以下、本発明の実施形態による計量装置の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は対応する部材については同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
また、以下の具体的な説明は、計量装置の特徴を例示しているに過ぎない。例えば、計量装置を特定した用語と同じ用語或いは相当する用語に適宜の参照符号を付して以下の具体例を説明する場合、当該具体的な構成要素は、これに対応する上記計量装置の構成要素の一例である。よって、計量装置の特徴は、以下の具体的な説明によって限定されるものではない。
図1に示すように、本実施形態に係るパッカースケール(計量装置)100は、包装機への被計量物(例えば、粉体)の大投入(多量投入)が行われる大投入計量部10と、包装機への被計量物の中投入(中量投入)が行われる中投入計量部50(50A〜50D)と、包装機への被計量物の小投入(少量投入)が行われる小投入計量部30と、を備える。
なお、図1では、パッカースケール100の小投入計量部30の構成を理解し易くする趣旨で、パッカースケール100の右側に配置されている中投入計量部50の構成要素(図3に示す第4中投入計量部50D)の図示を省略している。また、説明の便宜上、図1において、被計量物が、大投入計量部10の途中(鉛直高さH)から中投入計量部50および小投入計量部30それぞれに被計量物が振り分けられる方向を「左右方向」としている。そして、中投入計量部50の主要部が配置されている側を「左」、小投入計量部30が配置されている側を「右」としている。また、パッカースケール100では、「上方」(図示せず)から「下方」(図示せず)、すなわち鉛直方向、下向きに重力が作用しているものとする。また、上述した左右方向と垂直をなし、かつ鉛直方向と垂直をなす方向を前後方向(図1の紙面の手前側を「前」、奥側を「後」)として示している。
(大投入計量部の構成)
まず、本実施形態のパッカースケール100が備える大投入計量部10の構成について図1を参照しながら説明する。
図1に示すように大投入計量部10は、鉛直方向に立設するサービスホッパ20と、サービスホッパ20の下方に配された大投入供給ホッパ(供給ホッパ)22と、この大投入供給ホッパ22の下方に配された大投入計量ホッパ21と、を備える。
サービスホッパ20は、パッカースケール100の中央部に配され、供給部20Aと排出部20Bとを備えてなる構成である。供給部20Aの上端部11には、被計量物供給用の供給口(不図示)が形成されており、この供給口を介して被計量物が、サービスホッパ20内に投入される。
一方、排出部20Bには、大投入スクリューフィーダ(定量容量型供給装置)14が備えられており、この大投入スクリューフィーダ14によって所定重量の被計量物(目標重量(MT)未満の被計量物)が送出される。そして、送出された被計量物は、排出部20Bの下端部に形成された被計量物排出用の排出口(図示せず)を介して、大投入供給ホッパ22内に供給される。
大投入スクリューフィーダ14は、サービスホッパ20内に投入された被計量物を螺旋型のスクリューを回転させて送るものである。スクリューの螺旋の径、螺旋の巻きピッチ等を変更することで被計量物の送り量を調整することができる。さらに、スクリューの回転数及び回転速度を調整することで所定重量の被計量物を所定の時間内に送出することができる。
なお、自然落下式カットゲート方式では効率よく所望の量の被計量物を下方に位置する計量ホッパ等に送出することができない場合であっても、大投入スクリューフィーダ14を用いることにより、好適に所望量の被計量物を送出することができる。ただし、大投入スクリューフィーダ14により被計量物を供給する構成は、自然落下式カットゲート方式により被計量物を供給する構成に比べて、この被計量物を送り出す速度が遅くなってしまう。このため、パッカースケール100の被計量物の計量から包装機への排出までの1サイクル(計量サイクル)の処理が遅くなってしまい、能力が低下してしまう。そこで、本実施形態では、詳細は後述するが、例えば大投入供給ホッパ22を用いて、パッカースケール100の処理能力の低下を防ぐように工夫されている。
排出部20Bの下方に設けられた大投入供給ホッパ22は、大投入計量スクリューフィーダ14から送出された被計量物を受け取り、一時保持するものである。大投入供給ホッパ22は、大投入供給ホッパ本体22Aと大投入供給ホッパゲート16A、16Bとを備え、サービスホッパ20から供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された大投入計量ホッパ21へ供給する。
大投入供給ホッパゲート16A、16Bはそれぞれ、公知のトグル機構を備えるリンク部を用いて左右にスイング移動可能に構成され、リンク部が、ロータリアクチュエータ15の駆動力を用いて左右に2分されるように移動する。そして、この移動により被計量物を大投入供給ホッパ本体22Aで一時保持したり、大投入計量ホッパ21へ供給したりする。すなわち、指示制御器71は、排出部20Bから大投入供給ホッパ22への被計量物の投入開始から投入完了までの時間を管理しており、投入完了した時点で、大投入供給ホッパ22の排出口が開放されるように大投入供給ホッパゲート16A、16Bを制御する。これによって、大投入供給ホッパゲート16A、16Bが移動して大投入供給ホッパ22から被計量物が大投入計量ホッパ21に供給される。
大投入計量ホッパ21は、目標重量(MT)未満の被計量物を大投入供給ホッパ22から受け取るとともに、この被計量物の重量を計量し、計量後の被計量物を集合シュート23へ排出するホッパである。大投入計量ホッパ21は、大投入計量ホッパ本体21Aと大投入計量ホッパゲート18A、18Bとを備え、大投入供給ホッパ22から供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された集合シュート23へ被計量物を排出する。
大投入計量ホッパゲート18A、18Bはそれぞれ、公知のトグル機構を備えるリンク部を用いて左右にスイング移動可能に構成され、リンク部が、ロータリアクチュエータ17の駆動力を用いて左右に2分されるように移動する。そして、この移動により被計量物を大投入計量ホッパ本体21Aで一時保持したり、集合シュート23へ排出したりする。すなわち、指示制御器71が包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取ると、大投入計量ホッパ21の排出口が開放されるように大投入計量ホッパゲート18A、18Bを制御し、計量後の被計量物を、集合シュート23に送る。
また、大投入計量ホッパ21は、4個のロードセルLC1、LC2、LC3、LC4により支持され、これらロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれから出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等;図示せず)を経て指示制御器71に入力されるように構成されている。そして、指示制御器71が、大投入計量ホッパ本体21A内の被計量物の重量をロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれからの出力信号に基づいて計量する。
(中投入計量部の構成)
次に、上述した図1に加え、図2、3、4を参照して中投入計量部50の構成について説明する。図2では、左方からみた第1中投入計量部50A、第2中投入計量部50B、および第3中投入計量部50Cの配置関係が明確となるように、これら各部およびこれら各部に直接かかわりあう部材以外については記載を省略している。また、説明の便宜上、図2では中投入計量部50が備える構成部材のうち、ロータリアクチュエータ51、52、53、ならびにロードセルLC5、6、7については省略している。
本実施形態のパッカースケール100は、中投入計量部50として、第1中投入計量部50A、第2中投入計量部50B、第3中投入計量部50C、および第4中投入計量部50Dを備えてなる構成である。図2に示すように、パッカースケール100の左側において前側から後側に向かって、順に第1中投入計量部50A、第2中投入計量部50B、および第3中投入計量部50Cが直列に配されている。また、図3に示すように、パッカースケール100の右側において、前側に第4中投入計量部50Dが配されている。
第1中投入計量部50A、第2中投入計量部50B、第3中投入計量部50C、および第4中投入計量部50Dそれぞれは、図2、3に示すように、中投入計量ホッパとして、第1中投入計量ホッパ64、第2中投入計量ホッパ65、第3中投入計量ホッパ66、および第4中投入計量ホッパ44を備えている。これら中投入計量ホッパでは、異なる比率(容積比率)となるように重量が調整された被計量物がそれぞれ供給される。そして、複数の中投入計量ホッパのうち、大投入計量ホッパ21により計量された被計量物の重量(大投入重量MB)と目標重量(MT)との差に応じて実施された組合せ演算の演算結果に基づき、被計量物を排出する組合せ対象となる中投入計量ホッパが決定される。そして、決定された組合せの中投入計量ホッパそれぞれから被計量物が排出(組合せ排出)される。なお、組合せ演算についての詳細は後述する。
さらに、第1中投入計量部50A、第2中投入計量部50B、第3中投入計量部50C、および第4中投入計量部50Dそれぞれは、下方に配置された第1、第2、第3、第4中投入計量ホッパ64、65、66、44に所定重量の被計量物を供給するために第1、第2、第3、第4中投入スクリューフィーダ(定量容量型供給装置)24A、24B、24C、24Dを備えている。
また、中投入計量部50のうち第2中投入計量部50Bは、第2中投入計量ホッパ65の上方に図2に示すように第2中投入供給ホッパ(供給ホッパ)25を備えている。また、図3に示すように第4中投入計量部50Dは、第4中投入計量ホッパ44の上方に第4中投入供給ホッパ(供給ホッパ)27を備えている。
本実施形態では、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44それぞれで、供給される被計量物の比率重が異なっている。より具体的には、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44それぞれの順に、1:4:2:8となるように被計量物の比率重が調整されている。このように、供給される被計量物の量が異なるため、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44においてそれぞれ被計量物の供給にかかる時間が異なることになる。特に、本実施形態のようにスクリューフィーダによって被計量物が供給される構成の場合、供給に係る時間の差は顕著となる。そこで、被計量物の供給に時間のかかる第2中投入計量ホッパ65および第4中投入計量ホッパ44それぞれの上方に第2中投入供給ホッパ25および第4中投入供給ホッパ27をそれぞれ備える。そして、これらの供給ホッパを使って被計量物の供給の遅延にともなって、被計量物を計量し包装機へ排出するまでにかかる処理時間が増大してしまうことを防ぐように構成されている。
なお、第2中投入計量部50Bおよび第4中投入計量部50Dにおいて実施される、投入(供給)された被計量物が計量され、包装機へ排出されるまでの一連の処理の流れについての詳細は後述する。
ところで第1中投入計量部50A、第2中投入計量部50B、第3中投入計量部50C、および第4中投入計量部50Dのそれぞれは、第2中投入計量部50Bおよび第4中投入計量部50Dが第2中投入供給ホッパ25および第4中投入供給ホッパ27をさらに備える点を除いて同様な構成を有する。このため、以下において、第2中投入計量部50Bの構成を代表して説明し、第4中投入計量部50Dの説明については省略するものとする。
また、第2中投入計量部50Bは、第2中投入シュート62を通じて投入された被計量物を一時、第2中投入供給ホッパ25で格納し、第2中投入計量ホッパ65に送出する。これに対して、第1中投入計量部50Aおよび第3中投入計量部50Cは、第1中投入シュート61および第3中投入シュート63を通じて投入された被計量物を、そのまま第1中投入計量ホッパ64および第3中投入計量ホッパ66に送出する点で異なるが、これ以外は第2中投入計量部50Bと同様の構成である。このため、第1中投入計量部50Aおよび第3中投入計量部50Cの説明についても省略する。
(第2中投入計量部50Bの構成)
第2中投入計量部50Bは、図2に示すように第2中投入シュート62を備え、この第2中投入シュート62の下方には第2中投入供給ホッパ25が配され、さらにその下方には第2中投入計量ホッパ65が配されている。
第2中投入シュート62は、その下端部62Bに設けられた排出口から被計量物を第2中投入供給ホッパ25に投入できるように構成されている。また、サービスホッパ20の左側面に接続される中継部60と、この中継部60の下端部においてちょうど真ん中に分岐した第2中投入分岐部60Bとを介して、サービスホッパ20と第2中投入シュート62とが連通するようになっている。
第2中投入カットゲート55は、第2中投入シュート62における下端部62Bの排出口の開閉を行なうものであり、回転軸52Aを中心に前後方向に揺動可能となっている。つまり、回転軸52Aが、ロータリアクチュエータ52の駆動力を用いて回転することにより、後方に後退するように動く。このように第2中投入カットゲート55が後方に移動することにより、第2中投入シュート62の排出口が開放された状態となり、第2中投入シュート62内の所定量の被計量物が、第2中投入供給ホッパ25内に供給されるように構成されている。ロータリアクチュエータ52の駆動は、中投入計量部制御用の指示制御器73により制御されている。
なお、本実施形態では、第2中投入シュート62を通じて被計量物を供給(投入)する場合、第2中投入スクリューフィーダ24Bの稼動を制御し行っている。このため、第2中投入カットゲート55を必ずしも備える必要はないが、第2中投入カットゲート55を備えている方が、第2中投入スクリューフィーダ24Bの停止後にここから被計量物が漏れ出て落下してしまうことを防ぐことができる点で有利である。
第2中投入供給ホッパ25は、第2中投入シュート62から供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された第2中投入計量ホッパ65へ供給するためのものである。第2中投入供給ホッパ25は、第2中投入供給ホッパ本体25Aおよび第2中投入供給ホッパゲート26から構成される。
第2中投入供給ホッパゲート26は、公知のトグル機構およびロータリアクチュエータ80の駆動力を用いて開閉可能となるように構成され、このロータリアクチュエータ80の駆動は、指示制御器73により制御されている(図4参照)。なお、駆動装置はロータリアクチュエータに限定されるものではなく、例えば、ステッピングモータを用いる構成であってもよい。
第2中投入計量ホッパ65は、第2中投入供給ホッパ25を介して第2中投入シュート62から供給された被計量物の重量を計量するとともに、この供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された集合シュート23へ排出するためのものである。第2中投入計量ホッパ65は、第2中投入計量ホッパ本体65Aおよび第2中投入計量ホッパゲート68から構成される。
第2中投入計量ホッパ65は、パッカースケール100の架台に固定されたロードセルLC6により支持されている。そして、ロードセルLC6から出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等)を経て指示制御器73に入力されるようになっている(図4参照)。
第2中投入計量ホッパゲート68は、公知のトグル機構およびロータリアクチュエータ58の駆動力を用いて開閉可能となるように構成され、このロータリアクチュエータ58の駆動は、指示制御器73により制御されている。なお、駆動装置はロータリアクチュエータに限定されるものではなく、例えば、ステッピングモータを用いる構成であってもよい。
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器73は、第2中投入計量ホッパ本体65A内の被計量物の重量をロードセルLC6からの出力信号に基づいて計量できる。その後、指示制御器73が、例えば、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取った場合、第2中投入計量ホッパ65の排出口が、第2中投入計量ホッパゲート68によって開放され、計量後の被計量物が、集合シュート23に送られる。
(小投入計量部の構成)
次に、小投入計量部30について上述した図1、図3、および図4を参照しながら詳しく説明する。
以下において、小投入計量部30の構成について説明する。
小投入計量部30は、小投入スクリューフィーダ13、ロスイン投入シュート41、およびロスインホッパ42を備えてなる構成である。この小投入計量部30は、パッカースケール100の右側において、第4中投入計量部50Dよりも後側に配されている。
ロスイン投入シュート41は、図3に示すように小投入分岐部40Aの下端に配置され、この延伸部分の先端部(下端部41B)の下に、ロスインホッパ42が配される。また、小投入分岐部40Aとロスイン投入シュート41との連結部には小投入スクリューフィーダ13が設けられており、この小投入スクリューフィーダ13によって小投入分岐部40Aに振り分けられた被計量物がロスイン投入シュート41に送出されるようになっている。
また、ロスイン投入シュート41とその下方に位置するロスインホッパ42とは鉛直方向に並んで配されている。そして、ロスイン投入シュート41の下端部41Bに設けられた排出口から被計量物がロスインホッパ42に排出されるように構成されている。
なお、ロスイン投入ゲート31は、ロスイン投入シュート41における排出口の開閉を行なうものであり、回転軸34Aを中心に左右方向に揺動可能となっている。つまり、ロスイン投入シュート41の排出口の直下に置かれたロスイン投入ゲート31は、回転軸34Aが、ロータリアクチュエータ34の駆動力を用いて回転することにより、パッカースケール100を正面に見て右側に後退する(図1参照)。このようにロスイン投入ゲート31が移動することによって、ロスイン投入シュート41の排出口が開放された状態となり、ロスイン投入シュート41内の所定量の被計量物が、ロスインホッパ42内に供給される。ロータリアクチュエータ34の駆動は、小投入計量部制御用の指示制御器72により制御されている。
本実施形態では、ロスイン投入シュート41を通じて被計量物を供給(投入)する場合、小投入スクリューフィーダ13の稼動を制御し行っている。このため、ロスイン投入ゲート31を必ずしも備える必要はないが、ロスイン投入ゲート31を備えている方が、小投入スクリューフィーダ13の停止後にここから被計量物が漏れ出て落下してしまうことを防ぐことができる点で有利である。
ロスインホッパ42は、目標重量(MT)と、大投入計量ホッパ21から排出される被計量物の重量(大投入重量MB)および中投入計量ホッパから排出される被計量物の重量との差を補うように微調整するために、ロスイン計量を行いながら被計量物を排出するホッパである。このロスインホッパ42は、鉛直方向に立設する略円筒体形状となっており、ロスイン投入シュート41から投入された被計量物は、ロスインホッパ42の上端部42Aに供給され、ロスインホッパ42の下端部42Bに設けられた排出口から集合シュート23に排出される。
ここで、ロスインホッパ42内に被計量物を一時保持する場合、下端部42Bにおける排出口を、ロスイン排出ゲート32を用いて塞ぐことができるように構成されている。より具体的には、ロスイン排出ゲート32は、回転軸35Aを中心に左右方向に揺動可能となるように構成されている。そこで、ロスインホッパ42の下端部42Bに設けられた排出口の直下に置かれたロスイン排出ゲート32は、回転軸35Aが、ロータリアクチュエータ35の駆動力を用いて回転することにより、パッカースケール100を正面に見て右側に後退するように動く(図1)。このようにロスイン排出ゲート32が右側に移動することで、ロスインホッパ42の下端部42Bに設けられた排出口が開状態となり、ロスインホッパ42内の被計量物が、集合シュート23に向かって排出される。なお、ロータリアクチュエータ35の駆動は、指示制御器72により制御されるように構成されている。
また、ロスインホッパ42は、ロードセルLC8により支持されており、ロードセルLC8から出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等;図示せず)を経て指示制御器72に入力されるように構成されている(図4参照)。
ここで、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器72が、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取った場合、ロスインホッパ42の下端部42Bに設けられた排出口を開状態とするようにロスイン排出ゲート32に対して指示する。この指示に応じてロスイン排出ゲート32が移動して、ロスインホッパ42の下端部42Bに設けられた排出口が開状態となる。そして、ロスインホッパ42内の被計量物が、ロードセルLC8からの出力信号に基づいてロスイン排出される。なお、このロスイン排出において被計量物の単位時間の排出量が一定となるよう、被計量物の嵩密度に基づいて、ロスインホッパ42の直径が適宜の値に設定されている。
(指示制御器の構成)
次に、図4を参照して本実施形態に係る被計量物の計量制御に係る構成について説明する。まず、被計量物の計量制御を実施する指示制御器の構成について説明する。
本実施形態に係るパッカースケール100では、計量制御を指示制御器71、72、73によって実施する。
指示制御器71、72、73は、例えば、マイクロコントローラ、MPU、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等からなる演算部(図示せず)と、ROMやRAM等からなるメモリ部(図示せず)と、重量表示部やメッセージ表示部等からなる表示部(図示せず)と、作業者が様々なデータを入力できるキー入力部(図示せず)と、により構成することができる。
本実施形態では、指示制御器71、72、73が互いに協働して計量制御を実施しているがこれに限定されるものではない。例えば、指示制御器71、72、73の複数の制御器により計量制御を実施するのではなく、単独の制御器によって計量制御を実施する構成であってもよい。
指示制御器71は、大投入供給ホッパゲート16A、16Bならびに大投入計量ホッパゲート18A、18Bを開閉するためのアクチュエータ(上記ロータリアクチュエータ15、17)の動作を制御する制御器である。また、大投入計量ホッパ21を支持するロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれからの出力信号を受け取り、この出力信号に基づいて大投入計量ホッパ21に保持されている被計量物の重量を算出するものでもある。
指示制御器72は、ロスイン投入ゲート31およびロスイン排出ゲート32を開閉するためのアクチュエータ(ロータリアクチュエータ34、35)の動作を制御する制御器である。また、ロスインホッパ42を支持するロードセルLC8からの出力信号を受け取り、この出力信号に基づいてロスインホッパ42内の被計量物の重量を算出するものでもある。
指示制御器72は、ロードセルLC8を用いてロスインホッパ42内の被計量物の重量を常時監視しており、被計量物の排出前の初期重量から丁度設定された重量分だけ、ロスインホッパ42内の被計量物の重量が減少したときに、ロスインホッパ42の排出口を、ロスイン排出ゲート32を用いて閉めることができる。かかる小投入計量部30によるロスイン計量を用いることにより、被計量物の排出量を高精度に調整できる。
指示制御器73は、第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、および37、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパゲート67、68、69、および38、ならびに第2、4中投入供給ホッパゲート26、28を開閉するためのアクチュエータ(ロータリアクチュエータ51、52、53、および36、ロータリアクチュエータ57、58、59、39、80、81)の動作を制御する制御器である。また、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44のそれぞれを支持するロードセルLC5、LC6、LC7、LC9のそれぞれからの出力信号を受け取り、これらの出力信号に基づいて第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44内のそれぞれの被計量物の重量を算出するものでもある。
更に、指示制御器73は、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44による組合せ演算も行う。つまり、本実施形態に係るパッカースケール100では、大投入計量部10への被計量物の大投入と、容積比率を異ならせた複数の中投入計量部50への被計量物の中投入と、小投入計量部30への被計量物の小投入との組合せによって、被計量物の重量が目標重量に近似するようにしている。指示制御器73は、このうち容積比率を異ならせた複数の中投入計量部50へ投入された被計量物の組合せのうち、所望の重量に最も近い組合せを求める組合せ演算を行う。
(パッカースケールにおける計量制御)
上述した指示制御器71、72、73の制御指示の下、実施される計量制御について、以下に図5を参照して説明する。この図5により、パッカースケール100における被計量物の計量制御に係る投入動作、計量動作および排出動作の一例を示す。なお、以下では、各ホッパそれぞれに被計量物が投入され、所定重量分の被計量物が供給先に対して排出されるまでの一連のサイクルを計量サイクルとして説明する。ただし、図5では、便宜的に各ホッパでの動作が揃う被計量物の排出タイミングから、次の被計量物の排出タイミング前までの間の処理を1サイクル(計量サイクル)にかかる時間として示している。
(計量動作および排出動作の準備処理)
まず、計量動作および排出動作を実施する前段階の準備処理について説明する。
この準備処理では、まず、作業者が、被計量物を供給口(不図示)からサービスホッパ20内に投入する。なお、このとき、パッカースケール100に用いられるゲートは全て閉じられている。そして、投入された被計量物は、その自重によりサービスホッパ20の下方に向かって落下し、サービスホッパ20内に堆積する。
サービスホッパ20内の被計量物が、所定の鉛直高さHにまで堆積したとき、被計量物が、左右の中継部40、60のそれぞれにもこれらの開口部40D、60Dを介して自重落下し始める。つまり、図2に示すように、開口部60Dからの被計量物は、中継部60の下端部において中継部60から第1、第2および第3中投入分岐部60A、60B、および60Cに振り分けられて自重落下する。そして、第1、第3中投入計量ホッパ64、66、あるいは第2中投入供給ホッパ25に供給する際、振り分けられた被計量物が第1、2および第3中投入スクリューフィーダ24A〜24Cによって、第1、第2および第3中投入シュート61、62、および63に送り出されるように構成されている。
また、図3に示すように、開口部40Dからの被計量物は、中継部40の下端部において第4中投入分岐部40Bおよび小投入分岐部40Aに振り分けられて自重落下する。そして、第4中投入供給ホッパ27およびロスインホッパ42に被計量物を供給する際、振り分けられた被計量物が第4中投入スクリューフィーダ24Dおよび小投入スクリューフィーダ13によって、第4中投入シュート43およびロスイン投入シュート41に送り出されるように構成されている。
以上の被計量物の投入動作、計量動作および排出動作の準備処理が完了すると、パッカースケール100の動作開始ボタン(図示せず)を作業者が押下する。動作開始ボタンの押下に応じて、指示制御器71、72、73が、制御プログラムを実行してパッカースケール100の各部の動作を制御する。指示制御器71、72、73による制御について以下に説明する。
(大投入計量部10での制御動作)
まず、大投入計量部10での制御動作について説明する。大投入計量部10では、大投入スクリューフィーダ14が稼動して、所定重量の被計量物をサービスホッパ20の排出口に送出させる。これにより、被計量物がサービスホッパ20内から大投入供給ホッパ22内に大投入(ボリューム投入)される。
このとき、指示制御器71は、大投入スクリューフィーダ14のスクリューの回転数および回転速度を制御して、大投入する被計量物の重量(大投入重量MB)を調整する。すなわち、指示制御器71は、被計量物の目標重量MTを僅かに下回る重量(例えば、目標重量MTの98%程度)となるように大投入重量MBを調整する。
具体的には、指示制御器71は、投入する被計量物の重量が目標とする大投入重量MBとなるように、大投入スクリューフィーダ14を用いて、大投入供給ホッパ22に被計量物を供給する。そして、大投入供給ホッパ22内に、被計量物が大投入されると、指示制御器71からの制御指示に応じて、ロータリアクチュエータ15を駆動し、大投入供給ホッパ22の排出口が開放されるように大投入供給ホッパゲート16A、16Bを移動させる。これにより、大投入供給ホッパ22に一時、保持された被計量物を大投入計量ホッパ21へ供給することができる。
ところで、本実施形態に係るパッカースケール100では、大投入計量ホッパ21へ被計量物が供給された後、該被計量物の供給に起因して生じた該大投入計量ホッパ21での振動が収束するまでの時間(計量安定待ち時間T1の間)では、大投入計量ホッパ21へ供給された被計量物に対する計量が実施されないように構成されている。つまり、計量安定待ち時間T1の間、指示制御器71は、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4からの出力信号の取得を停止する。
また、この計量安定待ち時間T1の間、指示制御器71は、次の計量サイクルでの大投入を行なうように、大投入スクリューフィーダ14を制御して大投入供給ホッパ22に被計量物を供給させる。
ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4での計量安定待ち時間T1が経過すると、指示制御器71は、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれからの出力信号に基づいて実際に投入された被計量物の重量、すなわち実際の大投入重量MBを求める。
なお、指示制御器71がロードセルLC1、LC2、LC3、LC4から得られる出力信号の取得を停止している期間(計量安定待ち時間T1)、ならびにロードセルLC1、LC2、LC3、LC4から得られる出力信号を取得し、大投入重量MBを求める期間の両期間にわたって実施される処理を本明細書では計量処理とまとめて称するものとする。
そして、大投入後で計量安定時間(T1)経過後、指示制御器71は、大投入計量ホッパゲート18A、18Bを用いて大投入計量ホッパ21の排出口を開放させ、被計量物を排出(ボリューム排出)する。また、この被計量物の排出後、すぐに、既に大投入供給ホッパ22に供給されている被計量物を大投入計量ホッパ21に供給するように指示制御器71は大投入供給ホッパ22に指示する。この指示に応じて、大投入供給ホッパ22は大投入供給ホッパゲート16A、16Bを移動させ、被計量物を大投入計量ホッパ21に供給する。
すなわち、本実施形態に係るパッカースケール100では、計量安定待ち時間T1の間に、次の計量サイクルで包装機に排出するための被計量物を大投入供給ホッパ22に大投入しておくことができる。つまり、計量安定待ち時間T1と次の計量サイクルでの大投入供給ホッパ22への大投入とをオーバーラップして行なうことができる。
このため、図6(a)、(b)に示すように、大投入供給ホッパ22を備えない構成と比較して、大投入計量部10の2回目以降の計量サイクルの終了時間が早くなる。図6(a)では、本実施形態に係る大投入計量部10の計量サイクルを2サイクル分だけ抽出して示している。一方、図6(b)では、大投入計量部10が大投入供給ホッパ22を備えない構成の場合における計量サイクルを2サイクル分だけ抽出して示している。図6(a)、(b)に示すように、大投入計量部10の計量サイクルは1サイクル目までは、大投入供給ホッパ22に被計量物を供給する工程が省略できるため大投入供給ホッパ22を備えない構成の方が動作時間は短くなる。しかしながら、2サイクル目以降では、本実施形態に係る大投入計量部10では、大投入スクリューフィーダ14からの被計量物の大投入を1サイクル目の大投入計量ホッパ21における計量安定待ち時間T1の間に行なうことができる。このため、結果的には大投入計量部10で必要な動作時間を短くすることができる。
(中投入計量部50の制御動作)
次に中投入計量部50の制御動作について説明する。まず、中投入供給ホッパを備える第2、第4中投入計量部50B、50Dと、中投入供給ホッパを備えない第1、第3中投入計量部50A、50Cと、に分けて説明する。
なお、第2中投入シュート62から投入される被計量物の投入重量は、第1中投入シュート61から投入される投入重量の4倍、第4中投入シュート43から投入される投入重量は第1中投入シュート61から投入される投入重量の8倍となるように設定されている。また、第3中投入シュート63から投入される投入重量は第1投入シュート61から投入される投入重量の2倍となるように設定されている。それぞれ投入される被計量物の見かけ比重が小さくなるほど中投入スクリューフィーダによる被計量物の供給時間が長くなる。このため、本実施形態では、被計量物の供給時間が長くなる第2、第4中投入計量部50B、50Dに中投入供給ホッパ25、27を備える。そして、第2、第4中投入計量ホッパ65、44における計量安定待ち時間の間に、次の被計量物の供給を第2、第4中投入スクリューフィーダ24B、24Dによって第2、第4中投入供給ホッパ25、27に対して行なうように構成されている。
まず、第2、第4中投入計量部50B、50Dについて、中投入から計量安定待ち時間経過後までの処理の流れについて説明する。ここでは、両者は同様の制御動作となるため、第2中投入計量部50Bを代表させて説明する。
第2中投入計量部50Bでは、大投入計量ホッパ21に対して被計量物の大投入が行われる前、もしくは大投入が行なわれている間に、指示制御器73からの制御指示に応じて、第2中投入スクリューフィーダ24Bが稼動し、所定重量の被計量物を第2中投入シュート62に送出する。また、この時、第2中投入カットゲート55が移動して第2中投入シュート62の排出口が開放されている。これにより被計量物が、第2中投入供給ホッパ25内に中投入(供給)される。なお、指示制御器73は、第2中投入スクリューフィーダ24Bのスクリューの回転数および回転速度を制御することにより、第2中投入供給ホッパ25へ供給する被計量物の投入量を調整する。つまり、ここでの投入量は、上述した所定の比率で調整された重さとなる。
第2中投入供給ホッパ25内に所定の投入重量の被計量物が供給されると、指示制御器73は、第2中投入供給ホッパゲート26を移動させて第2中投入供給ホッパ25の排出口を開放させる。これにより、第2中投入供給ホッパ25内の被計量物が、第2中投入計量ホッパ65内に供給される。
ところで、本実施形態に係るパッカースケール100では、第2中投入計量ホッパ65へ被計量物が供給された後、該被計量物の供給に起因して生じた中投入計量ホッパ65での振動が収束するまでの時間(計量安定待ち時間T3の間)では、中投入計量ホッパ65へ供給された被計量物に対する計量が実施されないように構成されている。つまり、計量安定待ち時間T3の間、指示制御器73は、ロードセルLC6からの出力信号の取得を停止する。
また、この計量安定待ち時間T3の間、指示制御器73は、第2中投入スクリューフィーダ24Bを制御して、次の計量サイクルで用いる被計量物を第2中投入供給ホッパ25に中投入させる。
そして、ロードセルLC6での計量安定待ち時間T3が経過すると、指示制御器73は、ロードセルLC6からの出力信号に基づいて実際の被計量物の投入重量を求める。なお、指示制御器73がロードセルLC6から得られる出力信号の取得を停止している期間(計量安定待ち時間T3)、ならびにロードセルLC6から得られる出力信号を取得し、被計量物の投入重量を求める期間の両期間にわたって実施される処理を本明細書では計量処理とまとめて称するものとする。
また、中投入計量部50では、指示制御器73は、同様にロードセルLC5、7、9それぞれからの出力信号に基づき実際の被計量物の投入重量も求めている。
次に、第1、第3中投入計量部50A、50Cについて、中投入から計量安定待ち時間経過後までの処理の流れについて説明する。ここでは、両者は同様の制御動作となるため、第1中投入計量部50Aを代表させて説明する。
第1中投入計量部50Aでは、大投入計量ホッパ21に対して被計量物の大投入が行われる前、もしくは大投入が行なわれている間に、指示制御器73からの制御指示に応じて、第1中投入スクリューフィーダ24Aが稼動し、被計量物を第1中投入シュート61に送出する。また、この時、第1中投入カットゲート54が移動して第1中投入シュート61の下端部61Bの排出口が開放されている。これにより被計量物が、第1中投入計量ホッパ64内に中投入(供給)される。なお、指示制御器73は、第1中投入スクリューフィーダ24Aのスクリューの回転数および回転速度を制御することにより、第1中投入計量ホッパ64へ供給する被計量物の投入重量を調整する。つまり、ここでの投入重量は、上述した所定の比率で調整された重さとなる。
第1中投入計量ホッパ64へ被計量物が供給された後、ロードセルLC5での計量安定待ち時間T2が経過すると、指示制御器73は、ロードセルLC5からの出力信号に基づいて実際の被計量物の投入重量を求める。
ロードセルLC5、6、7、9それぞれからの出力信号に基づき、被計量物の投入重量それぞれを求めた後に、指示制御器73が組合せ演算に基づいて組み合わせ対象とする中中投入計量ホッパを選択する。
例えばここで、第1中投入計量ホッパ64を組合せ対象として選択した場合、計量安定待ち時間T1の経過直後に第1中投入計量ホッパゲート67を移動させて第1中投入計量ホッパ64の排出口を開放させる。すなわち、大投入計量ホッパ21から被計量物を排出させる開始タイミングに合わせて第1中投入計量ホッパ64から被計量物が排出される。このようにして、第1中投入計量ホッパ64の排出口から被計量物を組合せ選択排出させる。
なお、図6では、大投入計量ホッパ21からの被計量物の排出開始と同時に、組合せ対象として選択された中投入計量ホッパからの被計量物の排出が開始されているが、必ずしも同時である必要はない。大投入計量ホッパ21からの被計量物の排出開始時から所定時間ずれて、選択された中投入計量ホッパから被計量物が排出される構成であってもよい。すなわち、大投入計量ホッパ21から被計量物が排出されている間に、選択された中投入計量ホッパからの被計量物の排出処理が完了するのであれば、被計量物の排出開始を大投入計量ホッパ21と中投入計量ホッパとで同時とする必要はない。
ここで、上記した被計量物の組合せ選択排出についてより具体的に説明する。
第1中投入計量部50A〜第4中投入計量部50Dでは、上述のように、重量が異なる比率となるように調整された被計量物が第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44のそれぞれに供給されている。
また、指示制御器71は、大投入計量ホッパ21を支持するロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれからの出力信号に基づいて大投入重量(MB)を求め、求めた結果を指示制御器73に通知している。
指示制御器73は、目標重量値(MT)と、通知された大投入重量(MB)とに応じて、例えば、以下のようにして中投入計量部50における組合せ演算を行なう。
まず、組合せ演算結果の目標重量である組合せ目標重量の設定について説明する。組合せ目標重量を設定するためには、好適なロスイン排出総重量(MRP)を予め設定しておく必要がある。そこで、まず好適なロスイン排出総重量(MRp)について説明する。
ロスインホッパ42は、ロスイン排出ゲート32の開閉動作によってロスインホッパ42内に保持されている被計量物を排出できる構成である。このように、ロスイン排出ゲート32を開閉させて被計量物を排出する排出機構において、精度よくロスイン計量しながら被計量物を排出するにはロスインホッパ42内にはこの被計量物が所定の重量値(ロスインホッパ内最小重量)以上保持されている必要がある。そこで、このロスインホッパ内最小重量以上、好ましくはロスインホッパ内最小重量の2倍以上でかつ、目標重量(MT)と、大投入重量(MB)および選択された中投入計量ホッパの組合せから排出される被計量物の重量との差を補うために必要な重量以上であるという条件を満たすように好適なロスイン排出総重量を予め定めている。本明細書では、この好適なロスイン排出総重量をロスイン排出総重量(MRP)とし、実際にロスインホッパ42からロスイン排出される被計量物の総重量をロスイン排出総重量(MR)として区別するものとする。
ここで、中投入計量部50における組合せ演算に用いる組合せ目標重量は、目標重量(MT)から大投入重量(MB)を差し引いた値から、さらに好適なロスイン排出総重量(MRp)を差し引いた値となる。
そして、中投入計量部50は、この組合せ目標重量に近似する中投入計量ホッパの組合せを求める組合せ演算を実施する。すなわち、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44のそれぞれの中で、被計量物の重量の合計が、組合せ目標重量に最も近くなる第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44の組合せを求める。そして組合せ対象として選ばれた中投入計量ホッパから被計量物が組合せ選択排出される。
以上のように、中投入計量部50のうち、中投入に大きな時間を要する第2、第4中投入計量部50B、50Dでは、上述した大投入計量部10と同様に、計量安定待ち時間T3またはT5の間に、次の計量サイクルで包装機に排出するための被計量物を第2、第4中投入供給ホッパ25、27に中投入しておくことができる。つまり、計量安定待ち時間T3、T5と次の計量サイクルでの第2、第4中投入供給ホッパ25、27への中投入とをオーバーラップして行なうことができる。このため、第2、4中投入計量部50B、50Dで必要な動作時間を短くすることができる。
(小投入計量部30の制御動作)
続いて、小投入計量部30の制御動作について説明する。大投入計量ホッパ21に対して大投入を行ない、大投入計量ホッパ21から排出が行なわれる直前までの大投入計量部10の動作期間に、小投入計量部30では、以下の動作処理が実施される。
まず小投入計量部30は、指示制御器72からの制御指示に応じて、小投入スクリューフィーダ13が稼動し、所定重量の被計量物をロスイン投入シュート41に送出する。また、この時、ロスイン投入ゲート31が移動してロスイン投入シュート41の排出口が開放されている。これにより被計量物が、ロスインホッパ42内に投入(供給)される。
このとき、指示制御器72は、ロスインホッパ42を支持するロードセルLC8からの出力信号を監視する。そして、ロスインホッパ42への被計量物の投入重量が、被計量物の不足重量分に基づき求められたロスイン排出総重量(MR)に達したときに、小投入スクリューフィーダ13の稼動を停止させ、ロスイン投入ゲート31を用いてロスイン投入シュート41の排出口を閉める。さらに、指示制御器72は、ロスイン投入におけるロードセルLC8での計量安定待ち時間T6の経過後、かつ計量安定待ち時間T1の経過直後に、ロスイン排出ゲート32を用いてロスインホッパ42の排出口を開放させる。そして、ロードセルLC8からの出力信号に基づいて被計量物のロスイン計量の演算を行いながら、この排出口からロスイン排出重量(MR2)だけ被計量物をロスイン排出する。ロスイン排出後、ロードセルLC8での計量安定待ち時間(T7)経過後に、再び、被計量物が、ロスインホッパ42内にロスイン投入(供給)される。
なお、図5では、大投入計量ホッパ21からの被計量物の排出開始と同時に、ロスインホッパ42からの被計量物のロスイン排出が開始されているが、必ずしも同時である必要はない。大投入計量ホッパ21からの被計量物の排出開始時から所定時間ずれて、ロスインホッパ42から被計量物がロスイン排出される構成であってもよい。すなわち、大投入計量ホッパ21から被計量物が排出されている間に、ロスインホッパ42からの被計量物のロスイン排出処理が完了するのであれば、ロスインホッパ42は被計量物の排出開始を大投入計量ホッパ21と同時とする必要はない。
なお、パッカースケール100の計量サイクルにかかる時間は、被計量物が大投入計量部10、中投入計量部50、および小投入計量部30それぞれから被計量物が排出された時点から次の排出が行なわれるまでの間となる。
なお、本実施形態に係るパッカースケール100では、中投入計量部50において、図2に示すように、第1中投入計量ホッパ64、第2中投入供給ホッパ25、および第3中投入計量ホッパ66が同じ高さ位置に配置され、第2中投入計量ホッパ65がこれらのホッパよりも下方に配置されるように構成されていた。しかしながら、各ホッパの配置関係は、第2中投入供給ホッパ25の下方に第2中投入計量ホッパ65が配置される点を除いては任意である。例えば、第1中投入計量ホッパ64、第2中投入計量ホッパ65、および第3中投入計量ホッパ66が同じ高さ位置に配置され、これらのホッパよりも高い位置に第2中投入供給ホッパ25が配置される構成であってもよい。
また、本実施形態に係るパッカースケール100では、大投入計量部10、第2中投入計量部50B、第4中投入計量部50Dが供給ホッパ(大投入供給ホッパ22、第2中投入供給ホッパ25、第4中投入供給ホッパ27)を備える構成であった。しかしながら供給ホッパを備える計量部はこれに限定されるものではない。例えば、大投入計量部10における被計量物の投入動作にかかる処理時間だけが大きくなる場合は、該大投入計量部10のみが供給ホッパを備える構成であってもよい。あるいは、大投入計量部10および第4中投入計量部50Dにおける被計量物の投入動作にかかる処理時間が大きくなる場合は、該大投入計量部10および第四中投入計量部50Dが供給ホッパを備える構成であってもよい。つまり、供給される被計量物の性状に起因して投入動作に大きな時間が必要となり、それに起因してパッカースケール100全体での1計量サイクルの時間が大きくなる場合、その投入動作に大きな時間が必要となる計量部に供給ホッパを備えればよい。
また、本実施形態に係るパッカースケール100では、被計量物を供給するための定量容量型供給装置として、大投入スクリューフィーダ14、第1〜第4中投入スクリューフィーダ24A〜24D、小投入スクリューフィーダ13を備える構成であったがこれに限定されるものではない。これらスクリューフィーダの代わりに、オーガ式フィーダ、ロータリーフィーダ、サークルフィーダ、および電磁フィーダを用いる構成であってもよい。
なお、上記したパッカースケール100は包装機への被計量物(例えば、粉体)の大投入(多量投入)が行われる大投入計量部10と、包装機への被計量物の中投入(中量投入)が行われる中投入計量部50(50A〜50D)と、包装機への被計量物の小投入(少量投入)が行われる小投入計量部30と、を備える構成であったがこれに限定されるものではない。
例えば、以下に示す構成のパッカースケールであってもよい。以下において、変形例としてパッカースケール101について説明する。
(変形例)
図7から図9に示すように、パッカースケール(計量装置)101は、包装機への被計量物の大投入が行われる大投入計量部10(10A、10B)と、包装機への被計量物の中投入が行われる中投入計量部50(50A〜50G)とを備える。さらにパッカースケール101は、大投入計量部10で計量された被計量物と中投入計量部20で計量された被計量物とを合わせて包装機へ排出する集合シュート30を備えている。なお、図7では、理解容易のために、サービスホッパ20、中継部40、60の上方は省略している。
変形例に係るパッカースケール101は、上記したパッカースケール100の構成と比較して、以下の点で異なっている。
すなわち、大投入計量部10では、大投入供給ホッパ(供給ホッパ)22および大投入計量ホッパ21を備えた大投入計量部(第1大投入計量部10A)に加えて、この第1大投入計量部10Aと並列して配された第2大投入計量部10Bをさらに備える点で異なる。そして、サービスホッパ20に投入された被計量物は、サービスホッパ20内に設けられた仕切板12によって第1大投入計量部10Aと第2大投入計量部10Bとにそれぞれ振り分けられるようになっている。
第2大投入計量部10Bは、サービスホッパ20の下方に配された大投入供給ホッパ122と、この大投入供給ホッパ122の下方に配された大投入計量ホッパ121とを備えた構成となっている。そして、大投入スクリューフィーダ141から供給された被計量物を大投入供給ホッパ122で一時保持し、該大投入供給ホッパ122から排出された被計量物の重量を大投入計量ホッパ121で計量することができるように構成されている。なお、第2大投入計量部10Bにおける大投入供給ホッパ122、大投入計量ホッパ121は既に説明した大投入供給ホッパ22、大投入計量ホッパ122と同様の構成であるため構成の詳細な説明は省略する。
大投入計量ホッパ21、121は、2つの同じ容量の計量ホッパで構成されている。また、大投入計量ホッパ21、121の計量誤差は、例えば±100gに設定されており、両者によって被計量物の目標重量MTの約98%を計量できるように構成されている。
また、中投入計量部50では、第1〜第4中投入計量部50A、50B、50C、50Dに加えて、さらに第5中投入計量部50E、第6中投入計量部50F、第7中投入計量部50Gを備える点で異なる。図8に示すように、パッカースケール100の左側において前側から後側に向かって、順に第1中投入計量部50A、第2中投入計量部50B、第3中投入計量部50C、および第5中投入計量部50Eが直列に配されている。また、図9に示すように、パッカースケール100の右側において、前側に第4中投入計量部50D、第6中投入計量部50F、第7中投入計量部50Gが配されている。
また、変形例に係るパッカースケール101では、第1、第2、第3、第5、第4、第6、第7中投入計量部50A〜50Gが備える第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7中投入計量ホッパ64、65、66、44、67、45、46それぞれに投入する被計量物の投入重量が上記したパッカースケール100と異なっている。
より具体的には、第1〜第7中投入計量ホッパ64、65、66、44、67、45、46においてそれぞれ順に被計量物の投入重量の比率が1:64:2:8:4:32:16となっている。このように各中投入計量ホッパにおいて設定されている目標投入重量の比率が上述したパッカースケール100の構成とは異なる。
なお、変形例に係るパッカースケール101において、新たに備えた第5中投入計量部50E、第6中投入計量部50F、第7中投入計量部50Gそれぞれの第5中投入計量ホッパ67、第6中投入計量ホッパ45、第7中投入計量ホッパ46へも、各第5〜7スクリューフィーダ24E、24F、24Gそれぞれから所定の投入重量の被計量物が供給されるように構成されている。
このように、供給される被計量物の量が異なるため、第1〜第7中投入計量ホッパ64、65、66、44、67、45、46においてそれぞれ被計量物の供給にかかる時間が異なることになる。特に、スクリューフィーダによって被計量物が供給される構成の場合、供給に係る時間の差は顕著となる。そこで、変形例に係るパッカースケール101では、被計量物の供給に時間のかかる第2中投入計量ホッパ65および第6中投入計量ホッパ45それぞれの上方に第2中投入供給ホッパ25および第6中投入供給ホッパ127を備える構成とする。そして、これらの供給ホッパを使って被計量物の供給の遅延にともなって、被計量物を計量し包装機へ排出するまでにかかる処理時間が増大してしまうことを防ぐように構成されている。
また、変形例に係るパッカースケール101は、上記したパッカースケール100の構成と比較して、小投入計量部30を備えていない点でも異なる。
以上のように、パッカースケール101は、複数の大投入計量部10A、10Bと複数の中投入計量部50A〜50Gを備えた構成において、被計量物の供給に時間のかかる計量ホッパ(変形例では、大投入計量ホッパ21および大投入計量ホッパ121、ならびに第2中投入計量ホッパ65、第6中投入計量ホッパ45)の上方に供給ホッパをそれぞれ備える構成である。
なお、変形例では大投入計量部10を2つ、中投入計量部50を7つ備える構成について説明したが大投入計量部10および中投入計量部50それぞれの個数はこれに限定されるものではない。大投入計量部10は1つであってもよいし3つ以上であってもよい。また、中投入計量部50は7つよりも多くてもよいし、少なくてもよい。
また、変形例に係るパッカースケール101では、供給ホッパとして、大投入供給ホッパ22、122、ならびに第2中投入供給ホッパ25、第6中投入供給ホッパ127を備える構成であったが、供給ホッパの個数はこれに限定されるものではない。例えば、大投入供給ホッパ22、122だけを備える構成であってもよいし、さらに中投入供給ホッパ(例えば、第7中投入計量ホッパ46の上方に配置された第7中投入供給ホッパ)をさらに備える構成であってもよい。
また、第1〜第7中投入計量ホッパ64、65、66、44、67、45、46においてそれぞれ順に被計量物の投入重量の比率が1:64:2:8:4:32:16となっていたが、第1〜第7中投入計量ホッパ64、65、66、44、67、45、46における投入重量の比率の関係はこれに限定されるものではなく任意である。
また、本実施形態に係るパッカースケール100および変形例で示したパッカースケール101では、スクリューフィーダから各計量ホッパは被計量物を供給されるように構成されているが、被計量物を計量ホッパに供給するための手段はスクリューフィーダに限定されるものではない。例えば、カットゲートの開閉により被計量物が各計量ホッパに供給される構成であってもよい。
なお、上記実施形態では大投入スクリューフィーダ14、第1〜第3および第4中投入シュート61〜63、43、ならびに小投入スクリューフィーダ13などのスクリューフィーダは、スクリューの螺旋の径、螺旋の巻きピッチ等を変更したり、スクリューの回転数及び回転速度を調整したりすることで所定重量の被計量物を、それぞれの直下にあるホッパに供給する構成であった。しかしながら、これらのスクリューフィーダの直下にあるホッパそれぞれにロードセルを備えた構成とする。つまり、本実施形態に係るパッカースケール100では、大投入供給ホッパ22、第2中投入供給ホッパ25、および第4中投入供給ホッパ27にもロードセルを備えさせる。そして、該スクリューフィーダを一定の回転速度で回転させている最中に、所定時間間隔ごとにホッパ内の被計量物の重量を計量し、これによって得られた複数の計量値から目標重量に到達する時間を予測する。例えば、複数の計量値に移動平均等の平滑化処理を行うことにより、計量重量の経時変化の割合が求められ、当該割合から目標重量に到達する時間が演算により求められる。このようにして予測された目標重量に到達する時間に基づいてスクリューフィーダの回転を停止させる回転停止制御がおこなわれる構成としてもよい。なお、このような場合でも、最終的には第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44それぞれに投入された被計量物の重量を計量安定待ち時間経過後に再度、正確に計量する。また、大投入計量ホッパ21またはロスインホッパ42それぞれに投入された被計量物の重量も計量安定待ち時間経過後に再度、正確に計算する。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。