JP2017155525A - 擁壁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】急傾斜面に設置された擁壁の前面側への転倒を防止する擁壁構造を提供する。
【解決手段】擁壁構造300は、つま先部124とかかと部122とを有する底板120と、底板120の上面から上方に起立する縦壁110と、を有し地盤に配置された擁壁10、および縦壁110の背面112側または底板120の下方の地盤中であって擁壁10の近傍に埋設された発泡樹脂体(上段発泡樹脂体20または下段発泡樹脂体22)を備え、かかと部122側よりも縦壁110側において上記発泡樹脂体の体積が大きくなるよう、所定の第一要件または第二要件の少なくともいずれか一方を備えるよう構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、擁壁構造に関し、より具体的には、擁壁とともに発泡樹脂体を適度な配置で埋設する擁壁構造に関する。
地盤における傾斜面、垂直面、または盛土面などが崩壊することを防止するためにこれらの面(以下、急傾斜面ともいう)に擁壁を配置して擁壁構造をなす場合がある。上記傾斜面または垂直面には自然状態のもの、および人工的に形成されたものが含まれる。
擁壁構造は、擁壁を急傾斜面に配置することによって、当該擁壁の自重、または底板の上方の土砂(土塊)の重量などを利用して土の圧力に抵抗し、急傾斜面の地盤を支える。汎用される擁壁としては、縦壁と底板とを有し断面略L字型または逆T字型等の構造である所謂、片持ばり式擁壁が知られる。片持ばり式擁壁は、上記縦壁の一方側の面(背面)にて土圧を受け止めて地盤を支持する。
擁壁は上述のとおり急傾斜面に配置されるため、擁壁構造を安定化させるために、図5に示すとおり、縦壁110と底板120を備える擁壁100の背面側であって底板120の上方の地盤の略全体を土圧吸収用発泡樹脂体650に置き換えた擁壁構造600が知られる。底板120は、略水平方向に延在し、縦壁110は、底板120から上方に起立して延在する。底板120の縦壁110側の端部はつま先部124であり、つま先部124と反対側の端部はかかと部122である。また縦壁110の裏込めされた土塊500側の面は、背面112、背面112と反対側の面が前面114である。
具体的には、たとえば特許文献1には、擁壁の背面側であって底板上方の略全体をレベリングして砕石を盛り上げて水平面を構成し、この水平面上に透水板と埋立用発泡体を積層載置する擁壁構造が提案されている。当該擁壁構造は、擁壁の底板上に形成された水平面に連続して複数階段状に複数の水平面が形成され、同様に透水板と埋立用発泡体とが積層載置されてなる。かかる擁壁構造によれば、盛土による土圧が、傾斜面で横方向の滑り荷重となり擁壁を背面側から押し出す方向に発生することを防止するとされている。
また特許文献2には、擁壁背面の基礎板(底板)上方に、擁壁の転倒及び滑りに対する安全性を確保できる範囲内で部分的に発泡プラスチックブロックが裏込めされた擁壁構造が開示されている。具体的には、擁壁背面の基礎板上方の略全体に発泡プラスチックブロックが裏込めされた態様(同文献図6)、または擁壁背面の基礎板上方において上下方向の上段に発泡プラスチックブロックが裏込めされるとともに下段に土塊が裏込めされた態様(同文献図7)が開示されている。同文献において、基礎板の上方に裏込めされた土塊は、転倒モーメントに対向する荷重として作用し、発泡プラスチックブロックは、土圧の低減に寄与して更なる転倒防止が図られると説明されている。
実開平02−97432号公報 特開2000−192464号公報
ところで、急傾斜面に配置された片持ばり式擁壁の安定化に関する課題の1つに擁壁の前面側への転倒防止がある。これに対し、特許文献1および特許文献2において提案される技術は、いずれも当該転倒防止の課題に関し充分な作用を発揮するものではなかった。即ち、急傾斜面に配置された片持ばり式擁壁は、地震等が発生し地盤せん断強度が低下した場合に前面側へ転倒する問題においてさらなる改善が求められていた。
本発明者らの研究によれば、片持ばり式擁壁は、その構造上の特徴に起因した転倒の原因があることがわかった。以下に、転倒の原因について図6を用いて説明する。図6は、急傾斜面に配置された擁壁100の縦断面図である。図6に示す擁壁100は、図5に示す擁壁100と同様に縦壁110と底板120とを有している。
一般的に、擁壁100は、鉄筋コンクリートなどで構成されており、擁壁100の単位体積当たりの重量は、土塊500の単位体積当たりの重量よりも重い。そのため底板120のかかと部122下方における基礎地盤520の所定位置Yに対しかかる荷重より、縦壁110の下方における基礎地盤520の所定地点Xに対する荷重の方が大きくなるという問題(以下、「縦壁の偏荷重問題」ともいう)があった。したがって、基礎地盤520において、第一所定位置Xの周辺領域S1は、所定位置Yの周辺領域S2よりも圧密化する傾向にあることがわかった。特に地震などが発生して基礎地盤520のせん断強度が低下した場合に、縦壁の偏荷重問題により、周辺領域S2と比較して周辺領域S1が顕著に圧密化する傾向にある。これによって擁壁100が不同沈下して仮想線で示す擁壁100’のごとく前面114側に転倒が生じる問題があった。尚、所定地点Xおよび所定地点Yは、底板120までの距離が略同等である。
また図5に示す、擁壁構造を安定化させるために背面側に埋立用発泡体(土圧吸収用発泡樹脂体650)を配置した従来技術の擁壁構造600は、底板120の上方の略全体が地盤を構成する土砂よりも重量の小さい土圧吸収用発泡樹脂体650で置き換えられる。これにより、底板120の下方において、縦壁110の下方における第一所定位置Xに対する荷重が、第二所定位置Yに対する荷重と比して相対的にさらに大きくなる。即ち、縦壁の偏荷重問題がさらに顕著になる虞がある。この場合、周辺領域S1の圧密化の傾向がさらに顕著になり、図6に示す擁壁10と同様の転倒がより生じ易い虞がある。
本発明は上述する縦壁の偏荷重問題に起因する擁壁の転倒問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、急傾斜面に設置された擁壁の前面側への転倒を防止する擁壁構造を提供するものである。
本発明の擁壁構造は、つま先部とかかと部とを有する底板と、上記底板の上面から上方に起立する縦壁と、を有し地盤に配置された擁壁、および上記縦壁の背面側または上記底板の下方の地盤中であって上記擁壁の近傍に埋設された発泡樹脂体を備え、以下の第一要件または第二要件の少なくともいずれか一方を備えることを特徴とする。
上記第一要件は、上記底板に対する上記縦壁の上記背面側の付け根部から上記かかと部までを二等分する第一中間点を基準として、上記付け根部と上記第一中間点との間であって上記底板の上方の地盤に位置する上記発泡樹脂体の体積が、上記第一中間点と上記かかと部との間であって上記上方の地盤に位置する上記発泡樹脂体の体積を上回る。
上記第二要件は、上記つま先部から上記かかと部までを二等分する第二中間点を基準として、上記つま先部と上記第二中間点との間であって上記底板の下方の地盤に位置する上記発泡樹脂体の体積が、上記第二中間点と上記かかと部との間であって上記下方の地盤に位置する上記発泡樹脂体の体積を上回る。
本発明の擁壁構造は、上述する特徴を有することにより、擁壁に対し、かかと部側よりも縦壁側寄りに多くの発泡樹脂体が配置されている。そのため、縦壁下方の地盤の所定領域にかかる荷重が、かかと部下方の地盤の所定領域にかかる荷重より顕著に大きくなることを抑制する。即ち、縦壁の偏荷重問題の発生が緩和される。この結果、本発明の擁壁構造によれば、従来に比べて縦壁の下方の地盤の圧密化の傾向が軽減され、擁壁が前面側に転倒することが防止される。
本発明の第一実施形態にかかる擁壁構造の一例を示す縦断面模式図である。 本発明の第二実施形態にかかる擁壁構造の一例を示す縦断面模式図である。 本発明の第三実施形態にかかる擁壁構造の一例を示す縦断面模式図である。 本発明の第四実施形態にかかる擁壁構造の一例を示す縦断面模式図である。 従来の擁壁構造を示す縦断面模式図である。 従来の擁壁の転倒の課題を説明する説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、1つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。図示する本発明の実施形態は、理解容易のために、特定の部材を全体において比較的大きく図示する場合、または小さく図示する場合などがあるが、いずれも本発明の各構成の寸法比率を何ら限定するものではない。
本発明または本明細書の記載に関し、特段の断りなく上下という場合には、任意の地点から天方向を上方とし、上記天方向に対し相対的に下向きの方向を下方という。一方、本明細書において左右方向は、本発明の構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定するものであり、本発明を実施する製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
本発明に関し地盤という場合には、特に断りのない場合には、擁壁の背面側に裏込めされた土塊および擁壁が設置された基礎地盤を包含する。また本明細書において擁壁の縦断面とは、縦壁の背面と前面を左右方向に見たときに、当該左右方向に対し平行方向かつ縦方向に切断したときの切断面である。
以下に本発明の擁壁構造について説明する。本発明の擁壁構造は、つま先部とかかと部とを有する底板と、底板の上面から上方に起立する縦壁と、を有し地盤に配置された擁壁、および縦壁の背面側または底板の下方の地盤中であって擁壁の近傍に埋設された発泡樹脂体を備える構造を有する。擁壁の近傍に発泡樹脂板を埋設することで、上述する縦壁の偏荷重問題を緩和し、もって擁壁の前面側への転倒を防止する趣旨である。
具体的には、本発明の擁壁構造は、上記構成に加え、以下の第一要件または第二要件の少なくともいずれか一方を備えることを特徴とする。
第一要件は、底板に対する縦壁の背面側の付け根部(付け根部126、図1参照)からかかと部までを二等分する第一中間点(第一中間点M1、図1参照)を基準として、付け根部と第一中間点との間であって底板の上方の地盤に位置する発泡樹脂体の体積が、第一中間点とかかと部との間であって上記上方の地盤に位置する上記発泡樹脂体の体積を上回る。
第二要件は、つま先部からかかと部までを二等分する第二中間点(第二中間点M2、図2参照)を基準として、つま先部と第二中間点との間であって底板の下方の地盤に位置する発泡樹脂体の体積が、第二中間点とかかと部との間であって上記下方の地盤に位置する発泡樹脂体の体積を上回る。
第一要件における「付け根部と第一中間点との間」とは、同要件における「第一中間点とかかと部との間」よりも相対的に縦壁寄りの領域を意味する。また第二要件における「つま先部と第二中間点との間」とは、同要件における「第二中間点とかかと部との間」よりも相対的に縦壁寄りの領域を意味する。即ち、第一要件および第二要件は、いずれもかかと部寄りの領域よりも縦壁寄りの領域において発泡樹脂体が多く埋設されることで、縦壁の下方の地盤にかかる荷重を軽減し、もって縦壁の偏荷重問題を緩和する。これによって、本発明の擁壁構造は、図6に示すような前面114側への擁壁10の転倒を防止する。
<第一実施形態>
以下に、本発明の擁壁構造の第一実施形態について図1を用いて説明する。図1は、本発明の第一実施形態にかかる擁壁構造300の一例を示す縦断面模式図である。第一実施形態の擁壁構造300は、第一要件のみを備える態様の一例である。
はじめに、本実施形態の擁壁構造300の概要について説明する。
図1に示す通り、擁壁構造300は、擁壁10と、発泡樹脂体である上段発泡樹脂体20とを有する。擁壁10は、つま先部124とかかと部122とを有する底板120と、底板120の上面から上方に起立する縦壁110と、を有し地盤(土塊500および基礎地盤520)に配置されている。
上段発泡樹脂体20は、縦壁110の背面112側の地盤である土塊500中であって擁壁10の近傍に埋設された発泡樹脂体である。擁壁構造300は、上述する第一要件を備える。
即ち、本実施形態における第一要件は、底板120に対する縦壁110の背面112側の付け根である付け根部126からかかと部122までを二等分する第一中間点M1を基準として、付け根部126と第一中間点M1との間であって底板120の上方の地盤である土塊500に位置する上段発泡樹脂体20の体積が、第一中間点M1とかかと部122との間であって上述する上方の地盤である土塊500に位置する上段発泡樹脂体20の体積を上回る。換言すると、擁壁10の背面112側において土塊500と置き換えられて埋設された上段発泡樹脂体20は、かかと部122寄りの領域よりも縦壁110寄りの領域で多い。
上記第一要件を備える擁壁構造300によれば、かかと部122寄りに比べて、縦壁110寄りで、重量の軽い発泡樹脂体が、土塊500と多く置き換えられていることから、縦壁110の下方領域の地盤にかかる荷重が軽減されている。一方、かかと部122の下方領域の地盤には、相対的により多くの土塊500の重量がかかる。そのため、擁壁構造300では、上段発泡樹脂体20で置き換える前の状態(図6参照)に比べて、縦壁110の偏荷重問題が緩和されている。これによって液状化等が発生した場合にも、かかと部122の下方の地盤に比べて縦壁110の下方の地盤が顕著に圧密化することを抑制し、もって擁壁10が前面114側に転倒することが防止される。
また、本実施形態にかかる擁壁構造300は、擁壁10を配置する際に、背面112側に土塊500を裏込めする工程において上段発泡樹脂体20を設置することができるため、発泡樹脂体の埋設のために別途掘削工程などを必要とせず、施工が容易である。
次に、本実施形態の擁壁構造300の構成について詳細に説明する。
擁壁10は、底板120と縦壁110を備える、所謂片持ちばり式の擁壁である。本実施形態では、L字型の擁壁10を図示しているが、たとえば逆T字型、逆L字型などのタイプであってもよい。擁壁10は、コンクリート製または鉄筋コンクリート製であることが一般的であり、いずれにしても土塊500を構成する土砂よりも単位体積当たりの重量が大きい。
擁壁10の寸法は特に限定されないが、縦壁110の高さは、一般的には0.5m以上、10m以下の範囲であり、2m以上4m以下の範囲であるものが、汎用性が高い。
本実施形態において、擁壁10が地盤に配置されるとは、基礎地盤520に底板120が配置されるとともに、背面112側において底板120の上面を覆って土塊500が裏込めされることを意味する。適宜、基礎地盤520を掘り下げて掘削した空間に底板120を配置し、根入れ深さを稼いでもよい。本実施形態では、地盤面GLを適度に掘削してなる凹部に底板120が配置されており、底板120の上面は地盤面GLよりも下方に位置している。
上段発泡樹脂体20として用いられる発泡樹脂体は、比較的軽量で、必要な圧縮強度を有するものであればよく、例えば、ポリスチレン系樹脂発泡体、ポリエチレン系樹脂発泡体、ポリプロピレン系樹脂発泡体、ポリウレタン系樹脂発泡体、ポリ塩化ビニル系樹脂発泡体、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体、ポリカーボネート系樹脂発泡体、ポリアミド系樹脂発泡体、ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡体、或いは上述した樹脂の2以上の混合物等がある。特に、ポリスチレン系樹脂発泡体、ポリエチレン系樹脂発泡体、及びポリプロピレン系樹脂発泡体並びにこれらの組み合わせは、軽量性及び強度等の点から好ましい上、土圧の吸収にも優れる。
上段発泡樹脂体20の形状は、第一要件を満たす範囲において適宜設計することができる。たとえば、所定形状に一体形成された発泡樹脂体でもよいし、所定形状の発泡樹脂ブロックを組み合わせて上段発泡樹脂体20をなしてもよい。本実施形態では、所定厚みであって縦長さが略均一であるとともに横長さの異なる四辺形の平板状発泡樹脂ブロックを複数用いて上段発泡樹脂体20を構成している。具体的には、当該平板状発泡樹脂ブロックは、横長さ方向を底板120の延在方向(即ち、かかと部122とつま先部124との方向)と略平行にするとともに、一方の端部を背面112に沿って位置合わせして配置している。かかる配置において、横長さの短いものから順に底板120上に複数の平板状発泡樹脂体を積層していくことで、図1に示すように、逆階段状の上段発泡樹脂体20が構成される。たとえば、上段発泡樹脂体20の最上部に位置する発泡樹脂ブロック20aの横長さは、発泡樹脂ブロック20aの下段に配置された発泡樹脂ブロック20bの横長さよりも大きい。かかる構成では、底板120上において、縦壁110側から、かかと部122側に向けて、連続的に土塊500の量が増大するとともに、縦壁110寄りの土塊の多くは、上段発泡樹脂体20に置き換えられている。そのため、上段発泡樹脂体20を埋設しない場合に比べて、相対的に、縦壁110の下方の地盤にかかる荷重が軽減されており、縦壁110の偏荷重問題が緩和されている。
本実施形態にかかる擁壁構造300は、発泡樹脂体である上段発泡樹脂体20が、底板120の上面に、直接に連続して埋設されている。即ち、上段発泡樹脂体20の下面と底板120の上面とは当接している。これによって、上段発泡樹脂体20の地盤中での配置姿勢が安定する。
尚、本実施形態では、上段発泡樹脂体20を構成する複数の発泡樹脂ブロックの一方の端部は、背面112と当接せず、背面112の近傍にて上下方向に整列している。本実施形態の変形例として、上段発泡樹脂体20の背面112側の端部が、背面112と当接して配置されてもよい。これにより上段発泡樹脂体20の地盤中の配置姿勢をより安定させることができる。
本実施形態の擁壁構造300は、上述のとおり第一要件を満たしている。これとともに以下の特徴を有している。即ち、付け根部126から縦壁110の上端128までを二等分する第三中間点M3を基準として、上端128と第三中間点M3との間であって底板120より上方の地盤(土塊500)に位置する発泡樹脂体(上段発泡樹脂体20)の体積が、第三中間点M3と付け根部126との間であって底板120より上方の地盤(土塊500)に位置する発泡樹脂体(上段発泡樹脂体20)の体積より大きい。図1に示す縦断面において、上段発泡樹脂体20と土塊500の界面は、つま先部124側からかかと部122側に向けて上り傾斜している。換言すると、擁壁構造300の背面112側に裏込めされた土塊500は、縦壁110側よりもかかと部122側において多く、かつ上端128側よりも底板120側において多い。これにより、縦壁110の偏荷重の問題が緩和されるとともに、底面120上の重心が低くなるため、擁壁10の配置姿勢がより安定し、前面114側への転倒防止の効果に優れる。
ところで、従来の擁壁構造において、前面側への擁壁の転倒を防止するために、擁壁の底板に対し支持杭を設ける場合もあった。しかしながら支持杭の設置はコストが高いという問題があった。これに対し、本発明では、支持杭を設けることなく、または支持杭を設ける場合であっても、従来に比べ支持杭の本数や支持力を低減させて、コストを低減させつつ、擁壁の転倒を良好に防止することができる。本明細書において支持杭とは、軟弱地盤を貫通し、支持層まで到達することで擁壁を支える杭のことをいう。
<第二実施形態>
以下に、本発明の擁壁構造の第二実施形態について図2を用いて説明する。図2は、本発明の第二実施形態にかかる擁壁構造320の一例を示す縦断面模式図である。第二実施形態の擁壁構造320は、第二要件のみを備える態様の一例である。
はじめに、本実施形態の擁壁構造320の概要について説明する。
図2に示す通り、擁壁構造320は、擁壁10と、発泡樹脂体である下段発泡樹脂体22とを有する。擁壁10は、第一実施例における擁壁10と同様であるため、ここでは詳細な説明を割愛する。
下段発泡樹脂体22は、底板120の下方の地盤である基礎地盤520中であって擁壁10の近傍に埋設された発泡樹脂体である。擁壁構造320は、上述する第二要件を備える。
即ち、本実施形態における第二要件は、つま先部124からかかと部122までを二等分する第二中間点M2を基準として、つま先部124と第二中間点M2との間であって底板120の下方の地盤(基礎地盤520)に位置する発泡樹脂体(下段発泡樹脂体22)の体積が、第二中間点M2とかかと部122との間であって上記下方の地盤(基礎地盤520)に位置する発泡樹脂体(下段発泡樹脂体22)の体積を上回る。
本実施形態によれば、擁壁構造320は、第二要件を備えることにより、縦壁110の偏荷重の問題が緩和されるとともに、基礎地盤520に伝達する地震振動を下段発泡樹脂体22により吸収させて擁壁10の揺れを低減させることが可能である。
下段発泡樹脂体22に用いられる発泡樹脂体は、第一実施形態において説明した上段発泡樹脂体20と同様のものを用いることができるが、下段発泡樹脂体22は、擁壁10の下方に埋設されることから、適度に圧縮強度が高いことが好ましい。その観点からは、下段発泡樹脂体22の圧縮強度の下限は好ましくは10kN/m2以上であり、より好ましくは30kN/m2以上であり、さらに好ましくは100kN/m2以上である。下段発泡樹脂体22は、圧縮強度が10kN/m2以上であることによって、擁壁10の荷重によって圧縮することが防止され得る。
下段発泡樹脂体22の圧縮強度の上限は、特に限定されないが、好ましくは200kN/m2以下であり、より好ましくは150kN/m2以下である。下段発泡樹脂体22は、上記上限範囲の圧縮強度であることによって、地震振動等の吸収が良好に発揮されるとともに、経済的不利益が実質的に生じないからである。
上記圧縮強度は、JIS K 7220:2006に示される計測方法に準じて計測することができる。具体的には、縦寸法約50mm×横寸法約50mm×厚さ約50mmの試験片を作成し、該試験片を載荷速度10mm/分で圧縮せしめ5%圧縮ひずみ時の圧縮応力を測定することができる。
本実施形態における下段発泡樹脂体22は、所定の形状(具体的には直方体)にて一体的に形成した1つの発泡樹脂ブロックよりなる。直方体である下段発泡樹脂体22は、底板120の下方であって、縦壁110の下方領域を含む位置に配置されている。より具体的には、本実施形態では、前面114と、下段発泡樹脂体22の側面116とが上下方向に並列しており、一方、側面116と対向する側面118は、第二中間点M2を超えてかかと部122側(第二中間点M2とかかと部122との間)に位置している。擁壁構造320は、このように、縦壁110側に偏って下段発泡樹脂体22が埋設されることで、擁壁構造320の下方の地盤において、縦壁110の偏荷重問題を緩和している。
擁壁構造320において、下段発泡樹脂体22は、底板120の下面に、間接的に連続して埋設されている。即ち、下段発泡樹脂体22の上面と底板120の下面とは連結層24を介して連続している。そのため、擁壁10の荷重が連結層24を介してスムーズに下段発泡樹脂体22に伝達される。また下段発泡樹脂体22と擁壁10とが間接的に連続していることにより、地震等の発生時に、地盤の振動および擁壁10の振動を下段発泡樹脂体22が吸収しやすく、振動による擁壁10の転倒防止効果も良好に発揮され得る。
図示省略する本実施形態の変形例として、連続層24を省略し、下段発泡樹脂体22の上面に直接に底板120の下面が当接するよう擁壁10を配置して、下段発泡樹脂体22と底板120の下面とを直接に連続させて埋設してもよく、これによっても上述と同様の効果が発揮される。
連続層24は、たとえばコンクリート、砂利、砂、モルタルなどの材料で構成することができる。連続層24は上述する材料のいずれかからなる単層であってもよいし、2以上の材料を順に用いてなる多層であってもよい。たとえば上記材料としてコンクリートを選択した場合、基礎地盤520を掘削して形成した凹部に下段発泡樹脂体22を配置した後、下段発泡樹脂体22の上面にコンクリートを塗布し、塗布されたコンクリートが半乾燥状態のうちに擁壁10を配置することによって、連続層24を形成することができる。
<第三実施形態>
以下に、本発明の擁壁構造の第三実施形態について図3を用いて説明する。図3は、本発明の第三実施形態にかかる擁壁構造340の一例を示す縦断面模式図である。第三実施形態の擁壁構造340は、第一要件および第二要件のいずれも備える態様の一例である。
はじめに、本実施形態の擁壁構造340の概要について説明する。
図3に示す通り、擁壁構造340は、擁壁10と、発泡樹脂体である上段発泡樹脂体20および下段発泡樹脂体22とを有する。擁壁10は、逆T字型の片持ちばり擁壁であること以外は、第一実施形態に記載する擁壁10と同様の構成であるため、ここでは詳細の説明を割愛する。
上段発泡樹脂体20は、所定厚みであって縦長さが略均一であるとともに横長さの異なる四辺形の平板状発泡樹脂ブロックを複数用いている点で第一実施形態の擁壁構造300と同様である。一方、これら複数の平板状発泡樹脂ブロックを、横長さの長いものから順に底板120上に積層している点、および最下段の発泡樹脂ブロック20aと底板120の上面とが、連結層24を介して間接に連続している点で、第一実施形態における擁壁構造300と異なっている。最下段の発泡樹脂ブロック20aの上には、発泡樹脂ブロック20aより横長さの短い発泡樹脂ブロック20bが積層されている。本実施形態では、上段発泡樹脂ブロック20と土塊500との界面は、つま先部124側から、かかと部122側に向けて下り傾斜する階段状となっている。
尚、図示省略する本実施形態に擁壁構造として、図3に示す上段発泡樹脂体20に替えて、第一実施形態において示す上段発泡樹脂体20(図1参照)を用いてもよい。
一方、下段発泡樹脂体22は、第二実施形態において説明した下段発泡樹脂体22と同様であるため、ここでは詳細の説明を割愛する。擁壁構造340は、上述する第一要件および第二要件を備える。
即ち、本実施形態における第一要件は、底板120に対する縦壁110の背面112側の付け根部126からかかと部122までを二等分する第一中間点M1を基準として、付け根部126と第一中間点M1との間であって底板120の上方の地盤(土塊500)に位置する発泡樹脂体(上段発泡樹脂体20)の体積が、第一中間点M1とかかと部122との間であって上述する上方の地盤(土塊500)に位置する発泡樹脂体(上段発泡樹脂体20)の体積を上回る。
また本実施形態における第二要件は、つま先部124からかかと部122までを二等分する第二中間点M2を基準として、つま先部124と第二中間点M2との間であって底板120の下方の地盤(基礎地盤520)に位置する発泡樹脂体(下段発泡樹脂体22)の体積が、第二中間点M2とかかと部122との間であって上述する下方の地盤(基礎地盤520)に位置する発泡樹脂体(下段発泡樹脂体22)の体積を上回る。
本実施形態では、底板120の上下方向のいずれにおいても縦壁110の偏荷重の問題を緩和するための発泡樹脂体(上段発泡樹脂体20および下段発泡樹脂体22)が埋設されている。そのため、縦壁110の偏荷重問題が充分に緩和され、擁壁10の前面114側への転倒の問題が良好に防止される。また、背面112側において上段発泡樹脂体20が存在することから、土圧の吸収効果も発揮しうる。
より充分に縦壁110の偏荷重問題を緩和し、擁壁10の転倒を防止するためには、たとえば、本実施形態は以下のように構成されることがより好ましい。
即ち、擁壁構造340は、底板120の下方の地盤(基礎地盤520)において、つま先部124と第二中間点M2との間であって所定深度である第一所定位置Xの周辺領域である第一領域S1にかかる荷重が、第二中間点M2とかかと部122との間であって第一所定位置Xと同深度である第二所定位置Yの周辺領域である第二領域S2にかかる荷重以下となるよう調整されることが好ましい。当該調整は、第一中間点M1より縦壁110寄りに配置される上段発泡樹脂体20と、第一中間点M1よりかかと部側122寄りに配置される上段発泡樹脂体20の体積、および/または、第二中間点M2より縦壁110寄りに配置される下段発泡樹脂体22と、第二中間点M2よりかかと部側122寄りに配置される下段発泡樹脂体22の体積を調整することにより実施することができる。
このように、上方に縦壁110が存在する第一領域S1にかかる荷重が、上方にかかと部122が存在する第二領域S2にかかる荷重と同じか、または小さくなるよう擁壁構造340を構成することで、縦壁110の偏荷重問題を充分に緩和することができる。この結果、地盤の液状化現象などが発生した場合にも、第一領域S1が第二領域S2よりも顕著に圧密化することが防止され、擁壁10が前面114側に転倒することが良好に防止される。
ここで第一所定位置Xとは、基礎地盤520において、つま先部124と第二中間点M2との間であって所定深度において適宜決定することができる。たとえば、第一所定位置Xは、図3に示すように、基礎地盤520において、縦壁110の直下であって、下段発泡樹脂体20よりも下方において決定することができる。また、第二所定位置Yとは、基礎地盤520において、第二中間点M2とかかと部120との間であって第一所定位置Xと同等の深度において適宜決定することができる。たとえば、第二所定位置Yは、図3に示すように、かかと部122の直下であって、第一所定位置Xと同じ深さである。第一所定位置Xと第二所定位置Yとの深度が同等とは、適宜決定された基準となる位置から両者が同じ深度であることを意味し、より具体的には、例えば土塊500の地表を基準として第一所定位置Xおよび第二所定位置Yの深度が略同等である。
また第一領域S1とは、第一所定位置Xを中心として四方に広がりのある領域を意味し、第二領域S2とは、第二所定位置Yを中心として四方に広がりのある領域を意味し、第一領域S1と第二領域S2の広がりは同じ容積である。たとえば、図3に示すように第一領域S1と第二領域S2とは互いに重なりあわない程度に放射状の広がりを有する球状の領域である。第一領域S1および第二領域S2には、それぞれの領域の上方に位置する、擁壁10、上段発泡樹脂体20、下段発泡樹脂体22、土塊500、および基礎地盤520の荷重が付加される。
<第四実施形態>
以下に、本発明の擁壁構造の第四実施形態について図4を用いて説明する。図4は、本発明の第四実施形態にかかる擁壁構造360の一例を示す縦断面模式図である。第四実施形態の擁壁構造360は、第二要件を備える態様の一例である。
はじめに、本実施形態の擁壁構造360の概要について説明する。
図3に示す通り、擁壁構造360は、擁壁10と、発泡樹脂体である下段発泡樹脂体22を有する。擁壁10は、逆T字型の片持ちばり擁壁であること以外は、第一実施形態に記載する擁壁10と同様の構成であるため、ここでは詳細の説明を割愛する。
下段発泡樹脂体22は、底板120の下方の地盤である基礎地盤520中であって擁壁10の近傍に埋設された発泡樹脂体である。本実施形態における下段発泡樹脂体22の一方の端部は、上面視において、つま先部124よりも地盤側に突出していること以外は、第二実施形態において説明した下段発泡樹脂体22と同様の構成を有するため、ここでは詳細の説明を割愛する。擁壁構造360は、上述する第二要件を備える。
即ち、本実施形態における第二要件は、つま先部124からかかと部122までを二等分する第二中間点M2を基準として、つま先部124と第二中間点M2との間であって底板120の下方の地盤(基礎地盤520)に位置する下段発泡樹脂体22の体積が、第二中間点M2とかかと部122との間であって上記下方の地盤(基礎地盤520)に位置する下段発泡樹脂体22の体積を上回る。
本実施形態にかかる擁壁構造360は、下段発泡樹脂体22に加え、背面112側に土圧吸収用発泡樹脂体650を備える。
即ち、底板120の上方において、付け根部126と第一中間点M1との間の地盤(土塊500)に位置する体積が、第一中間点M1とかかと部122との間の地盤(土塊500)に位置する体積以下である土圧吸収用発泡樹脂体650を備える。
擁壁構造360では、背面112側に土圧吸収用発泡樹脂体650を備えることで、高い土圧吸収効果が発揮されるとともに、底板120の下方において、縦壁110の偏荷重問題を緩和可能な下段発泡樹脂体22を備えることで、前面114側への転倒が防止されるため、擁壁10の安定性に優れる。
また、本発明の課題において説明したとおり、土圧吸収用発泡樹脂体を備える従来の擁壁構造は、かかと部122上方の土塊500が軽量な部材である発泡樹脂体に置き換えられるため、縦壁110の偏荷重問題がより顕著になる虞があった。これに対し、本実施形態では、下段発泡樹脂体22を備えることで、縦壁110の偏荷重問題の顕著化の虞なく、高い土圧吸収効果を得ることができる。
土圧吸収用発泡樹脂体650は、擁壁10の背面112側において土塊500と置き換えられて埋設される発泡樹脂体であって、かかと部122側よりも縦壁110側において多く埋設されることで縦壁110の偏荷重問題を緩和する意図がなく、土圧を吸収することで擁壁構造を安定化させるために埋設された従来の埋立用発泡体である。
本実施形態における土圧吸収用発泡樹脂体650は、略同寸法であって四辺形の平板状発泡樹脂ブロック(発泡樹脂ブロック20c)を複数積層して形成されている。良好な土圧吸収効果を得るという観点からは、たとえば、背面112側であって底板120上方の土塊の体積の70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上が土圧吸収用発泡樹脂体650に置き換えられるとよい。土圧吸収用発泡樹脂体650は、上述する複数の破発泡樹脂ブロック20cを用いる替わりに所定形状に一体形成された発泡樹脂体を用いることもできる。
以上に本発明の第一実施形態から第四実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。たとえば、本発明の擁壁構造において、補助的に擁壁の底板に対し支持杭(図示省略)を設けることで、転倒の問題をより充分に解決することができる。この場合、当該支持杭は、底板の下面に対し略均等に配置してもよいが、特に縦壁の下方に選択的に設けられてもよい。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)つま先部とかかと部とを有する底板と、前記底板の上面から上方に起立する縦壁と、を有し地盤に配置された擁壁、および
前記縦壁の背面側または前記底板の下方の地盤中であって前記擁壁の近傍に埋設された発泡樹脂体を備え、
以下の第一要件または第二要件の少なくともいずれか一方を備えることを特徴とする擁壁構造、
前記第一要件は、前記底板に対する前記縦壁の前記背面側の付け根部から前記かかと部までを二等分する第一中間点を基準として、前記付け根部と前記第一中間点との間であって前記底板の上方の地盤に位置する前記発泡樹脂体の体積が、前記第一中間点と前記かかと部との間であって前記上方の地盤に位置する前記発泡樹脂体の体積を上回る、
前記第二要件は、前記つま先部から前記かかと部までを二等分する第二中間点を基準として、前記つま先部と前記第二中間点との間であって前記底板の下方の地盤に位置する前記発泡樹脂体の体積が、前記第二中間点と前記かかと部との間であって前記下方の地盤に位置する前記発泡樹脂体の体積を上回る。
(2)前記底板の下方の地盤において、
前記つま先部と前記第二中間点の間であって所定深度である第一所定位置の周辺の第一領域にかかる荷重は、
前記第二中間点と前記かかと部との間であって前記第一所定位置と同深度である第二所定位置の周辺の第二領域にかかる荷重以下である上記(1)に記載の擁壁構造。
(3)前記第二要件を満たすとともに、
前記底板の上方において、前記付け根部と前記第一中間点との間の地盤に位置する体積が、前記第一中間点と前記かかと部との間の地盤に位置する前記発泡樹脂体の体積以下である土圧吸収用発泡樹脂体を備える上記(1)または(2)に記載の擁壁構造。
(4)前記第一要件を満たすとともに、
前記付け根部から前記縦壁の上端までを二等分する第三中間点を基準として、前記上端と前記第三中間点との間であって前記底板より上方の地盤に位置する前記発泡樹脂体の体積が、前記第三中間点と前記付け根部との間であって前記底板より前記上方の地盤に位置する前記発泡樹脂体の体積より大きい上記(1)または(2)に記載の擁壁構造。
(5)前記発泡樹脂体が、前記底板の上面または下面に、直接または間接に連続して埋設されている上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の擁壁構造。
10、100・・・擁壁
20・・・上段発泡樹脂体
22・・・下段発泡樹脂体
20a、20b、20c・・・発泡樹脂ブロック
24・・・連結層
110・・・縦壁
112・・・背面
114・・・前面
116、118・・・側面
120・・・底板
122・・・かかと部
124・・・つま先部
126・・・付け根部
128・・・上端
300、320、340、360、600・・・擁壁構造
500・・・土塊
520・・・基礎地盤
650・・・土圧吸収用発泡樹脂体
M1・・・第一中間点
M2・・・第二中間点
M3・・・第三中間点
S1,S2・・・周辺領域
X・・・第一所定位置
Y・・・第二所定位置

Claims (5)

  1. つま先部とかかと部とを有する底板と、前記底板の上面から上方に起立する縦壁と、を有し地盤に配置された擁壁、および
    前記縦壁の背面側または前記底板の下方の地盤中であって前記擁壁の近傍に埋設された発泡樹脂体を備え、
    以下の第一要件または第二要件の少なくともいずれか一方を備えることを特徴とする擁壁構造、
    前記第一要件は、前記底板に対する前記縦壁の前記背面側の付け根部から前記かかと部までを二等分する第一中間点を基準として、前記付け根部と前記第一中間点との間であって前記底板の上方の地盤に位置する前記発泡樹脂体の体積が、前記第一中間点と前記かかと部との間であって前記上方の地盤に位置する前記発泡樹脂体の体積を上回る、
    前記第二要件は、前記つま先部から前記かかと部までを二等分する第二中間点を基準として、前記つま先部と前記第二中間点との間であって前記底板の下方の地盤に位置する前記発泡樹脂体の体積が、前記第二中間点と前記かかと部との間であって前記下方の地盤に位置する前記発泡樹脂体の体積を上回る。
  2. 前記底板の下方の地盤において、
    前記つま先部と前記第二中間点の間であって所定深度である第一所定位置の周辺の第一領域にかかる荷重は、
    前記第二中間点と前記かかと部との間であって前記第一所定位置と同深度である第二所定位置の周辺の第二領域にかかる荷重以下である請求項1に記載の擁壁構造。
  3. 前記第二要件を満たすとともに、
    前記底板の上方において、前記付け根部と前記第一中間点との間の地盤に位置する体積が、前記第一中間点と前記かかと部との間の地盤に位置する前記発泡樹脂体の体積以下である土圧吸収用発泡樹脂体を備える請求項1または2に記載の擁壁構造。
  4. 前記第一要件を満たすとともに、
    前記付け根部から前記縦壁の上端までを二等分する第三中間点を基準として、前記上端と前記第三中間点との間であって前記底板より上方の地盤に位置する前記発泡樹脂体の体積が、前記第三中間点と前記付け根部との間であって前記底板より前記上方の地盤に位置する前記発泡樹脂体の体積より大きい請求項1または2に記載の擁壁構造。
  5. 前記発泡樹脂体が、前記底板の上面または下面に、直接または間接に連続して埋設されている請求項1から4のいずれか一項に記載の擁壁構造。
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