記本体部に相対移動可能に取り付けられる施術子と、を備えている。
また、前記施術子は、施術突起と、前記駆動軸に連結される連結部と、前記施術突起が配置される配置面を有し、前記連結部の前記駆動軸とは反対側に配置される配置部と、を備えている。
そして、前記配置部は、駆動軸方向から視た際に、前記連結部の配置部側端部を覆う配置部本体と、前記配置部側端部よりも外側に突出する延設部と、を有している。
こうすれば、駆動軸に連結される連結部を大きくすることなく、施術突起が配置される配置面の面積を増大させることができる。その結果、本体部が大型化してしまうのを抑制しつつ、施術突起の配置本数を増やすことができるようになる。
また、前記駆動軸方向から視た際に、前記延設部が前記本体部の中心とは反対側の方向に突出している。
こうすれば、本体部に施術子を複数配置して駆動させた際に、延設部が他の施術子と干渉してしまうのを抑制することができる。
また、前記配置面は、前記施術突起の先端を上方に向けた状態で、前記本体部の中心側が下方となるように傾斜している。
こうすれば、配置面上に配置される施術突起による頭皮への接触圧をより均一にすることができ、頭皮ケア効果にムラが生じてしまうのを抑制することができる。
また、前記配置面が前記駆動軸方向の弾性を有するようにしている。
こうすれば、施術突起による頭皮への接触圧が高くなってしまうのが抑制され、頭皮に過度の負荷がかかるのを抑制することができる。
また、前記本体部は、前記駆動源を有する装置本体部と、前記装置本体部に着脱自在に取り付けられるヘッド部本体と、を備えている。そして、前記施術子が前記ヘッド部本体に取り付けられている。
こうすれば、施術突起の洗浄や交換等をより容易に行うことができるようになる。
また、前記配置部が前記連結部に着脱自在に取り付けられている。
こうすれば、施術突起の洗浄や交換等をより容易に行うことができるようになる。
また、前記配置部と前記施術突起とが一体に形成されている。
こうすれば、施術突起の連結部への取り付けが容易になる。
また、前記配置部と前記施術突起とが別部品で形成されている。
こうすれば、施術突起の洗浄や交換等をより容易に行うことができるようになる。
また、本発明の実施の形態にかかる施術突起構造体は、配置部と施術突起とを備えており、前記頭皮ケア装置で用いられるものである。
このような施術突起構造体を用いれば、施術突起の洗浄や交換等をより容易に行うことができるようになる。
また、施術突起構造体は、芯材と前記芯材を覆うカバーとを備えている。
こうすれば、より容易に、施術突起による頭皮への接触圧を適切な値となるように設定することができる。
また、本発明の実施の形態にかかるカバーは、前記施術突起構造体で用いられるものである。
このようなカバーを用いることで、より容易に、施術突起による頭皮への接触圧を適切な値となるように設定することができる。
また、本発明の実施の形態にかかる芯材は、前記施術突起構造体で用いられるものである。
このような芯材を用いることで、より容易に、施術突起による頭皮への接触圧を適切な値となるように設定することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態)
本実施の形態にかかる頭皮ケア装置10は、図1に示すように、装置本体部11と、この装置本体部11の一端側(下端側)に着脱可能に取り付けられる施術ヘッド部12と、を有している。
施術ヘッド部12は、ヘッド部本体60と、ヘッド部本体60に相対移動可能に取り付けられる施術子70と、を備えている。
ヘッド部本体60は、装置本体部11とともに、頭皮ケア装置10の本体部100の一部を構成するものである。
すなわち、本実施の形態では、頭皮ケア装置10の本体部100は、装置本体部11とヘッド部本体60とを有している。
装置本体部11は、図1〜図4に示すように、底部側が開放された中空の本体ハウジング13を備えている。すなわち、本体ハウジング13における施術ヘッド部12が取り付けられる一端側(下端側)には、図7に示すように、略四角形状の開口部13aが形成されている。
そして、施術ヘッド部12は、開口部13aに一部挿入された状態で、本体ハウジング13に係止により取り付けられている。
また、本体ハウジング13の開口部13a側(施術ヘッド部12側)とは反対側である他端側(上端側)には、アーチ部14が形成されている。本実施の形態では、このアーチ部14も頭皮ケア装置10の本体部100の一部を構成している。
アーチ部14は、図2(a)および図2(b)に示すように、装置本体部11の両側面11aの各上端部から、装置本体部11の上面11bの部分とともに横長楕円状の環状部を形成するように、アーチ状に架設されている。
具体的には、アーチ部14は、装置本体部11の上面11bに形成された凸弧状の把持面15に手のひらを載せて頭皮ケア装置10を把持する際に、親指を除く複数本(一例として3本または4本)の指を揃えて挿入可能な横長の指挿入孔16を形成しうるアーチ形状を有している。
そして、指挿入孔16に複数本の指を挿入して手のひらを把持面15に載せることで頭皮ケア装置10を把持した際に、指挿入孔16に挿入した指の背面または手の甲の部分がアーチ部14により支持されるようにしている。
こうすることで、例えば、浴室で頭皮ケア装置10を用いて頭皮マッサージしているときに、頭皮ケア装置10についたシャンプー等で手が滑ったとしても、アーチ部14によって支持させることができるため、頭皮ケア装置10を落としてしまうのを抑制できるようになる。
また、頭皮ケア装置10を把持している状態では、指の背面または手の甲がアーチ部14の内周面に当たった反力によって把持面15側に押されるようにしている。こうすることで、頭皮ケア装置10の把持部(把持面15を含む上端部)をしっかり把持できるようにしている。
そして、指挿入孔16に挿入した複数本の指の腹部および手のひらを把持面15に載せた状態で、それら複数本の指の第1関節または第2関節より先の部分を装置本体部11の正面11cに掛けるとともに、親指を一方(例えば図2(c)に示された側)の側面11aに添えるようにすることで、頭皮ケア装置10が手で把持されるようにしている。
なお、本実施の形態では、図1および図2(c)に示すように、装置本体部11の一方の側面11aに縦長矩形状の操作パネル部20が設けられている。そして、この操作パネル部20には、頭皮ケア装置10を動作させる際に操作されるスイッチ操作部材22と、頭皮ケア装置10の動作モード等を点灯により使用者に報知する複数のLED表示灯23と、が設けられている。
したがって、例えば、複数の動作モードが設定されている場合には、スイッチ操作部材22を操作することで複数の動作モードのうち1つを選択し、その選択した動作モードで頭皮ケア装置10を動作させるようにすることができる。
このとき、操作パネル部20に設けられた複数のLED表示灯23のうち選択された動作モードに対応する一つを点灯させるようにすることができる。こうすれば、使用者は、どの動作モードが選択されているかをLED表示灯23の点灯により認識することができるようになる。もちろん、頭皮ケア装置10に用意される動作モードは1つでも構わない。
なお、本実施の形態では、操作パネル部20は、頭皮ケア装置10を、通常の使用状態で把持した際に親指を添える側となる側面11aに設けられており、把持した状態のまま親指でスイッチ操作部材22の操作を行えるようになっている。
また、装置本体部11の背面11dには、図1および図2(b)に示すように、頭皮ケア装置10を外部電源に電気的に接続するためのプラグ端子39aが設けられている。このプラグ端子39aは、装置本体部11の背面11dに形成された挿通穴17内で、外部に露出した状態で背面側に向けて突出するように形成されている。
そして、このプラグ端子39aに、図示せぬ外部電源に接続されるケーブルCのコネクタを接続させることで、装置本体部11に内蔵された蓄電池33(図7参照)が充電されるようになっている。
一方、図1および図8に示すように、装置本体部11の下端部に取り付けられた施術ヘッド部12のヘッド部本体60は、本体ハウジング13の下端開口を閉塞するように取り付けられるカバー部61と、カバー部61に取り付けられるヘッドベース部62と、を備えている。
そして、カバー部61の下面部には、施術子70がヘッドベース部62(本体部100)に対して相対移動できるように設けられている。
本実施の形態では、施術子70は、カバー部61の下面部における4箇所(複数箇所)に設けられる4つ(複数)の施術子70A〜70Dを有している。なお、本実施の形態では、各施術子70A〜70Dを同一の形状としたものを例示している。
具体的には、各施術子70A〜70D(施術子70)は、後述する最終出力軸(駆動軸)56に連結される連結部80と、連結部80の下方(駆動軸とは反対側)に配置される配置部91と、配置部91の配置面91aに配置される施術突起95と、を備えている。
また、連結部80は、略円柱状の施術子基台81と、施術子基台81が取り付けられる有底筒状の施術子ベース部82と、を備えている。
また、本実施の形態では、4つ(複数)の施術子70A〜70Dは、カバー部61の下面部にそれぞれ異なる位相で偏心回転するように設けられている。このように、複数の施術子70A〜70Dを、それぞれ異なる位相で中心軸の周りで偏心回転させることで、各施術子70A〜70Dが、頭皮を挟みつつ動作方向Xの下流側へ運ぶように駆動されるようにしている。
このような施術子70を有する頭皮ケア装置10においては、例えば、頭皮ケア装置10を使用者が自身の側頭部に当てたときに、この動作方向Xがリフトアップ方向(頭頂に向かう方向)となるように把持することが、好ましい使用例となる。
したがって、本実施の形態では、頭皮ケア装置10を把持する際に、手のひらを把持面15に対向させた状態で、手の親指以外の3指または4指を、アーチ部14と把持面15との間の指挿入孔16に指挿入方向ID(図1等の矢印参照)に沿って挿入することが想定されている。
この想定された把持方法で頭皮ケア装置10を把持すると、把持している手の3指または4指の指の長手方向が動作方向Xと平行になる。さらに、把持している手の3指または4指の指先方向が、頭皮ケア装置10の動作方向Xに一致する。
したがって、頭皮ケア装置10を把持している指の指先を上向きにして、使用者が、自身の右側頭部および左側頭部に複数の施術子70A〜70Dを当てて頭皮マッサージする場合には、施術子70A〜70Dの動作方向Xがリフトアップ方向となる。
一方、使用者が後頭部をリフトアップ方向へマッサージしたい場合等に、頭越し(または肩越し)に手を後頭部へ回したマッサージ姿勢をとると、頭皮ケア装置10を把持する手の指先方向(つまり動作方向X)が下向きとなる。このような場合には、動作方向Xがリフトアップ方向となるように、指挿入方向IDの反対側から3指または4指を挿入して頭皮ケア装置10を把持するのが好ましい。
このように、いずれの場合であっても、動作方向Xをリフトアップ方向となるように頭皮マッサージを行うためには、動作方向Xがどの方向であるかを認識する必要があるが、本実施の形態では、アーチ部14の延設方向を動作方向Xと直交させることで、アーチ部14の延設方向から当該延設方向と直交する方向が動作方向Xであると容易に認識することができるようにしている。
さらに、頭皮ケア装置10の動作方向Xをその向きまで認識させるためには、使用者に図1に示す矢印方向が指挿入方向IDであることを認識させる必要がある。本実施の形態では、図1に矢印で示す方向が指挿入方向IDであることを使用者に認識させるために、アーチ部14の延設方向の工夫に加え、アーチ部14の内周面および把持面15に形状の工夫がなされている。
ここで、本体ハウジング13の外周面を構成する各面を、以下のように定義する。
まず、アーチ部14が延設されている延設基端部側の面(アーチ設置面)をそれぞれ側面13b,13bと定義する。そして、施術ヘッド部12の動作方向Xの下流側に位置する面を正面13cと、装置本体部11の正面13cと対向する面であって施術ヘッド部12の動作方向Xの上流側に位置する面を背面13dと定義する。
以下、上記の形状の工夫について説明する。
装置本体部11の上面、すなわち、使用者が把持する際に指の腹部および手のひらを載せる把持面15(本体上面)は、図2(c)および図2(d)に示す側面視において、凸弧形状をなす面となるように形成されている。
すなわち、装置本体部11の上面11b(把持面15)における正面13c側の正面上端部13e、および、上面11bにおける背面13d側の背面上端部13fが、上面11bにおける動作方向X(指挿入方向ID)の中央部分である上面中央部15aよりも低位置に配置されるようにしている。
このように、本実施の形態では、把持面15は、当該把持面15に手のひら等を載せて把持するときに、手のひらで把持し易い凸弧形状面となるように形成されており、使用者が頭皮ケア装置10を把持し易くなっている。
また、凸弧状に形成されたハウジング外面の一例である把持面15は、指挿入方向IDにおいて上面中央部15aに対し指挿入方向ID側(指挿入方向IDの入口側)に位置する部分の面の曲率よりも、指挿入方向IDの反対側(出口側)に位置する部分の面の曲率が大きくなるように形成されている。
こうすることで、指挿入方向IDと反対側の不適切な方向から指を挿入した場合に、把持面15に載せた手のひらに把持面15の曲率の違いによる違和感を与えることができるようにしている。
その結果、使用者は把持面15に載せた手のひらの違和感から挿入方向が不適切であることを認識して、適切な指挿入方向IDから指を挿入し直すことができるようになるため、使用者に適切な把持方法で頭皮ケア装置10を把持させることが可能になる。
さらに、アーチ部14と対向する本体外郭面の一例である把持面15には、図2(c)、図2(d)および図3に示すように、施術子70A〜70Dの動作方向X側から視た状態で、凸曲面状に膨出する凸部15cが形成されている。この凸部15cは、把持面15における指挿入方向IDの入口側に位置する部分の面の中央部に形成されている。
そして、凸部15cは、使用者が把持面15の凸弧形状の面に沿うように手のひらを載せて頭皮ケア装置10を指で握った際に、把持面15に載せた手のひらの中央部にできる窪みと対応する位置に、手のひらの窪みの凹形状と対応する凸形状となるように形成されている。
こうすることで、使用者が頭皮ケア装置10を適切な状態で把持した際に、把持面15が自然と手のひらによって包み込まれた状態となるようにすることができる。したがって、使用者の指の挿入方向が不適切である場合には、装置本体部11の上部を把持した際の手のひらの違和感から不適切な挿入方向であることを認識することができる。
かかる構成とすることで、使用者は、より容易に施術子70A〜70Dの動作方向Xを認識することができ、適切な把持方法で頭皮ケア装置10を把持することが可能になる。
また、図2(a)、図2(b)および図3に示すように、把持面15(本体上面)は、正面13cおよび背面13dから視た際に、幅方向の中央部15bが凹む凹弧形状となるように形成されている。
こうすることで、アーチ部14と把持面15との間に形成される指挿入孔16の幅方向中央部分が相対的に上下方向に広くなるようにしている。
ここで、中央部15bは、把持面15の幅方向中央部で凹弧形状となる面形状を形成しつつ、凹弧形状の面部が把持面15の上面中央部15aから前方と後方の両方に延びている。そして、中央部15bにおいて、上面中央部15aから正面上端部13eへ延びる把持面15の中心線上(凹弧形状の中央部15bの幅中心線)は凸形状になっている。
こうすることで、使用者が頭皮ケア装置10を適切な状態で把持した際に、把持面15が自然と指によって包み込まれた状態とすることができ、より容易に施術子70A〜70Dの動作方向Xを認識することができるようになる。
また、図2(a)および図2(b)に示すように、動作方向Xと直交する幅方向において、アーチ部14の根元部となる側端部13gが把持面15の上面中央部15aよりも高位置に配置されるようにしている。こうすることで、把持面15を手のひら形状にマッチさせた面形状となるようにしている。
次に、操作パネル部20および頭皮ケア装置10の内部構造について説明する。
操作パネル部20は、本体ハウジング13の側面13bに形成された略四角形状の凹部13hに装着される略四角形状のカバー部材21を有しており、このカバー部材21には、図1および図5に示すように、スイッチ操作部材22が貫通方向に移動可能に取り付けられている。
このスイッチ操作部材22は、図5に示すように、装置内側の先端部に一体形成された押圧用凸部22aが、本体ハウジング13内に収容されたスイッチ側基板24上のスイッチ部24a(例えばタクトスイッチ(登録商標))を押圧可能な位置に配置されている。
また、図5および図7に示すように、スイッチ操作部材22の押圧用凸部22aとスイッチ部24aとの間には、略円盤状のシールゴム部材27が介在している。このため、スイッチ操作部材22が使用者により押圧操作されると、押圧用凸部22aに押されたシールゴム部材27が弾性変形してスイッチ部24aが操作されることとなる。
このとき、シールゴム部材27によりスイッチ操作部材22の組付け用の隙間が閉塞されるようにして、本体ハウジング13の内部に水等が浸入してしまうのを抑制できるようにしている。
また、カバー部材21に設けられた複数のLED表示灯23は、図7に示すスイッチ側基板24上に実装された複数のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)25と、これらLED25から出力される光を導光させることができるようにカバー部材21に設けられたLEDカバー26と、によって構成されている。
また、図5〜図7に示すように、本体ハウジング13内には、略平板状のモータ基台30が、基台面を頭皮ケア装置10の軸線方向(上下方向)と直交させた状態で収容されている。モータ基台30の下面側には、ギヤ基台40がモータ基台30と所定の間隔を開けた状態で略平行に配置されている。
このギヤ基台40は、モータ基台30を本体ハウジング13との間で挟持した状態で複数のねじ31を下側から螺入することで固定される。
モータ基台30上には、図5〜図7に示すように、駆動源の一例としてのモータ32が配設されている。このモータ32は、図5に示すように、モータ基台30に突設された複数のモータ支持部30aに支持された状態で、モータ基台30の上面幅方向略中央部に配置されている。
また、図5に示すように、モータ基台30上には、モータ32に電力を供給するための蓄電池33が配設されている。蓄電池33は、略円柱形状をしており、上面の一部が略半円筒状の電池保持部材34に覆われた状態でモータ基台30に保持されている。
蓄電池33は、当該蓄電池33の正負各電極部が、モータ基台30に固定された陽極金具35aおよび陰極金具35bにそれぞれ当接することで、本体側基板36上の制御回路(図示略)と電気的に接続されている。
ここで、本実施の形態では、本体側基板36が、モータ基台30とギヤ基台40との間の隙間を利用して両基台30,40と略平行な状態で配置されるようにしている。こうすることで、本体側基板36を比較的大面積にしたとしても、頭皮ケア装置10を高さ方向にさほど高くすることなく、本体側基板36を本体ハウジング13内に収容できるようになる。
また、本実施の形態では、モータ基台30の下面から下方へ突出する複数の柱状の突出部30bと、ギヤ基台40の上面から上方へ突出するやや偏平な柱状の複数の凸部40aとがそれぞれ対向する位置に形成されている。
そして、各突出部30bと各凸部40aとを当接させることで、モータ基台30とギヤ基台40との間に本体側基板36を収容するために必要な間隔を確保している。この間隔は、本体側基板36に実装された部品が、モータ基台30とギヤ基台40のそれぞれに当たらないだけの値に設定されている。
ここで、モータ32は、一方のターミナルにリード線(図示略)を介してモータ基台30に設けられるモータ用金具35cに電気的に接続されており、他方のターミナルがリード線(図示略)を介して本体側基板36上の制御回路と電気的に接続されている。
さらに、本実施の形態では、レバー金具35dを有しており、このレバー金具35dは、ばね部材37aによって付勢されているレバー部材37bにより上側に押圧されることで、本体側基板36上の制御回路に電気的に接続されるようになっている。また、モータ用金具35cは、このレバー金具35dと電気的且つ機械的に接続されるようになっている。
そして、蓄電池33の電力が、各金具、リード線および制御回路を介してモータ32に供給されるようになっている。
なお、本体側基板36は、図5に示すように、スイッチ側基板24のリード線接続部に設けられる複数のリード線38を通じて電気的に接続されており、スイッチ側基板24との間で各種の電気信号が双方向に伝送されるようになっている。
このリード線38を介して各基板24,36上の制御回路に伝送される信号としては、例えば、スイッチ部24aのオン状態およびオフ状態の信号、モータ32の駆動力(回転数)を決定するための信号等がある。また、リード線38は、スイッチ側基板24上のLED25等を駆動させる電力の伝送にも用いられている。
ここで、モータ基台30に設けられる蓄電池33は、外部電源(例えば商用電源)と電気的に接続されることで充電できるようになっている。
具体的には、本体ハウジング13の背面13d側の挿通穴17内で外部に露出するプラグ端子39aがプラグ基台39bに突設されており、プラグ端子39aを突設したプラグ基台39bが本体ハウジング13内でモータ基台30の側縁部に取付部を介して支持されている。
このプラグ基台39bは、本体側基板36の制御回路に電気的に接続されており、プラグ端子39aに、外部電源に接続させたケーブルCのコネクタを接続させることで、本体側基板36の制御回路および各金具35a,35bを介して蓄電池33が充電されるようにしている。
また、モータ32の駆動力は、図5および図7に示すように、減速機構41を介して出力側である施術ヘッド部12の4つの施術子70A〜70Dまで伝達されるようになっている。
具体的には、モータ32の駆動力が、減速機構41を介して減速されてトルクが高められつつ、動力伝達経路の途中で複数の経路に分配され、分配された各動力が施術ヘッド部12の各施術子70A〜70Dにそれぞれ位相の異なる回転として伝達されるようにしている。
ここで、図5〜図7を用いて、減速機構41の構成を簡単に説明する。図5および図6に示すように、モータ32は、モータ基台30の上面に基台面(モータ配置面)と軸線が平行になる姿勢で配置されている。そして、モータ32の出力軸32aの先端部に固定されたピニオンギヤ32bの近傍位置には、ピニオンギヤ32bと回転軸線が直交する向きに配置された筒状の伝達ギヤ42が設けられている。
この伝達ギヤ42は、上端面と外周面にそれぞれギヤ部を有しており、ピニオンギヤ32bは、伝達ギヤ42の上端面に形成された環状のギヤ部と噛合している。ピニオンギヤ32bおよび伝達ギヤ42は、両者の回転の軸線方向を直交する向きに変換して回転を伝達する直交変換機構を構成している。
そして、伝達ギヤ42の回転は、外周面のギヤ部と噛合する他のギヤを含む減速機構41の中間ギヤ群43を介して、減速機構41の最終段を構成する4つの最終ギヤ46A〜46Dに伝達されるようになっている。なお、本実施の形態では、中間ギヤ群43は、モータ基台30とねじ31にて固定されるギヤ基台40に圧入固定される軸44A〜44Dと、軸44A〜44Dに対して回転可能に取り付けられる伝達ギヤ45A〜45Dと、を備えている。
また、各最終ギヤ46A〜46Dの中心軸位置には、図7に示すように、それぞれ連結軸47が圧入もしくはインサート成形にて一体回転可能に配置されている。
さらに、各連結軸47には、図7に示すように、軸方向(上下方向)に所定間隔隔てて各連結軸47を回転可能に支持する2つのベアリング48がそれぞれ設けられている。
そして、各連結軸47の先端側が、防水基台50の底部50aおよび底部50aの下面側に取り付けられる押さえ板51のそれぞれに設けられる複数(本実施の形態では4つ)の挿通孔50b,51aに挿通されている。このとき、各連結軸47の周囲における、防水基台50の挿通孔50bよりも下方側、かつ、押さえ板51よりも上方側には、Oリング52が取り付けられている。こうすることで、防水基台50の挿通孔50bから本体ハウジング13内部に水等が浸入してしまうのを抑制できるようにしている。
防水基台50は、本体ハウジング13の略四角形状の開口部13aよりも若干小さく形成されており、外周縁部にシール部材53を取り付けた状態で、本体ハウジング13に取り付けられている。このように、本実施の形態では、シール部材53を介して防水基台50と本体ハウジング13とを取り付けるようにし、防水基台50の外周縁部と本体ハウジング13の内周面との間でシール部材53を弾性変形させることで、防水基台50の外周縁部と本体ハウジング13の内周面との間の間隙が閉塞されるようにしている。こうすることで、防水基台50の外周縁部と本体ハウジング13の内周面との間の間隙から水が浸入してしまうのを抑制できるようにしている。
また、防水基台50の底部50aの下面側には、金属製板状部材からなる押さえ板51が2つ配置されている。この押さえ板51および防水基台50は、本体ハウジング13に複数(本実施の形態では4つ)のねじ54にてねじ固定されている。このとき、ねじ54の周囲に、押さえ板51と防水基台50との間で弾性変形するOリング54aが配置されるようにしている。このように、押さえ板51と防水基台50との間で弾性変形するOリング54aを介在させることで、押さえ板51および防水基台50をねじ54にてねじ固定した際に、本体ハウジング13の防水基台50よりも内側に水等が浸入してしまうのを抑制できるようにしている。
また、連結軸47は、軸方向一端側(上下方向下端側)の先端部47aがDカット形状となるように形成されており、この先端部47aのそれぞれに回転基台55が取り付けられるようにしている。
回転基台55は、略円盤状をしたベース部55aと、ベース部55aの径方向中心から径方向外側にずれた位置に下方に凸となるように形成された第1連結部55bと、ベース部55aの径方向略中心に設けられる第2連結部55cと、を備えている。
そして、回転基台55の第1連結部55bに連結軸47の先端部47aが挿入されるようにしている。一方、回転基台55の第2連結部55cには、最終出力軸(駆動軸)56が圧入固定されるようにしている。
こうすることで、最終出力軸56が、各最終ギヤ46A〜46Dの軸中心からずれた位置で連結軸47を中心として周回動作するようにしている。
一方、上記のように構成された装置本体部11に着脱可能に取り付けられる施術ヘッド部12は、頭皮ケア装置10を軸方向(駆動軸方向:上下方向)から視た際に、複数の角部Kを有する多角形状(略四角形状)に形成されている。
この施術ヘッド部12は、ヘッド部本体60と、モータ32の駆動力を受けて駆動される施術子70A〜70Dと、を備えており、施術子70A〜70Dが、施術ヘッド部12の各角部Kに対応する位置にそれぞれ配置されている。
また、ヘッド部本体60は、本体ハウジング13の開口部13aを閉塞するように取り付けられるカバー部61と、カバー部61に取り付けられるとともに、複数の略円柱状の施術子基台81のそれぞれを挿通可能な複数の開口62aを有するヘッドベース部62と、を備えている。
カバー部61は、例えば、エラストマ等の可撓性を有する部材で構成することができ、本体ハウジング13の略四角形状の開口部13aと、上下方向(駆動軸方向)と直交する方向の面積(投影面積)が略同等となる大きさに設定されている。すなわち、カバー部61は、本体ハウジング13の開口部13aと略同形状・同サイズとなる大きさに設定されている。
このカバー部61には、可撓性を有する部材で構成されるカバー部61よりも硬質材料で構成されるヘッドベース部62が取り付けられている。
ヘッドベース部62は、カバー部61の外周縁部61aの内周面に取り付けられるとともに、この外周縁部61aの形状と対応する形状をした外枠部63と、外枠部63の各辺の略中央から中心側にむけて延出して中心部で連結される桟部64と、を有している。
本実施の形態では、外枠部63には、防水基台50側(上方側)に延出するとともに先端部が外側に延出する係合部63aが形成されている。そして、この係合部63aによって防水基台50とヘッドベース部62とをスナップフィット係合させることで、防水基台50とヘッドベース部62とが上下方向に係合されるようにしている。
また、外枠部63には、各辺の略中央部において外側(側方)に延出する延出部63bが設けられている。そして、この延出部63bを、カバー部61の外周縁部61aの各辺の略中央において側方に貫通するように設けられた貫通孔61bに嵌合させることで、ヘッドベース部62にカバー部61が取り付けられるようにしている。このように、カバー部61よりも硬質材料で形成されたヘッドベース部62にカバー部61を取り付け、装置本体部11には硬質なヘッドベース部62を取り付けるようにすることで、施術ヘッド部12を装置本体部11に容易に取り付けることができるようにしている。
各桟部64は、外枠部63側から延出して中央部に設けられる中央連結部65にて連結されており、各桟部64の下面側には、強度向上のためのリブ64aがそれぞれ設けられている。さらに、各桟部64には、各リブ64aの中央上面側において上方に延出する円柱状の突起部64bがそれぞれ形成されている。これらの突起部64bは、ヘッドベース部62(中央連結部65)の中心から略同一距離で周方向に略90度ずれた位置に形成されている。こうすることで、施術ヘッド部12を装置本体部11に取り付けた状態において、4つの突起部64bのうちのいずれか1つの突起部64bが、上下方向(駆動軸方向)に所定量移動可能なレバー部材37bの下端と当接するようにしている。
また、中央連結部65の下面側には、略円筒状の係合部65aが形成されており、この係合部65aにカバー部61の略中央部に形成された突起部61cを係合させることで、カバー部61とヘッドベース部62とが上下方向において係合されるようにしている。こうすることで、カバー部61とヘッドベース部62との駆動軸方向(上下方向)への抜け止めがなされるようにしている。
また、ヘッドベース部62の中央連結部65の上面側には、施術子70A〜70Dが上下方向へ移動してしまうのを規制する支持装置66が設けられている。
支持装置66は、中央連結部65に取り付けられる係合部67と、この係合部67によって駆動軸方向(上下方向)への移動が規制されるとともに施術子70A〜70D側に連結される略平板状の連結部材68と、を有している。
係合部67の下面側には、ヘッドベース部62の中央連結部65に接続される係合凸部67aが複数設けられている。
また、係合部67における上下方向と直交する方向に面する4つの側面には、連結部材68を挿通させる挿通孔69が形成されている。この挿通孔69は、駆動軸方向(上下方向)に並ぶように4つ並設されている。そして、4つの挿通孔69は、係合部67の各側面のそれぞれに開口するように形成されている。
係合部67の4つの挿通孔69には、各側面において1つずつ計4つの略平板状の連結部材68の基端部がそれぞれ挿通されている。すなわち、各連結部材68は、上下方向(軸方向)において異なる位置となるように各挿通孔69に挿通されている。こうすることで、各連結部材68を、基端部が上下方向視(軸方向視)において重なるように配置させることができるため、上下方向と直行する方向(軸直交方向)に大型化してしまうのを極力抑えることができる。
そして、連結部材68の先端部側には、2股湾曲形状(本実施の形態では略U字状)をした湾曲係合部68aが設けられている。
この湾曲係合部68aの湾曲形状をした内周面は、図12および図13に示すように、略円柱状の施術子基台81の基端側の外周面に形成される溝部81dに嵌入されている。このように、湾曲係合部68aの内周面を溝部81dに嵌合させることで、溝部81dと湾曲係合部68aとが軸方向(上下方向)で係合するようにしている。こうすることで、施術子基台81の軸方向(上下方向)への移動が規制されることとなる。なお、各施術子基台81には、溝部81dが軸方向(上下方向)に並ぶように4つ並設されている。そして、連結部材68の内周面は、軸方向(上下方向)に並ぶ4つの溝部81dが軸方向(上下方向)に並ぶ4つの挿通孔69のそれぞれと対向するように、いずれか1つの溝部81dに嵌合されている。すなわち、基端部が挿通孔69の一番下側に挿入されている湾曲係合部68aにおいては、内周面を一番下側に形成された溝部81dに嵌合させ、基端部が挿通孔69の一番上側に挿入されている湾曲係合部68aにおいては、内周面を一番上側に形成された溝部81dに嵌合させるようにしている。
こうすることで、各施術子基台81が、軸方向(上下方向)の高さをそろえた状態で支持装置66に支持されるようにしている。
そして、各施術子基台81には、4つの回転基台55の各回転中心位置に固定された4本の最終出力軸56が嵌入されるようになっている。
本実施の形態では、図6および図13に示すように、各施術子基台81には、最終出力軸56を嵌入させるための嵌入凹部81aが上方に開口するように設けられている。さらに、この嵌入凹部81aの上側(開口側:最終出力軸56の挿入方向上流側)には、開口に向かうにつれて拡径されるテーパ部81bが形成されている。このように、嵌入凹部81aに開口側に広がるテーパ部81bを設けることで、回転基台55に設けられる最終出力軸56の嵌入凹部81aへの挿入(嵌入)が容易となって、施術ヘッド部12の装置本体部11への取付容易性を確保することができる。
そして、各施術子基台81の嵌入凹部81aに4本の最終出力軸56をそれぞれ嵌入させた状態で、連結軸47を中心として回転基台55を回転させると、各施術子基台81は、回転基台55の中心から径方向にずれた位置に固定された最終出力軸56とともに周回運動をすることとなる。本実施の形態では、各施術子基台81が、最終出力軸56の周回運動に伴って円を描くように平行移動するようにしている。
また、各施術子基台81の出力側(上下方向において下方側)には有底筒状の施術子ベース部82が取り付けられている。
この施術子ベース部82も、例えば、カバー部61と同様にエラストマ等の可撓性を有する部材で構成することができる。なお、本実施の形態では、施術子ベース部82とカバー部61とが一体に成形されている。
そして、図6に示すように、施術子70A〜70Dを構成する施術子ベース部82の周囲には、カバー部61の追従変形部61dが設けられている。この追従変形部61dは、施術子70A〜70Dの施術突起95側に開口する凹状をなしており、上下方向(軸方向)と直交する方向に弾性変形できるように構成されている。こうすることで、施術子基台81によって施術子ベース部82が上下方向(駆動軸方向)と直交する方向に移動した際に、追従変形部61dが施術子ベース部82の動作に追従して変形するようにしている。なお、この追従変形部61dは、蛇腹状としてもよい。
また、施術子ベース部82には、施術子基台81の先端側に形成される複数の凹部81cに嵌合する嵌合凸部82a(図14参照)が設けられている。
本実施の形態では、施術子基台81を金型に配置した状態で、凹部81cにカバー部61および施術子ベース部82を構成する樹脂部材を充填させることで、施術子基台81の凹部81cと対応する形状となるように嵌合凸部82aを成形したものを例示している。すなわち、二色成形によって、施術子基台81、施術子ベース部82およびカバー部61を、凹部81c内に充填される樹脂材料で結合された一体部品としたものを例示している。
このように、本実施の形態では、施術子基台81と施術子ベース部82とが一体に形成された連結部80を最終出力軸(駆動軸)56に連結させるようにしている。
そして、この連結部80の下方(駆動軸とは反対側)には、施術突起95が配置される配置面91aを有する配置部91が着脱自在に取り付けられている。
この配置部91の配置面91aからは、複数の施術突起95が下方へ向けて延出しており、各施術突起95の先端には、小径の突起95aがそれぞれ3つ形成されている。
そして、本実施の形態では、配置部91と施術突起95とを一体化させることで施術突起構造体90を形成し、この施術突起構造体90を連結部80に着脱自在に取り付けられるようにしている。具体的には、施術突起構造体90に上方に向けて延在するように形成された嵌合突起94を施術子ベース部82の嵌合凹部82bに圧入固定させることで、施術突起構造体90が連結部80に取り付けられるようにしている。
こうすることで、施術突起構造体90を連結部80により容易に取り付けられるようにしている。
さらに、本実施の形態では、剛性の異なる別材料を二色成形することで施術突起構造体90を形成している。
具体的には、施術突起構造体90は、図16,図17、図19および図20に示すように、樹脂材料等を用いて形成された剛性を有する(比較的剛性の高い)芯材71と、エラストマ材等を用いて弾性を有するように形成され、芯材71を覆うカバー72と、で構成されている。このように、本実施の形態では、カバー72のほうが芯材71よりも剛性が低くなるようにしている。
芯材71は、施術突起構造体90を形成した際に配置部91の一部となる配置部側芯材71aと、施術突起構造体90を形成した際に施術突起95の一部となる施術突起側芯材71bと、を備えており、この施術突起側芯材71bと配置部側芯材71aとが一体に形成されている。
カバー72は、施術突起構造体90を形成した際に配置部91の一部となる配置部側カバー72aと、施術突起構造体90を形成した際に施術突起95の一部となる施術突起側カバー72bと、を備えており、この施術突起側カバー72bと配置部側カバー72aとが一体に形成されている。
そして、芯材71の表面を覆うようにカバー72を二色成形することで、芯材71とカバー72とを一体化させた施術突起構造体90が形成されている。したがって、本実施の形態では、配置部92と施術突起95とが一体に形成されている。
なお、芯材71の配置部側芯材71aには、上述した嵌合突起94が形成されており、この嵌合突起94にはカバー72が形成されないようにしている。
このように、剛性の異なる別材料を用い、二色成形により施術突起構造体90を形成することで、配置部91の剛性を、頭皮曲面形状への追従性に基づき最適化しつつ、施術突起95の剛性を施術感の心地よさに基づき最適化する等の設定を行うことが可能となる。すなわち、それぞれの剛性を別の観点から最適化することが可能となる。
なお、本実施の形態では、施術突起95にも芯材71(施術突起側芯材71b)が形成されるようにしたものを例示しているが、配置部91のみに芯材71が形成されるようにし、施術突起95の全体がカバー72のみで形成されるようにしてもよい。
また、カバー72を芯材71から取り外せる構成とし、カバー72を取り外して洗浄したり交換したりすることができるようにしてもよい。この場合、芯材71を連結部80に取り外せない状態で固定し、カバー72のみが着脱自在に取り付けられる構成とすることも可能である。
なお、施術子70の全体が、本体部100やヘッドベース部62に取り外せない状態で固定されるようにすることも可能である。
ここで、本実施の形態では、配置面91aに配置される施術突起95の本数を増加させて、頭皮の施術効果をより高められるようにしている。
ただし、配置面91aの面積を変えずに施術突起95の本数を増やすと、突起の配置密度が高くなってしまい、使用時に毛髪等が絡まってしまうおそれがあるため、配置密度が高まってしまうのを抑制しつつ施術突起95の本数を増やせるようにするのが好ましい。
また、連結部80自体を大きくすれば、配置密度が高まってしまうのを抑制しつつ施術突起95の本数を増やすことが可能であるが、このような構成とした場合には、装置が大型化してしまう。
そこで、本実施の形態では、施術子70の施術突起95を除いた部分のうち配置部91のみを、連結部80の下端部(配置部側端部)80aから、駆動軸と交差する向きに延出させることで、配置面91aの面積を大きくして施術突起95の本数を増やせるようにした。こうすることで、装置の大型化を抑制するとともに、施術突起間の距離が狭くなってしまうのを抑制しながら、施術突起95の本数を増やすことができるようにしている。
このように、本実施の形態では、配置部91が、上下方向(駆動軸方向)から視た際に、連結部80の下端部(配置部側端部)80aを覆う配置部本体92と、下端部(配置部側端部)80aよりも外側に突出する延設部93と、を有するようにした。
なお、配置部本体92は、連結部80の下端面80bの外周径と同径となるように形成されており、上下方向(駆動軸方向)から視た際に、下端面80bの全面が配置部本体92によって覆われるようにしている。
一方、延設部93は、配置部本体92の外周縁部から径外方向に突出するように形成されている。
そして、配置面91aが、配置部本体92の配置部本体側表面92aと、延設部93の延設部側表面93aとで形成されるようにしている。
こうすることで、上下方向(駆動軸方向)から視た状態における配置面91aの面積を大きくすることができ、連結部80の下端面80b状に施術突起95を配置させる場合に較べて施術突起95の本数を増加させることができる。本実施の形態では、配置面91a上に同一形状の施術突起95を8本配置させている。
さらに、本実施の形態では、延設部93は、上下方向(駆動軸方向)から視た際に、本体部100の中心CPとは反対側の方向に突出するようにしている。
具体的には、上下方向(駆動軸方向)から視た際に、配置部本体92の中心(最終出力軸56:後述する施術子ベース部82の中心P1〜P4)を通り、配置部本体92の中心と本体部100の中心CPとを結ぶ直線に直交する直線よりも外側の領域(本体部100の対角線方向外側の半円部分)のみに延設部93が形成されるようにしている。
このように、本実施の形態では、配置部91は、最終出力軸(駆動軸)56から外側端部91cまでの距離R2が、内側端部91bまでの距離R1よりも大きくなっている。
すなわち、配置部91は、最終出力軸(駆動軸)56から端部までの最長距離が、本体中心CP側よりも本体外周側のほうが大きくなるように構成されている。
さらに、本実施の形態では、延設部93の外周縁が円弧を描くように形成されている。
また、本実施の形態では、配置部91を、本体部100の中心CP側よりも外側のほうが本体部100から離間するように傾斜させている。
このとき、施術突起95の先端を上方に向けた状態で、配置面91aが本体部100の中心CP側が下方となるように傾斜することとなる。
さらに、本実施の形態では、図19および図20に示すように、配置部本体側表面92aよりも延設部側表面93aのほうがきつい傾斜となる(連結部80に取り付けた状態における下端面80bとのなす角が大きくなる)ようにしている。
こうすることで、各施術突起95の長さを変えることなく、各施術突起95の先端を傾斜させることができる上、各施術突起95の先端が形成する仮想面を頭皮曲面の形状に近づけることができるようになる。
ところで、配置面91aを拡大して施術突起95の本数を増やすと、施術突起95の先端と頭皮曲面との接点が増えるため、幾何学的に過剰な拘束となって施術突起95の先端位置が頭皮曲面にフィットしにくくなるおそれがある。
そこで、本実施の形態では、配置面91aの傾斜が実頭部よりもやや大きい傾斜となるようにするとともに、配置面91aが上下方向(駆動軸方向)の弾性を有するようにしている。
このように、実頭部よりもやや大きい傾斜のついた配置面91aに上下方向(駆動軸方向)の弾性を持たせることで、頭部形状に対する施術突起95の先端位置の追従性を高めることができる。その結果、施術突起95の先端位置を頭皮曲面にフィットさせやすくすることができる。
また、本実施の形態では、施術突起95の先端を上方に向けた状態で、延設部93の外周端がヘッド部本体60よりも上方に位置するようにしている。
かかる構成とすることで、各施術子70A〜70Dを回転動作させた際に、延設部93同士が干渉してしまうのを抑制することができるようになる。さらに、延設部93がヘッド部本体60と干渉してしまうのを抑制することができるようになる。その結果、配置面91aの面積を大きく拡大させることが可能となる。
また、延設部93がヘッド部本体60と干渉してしまうのを抑制できるようにすれば、各施術子70A〜70Dを回転動作させた際に、延設部93をヘッド部本体60の外側にはみ出せるようになって、装置(本体部100)の大型化を図ることなく施術範囲を拡大させることができる(図21(a)参照)。
なお、本実施の形態では、配置部91と施術突起95とを一体化させた施術突起構造体90を用いたものを例示したが、配置部91と施術突起95とを別部品で形成することも可能である。
このとき、施術突起95が配置部91に着脱自在に取り付けられるようにしてもよいし、施術突起95を配置部91に取り外せない状態で固定させるようにしてもよい。また、配置部91が連結部80に着脱自在に取り付けられるようにすることも可能であるし、配置部91を連結部80に取り外せない状態で固定させることも可能である。
なお、施術突起95を配置部91に着脱自在に取り付ける構成とした場合、複数種類の施術突起を用意し、使用者の好み等に応じて適宜付け替えるようにすることも可能である。
また、配置部91と施術突起95とを同一の材料を用いて一体成形することも可能である。このとき、配置部91および施術突起95を、カバー部61と同様に例えばエラストマ等の可撓性を有する部材で構成し、配置面91aが駆動軸方向の弾性を有するようにするのが好ましい。
この一体成形品(施術突起構造体)も、連結部80に着脱自在に取り付けられるようにすることが可能であるし、連結部80に取り外せない状態で固定させることも可能である。
次に、上記のように構成された頭皮ケア装置10の作用を説明する。
頭皮ケア装置10に設けられたアーチ部14は、その延設方向が頭皮ケア装置10の動作方向Xと直交する方向となっており、使用者は、アーチ部14の延設方向から動作方向Xを認識できるようになっている。
そして、例えば、側頭部を頭皮ケアするときなどの通常使用の場合、3指または4指を指挿入孔16に指挿入方向IDから挿入して装置本体部11の上面部を把持する。この通常使用時の把持方法によれば、親指が操作パネル部20側に位置するため、把持した側の手の親指を使ってスイッチ操作部材22を操作することが可能になる。
そして、スイッチ操作部材22を押圧操作すると、電源がオフ状態からオン状態に切替えられて、モータ32が駆動して施術子70A〜70Dが回転する。
そして、回転している施術子70A〜70Dの施術突起95(小径の突起95a)を頭皮に接触させると、施術突起95の動きに合わせて使用者の頭皮が動かされ、頭皮がケア(マッサージ)される。このとき、各施術子70A〜70Dは、各ギヤ42,46A〜46D等の動作、ならびに回転基台55の配置関係から、頭皮を一方向に動かすように動作する。
次に、頭皮ケア装置10に備えられる各施術子70A〜70Dの回転動作について、主に図21を用いて説明する。なお、図21では、紙面直交方向が上下方向に該当し、図21における左右方向を頭皮ケア装置10の左右方向、図21における上下方向を前後方向として説明する。
4つの施術子70A〜70Dは、平面視で略正方形をなすように並ぶ連結軸47に、回転基台55、最終出力軸(駆動軸)56および施術子基台81を介してそれぞれ連結されており、下面視(底面視)で略正方形の4つの頂点をなす位置に配置されている。
そのうち、前後方向に隣り合う施術子70A,70Bは、それらの施術子ベース部82の中心P1,P2が各連結軸47を中心として互いに180度の位相のずれをもって反時計回りに回転する。
一方、前後方向に隣り合う施術子70C,70Dは、それらの施術子ベース部82の中心P3,P4が各連結軸47を中心として互いに180度の位相のずれをもって時計回りに回転する。
なお、各施術子70A〜70Dを最終出力軸(駆動軸)56にそれぞれ連結した状態では、施術子ベース部82の中心P1〜P4は、各施術子70A〜70Dが連結される最終出力軸(駆動軸)56に略一致している。
また、左右方向に隣り合う施術子70A,70C(施術子70B,70D)においては、それらの施術子ベース部82の中心P1,P3(P2,P4)が垂直二等分線Lに対して互いに線対称となるように回転する。
このような構成とすることで、施術子ベース部82の中心P1〜P4が図21(b)のa1〜d1で示す位置にある状態から90°回転するごとにa2〜d2,a3〜d3,a4〜d4、a1〜d1に位置するように、各施術子70A〜70Dが回転することとなる。
すなわち、施術子70A、70Cにおける施術子ベース部82の中心P1,P3と、施術子70B,70Dにおける施術子ベース部82の中心P2,P4とが、前後方向に最も離れた状態(各施術子70A〜70Dに連結された最終出力軸56が図21(b)のa1,b1,c1,d1で示す位置にある状態)から、各施術子70A〜70Dがそれぞれ90度回転すると、施術子70A,70Cが左右方向において最も接近した状態(各施術子70A,70Cに連結された最終出力軸56が図21(b)のa2,c2で示す位置にある状態)となる。
これにより各施術子70A,70Cは施術突起95間で挟み揉みを行うように動作する。このとき、各施術子70A,70C間で挟まれた頭皮は、その回転方向に移動される。
そこからさらに、各施術子70A〜70Dが90度回転すると、同方向に回転する施術子70A,70Bにおける施術子ベース部82の中心P1,P2は、同じタイミングで互いに最も接近する(各施術子70A,70Bに連結された最終出力軸56が図21のa3,b3で示す位置にある状態)。
そして、施術子70A,70Bの間を局所的に視ると、各施術子70A,70Bは、互いに接近した状態で互いにすれ違うように周回動作する。これにより、同じタイミングで接近する各施術子70A,70Bで頭皮を挟むとともに、そこから互いにすれ違う動作によって頭皮にひねりの動きを与えることが可能となる。
このように挟みの動作およびひねり揉みの動作を行う各施術子70A,70Bを頭皮に接触させると、各施術子70A,70Bの動きに合わせて使用者の頭皮が効果的に動かされて、頭皮がケア(マッサージ)される。また、施術子70C,70Dにおいても、施術子70A,70Bと同様の挟みとひねりの動きがなされる。
このように、図21に示す例では、各施術子70A〜70D(中心P1〜P4)の回転角度に応じて、頭皮に対して異なる種類の動きを与えることが可能であるため、頭皮ケア効果の向上に寄与できる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる頭皮ケア装置10は、最終出力軸(駆動軸)56を駆動させるモータ(駆動源)32を有する本体部100と、本体部100に相対移動可能に取り付けられる施術子70と、を備えている。
また、施術子70は、施術突起95と、最終出力軸(駆動軸)56に連結される連結部80と、施術突起95が配置される配置面91aを有し、連結部80の下側(駆動軸とは反対側)に配置される配置部91と、を備えている。
そして、配置部91は、上下方向(駆動軸方向)から視た際に、連結部80の下端部(配置部側端部)80aを覆う配置部本体92と、下端部(配置部側端部)80aよりも外側に突出する延設部93と、を有している。
こうすれば、最終出力軸(駆動軸)56に連結される連結部80を大きくすることなく、施術突起95が配置される配置面91aの面積を増大させることができる。その結果、本体部100が大型化してしまうのを抑制しつつ、施術突起95の配置本数を増やすことができるようになる。
また、上下方向(駆動軸方向)から視た際に、延設部93が本体部100の中心CPとは反対側の方向に突出している。
こうすれば、本体部100に施術子70を複数配置して駆動させた際に、延設部93が他の施術子(他の施術子の延設部)と干渉してしまうのを抑制することができる。
また、配置面91aは、施術突起95の先端を上方に向けた状態で、本体部100の中心CP側が下方となるように傾斜している。
こうすれば、配置面91a上に配置される施術突起95による頭皮への接触圧をより均一にすることができ、頭皮ケア効果にムラが生じてしまうのを抑制することができる。
また、配置面91aが駆動軸方向の弾性を有するようにしている。
こうすれば、施術突起95による頭皮への接触圧が高くなってしまうのが抑制され、頭皮に過度の負荷がかかるのを抑制することができる。
また、本体部100は、モータ(駆動源)32を有する装置本体部11と、装置本体部11に着脱自在に取り付けられるヘッド部本体60と、を備えている。そして、施術子70がヘッド部本体60に取り付けられている。
こうすれば、施術突起95の洗浄や交換等をより容易に行うことができるようになる。
また、配置部91を連結部80に着脱自在に取り付けられるようにすれば、施術突起95の洗浄や交換等をより容易に行うことができるようになる。
また、配置部91と施術突起95とを一体に形成すれば、施術突起95を連結部80に容易に取り付けることができる。
また、配置部91と施術突起95とを別部品で形成すれば、施術突起95の洗浄や交換等をより容易に行うことができるようになる。
また、本発明の実施の形態にかかる施術突起構造体90は、配置部91と施術突起95とを備えており、頭皮ケア装置10で用いられるものである。
このような施術突起構造体90を用いれば、施術突起95の洗浄や交換等をより容易に行うことができるようになる。
また、施術突起構造体90は、芯材71と芯材71を覆うカバー72とを備えている。
こうすれば、より容易に、施術突起95による頭皮への接触圧を適切な値となるように設定することができる。
また、本発明の実施の形態にかかるカバー72は、施術突起構造体90で用いられるものである。
このようなカバー72を用いることで、より容易に、施術突起95による頭皮への接触圧を適切な値となるように設定することができる。
また、本発明の実施の形態にかかる芯材71は、施術突起構造体90で用いられるものである。
このような芯材71を用いることで、より容易に、施術突起95による頭皮への接触圧を適切な値となるように設定することができる。
また、本実施の形態では、施術ヘッド部12が、上下方向(駆動軸方向)から視た際に、複数の角部Kを有する多角形状をしており、施術子70A〜70Dが、角部Kに対応する位置にそれぞれ設けられるようにしている。
このように、施術ヘッド部12を平面視(軸方向視)で複数の角部Kを有する形状とすることで、施術ヘッド部12の平面視における面積を小さくすることができる。
また、角部Kに対応する位置に、最終出力軸(駆動軸)56から外側端部91cまでの距離R2が、内側端部91bまでの距離R1よりも大きくなるように配置部91を延出させた施術子70A〜70Dを配置することで、施術子70A〜70Dのモータ32による動作領域を極力大きくすることができる。これにより、施術子70A〜70Dによる刺激の付与可能な領域を広げることができるようになる。
また、施術子70A〜70Dが2つの組に分かれて一体的な動作をする(連動する)本構成において、施術ヘッド部12が軸方向視において比較的単純な略四角形状をなすように構成される意義は大きい。
また、本実施の形態では、最終出力軸56と連結軸47とが、ずれた位置に配置されるようにしている。かかる構成とすることで、最終出力軸56と連結軸47とを同軸上に配置した場合と較べて動作領域を広げることができ、より広範囲に刺激を付与することができるようになる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、施術ヘッド部12を軸方向視において角部Kを4つ有する略四角形状となる多角形状に構成したが、その他の三角形状や五角以上となる形状等の多角形状に適宜変更してもよい。
なお、上記実施の形態のように、施術子70A〜70Dの内で、施術子70A,70Cで頭皮を挟むような連動動作をするとともに各施術子70A,70Cと180度位相がずれる施術子70B,70Dで頭皮を挟むような連動動作をする場合にはN角形状(但しNは偶数)となるような構成が望ましい。
ただし、上記実施の形態では各施術子70A,70Cと施術子70B,70Dとが180度位相のずれた周回動作であるため、施術ヘッド部12の軸方向視の形状を四角形状としたが、四角形状以外の場合には各施術子70A,70Cと施術子70B,70Dとの周回動作のずれ(位相180度)は適宜変更してもよい。
また、上記実施の形態では、連結軸47と最終出力軸56とが軸直交方向(面方向)にずれた位置で連結軸47を中心として最終出力軸56がその周囲を偏心する構成としたが、連結軸47と最終出力軸56が同軸上で回転する構成を採用してもよい。
この場合、施術子70A〜70Dは各施術子70A〜70Dの施術突起95の配置中心を中心軸として回転動作するため、施術子70A〜70Dとカバー部61とは別体であることが望ましい。
また、上記実施の形態では、施術子70A〜70Dが連結軸47(最終出力軸56)と直交する方向(面方向)に動作する構成としたが、これに加えて施術子70A〜70Dを軸方向に動作させる構成を採用してもよい。このような構成とすることで使用者の頭皮を叩くような刺激を付与することができる。
また、本体部や施術突起、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。