JP2017152618A - 熱電モジュールとその製造方法および熱電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱電変換素子に与えられる温度差を可及的に活用して、熱電変換に関する性能を向上させることができる簡素な構造を持つ熱電モジュールが望まれる。【解決手段】熱電モジュール1は、温度差を受けて電位差を生じる性質があり、前記温度差の方向に延在する少なくとも1つの側面2a,3aおよび前記温度差の方向と交差する少なくとも2つの端面2b,2c,3b,3cを備えるバルク型の少なくとも1つの熱電変換素子2,3と、前記少なくとも1つの側面2a,3aに接合され、前記少なくとも2つの端面2b,2c,3b,3cのうち低温側に配置される一方の端面2b,3bを前記温度差の方向に越えて当該熱電変換素子2,3の外方へ突出するように構成される少なくとも1つの電極4を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、熱電モジュールとその製造方法および熱電装置に関する。
熱を電気エネルギーに直接変換するゼーベック効果に基づく技術は、未利用廃熱を回収する技術の一つとして近年注目されている。
バルク型の熱電素子を用いる熱電モジュールは一般的にπ型構造を有する。一般的な熱電モジュールにおいて、P型とN型の熱電素子は、電気的には平板電極を介して直列に接続され、熱的には並列に構成される。この熱電モジュールに温度差を与えると温度差の方向に電位差が発生し、高温側から低温側へ流れる熱流に伴ってキャリアが拡散する。これによって、電流が一定の方向に流れて電力を取り出すことができる。
一般的に、バルク型の熱電モジュールの製造方法は、下記の工程を備える:
ホットプレス法などにより作成したN型熱電材料製およびP型熱電材料製のインゴットからN型とP型の熱電素子をそれぞれ切り出す工程;
切り出されたN型とP型の熱電素子を下部基板上に配置し、下部基板上に配置された第2平板電極を介して両熱電素子を電気的に接続する工程;
P型とN型の熱電素子の低温側を上部基板上に配置された第1平板電極を介して電気的に接続する工程。
熱電モジュールの効率を向上させるためには、高温側と低温側の温度差を維持することが求められる。このため、熱電素子の低温側を水冷板と接触させたり、放熱パッドと接触させたりすることが行われている。しかし、このような強制冷却の実装が、熱電モジュールおよび冷却媒体供給設備の設置スペース、設置環境またはコスト上、困難である場合が多々ある。そのような場合として、例えば熱電モジュールからμW級の超低消費電力型センサに給電する場合、または配管に熱電モジュールを装着する場合が例示できる。
特許文献1には、N型およびP型熱電素子と、N型およびP型熱電素子の端面に接合された熱交換部材を有する熱電モジュールが開示されている。特許文献1の熱交換部材は、両熱電素子の端面上に全面的に接合される電極部と、端面上方に延在する熱交換部を備えている。
特許文献2には、隣接するN型およびP型熱電素子の端面に全面的に接合された電極をその中間部で折り曲げて、隣接するP型およびN型熱電素子の間の空間に挿入した熱電モジュールが開示されている。
特許第4788225号公報(図6および段落[0061]〜[0062]参照) 特開2011−29295号公報(図1(A)および図1(B)参照)
以下の分析は、本発明によって与えられたものである。実用的な性能、例えば所定の発電電圧を得るために、特許文献1に開示された熱電モジュールを多数組み合わせて熱電装置を作成する場合、熱電素子(複数)の端面上に多数の熱交換部材が林立することになる。このため、多数の熱交換部材を熱電素子に接合する際、多数の熱交換部材自体が接合の邪魔になる。特にレーザを用いて接合する場合には、多数の熱交換部材の熱交換部がレーザ照射の邪魔になる。また表面積を増加させるために複雑な形状にされた熱交換部材が熱電素子の端面上に林立していること、および熱電素子の端面が熱交換部材によって塞がれていることによって、熱電素子の端面上方での対流が阻害され(比較的高温の流体が滞留する)、かえって熱電素子の両端面間の温度差が縮小するおそれがある。
特許文献2の熱電モジュールによれば、電極が熱電素子の内方に向かって延在し、隣接するP型およびN型熱電素子の間の空間に存在しているため、この空間に比較的高温の流体が滞留して電極からの放熱量が低下するおそれがある。
したがって熱電素子(熱電変換素子)に与えられる温度差を可及的に活用して、熱電変換に関する性能を向上させることができる簡素な構造を持つ熱電モジュールが望まれる。
本開示の第1視点によれば、温度差を受けて電位差を生じる性質があり、前記温度差の方向に延在する少なくとも1つの側面および前記温度差の方向と交差する少なくとも2つの端面を備えるバルク型の少なくとも1つの熱電変換素子と、前記少なくとも1つの側面に接合され、前記少なくとも2つの端面のうち低温側に配置される一方の端面を前記温度差の方向に越えて当該熱電変換素子の外方へ突出するように構成される少なくとも1つの電極を有する熱電モジュールが提供される。
本開示の第2視点によれば、第1視点の熱電モジュールを用いる熱電装置が提供される。熱電モジュールは温度差を受けて発電しあるいはセンシングを行い、また給電されて冷却および/または加熱を行うことができる。
本開示の第3視点によれば、温度差を受けて前記温度差の方向と平行な第1方向に電位差を発生する性質があり、前記温度差の方向に延在する少なくとも1つの側面および前記温度差の方向と交差する少なくとも2つの端面を備えるバルク型の少なくとも1つのN型熱電変換素子、温度差を受けて前記第1方向と逆方向な第2方向に電位差を発生する性質があり、前記温度差の方向に延在する少なくとも1つの側面および前記温度差の方向と交差する少なくとも2つの端面を備えるバルク型の少なくとも1つのP型熱電変換素子、および導電性と放熱性の両方の性質がある少なくとも1つの電極用ブランクを準備することと、前記少なくとも1つの電極用ブランクを、前記少なくとも1つのP型熱電変換素子の少なくとも1つの側面と前記少なくとも1つのN型熱電変換素子の少なくとも1つの側面との間に、当該P型およびN型熱電変換素子の前記少なくとも2つの端面のうち低温側に配置される一方の端面を前記温度差の方向に越えて当該熱電変換素子の外方へ突出するように、電気的に接続することを含む熱電モジュールの製造方法が提供される。
本開示の熱電モジュールの効果を下記に例示する:
(1)低温(放熱)側電極自体が熱電変換素子への接合に邪魔になることが少ないため、低温側電極を熱電変換素子に容易に接合することができる;
(2)低温側電極に加えて熱電変換素子の低温側端面からも有効な放熱が可能である;
(3)熱交換機能を有する低温側電極は、シンプルな形状であっても大きな熱交換面積を有することができる;
(4)熱電変換素子の端面上方に、熱交換に寄与する対流を妨げないようなシンプルな放熱構造を構築できる;
(5)したがって本開示の熱電モジュールは高い放熱能力を有することができ、比較的小さな温度差を最大限に活用した高効率な熱電変換を可能にする。
一実施形態に係る熱電モジュールの基本構成を説明する模式図である。 一実施形態に係る熱電モジュールの製造方法において、電極の形成工程を説明する工程図である。 図2に続く工程図である。 一実施形態に係る熱電モジュールの製造方法を説明する工程図である。 他の実施形態に係る環状熱電モジュールを説明する模式図である。 実験に用いた熱電モジュールの製造方法を説明するフローチャートである。 実験に用いた試料を説明する模式図である。 図7に示した試料を用いた実験結果を示すグラフである。 図7に示した試料を用いた実験結果を示すグラフである。
本開示の熱電モジュール等の実施形態を下記に例示する。
(形態1)形態1は第1視点のとおりである。
(形態2)熱電変換素子の一方の端面(低温側端面)は流体に直接的に暴露されるよう設けられる。電極は平板状である。熱電変換素子の側面に接合される電極には導電性と放熱性の両方の性質がある。
(形態3)熱電変換素子には、温度差を受けて温度差の方向と平行な第1方向に電位差を発生する性質がある少なくとも1つのP型熱電変換素子、および前記温度差を受けて第1方向と逆方向の第2方向に電位差を発生する性質がある少なくとも1つのN型熱電変換素子がある。本開示の電極は、前記少なくとも1つのP型熱電変換素子と前記少なくとも1つのN型熱電変換素子の両方に接合される。
(形態4)熱電変換素子は、温度差の方向ないし熱電変換素子の少なくとも1つの側面が延在する方向に長軸を有し、前記温度差の方向に直交する方向かつ熱電変換素子の端面が延在する方向に短軸を有する。この熱電変換素子において、前記短軸の方向の幅に対する前記長軸の方向の長さのアスペクト比は低くても1.5である。さらに好ましくは、このアスペクト比は2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上である。アスペクト比を十分に大きい、すなわち細長い熱電変換素子を用いることによって、熱電変換素子の両端面間の温度差を確保することができる。アスペクト比の上限は、熱電変換素子の強度、熱伝導率および電気抵抗またはそれを用いる熱電装置のサイズによって適宜定めればよい。また電極が前記長軸の方向に前記少なくとも1つの熱電変換素子から突出する長さは、前記電極の前記長軸の方向の接合長さ以上にすることができる。
(形態5)形態5は第2視点のとおりである。
(形態6)形態6は第3視点のとおりである。
(形態7)電極用ブランクの熱電変換素子に対する接合前、接合中および/接合後に、前記電極用ブランクを部分的に削除して、少なくとも1つの電極を形成する。
(形態8)電極用ブランクまたはそれから形成された電極の熱電変換素子に対する接合および部分的削除は、レーザを用いて同時に実行される。
(形態9)熱電モジュールに要求される性能に応じて、低温側に配置される電極が熱電変換素子から突出する長さが設定される。
好ましくは、熱電変換素子は直方体状または立方体状である。熱電変換素子は円柱状でもよく、その場合は熱電変換素子の側面すなわち側周面に、低温側電極の該周面に合わせて湾曲された主面が接合される。
熱電変換素子と電極(または電極用ブランク)の接合には様々な手法を用いることができ、例えば、加熱接合、加圧接合、抵抗溶接、拡散接合、レーザ溶接、超音波接合、ろう接合、接着剤による接合、ファスナ等による機械的接合およびそれらの組合せである。接合と個々の電極形成を、例えばレーザを用いて同時に実行することができる。
熱電変換素子および電極は、絶縁ないし短絡防止、導電性の確保、あるいは熱抵抗の削減のために、適宜部分的または全体的に、めっきされたり、あるいは絶縁処理されたりすることができる。例えば、低温側電極については、熱電変換素子との接合部を除いて、絶縁塗料を塗布して隣接する他の低温側電極との短絡を防止してもよい。
熱電変換素子の高温側に入力される熱量が過大である場合、高温側電極も、低温側電極と同様に構成して、熱電変換素子に入力される熱量を制限してもよい。
電極用ブランクには可撓性を有する平板または帯板を用いることができる。したがって、熱電変換素子が高密度実装された熱電モジュールを簡単かつ安価に製造することができる。また熱源の形状に合わせた電極の形成が容易であり、任意の形状を持つ熱電モジュールを提供できる。例えば、電極用ブランクに円板または環状板を用い、熱源への装着前または装着後に、レーザ等を用いて電極用ブランクを切断して周状に配列された複数の電極を得ることができる。このように低温側電極の形状自由度および加工自由度が大きいことにより、低温側電極の寸法および形状、特に熱電変換素子からの突出長さを可変することにより、放熱量の調整が容易である。したがって、熱電変換素子の発電性能または加熱冷却性能を調整することが容易である。また低温側電極がヒートシンクとしての機能も十分に担うことができるので、ヒートシンクを用いなくてもよく、その場合には、熱電変換素子から電極を介した雰囲気へ貫流する熱流量が大きくなり、また電極とヒートシンク間の接触熱抵抗を考慮する必要がなくなる。電極ないし電極用ブランクの材料は、熱伝導度が高く、電気抵抗が低く、熱電変換素子との間の熱抵抗を小さくできることが好ましい。例えば、純銅、アルミニウム、金、銀、白金、及びそれらの合金である。銅合金として、例えば、Cu−Sn系やCu−Ni系を用いることができる。
熱電変換素子の材料は特に限定されず、シリサイド系、Si−Ge系、酸化物系、Bi−Te系、Fe−V−Al系のいずれも用いることができる。熱電変換素子の材料の詳細を下記に例示する:PbTe系、TAGS系、LaTe系、充填ステックルダイト系、Bi−Sb−Te−Se系、ZnSb系、およびFeVAl系。例えば、P型熱電変換素子として、例えば(Bi,Sb)Teを用いることができる。N型熱電変換素子として、例えばBi(Te,Se)を用いることができる。
高温側電極が直接または間接的に接合される廃熱源としては、雰囲気温度に対して相対的に高温の流体が流れる配管、例えば車両の排気管(例えばSUS製マニホルド)もしくは内燃機関、或いは炉、例えば熱処理炉の排気管が例示されるが、これらに限定されない。
低温側電極は、雰囲気を構成する流体(例えば大気)または冷却用流体と熱交換を行うことができる。低温側電極をカバーまたはハウジング内に収容してもよい。高温側電極は、熱源に直接接触してもよく、あるいは高温側電極ないし熱電モジュール全体を支持する基板を介して熱源に間接的に接触してもよい。
以下、実施形態等を、図面を参照しながら実施例として例示する。
図1を参照すると、熱電モジュール1は、好ましくは2つの熱電変換素子、例えばN型およびP型熱電変換素子2,3と、熱電変換素子2,3間を接続する電極4を有する。熱電変換素子2は温度差(Temperature Difference)を受けて電位差を生じる性質がある。熱電変換素子2はバルク型であり、与えられる温度差の方向(第1方向)に延在する少なくとも1つの側面2a、および温度差の方向と交差する少なくとも2つの端面2b,2cを備える。熱電変換素子3は、上記温度差を受けて熱電変換素子2と逆方向(第2方向)に電位差を生じる性質がある。熱電変換素子3も熱電変換素子2と同様に、少なくとも1つの側面3a、および少なくとも2つの端面3b,3cを備える。電極4は平板状であり、広い面積をもつ主平面4aがある。
電極4の主平面4aが熱電変換素子2,3の側面2a,3aにまたがって接合されることによって、電極4は熱電変換素子2,3を電気的に接続する。電極4ないしその主平面4aは、低温側(Cold Side)に配置される端面2b,3bを温度差の方向(Temperature Difference Direction)に越えて、熱電変換素子2,3の外方へ突出するように構成される(端面2b,3bを越えて温度差の方向に熱電変換素子2,3の外方へ突出するように構成される)。温度差の方向は、熱電変換素子2,3の長軸Lの方向または側面2a,3aの延在する方向と一致している。
熱電変換素子2は、温度差の方向すなわち側面2aが延在する方向に長軸Lを有し、温度差の方向に直交する方向すなわち端面2bが延在する方向に短軸Wを有する。熱電変換素子3も熱電変換素子2と同様に長軸Lおよび短軸Wを有する。熱電変換素子2,3のアスペクト比(長軸L/短軸W)は、小さくても2であることが好ましい。さらに3,4,5,・・・,10など(その間の中間値も含む)必要に応じて任意の値を取ることができる。アスペクト比を大きくすることによって、電極4の接合面積が確保されて接合の信頼性が向上し、また低温側の端面2b,3bと高温側の端面2c,3c間の距離、温度差が十分に確保できる。また、アスペクト比を大きくすることによって、熱流量および放熱量を小さくでき電極4のサイズを小さくすることが可能となる。
熱電モジュール1の機能について説明する。熱電モジュール1に端面2b,3bが低温側、端面2c,3cが高温側となるよう温度差を与えると、熱電変換素子2,3に電位差がそれぞれ生じる。電極4,5を負荷に電気的に接続すると、これらの電位差によって高温側の電極5、熱電変換素子2、低温側の電極4、熱電変換素子3、高温側の電極5を通じて電流が流れる。このとき、低温側の電極4は放熱板としても機能するため、温度差が維持されて継続的に電流が流れる。
熱電モジュール1の長所について説明する。
(1)電極4を熱電変換素子2,3に接合する際、電極4自体が接合の邪魔になることがないため、接合が容易である;
(2)電極4に加えて熱電変換素子2,3の端面2b,3bからも有効な放熱が可能である;
(3)導電性に加えて熱交換機能を有する電極4は、熱電変換素子2,3の外方ないし端面2b,3b上方、さらには熱電変換素子2,3の間に延在することができるため、シンプルな平板形状であっても大きな熱交換面積を有することができる;
(4)電極4を薄く形成できるため、電極4は熱電変換素子2,3の端面2b,3bの上方における対流を妨げずに放熱の促進に貢献できる。
(5)したがって熱電モジュール1は高い放熱能力を有することができ、比較的小さな温度差を最大限に活用した高効率な熱電変換を可能にする。
なお上述したように熱電モジュール1に温度差を与えると、端子(不図示)を介して電流を取り出すことができる。反対に、この熱電モジュール1に、上記端子を介して電流を供与すると、冷却及び/又は加熱をすることができる。
図2および3を参照して、図1に示した熱電モジュール1が有する低温側の電極4の形成工程の一例を説明する。まず複数の電極4用の素材となる電極用ブランク6(図2参照)を準備する。次に電極用ブランク6上に複数の熱電変換素子2,3を交互に、図1を参照して説明したように接合する。次に電極用ブランク6を複数の切断線CLに沿って切断して複数の電極4を形成する(図3参照)。このように一枚の電極用ブランク6を用いることによって、複数対の熱電変換素子2,3間の電気的接続を一括して実行でき、また複数の電極4の形成が一括して実行できる。なお、高温側の電極5は、上記した低温側の電極4の形成工程に準じて形成してもよく、公知の形成工程により形成してもよい。このようにして、多数のN型およびP型熱電変換素子2,3が交互に電気的に直列接続され、熱電変換素子2,3の個数に応じて加算された起電力を得ることができる。
図2および3では電極4の接合プロセスと電極4同士の分離プロセスを別々に行う例を説明したが、両工程を例えばレーザを用いて同時に実行することができる。あるいは予め互いに分離された各電極4に熱電変換素子2,3を接合してもよい。
図4は、N型およびP型熱電変換素子2,3の配列を途中で折り返して高密度に実装する工程を説明する模式図である。まず多数のN型およびP型熱電変換素子2,3と、可撓性がある帯板状の電極用ブランク6,6を準備して、熱電変換素子2,3と低温および高温側電極用ブランク6,6の(i)接合と、(ii)複数の低温側電極4の分離形成および複数の高温側電極5同士の分離形成を、図2および図3に示したように行う。次に、得られた熱電変換素子2,3と電極4,5の集合体を、熱電変換素子2,3の配列方向に沿って長い電極4のところで(iii)折り返す。電極4は単純な平板形状を有するため、容易に折り曲げることができる。このようにして、いくつかの折り返し箇所を有する(iv)熱電モジュール1が提供される。
(iv)熱電モジュール1の(v)正面図中、VI-VI断面が低温側電極4の配置構成(放熱構造)を示し、VII-VII断面が高温側電極5の配置構成(吸熱構造)を示している。低温側電極4の配置構成(vi)を参照すると、低温側には多くの空間が存在するので対流による放熱性がよいことが分かる。高温側電極5の配置構成(vii)を参照すると、高温側には電極5が規則的に配置されているので、電極5を介した熱電モジュール1の保持および取り付けが容易であることが分かる。
以上説明したように熱電モジュール1は、平面だけでなく曲面上に装着することも容易である。このような場合、図4に示したように電極4を折り曲げることもでき、あるいは環状の電極用ブランクから多数の低温側電極4および/または多数の高温側電極5を形成し、周状に配列することもできる。
図5は、周辺雰囲気に対して相対的に高温な流体が流れる配管(不図示)の外周面(熱源)に熱電モジュール1を装着する例を模式的に示している。なお、図5中、電極4,5は切断線CLにそって分離形成される前の様子を示している。高温側電極5は配管の外周面上に間接または直接的に支持され、これによって熱電モジュール1が配管に保持される。低温側電極4は配管周囲の雰囲気に曝されて放熱を行う。このように電極4,5の形状自由度が高いので、熱電モジュール1は様々な環境に適用することができる。また、熱電モジュール1は、高温側電極5ないしそれらを支持する基板を配管のフランジ部と取り付け部材との間で挟持したり、熱電モジュール1を周方向に分割して配管に取り付けた後で、分割された複数の熱電モジュール1を電気的に接続したりしてもよい。
電極4,5の形成方法を説明すると、平板状ブランクを打ち抜いて環状ブランクを作製し、熱電変換素子2,3との接合前、接合中または接合後に、切断線CLに沿って切断を行い、互いに分離されて周状に配列された複数の電極4,5を得ることができる。なお、予め分離された電極4,5を周状に配列してから、熱電変換素子2,3との接合を行うこともできる。
次に低温側電極4の長軸L方向の長さにより、熱電モジュール1の性能を制御する手法について説明する。本発明者らは、図6中のS1〜S9に示すプロセスにしたがって図7に示すように電極4の長さが互いに異なる試料2〜5(Samples 2-5)の熱電モジュール1を作成し、図6中のS10およびS11に示すように測定を行った。電極4,5は、厚さt0.3mmの無酸素銅製のブランクから形成した。熱電変換素子2,3のサイズは縦2×横(幅W)2×高さ(長さL)16mmとした。また比較のため、試料2〜5と同等のサイズであり、図7の試料1(Sample 1)の構造を有する参考例に係る熱電モジュール21を作製して同様に測定を行った。
まず図6を参照しながら、試料となる熱電モジュール1の作製方法について説明する。熱電変換素子2,3の材料を秤量して(S1)、高周波溶解し(S2)、別に作製した鋳型(S9)に注湯し(S3)、脱型し(S4)、得られたインゴットを所定寸法に切断し(S5)、電極4,5の接合面となる側面2a,3a(図1参照)を研磨し(S6)、電極4,5となる電極用ブランク(銅板)6,6(図2参照)上に熱電変換素子2,3を配置して(S7)、銀ペーストを用いて熱電変換素子2,3と電極4,5を接合して(S8)、熱電モジュール1を得た。
電極4,5の形成に関しては、熱電変換素子2,3と接合(S8)前に予め電極用ブランク6,6(図2参照)を所定寸法に切断して、複数の電極4,5を予め形成しておいてもよい。また、接合(S8)と同時に例えばレーザを用いて電極用ブランク6,6を切断して、複数の電極4,5を形成してもよい。この場合、銀ペーストを用いる接合に代えて、レーザによる接合を用いることができる。また、接合(S8)後に上記切断を実行してもよい。
図7の試料1(Sample 1)の構造を有する参考例に係る熱電モジュールについて説明する。試料1の熱電モジュール21は、熱電変換素子22,23の両端面に電極24,25が接合されている。高温側電極25は、セラミック板30を介して熱源29上に載置される。
試料1〜5の熱電モジュール21,1を、摂氏220度に設定したホットプレート(熱源29参照)上に置いて(図6のS10)、それぞれの起電力を測定した(図6のS11)。図8は試料1(参考例)の起電力を100としたときの各試料の起電力を示し、図9は試料1(参考例)の出力を100としたときの各試料の出力を示す。
図8および図9を参照して、本開示に基づく試料2〜5の熱電モジュール1の起電力は、順に(電極4の長さが短いものから長いものへの順に)145,152,185および233であった。出力は起電力の二乗に比例するので、本開示に基づく試料2〜5の熱電モジュール1の出力は、順に202,231,343および544と算出した。このように、本開示に基づく熱電モジュール1はいずれも、参考例に係る熱電モジュール21に比べて、非常に発電性能が高かった。その理由は、本開示の熱電モジュール1によれば、ヒートシンクを兼ねる帯状の低温側電極4によって熱電変換素子2,3の低温側の冷却が促進されたためと考えられる。
また、低温側電極4の熱電変換素子2,3からの突出長さを変えることによって、熱電モジュール1の性能が変化した。したがって、低温側電極4のサイズを変えることによって、放熱量が変化すること、さらに放熱量が大きくなることで熱電変換素子2,3の両端面間の温度差が大きくなること、よって起電力が増加することが分かった。さらに、熱源29と雰囲気の温度差、負荷が要求する出力に応じて、低温側電極4の突出長さを可及的に短く設計することにより、熱電モジュール1の設置スペースの最小化が可能であることがわかった。
本開示の熱電モジュールは、ゼーベック効果を利用する発電装置またはセンサ、あるいはペルチェ効果を利用する冷却装置および/または加熱装置に適用できる。本開示の熱電モジュールは、外部からの給電が困難な箇所および強制冷却が困難な箇所に設置することができる。例えば、熱電モジュールはマイクロセンサと併置されてマイクロセンサに給電し、あるいは熱電モジュール単独で温度差の変化に基づいて状態変化を検出するセンサとして機能することができる。熱電モジュールが、外部から給電されて冷却装置および/または加熱装置として機能する場合には、放熱効率が高いため熱効率が向上する。本開示の熱電モジュールは、熱源の装着面が平面である場合だけでなく、曲面である場合にも適用される。
なお、上記の特許文献の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
1 熱電モジュール
2 N型熱電変換素子
2a 側面
2b 一方の端面(低温側、放熱側、冷却側)
2c 他方の端面(高温側、吸熱側、加熱側)
3 P型熱電変換素子
3a 側面
3b 一方の端面(低温側、放熱側、冷却側)
3c 他方の端面(高温側、吸熱側、加熱側)
4 低温(放熱、冷却)側の電極
4a 主平面
5 高温(吸熱、加熱)側の電極
6 電極用ブランク、帯板、平板
Cold Side 低温側
Hot Side 高温側
CL 切断線(Cutting Line)

Claims (9)

  1. 温度差を受けて電位差を生じる性質があり、前記温度差の方向に延在する少なくとも1つの側面および前記温度差の方向と交差する少なくとも2つの端面を備えるバルク型の少なくとも1つの熱電変換素子と、
    前記少なくとも1つの側面に接合され、前記少なくとも2つの端面のうち低温側に配置される一方の端面を前記温度差の方向に越えて当該熱電変換素子の外方へ突出するように構成される少なくとも1つの電極と、
    を有する、ことを特徴とする熱電モジュール。
  2. 前記一方の端面は流体に直接的に暴露されるよう設けられること、
    前記少なくとも1つの電極には導電性と放熱性の両方の性質があること、
    を特徴とする請求項1記載の熱電モジュール。
  3. 前記少なくとも1つの熱電変換素子には、前記温度差を受けて前記温度差の方向と平行な第1方向に電位差を発生する性質がある少なくとも1つのP型熱電変換素子、および前記温度差を受けて第1方向と逆方向の第2方向に電位差を発生する性質がある少なくとも1つのN型熱電変換素子があること、
    前記少なくとも1つの電極は、前記少なくとも1つのP型熱電変換素子と前記少なくとも1つのN型熱電変換素子の両方に接合されること、
    を特徴とする請求項1又は2記載の熱電モジュール。
  4. 前記少なくとも1つの熱電変換素子は、前記温度差の方向かつ前記少なくとも1つの側面が延在する方向に長軸を有し、前記温度差の方向に直交する方向かつ前記端面が延在する方向に短軸を有し、
    前記少なくとも1つの熱電変換素子において、前記短軸の方向の幅に対する前記長軸の方向の長さのアスペクト比は小さくても2であること、
    前記電極が前記長軸の方向に前記少なくとも1つの熱電変換素子から突出する長さは、前記電極の前記長軸の方向の接合長さ以上であること、
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の熱電モジュール。
  5. 請求項1〜4のいずれか一に記載の熱電モジュールを発電、冷却および加熱、ならびにセンシングのいずれかのために有することを特徴とする熱電装置。
  6. 温度差を受けて前記温度差の方向と平行な第1方向に電位差を発生する性質があり、前記温度差の方向に延在する少なくとも1つの側面および前記温度差の方向と交差する少なくとも2つの端面を備えるバルク型の少なくとも1つのN型熱電変換素子、
    温度差を受けて前記第1方向と逆方向な第2方向に電位差を発生する性質があり、前記温度差の方向に延在する少なくとも1つの側面および前記温度差の方向と交差する少なくとも2つの端面を備えるバルク型の少なくとも1つのP型熱電変換素子、および
    導電性と放熱性の両方の性質がある少なくとも1つの電極用ブランクを準備すること、
    前記少なくとも1つの電極用ブランクを、前記少なくとも1つのP型熱電変換素子の少なくとも1つの側面と前記少なくとも1つのN型熱電変換素子の少なくとも1つの側面との間に、当該P型およびN型熱電変換素子の前記少なくとも2つの端面のうち低温側に配置される一方の端面を前記温度差の方向に越えて当該熱電変換素子の外方へ突出するように、電気的に接続することを含むことを特徴とする熱電モジュールの製造方法。
  7. 前記少なくとも1つの電極用ブランクと前記熱電変換素子との接合前、接合中および/接合後に、前記少なくとも1つの電極用ブランクを部分的に削除して、少なくとも1つの電極を形成する工程を含むことを特徴とする請求項6記載の熱電モジュールの製造方法。
  8. 前記電極用ブランクまたはそれから形成された電極の接合および部分的削除は、レーザを用いて同時に実行されることを特徴とする請求項6又は7記載の熱電モジュールの製造方法。
  9. 前記熱電モジュールに要求される性能に応じて、低温側に配置される前記少なくとも1つの電極が前記熱電変換素子から突出する長さを設定することを特徴とする請求項7又は8記載の熱電モジュールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113169262A (zh) * 2018-12-27 2021-07-23 株式会社Kelk 热电模块以及热电模块的调整方法

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