JP2017157968A - シリアル通信システム、シリアル通信方法、およびプログラム - Google Patents

シリアル通信システム、シリアル通信方法、およびプログラム Download PDF

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康司 ▲高▼津
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
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Abstract

【課題】シリアル通信システムにおいて、通信開始時に受信したデータの周波数および位相に同期した正常なクロックおよびデータを復元するまでの時間を短縮する。
【解決手段】受信機3のCDR回路32はVCOを備えている。VCO電圧保持手段38は、CDR回路32がクロックおよびデータを復元し、10B8B回路34がシンボルロックを検知したとき、VCOの制御電圧を保持する。レシーバ回路31が有効なシリアルデータを受信しなくなったとき、VCO電圧保持手段38により保持されている制御電圧をVCOに印加する。その後、有効なシリアルデータの受信を開始したら、制御電圧をVCOの発振クロックとシリアルデータの周波数差および位相差に対応する電圧に切り替える。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリアル通信システム、シリアル通信方法、およびプログラムに関する。
近年、データ転送量の増大やデータ転送速度の増加に伴い、パラレルIF(インタフェース)ではバス幅の増加やデータ転送速度の増加で対応してきた。しかし、各信号間のデータスキューずれ、高速化による信号間のクロストーク、同時スイッチングノイズの影響があり、データ転送速度の限界に達してきており、シリアル通信の重要性が高まっている。
シリアル通信のデータ転送方式としてエンベデッドクロック方式がある。エンベデッドクロック方式では、送信側はクロックが埋め込まれた(重畳された)データを送信し、受信側は受信したシリアルデータからクロックおよびデータを復元する。
受信したデータからクロックおよびデータを復元する回路はCDR(Clock Data Recovery:クロックデータリカバリ)回路と呼ばれている。クロックデータリカバリ回路としては、一般にPLL(Phase Locked Loop:位相同期ループ)回路が用いられており、PLLに含まれるVCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御発振器)の発振クロックが受信したデータの周波数および位相に同期するように、VCOに入力される制御電圧を制御する(特許文献1、2)。
しかしながら、従来のシリアル通信システムでは、再起動時や省エネモードからの復帰時などの通信開始時に、受信したデータの周波数と位相に同期した正常なクロックおよびデータを復元するまでに時間がかかるという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、シリアル通信システムにおいて、通信開始時に受信したデータの周波数および位相に同期した正常なクロックおよびデータを復元するまでの時間を短縮することである。
本発明は、クロックが埋め込まれたシリアルデータを送信する送信機と、前記シリアルデータを受信し、前記クロックおよびシリアルデータを復元するクロックデータリカバリ回路を備えた受信機と、を有するシリアル通信システムであって、前記受信機は、前記クロックデータリカバリ回路により前記クロックおよびシリアルデータが復元されているとき、前記クロックデータリカバリ回路に含まれる電圧制御発振器に供給されている制御電圧を保持する制御電圧保持手段と、前記送信機から有効なシリアルデータが転送されているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記制御電圧保持手段により保持されている制御電圧の前記電圧制御発振器に対する供給の開始および終了のタイミングを制御するタイミング手段と、を有するシリアル通信システムである。
本発明によれば、シリアル通信システムにおいて、通信開始時に受信したデータの周波数および位相に同期した正常なクロックおよびデータを復元するまでの時間を短縮することができる。
本発明の第1の実施形態に係るシリアル通信システムの全体構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るシリアル通信システムにおけるクロックデータリカバリ回路の全体構成を示すブロック図である。 電圧制御発振器の制御電圧と発振周波数との対応関係を示す図である。 電圧制御発振器に制御電圧として第1の初期電圧を印加したときに制御電圧が安定電圧に達するまでの制御電圧の時間的変化を示す図である。 電圧制御発振器に制御電圧として第1の初期電圧より高い第2の初期電圧を印加したときに制御電圧が安定電圧に達するまでの制御電圧の時間的変化を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るシリアル通信システムがシリアル通信を確立するときに実行する処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係るシリアル通信システムが電圧制御発振器の制御電圧を保持するときに実行する処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係るシリアル通信システムがVCO電圧保持手段により保持されている制御電圧をVCOの制御電圧として固定および解除するときに実行する処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るシリアル通信システムの全体構成を示すブロック図である。 図9におけるパケット生成回路が生成するパケットを示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るシリアル通信システムがVCO電圧保持手段により保持されている制御電圧をVCOの制御電圧として固定および解除するときに実行する処理を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係るシリアル通信システムの全体構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態に係るシリアル通信システムの全体構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態に係るシリアル通信システムの全体構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
〈シリアル通信システムの全体構成〉
図1は、本発明の第1の実施形態に係るシリアル通信システムの全体構成を示すブロック図である。
このシリアル通信システム1は、送信機2と受信機3を備えている。送信機2と受信機3は、PCIExpress(登録商標)などのシリアルバスにより接続されている。送信機2は、実装された基準クロックを用いて、入力されるパラレルデータをシリアルデータに変換し、シリアルバスを介して受信機3へ送信する。受信機3は、基準クロックが存在しないため、受信したシリアルデータに埋め込まれた(重畳された)クロック(エンベデッドクロック)をクロックデータリカバリ回路で復元する。そして、そのクロックで受信機回路が動作し、シリアルバスから入力されるデータをパラレルデータに変換し、後段へ出力する。
送信機2は、パケット生成回路21、8B10B回路22、スクランブル回路23、シリアライザ回路24、およびドライバ回路25を備えている。また、送信機2は、これらの回路にクロックを供給する基準クロック発生回路26を備えている。
受信機3は、レシーバ回路31、CDR回路32、デスクランブル回路33、10B8B回路34、およびパケット判定回路35を備えている。また、受信機3は、VCO電圧制御手段36、VCO電圧制御タイミング手段37、およびVCO電圧保持手段38を備えている。VCO電圧制御タイミング手段37、VCO電圧保持手段38は、それぞれ本発明に係るタイミング手段、制御電圧保持手段の一例である。
送信機2のパケット生成回路21は、パラレル入力されたデータからデータフォーマットに合わせたパケットを生成する。8B10B回路22は、8ビットのデータを一定数の同一データが連続しない10ビットのシンボルデータに変換する。これにより受信機3では必ずデータのエッジを受信することになり、CDR回路32でのクロックの復元に用いられる。
スクランブル回路23は、8B10B回路22で生成された10ビットのシンボルデータに対して、同じデータ列の繰返しにならないようにスクランブル処理を施す。シリアライザ回路24は、スクランブル処理された10ビットのパラレルデータをシリアルデータに変換する。ドライバ回路25は、シリアライザ回路24で変換されたシリアルデータを1ビットずつ差動シリアルデータとして伝送させ、受信機3へ送信する。
受信機3のレシーバ回路31は、送信機2から送信された差動シリアルデータを受信する。また、レシーバ回路31は、受信したデータの振幅(レベル)に基づいて、送信機2から有効なシリアルデータが転送されているか否かを判定する。CDR回路32は、レシーバ回路31で受信されたデータから周波数および位相が同期したクロックを出力する。
デスクランブル回路33は、送信機2でスクランブル処理されたデータの逆処理を行い、10ビットのデータとして出力する。10B8B回路34は、デスクランブルされた10ビットのシンボルデータの受信データエラーを検出するとともに8ビットのパラレルデータに変換し、後段のモジュールへ出力する。パケット判定回路35は、送信機2から転送されたデータのパケットの種別などを判定し、後段のモジュールの動作を決定する。
VCO電圧制御手段36は、制御電圧情報を保持するレジスタを備えており、この制御電圧情報に基づいて、CDR回路32の内部のVCOに入力される制御電圧をCDR回路32の外部から制御する。VCO電圧制御タイミング手段37は、VCOの制御電圧値を電圧保持手段38に保持させるタイミング、保持されている制御電圧値に固定するタイミング、固定した制御電圧値を解除するタイミングを制御する。VCO電圧保持手段38は、VCO電圧制御タイミング手段37にて電圧値を保持するタイミングのトリガがアサートされると、VCOに印加されている制御電圧(後述する図2のループフィルタ32cから出力され、制御電圧選択回路32dを通してVCO32eに入力されている制御電圧)をVCO電圧制御手段36を介して取り込み、VCO電圧制御手段36内のレジスタに設定するための制御電圧設定値として保持する。これらの手段はコンピュータプログラム(ソフトウェア)により実現することができる。
〈クロックデータリカバリ回路の構成〉
図2は、図1におけるCDR回路32の全体構成を示すブロック図である。
図示のように、CDR回路32は、位相比較器32a、チャージポンプ32b、ループフィルタ32c、制御電圧選択回路32d、VCO32e、および分周器32fを備えている。
位相比較器32aは、レシーバ回路31で受信されたシリアルデータのエッジと、VCO32eの出力クロックを分周器32fで分周した分周クロックの位相差に応じた電圧をチャージポンプ32bへ出力する。また、位相比較器32aは、レシーバ回路31で受信されたシリアルデータをそのまま出力する。
チャージポンプ32bは、位相比較器32aで検出された位相差に応じた電圧をループフィルタ32cへ出力する。ループフィルタ32cは、チャージポンプ32bの出力を平均化し、VCO制御電圧として制御電圧選択回路32dへ出力する。
制御電圧選択回路32dは、ループフィルタ32cの出力またはVCO電圧制御手段36により設定される固定電圧を選択してVCO32eへ出力(供給)する。VCO32eは、入力された制御電圧に比例した可変周波数のクロックを出力する。
分周器32fは、CDR回路32に入力されるクロック(データのエッジ)とこの分周期32fから出力されるクロックの位相を比較するための位相比較器32aに入力させるクロックを分周するもので、VCO32eから出力されたクロックを所定の周波数に分周して位相比較器32aへ出力する。
〈VCOの制御電圧〉
図3は、VCOの制御電圧と発振周波数との対応関係を示す図であり、図4は、VCOに制御電圧として第1の初期電圧を印加したときに制御電圧が安定電圧に達するまでの制御電圧の時間的変化を示す図である。また、図5は、VCOに制御電圧として第1の初期電圧より高い第2の初期電圧を印加したときに制御電圧が安定電圧に達するまでの制御電圧の時間的変化を示す図である。
図2に記載したCDR回路32は入力データの周波数と位相に同期したデータとクロックを出力するが、VCO32eの出力クロックの発振周波数は、入力される制御電圧値に比例して周波数が変化する。
図3に示すように、VCOにある制御電圧を入力すると、VCOの発振周波数は最小値Minと最大値Maxの間で制御電圧に比例して変化する。また、図4に示すように、VCOに初期電圧V0を印加した状態から安定電圧に到達するまでは一定の発振安定時間T0を必要とする。それに対し、図5に示すように、VCOに初期電圧V1(>V0)を印加した状態から安定電圧に到達するまでは発振安定時間T1(<T0)を必要とする。
つまり、データ転送再開時や省エネ時などから復帰するタイミングには、シリアルデータが入力されてからCDR回路32内のVCO32eが所望の周波数で発振するためには、初期電圧値V0から安定電圧値に達するまで、ある一定の発振安定時間待つ必要がある。しかし、発振開始のタイミングに初期電圧値V0より高いある一定の初期電圧を与えることで、所望の周波数で発振するまでの発振安定時間を短くすることができる。
そこで、本発明の実施形態に係る受信機3では、事前に正常通信が確立したときのVCOの制御電圧値をVCO電圧保持手段38(具体的にはレジスタ)により保持しておき、それを上記一定の初期電圧を表す制御電圧情報としてVCO電圧制御手段36内のレジスタに設定する。
正常通信が確立したことの判定は、10B8B回路34でエラーが検出されていないことに基づいて行う。すなわち、エラーの有無に基づいて、正常通信が確立したか否かを判定する。そして、ある転送レートで通信が確立し、正常通信が行われていると判定されたとき、その判定結果に基づいて、CDR回路32からVCO電圧制御手段36に入力される制御電圧の設定レジスタ値情報をVCO電圧保持手段38により保持する。
そして、シリアルデータ転送が中断したタイミングで保持したレジスタ設定値をCDR回路32への入力を開始し、制御電圧選択回路32dで選択することで、正常通信が確立されていた状態でのVCO制御電圧をVCO32eに与えることができる。これにより、VCO32eはある一定の周波数で発振し続けることが可能となる。シリアルデータ転送の中断タイミングの検知は、受信機3のレシーバ回路31が有効なシリアルデータを入力しなくなったことに基づいて行う。このとき、レシーバ回路31は判定手段として機能し、その出力が判定結果としてVCO電圧制御タイミング手段37に供給される。
図7を参照して後述するように、VCO電圧制御手段36において起動時にVCO制御電圧を一定電圧に固定することで、シリアルデータが入力されていない状態でも、VCO32eの発振周波数を一定に保ち、データ転送再開時に発振周波数が安定するまでの時間を短縮することができる。
〈シリアル通信の確立〉
図6は、本発明の実施形態に係るシリアル通信システム1がシリアル通信を確立するときに実行する処理を示すフローチャートである。
受信機3がシリアルデータの受信を開始する(ステップS1)。その後、VCO32eが所望の周波数に周波数ロックしたか否かを判定する(ステップS2)。周波数ロックの完了判定は例えば以下のように行う。すなわち、VCO32eの発振クロックと位相比較器32aから出力されるデータに埋め込まれたクロックを一定期間カウントすることでそれぞれの周波数を計測し、周波数の差異が一定値以下になったとき、周波数ロックしたと判定する。なお、本実施形態では、周波数ロックの完了判定、および後述するシンボルロックの完了判定は、10B8B回路34が実施する。
周波数ロックの完了を検知したら(ステップS2:Yes)、次にシンボルロックしたか否かを判定する(ステップS3)。シンボルロックとは、連続する10ビットのシンボルデータの境界が確定されたことを意味する。シンボルデータの境界の確定には、VCO32eの発振クロックの位相が受信したシリアルデータの位相に同期していること(位相ロック)が必要であるから、シンボルロックが完了していれば位相ロックも完了している。
シンボルロック完了(ステップS3:Yes)により、転送されるシリアルデータの境界を把握することができるようになり、送信機2と受信機3との間でシリアル伝送(通常通信)が始まる(ステップS4)。
〈VCOの制御電圧保持〉
図7は、本発明の第1の実施形態に係るシリアル通信システム1がVCOの制御電圧を保持するときに実行する処理を示すフローチャートである。
この図において、ステップS11〜S13は図6におけるステップS1〜S3と同じである。次のステップS14では、10B8B回路34からの通知によりシンボルロックが完了したタイミングをVCO電圧制御タイミング手段37が検知し、VCO電圧保持手段38に制御電圧情報を保持させる。
その後、送信機2と受信機3との間でシリアル伝送(通常通信)が始まる(ステップS15)。送信機2からシリアルデータが転送されている期間は、受信したシリアルデータによってVCO32eの制御電圧が決まるため、VCO電圧保持手段38により保持されている制御電圧情報は反映させない。すなわち、制御電圧選択回路32dは、固定制御設定された電圧(VCO電圧保持手段38により保持されている制御電圧)ではなく、ループフィルタ32cの出力電圧を選択する。
〈VCOの制御電圧の固定および解除〉
図8は、本発明の第1の実施形態に係るシリアル通信システム1がVCO電圧保持手段により保持されている制御電圧をVCOの制御電圧として固定および解除するときに実行する処理を示すフローチャートである。
図7を参照して説明したように、送信機2と受信機3との間で通常通信が行われている間(ステップS21)、受信機3では入力データにてVCO32eの制御電圧が決まる。受信機3では、レシーバ回路31が受信したシリアルデータの受信判定、すなわち有効なシリアルデータが送信されているか否かの判定を行っている(ステップS22)。そして、送信機2からシリアルデータが送信されなくなると(ステップS22:Yes)、有効なシリアルデータが入力されていない(送信機2が動作を停止している)ことをVCO電圧制御タイミング手段37に通知する(ステップS23)。
VCO電圧制御タイミング手段37は、有効なシリアルデータが入力されていないことを通知されると、VCO電圧制御手段36を動作させて(ステップS24)、VCO電圧保持手段38に保持されている制御電圧値を示す設定をCDR回路32内の制御電圧選択回路32dに通知させる。このとき、制御電圧選択回路32dは、通常は入力データとの位相比較から設定されている制御電圧(ループフィルタ32cの出力)をVCO電圧制御手段36によって設定された値(VCO電圧保持手段38により保持されている値)に切替え、VCO32eへの制御電圧として与える。
つまり、VCO電圧保持手段38により保持されている制御電圧のVCO32eに対する供給が開始される。この制御により、送信機2からシリアルデータが入力されなくても、VCO32e発振周波数を一定に保つことができる(ステップS25)。
その後、送信機2から有効なシリアルデータが入力されると、受信機3のレシーバ回路31がそれを検知し(ステップS26:Yes)、有効なシリアルデータの入力をVCO電圧制御タイミング手段37に通知する。
VCO電圧制御タイミング手段37はVCO電圧制御手段36に固定設定解除の通知を行い、VCO電圧制御手段36は、CDR回路32内の制御電圧選択回路32dの設定を入力データとの位相比較による制御電圧に変更する(ステップS27)。つまり、VCO電圧保持手段38により保持されている制御電圧のVCO32eに対する供給が終了する。
このとき、VCO32eはある一定の周波数で発振しているため、入力データとの周波数同期および位相同期を行うまでの時間を短縮することができる。このため、リンクアップが完了し(ステップS28)、通常通信(ステップS29)が開始されるまでの時間を短縮し、高速起動を実現することができる。
[第2の実施形態]
〈シリアル通信システムの全体構成〉
図9は、本発明の第2の実施形態に係るシリアル通信システムの全体構成を示すブロック図である。このシリアル通信システム1aは、送信機2aと受信機3aを備えている。送信機2aと受信機3aはシリアルバスにより接続されている。
送信機2aの内部構成は、第1の実施形態に係る通信システム1の送信機2の内部構成と同じである。ただし、パケット生成回路21が後述するVCOUPパケットを生成する機能を備えている点が第1の実施形態に係る通信システム1の送信機2内のパケット生成回路21と相違する。
また、受信機3aの内部構成は、第1の実施形態に係る通信システム1の受信機3ではレシーバ回路31の受信判定出力(有効なシリアルデータを受信しているか否か)をVCO電圧制御タイミング手段37に供給するのに対し、本実施形態ではパケット判定回路35の出力をVCO電圧制御タイミング手段37に供給する点で相違する。
図10は、送信機2aから転送されるパケットを示す図である。ここで、図10Aはデータ通信時に転送するパケット、図10Bはデータ終了時に転送するパケット、図10CはVCO電圧保持手段38の保持値の更新を制御するパケットを示す。
ACSは、シリアルデータの有効データの開始を規定するパケットであり、ENDは、送信する有効データ期間が終了したことを示すパケットである。データ通信時には、DATAパケットにて有効データを転送する。送信機2aからデータ転送を行わなくなるデータ終了時に、DENDパケットを転送し、以後データ転送が行われないことを受信機3aに通知する。なお、DATAパケットおよびDENDパケットは、第1の実施形態に係る通信システム1でも転送される。
VCOUPパケット(更新制御パケット)は、VCO電圧保持手段38により保持されている制御電圧の更新を行わせるためのパケットであり、受信機3aは、このパケットを受信したタイミングのVCO32eの制御電圧(ループフィルタ32cから出力され、制御電圧選択回路32dを通してVCO32eに入力されている制御電圧)とVCO制御電圧保持手段38により保持されている制御電圧の差異を確認し、例えば3回連続で一定範囲以上の差異があるときには保持されている値を更新する。
送信機2aはVCOUPパケットを任意のタイミングで送信することができる。通常通信時には送信機2aから常にシリアルデータが送信され、そのデータを受信することで受信機3aが動作している。そして、例えば画像データを転送するシステムであれば、有効な画像領域を送信機2aが転送する際には、DATAパケットを送信するが、有効画像領域以外は任意のどのようなデータを送信しても問題ない。したがって、例えば、有効画像領域のDATAパケットを送信した後にVCOUPパケットを送信することができる。また、有効画像領域外にあるタイマなどの機能によって一定間隔をカウントし、一定のタイミングでVCOUPパケットを送信してもよい。
〈シリアル通信の確立および制御電圧の保持〉
本発明の第2の実施形態に係るシリアル通信システム1aがシリアル通信を確立するときに実行する処理、VCOの制御電圧を保持するときに実行する処理は、それぞれ図6、図7と同じである。ただし、本実施形態では、図7のステップS14において、ループフィルタ32cの出力電圧値をVCO電圧保持手段38およびVCO電圧制御手段36内のレジスタの両方で保持する。
〈VCOの制御電圧の固定および解除〉
図11は、本発明の第2の実施形態に係るシリアル通信システム1aがVCOの制御電圧を固定および解除するときに実行する処理を示すフローチャートである。
送信機2aと受信機3aとの間で通常通信が行われている間(ステップS31)、受信機3aでは入力データにてVCO32eの制御電圧が決まる。また、通常通信の開始時には、VCO電圧制御手段36内のレジスタおよびVCO電圧保持手段38には、シンボルロック完了時のループフィルタ32cの出力電圧値が制御電圧情報(以下、VCO固定電圧情報1)として書き込まれ、保持されている。
通常通信が行われている間にVCOUPパケットを複数回受信し、それぞれの受信時にVCO固定電圧情報1とループフィルタ32cの出力電圧とを比較し、一定範囲以上の差異がある場合には、その時のループフィルタ32cの出力電圧をVCO固定電圧情報2としてVCO電圧保持手段38により保持する。すなわち、VCO電圧保持手段38により保持されていたVCO固定電圧情報1をVCO固定電圧情報2に更新する。ただし、VCO電圧制御手段36内のレジスタにより保持されているVCO固定電圧情報1は更新しない。
送信機2aからDENDパケットが送信され(ステップS32:Yes)、受信機3aのパケット判定回路35がDENDパケットを検出すると(ステップS33:Yes)、VCO電圧制御タイミング手段37に通知する。VCO電圧制御タイミング手段37は、この通知に基づいて、VCO電圧制御手段36を動作させ、レジスタで保持しているVCO固定電圧情報1をVCO電圧保持手段38により保持されているVCO固定電圧情報2に更新させる(ステップS34)。
次にパケット判定回路35は有効なシリアルデータが入力されていない(送信機2aが動作を停止している)ことをVCO電圧制御タイミング手段37に通知する(ステップS35)。VCO電圧制御タイミング手段37は、有効なシリアルデータが入力されていないことを通知されると、CDR回路32内部の制御電圧選択回路32dにて固定制御電圧設定値をVCO電圧制御手段36のレジスタにより保持されているVCO固定電圧情報2に切り替える制御を行う(ステップS36)。
以後のステップS37〜S41は、図8のステップS25〜S29と同じである。ただし、図8のステップ26では、レシーバ回路31が有効なシリアルデータの受信開始を検知するのに対し、本実施形態では、パケット判定回路35が有効なシリアルデータの受信開始を検知する。また、ステップS41の実施中に送信機2aからVCOUPパケットが送信された場合、必要に応じてVCO電圧保持手段38に保持されている制御電圧情報を更新する。
本発明の第2の実施形態に係る通信システム1aによれば、VCO電圧保持手段38により保持されているVCO制御電圧値が送信機2aから送信されDENDパケットにより都度更新される。したがって、シンボルロック時に保持したVCO電圧値に固定される第1の実施形態と比べると、温度上昇などの外乱要因による変動を反映させることができ、より精度の高い調整が可能となる。さらに、VCOUOパケットを転送することで、一意に決められた有効データ終了時のタイミングだけではなく、任意のタイミングで都度設定値を確認し、その差異を繰り返し確認することでより、精度の高い制御電圧を保持することができる。
[第3の実施形態]
〈シリアル通信システムの全体構成〉
図12は、本発明の第3の実施形態に係るシリアル通信システムの全体構成を示すブロック図である。このシリアル通信システム1bは、送信機2bと受信機3bを備えている。送信機2bと受信機3bはシリアルバスにより接続されている。
送信機2bの内部構成は、第2の実施形態に係る通信システム1aの送信機2aに対して、パケット生成タイミング回路27と、ホストCPU28を付加したものである。また、受信機3bの内部構成は、第2の実施形態に係る通信システム1aの受信機3aの内部構成と同じである。
ホストCPU28は、VCOUPパケットを生成するタイミングを表すデータ(以下、パケット生成タイミングデータ)をパケット生成タイミング回路27に設定する。パケット生成タイミング回路27は、ホストCPU28により設定されたパケット生成タイミングデータを保持する。
〈シリアル通信の確立および制御電圧の保持〉
本発明の第3の実施形態に係るシリアル通信システム1bがシリアル通信を確立するときに実行する処理、VCOの制御電圧を保持するときに実行する処理は、それぞれ図6、図7と同じである。
〈VCOの制御電圧の固定および解除〉
本発明の第3の実施形態に係るシリアル通信システム1bがVCOの制御電圧を固定および解除するときに実行する処理は、図11と同じである。
本発明の第3の実施形態に係るシリアル通信システム1bによれば、送信機2bから転送するVCOUPパケットの転送タイミングを外部CPUにより任意に設定可能とし、定期的にVCOの制御電圧を監視することで、温度上昇などの外乱要因に対して調整を行うことができる。
[第4の実施形態]
〈シリアル通信システムの全体構成〉
図13は、本発明の第4の実施形態に係るシリアル通信システムの全体構成を示すブロック図である。このシリアル通信システム1cは、送信機2cと受信機3cを備えている。送信機2cと受信機3cはシリアルバスにより接続されている。
送信機2cの内部構成は、第3の実施形態に係る通信システム1bの送信機2bの内部構成と同じである。また、受信機3cの内部構成は、第3の実施形態に係る通信システム1bの受信機3bのVCO電圧保持手段38を制御電圧保持メモリ39としたものである。
本発明の第4の実施形態に係るシリアル通信システム1cによれば、制御電圧を保持する手段がメモリのため、定期的に保持している制御電圧値を以前のデータと比較することができる。このため、VCOの制御電圧の変動を確認することが可能となる。また、制御電圧保持メモリ39を不揮発性メモリとすることで、受信機3cの電源をオフにしても、制御電圧値は維持されるため、次の電源投入(オン)時に有効となる。
[第5の実施形態]
〈シリアル通信システムの全体構成〉
図14は、本発明の第5の実施形態に係るシリアル通信システムの全体構成を示すブロック図である。このシリアル通信システム1dは、送信機2dと受信機3dを備えている。送信機2dと受信機3dはシリアルバスにより接続されている。また、シリアル通信システム1dは、ホストCPU4を備えている。
送信機2dの内部構成は、第4の実施形態に係る通信システム1cの送信機2cからホストCPU28を除去した構成を有しており、外部のホストCPU4よりパケット生成タイミング回路27が保持するデータが設定される。受信機3dの内部構成は、制御電圧保持メモリ39がホストCPU4によりアクセス可能なこと以外は第4の実施形態に係る通信システム1cの受信機3cと同じである。
本発明の第5の実施形態に係るシリアル通信システム1dによれば、制御電圧保持メモリ39に対してホストCPU4からのアクセスが可能であるため、VCO制御電圧の変動を把握し、送信機2dのパケット生成タイミングへフィードバックすることができる。また、制御電圧保持メモリ39により保持されている制御電圧値の変動が大きくなければ、定期的に保持する必要もなくなるため、VCOUPパケットを送信する間隔を長くしデータのオーバーヘッドを減らすことが可能となる。
1,1a,1b,1c,1d…シリアル通信システム、2,2a,2b,2c,2d…送信機、3,3a,3b,3c,3d…受信機、21…パケット生成回路、26…基準クロック発生回路、27…パケット生成タイミング回路、31…レシーバ回路、32…CDR回路、32d…制御電圧選択回路、32e…VCO、34…10B8B回路、36…VCO電圧制御手段、37…VCO電圧制御タイミング手段、38…VCO電圧保持手段。
特開2002−359555号公報(図5) 特開2006−66971号公報(図8)

Claims (10)

  1. クロックが埋め込まれたシリアルデータを送信する送信機と、前記シリアルデータを受信し、前記クロックおよびシリアルデータを復元するクロックデータリカバリ回路を備えた受信機と、を有するシリアル通信システムであって、
    前記受信機は、
    前記クロックデータリカバリ回路により前記クロックおよびシリアルデータが復元されているとき、前記クロックデータリカバリ回路に含まれる電圧制御発振器に供給されている制御電圧を保持する制御電圧保持手段と、
    前記送信機から有効なシリアルデータが転送されているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果に基づいて、前記制御電圧保持手段により保持されている制御電圧の前記電圧制御発振器に対する供給の開始および終了のタイミングを制御するタイミング手段と、を有するシリアル通信システム。
  2. 請求項1に記載されたシリアル通信システムにおいて、
    前記タイミング手段は、前記送信機から有効なシリアルデータの送信が停止されたときを前記供給の開始のタイミングとし、前記送信機から有効なシリアルデータの送信が再開されたときを前記供給の終了のタイミングとするシリアル通信システム。
  3. 請求項1に記載されたシリアル通信システムにおいて、
    前記判定手段は、受信されたシリアルデータのレベルに基づいて、前記送信機から有効なシリアルデータが転送されているか否かを判定するシリアル通信システム。
  4. 請求項1に記載されたシリアル通信システムにおいて、
    前記判定手段は、前記送信機から転送されるパケットを判定するパケット判定手段であり、前記送信機から転送されたパケットが有効データの開始を規定するパケットであるか、有効データ期間が終了したことを示すパケットであるかに基づいて、前記送信機から有効なシリアルデータが転送されているか否かを判定するシリアル通信システム。
  5. 請求項4に記載されたシリアル通信システムにおいて、
    前記送信機は、前記制御電圧保持手段により保持されている制御電圧を更新するための更新制御パケットを生成するパケット生成手段を有し、
    前記受信機は、前記パケット判定手段が前記更新制御パケットの受信を検知したとき、前記制御電圧保持手段により保持されている制御電圧を更新するシリアル通信システム。
  6. 請求項5に記載されたシリアル通信システムにおいて、
    前記送信機は、前記更新制御パケットを生成するタイミングを表すデータを保持するパケット生成タイミング手段を有するシリアル通信システム。
  7. 請求項6に記載されたシリアル通信システムにおいて、
    前記パケット生成タイミング手段で保持されるデータを任意に設定可能なCPUを有するシリアル通信システム。
  8. 請求項7に記載されたシリアル通信システムにおいて、
    前記CPUは、前記制御電圧保持手段にアクセスして、制御電圧の変動を把握し、パケット生成タイミングにフィードバックするシリアル通信システム。
  9. クロックが埋め込まれたシリアルデータを送信する送信機と、前記シリアルデータを受信し、前記クロックおよびシリアルデータを復元するクロックデータリカバリ回路を備えた受信機と、を有するシリアル通信システムにより実行されるシリアル通信方法であって、
    前記クロックデータリカバリ回路により前記クロックおよびシリアルデータが復元されているとき、前記クロックデータリカバリ回路に含まれる電圧制御発振器に供給されている制御電圧を保持する制御電圧保持工程と、
    前記送信機から有効なシリアルデータが転送されているか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程の判定結果に基づいて、前記制御電圧保持工程により保持されている制御電圧の前記電圧制御発振器に対する供給の開始および終了のタイミングを制御するタイミング工程と、を有するシリアル通信方法。
  10. コンピュータを請求項1に記載されたシリアル通信システムにおける各手段として機能させるためのプログラム。
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