JP2017154983A - 縮合多環芳香族化合物及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機半導体デバイスを作成する際の印刷プロセスに好適に用いられ、実用的プロセス温度領域で相転移が起こらない耐熱性に優れた有機半導体デバイスが得られる有機化合物の提供。【解決手段】式(1)又は(2)で表される有機化合物、及び該化合物を用いた有機半導体デバイス1、3。[R1及びR2のいずれか一方はH、又はアルキル基、芳香族炭化水素基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基等で、他方はH;R3及びR4はいずれか一方が式(3)で表される置換基で、他方はH;R5は芳香族炭化水素基、又はアルキル基を有する芳香族炭化水素基等]【選択図】図1

Description

本発明は、縮合多環芳香族化合物、該化合物を含有する有機半導体材料、該有機半導体材料からなる有機薄膜及び該有機薄膜を含んでなる有機半導体デバイスに関する。
近年、デバイス製造プロセスの大幅な効率化や、プラスチック材料を用いたフレキシブルデバイスの製造が可能なことから、印刷技術を用いた有機半導体デバイス(プリンテッド・エレクトロニクス)に関する研究開発が盛んに行われている。
このような技術に利用される有機半導体材料には、良好な半導体特性(キャリア移動度など)を有することは言うまでもなく、印刷技術に使用される有機半導体溶液(インク)を形成するために、有機溶媒に可溶であることが求められる。
有機溶媒に可溶で、高いキャリア移動度を示す有機半導体化合物としてはベンゾチエノベンゾチオフェン(以下、適宜「BTBT」と略記する)骨格を有する縮合多環芳香族化合物が知られている。
特許文献1には、下記式(x)で示されるBTBT誘導体(式(x)中、XおよびXは硫黄原子を、RおよびRはアルキル基を表す)は、有機溶媒に対する可溶性及び実用的な印刷適性を有し、しかもキャリア移動度などの半導体特性に優れることが記載されている。
また、特許文献2〜4には、BTBTをはじめとする硫黄含有芳香族縮環化合物がアセチレン部位を介して芳香環と連結した構造の化合物が半導体特性に優れることや、該化合物を用いて塗布法により半導体薄膜を形成できることが記載されている。
しかしながら、非特許文献1には、特許文献1に記載されている材料は低温で相転移を起こしやすく(120℃以下)、それにより有機半導体デバイスの耐熱性が低下することが記載されている。また、特許文献2乃至4には、本発明の課題である耐熱性に関しては何ら記載されていない。
また、非特許文献1では、BTBTにアルキル基とフェニル基を非対称に置換した有機半導体材料が、より高次の液晶相を発現することにより耐熱性に優れた材料となることが報告されている。しかしながら、同文献に記載されている材料の高次の液晶相への相転移温度は150℃未満であって該温度を境に半導体特性が低下しており、その耐熱性は不充分である。
特許文献5には、BTBTの縮環数を増やしたナフトチエノナフトチオフェン(以下、適宜「DNTT」と略記する。)のアルキル誘導体が記載されている。同文献には、縮環数を増やすことにより特許文献1に記載のBTBT誘導体よりも相転移点の高い化合物が得られることが記載されているが、同文献において最も相転移点の低い化合物の相転移温度は120℃〜130℃であり、実用的な耐熱性は不充分であることに加え、これらの材料は印刷プロセスで有機半導体薄膜を形成するための溶媒溶解性が不充分である。
特許文献6および7では、縮環数がBTBTとDNTTの中間であるベンゾチエノナフトチオフェン(以下、適宜「BTNT」と略記する。)誘導体が報告されているが、キャリア移動度やオン/オフ比といった有機トランジスタの基本的な特性を示しているだけで耐熱性についての記載はない。
上記のような従来技術における耐熱性の問題は、有機デバイス製造における電極形成、半導体封止層やバリア層、絶縁層の硬化などに必要なプロセス温度(通常は120℃〜180℃)への適応性が不充分であるいった課題や、製造した有機半導体デバイスの高温環境下での耐久性が不充分なことや連続駆動時の発熱などによりデバイスの特性が低下するといった課題につながる。
フレキシブルデバイス用途に用いられる安価な基板としては例えばPETフィルムやPENフィルムが挙げられるが、これらの基材のガラス転移温度は110〜150℃程度であり、これらの基板に形成される材料には該温度領域に物性低下につながる相転移温度や融点が無いことが求められるだけでなく、薄膜の状態で安定した特性を維持できることが重要となる。
特許第4581062号 特許第5732595号 特許第5615459号 WO2015/137304 特許第5477978号 特許第5415723号 特開2014/531435
H. Iino et al., Nat. Commun.2015, 6, 6828. K. Takimiya et al., J. Am. Chem. Soc., 2013, 135, 13990-13913.
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、実用的な半導体特性(キャリア移動度など)に加え、実用的なプロセス温度領域での相転移が起こらない耐熱性に優れた有機化合物を含有する有機半導体材料と、これを用いて得られた有機薄膜および有機半導体デバイスを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定構造の化合物を用いることにより、実用的な半導体特性(キャリア移動度など)に加え、実用的なプロセス温度領域で相転移が起こらない耐熱性に優れた有機半導体材料が得られることを見出した。
すなわち本発明は、
[1]下記一般式(1)または一般式(2)
(式中、R及びRのいずれか一方は水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基、複素環基、またはアルキル基を有する複素環基を表し、他方は水素原子を表す。R及びRはいずれか一方が次の一般式(3)
(式中、Rは芳香族炭化水素基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基、複素環基、またはアルキル基を有する複素環基を表す。)で示される置換基を表し、他方は水素原子を表す。)で表される有機化合物、
[2]R及びRが水素原子であり、Rが水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基、複素環基、またはアルキル基を有する複素環基であり、かつRが一般式(3)で表される置換基である前項[1]に記載の有機化合物、
[3]Rが水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基、複素環基、またはアルキル基を有する複素環基であり、R及びRが水素原子であり、かつRが一般式(3)で表される置換基である前項[1]に記載の有機化合物、
[4]前項[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の有機化合物を含有する有機半導体材料、
[5]前項[4]に記載の有機半導体材料からなる有機薄膜、
[6]前項[5]に記載の有機薄膜を含んでなる有機半導体デバイス、
[7]有機トランジスタである前項[6]に記載の有機半導体デバイス、
[8]有機溶媒を含有する前項[4]に記載の有機半導体材料を基板上に塗布あるいは印刷する工程、及び該基板上に塗布あるいは印刷した有機半導体材料から有機溶媒を除去する工程を含む有機薄膜の製造方法、
に関するものである。
本発明の有機化合物は良好な耐熱性を有するため、有機半導体デバイスを作成する際の印刷プロセスに好適に用いられると共に、該有機化合物を用いて得られる有機薄膜を用いることにより、耐熱性に優れた有機半導体デバイスを提供することが可能である。
本発明の有機トランジスタの構造態様例を示す概略図である。 本発明の有機トランジスタの一態様例を製造する為の工程の概略図である。 本発明の有機化合物を含有する有機半導体材料からなる薄膜の、加熱による経時変化を観察した顕微鏡写真である。 比較用の有機化合物を含有する有機半導体材料からなる薄膜の、加熱による経時変化を観察した顕微鏡写真である。 比較用の有機化合物を含有する有機半導体材料からなる薄膜の、加熱による経時変化を観察した顕微鏡写真である。
以下に本発明を説明する。
本発明の有機化合物は、上記一般式(1)または一般式(2)で表される構造を有する。
一般式(1)及び一般式(2)中、R及びRのいずれか一方は水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素基、または複素環基を、他方は水素原子を表し、該芳香族炭化水素基及び該複素環基はアルキル基を置換基として有していてもよい。
一般式(1)及び一般式(2)のRまたはRが表すアルキル基は、直鎖、分岐鎖または脂環式のいずれにも限定されない。
直鎖アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基及びn−エイコシル基等が挙げられる。
分岐鎖アルキル基の具体例としては、iso−プロピル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、iso−ペンチル基、t−ペンチル基、sec−ペンチル基、iso−ヘキシル基、sec−ヘプチル基及びsec−ノニル基等が挙げられる。
脂環式のアルキル基の具体例としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アダマンチル基及びノルボルニル基等が挙げられる。
一般式(1)及び一般式(2)のRまたはRが表すアルキル基としては直鎖または分岐鎖アルキル基が好ましく、直鎖アルキル基がより好ましい。また、アルキル基の炭素数は、4乃至12であることが好ましく、6乃至12であることがより好ましい。
一般式(1)及び一般式(2)のRまたはRが表す芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基及びベンゾピレニル基等が挙げられ、フェニル基又はナフチル基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
一般式(1)及び一般式(2)のRまたはRが表す複素環基の具体例としては、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピロリル基、インドレニル基、イミダゾリル基、カルバゾリル基、チエニル基、フリル基、ピラニル基、ピリドニル基、ベンゾキノリル基、アントラキノリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基及びチエノチエニル基等が挙げられ、ピリジル基、チエニル基、ベンゾチエニル基又はチエノチエニル基であることが好ましく、チエニル基又はベンゾチエニル基であることがより好ましく、チエニル基であることが更に好ましい。
一般式(1)及び一般式(2)のRまたはRが表す芳香族炭化水素基及び複素環基が置換基として有していてもよいアルキル基としては、一般式(1)及び一般式(2)のRまたはRが表すアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(1)及び一般式(2)のRまたはRが表す芳香族炭化水素基及び複素環基が置換基として有するアルキル基の置換位置も特に限定されないが、一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物中のベンゾチエノナフトチオフェン骨格、芳香族炭化水素基または複素環基、及びアルキル基の3者が、より直線状に近い位置関係で配列する位置に置換することが好ましい。また、一般式(1)及び一般式(2)のRまたはRが表す芳香族炭化水素基及び複素環基が置換基として有するアルキル基の数も特に限定されないが、前記の3者がより直線に近い位置関係で配列するという意味では、一つ又は二つであることが好ましく、一つであることがより好ましい。
一般式(1)及び一般式(2)におけるR及びRとしては、一方がアルキル基。アルキル基を有する芳香族炭化水素基またはアルキル基を有する複素環基であって他方が水素原子であることが好ましく、一方がアルキル基であって他方が水素原子であることがより好ましく、一方が直鎖のアルキル基であって他方が水素原子であることがより好ましい。また、前記好ましいR及びRにおけるアルキル基及び置換基としてのアルキル基は、炭素数4乃至12のアルキル基であることが好ましく、炭素数4乃至12の直鎖アルキル基であることがより好ましく、炭素数6乃至12の直鎖アルキル基であることが更に好ましい。
一般式(1)及び一般式(2)中、R及びRはいずれか一方が上記一般式(3)で示される置換基を表し、他方は水素原子を表す。また、一般式(3)中、Rは芳香族炭化水素基または複素環基を表し、該芳香族炭化水素基及び該複素環基はアルキル基を置換基として有していてもよい。
一般式(1)及び一般式(2)のRまたはRが表す芳香族炭化水素基、複素環基及びこれらが置換基として有していてもよいアルキル基としては、一般式(1)及び一般式(2)のRまたはRが表す芳香族炭化水素基、複素環基及びこれらが置換基として有していてもよいアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(1)及び一般式(2)におけるR及びRとしては、一方がRが芳香族炭化水素基又はアルキル基を有する芳香族炭化水素基の一般式(3)で表される置換基であって他方が水素原子であることが好ましく、一方がRが芳香族炭化水素基の一般式(3)で表される置換基であって他方が水素原子であることがより好ましい。また、前記好ましいR及びRにおける置換基としてのアルキル基は、炭素数4乃至12のアルキル基であることが好ましく、炭素数4乃至12の直鎖アルキル基であることがより好ましく、炭素数6乃至12の直鎖アルキル基であることが更に好ましく、前記好ましいR及びRにおける芳香族炭化水素基は、フェニル基またはナフチル基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
また置換基R乃至Rの位置関係が、RおよびRが水素原子であり、Rが水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基、複素環基、またはアルキル基を有する複素環基であり、Rが一般式(3)で示される置換基であるか、またはRおよびRが水素原子であり、Rが水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基、複素環基、またはアルキル基を有する複素環基であり、Rが一般式(3)で示される置換基である化合物であることが好ましい。
本発明の一般式(1)または一般式(2)で表される有機化合物としては、上記した好ましいR乃至R(及びR)とそれらの位置関係の組み合わせのものがより好ましく、より好ましいR乃至R(及びR)とそれらの位置関係の組み合わせのものが更に好ましい。
本発明の一般式(1)または一般式(2)で表わされる有機化合物は、たとえば、非特許文献2に記載の方法を応用して合成することができる。
以下に本発明の一般式(1)または一般式(2)で表される有機化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の一般式(1)または一般式(2)で表される有機化合物は、従来公知の有機半導体化合物よりも相転移点が高いことを特徴とするものである。相転移点は、液晶転移点、融点、昇華点など物質が相転移する温度を示すものであり、通常、示差走査熱測定において吸熱ピークとしてその温度が示される。特に固相から液相に変化する融点のほか、ネマチック相やスメクティックA相など体積変化の大きい相変化を示す転移温度はより高い方が好ましい。実用的な範囲を鑑みると具体的には、有機デバイス製造における電極形成、半導体封止層やバリア層、絶縁層の硬化などに必要なプロセス温度(通常は120℃〜180℃)において相転移温度が認められないものが好ましく、プロセス安定性を考慮すると相転移温度が200℃未満に認められないものがより好ましい。
また、一般式(1)または一般式(2)で表される有機化合物は、有機溶媒に可溶であることが求められる。該有機溶媒は、一般式(1)または一般式(2)で表される有機化合物を溶解し得るものであれば特に限定なく用いることが出来るが、実用的な意味で非ハロゲン系溶媒であることが好ましい。また、一般式(1)または一般式(2)で表される有機化合物を溶媒に溶解して得られる溶液の安定性を考慮した場合、室温における一般式(1)または一般式(2)で表される有機化合物の溶解度がある程度以上高いことが求められる。25℃における溶解度は通常0.05質量%以上であり、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましい。また、溶液の安定性は、溶解後24時間経過した後も結晶の析出がないことが好ましく、溶解後1週間経過した後も完全に溶解していることがより好ましい。
有機溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒も使用できるが、非ハロゲン系溶媒が好ましく、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、テトラヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール、ブトキシベンゼンなどのエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類等、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル、炭酸ジエチルなどのエステル類、ヘキサン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、デカリンなどの炭化水素類などを用いることができる。
有機半導体材料における一般式(1)または一般式(2)で表される有機化合物の含有量は特に限定されないが、通常は有機半導体材料中に50乃至100質量%程度である。
本発明の有機半導体材料は、一般式(1)または一般式(2)で表わされる有機化合物を含んでなる有機半導体材料を上記の溶媒に溶解または分散したものであってもよい。使用できる溶媒は、上記の溶媒を単一の有機溶媒でも、複数の有機溶媒を混合して使用することもできる。
有機溶媒を含有する有機半導体材料における一般式(1)または一般式(2)で表わされる有機化合物の含有量は溶媒の種類や作成する薄膜の膜厚により異なるが、溶媒に対して通常0.01〜5質量%であり、0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましい。また、本発明の有機半導体材料は上記の溶媒に溶解又は分散してさえすれば構わないが、均一な溶液として溶解していることが好ましい。
本発明の有機半導体材料は、上記の一般式(1)または一般式(2)で表される有機化合物と有機溶媒以外に、有機半導体デバイスの特性を改善及び/または他の特性を付与する等を目的として、必要に応じて他の添加剤を含んでいてもよく、半導体としての機能を阻害しないものであれば添加剤の種類は特に制限されない。例えば、本発明の一般式(1)または一般式(2)以外の構造を有する半導体性材料、絶縁性材料のほか、レオロジーの制御するための界面活性剤、増粘剤、キャリア注入やキャリア量を調整するためのドーパントなどが一例として挙げられる。これらは組成物としての安定性を阻害しないものが好ましく、高分子であっても低分子であってもよい。これら添加剤の含有量は、その目的により異なるため一概には言えないが、一般式(1)または一般式(2)で表される有機化合物の含有量よりも少ない方が好ましい。
本発明の一般式(1)または一般式(2)で表わされる有機化合物を含む有機半導体材料を用いて有機薄膜を作製することができる。該薄膜の膜厚は、その用途によって異なるが、通常1nm〜1μmであり、好ましくは5nm〜500nmであり、より好ましくは10nm〜300nmである。
有機薄膜の形成方法は、蒸着法などのドライプロセスや種々の溶液プロセスなどがあげられるが、溶液プロセスで形成することが好ましい。溶液プロセスとしてはたとえば、スピンコート法、ドロップキャスト法、ディップコート法、スプレー法、フレキソ印刷、樹脂凸版印刷などの凸版印刷法、オフセット印刷法、ドライオフセット印刷法、パッド印刷法などの平板印刷法、グラビア印刷法などの凹版印刷法、スクリーン印刷法、謄写版印刷法、リングラフ印刷法などの孔版印刷法、インクジェット印刷法、マイクロコンタクトプリント法等、さらにはこれらの手法を複数組み合わせた方法が挙げられる。溶液プロセスで成膜する場合、上記の塗布、印刷したのち、溶剤を蒸発させて薄膜を形成することが好ましい。
一般式(1)または一般式(2)で表わされる有機化合物を用いて、有機半導体デバイスを作製することができ、有機EL素子、有機太陽電池素子、有機光電変換素子及び有機トランジスタ素子等の有機半導体デバイスの有機薄膜の材料として好適に用いられる。その一例として有機トランジスタについて詳細に説明する。
有機トランジスタは、有機半導体に接して2つの電極(ソース電極及びドレイン電極)があり、その電極間に流れる電流を、ゲート電極と呼ばれるもう一つの電極に印加する電圧で制御するものである。
一般に、有機トランジスタデバイスはゲート電極が絶縁膜で絶縁されている構造(Metal−InsuIator−Semiconductor MIS構造)がよく用いられる。絶縁膜に金属酸化膜を用いるものはMOS構造と呼ばれる。他には、ショットキー障壁を介してゲート電極が形成されている構造(すなわちMES構造)もあるが、有機トランジスタの場合、MIS構造がよく用いられる。
以下、図1に示す有機トランジスタデバイスのいくつかの態様例を用いて有機トランジスタについてより詳細に説明するが、本発明はこれらの構造には限定されない。
図1における各態様例において、1がソース電極、2が半導体層、3がドレイン電極、4が絶縁体層、5がゲート電極、6が基板をそれぞれ表す。尚、各層や電極の配置は、デバイスの用途により適宜選択できる。A〜D、Fは基板と並行方向に電流が流れるので、横型トランジスタと呼ばれる。Aはボトムコンタクトボトムゲート構造、Bはトップコンタクトボトムゲート構造と呼ばれる。また、Cは半導体上にソース及びドレイン電極、絶縁体層を設け、さらにその上にゲート電極を形成しており、トップコンタクトトップゲート構造と呼ばれている。Dはトップ&ボトムコンタクトボトムゲート型トランジスタと呼ばれる構造である。Fはボトムコンタクトトップゲート構造である。Eは縦型の構造をもつトランジスタ、すなわち静電誘導トランジスタ(SIT)の模式図である。このSITは、電流の流れが平面状に広がるので一度に大量のキャリアが移動できる。またソース電極とドレイン電極が縦に配されているので電極間距離を小さくできるため応答が高速である。従って、大電流を流す、高速のスイッチングを行うなどの用途に好ましく適用できる。なお図1中のEには、基板を記載していないが、通常の場合、図1E中の1及び3で表されるソース又はドレイン電極の外側には基板が設けられる。
次に各態様例における各構成要素について説明する。
基板6は、その上に形成される各層が剥離することなく保持できることが必要である。例えば樹脂板やフィルム、紙、ガラス、石英、セラミックなどの絶縁性材料;金属や合金などの導電性基板上にコーティング等により絶縁層を形成した物;樹脂と無機材料など各種組合せからなる材料;等が使用できる。使用できる樹脂フィルムの例としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、ポリエーテルイミドなどが挙げられる。樹脂フィルムや紙を用いると、デバイスに可撓性を持たせることができ、フレキシブルで、軽量となり、実用性が向上する。基板の厚さとしては、通常1μm〜10mmであり、好ましくは5μm〜5mmである。
ソース電極1、ドレイン電極3、ゲート電極5には導電性を有する材料が用いられる。例えば、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、タングステン、タンタル、ニッケル、コバルト、銅、鉄、鉛、錫、チタン、インジウム、パラジウム、モリブデン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、リチウム、カリウム、ナトリウム等の金属及びそれらを含む合金;InO、ZnO、SnO、ITO等の導電性酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリジアセチレン等の導電性高分子化合物;シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素等の半導体;カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン等の炭素材料;等が使用できる。また、導電性高分子化合物や半導体にはドーピングが行われていてもよい。ドーパントとしては、例えば、塩酸、硫酸等の無機酸;スルホン酸等の酸性官能基を有する有機酸;PF、AsF、FeCl等のルイス酸;ヨウ素等のハロゲン原子;リチウム、ナトリウム、カリウム等の金属原子;等が挙げられる。ホウ素、リン、砒素などはシリコンなどの無機半導体用のドーパントとしても多用されている。
また、上記のドーパントにカーボンブラックや金属粒子などを分散した導電性の複合材料も用いられる。直接、半導体と接触するソース電極1およびドレイン電極3はコンタクト抵抗を低減するために適切な仕事関数を選択するか、表面処理などが重要である。
またソース電極とドレイン電極間の距離(チャネル長)がデバイスの特性を決める重要なファクターであり、適正なチャネル長が必要である。チャネル長が短ければ取り出せる電流量は増えるが、コンタクト抵抗の影響などの短チャネル効果が生じ、半導体特性を低下させることがある。該チャネル長は、通常0.01〜300μm、好ましくは0.1〜100μmである。ソースとドレイン電極間の幅(チャネル幅)は通常10〜5000μm、好ましくは40〜2000μmとなる。またこのチャネル幅は、電極の構造をくし型構造とすることなどにより、さらに長いチャネル幅を形成することが可能で、必要な電流量やデバイスの構造などにより、適切な長さにする必要がある。
次にソース電極及びドレイン電極のそれぞれの構造(形)について説明する。ソース電極とドレイン電極の構造はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。
ボトムコンタクト構造の場合は、一般的にはリソグラフィー法を用いて各電極を作製し、また各電極は直方体に形成するのが好ましい。最近は各種印刷方法による印刷精度が向上してきており、インクジェット印刷、グラビア印刷又はスクリーン印刷などの手法を用いて精度よく電極を作製することが可能となってきている。半導体上に電極のあるトップコンタクト構造の場合はシャドウマスクなどを用いて蒸着することが出来る。インクジェットなどの手法を用いて電極パターンを直接印刷形成することも可能となってきている。電極の長さは前記のチャネル幅と同じである。電極の幅には特に規定は無いが、電気的特性を安定化できる範囲で、デバイスの面積を小さくするためには短い方が好ましい。電極の幅は、通常0.1〜1000μmであり、好ましくは0.5〜100μmである。電極の厚さは、通常0.5〜1000nmであり、好ましくは1〜500nmであり、より好ましくは5〜200nmである。各電極1、3、5には配線が連結されているが、配線も電極とほぼ同様の材料により作製される。
絶縁体層4としては絶縁性を有する材料が用いられる。例えば、ポリパラキシリレン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルフェノール、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリシロキサン、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のポリマー及びこれらを組み合わせた共重合体;酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル等の金属酸化物;SrTiO、BaTiO等の強誘電性金属酸化物;窒化珪素、窒化アルミニウム等の窒化物、硫化物、フッ化物などの誘電体;あるいは、これら誘電体の粒子を分散させたポリマー;等が使用しうる。この絶縁体層はリーク電流を少なくするために電気絶縁特性が高いものが好ましく使用できる。それにより膜厚を薄膜化し、絶縁容量を高くすることが出来、取り出せる電流が多くなる。また半導体の移動度を向上させるためには絶縁体層表面の表面エネルギーを低下させ、凹凸がなくスムースな膜であることが好ましい。その為に自己組織化単分子膜や、2層の絶縁体層を形成させる場合がある。絶縁体層4の膜厚は、材料によって異なるが、通常1nm〜100μm、好ましくは5nm〜50μm、より好ましくは5nm〜10μmである。
半導体層2の材料には、上記の一般式(1)または一般式(2)で表わされる有機化合物を少なくとも1種類含む有機半導体材料を用いることができる。先に示した薄膜の形成方法を用いて、一般式(1)または一般式(2)で表される有機化合物を含む有機薄膜を形成し、半導体層2とすることができる。
半導体層については複数の層を形成してもよいが、単層構造であることがより好ましい。半導体層2の膜厚は、必要な機能を失わない範囲で、薄いほど好ましい。A、B及びDに示すような横型の有機トランジスタにおいては、所定以上の膜厚があればデバイスの特性は膜厚に依存しないが、膜厚が厚くなると漏れ電流が増加してくることが多いためである。必要な機能を示すための半導体層の膜厚は、通常、1nm〜1μm、好ましくは5nm〜500nm、より好ましくは10nm〜300nmである。
有機トランジスタには、例えば基板層と絶縁膜層や絶縁膜層と半導体層の間やデバイスの外面に必要に応じて他の層を設けることができる。例えば、有機半導体層上に直接、又は他の層を介して、保護層を形成すると、湿度などの外気の影響を小さくすることができる。また、有機トランジスタデバイスのオン/オフ比を上げることができるなど、電気的特性を安定化できる利点もある。
上記保護層の材料としては特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、ポリオレフィン等の各種樹脂からなる膜;酸化珪素、酸化アルミニウム、窒化珪素等の無機酸化膜;及び窒化膜等の誘電体からなる膜;等が好ましく用いられ、特に、酸素や水分の透過率や吸水率の小さな樹脂(ポリマー)が好ましい。有機ELディスプレイ用に開発されているガスバリア性保護材料も使用が可能である。保護層の膜厚は、その目的に応じて任意の膜厚を選択できるが、通常100nm〜1mmである。
また有機半導体層が積層される基板又は絶縁体層に予め表面改質や表面処理を行うことにより、有機トランジスタデバイスとしての特性を向上させることが可能である。例えば基板表面の親水性/疎水性の度合いを調整することにより、その上に成膜される膜の膜質や成膜性を改良することができる。特に、有機半導体材料は分子の配向など膜の状態によって特性が大きく変わることがある。そのため、基板、絶縁体層などへの表面処理によって、その後に成膜される有機半導体層との界面部分の分子配向が制御される、あるいは基板や絶縁体層上のトラップ部位が低減されることにより、キャリア移動度等の特性が改良されるものと考えられる。
トラップ部位とは、未処理の基板に存在する例えば水酸基のような官能基をさし、このような官能基が存在すると、電子が該官能基に引き寄せられ、この結果としてキャリア移動度が低下する。従って、トラップ部位を低減することもキャリア移動度等の特性改良には有効な場合が多い。
上記のような特性改良のための表面処理としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、オクチルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン等による自己組織化単分子膜処理、ポリマーなどによる表面処理、塩酸や硫酸、酢酸等による酸処理、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等によるアルカリ処理、オゾン処理、フッ素化処理、酸素やアルゴン等のプラズマ処理、ラングミュア・ブロジェット膜の形成処理、その他の絶縁体や半導体の薄膜の形成処理、機械的処理、コロナ放電などの電気的処理、繊維等を利用したラビング処理などがあげられ、それらの組み合わせた処理も行うことができる。
これらの態様において、例えば基板層と絶縁膜層や絶縁膜層と有機半導体層等の各層を設ける方法としては、前記した真空プロセス、溶液プロセスが適宜採用できる。
次に、本発明に係る有機トランジスタデバイスの製造方法について、図1の態様例Bに示すトップコンタクトボトムゲート型有機トランジスタを例として、図2に基づき以下に説明する。この製造方法は前記した他の態様の有機トランジスタ等にも同様に適用しうるものである。
(有機トランジスタの基板及び基板処理について)
本発明の有機トランジスタは、基板6上に必要な各種の層や電極を設けることで作製される(図2(1)参照)。基板としては上記で説明したものが使用できる。この基板上に前述の表面処理などを行うことも可能である。基板6の厚みは、必要な機能を妨げない範囲で薄い方が好ましい。材料によっても異なるが、通常1μm〜10mmであり、好ましくは5μm〜5mmである。また、必要により、基板に電極の機能を持たせるようにする事も出来る。
(ゲート電極の形成について)
基板6上にゲート電極5を形成する(図2(2)参照)。電極材料としては上記で説明したものが用いられる。電極膜を成膜する方法としては、各種の方法を用いることができ、例えば真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、熱転写法、印刷法、ゾルゲル法等が採用される。成膜時又は成膜後、所望の形状になるよう必要に応じてパターニングを行うのが好ましい。パターニングの方法としても各種の方法を用いうるが、例えばフォトレジストのパターニングとエッチングを組み合わせたフォトリソグラフィー法等が挙げられる。また、シャドウマスクを用いた蒸着法やスパッタ法やインクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法、及びこれら手法を複数組み合わせた手法を利用し、パターニングすることも可能である。ゲート電極5の膜厚は、材料によっても異なるが、通常0.1nm〜10μmであり、好ましくは0.5nm〜5μmであり、より好ましくは1nm〜3μmである。また、ゲート電極と基板を兼ねるような場合は上記の膜厚より大きくてもよい。
(絶縁体層の形成について)
ゲート電極5上に絶縁体層4を形成する(図2(3)参照)。絶縁体材料としては上記で説明した材料が用いられる。絶縁体層4を形成するにあたっては各種の方法を用いることができる。例えばスピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、キャスト、バーコート、ブレードコーティングなどの塗布法、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット等の印刷法、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法、CVD法などのドライプロセス法が挙げられる。その他、ゾルゲル法やアルミニウム上のアルマイト、シリコン上の酸化珪素のように金属上に熱酸化法などにより酸化物膜を形成する方法等が採用される。尚、絶縁体層と半導体層が接する部分においては、両層の界面で半導体を構成する分子、例えば上記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物の分子を良好に配向させるために、絶縁体層に所定の表面処理を行うこともできる。表面処理の手法は、基板の表面処理と同様のものを用いることができうる。絶縁体層4の膜厚は、その電気容量をあげることで取り出す電気量を増やすことが出来るため、出来るだけ薄い膜であることが好ましい。このときに薄い膜になるとリーク電流が増えるため、その機能を損なわない範囲で薄い方が好ましい。通常0.1nm〜100μmであり、好ましくは0.5nm〜50μmであり、より好ましくは5nm〜10μmである。
(有機半導体層の形成について)
本発明の上記一般式(1)または一般式(2)で表される有機化合物を含む有機半導体材料は、有機半導体層の形成に使用される(図2(4)参照)。有機半導体層を成膜するにあたっては、各種の方法を用いることができる。具体的にはディップコート法、ダイコーター法、ロールコーター法、バーコーター法、スピンコート法等の塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクト印刷法などの溶液プロセスによる形成方法が挙げられる。
溶液プロセスによって成膜し有機半導体層を得る方法について説明する。本発明の一般式(1)または一般式(2)で表わされる有機化合物を溶剤等に溶解し、さらに必要であれば添加剤などを添加した組成物を、基板(絶縁体層、ソース電極及びドレイン電極の露出部)に塗布する。塗布の方法としては、スピンコート法、ドロップキャスト法、ディップコート法、スプレー法、フレキソ印刷、樹脂凸版印刷などの凸版印刷法、オフセット印刷法、ドライオフセット印刷法、パッド印刷法などの平板印刷法、グラビア印刷法などの凹版印刷法、シルクスクリーン印刷法、謄写版印刷法、リングラフ印刷法などの孔版印刷法、インクジェット印刷法、マイクロコンタクトプリント法等、さらにはこれらの手法を複数組み合わせた方法が挙げられる。
更に、塗布方法に類似した方法として水面上に上記の組成物を滴下することにより作製した有機半導体層の単分子膜を基板に移し積層するラングミュアプロジェクト法、液晶や融液状態の材料を2枚の基板で挟んで毛管現象で基板間に導入する方法等も採用できる。
製膜時における基板や組成物の温度などの環境も重要で、基板や組成物の温度によってトランジスタの特性が変化する場合があるので、注意深く基板及び組成物の温度を選択するのが好ましい。基板温度は通常、0〜200℃であり、好ましくは10〜120℃であり、より好ましくは15〜100℃である。用いる組成物中の溶剤などに大きく依存するため、注意が必要である。
この方法により作製される有機半導体層の膜厚は、機能を損なわない範囲で、薄い方が好ましい。膜厚が厚くなると漏れ電流が大きくなる懸念がある。有機半導体層の膜厚は、通常1nm〜1μm、好ましくは5nm〜500nm、より好ましくは10nm〜300nmである。
このように形成された有機半導体層(図2(4)参照)は、後処理によりさらに特性を改良することが可能である。例えば、熱処理により、成膜時に生じた膜中の歪みが緩和されること、ピンホール等が低減されること、膜中の配列・配向が制御できる等の理由により、有機半導体特性の向上や安定化を図ることができる。本発明の有機トランジスタの作製時にはこの熱処理を行うことが特性の向上の為には効果的である。当該熱処理は有機半導体層を形成した後に基板を加熱することによって行う。熱処理の温度は特に制限は無いが通常、室温から150℃程度で、好ましくは40〜120℃、さらに好ましくは45〜100℃である。この時の熱処理時間については特に制限は無いが通常10秒から24時間、好ましくは30秒から3時間程度である。その時の雰囲気は大気中でもよいが、窒素やアルゴンなどの不活性雰囲気下でもよい。その他、溶媒蒸気による膜形状のコントロールなどが可能である。
またその他の有機半導体層の後処理方法として、酸素や水素等の酸化性あるいは還元性の気体や、酸化性あるいは還元性の液体などを用いて処理することにより、酸化あるいは還元による特性変化を誘起することもできる。これは例えば膜中のキャリア密度の増加あるいは減少の目的で利用することが出来る。
また、ドーピングと呼ばれる手法において、微量の元素、原子団、分子、高分子を有機半導体層に加えることにより、有機半導体層特性を変化させることができる。例えば、酸素、水素、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸;PF、AsF、FeCl等のルイス酸;ヨウ素等のハロゲン原子;ナトリウム、カリウム等の金属原子;テトラチアフルバレン(TTF)やフタロシアニン等のドナー化合物をドーピングすることができる。これは、有機半導体層に対して、これらのガスを接触させたり、溶液に浸したり、電気化学的なドーピング処理をすることにより達成できる。これらのドーピングは有機半導体層の作製後でなくても、有機半導体化合物の合成時に添加したり、有機半導体デバイス作製用の組成物を用いて有機半導体層を作製するプロセスでは、その組成物に添加したり薄膜を形成する工程段階などで添加することができる。また蒸着時に有機半導体層を形成する材料に、ドーピングに用いる材料を添加して共蒸着したり、有機半導体層を作製する時の周囲の雰囲気に混合したり(ドーピング材料を存在させた環境下で有機半導体層を作製する)、さらにはイオンを真空中で加速して膜に衝突させてドーピングすることも可能である。
これらのドーピングの効果は、キャリア密度の増加あるいは減少による電気伝導度の変化、キャリアの極性の変化(p型、n型)、フェルミ準位の変化等が挙げられる。
(ソース電極及びドレイン電極の形成)
ソース電極1及びドレイン電極3の形成方法等はゲート電極5の場合に準じて形成することができる(図2(5)参照)。また有機半導体層との接触抵抗を低減するために各種添加剤などを用いることが可能である。
(保護層について)
有機半導体層上に保護層7を形成すると、外気の影響を最小限にでき、また、有機トランジスタの電気的特性を安定化できるという利点がある(図2(6)参照)。保護層の材料としては前記のものが使用される。保護層7の膜厚は、その目的に応じて任意の膜厚を採用できるが、通常100nm〜1mmである。
保護層を成膜するにあたっては各種の方法を採用しうるが、保護層が樹脂からなる場合は、例えば、樹脂溶液を塗布後、乾燥させて樹脂膜とする方法;樹脂モノマーを塗布あるいは蒸着したのち重合する方法;などが挙げられる。成膜後に架橋処理を行ってもよい。保護層が無機物からなる場合は、例えば、スパッタリング法、蒸着法等の真空プロセスでの形成方法や、ゾルゲル法等の溶液プロセスでの形成方法も用いることができる。
有機トランジスタにおいては有機半導体層上の他、各層の間にも必要に応じて保護層を設けることができる。それらの層は有機トランジスタの電気的特性の安定化に役立つ場合がある。
上記一般式(1)または一般式(2)で表される有機化合物を有機半導体材料として用いているため、プラスチック基板上に作製した他の構成部材の作製におけるプロセス温度に十分耐えうることができる。その結果、軽量で柔軟性に優れた壊れにくいデバイスの製造が可能になり、ディスプレイのアクティブマトリクスのスイッチングデバイス等として利用することができる。
有機トランジスタは、メモリー回路デバイス、信号ドライバー回路デバイス、信号処理回路デバイスなどのデジタルデバイスやアナログデバイスとしても利用できる。さらにこれらを組み合わせることにより、ディスプレイ、ICカードやICタグ等の作製が可能となる。更に、有機トランジスタは化学物質等の外部刺激によりその特性に変化を起こすことができるので、センサーとしての利用も可能である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の操作において、不活性ガス下の反応や測定には無水蒸留した溶媒を用い、その他の反応や操作においては市販一級または特級の溶媒を用いた。また、試薬は必要に応じて無水蒸留等で精製し、その他は市販一級または特級の試薬を用いた。以下に、使用した分析機器および測定機器を示す。核磁気共鳴分光は、LAMBDA−NMR(395.75MHz、σ値、ppm、内部標準TMS)を用いて行った。示差走査熱量計はMETTLER−TOLED DSC1を用いて行った。
実施例1(上記具体例のNo1で表される本発明の有機化合物の合成)
実施例1では、以下に記載した製造フローに準じて上記具体例において化合物No.1で表される本発明の有機化合物を合成した。
窒素雰囲気下、50mLの3つ口フラスコに、非特許文献2に記載の製造方法で作製した上記Precursor1.1g(1.83mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド128mg(0.183mmol)、酢酸ナトリウム300mg(3.63mmol)およびN,N−ジメチルアセトアミド30mLを加え140℃で6時間加熱した。反応液を一晩静置し、析出した固体を濾別したのち、ソックスレー抽出器を用いて固体から粗成生物を抽出した(抽出溶媒;クロロホルム)。クロロホルムを濃縮し、得られた固体をトルエンで再結晶することで、上記No.1で表される本発明の有機化合物60mg(収率7%)を黄色固体として得た。
No.1で表される有機化合物の核磁気共鳴分光の測定結果は以下のとおりであった。
H−NMR(400MHz,CDCl)σ0.89(t,3H)、1.24−1.42(m,6H)、1.73(quint,2H)、2.81(t,2H)、7.36−7.39(m,4H)、7.55−7.58(m,2H)、7.61(dd,1H)、7.68(s,1H)、7.83(d,1H)、7.92(d,1H)、8.11(s,1H)、8.30(s,1H)、8.31(s,1H)
比較例1(下式で示される有機化合物No39の合成)
比較例1では、特許文献3に記載の方法で下記式No.39で表される比較用の有機化合物を合成した。
No.39で表される有機化合物の核磁気共鳴分光の測定結果は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz,CDCl)σ0.88(t,3H)、1.29−1.40(m,6H)、1.69(quint,2H)、2.76(t,2H)、7.28(dd,1H)、7.34−7.37(m,3H)、7.56(dd,2H)、7.59(dd,1H)、7.71(s,1H)、7.78(d,1H)、7.81(d,1H)、8.08(s,1H)
比較例2(下式で示される有機化合物No40の合成)
比較例2では、原料を下式のPrecursorとした以外は実施例1と同様の合成方法で下記式No.40で表される比較用の有機化合物を合成した。
No.40で表される有機化合物の核磁気共鳴分光の測定結果は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz,CDCl)σ0.89(m,6H)、1.28−1.40(m,12H)、1.71(m,4H)、2.78(m,4H)、7.25(d,1H)、7.35(d,1H)、7.70(s,1H)、7.76(s,1H)、7.82(d,1H)、7.84(d,1H)、8.26(s,1H)、8.33(s,1H)
(示差走査熱量測定)
実施例1、比較例1及び比較例2のそれぞれで得られた有機化合物について、以下の方法で示差走査熱量測定を行った。
有機化合物の粉末約2mgを量り取り、アルミパンの中に封入した。これらを示差走査熱量測定装置にセットし550℃まで加熱した。その際の吸熱ピークを観測することで転移点の観測を行った。結果を表1に示した。
表1に示した通り、本発明の有機化合物は母骨格をBTBTやBTNTとした比較用の化合物よりも、非常に高い温度域に相転移点を有していることがわかる。
実施例2(有機トランジスタの特性評価)
実施例1で得られた有機化合物3を用いて有機トランジスタデバイスを作製し、トランジスタ特性を評価した。
実施例1で得られたNo.1で表される有機化合物のo−ジクロロベンゼン溶液を用い、SiO熱酸化膜付きnドープシリコンウェハー上にドロップキャスト法により有機薄膜を作製した。次に、有機薄膜上にシャドウマスクを用いてAuを真空蒸着することでソース・ドレイン電極を作製した。今回作製した有機トランジスタデバイスの設定はチャネル長50μm、チャネル幅2.5mmである。このようにして作製した有機トランジスタデバイスデバイスはトップコンタクト型であり、図1Bは、その構造を示すものである。なお、本実施例における有機トランジスタデバイスにおいては、熱酸化膜付きnドープシリコンウェハーにおける熱酸化膜が絶縁層(4)の機能を有し、nドープシリコンウェハーが基板(6)及びゲート電極(5)の機能を兼ね備えている。
有機トランジスタデバイスの性能は、ゲートに電位をかけた状態でソース・ドレイン間に電位をかけた時に流れた電流量に依存する。この電流値を測定することでトランジスタの特性である移動度を決めることができる。移動度は、絶縁体としてのSiOにゲート電界を印加した結果、有機半導体層中に生じるキャリア種の電気的特性を表現する式(a)から算出することができる。
Id=ZμCi(Vg−Vt)/2L・・・(a)
ここで、Idは飽和したソース・ドレイン電流値、Zはチャネル幅、Ciは絶縁体の電気容量、Vgはゲート電位、Vtはしきい電位、Lはチャネル長であり、μは決定する移動度(cm/Vs)である。Ciは用いたSiO絶縁膜の誘電率、Z,Lは有機トランジスタデバイスのデバイス構造よりに決まり、Id,Vgは有機トランジスタデバイスの電流値の測定時に決まり、VtはId,Vgから求めることができる。式(a)に各値を代入することで、それぞれのゲート電位での移動度を算出することができる。
上記のように作成したトランジスタ素子をドレイン電圧−60V、ゲート電圧+20V〜−80Vまで掃引した場合のドレイン電療変化を示すトランスファーカーブを図3に示した。また、式(a)から算出された正孔移動度は、0.11cm/Vs、閾値電圧3V、オン電流とオフ電流の比は10であり、優れたトランジスタ特性を示した。
実施例3、比較例3及び比較例4(薄膜の耐熱性試験)
実施例1で得られたNo.1で表される有機化合物、比較例1で得られたNo.39で表される有機化合物及び比較例2で得られたNo.40で表される有機化合物を用いて作成した薄膜の、加熱による経過観察を行い、薄膜の耐熱性試験を行った。結果を表2に、薄膜の顕微鏡観察結果を図3(実施例3、No.1の有機化合物)、図4(比較例3、No.39の有機化合物)及び図5(比較例4、No.40の有機化合物)に示した。
図3に示したように、No.1の有機化合物を用いて作成した薄膜は、160℃30分の加熱処理後も成膜直後の状態を維持しているが、No.39の有機化合物およびNo.40の有機化合物を用いて作成した薄膜は、同様の条件では薄膜が凝集を起こし、下地となる基板がむき出しになっていることが図4及び図5からわかる。これらのことから、本発明のNo.1の有機化合物が薄膜上で非常に高い耐熱性を有することは明らかである。
本発明の有機化合物を含有する有機半導体材料は、半導体特性を担保しつつ、分子自身が良好な耐熱性を有するため、耐熱性に優れた有機薄膜および該有機薄膜を含んでなる有機半導体デバイスを提供することが可能となる。本発明の有機半導体デバイスは、耐熱性の要求される有機トランジスタデバイス、ダイオード、コンデンサ、薄膜光電変換デバイス、色素増感太陽電池、有機ELデバイス等の分野に利用することができる。
図1〜図2において同じ名称には同じ番号を付すものとする。
1 ソース電極
2 半導体層
3 ドレイン電極
4 絶縁体層
5 ゲート電極
6 基板
7 保護層


Claims (8)

  1. 下記一般式(1)または一般式(2)
    (式中、R及びRのいずれか一方は水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基、複素環基、またはアルキル基を有する複素環基を表し、他方は水素原子を表す。R及びRはいずれか一方が次の一般式(3)
    (式中、Rは芳香族炭化水素基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基、複素環基、またはアルキル基を有する複素環基を表す。)で示される置換基を表し、他方は水素原子を表す。)
    で表される有機化合物。
  2. 及びRが水素原子であり、Rが水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基、複素環基、またはアルキル基を有する複素環基であり、かつRが一般式(3)で表される置換基である請求項1に記載の有機化合物。
  3. が水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基、複素環基、またはアルキル基を有する複素環基であり、R及びRが水素原子であり、かつRが一般式(3)で表される置換基である請求項1に記載の有機化合物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機化合物を含有する有機半導体材料。
  5. 請求項4に記載の有機半導体材料からなる有機薄膜。
  6. 請求項5に記載の有機薄膜を含んでなる有機半導体デバイス。
  7. 有機トランジスタである請求項6に記載の有機半導体デバイス。
  8. 有機溶媒を含有する請求項4に記載の有機半導体材料を基板上に塗布あるいは印刷する工程、及び該基板上に塗布あるいは印刷した有機半導体材料から有機溶媒を除去する工程を含む有機薄膜の製造方法。


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