JP2017158302A - スイッチング電源装置及びスイッチング電源制御方法 - Google Patents

スイッチング電源装置及びスイッチング電源制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】定電圧制御と定電流制御とを切り替えるときに、検出電流や検出電圧が目標値を超える度合を抑制できるスイッチング電源装置及びスイッチング電源制御方法を提供する。
【解決手段】スイッチング電源装置1は、制御値選択部12gにより選択されなかった非対象制御値の定電流上限値Imax又は定電圧上限値Vmaxよりも小さい上限抑制制限値Thを対象制御値に所定制御値を加算して求め、非対象制御値の定電流上限値Imax又は定電圧上限値Vmaxに上限抑制制限値Thを設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、スイッチング電源装置及びスイッチング電源制御方法に関する。
従来、スイッチング電源装置は、例えばDC/DCコンバータであり、電圧を一定に制御する定電圧制御と電流を一定に制御する定電流制御とを電圧や電流に応じて切り替えるものがある(例えば、特許文献1)。スイッチング電源装置は、例えば、定電圧制御を行っているときに検出電流が目標電流を超えると、定電流制御に切り替えて過電流が流れることを防止する。
特開2007−135375号公報
ところで、スイッチング電源装置は、定電圧制御から定電流制御へ切り替えるときに検出電流が目標電流よりも想定以上に大きくなったり、定電流制御から定電圧制御へ切り替えるときに検出電圧が目標電圧よりも想定以上に大きくなったりする問題があった。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、定電圧制御と定電流制御とを切り替えるときに、検出電流や検出電圧が目標値を超える度合を抑制できるスイッチング電源装置及びスイッチング電源制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るスイッチング電源装置は、直流電圧を交流電圧に変換するスイッチング回路と、前記スイッチング回路を制御して定電圧制御と定電流制御とを切り替える制御部と、を備え、前記制御部は、前記定電圧制御を行うための制御値であり、値が大きくなると電圧が上昇する定電圧制御値を算出する定電圧制御値算出部と、前記定電流制御を行うための制御値であり、値が大きくなると電流が上昇する定電流制御値を算出する定電流制御値算出部と、前記定電圧制御値が当該定電圧制御値の上限である定電圧上限値を超える場合、前記定電圧制御値として前記定電圧上限値を出力し、前記定電圧制御値が前記定電圧上限値を超えない場合、前記定電圧制御値を出力する定電圧出力制限部と、前記定電流制御値が当該定電流制御値の上限である定電流上限値を超える場合、前記定電流制御値として前記定電流上限値を出力し、前記定電流制御値が前記定電流上限値を超えない場合、前記定電流制御値を出力する定電流出力制限部と、前記定電圧出力制限部から出力される前記定電圧制御値、及び、前記定電流出力制限部から出力される前記定電流制御値のうち、値が小さい方を前記定電圧制御又は前記定電流制御を行う対象制御値として選択する制御値選択部と、前記制御値選択部により選択されなかった非対象制御値の前記定電流上限値又は前記定電圧上限値よりも小さい上限抑制制限値を、前記対象制御値に所定制御値を加算して求め、前記非対象制御値の前記定電流上限値又は前記定電圧上限値に前記上限抑制制限値を設定する上限制御値設定部と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係るスイッチング電源制御方法は、定電圧制御を行うための制御値であり、値が大きくなると電圧が上昇する定電圧制御値を算出する定電圧制御値算出ステップと、定電流制御を行うための制御値であり、値が大きくなると電流が上昇する定電流制御値を算出する定電流制御値算出ステップと、前記定電圧制御値が当該定電圧制御値の上限である定電圧上限値を超える場合、前記定電圧制御値として前記定電圧上限値を出力し、前記定電圧制御値が前記定電圧上限値を超えない場合、前記定電圧制御値を出力する定電圧出力制限ステップと、前記定電流制御値が当該定電流制御値の上限である定電流上限値を超える場合、前記定電流制御値として前記定電流上限値を出力し、前記定電流制御値が前記定電流上限値を超えない場合、前記定電流制御値を出力する定電流出力制限ステップと、前記定電圧出力制限ステップで出力される前記定電圧制御値、及び、前記定電流出力制限ステップで出力される前記定電流制御値のうち、値が小さい方を前記定電圧制御又は前記定電流制御を行う対象制御値として選択する制御値選択ステップと、前記制御値選択ステップで選択されなかった非対象制御値の前記定電流上限値又は前記定電圧上限値よりも小さい上限抑制制限値を、前記対象制御値に所定制御値を加算して求め、前記非対象制御値の前記定電流上限値又は前記定電圧上限値に前記上限抑制制限値を設定する上限制御値設定ステップと、を有することを特徴とする。
本発明に係るスイッチング電源装置及びスイッチング電源制御方法は、選択されなかった非対象制御値の定電流上限値又は定電圧上限値よりも小さい上限抑制制限値を対象制御値に所定制御値を加算して求め、非対象制御値の定電流上限値又は定電圧上限値に上限抑制制限値を設定するので、定電圧制御と定電流制御とを切り替えるときに切り替えるタイミングを早くすることができ、検出電流や検出電圧が目標値を超える度合を抑制できる。
図1は、実施形態に係るスイッチング電源装置の構成例を示すブロック図である。 図2は、実施形態に係るスイッチング電源装置の制御部の構成例を示すブロック図である。 図3は、実施形態に係る上限抑制制限値の算出方法を示すフローチャートである。 図4は、実施形態に係るスイッチング電源装置における定電圧制御から定電流制御へ切り替えるときの検出電流の比較例を示す図である。 図5は、実施形態に係るスイッチング電源装置における定電圧制御から定電流制御へ切り替えるときの検出電流を示す図である。 図6は、変形例に係るスイッチング電源装置の構成例を示すブロック図である。 図7は、変形例に係るスイッチング電源装置の構成例を示すブロック図である。 図8は、変形例に係るスイッチング電源装置の構成例を示すブロック図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態〕
実施形態に係るスイッチング電源装置及びスイッチング電源制御方法について説明する。スイッチング電源装置1は、例えば、車両などに適用される降圧型のDC/DCコンバータである。スイッチング電源装置1は、DC/DC変換時に、電圧を一定に制御する定電圧制御又は電流を一定に制御する定電流制御を行う。スイッチング電源装置1は、図1に示すように、高圧バッテリ2と、負荷3と、入力平滑コンデンサ4と、入力電圧検出部5と、電流検出部6と、スイッチング回路7と、整流回路8と、平滑回路9と、出力電圧検出部10と、パルス生成部11と、制御部12と、ドライブ回路13とを備える。
高圧バッテリ2は、相対的に電圧の高いバッテリであり、例えば100V〜500Vの電圧を蓄電するバッテリである。負荷3は、相対的に電圧の低い低圧バッテリであり、例えば12V程度の電圧を蓄電するバッテリである。
入力平滑コンデンサ4は、高圧バッテリ2に接続される入力端子2aから入力された直流の電圧を平滑化するものである。
入力電圧検出部5は、高圧バッテリ2側に設けられ、高圧バッテリ2側の電圧を検出するものである。入力電圧検出部5は、検出した検出電圧を制御部12に出力する。
電流検出部6は、後述するスイッチング回路7のスイッチング素子Q3、Q4と1次コイルL1との間に設けられ、1次コイルL1に流れる電流を検出するものである。電流検出部6は、検出した検出電流Ioutを制御部12に出力する。
スイッチング回路7は、直流電圧を交流電圧に変換するものである。スイッチング回路7は、4つのスイッチング素子Q1〜Q4と、1次コイルL1と、2次コイルL2とを備える。スイッチング素子Q1〜Q4は、例えば、電界効果型トランジスタ(MOS−FET)であり、フルブリッジ回路として構成される。スイッチング素子Q1、Q3は、上アームに相当し、スイッチング素子Q2、Q4は、下アームに相当する。スイッチング素子Q1〜Q4は、後述するドライブ回路13から制御端子(例えばゲート端子等)に出力されるPWM信号(パルス幅変調信号)に基づいてオン(ON)/オフ(OFF)が設定される。スイッチング回路7は、スイッチング素子Q1、Q4のオン状態と、スイッチング素子Q2、Q3のオン状態とが交互に設定され、交流電圧を1次コイルL1に出力する。
1次コイルL1は、2次コイルL2と共に変圧器7aを構成する。変圧器7aは、スイッチング回路7のスイッチング素子Q1〜Q4から出力された交流電圧を変圧する。変圧の度合いは、1次コイルL1と2次コイルL2との巻数比によって定まる。1次コイルL1は、1次コイルL1の一端側が、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との間に接続され、1次コイルL1の他端側が、スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4との間に接続される。
2次コイルL2は、2次コイルL2の両端部が整流回路8及び平滑回路9を介してマイナス側の出力端子3bに接続される。また、2次コイルL2は、中間タップCTを備え、中間タップCTが平滑回路9を介してプラス側の出力端子3aに接続される。
整流回路8は、スイッチング回路7から出力された交流電圧を整流して直流電圧を生成するものである。整流回路8は、スイッチング素子Q5、Q6を備える。スイッチング素子Q5、Q6は、例えば、電界効果型トランジスタ(MOS−FET)であり、単相全波整流回路として構成される。整流回路8は、スイッチング素子Q5が2次コイルL2の一端に接続され、スイッチング素子Q6が2次コイルL2の他端に接続される。整流回路8は、スイッチング素子Q5、Q6のON/OFF制御により交流電圧を整流して直流電圧を生成し、生成した直流電圧を平滑回路9に出力する。
平滑回路9は、整流回路8により整流された直流電圧を平滑化するものである。平滑回路9は、コイル9aとコンデンサ9bとを備える。平滑回路9は、コイル9aが2次コイルL2の中間タップCTとプラス側の出力端子3aとの間に設けられ、コンデンサ9bがプラス側の出力端子3とマイナス側の出力端子3bの間に設けられる。平滑回路9は、コイル9a及びコンデンサ9bにより直流電圧を平滑化して出力端子3a、3bに出力する。
出力電圧検出部10は、例えば低圧バッテリである負荷3側に設けられ、負荷3側の電圧を検出するものである。出力電圧検出部10は、検出した検出電圧Voutを制御部12に出力する。
パルス生成部11は、スイッチング回路7を制御するためのパルス信号を生成するものである。例えば、パルス生成部11は、制御部12から出力される制御信号に基づいて、パルス信号のデューティー比を変化させてPWM信号を生成し、当該PWM信号をドライブ回路13に出力する。
ドライブ回路13は、パルス幅変調信号に基づいてスイッチング素子Q1〜Q4を駆動させるものである。例えば、ドライブ回路13は、パルス生成部11から出力されたPWM信号を増幅し、対応するスイッチング素子Q1〜Q4のON/OFFを設定する。
制御部12は、パルス生成部11に制御信号を出力し、スイッチング回路7及び整流回路8を制御するものである。制御部12は、スイッチング回路7のスイッチング素子Q1〜Q4をオン/オフ制御して直流電圧を交流電圧に変換する。また、制御部12は、整流回路8のスイッチング素子Q5、Q6をオン/オフ制御して交流電圧を直流電圧に全波整流する。また、制御部12は、電圧を一定に制御する定電圧制御、又は、電流を一定に制御する定電流制御を行う。例えば、制御部12は、入力電圧検出部5、電流検出部6、及び、出力電圧検出部10から出力された検出結果に基づいてスイッチング回路7を制御し、定電圧制御又は定電流制御を行う。制御部12は、図2に示すように、目標電圧設定部12aと、目標電流設定部12bと、定電圧制御値算出部12cと、定電流制御値算出部12dと、定電圧出力制限部12eと、定電流出力制限部12fと、制御値選択部12gと、上限制御値設定部12hとを回路の機能として有する。
目標電圧設定部12aは、予め目標電圧Vthを記憶し、記憶した目標電圧Vthを設定するものである。ここで、目標電圧Vthは、スイッチング電源装置1が目標とする電圧であり、定電圧制御のときには、電圧が目標電圧Vthに保たれる。目標電圧設定部12aは、目標電圧Vthを定電圧制御値算出部12cに出力する。
目標電流設定部12bは、予め目標電流Ithを記憶し、記憶した目標電流Ithを設定するものである。ここで、目標電流Ithは、スイッチング電源装置1が目標とする電流であり、定電流制御のときには、電流が目標電流Ithに保たれる。目標電流設定部12bは、目標電流Ithを定電流制御値算出部12dに出力する。
定電圧制御値算出部12cは、定電圧制御を行うための制御値である定電圧制御値Dvを算出するものである。定電圧制御値算出部12cは、例えば出力電圧検出部10から出力された検出電圧Voutと、目標電圧設定部12aから出力された目標電圧Vthとの差分に基づいて定電圧制御値Dvを算出する。ここで、定電圧制御値Dvは、例えば、PWM信号のデューティー比であり、デューティー比の値が大きくなると検出電圧Voutが上昇する。定電圧制御値算出部12cは、定電圧制御値Dvを定電圧出力制限部12eに出力する。
定電流制御値算出部12dは、定電流制御を行うための制御値である定電流制御値Diを算出するものである。定電流制御値算出部12dは、電流検出部6から出力された検出電流Ioutと、目標電流設定部12bから出力された目標電流Ithとの差分に基づいて定電流制御値Diを算出する。ここで、定電流制御値Diは、例えば、PWM信号のデューティー比であり、デューティー比の値が大きくなると検出電流Ioutが上昇する。定電圧制御値算出部12dは、定電流制御値Diを定電流出力制限部12fに出力する。
定電圧出力制限部12eは、定電圧制御値算出部12cから出力された定電圧制御値Dvを制限するものである。例えば、定電圧出力制限部12eは、定電圧制御値算出部12cから出力された定電圧制御値Dvと当該定電圧制御値Dvの上限である定電圧上限値Vmaxとを比較する。そして、定電圧出力制限部12eは、定電圧制御値Dvが定電圧上限値Vmaxを超える場合、定電圧制御値Dvとして定電圧上限値Vmaxを出力し、定電圧制御値Dvが定電圧上限値Vmaxを超えない場合、定電圧制御値Dvを出力する。また、定電圧出力制限部12eは、後述する上限抑制制限値Th1が定電圧上限値Vmaxとして設定された場合、定電圧制御値Dvと上限抑制制限値Th1とを比較し、定電圧制御値Dvが上限抑制制限値Th1を超えるときには定電圧制御値Dvとして上限抑制制限値Th1を出力し、定電圧制御値Dvが上限抑制制限値Th1を超えないときには定電圧制御値Dvを出力する。
定電流出力制限部12fは、定電流制御値算出部12dから出力された定電流制御値Diを制限するものである。例えば、定電流出力制限部12fは、定電流制御値算出部12dから出力された定電流制御値Diと当該定電流制御値Diの上限である定電流上限値Imaxとを比較する。そして、定電流出力制限部12fは、定電流制御値Diが定電流上限値Imaxを超える場合、定電流制御値Diとして定電流上限値Imaxを出力し、定電流制御値Diが定電流上限値Imaxを超えない場合、定電流制御値Diを出力する。また、定電流出力制限部12fは、後述する上限抑制制限値Th2が定電流上限値Imaxとして設定された場合、定電流制御値Diが上限抑制制限値Th2を超えるときには定電流制御値Diとして上限抑制制限値Th2を出力し、定電流制御値Diが上限抑制制限値Th2を超えないときには定電流制御値Diを出力する。
制御値選択部12gは、定電圧出力制限部12eから出力される定電圧制御値Dv、及び、定電流出力制限部12fから出力される定電流制御値Diのうち、いずれか一方を定電圧制御又は定電流制御を行う対象制御値として選択するものである。例えば、制御値選択部12gは、定電圧制御値Dv及び定電流制御値Diのうち、値が小さい方を定電圧制御又は定電流制御を行う対象制御値として選択する。具体的には、制御値選択部12gは、定電圧制御値Dvと定電流制御値Diとを比較し、定電圧制御値Dvが定電流制御値Diよりも小さい場合には定電圧制御値Dvを対象制御値として選択し、定電流制御値Diが定電圧制御値Dvよりも小さい場合には定電流制御値Diを対象制御値として選択してパルス生成部11に出力する。
上限制御値設定部12hは、定電圧制御と定電流制御との切り替えを早くするために、制御対象ではない制御の定電圧上限値Vmax又は定電流上限値Imaxを抑制するものである。上限制御値設定部12hは、制御値選択部12gにより選択されなかった非対象制御値の定電流上限値Imax又は定電圧上限値Vmaxよりも小さい上限抑制制限値Thを対象制御値に所定制御値を加算して求める。ここで、所定制御値は、定電圧制御と定電流制御との切り替えを早くするために、可能な限り小さい値が好ましい。上限制御値設定部12hは、制御値選択部12gにより選択されなかった非対象制御値の定電流上限値Imax又は定電圧上限値Vmaxに上限抑制制限値Thを設定する。例えば、上限制御値設定部12hは、定電流制御値Diが対象制御値として選択されなかった場合、定電流上限値Imaxに上限抑制制限値Th2を設定し、定電圧制御値Dvが対象制御値として選択されなかった場合、定電圧上限値Vmaxに上限抑制制限値Th1を設定する。
次に、図3〜図5を参照して、実施形態に係るスイッチング電源装置1の動作例について説明する。この例では、定電圧制御が行われる場合について説明する。スイッチング電源装置1の制御部12は、定電圧制御値Dvを算出する(ステップS1)。例えば、定電圧制御値算出部12cは、図4に示す検出電圧V1outと目標電圧Vthとの差分に基づいて定電圧制御値Dv1を算出する。次に、制御部12は、定電圧制御値Dvの値に応じて定電圧制御値Dvを制限する(ステップS2)。例えば、定電圧出力制限部12eは、図4に示す定電圧制御値Dv1が定電圧上限値Vmaxを超えていないので、定電圧制御値Dv1を定電圧上限値Vmaxに制限せずに定電圧制御値Dv1を出力する。
次に、制御部12は、定電流制御値Diを算出する(ステップS3)。例えば、定電流制御値算出部12dは、図4に示す検出電流I1outと目標電流Ithとの差分に基づいて定電流制御値Di1を算出する。次に、制御部12は、定電流制御値Diの値に応じて定電流制御値Diを制限する(ステップS4)。例えば、定電流出力制限部12fは、図4に示す定電流制御値Di1が定電流上限値Imaxを超えるので、定電流制御値Di1を定電流上限値Imaxに制限して定電流制御値Di1を出力する。
次に、制御部12は、定電圧制御又は定電流制御の対象制御値を選択する(ステップS5)。例えば、制御値選択部12gは、定電圧制御値Dv1と定電流上限値Imaxに制限された定電流制御値Di1とを比較し、定電圧制御値Dv1が定電流制御値Di1よりも小さいので定電圧制御値Dv1を対象制御値として選択する。
次に、制御部12は、制御が行われていない非対象制御値の定電圧上限値Vmax又は定電流上限値Imaxを抑制する(ステップS6)。例えば、上限制御値設定部12hは、定電圧制御値Dv1に所定制御値を加算して上限抑制制限値Th2を求め、定電流上限値Imaxに上限抑制制限値Th2を設定する(図5参照)。これにより、制御部12は、上限抑制制限値Th2によって定電流制御値Di1を定電流制御値Di10に制限することができる。従って、制御部12は、定電圧制御から定電流制御に切り替えるタイミングを早くすることができる。
次に、定電圧制御又は定電流制御に切り替えるタイミングについて比較例を用いて説明する。比較例に係る定電圧制御及び定電流制御は、図4に示すように、上限抑制制限値Thを用いずに制御するものである。この例では、定電圧制御から定電流制御に切り替わる例について説明する。比較例は、定電圧制御を行っているときに、検出電流I1outが時刻t3で目標電流Ithを超え、その後、検出電圧V1outが目標電圧Vthを下回ると、検出電流I1outを下げるために定電流制御値Di1を小さくし、検出電圧V1outを上げるために定電圧制御値Dv1を大きくさせる。比較例は、定電流制御値Di1が徐々に小さくなり定電圧制御値Dv1が徐々に大きくなると、定電流制御値Di1と定電圧制御値Dv1との大小関係が時刻t1で逆転し、当該時刻t1において定電圧制御から定電流制御に切り替わる。比較例は、定電圧制御において、定電流制御値Di1が飽和して定電流上限値Imaxに制限され、定電流制御値Di1が定電流上限値Imaxから徐々に小さくなるので、定電圧制御から定電流制御に切り替わるまでに時間がかかる。このため、比較例は、検出電流I1outが目標電流Ithを大きく超えてしまい、過電流が流れる。
これに対して、実施形態に係る定電圧制御及び定電流制御は、図5に示すように、上限抑制制限値Thを用いて制御するものである。この例では、定電圧制御から定電流制御に切り替わる例について説明する。定電圧制御では、定電流上限値Imaxの代わりに上限抑制制限値Th2が設定されている。実施形態は、定電圧制御を行っているときに、検出電流I2outが時刻t3で目標電流Ithを超え、その後、検出電圧V2outが目標電圧Vthを下回ると、検出電流I2outを下げるために定電流制御値Di10を小さくし、検出電圧V2outを上げるために定電圧制御値Dv10を大きくさせる。実施形態は、定電流制御値Di10が徐々に小さくなり定電圧制御値Dv10が徐々に大きくなると、定電流制御値Di10と定電圧制御値Dv10との大小関係が時刻t2で逆転し、当該時刻t2において定電圧制御から定電流制御に切り替わる。実施形態は、定電流制御値Di10が飽和して上限抑制制限値Th2に制限された状態から定電流制御値Di10が下降を開始するので、検出電流I2outが時刻t3で目標電流Ithを超えた後、定電圧制御から定電流制御に切り替わる時刻t2が比較例の時刻t1よりも早くなる。このため、実施形態は、比較例に比べて検出電流I2outが目標電流Ithを超える度合を抑制することができるので、過電流が流れない。
以上のように、実施形態に係るスイッチング電源装置及びスイッチング電源制御方法は、制御値選択部12gにより選択されなかった非対象制御値の定電流上限値Imax又は定電圧上限値Vmaxよりも小さい上限抑制制限値Thを対象制御値に所定制御値を加算して求め、非対象制御値の定電流上限値Imax又は定電圧上限値Vmaxに上限抑制制限値Thを設定する。これにより、スイッチング電源装置1は、例えば定電圧制御が行われている場合、定電流制御値Di10が上限抑制制限値Th2から小さくなるので、早いタイミングで定電圧制御値Dv10と定電流制御値Di10との大小関係を逆転することができ、定電圧制御から定電流制御に切り替わるタイミングを早くすることができる。従って、スイッチング電源装置1は、検出電流I2outが目標電流Ithを超える度合を抑制することができるので、過電流が流れることを抑制できる。
〔変形例〕
次に、スイッチング電源装置1の変形例について説明する。スイッチング電源装置1は、電流検出部6をスイッチング素子Q3、Q4と1次コイルL1との間以外に設けてもよい。例えば、スイッチング電源装置1Aは、図6に示すように、電流検出部6Aを高圧バッテリ2とスイッチング回路7との間に設けている。また、スイッチング電源装置1Bは、図7に示すように、電流検出部6Bを2次コイルL2と負荷3との間に設けている。また、スイッチング電源装置1、1A、1Bは、同期整流型のDC/DCコンバータでもよい。例えば、図8に示すように、スイッチング電源装置1Cは、スイッチング回路7Cのスイッチング素子Q7、Q8をON/OFF制御することにより直流電圧を交流電圧に変換し、当該交流電圧を平滑回路9Aにより平滑化して直流電圧を生成する。
1、1A、1B、1C スイッチング電源装置
7、7C スイッチング回路
12 制御部
12a 目標電圧設定部
12b 目標電流設定部
12c 定電圧制御値算出部
12d 定電流制御値算出部
12e 定電圧出力制限部
12f 定電流出力制限部
12g 制御値選択部
12h 上限制御値設定部
Dv、Dv1、Dv10 定電圧制御値
Di、Di1、Di10 定電流制御値
Vmax 定電圧上限値
Imax 定電流上限値
Th、Th1、Th2 上限抑制制限値
Vout、V1out、V2out 検出電圧
Iout、I1out、I2out 検出電流
Vth 目標電圧
Ith 目標電流

Claims (2)

  1. 直流電圧を交流電圧に変換するスイッチング回路と、
    前記スイッチング回路を制御して定電圧制御と定電流制御とを切り替える制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記定電圧制御を行うための制御値であり、値が大きくなると電圧が上昇する定電圧制御値を算出する定電圧制御値算出部と、
    前記定電流制御を行うための制御値であり、値が大きくなると電流が上昇する定電流制御値を算出する定電流制御値算出部と、
    前記定電圧制御値が当該定電圧制御値の上限である定電圧上限値を超える場合、前記定電圧制御値として前記定電圧上限値を出力し、前記定電圧制御値が前記定電圧上限値を超えない場合、前記定電圧制御値を出力する定電圧出力制限部と、
    前記定電流制御値が当該定電流制御値の上限である定電流上限値を超える場合、前記定電流制御値として前記定電流上限値を出力し、前記定電流制御値が前記定電流上限値を超えない場合、前記定電流制御値を出力する定電流出力制限部と、
    前記定電圧出力制限部から出力される前記定電圧制御値、及び、前記定電流出力制限部から出力される前記定電流制御値のうち、値が小さい方を前記定電圧制御又は前記定電流制御を行う対象制御値として選択する制御値選択部と、
    前記制御値選択部により選択されなかった非対象制御値の前記定電流上限値又は前記定電圧上限値よりも小さい上限抑制制限値を、前記対象制御値に所定制御値を加算して求め、前記非対象制御値の前記定電流上限値又は前記定電圧上限値に前記上限抑制制限値を設定する上限制御値設定部と、を有することを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 定電圧制御を行うための制御値であり、値が大きくなると電圧が上昇する定電圧制御値を算出する定電圧制御値算出ステップと、
    定電流制御を行うための制御値であり、値が大きくなると電流が上昇する定電流制御値を算出する定電流制御値算出ステップと、
    前記定電圧制御値が当該定電圧制御値の上限である定電圧上限値を超える場合、前記定電圧制御値として前記定電圧上限値を出力し、前記定電圧制御値が前記定電圧上限値を超えない場合、前記定電圧制御値を出力する定電圧出力制限ステップと、
    前記定電流制御値が当該定電流制御値の上限である定電流上限値を超える場合、前記定電流制御値として前記定電流上限値を出力し、前記定電流制御値が前記定電流上限値を超えない場合、前記定電流制御値を出力する定電流出力制限ステップと、
    前記定電圧出力制限ステップで出力される前記定電圧制御値、及び、前記定電流出力制限ステップで出力される前記定電流制御値のうち、値が小さい方を前記定電圧制御又は前記定電流制御を行う対象制御値として選択する制御値選択ステップと、
    前記制御値選択ステップで選択されなかった非対象制御値の前記定電流上限値又は前記定電圧上限値よりも小さい上限抑制制限値を、前記対象制御値に所定制御値を加算して求め、前記非対象制御値の前記定電流上限値又は前記定電圧上限値に前記上限抑制制限値を設定する上限制御値設定ステップと、を有することを特徴とするスイッチング電源制御方法。
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