JP2019220642A - 有機トランジスタ - Google Patents
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Abstract
Description
上記問題を解決するために、アモルファスシリコンや多結晶シリコンに代えて、有機化合物をチャネル半導体層(以下、有機半導体層という)に用いた有機トランジスタ(有機薄膜トランジスタ、有機TFTとも称される)が提案されている(非特許文献1)。
さらに、チオフェンオリゴマー(α−ヘキサチエニレン)を有機半導体層に用いた有機トランジスタが提案されている(非特許文献3)。しかし、該有機トランジスタも、空気中での保存安定性が低いという難点がある。
また、式(A)、式(E)、式(H)〜式(J)、式(L)の化合物を有機半導体層に用いた有機トランジスタの電荷移動度は低いことが判明した。さらに、式(H)、式(I)、式(K)、式(L)の化合物は、保存安定性(耐湿熱性)にも難があることが判明した。
現在では実用化に向け、一層改良された有機トランジスタの開発が求められている。
本発明は、上述に鑑み、電荷移動度が高く、大きな電流オン/オフ比を有し、さらに保存安定性(耐湿熱性)に優れた有機トランジスタを提供するものである。
本発明の有機トランジスタは、有機半導体層に一般式(1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有してなるものである。
〔式中、X1およびX2は、一方が水素原子、アリール基、または式(a)で表される基であり、他方が水素原子を表し、X3およびX4は、一方が水素原子、アリール基、または式(a)で表される基であり、他方が水素原子を表す(但し、X1〜X4の少なくとも一つは式(a)で表される基を表す)
(式(a)中、nは2〜10の整数を表し、Rは環状のアルキル基を表す)〕
(式(a)中、nは2〜10の整数を表し、Rは環状のアルキル基を表す)
一般式(1)で表される化合物において、より好ましい他の例としては、X2およびX3は水素原子であり、且つX1およびX4は水素原子、アリール基、または式(a)で表される基である(但し、X1およびX4の少なくとも一つは式(a)で表される基を表す)。
尚、本明細書において、アリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基などの炭素環式芳香族基、例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基などの複素環式芳香族基を表す。
また、アリール基は置換基を有してもよく、かかる置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、あるいは炭素数4〜20の前記ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基で置換されていてもよいアリール基などが挙げられる。尚、アリール基には、これらの置換基が単置換または多置換されていてもよい。
2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルオキシフェニル基、4−トリフルオロメチルオキシフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、3−クロロ−4−メチルフェニル基、2−クロロ−4−メトキシフェニル基、3−メトキシ−4−フルオロフェニル基、3−メトキシ−4−クロロフェニル基、3−フルオロ−4−メトキシフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、4−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−(4’−メチルフェニル)フェニル基、4−(4’−メトキシフェニル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−エトキシ−1−ナフチル基、6−n−ブチル−2−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、7−エトキシ−2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、2−テトラセニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、9,9−ジ−n−プロピル−2−フルオレニル基、2−フリル基、5−n−ブチル−2−フリル基、5−n−ヘキシル−2−フリル基、5−n−オクチル−2−フリル基、2−チエニル基、5−n−プロピル−2−チエニル基、5−n−ブチル−2−チエニル基、5−n−ヘキシル−2−チエニル基、5−n−オクチル−2−チエニル基、5−n−デシル−2−チエニル基、5−n−トリデシル−2−チエニル基、5−フェニル−2−チエニル基、5−(2’−チエニル)−2−チエニル基、5−(5’−n−ブチル−2’−チエニル)−2−チエニル基、5−(5’−n−ヘキシル−2’−チエニル)−2−チエニル基、5−(5’−n−デシル−2’−チエニル)−2−チエニル基、3−チエニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基などの置換または未置換のアリール基を挙げることができる。
式(a)で表される基において、Rは環状のアルキル基を表し、好ましくは、炭素数3〜10の環状のアルキル基を表し、より好ましくは、炭素数5〜7の環状のアルキル基を表す。
〔式中、X12およびX13はそれぞれ独立に、水素原子、アリール基、または式(a)で表される基を表し、少なくとも一つは、式(a)で表される基を表す〕
〔式中、X21およびX24はそれぞれ独立に、水素原子、アリール基、または式(a)で表される基を表し、少なくとも一つは、式(a)で表される基を表す〕
すなわち、一般式(1)で表される化合物は、例えば、一般式(2)または一般式(3)で表される化合物に、酸(例えば、メタンスルフォン酸、トリフルオロメタンスルフォン酸などのアルキルスルフォン酸)を、所望により、脱水剤(例えば、五酸化リン)の存在下で作用させた後、生成物に塩基(例えば、ピリジン、キノリン)を作用させることにより製造することができる〔例えば、Macromolecules, 26, 7144(1993)、 J.Mater. Chem., 9, 2095 (1999)に記載の方法を参考にすることができる〕。
一般式(1)で表される化合物を、有機トランジスタに使用する場合、再結晶法、カラムクロマトグラフィー法、昇華精製法などの精製方法、あるいはこれらの方法を併用して、純度を高めた化合物を使用することは好ましいことである。
有機半導体層中の一般式(1)で表される化合物は、アモルファス、または結晶の形態でもよく、結晶の形態であることがより好ましい。
尚、結晶とは、単結晶状態でもよく、また多結晶状態でもよい。
図1は本発明の有機トランジスタの一形態を示す模式的断面図である。
この有機トランジスタの形態においては、基板11上にゲート電極21が設けられ、そのゲート電極上にゲート絶縁層31が積層されており、その上に所定の間隔で形成されたソース電極61およびドレイン電極41が形成されており、さらにその上に有機半導体層51が積層されている(ボトムゲート・ボトムコンタクト構造)。
さらに、本発明の有機トランジスタは、縦型有機トランジスタ、段差型有機トランジスタ〔例えば、応用物理、第79巻、993(2010)に記載されている〕の形態をとることもできる。
尚、導電性のある基板、例えば、シリコンを基板に用いた場合、その基板はゲート電極を兼ねることもできる。
尚、これらの電極材料は1種を単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
ソース電極、ドレイン電極は、上に挙げた電極材料の中でも、有機半導体層との接触面において電気抵抗が小さいものが好ましい。
また、導電性ポリマーや導電性微粒子を用いて電極を形成する場合には、導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、導電性微粒子の分散液を、インクジェット法によりパターニングしてもよく、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーションなどにより形成してもよい。さらには、導電性ポリマーや導電性微粒子を含むインク、導電性ペースト(銀ペースト、金ペースト、カーボンペーストなど)などを凸版、凹版、平版、スクリーン印刷、グラビア印刷などの印刷法、インクジェット法でパターニングする方法を用いることもできる。
尚、ソース電極、ドレイン電極は、互いに対向するように配置されるが、その間隔(チャネル長)は、一般に、数百nm〜数mmの範囲に設定することが好ましく、より好ましくは、100nm〜1mmであり、さらに好ましくは、1μm〜500μmである。
無機絶縁体としては、酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウムなどを挙げることができ、より好ましくは、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。
ゲート絶縁層に使用する絶縁材料は、1種を単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
また、有機高分子化合物をゲート絶縁層に使用し、ゲート絶縁層を形成した後に有機半導体層を形成する場合は、有機高分子化合物からなるゲート絶縁層上にラビング処理を施してから有機半導体層を形成するようにしてもよい。
ゲート絶縁層の膜厚は、特に限定するものではないが、一般に、数nm〜数十μmの範囲に設定することが好ましく、より好ましくは、5nm〜10μmであり、さらに好ましくは、10nm〜5μmである。
係る高分子化合物としては、例えば、ポリアクリル酸誘導体、ポリメタクリル酸誘導体、ポリ(シクロヘキシルメタクリレート)誘導体、ポリエチレン誘導体、ポリプロピレン誘導体、ポリイソプレン誘導体、ポリブタジエン誘導体、ポリイソブチレン誘導体、ポリメチルペンテン誘導体、
ポリ(ビニルシクロヘキサン)誘導体、ポリスチレン誘導体、ポリ(4−メチルスチレン)誘導体、ポリ(α−メチルスチレン)誘導体、ポリ(α−ビニルナフタレン)誘導体、ポリ(ビニルトルエン)誘導体、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)誘導体、ポリ(4−ビニルビフェニル)誘導体、ポリ(2−メチル−1,3−ブタジエン)誘導体、ポリ(スチレン・アクリロニトリル)共重合体、ポリ(スチレン・ブタジエン)共重合体、ポリ塩化ビニル誘導体、ポリエチレンテレフタレート誘導体、ポリブチレンテレフタレート誘導体、ナイロン誘導体、ポリエステル誘導体、ポリイミド誘導体、ポリフェノール誘導体、セルロース誘導体、ビニロン誘導体などを挙げることができる。
これらの高分子化合物は、1種を単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
尚、一般式(1)で表される少なくとも1種の化合物と、高分子化合物を併用して、有機半導体層を形成する場合、一般式(1)で表される少なくとも1種の化合物の含有量は、高分子化合物に対して、5質量%以上が好ましく、20質量%以上になるように調製することがより好ましい。
形成方法としては、例えば、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、プラズマ重合法、熱転写法、レーザー転写法などのドライプロセス、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、LB法(ラングミューア・ブロジェット法)、各種印刷法、インクジェット法などのウェットプロセスを挙げることができる。
係る溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、オクタフルオロペンタノール、ペンタフルオロプロパノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、プロピオフェノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼン、ジメチルアニソール、4−tert-ブチルアニソール、2−メトキシナフタレンなどのエーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、インダン、フェニルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、トリメチルシクロヘキサン、ビシクロヘキシルなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、1−フルオロナフタレン、1−クロロナフタレンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、グルタロジニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル系溶媒、ジメチルスルフォキサイド、スルフォラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、テトラメチル尿素などの非プロトン性極性溶媒などの有機溶媒を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
係る溶媒中の一般式(1)で表される少なくとも1種の化合物の濃度に関しては、特に制限するものではないが、一般には、0.01〜20質量%、より好ましくは、0.05〜15質量%程度に調製することが好ましい。
例えば、有機半導体層の形成後に、熱処理を施して、形成時に生じた膜厚の歪を緩和したり、あるいは生成したピンホールなどの改善することが可能な場合がある。
また、有機半導体層中の分子の配列、配向を制御するなどの目的で、熱処理を行うことは好ましい場合がある。
熱処理の温度に関しては、特に制限するものではないが、室温〜200℃程度、好ましくは、40℃〜150℃で実施する。尚、熱処理は、空気中で実施してもよく、また窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で実施してもよい。
ドナー性ドーパントとしては、例えば、Li、Na、K、Rb、Csなどのアルカリ金属、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Ybなどの希土類金属、アンモニウムイオン、R4P+(Rはアルキル基を表す)、R4As+(Rはアルキル基を表す)、R3S+(Rはアルキル基を表す)、アセチルコリンなどが挙げられる。
アクセプター性ドーパントとしては、例えば、Cl2、Br2、I2、ICl、ICl3、IBr、IFなどのハロゲン化合物、PF5、AsF5、SbF5、BF3、BCl3、
BBr3、SO3などのルイス酸、HF、HCl、HNO3、H2SO4、HClO4、
FSO3H、ClSO3H、CF3SO3Hなどのプロトン酸、酢酸、蟻酸、アミノ酸などの有機酸、FeCl3、FeOCl、TiCl4、ZrCl4、HfCl4、NbF5、NbCl5、TaCl5、MoCl5、WF5、WCl6、UF6、LnCl3(Ln=La、Ce、Nd、PrなどのランタノイドとY)などの遷移金属化合物、Cl−、Br−、I−、ClO4 −、PF6 −、AsF5 −、SbF6 −、BF4 −、スルホン酸アニオンなどの電解質アニオンなどが挙げられる。
尚、ドーピング方法としては、有機半導体層を形成した後にドーパントを導入する方法、あるいは有機半導体層の形成時に、ドーパントを導入する方法を適用することができる。
尚、本発明の有機トランジスタは、例えば、液晶表示素子、有機電界発光素子、電子ペーパー、各種センサー、RFIDs(radio frequency identification cards)などに使用することができる。
(実施例1)
ゲート電極としての抵抗率0.02Ω・cmのシリコン基板に、厚さ200nmの熱酸化膜(SiO2)を形成した。ここで、シリコン基板自体がゲート電極となり、シリコン基板表面に形成されたSiO2層がゲート絶縁層となる。この上に、真空下(5×10−4Pa)で、例示化合物番号6の化合物を、蒸着速度0.03nm/secの速度で、30nmの厚さに蒸着し、有機半導体層を形成した。さらに、この上に、マスクを用いて、金を蒸着してソース電極およびドレイン電極を形成した。尚、ソース電極およびドレイン電極の厚みは40nmであり、チャネル幅は5mm、チャネル長は70μmであった。
以上のように作製した有機トランジスタは、p型のトランジスタ素子としての特性を示した。
有機トランジスタの電流−電圧(I−V)特性の飽和領域から、電荷移動度を求めた。
さらに、ドレインバイアス−50Vとし、ゲートバイアス−50Vおよび0Vにした時のドレイン電流値を測定し、電流のオン/オフ比を求めた。
さらに、作製した素子を、湿熱性試験後(60℃、相対湿度80%の雰囲気下で、24時間保管後)、同様の方法で電荷移動度、電流のオン/オフ比を測定した。測定結果を第1表に示した。
実施例1において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号6の化合物を使用する代わりに、例示化合物番号14の化合物(実施例2)、例示化合物番号15の化合物(実施例3)、例示化合物番号25の化合物(実施例4)、例示化合物番号26の化合物(実施例5)、例示化合物番号34の化合物(実施例6)、例示化合物番号38の化合物(実施例7)を使用した以外は、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
尚、作製した有機トランジスタは、p型のトランジスタ素子としての特性を示した。
さらに、実施例1に記載の方法により、作製直後、および湿熱性試験後(60℃、相対湿度80%の雰囲気下で、24時間保管後)、有機トランジスタの特性を調べ、結果を第1表に示した。
実施例1において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号6の化合物を使用する代わりに、式(E)の化合物(比較例1)、式(F)の化合物(比較例2)、式(J)の化合物(比較例3)を使用した以外は、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
尚、作製した有機トランジスタは、p型のトランジスタ素子としての特性を示した。
さらに、実施例1に記載の方法により、作製直後、および湿熱性試験後(60℃、相対湿度80%の雰囲気下で、24時間保管後)、有機トランジスタの特性を調べ、結果を第1表に示した。
ゲート電極としての抵抗率0.02Ω・cmのシリコン基板に、厚さ200nmの熱酸化膜(SiO2)を形成した。ここで、シリコン基板自体がゲート電極となり、シリコン基板表面に形成されたSiO2層がゲート絶縁層となる。シリコン基板を80℃に加熱しておき、その上に、例示化合物番号2の化合物のクロロベンゼン溶液(濃度:0.3質量%)を塗布したところ、クロロベンゼンが蒸発し、50nmの厚さの例示化合物番号2の化合物からなる有機半導体層が形成された。さらに、この上に、マスクを用いて、金を蒸着してソース電極およびドレイン電極を形成した。尚、ソース電極およびドレイン電極の厚みは40nmであり、チャネル幅は5mm、チャネル長は70μmであった。
尚、作製した有機トランジスタは、p型のトランジスタ素子としての特性を示した。
さらに、実施例1に記載の方法により、作製直後、および湿熱性試験後(60℃、相対湿度80%の雰囲気下で、24時間保管後)、有機トランジスタの特性を調べ、結果を第2表に示した。
実施例8において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号2の化合物を使用する代わりに、例示化合物番号8の化合物(実施例9)、例示化合物番号13の化合物(実施例10)、例示化合物番号27の化合物(実施例11)、例示化合物番号33の化合物(実施例12)、例示化合物番号37の化合物(実施例13)を使用した以外は、実施例8に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
尚、作製した有機トランジスタは、p型のトランジスタ素子としての特性を示した。
さらに、実施例1に記載の方法により、作製直後、および湿熱性試験後(60℃、相対湿度80%の雰囲気下で、24時間保管後)、有機トランジスタの特性を調べ、結果を第2表に示した。
実施例8において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号2の化合物を使用する代わりに、式(A)の化合物(比較例4)、式(B)の化合物(比較例5)、式(H)の化合物(比較例6)、式(I)の化合物(比較例7)、式(J)の化合物(比較例8)、式(K)の化合物(比較例9)、式(L)の化合物(比較例10)を使用した以外は、実施例8に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
尚、作製した有機トランジスタは、p型のトランジスタ素子としての特性を示した。
さらに、実施例1に記載の方法により、作製直後、および湿熱性試験後(60℃、相対湿度80%の雰囲気下で、24時間保管後)、有機トランジスタの特性を調べ、結果を第2表に示した。
ゲート電極としての抵抗率0.02Ω・cmのシリコン基板に、厚さ200nmの熱酸化膜(SiO2)を形成した。ここで、シリコン基板自体がゲート電極となり、シリコン基板表面に形成されたSiO2層がゲート絶縁層となる。
1,2−ジクロロベンゼン2gに、例示化合物番号10の化合物10mgとポリスチレン(シグマ−アルドリッチ製、Mw:350000)10mgを溶解させ塗布液を調製した。
シリコン基板を80℃に加熱しておき、その上に、この塗布液を塗布し、1,2−ジクロロベンゼンを蒸発させて、50nmの厚さの例示化合物番号10の化合物およびポリスチレンからなる有機半導体層を形成した。
さらに、この上に、マスクを用いて、金を蒸着してソース電極およびドレイン電極を形成した。尚、ソース電極およびドレイン電極の厚みは40nmであり、チャネル幅は5mm、チャネル長は70μmであった。
尚、作製した有機トランジスタは、p型のトランジスタ素子としての特性を示した。
さらに、実施例1に記載の方法により、作製直後、有機トランジスタの特性を調べ、結果を第3表に示した。
実施例14において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号10の化合物を使用する代わりに、例示化合物番号13の化合物(実施例15)、例示化合物番号19の化合物(実施例16)、例示化合物番号27の化合物(実施例17)、例示化合物番号40の化合物(実施例18)を使用した以外は、実施例14に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
尚、作製した有機トランジスタは、p型のトランジスタ素子としての特性を示した。
さらに、実施例1に記載の方法により、作製直後、有機トランジスタの特性を調べ、結果を第3表に示した。
実施例14において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号10の化合物を使用する代わりに、式(C)の化合物(比較例11)、式(D)の化合物(比較例12)、式(F)の化合物(比較例13)、式(G)の化合物(比較例14)、式(K)の化合物(比較例15)を使用した以外は、実施例14に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
尚、作製した有機トランジスタは、p型のトランジスタ素子としての特性を示した。
さらに、実施例1に記載の方法により、作製直後、有機トランジスタの特性を調べ、結果を第3表に示した。
21:ゲート電極
31:ゲート絶縁層
41:ドレイン電極
51:有機半導体層
61:ソース電極
22:ゲート電極
32:ゲート絶縁層
42:ドレイン電極
52:有機半導体層
62:ソース電極
23:ゲート電極
33:ゲート絶縁層
43:ドレイン電極
53:有機半導体層
63:ソース電極
24:ゲート電極
34:ゲート絶縁層
44:ドレイン電極
54:有機半導体層
64:ソース電極
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