JP2017155891A - 管内挿入具 - Google Patents

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Abstract

【課題】先導体の正逆転によって左右何れの側にも方向転換可能に、かつ先導体の正逆何れの側への回転によっても管内段差部を乗り越え可能にする。【解決手段】先導体2と、可撓性を有して先導体2の後方側に接続される長尺の回転操作部材3とを備え、先導体2は回転操作部材3の軸心回りでの回転に伴って回転可能な先端回転体20を備え、先端回転体20の外周側に、配管内部で径方向内方側に突出形成されている管内段差部に対して、先端回転体20の回転に伴って係合可能な段差部24が形成され、段差部24は、先端回転体20の一方向の回転に伴って係合する第一段差部24aと、一方向とは逆方向の回転に伴って係合する第二段差部24bとを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、ツールを配管内部に挿入するための管内挿入具に関する。
このような管内挿入具としては、ツールを外囲するように金属製の帯板材を螺旋状に成形したコイル状のものが知られている(特許文献1参照)。
このようにコイル状に成形された管内挿入具によれば、コイルの挿入側端部が配管内部の段差部に係合させて、管内段差部を乗り越えることができるので、配管の内部に段差部があっても、ツールを内奥側へ挿入可能な点で有用なものである。
特開2013−134154号公報(段落番号「0028」、「0029」、図4参照)
しかしながら、上記特許文献1に記載のものでは、一方向の螺旋によるコイル状部材で構成されている。このため、コイル状の管内挿入具を右回転、もしくは左回転させて、配管内を進行させることは可能であるが、回転方向によっては配管内部の管内段差部を乗り越えることができないという点で改善の余地がある。
つまり、管内挿入具を構成するコイル状部材は、右巻きもしくは左巻きの一方向の螺旋であるため、右回転、もしくは左回転のいずれか一方向の回転操作によってのみ管内段差部と係合し、その管内段差部を乗り越えることが可能であるが、逆方向の回転では空回りして管内段差部に係合せず、乗り越えることができない傾向がある。
本発明は、管内挿入具が備える先導体の正逆転によって左右何れの側にも方向転換可能に、かつ先導体の正逆何れの側への回転によっても管内段差部を乗り越えられるようにしようとするものである。
上記目的を達成するための管内挿入具は、配管内部に挿入可能な先導体と、可撓性を有して前記先導体の後方側に接続される長尺の回転操作部材とを備え、前記先導体は、前記回転操作部材の軸心回りでの回転に伴って回転可能な先端回転体を備え、前記先端回転体の外周側に、前記配管内部で径方向内方側に突出形成されている管内段差部に対して、前記先端回転体の回転に伴って係合可能な段差部が形成され、前記段差部は、前記先端回転体の一方向の回転に伴って係合する第一段差部と、前記一方向とは逆方向の回転に伴って係合する第二段差部とを備えていることを特徴とする。
上記特徴構成によれば、先端回転体の外周側に、先端回転体の回転に伴って管内段差部と係合可能な段差部が形成され、しかも、その段差部が、先導体の一方向の回転に伴って係合する第一段差部と、前記一方向とは逆方向の回転に伴って係合する第二段差部とを備えている。
したがって、配管内部で径方向内方側に突出する管内段差部が、先導体の一方向の回転、もしくは逆方向の回転の、何れの回転で接触する箇所に存在しても、第一段差部、又は第二段差部の何れかが管内段差部に係合し、先端回転体が乗り上がって管内段差部を通過する。
これにより、先端回転体の正逆転によって左右何れの側にも管内挿入具の方向転換が可能であるとともに、その先端回転体の正逆何れの側への回転によっても管内段差部を乗り越えられ易いという利点がある。
管内挿入具の更なる特徴構成は、前記先端回転体の前面側に前方へ突出する突起部が形成され、前記先端回転体の周方向における前記突起部の一端側に前記第一段差部、他端側に前記第二段差部が形成され、前記突起部は、前記先端回転体の回転角度で90度以下の範囲内に設けられている点にある。
上記特徴構成によれば、段差部が先端回転体の回転角度で90度以下の範囲内に設けられているので、段差部がこの範囲よりも広い範囲に設けられた場合に比べて、管内段差部に対する段差部の係合が行われ易いものである。
管内挿入具の更なる特徴構成は、前記先導体は、最前端部に位置する前記先端回転体とともに、その先端回転体よりも後方側に位置する軸支部材を備え、前記回転操作部材は、前記軸支部材に相対回転自在に軸支されるとともに、その前端部が前記先端回転体に接続され、前記軸支部材には、前記回転操作部材に外嵌する筒状体が接続されている点にある。
上記特徴構成によれば、先導体は、最前端部に位置する先端回転体と、その先端回転体よりも後方側に位置する軸支部材とを備えていて、回転操作部材の前端部に接続された先端回転体が、軸支部材によって相対回転自在に軸支されている。このため、回転操作部材によって回転操作される対象は先端回転体のみで済み、軸支部材や、軸支部材を支持する筒状体までをも回転操作する必要がない。これにより、先端回転体の回転操作を軽快に行い易い。
管内挿入具の更なる特徴構成は、前記筒状体は、線材を螺旋状に巻回して筒状に形成された螺旋体で構成され、前記先導体の後方側に相当する前記筒状体の内部にツール収容部を備えている点にある。
上記特徴構成によれば、軸支部材を支持する筒状体を用いてツール収容部を形成することができ、構造の簡素化を図り得るとともに、筒状体を螺旋体で構成することにより、比較的強度も高く、可撓性に優れた構造のものを得ることができる。
管内挿入具の更なる特徴構成は、前記先端回転体における前記段差部を除く箇所の前面よりも前方側への前記段差部の突出量は、前記螺旋体を形成する前記線材同士の螺旋ピッチ間における隙間と同程度に設定されている点にある。
上記特徴構成によれば、螺旋体の筒状体としての形状維持と、可撓性とを、バランス良く機能させるために設定されている螺旋ピッチ間における隙間と同程度に段差部の突出量が定められているので、その段差部によって管内段差部に対する係合を支障なく行い易いものでありながら、この段差部の存在が、先端回転体の回転に際しての大きな操作抵抗とはならずに済む。
管内挿入具の更なる特徴構成は、前記回転操作部材は、内部にツール収容部を備えた筒状操作体によって構成され、先導体は前記筒状操作体に接続されて、筒状操作体とともに回転操作可能に構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、回転操作部材は、内部にツール収容部を備えた筒状操作体によって構成され、先導体は筒状操作体に接続されて、筒状操作体とともに回転操作可能に構成されているので、先導体として前方見通しの良い構造を採用し易く、その構造も簡素に構成し易い。
管内挿入具を示す全体側面図である。 先導体の先端回転体を示す正面図である。 図2におけるIII-III線断面図である。 先端回転体を示す斜視図である。 先導体の軸支部材を示す側面図である。 管内挿入具を挿入した状態における配管の断面図である。 配管内における管内挿入具の動作原理を示す説明図である。 別実施形態における側面視での管内挿入具にツールを取り付けた部位を示す断面図である。 別実施形態における管内挿入具の先導体を示す正面図である。
以下、本発明に係る管内挿入具の実施形態の一例を図面の記載に基づいて説明する。
図1は管内挿入具1の全体を示す側面図である。図2乃至図5は先導体2を示し、図2は先導体2における先端回転体20の正面図、図3は先端回転体20の断面図、図4は先端回転体20を示す斜視図、図5は先導体2における軸支部材25を示す側面図である。
〔全体構成〕
管内挿入具1は、ガス管等の配管内部に挿入可能であるように、配管よりも少し小径に構成された先導体2と、可撓性を有して先導体2の後方側に接続される長尺の軸状操作体3(回転操作部材に相当する)とを備えている。軸状操作体3の外側は、線材を螺旋状に巻回して筒状に形成された螺旋体4(筒状体に相当する)で覆われている。
螺旋体4を構成する線材は扁平板状のバネ鋼材であり、この線材を螺旋状に巻回することによって筒状に形成される。すなわち、螺旋体4は、コイル状に形成されていて、フレキシブルで弾性変形により任意の方向に屈曲可能である。線材の表面には必要に応じて潤滑メッキが施される。
螺旋体4の前部分は、その他の部分よりも線材の巻き径が大きい大径部40であり、この大径部40内の空間にツール(図示せず)が収容される。螺旋体4のうち、大径部40の後側に引き続く箇所では、線材の巻き径が徐々に小さくなるテーパー部41を介して、線材の巻き径が小さい小径部42が形成される。
螺旋体4の大径部40内の空間に収容されるツールとしては、検査用カメラや、配管の配置角度や位置を計測するためのジャイロスコープ、あるいは配管の肉厚を測定するための超音波探触子などの各種センサ、などが用いられる。尚、ツール用の配線43やツール操作用の線状体44は、テーパー部41及び小径部42に収容される(図8参照)。
大径部40は、その前側部分が線材を螺旋体4の長手方向で隙間s1を空けつつ螺旋状に構成したコイル状とされるとともに、後側部分が線材を螺旋体4の長手方向で隙間なく螺旋状に形成したコイル状とされている。尚、大径部40の前側部分における線材の螺旋ピッチp1は、大径部40に求められる湾曲性能に応じて、適宜設定することができる。小径部42は、線材を螺旋体4の長手方向で隙間なく螺旋状に構成したコイル状とされる。
〔先導体〕
管内挿入具1の前端に配備される先導体2について説明する。
図1乃至図5に示すように、先導体2は、最前端部に位置する先端回転体20と、その先端回転体20よりも後方側に位置する軸支部材25とを備えている。これらの先端回転体20及び軸状操作体3は合成樹脂製材料の成形品で構成されている。
先端回転体20には金属製ワイヤーで構成された軸状操作体3が連結されていて、その軸状操作体3の回転操作によって、先端回転体20が軸状操作体3の軸心p0回りで回転操作される。
軸状操作体3は、先端回転体20の後方側に位置する軸支部材25を貫通し、その前端部が先端回転体20に連結されている。そして、軸支部材25を貫通した軸状操作体3は、軸支部材25によって相対回転自在に支持されている。
したがって、軸状操作体3の前端部に接続された先端回転体20は、軸状操作体3を介して、その軸状操作体3の軸心p0と同一の軸心回りで、軸支部材25に対して相対回転自在に構成されている。
具体的には、図2乃至図4に示すように、先端回転体20は、円板状の回転板部21と、その回転板部21の後方側に延出されたボス部22とを備えている。ボス部22の中心位置の後方側に、連結孔22aが形成されるとともに、ボス部22の側方から連結孔22aと連通するビス孔22bが形成されている。
軸状操作体3の前端部を前記連結孔22aに挿入して、ビス孔22bから止めビス22cをねじ込むことにより、軸状操作体3を先端回転体20に対して一体回転するように連結することができる。
先端回転体20の回転板部21には、その回転板部21の外周部付近において、回転板部21の前面21Aよりも前方側へ向けて突出する突起部23が形成されている。
この突起部23は、回転板部21の周方向での両側に段差部24を備えたものである。段差部24のうち、周方向の一方側に存在する第一段差部24aと周方向の他方側に存在する第二段差部24bとは、回転板部21の回転角度で90度以下の範囲内に設けられるのが望ましく、この実施形態では、30度程度の範囲内に第一段差部24aと第二段差部24bとが設けられている。
上記の第一段差部24a、及び第二段差部24bは、回転板部21の前面21Aに対して、ほぼ90度の角度で交差する立ち上がり壁面を形成するように起立している。
また、段差部24を形成した突起部23は、この突起部23が存在する範囲を除く箇所の回転板部21の前面21Aから前方側への突出量d1が、前記螺旋体4を形成する線材同士の螺旋ピッチp1間における隙間s1と同程度に設定されている。
このように設定された突起部23の突出量d1は、先端回転体20の回転に際しての大きな操作抵抗とはならず、かつ、図6に示すように、先端回転体20が配管内に存在する管内段差部を乗り越える際に、突起部23の段差部24が、配管内の小径側の配管部分に係合し易くするために適切な突出量である。
先端回転体20よりも後方側に配置される軸支部材25は、図5に示すように構成されている。
つまり、全体形状としては短い円柱状で、その中央部に貫通孔26を備えている。この貫通孔26に軸状操作体3が挿通されて相対回転自在に支持される。
外周側には、螺旋体4の大径部40の前端部における線材が螺合可能な螺旋溝27が形成されている。この螺旋溝27に螺旋体4の前端部が接続されることにより、軸支部材25は螺旋体4によって位置固定された状態となり、軸状操作体3に連結される先端回転体20を相対回転自在に支持する機能を有する。
〔管内挿入具の使用方法〕
このように構成された管内挿入具1は次のようにして使用する。
まず、管内挿入具1の軸状操作体3と、その外側に外嵌させた螺旋体4の大径部40との間に、ツール(図示せず)を装備させる。
その後、軸状操作体3を、先導体2の軸支部材25の貫通孔26を通して前方の先端回転体20の連結孔22aに差し込んで連結する。螺旋体4の前端部は先導体2の軸支部材25の外周部に形成された螺旋溝27に螺合させ、軸支部材25と螺旋体4とを連結する。
図6に示す配管5のうちの、直管50の上方の端部開口50aから管内挿入具1の先導体2及び螺旋体4の大径部40を挿入し、さらに後続の螺旋体4の小径部42等を持って押し込むことにより、管内挿入具1の前部を第一エルボ管51の存在箇所に侵入させる。
管内挿入具1をさらに押し込んで、螺旋体4の前側部分を第一エルボ管51の内面に沿って湾曲させつつ挿入する。その際、前側部分の線材を長手方向に隙間s1を空けて螺旋状に形成構成しているので、その隙間s1に曲げ変形を吸収させることができる。しかも軸支部材25を介在させて軸状操作体3と螺旋体4との間に空間を確保しているので、空間内部のツールが螺旋体4の湾曲を阻害することはない。
管内挿入具1をさらに押し込むと、図6に示すように、先導体2の先端回転体20が、第一エルボ管51の終端側に内嵌する第二エルボ管52の端部による段差部分52a(管内段差部に相当する)に引っかかる。この状態から、軸状操作体3を回転操作して、先端回転体20を回転させながら管内挿入具1を押し込むと、先端回転体20の突起部23に存在する段差部24が、第二エルボ管52の端部の段差部分52aと係合して、先端回転体20が第二エルボ管52による段差部分52aを乗り越えるように回転する。
このようにして、先端回転体20が第二エルボ管52の端部の段差部分52aを乗り越えた状態で管内挿入具1をさらに押し込むことにより、管内挿入具1をさらに管奥側へ侵入させて、第二エルボ管52の他端に接続される管などによる、次の管内段差部の存在箇所へ向かわせることができ、上記と同様の手順で、その後の管内段差部を乗り越えることができる。
次に、管内挿入具1をT字管6に挿入して使用する場合の動作形態を説明する。
図7はT字管6内に管内挿入具1を挿入して操作した場合の動作原理を示している。
図中、左側に記載したT字管6内では、T字管6内に管内挿入具1を挿入して、先導体2がT字管6の分岐箇所に到達した時点で、軸状操作体3を右回転させた状態を示している。
また、図中右側に記載したT字管6内では、T字管6内に管内挿入具1を挿入して、先導体2がT字管6の分岐箇所に到達した時点で、軸状操作体3を左回転させた状態を示している。
上記の左側に記載のT字管6内では、縦管60内を進行する軸状操作体3は、右回りに回転されている。ところが、その回転操作力が作用することで、可撓性を有した軸状操作体3には、回転方向とは逆に左方向へ寄せる方向の作用力F1が働き、軸状操作体3は縦管60の左側管壁面に沿って移動する。
しかし、軸状操作体3の前端側に位置する先導体2は、軸状操作体3を縦管60の中心部に近い箇所に位置するように保持した状態で進行するので、先導体2に近い位置では、軸状操作体3に対して、縦管60の左側管壁面から離す方向への作用力F2が働く。このため、先導体2が縦管60と横管61との交差箇所に達した時点では、図中に示すように軸状操作体3は、縦管60の左側管壁面に近い位置から縦管60の中心部に近い箇所に離れて斜め右方向に向かう傾斜した姿勢となっている。
さらに、先導体2が縦管60の延長方向に沿って横管61を横断する方向に進行すると、右回転する先導体2の先端回転体20が横管61の長手方向に沿って転がり、さらに軸状操作体3を右方向に傾ける作用力F3が働くことになる。
このようにして、軸状操作体3を右回転させた管内挿入具1は、T字管6の分岐箇所では右方向に向きを変更する。
上記の右側に記載のT字管6内では、縦管60内を進行する軸状操作体3は、左回りに回転されている。ところが、その回転操作力が作用することで、可撓性を有した軸状操作体3には、回転方向とは逆に右方向へ寄せる方向の作用力F1が働き、軸状操作体3は縦管60の右側管壁面に沿って移動する。
しかし、軸状操作体3の前端側に位置する先導体2は、軸状操作体3を縦管60の中心部に近い箇所に位置するように保持した状態で進行するので、先導体2に近い位置では、軸状操作体3に対して、縦管60の右側管壁面から離す方向への作用力F2が働く。このため、先導体2が縦管60と横管61との交差箇所に達した時点では、図中に示すように軸状操作体3は、縦管60の右側管壁面に近い位置から縦管60の中心部に近い箇所に離れて斜め左方向に向かう傾斜した姿勢となっている。
さらに、先導体2が縦管60の延長方向に沿って横管61を横断する方向に進行すると、左回転する先導体2の先端回転体20が横管61の長手方向に沿って転がり、さらに軸状操作体3を左方向に傾ける作用力F3が働くことになる。
このようにして、軸状操作体3を左回転させた管内挿入具1は、T字管6の分岐箇所では左方向に向きを変更する。
T字管6の分岐箇所で方向転換した後に、横管61内に図示しない段差部分(管内段差部に相当する)が存在する箇所では、上述した第二エルボ管52における段差部分52aを乗り越える場合と同様にして乗り越えることができる。つまり、軸状操作体3が、右回転される場合にも、左回転される場合にも、先導体2の先端回転体20には、左右何れの回転方向でも管内段差部に係合する段差部24が備えられているので、支障なく管内段差部を乗り越えることができる。
〔別実施形態の1〕
上記の実施形態では、段差部24を備えた突起部23として、先端回転体20の回転板部21の前面21Aよりも前方側へ向けて突出する単一の突起部23を設けた構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
例えば、回転板部21の前面21Aよりも前方側へ向けて複数個の突起部23が突出した形状のものであっても良く、その突起部23の個数に特に制限はない。突起部23が複数個である場合にも、その突起部23の形成される範囲は、先端回転体20における回転板部21の回転角度で90度以下の範囲内に設けられるのが望ましい。
また、実施形態では、先端回転体20の前面21Aに沿う方向での突起部23の断面形状を矩形に近い形状に形成したが、この構造に限られるものではなく、多角形状や、円柱状などの適宜湾曲した断面形状のものであってもよい。
さらに、前記回転板部21の前面21Aに形成される突起部23は、回転板部21の外周縁を含む範囲に形成されたものに限らず、外周縁よりも少し半径方向での中央側寄りに形成されたものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の2〕
上記の実施形態では、段差部24を備えた突起部23として、先端回転体20の回転板部21の前面21Aよりも前方側へ向けて突出した構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
例えば、図示はしないが、回転板部21の外周側に、半径方向内方側へ凹入する形状の切り欠き部を形成して、その切り欠き部によって段差部24を形成してもよい。この場合、回転板部21の周方向で切り欠き部の一方側の端部が第一段差部24aを構成し、これに周方向で対向する他方の端部が第二段差部24bを構成する。
そして、切り欠き部の一方側の端部に形成される第一段差部24aも、他方側の端部に形成される第二段差部24bも、回転板部21の周面にほぼ直交する法線方向の壁面を備えた構造として、管内段差部に対する係合が行われ易いようにするのが望ましい。
この構造においても、前記第一段差部24aと第二段差部24bが形成される範囲は、回転板部21の回転角度で90度以下の範囲内であるのが望ましい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の3〕
上記の実施形態では、先端回転体20に接続される軸状操作体3の外側が、線材を螺旋状に巻回して筒状に形成された螺旋体4などの筒状体で覆われている構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
例えば、図示はしないが、ツール収容のための構造を別途先導体2に付設するなどして、螺旋体4などの筒状体を用いずに、軸状操作体3が露出した構造としたものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の4〕
上記の実施形態では、先導体2として、回転操作される先端回転体20と、回転操作されない軸支部材25とを用いて、先端回転体20のみを回転操作する構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
例えば、図8及び図9に示すように、先導体2を回転操作する回転操作部材として、軸状操作体3ではなく、前述した螺旋体4と同様に、バネ鋼材からなる線材を螺旋状に巻回することによって筒状に形成された筒状操作体30を用いたものであってもよい。
この場合、先導体2も、先端回転体20と軸支部材25とに分離されたものではなく、これらが一体化された構造、つまり、図9に示すように、リング状の先端回転体28の外周側に、螺旋状の筒状操作体30の前部が螺合する螺旋溝27を形成してあり、先端回転体28の前面側に、回転方向の両側に段差部24を有した突起部23が形成されている。
この構造では、先端回転体28が筒状操作体30に固定されるので、これらの先端回転体28と筒状操作体30との全体を回転させて、先導体2である先端回転体28の進行方向を定め、かつ全体を回転させて管内段差部を乗り越える必要がある。
この構造によれば、先端回転体28がリング状に形成され、前方側が開放されているので、内装ツール7として、前方側を撮影するカメラや、前方側へ突出させるガスバッグなどの装備を採用し易い。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の5〕
上記の実施形態では、回転操作部材としての軸状操作体3の外側に、螺旋体4で構成された筒状体を設けた構造のものを例示したが、この構造に限定されるものではない。例えば、筒状体として、螺旋体4以外の、可撓性を有した合成樹脂製の筒状部材等を用いても良いし、全く筒状体を用いないものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の6〕
上記の実施形態では、先端回転体20及び軸状操作体3を合成樹脂製材料の成形品で構成した構造のものを例示したが、この構造に限定されるものではない。例えば金属製材料によって先端回転体20や軸状操作体3を構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の7〕
上記の実施形態では、軸支部材25として、中央部に軸状操作体3が挿通される貫通孔26を備え、外周側に螺旋溝27を備えて、短い円柱状に形成された構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
例えば、図示はしないが、軸状操作体3が挿通される貫通孔26を中央位置のハブ部分に備え、そのハブ部分と軸支部材25の外周面を構成するリング部分との間に、前後方向に連通する空間部を備えた構造としてもよい。このようにすれば、その前後方向に連通する空間を通して何らかのツール関連部材を配備したり、前方の視認を可能にすることができる。
また、軸支部材25と筒状体との連結は、螺旋溝27と螺旋体4との連結に限らず、適宜の連結手段を採用することが可能である。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
尚、上記実施形態(別実施形態を含む)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明にかかる管内挿入具は、ガス管に限らず、電線用配管、空調用配管、等の内部が空洞である状態の配管内へ挿入するための管内挿入具として利用可能である。
2 先導体
3 回転操作部材
4 螺旋体
20 先端回転体
23 突起部
24 段差部
24a 第一段差部
24b 第二段差部
25 軸支部材
30 筒状操作体
d1 突出量
p1 螺旋ピッチ
s1 隙間

Claims (6)

  1. 配管内部に挿入可能な先導体と、
    可撓性を有して前記先導体の後方側に接続される長尺の回転操作部材とを備え、
    前記先導体は、前記回転操作部材の軸心回りでの回転に伴って回転可能な先端回転体を備え、
    前記先端回転体の外周側に、前記配管内部で径方向内方側に突出形成されている管内段差部に対して、前記先端回転体の回転に伴って係合可能な段差部が形成され、
    前記段差部は、前記先端回転体の一方向の回転に伴って係合する第一段差部と、前記一方向とは逆方向の回転に伴って係合する第二段差部とを備えている管内挿入具。
  2. 前記先端回転体の前面側に前方へ突出する突起部が形成され、前記先端回転体の周方向における前記突起部の一端側に前記第一段差部、他端側に前記第二段差部が形成され、前記突起部は、前記先端回転体の回転角度で90度以下の範囲内に設けられている請求項1記載の管内挿入具。
  3. 前記先導体は、最前端部に位置する前記先端回転体とともに、その先端回転体よりも後方側に位置する軸支部材を備え、
    前記回転操作部材は、前記軸支部材に相対回転自在に軸支されるとともに、その前端部が前記先端回転体に接続され、
    前記軸支部材には、前記回転操作部材に外嵌する筒状体が接続されている請求項1又は2記載の管内挿入具。
  4. 前記筒状体は、線材を螺旋状に巻回して筒状に形成された螺旋体で構成され、前記軸支部材の後方側に相当する前記筒状体の内部にツール収容部を備えている請求項3記載の管内挿入具。
  5. 前記先端回転体における前記段差部を除く箇所の前面よりも前方側への前記段差部の突出量は、前記螺旋体を形成する前記線材同士の螺旋ピッチ間における隙間と同程度に設定されている請求項4記載の管内挿入具。
  6. 前記回転操作部材は、内部にツール収容部を備えた筒状操作体によって構成され、
    前記先導体は前記筒状操作体に接続されて、前記筒状操作体とともに回転操作可能に構成されている請求項1又は2記載の管内挿入具。
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