投入装置における投入量の少量制御について鋭意検討が行われ、以下の知見が得られた。
パッカースケールでは、大投入計量ホッパへの被計量物の供給制御は、投入装置のカットゲートの移動速度をきめ細かく制御するサーボ制御方式が取られることが多い。これにより、大投入計量ホッパ内の被計量物の重量を目標重量に近づけることが容易となるので、被計量物の目標重量と被計量物の大投入重量の差分である不足分の被計量物の重量を小さくできる。
一般に、上記の不足分の被計量物の重量が増えるほど、不足分の重量バラツキが大きいので、中投入計量部の計量ホッパの数を多く確保する必要がある。
逆に、上記の不足分の被計量物の重量が減るほど、不足分の重量バラツキが小さいので、中投入計量部の計量ホッパの数を少なくできる。つまり、大投入計量ホッパへの被計量物の投入量制御にサーボ制御方式を採用することで、上記の不足分の被計量物の重量を減らすことができるので、パッカースケールを簡易かつコンパクトに構成できる可能性がある。
しかし、発明者らは、このような不足分の被計量物の重量を減らす場合、投入装置における以下の新たな問題が発生することを見出した。
図9A、図9Bおよび図9Cは、従来の投入装置の一例を示す図である。これらの図面には、被計量物が通過する通過路を形成する投入シュート101から被計量物が排出(落下)される際に、従来のカットゲート102を備える投入装置100による投入シュート101の端部出口の開放および閉塞の様子が示されている。
具体的には、図9Aでは、投入シュート101から被計量物が排出される直前の投入装置100の状態が図示されている。このとき、投入シュート101の端部出口はカットゲート102で覆われ、投入シュート101の端部出口が閉塞されている。
図9Bでは、投入シュート101から被計量物が排出されている途中の投入装置100の状態が図示されている。つまり、図9Aのカットゲート102が時計回りに回転し、投入シュート101の端部出口が開放される。
図9Cでは、投入シュート101からの被計量物の排出が完了した直後の投入装置100の状態が図示されている。つまり、図9Bのカットゲート102が反時計回りに回転し、投入シュート101の端部出口は再びカットゲート102で覆われ、投入シュート101の端部出口が閉塞されている。
ここで、投入装置100による被計量物の投入量(排出量)は、投入シュート101の端部出口の開口面積および投入シュート101の端部出口の開放時間により制御されている。
投入シュート101の端部出口の開口面積が小さくなる程、投入装置100の被計量物の投入量を少量化し得る。しかし、投入シュート101の径は、投入シュート101の被計量物をスムーズに通過(落下)させる目的で一定以上の大きさが必要であり、投入シュート101の端部出口の開口面積の低減には自ずと限界があると考えられる。
また、投入シュート101の端部出口の開放時間を短くする程、投入装置100の被計量物の投入量を少量化し得る。しかし、従来のカットゲート102による投入シュート101の端部出口の開放および閉塞では、カットゲート102を反時計回りに回転する動作と時計回りに回転する動作が存在する。よって、これらの動作の切り替わりにおいて、投入シュート101の端部出口が開放された状態で、カットゲート102の動作が必然的に一旦停止する。よって、カットゲート102の移動速度をいかに迅速に制御したとしても、投入シュート101の端部出口が開放される時間の短縮には自ずと限界があると考えられる。
なお、被計量物の投入量の少量制御には、カットゲート方式の投入装置に代えて、例えば、電磁フィーダを用いる方法がある。しかし、電磁フィーダを用いる場合、カットゲート方式の投入装置に比べ、パッカースケールの構成が大型化および複雑化し、コストが嵩む可能性が高い。また、電磁フィーダを用いても、被計量物の投入を、所望の短時間で極微量に制御することは、必ずしも容易でないと考えられる。
すなわち、本開示の第1の態様は、以上の知見に基づいて案出されたものであり、被投入物が通過する通過路と、通過路の端部に設けられたカットゲートと、を備える投入装置であって、カットゲートは、通過路の端部に形成された端部出口が覆われる第1カバー部および第2カバー部を備え、端部出口の開放のための開口部がカットゲートに形成されており、第1カバー部が通過路の端部出口を覆う第1状態から第2カバー部が通過路の端部出口を覆う第2状態にまでカットゲートが移動する途中において、通過路の端部出口と開口部とが重なることで通過路の端部出口から被投入物が落下するように構成されている投入装置を提供する。
また、本開示の他の一態様は、被投入物が通過する通過路の端部に設けられたカットゲートであって、通過路の端部に形成された端部出口と対置されたカバー部材を備え、カバー部材は、上記の端部出口が覆われる第1カバー部および第2カバー部を備え、この端部出口の開放のための開口部が、第1カバー部および第2カバー部のそれぞれに隣接するようにカバー部材に形成されているカットゲートを提供する。
かかる構成によると、本態様の投入装置およびカットゲートは、被投入物の投入量を従来よりも少量に制御し得る。つまり、本態様の投入装置では、本態様のカットゲートが、第1カバー部が通過路の端部出口を覆う第1状態から第2カバー部が通過路の端部出口を覆う第2状態に移動する途中において、通過路の端部出口の開放が行われる。このため、通過路の端部出口が開放された状態で、カットゲートの動作が一旦停止することがない。よって、カットゲートの移動速度を所望の速度にすることで、通過路の端部出口が開放される時間を十分に短縮でき、その結果、従来の投入装置における被投入物の投入量の少量制御の限界を打破できる。
また、本開示の第2の態様の投入装置は、第1の態様の投入装置において、上記の第2状態から上記の第1状態にまでカットゲートが移動する途中において、通過路の端部出口と開口部とが重なることで通過路の端部出口から被投入物が落下するように構成されている。
かかる構成によると、カットゲートが往復運動する場合のいずれの方向の運動でも投入装置から被投入物を落下させることができる。
また、本開示の第3の態様の投入装置は、第1の態様または第2の態様の投入装置において、被計量物の投入量は、通過路の端部出口とカットゲートとの間の隙間および通過路の端部出口とカットゲートの開口部とが重なる場合のカットゲートの移動速度のいずれか一方、または、両方により制御されている。
かかる構成によると、本態様の投入装置は、通過路の端部出口とカットゲートとの間の隙間およびカットゲートの移動速度などの操作量を用いて被投入物の投入量を制御することが可能となる。よって、これらの操作量を単独で、或いは、これらの操作量を適宜組み合わせることで、被投入物の投入量の少量制御を適切に行うことができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本開示の実施形態および第1〜第6変形例について説明する。以下の具体例で示される構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは一例であり、本開示を限定するものではない。また、以下の具体例における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面において、同じ符号が付いた構成要素は、説明を省略する場合がある。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状および寸法比などについては正確な図示ではない場合がある。
また、本開示の一態様の投入装置およびカットゲートは、以下の実施形態および第1〜第6変形例に限定されない。
例えば、以下の実施形態および第1〜第6変形例の投入装置は、計量ホッパで計量されるべき被計量物を投入しているが、本実施形態のように必ずしも計量ホッパと組み合わせて使用されることを前提とする必要はない。投入装置は、投入装置からの被計量物を袋詰めして排出した後、その袋の重量が計量されるグロス計量に使用されてもよい。また、以下の実施形態および第1〜第6変形例では、投入装置が計量装置に一体的に組み込まれており、投入装置が投入する被投入物として、計量装置により計量される被計量物が例示されているが、これに限らない。投入装置は、計量目的以外の物を投入してもよい。
(実施形態)
[装置構成]
図1A、図1Bおよび図2は、実施形態の計量装置(パッカースケール)の一例を示す図である。図1Bは、図1Aのパッカースケール1のB−B矢視図である。図2には、パッカースケール1のシステム構成が示されている。
なお、図1Aおよび図1Bにおいて、便宜上、「上」、「下」、「前」、「後」、「右」および「左」が、これらの図面の如く取られており、重力は、上から下へ作用するものとする。また、パッカースケール1の構成を容易に理解可能とする趣旨で、パッカースケール1のホッパ、駆動機構および検知器などの図示は、簡略化ないし省略されている。例えば、図1Aでは、4連の小投入計量部20A〜20Dのうち、小投入計量部20A、20Bのみが図示され、紙面奥側の小投入計量部20C、20Dの図示が省略されている。また、2連の大投入計量部10L、10Rのうち、大投入計量部10Lのみが図示され、紙面奥側の大投入計量部10Rの図示が省略されている。図1Bでは、左右の小投入計量部20A、20Cのみが図示され、他の小投入計量部20B、20Dの図示が省略されている。つまり、実施形態のパッカースケール1では、これを上方から平面視する場合、2連の大投入計量部10L、10Rの周囲の四隅近傍に4連の小投入計量部20A〜20Dが配置されている。これにより、4連の小投入計量部20A〜20Dを直線状に並べる場合に比べ、パッカースケール1を小型化に構成できる。
パッカースケール1は、包装機(図示せず)への被計量物(例えば、精米など)の大投入(多量排出)が行われる2連の大投入計量部10L、10Rと、包装機への被計量物の小投入(少量排出)が行われる4連の小投入計量部20A〜20Dと、大投入計量部10L、10Rのいずれか一方で計量された被計量物と、4連の小投入計量部20A〜20Dのうちの選択された計量部で計量された被計量物とを合わせて包装機へ排出するための集合シュート22(図2参照)を備える。
以下、大投入計量部10L、10Rの構成および小投入計量部20A〜20Dの構成について詳しく説明する。
<大投入計量部>
複数(実施形態では、2つ)の大投入計量部10L、10Rはそれぞれ、大投入計量ホッパ11L、11Rと投入装置12L、12Rとを備える。投入装置12L、12Rはそれぞれ、パッカースケール1の本体50と連通し、本体50から左右に被計量物が振り分けられるように構成されている。なお、本体50の適所には、図示しないエアー抜き部が設けられている。本体50の供給口から被計量物を投入する場合、被計量物がエアーを抱き込むことがある。そこで、実施形態のパッカースケール1は、本体50内のエアーを、エアー抜き部を用いて排気するように構成されている。これにより、パッカースケール1内の被計量物の嵩密度が一定に保たれる。
大投入計量部10Rの構成は大投入計量部10Lと同様であるので、以下、投入装置12Rおよび大投入計量ホッパ11Rの詳細な説明を省略する。
投入装置12Lは、投入シュート12LAとカットゲート12LBとを備える。
投入シュート12LAは、略上下(鉛直)方向に被計量物が通過し得るように中空に構成され、投入シュート12LAの下端部には、被計量物が自重落下するための端部出口が形成されている。被計量物を投入シュート12LAの端部出口から被計量物を落下させない場合(投入シュート12LA内に被計量物を一時保持する場合)、この端部出口が、投入シュート12LAの下端部に設けられたカットゲート12LBを用いて閉塞される。
本実施形態では、カットゲート12LBには、例えば、被計量物の小量投入のための切欠きまたは開口(いずれも図示せず)などを設け、カットゲート12LBの移動速度を徐々に変化させるというサーボ制御方式が採用されている。これにより、大投入計量ホッパ11Lから排出される被計量物の重量を目標重量に近づけることが容易となるので、被計量物の目標重量と被計量物の大投入重量の差分である不足分の被計量物の重量を小さくできる。
カットゲート12LBは、図示しない回転軸を中心に左右方向に揺動可能に構成されている。つまり、カットゲート12LBは、回転軸が、ACサーボモータ31(図2参照)の駆動力を用いて回転することにより揺動する。このとき、カットゲート12LBの移動量は、図2に示すように、ロータリエンコーダ32を用いた、制御器30によるサーボ制御が行われている。
このようにして、投入シュート12LAの端部出口が、カットゲート12LBの揺動によって開放されると、投入シュート12LA内の所定量の被計量物が、大投入計量ホッパ11L内へと投入(供給)される。ACサーボモータ31の駆動は、図示しないACサーボドライバにより制御器30により制御されている。
なお、制御器30は、制御機能を有するものであれば、どのような構成であっても構わない。制御器30は、例えば、演算回路(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶回路(図示せず)と、を備える。演算回路として、例えば、MPU、CPUなどが例示される。記憶回路として、例えば、メモリが例示される。制御器30は、集中制御を行う単独の制御器で構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。
大投入計量ホッパ11Lは、投入シュート12LAから投入された被計量物を一時保持し、その下方に配置された集合シュート22へ被計量物を排出するための計量ホッパ本体11LAおよび一対のホッパゲート11LBを備える。
具体的には、ホッパゲート11LBを閉じた状態の大投入計量ホッパ11Lにおいて、投入シュート12LAから目標重量未満の被計量物が投入(供給)されることにより、被計量物が計量される。計量ホッパ本体11LAは、パッカースケール1の枠体(図示せず)に、ロードセル34(図2参照)を介して保持されている。なお、図2では、大投入計量ホッパ11Lを保持する1個のロードセル34が例示されているが、ロードセル34の個数は複数であっても構わない。ロードセル34から出力される荷重信号(電気信号)は、図示しない周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタなど)を経て制御器30に入力される。つまり、制御器30は、大投入計量ホッパ11L内の被計量物の重量を算出する重量算出手段として機能する。
大投入計量ホッパ11Lから排出される被計量物は、集合シュート22上を滑り落ちてその下部の排出口から、例えば、包装機に送られる。
一対のホッパゲート11LBは、図示しないリンク機構を用いて前後に移動可能に構成されている。具体的には、ホッパゲート11LBは、上記リンク機構が、エアーシリンダ33(図2参照)の駆動力を用いて移動することにより、前後に2分されるように動く。なお、エアーシリンダ33の駆動は、制御器30により制御されている。
このようにして、実施形態のパッカースケール1では、制御器30は、計量ホッパ本体11LA内の被計量物の重量をロードセル34からの出力信号に基づいて計量する。その後、制御器30が、例えば、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取った場合、大投入計量ホッパ11Lの排出口が、ホッパゲート11LBが2分されることによって開放されると、計量後の被計量物が、集合シュート22に送られる。
このように、大投入計量部10L、10Rにおいては、投入装置12L、12Rのそれぞれから大投入計量ホッパ11L、11Rのそれぞれに被計量物が投入される。この際、投入シュート12LA、12RAのそれぞれの端部出口に設けられたカットゲート12LB、12RBは、大投入計量ホッパ11L、11Rのそれぞれに投入される被計量物が、目標重量未満の予め定められた所定の重量に制御されて投入されるように、開放される。また、カットゲート12LB、12RBはそれぞれ交互に開放されるので、大投入計量ホッパ11L、11Rのそれぞれには交互に被計量物が投入される。つまり、カットゲート12LB、12RBの一方で、上記端部出口を閉塞した状態で、カットゲート12LB、12RBの他方により上記端部出口を所定時間開放することで、大投入計量ホッパ11L、11Rのいずれかへの被計量物の投入が行われ、被計量物の重量が計量される。
<小投入計量部>
複数(実施形態では、4つ)の小投入計量部20A〜20Dはそれぞれ、投入装置21A〜21Dと、計量ホッパ23A〜23Dとを備える。
投入装置21A〜21Dはそれぞれ、パッカースケール1の本体50の連通口51(図1B参照)に設けられた可とう性の連通パイプ52A〜52D(図1A参照)を介して本体50と連通しており、本体50から連通パイプ52A〜52Dを通じて被計量物が振り分けられるように構成されている。
小投入計量部20B〜20Dの構成は小投入計量部20Aと同様であるので、以下、投入装置21B〜21Dおよび計量ホッパ23B〜23Dの詳細な説明を省略する。
投入装置21Aは、投入シュート21AAと、カットゲート21ABとを備える。
投入シュート21AAは、略上下(鉛直)方向に被計量物が通過し得るように中空に構成され、投入シュート21AAの下端部には、被計量物が自重落下するための端部出口が形成されている。被計量物を投入シュート21AAの端部出口から落下させない場合(投入シュート21AA内に被計量物を一時保持する場合)、この端部出口が、投入シュート21AAの下端部に設けられたカットゲート21ABによって閉塞される。
カットゲート21ABは、回転軸40(図3参照)の回転により前後に移動(揺動)可能に構成されている。つまり、投入シュート21AAの端部出口の直下に置かれたカットゲート21ABは、回転軸40が、ステッピングモータ36(図2参照)の駆動力を用いて回転することにより、前後に移動(揺動)する。
このようにして、投入シュート21AAの端部出口が、カットゲート21ABを用いて開放され、これにより、投入シュート21AA内の所定量の被計量物が、計量ホッパ23A内に供給される。なお、ステッピングモータ36の駆動は、制御器30により制御されている。また、本実施形態の特徴部である投入装置21Aの詳細については図3を用いて後述する。
計量ホッパ23Aは、投入シュート21AAから供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された集合シュート22へ被計量物を排出するための計量ホッパ本体23AAおよび一対のホッパゲート23ABを備える。
計量ホッパ23Aは、ロードセル35(図2参照)に連結され、このロードセル35により支持されている。なお、ロードセル35は、パッカースケール1の枠体に固定されている。図2では、計量ホッパ23Aを保持する1個のロードセル35が例示されているが、ロードセル35の個数は複数であっても構わない。ロードセル35から出力される荷重信号(電気信号)は、図示しない周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタなど)を経て制御器30に入力される。つまり、制御器30は、計量ホッパ23A内の被計量物の重量を算出する重量算出手段として機能する。
計量ホッパ23Aの下方には、集合シュート22が配設されている。計量ホッパ23Aから排出される被計量物は、集合シュート22上を滑り落ちてその下部の排出口(図示せず)から、例えば、包装機(図示せず)に送られる。
一対のホッパゲート23ABは、図示しない公知のトグル機構およびステッピングモータ37の駆動力を用いて開閉可能に構成されている。なお、ステッピングモータ37の駆動は、制御器30により制御されている。
以上により、実施形態のパッカースケール1では、制御器30は、計量ホッパ本体23AA内の被計量物の重量をロードセル35からの出力信号に基づいて計量できる。その後、制御器30が、例えば、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取った場合、計量ホッパ23Aの排出口が、ホッパゲート23ABによって開放されると、計量後の被計量物が、集合シュート22に送られる。
そして、実施形態の小投入計量部20A〜20Dにおいては、重量が異なる比率で調整された被計量物が、投入装置21A〜21Dのそれぞれから計量ホッパ23A〜23Dのそれぞれに投入されている。計量ホッパ23A〜23Dにおける被計量物の重量の比率は任意である。例えば、被計量物の重量比率を1:2:4:8に調整しても構わない。
このとき、制御器30は、計量ホッパ23A〜23Dの組合せを求めるための組合せ処理を行う組合せ手段として機能する。つまり、この組合せ処理では、上記異なる比率に調整された4個の被計量物の重量の任意の組合せに基づいた組合せ演算が行われ、被計量物の重量の合計が、所定の組合せ目標重量に最も近くなる計量ホッパ23A〜23Dの組合せが求められる。そして、組合せに選ばれた計量ホッパの被計量物が集合シュート22に排出される。
<小投入計量部の投入装置>
以下、投入装置21Aの詳細について図面を参照しながら説明する。なお、投入装置21B〜21Dの構成は投入装置21Aと同様であるので投入装置21B〜21Dの詳細な説明は省略する。
図3A、図3B、図3Cおよび図4は、実施形態の投入装置の一例を示す図である。
投入装置21Aは、上述のとおり、投入シュート21AAと、カットゲート21ABとを備える。本実施形態では、投入シュート21AAは、被計量物が通過する通過路を形成し、カットゲート21ABは、投入シュート21AA(通過路)の端部(本例では、下端部)に設けられている。
カットゲート21ABは、投入シュート21AAの下端部に形成された端部出口と対置されたカバー部材44を備える。
カバー部材44は、この端部出口が覆われる第1カバー部41および第2カバー部42を備える。カットゲート21ABには、投入シュート21AAの端部出口の開放のための開口部43が、第1カバー部41および第2カバー部42のそれぞれに隣接するようにカバー部材44に形成されている。
投入装置21Aは、第1カバー部41が投入シュート21AAの端部出口を覆う第1状態(図3A参照)から第2カバー部42が投入シュート21AAの端部出口を覆う第2状態(図3C参照)にまで、カットゲート21ABが移動する途中において、図3Bに示すように、投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABの開口部43とが重なることで投入シュート21AAの端部出口から被計量物が落下するように構成されている。つまり、投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABの開口部43とは重なる状態で投入装置21Aを下方から視た場合、図4に示す如く、第1カバー部41および第2カバー部42は、カットゲート21ABのカバー部材44(底面部材)により構成されており、第1カバー部41および第2カバー部42の間の領域、例えば、カットゲート21ABのカバー部材44の長手方向の略中央部に開口部43が形成されている。よって、本実施形態では、カットゲート21ABが回転軸40回りに所定位置まで揺動することで、第1カバー部41および第2カバー部42により投入シュート21AAの端部出口が覆われるとともに、開口部43により投入シュート21AAの端部出口が開放される。そして、投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABの開口部43とが重なる場合、投入シュート21AAの端部出口は開放されるので、投入シュート21AA内の被計量物は重力の作用により下方へ落下する。
具体的には、図3Aでは、投入シュート21AAから被計量物が排出(落下)される直前の投入装置21Aの第1状態が図示されている。このとき、投入シュート21AAの端部出口はカットゲート21ABの第1カバー部41で覆われ、投入シュート21AAの端部出口が閉塞されている。
図3Bでは、投入シュート21AAから被計量物が排出されている途中の投入装置21Aの状態が図示されている。このとき、投入シュート21AAの端部出口と開口部43とが重なることで、投入シュート21AAの端部出口が開放される。
図3Cでは、投入シュート21AAからの被計量物の排出(落下)が完了した直後の投入装置21Aの第2状態が図示されている。このとき、投入シュート21AAの端部出口はカットゲート21ABの第2カバー部42で覆われ、投入シュート21AAの端部出口が閉塞されている。
以上の通り、図3A〜図3Cでは、第1カバー部41が投入シュート21AAの端部出口を覆う第1状態(図3A参照)から第2カバー部42が投入シュート21AAの端部出口を覆う第2状態(図3C参照)にまで、カットゲート21ABが移動する途中において、図3Bに示すように、投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABの開口部43とが重なることで投入シュート21AAの端部出口から被計量物が落下する。このようにして、被計量物を一旦排出した後には、上記と逆方向にカットゲート21ABが回転する。この場合も、カットゲート21ABは、上記の第2状態から上記の第1状態にまでカットゲート21ABが移動する途中において、投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABの開口部43とが重なることで投入シュート21AAの端部出口から被計量物が落下する。これにより、カットゲート21ABが往復運動する場合のいずれの方向の運動でも投入装置21Aから被計量物を落下させることができる。
なお、上述の例では、図3Bおよび図4のように、投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABの開口部43とが完全に重なる状態を示しているが、投入シュート21AAの端部出口と開口部43とが互いに一部のみ重なりあう状態であってもよい。この場合でも投入シュート21AAからの被計量物の落下(排出)を行い得ることは言うまでもない。
カットゲート21ABの開口部43の形状および開口面積などはどのようなものであっても構わない。例えば、本実施形態では、開口部43の形状は円形であるが、矩形であってもよい。
また、本実施形態では、図4に示す如く、開口部43の開口面積は投入シュート21AAの円形の端部出口の面積よりも小さいが、両者の面積の大小関係はこれに限らない。両者の面積は等しくてもよいし、面積の大小関係が逆であってもよい。開口部43の開口面積が投入シュート21AAの端部出口の面積よりも小さい場合、カットゲート21ABの開口部43は、開口部43により投入シュート21AAの被計量物の通過経路が絞られるオリフィスを構成する。
また、図3に示すように、カットゲート21ABおよび投入シュート21AAを側面視した場合、カットゲート21ABのカバー部材44は円弧状に形成されており、投入シュート21AAの端部出口の形状は、このカバー部材44と同一あるいはほぼ同一の曲率となっている。これにより、投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABとの間の間隔が一定あるいはほぼ一定の隙間Sに保たれるので、この隙間Sに存在する被計量物の量を適切に制御できる。
ここで、本実施形態では、投入装置21Aの被計量物の投入量は、投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABとの間の隙間Sおよび投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABの開口部とが重なる場合のカットゲート21ABの移動速度Vのいずれか一方、または、両方より制御されている。
具体的には、投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABとの間の隙間Sが小さくなる程、この隙間Sに存在する被計量物が少量となるので、投入装置21Aの被計量物の投入量を少量化し得る。隙間Sの変更は、カットゲート21ABを固定させ、投入シュート21AAを上下動させる調整機構、あるいは、投入シュート21AAを固定させ、カットゲート21ABを上下動させる調整機構を取ることで行い得る。なお、前者の調整機構の一例は、第1変形例で説明する。
また、カットゲート21ABの移動速度Vを速くする程、投入シュート21AAの端部出口の開放時間が短くなるので、投入装置21Aの被計量物の投入量を少量化し得る。
更に、カットゲート21ABの開口部43が、上記オリフィスを構成する場合、投入シュート21AAの被計量物の投入量は、開口部43の開口面積によっても制御されている。例えば、被計量物の重量比率に対応して、投入装置21A〜21D毎に、カットゲート21ABの開口部43の開口面積を変えてもよい。この場合、カットゲート21AB〜21DBの開口部43の開口面積を小さくする程、投入装置21A〜21Dの被計量物の投入量を少量化し得る。
[動作]
以下、実施形態のパッカースケール1による被計量物(例えば、精米)の投入動作、計量動作および排出動作の一例について図面を参照しながら詳しく説明する。
図5は、実施形態の計量装置(パッカースケール)による被計量物の投入動作、計量動作および排出動作の一例を示す図である。具体的には、パッカースケール1に設けられた様々なカットゲートおよびホッパゲートの開閉のタイミングチャートが示されている。
まず、パッカースケール1による被計量物の投入動作、計量動作および排出動作の準備作業として、作業者が、被計量物を図示しない供給口から本体50内に投入する。このとき、パッカースケール1に設けられたカットゲートおよびホッパゲートは全て閉じられている。
上記供給口からの被計量物は、重力の作用によって本体50の下方に向かって落下し、投入シュート12LA、12RA内および本体50内に堆積する。そして、本体50内の被計量物が、連通口51(図1Aおよび図1B参照)の高さにまで堆積したとき、被計量物は、連通パイプ52A〜52Dにも振り分けられて重力の作用で落下する。すると、被計量物は、投入装置21A〜21Dのそれぞれの投入シュート21AA〜21DAにも堆積する。
以上の被計量物の投入動作、計量動作および排出動作の準備作業が完了した後、パッカースケール1の動作開始ボタン(図示せず)が押される。すると、制御器30の演算回路により、パッカースケール1の各部の動作を実行するための制御プログラムが読み出され、この制御プログラムに基づいて以下のパッカースケール1の動作が行われる。
まず、例えば、パッカースケール1は、大投入計量部10Lのカットゲート12LBを駆動させて大投入計量ホッパ11L内へ被計量物を供給する。また、小投入計量部20A〜20Dの投入装置21A〜21Dのカットゲート21AB〜21DBを駆動させて計量ホッパ23A〜23Dへ被計量物を供給する。そして、大投入計量ホッパ11Lの計量安定時間の経過後、大投入計量ホッパ11Lの被計量物の重量W1が測定され、目標重量から重量W1を差し引いた値となる重量が得られる計量ホッパ23A〜23Dの組合せを選択する。
ついで、被計量物の投入動作、計量動作および排出動作を1サイクル単位で繰り返す。以下、このサイクルについて説明する。
大投入計量部10Lの大投入計量ホッパ11L内の被計量物の重量と計量ホッパ23A〜23Dの計量ホッパ内の被計量物の重量とによって、所定の目標重量を得るための組合せ演算が完了すると、大投入計量ホッパ11Lから集合シュート22への被計量物の排出が行われるとともに、計量ホッパ23A〜23Dの中から選択された計量ホッパから集合シュート22への被計量物の排出が行われる。そして、これらのホッパからの排出完了の後、投入シュート12LA内の被計量物の、大投入計量ホッパ11L内への投入(供給)が開始される。
一方で大投入計量部10Rでは、大投入計量ホッパ11Lの被計量物の排出完了とほぼ同時に(実際には僅かに後に)、大投入計量ホッパ11R内への被計量物の投入(供給)が完了するとともに、計量安定時間が経過する。大投入計量ホッパ11Rの計量安定時間の経過後、大投入計量ホッパ11Rの被計量物の重量W1が測定される。
小投入計量部20A〜20Dでは、前回のサイクルで選択された計量ホッパの排出完了とほぼ同時に、計量ホッパ23A〜23Dの中の前回のサイクルで選択された計量ホッパへの被計量物の投入(供給)が行われた後、小投入計量部20A〜20Dの計量安定時間が経過する。小投入計量部20A〜20Dの計量安定時間の経過後、計量ホッパ23A〜23Dの中から計量ホッパ23A〜23Dの組合せ選択が行われる。具体的には、この組合せ選択では、目標重量から上記重量W1を差し引いた組合せ目標重量が演算され、この組合せ目標重量と最も近くなるように、計量ホッパ23A〜23Dの組合せが導かれる。そして、大投入計量部10Rの大投入計量ホッパ11R内の被計量物の重量と計量ホッパ23A〜23Dの計量ホッパ内の被計量物の重量とによって、所定の目標重量を得るための組合せ演算が完了すると、パッカースケール1の被計量物の投入動作、計量動作および排出動作の1サイクルが終了する。以降、被計量物が投入される大投入計量ホッパおよび被計量物を排出する大投入計量ホッパを入れ替えながら、上記と同様の被計量物の投入動作、計量動作および排出動作が繰り返される。
以上のとおり、実施形態の投入装置21Aおよびカットゲート21ABは、被計量物の投入量を従来よりも少量に制御し得る。つまり、実施形態の投入装置21Aでは、実施形態のカットゲート21ABの第1カバー部41が投入シュート21AAの端部出口を覆う第1状態から第2カバー部42が投入シュート21AAの端部出口を覆う第2状態に移動する途中において、投入シュート21AAの端部出口の開放が行われる。このため、投入シュート21AAの端部出口が開放された状態で、カットゲート21ABの動作が一旦停止することがない。更に、カットゲート21ABの移動中に投入シュート21AAの端部出口が、カットゲート21ABの開口部43により完全に開放された時に、単位時間当たりの被計量物の投入量が最大となる。
かかる構成により、カットゲート21ABの移動速度Vを所望の速度にすることで、投入シュート21AAの端部出口が開放される時間を十分に短縮でき、その結果、従来の投入装置における被計量物の投入量の少量制御の限界を打破できる。
また、実施形態の投入装置21Aは、投入シュート21AAの端部出口とカットゲートとの間の隙間Sおよびカットゲート21ABの移動速度Vなどの操作量を用いて、被計量物の投入量を制御することが可能となる。よって、これらの操作量を単独で、或いは、これらの操作量を適宜組み合わせることで、被計量物の投入量の少量制御をより適切に行うことができる。
また、実施形態のパッカースケール1(計量装置)は、上記投入装置21Aと、この投入装置21Aの下方に設けられた計量ホッパ23Aとを備える。これにより、従来に比べパッカースケール1を簡易かつコンパクトに構成できる。
つまり、被計量物の目標重量と被計量物の大投入重量の差分である不足分の被計量物の重量が減るほど、不足分の重量バラツキが小さいので、計量ホッパの数を少なくできる。しかし、従来のカットゲート方式の投入装置では、被計量物の投入量の少量制御を行うことが困難であり、このことが、パッカースケール1を簡易かつコンパクトに構成する場合のボトルネックとなっていた。例えば、被計量物の投入量の少量制御のために電磁フィーダを用いる場合、パッカースケール1の構成が大型化および複雑化し、コストが嵩む可能性が高い。
これに対して、本実施形態では、上記投入装置21Aを用いて、投入シュート21AAの被計量物の投入量を従来よりも少量に制御することで、被計量物の目標重量と被計量物の大投入重量の差分である不足分の被計量物の重量を減らすことができ、その結果、パッカースケール1を簡易かつコンパクトに構成し得る。
(第1変形例)
図6Aおよび図6Bは、実施形態の第1変形例の投入装置の一例を示す図である。図6Bは、図6Aの投入装置21AのB−B矢視図である。
本変形例の投入装置21Aは、本開示の第2の態様の投入装置21Aにおいて、投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABとの間の隙間S(図3参照)を調整する調整機構45を備える。つまり、調整機構45は、後述のとおり、投入シュート21AAを上下動可能に保持するための装置であり、カットゲート21ABと投入シュート21AAの端部出口との間の上下方向の離間距離である隙間Sを調整し得る。
なお、図示していないが、投入シュート21AAよりも下方の位置に、カットゲート21ABが、そのカバー部材44の上面と対向して配置されている。投入シュート21AAを上方向に動かすと隙間Sが広がり、投入シュート21AAを下方向に動かすと隙間Sが狭まる。かかる構成の実現には、図6Aでは図示していないが、投入シュート21AAの上端部を連通パイプ52A(図1A参照)に対して上下動可能に接続するとよい。投入シュート21AAを連通パイプ52Aに対して上下動可能に接続するには、例えば、投入シュート21AAの上端部あるいは上端部を含めた全ての内径と連通パイプ52Aの下端部あるいは下端部を含めた全ての内径とを互いに異ならせて、互いを嵌合させることで行い得る。その際、投入シュート21AAの位置を固定するには、例えば、ホースバンドを用いるとよい。なお、連通パイプ52A及び投入シュート21AAは、例えば、パッカースケール1の枠体(内枠体)付近で連通させていてもよい。
また、投入装置21B〜21Dも、本変形例の投入装置21Aと同様の調整機構を備えても構わない。
以上により、被計量物の投入量制御のための操作量である投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABとの間の隙間Sを容易に調整することができる。
調整機構45は、投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABとの間の隙間Sを調整できれば、どのような構成であっても構わない。本変形例では、調整機構45は、適宜の固定部材49(ここでは、ボルト49)によりパッカースケール1の枠体に固定されている。そして、調整機構45は、投入シュート21AAを挟み込むための半円形の凹部が形成されている一対の固定部材46A、46Bと、投入シュート21AAが挟み込まれた状態で固定部材46A、46B同士を締結する締結部材47(ここでは、ボルト47)を備える。
これにより、ボルト47を緩め、投入シュート21AAをその上下方向にスライドさせることにより、投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABとの間の隙間Sが調整される。
本変形例の投入装置21A〜21Dは、上記特徴点以外は、実施形態の投入装置21A〜21Dと同様に構成してもよい。
(第2変形例)
図7は、実施形態の第2変形例の投入装置を備える小投入計量部の一例を示す図である。
本変形例の小投入計量部20Aはガイド部材48を備える。ガイド部材48は、投入装置21Aと計量ホッパ23Aとの間において、投入装置21Aの投入シュート21AAの下端部およびカットゲート21ABのカバー部材44の周囲を囲むように設けられた容器である。そして、ガイド部材48の底面には、図示しない被計量物通過用の開口が設けられている。なお、小投入計量部20B〜20Dも、本変形例の小投入計量部20Aと同様のガイド部材を備えても構わない。
投入装置21Aでは、カットゲート21ABの移動速度を速くすると、被計量物が、カットゲート21ABから飛び出して、パッカースケール1の下方へと零れる可能性があるが、本変形例の小投入計量部20Aでは、ガイド部材48により、カットゲート21ABから飛び出した被計量物を受けることができるので、このような可能性を低減できる。
本変形例の小投入計量部20A〜20Dは、上記特徴点以外は、実施形態の小投入計量部20A〜20Dと同様に構成してもよい。
(第3変形例)
図8は、実施形態の第3変形例の投入装置の一例を示す図である。
パッカースケール1による被計量物の投入動作、計量動作および排出動作が終了した場合、パッカースケール1内に残留する被計量物を全て外部へ排出するという被計量物の全量排出を行う場合がある。特に、被計量物が、精米などの食料品の場合、パッカースケール1による被計量物の投入動作、計量動作および排出動作が終了した後、被計量物の全量排出を行う方が好ましい。
被計量物の全量排出は、例えば、投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABの開口部43とが重なる状態(図3B参照)のままに維持して行ってもよいが、本変形例の投入装置21Aでは、被計量物の全量排出が、図8に示すように、投入シュート21AAの端部出口からカットゲート21ABが完全に退避できるように、カットゲート21ABを時計回りまたは半時計回りの回転限界まで移動させることで行われる。なお、投入装置21B〜21Dも、本変形例の投入装置21Aと同様の全量排出を行っても構わない。
特に、カットゲート21ABの開口部43が、開口部43により投入シュート21AAの被計量物の通過経路が絞られるオリフィスを構成する場合、投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABの開口部43とが重なる状態のままに被計量物の全量排出を行うと、投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABとの間の隙間S(図3B参照)に被計量物が残る可能性がある。また、投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABの開口部43とが重なる状態のままに被計量物の全量排出を行うと、カットゲート21ABの開口部43が、被計量物の排出速度に対してボトルネックとなる可能性もある。
これに対して、本変形例の投入装置21Aは、投入シュート21AAの端部出口からカットゲート21ABを完全に退避させることにより、以上の可能性を低減できる。
本変形例の投入装置21A〜21Dは、上記特徴点以外は、実施形態の投入装置21A〜21Dと同様に構成してもよい。
(第4変形例)
実施形態の投入装置21Aでは、カットゲート21ABは、回転軸40(図3参照)の回転により移動(揺動)可能に構成されている例を説明したが、これに限らない。
例えば、投入装置21A〜21Dは、上記のカットゲート21ABに代えて、開口部が適所に形成された板状のスライド式カットゲートを備えてもよいし、開口部が適所に形成された円盤状または、底面を有しない円錐状(傘状)のカットゲートを備えてもよい。
なお、カットゲートが、円盤面で構成される場合、例えば、開口部が、円盤面の周方向に間欠的に形成されている。そして、この円盤面を、円盤面に垂直な中心軸回りに回転させるとき、円盤面の開口部と投入シュートの出口端部との重なりが間欠的に生じるように、投入シュートが配置されている。すると、円盤面のある回転位置では投入シュートの端部出口を円盤面により塞ぐことができる。この状態から円盤面の回転を開始させ、円盤面の開口部と投入シュートの端部出口とが重なりあう状態を経て、円盤面の別の回転位置で投入シュートの端部出口を円盤面により塞ぐ状態になったとき、円盤面の回転を停止させる。
以上により、投入シュートから所望量の被計量物が、円盤面の下方に落下する。以下、このような動作が繰り返される。
カットゲートが、円錐面で構成される場合、例えば、開口部が、円錐面の周方向に間欠的に形成されている。そして、この円錐面を、円錐面の頂点を通る鉛直方向の中心軸回りに回転させるとき、円錐面の開口部と投入シュートの出口端部との重なりが間欠的に生じるように、投入シュートが配置されている。例えば、円錐面と投入シュートの端部出口とが並行あるいは略並行になるよう形成されている。すると、円錐面のある回転位置では投入シュートの端部出口を円錐面により塞ぐことができる。この状態から円錐面の回転を開始させ、円錐面の開口部と投入シュートの端部出口とが重なりあう状態を経て、円錐面の別の回転位置で投入シュートの端部出口を円錐面により塞ぐ状態になったとき、円錐面の回転を停止させる。
以上により、投入シュートから所望量の被計量物が、円錐面の下方に落下する。以下、このような動作が繰り返される。なお、円盤面及び円錐面の回転方向は1方向には限られない。例えば、円盤面及び円錐面が開口部を塞いだ状態から回転を開始させ、開口部と投入シュートの端部出口とが重なる状態を経て、再度塞いだ状態となり、その後、円盤面及び円錐面を逆方向に回転させ、同様の開閉動作をしてもよい。
本変形例の投入装置21A〜21Dは、上記特徴点以外は、実施形態の投入装置21A〜21Dと同様に構成してもよい。
(第5変形例)
実施形態では、パッカースケール1が2連の大投入計量部10L、10Rを備える例を説明したが、これに限らない。例えば、本変形例のパッカースケール1は、パッカースケール1による被計量物の投入動作、計量動作および排出動作の1サイクル時間が実施形態のパッカースケール1に比べ長くなるが、1連の大投入計量部を備える計量装置であっても構わない。
本変形例のパッカースケール1は、上記特徴点以外は、実施形態のパッカースケール1と同様に構成してもよい。
(第6変形例)
実施形態では、カットゲート21ABの移動速度Vを一定に設定する場合について説明したが、これに限らない。
例えば、カットゲート21ABの移動速度Vを可変させてもよい。また、被計量物の投入量の少量制御に悪影響とならない程度の短時間であれば、投入シュート21AAの端部出口とカットゲート21ABの開口部43とが重なる状態でカットゲート21ABが一時的に停止してもよい。
本変形例のパッカースケール1は、上記特徴点以外は、実施形態のパッカースケール1と同様に構成してもよい。
なお、実施形態、第1変形例、第2変形例、第3変形例、第4変形例、第5変形例および第6変形例は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせても構わない。
上記説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本開示の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
例えば、上述の実施形態および第1〜第6変形例では、小投入計量部20A〜20Dが、被計量物が通過する通過路を形成する投入シュートを備え、重力の作用により、投入シュート内の被計量物が上から下へ通過する場合について説明したが、これに限らない。搬送スクリューなどの重力以外の搬送手段によって被計量物を搬送させる場合、通過路は、上から下への方向以外の方向、例えば、水平方向に被計量物を通過させるパイプなどの中空部材で形成されてもよい。この場合、投入シュートの端部出口とカットゲートとの間の隙間の調整には、例えば、投入シュートと連通パイプとを、投入シュートが連通パイプに対して上下方向以外、例えば、横方向に移動可能に構成してもよい。また、カットゲートを横方向に移動可能に構成してもよい。