JP2017152351A - ナトリウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】負極活物質としてSn−P化合物を含む負極を具備し、かつ高容量でサイクル特性に優れたナトリウムイオン二次電池の提供。【解決手段】正極2、負極3、正極2と負極3との間に介在するセパレータ1および溶融塩電解質を含み、負極3が、負極集電体と、負極集電体に付着させた負極合剤とを有し、負極合剤は、化学式:SnxPy(1≦x≦4、1≦y≦4)で示されるSn−P化合物の粉末と、結着剤とを含み、溶融塩電解質は、溶質としてナトリウム塩を溶解させたイオン液体を含み、溶融塩電解質中のアニオンが、ビスフルオロスルホニルアミドアニオンを含む、ナトリウムイオン二次電池。【選択図】図7

Description

本発明は、高容量でサイクル特性に優れたナトリウムイオン二次電池に関する。
近年、太陽光または風力などの自然エネルギーを電気エネルギーに変換する技術が注目を集めている。また、多くの電気エネルギーを蓄えることができる蓄電デバイスとして、リチウムイオン二次電池の需要が拡大している。
一方、蓄電デバイスの市場の拡大に伴い、リチウム資源の価格が上昇しつつある。リチウム資源に比べると、ナトリウム資源は安価である。そこで、リチウムの代わりにナトリウムを用いることが検討されている(特許文献1)。
特許文献1は、負極活物質としてハードカーボンを含む負極を用いることや、溶質としてNaPF6を溶解させた環状または鎖状カーボネートを含む有機電解液を用いることを提案している。
しかし、ハードカーボンの理論容量は300mAh/g程度であり、今後もこれを用いる限り負極の改良による飛躍的な高容量化を期待することは難しい。
そこで、負極活物質として、1000mAh/gを超える理論容量を有するSn−P化合物を用いることが検討されている(特許文献2)。
特開2013−48077号公報 特開2015−28922号公報
SnおよびPの単体は、高い理論容量を有する反面、充放電に伴う膨張と収縮が激しいため、微粉化しやすく、サイクル特性は非常に乏しくなる。一方、Sn−P化合物は、ナトリウムイオンを吸蔵するときに生成するNa−P相がSnの凝集を抑制するマトリックスとして機能するため、比較的良好なサイクル特性が期待できる。しかし、現状では、実用化できる程度の容量維持率を確保できておらず、改良の余地は大きい。
本発明は、負極活物質としてSn−P化合物を含む負極を利用してナトリウムイオン二次電池の高容量化を図る場合に、サイクル特性の劣化を抑制することを目的とする。
本発明の一局面は、正極、負極、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータおよび溶融塩電解質を含み、前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体に付着させた負極合剤と、を有し、前記負極合剤は、化学式:Snxy(1≦x≦4、1≦y≦4)で示されるSn−P化合物の粉末と、結着剤とを含み、前記溶融塩電解質は、溶質としてナトリウム塩を溶解させたイオン液体を含み、前記溶融塩電解質中のアニオンが、ビスフルオロスルホニルアミドアニオンを含む、ナトリウムイオン二次電池に関する。
本発明によれば、負極活物質としてSn−P化合物を含む負極を具備し、かつ高容量でサイクル特性に優れたナトリウムイオン二次電池を提供することができる。
実施例1のセルの初期5サイクルまでの充放電曲線を示す図である。 実施例1のセルの初期5サイクルまでの充放電曲線を示す図である。 実施例1のセルの初期5サイクルまでの充放電曲線を示す図である。 実施例1のセルの放電容量と充放電サイクル数との関係(30℃)を示す図である。 実施例2のセルの充放電曲線を示す図である。 比較例1のセルの充放電曲線を示す図である。 比較例2のセルの充放電曲線を示す図である。 比較例3のセルの充放電曲線を示す図である。 実施例3のセルの充放電曲線を示す図である。 本発明の実施形態に係るナトリウムイオン二次電池の一例の構造を示す縦断面図である。
[発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明に係るナトリウムイオン二次電池は、正極、負極、正極と負極との間に介在するセパレータおよび溶融塩電解質を含み、負極は、負極集電体と、負極集電体に付着させた負極合剤と、を有し、負極合剤は、化学式:Snxy(1≦x≦4、1≦y≦4)で示されるSn−P化合物の粉末と、結着剤とを含み、溶融塩電解質は、溶質としてナトリウム塩を溶解させたイオン液体を含み、溶融塩電解質中のアニオンは、ビスフルオロスルホニルアミド(FSA)アニオン((FSO)を含む、ナトリウムイオン二次電池に関する。
負極合剤中では、Sn−P化合物の膨張と収縮による応力が分散されやすく、サイクル特性が劣化しにくい。また、負極合剤中では、Sn−P化合物の粒子と溶融塩電解質との界面に安定な固体電解質界面(Solid Electrolyte Interface:SEI)が形成される。
(2)好ましい実施形態では、溶融塩電解質中のアニオンの90モル%以上が、ビスフルオロスルホニルアミドアニオンである。これにより、サイクル特性が更に劣化しにくくなる。
(3)Sn−P化合物は、SnP3、Sn34、SnPおよびSn43よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。中でも、Sn43は優れたサイクル特性を有する。負極合剤中の粒子状のSn−P化合物は、充電時にSnの凝集を抑制するNa−P相を形成しやすい。よって、充放電に伴う劣化が抑制される。一方、放電時には凝集が抑制されたSn相が良好な電子伝導パスを形成する。
(4)結着剤は、水溶性セルロース誘導体と、ゴム粒子とを含むことが好ましい。負極の劣化の進行の程度は、結着剤の種類により大きく依存する。負極合剤の結着剤として、水溶性セルロースとゴム粒子とを組み合わせて用いることにより、容量維持率が大きく向上する。
(5)好ましい実施形態では、溶融塩電解質におけるナトリウムイオン濃度は、1mol/L〜3mol/Lである。これにより、レート特性とサイクル特性とのバランスを確保しやすくなる。
(6)イオン液体のカチオンの80モル%以上は、イミダゾリウム類、ピリジニウム類、アンモニウム類、ピペリジニウム類、ピラゾリウム類、ピロリジニウム類、ホスホニウム類およびグアニジニウム類よりなる群から選択される少なくとも1種の有機カチオンであることが好ましい。中でも、有機カチオンの80モル%以上が、N−プロピル−N−メチルピロリジニウムカチオンであることが好ましい。
なお、溶融塩電解質に含まれるナトリウムイオンは、全て溶質であるナトリウム塩に由来する。また、溶融塩電解質に含まれるナトリウムイオン以外のカチオンは、全てイオン液体に由来する。
(7)本発明に係るナトリウムイオン電池は、高温でも作動させることができる。ナトリウムイオン電池の温度を、例えば60℃以上、更には90℃以上に維持して充電および/または放電を行う場合、より高い容量を得ることができるとともに、レート特性も向上する。よって、高容量とレート特性を向上させる観点からは、ナトリウムイオン電池の充電および/または放電を行っている期間の50%以上の期間において、ナトリウムイオン電池の温度を60℃以上、更には90℃以上に維持することが望ましい。この場合、電池温度が60℃以上、更には90℃以上の温度に維持された状態で、0.5時間以上継続して、充電および/または放電を行うことが望ましい。一方、サイクル特性とクーロン効率を向上させる観点からは、ナトリウムイオン電池の充電および/または放電を行っている期間の50%以上の期間において、ナトリウムイオン電池の温度を60℃未満、更には40℃以下に維持することが望ましい。
[発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係るナトリウムイオン二次電池用電解質およびナトリウムイオン二次電池の具体例を、適宜図面を参照しつつ以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明に係るナトリウムイオン二次電池は、正極、負極、正極と負極との間に介在するセパレータおよび溶融塩電解質を含み、負極と溶融塩電解質の組成に主要な特徴を有する。まず、負極について詳細に説明する。
(負極)
負極は、化学式:Snxy(1≦x≦4、1≦y≦4)で示されるSn−P化合物を負極活物質として含む。Sn−P化合物は、粉末であり、充放電に伴うSnの凝集を高度に抑制する観点からは、上記化学式が、0.7≦y/x≦4を満たすことが望ましい。
負極合剤は、必須成分としてSn−P化合物の粉末と、結着剤とを含み、任意成分として導電剤、その他の材料を含む。この場合、負極は、負極集電体と、負極集電体に付着させた負極合剤とで形成される。負極合剤を液状の分散媒と混合してスラリーを調製し、スラリーを負極集電体に塗布後、乾燥することにより負極を得ることができる。乾燥後の負極合剤の塗膜は、圧延して強度を高めることが望ましい。負極には、必要に応じて、ナトリウムイオンをプレドープしてもよい。
負極合剤は、Sn−P化合物以外の負極活物質を含んでもよい。ただし、高容量化の観点からは、Sn−P化合物が負極活物質の50質量%以上を占めることが好ましく、70質量%以上を占めることがより好ましい。Sn−P化合物以外の負極活物質としては、ハードカーボン、スピネル型結晶構造を有するチタン酸ナトリウムなどが挙げられる。
結着剤には、フッ素樹脂、ポリアクリル酸またはそのNa塩、ゴム粒子、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、水溶性セルロース誘導体などを用いることができる。負極合剤に含まれる結着剤の量は、負極活物質100質量部あたり、例えば1〜30質量部が好ましい。
ゴム粒子としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリルゴムなどが挙げられる。
水溶性セルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)またはそのNa塩(CMC−Na)やアンモニウム塩(CMC−NH4)などが挙げられる。
導電剤には、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、黒鉛などを用いることができる。負極合剤に含まれる導電剤の量は、負極活物質100質量部あたり、例えば1〜30質量部が好ましい。
負極合剤に用いるSn−P化合物の粉末の粒子形状は特に限定されない。粒子径は、例えば10μm以下、好ましくは1〜5μmである。Sn−P化合物の具体例としては、SnP3、Sn34、SnPおよびSn43を挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、Sn43は優れたサイクル特性を有する。Sn−P化合物は、市販品を用いてもよく、合成してもよい。
Sn−P化合物の粉末の合成法としては、メカニカルアロイング法やメカニカルミリング法が挙げられる。メカニカルアロイング法では、例えばSn粉末と黒リン粉末とを所定モル比で含む原料混合物を調製し、原料混合物にせん断力を付与しながら攪拌することにより、Sn−P化合物の粉末を合成することができる。メカニカルアロイングを実施する装置としては、遊星型ボールミル等の公知の装置を使用することができる。メカニカルアロイングは、乾式または湿式のいずれで行なってよいが、乾式が望ましい。装置内の雰囲気は、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とすることが望ましい。
Sn−P化合物の粉末の平均粒径は、0.1〜50μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましい。なお、平均粒径とは、体積基準の粒度分布におけるメディアン径(D50)である。体積基準の粒度分布は、例えばレーザ回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定される。
負極集電体としては、例えば厚さ1〜50μm程度の金属箔、金属多孔体などが好ましく、負極集電体の材質としては、ナトリウムと合金化せず、負極電位で安定であることから、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス鋼などが好ましい。金属多孔体としては、三次元網目状の骨格(特に中空の骨格)を有する金属多孔体を使用できる。
ところで、Sn−P化合物の粉末を、蒸着、スパッタリングのような減圧下での気相法、ガスデポジション法、溶射法などにより負極集電体の表面に堆積させることにより、堆積膜として形成することも提案されている。
気相法、ガスデポジション法などでは、結着剤が不要であり、負極のエネルギー密度を向上させることが可能である。また、負極活物質と集電体との密着性が高く、負極活物質の剥離の抑制によるサイクル特性の向上が期待できる。しかし、現状では、実用化できる程度の容量維持率を確保することが困難である。
なお、ガスデポジション法とは、Sn−P化合物の粉末とキャリアガスとを用いてエアロゾルを発生させ、これを負極集電体に向けて噴射して堆積膜を形成する方法である。エアロゾルは、所定の圧力を有するキャリアガスをSn−P化合物の粉末とともに導管中に導入することで生成させる。減圧チャンバ内に設置された負極集電体に向けてエアロゾルを導管の先端に取り付けたノズルから噴出させ、負極集電体に堆積膜が形成される。キャリアガスには、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガスを用いることができる。チャンバ内圧力とノズルから噴出させるエアロゾルとの圧力差は、3×105〜1×106Pa程度が好ましい。負極集電体とノズルとの距離は5〜30mm程度が好ましい。
次に、溶融塩電解質について詳細に説明する。
(溶融塩電解質)
溶融塩電解質は、溶質としてナトリウム塩を溶解させたイオン液体を含む。ただし、溶融塩電解質中のアニオンは、主成分としてFSAアニオン((FSO)を含み、アニオンの90モル%以上がFSAアニオンであることが好ましい。
ナトリウム塩としては、1価の塩が好ましく、少なくとも主成分としてビスフルオロスルホニルアミドナトリウム(NaFSA)を用いることが好ましい。ナトリウム塩の一部としてNaFSA以外の塩を用いることもできるが、その分、溶融塩電解質に含まれるFSAアニオン濃度が減少する。溶融塩電解質に含まれるFSAアニオン濃度を高める観点からは、ナトリウム塩の80質量%以上、更には90質量%以上、95質量%以上もしくは100質量%がNaFSAであることが望ましい。
上記のように、溶融塩電解質は、FSAアニオン以外のアニオンを含んでもよいが、サイクル特性の向上効果を高める観点から、溶融塩電解質に含まれる全アニオンに占めるFSAアニオン濃度は、90モル%以上が好ましく、95モル%以上がより好ましく、99モル%以上が更に好ましく、100モル%が最も好ましい。
FSAアニオン以外のアニオンとしては、ヘキサフルオロホスフェートアニオン(PF )、テトラフルオロボレートアニオン(BF )、過塩素酸アニオン(ClO )、FSA以外のビススルホニルアミドアニオンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
FSA以外のビススルホニルアミドアニオンとしては、(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオン((FSO)(CFSO)N)、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオン(TFSA:N(SOCF )などが挙げられる。
溶融塩電解質におけるナトリウムイオン濃度は、例えば0.2mol/L〜10mol/Lの範囲から適宜選択できるが、1mol/L〜3mol/Lであることが好ましく、1.5mol/L〜3mol/Lであることがより好ましく、2mol/L〜3mol/Lであることが更に好ましい。これにより、所望のレート特性を確保することが容易となる。
イオン液体のカチオンとしては、イミダゾリウム類、ピリジニウム類、アンモニウム類、ピペリジニウム類、ピラゾリウム類、ピロリジニウム類、ホスホニウム類、グアニジニウム類などの有機カチオンを用いることが好ましく、イオン液体のカチオンの80モル%以上、更には90モル%以上、95モル%以上もしくは100%が上記有機カチオンであることが好ましい。
イミダゾリウム類としては、例えば、以下のカチオンを挙げることができる。
Figure 2017152351
式(1)中、Xは、炭素数2〜16のアルキル基またはアリル基である。具体例としては、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−メチル−3−イソプロピルイミダゾリウム、1−メチル−3−ブチルイミザゾリウム、1−メチル−3−イソブチルイミダゾリウム、1−メチル−3−tert−ブチルイミダゾリウム、1−メチル−3−ペンチルイミダゾリウム、1−メチル−3−ヘキシルイミダゾリウム、1−メチル−3−ヘプチルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム、1−メチル−3−ヘキサデシルイミダゾリウム、1−メチル−3−アリルイミダゾリウム等を挙げることができる。
Figure 2017152351
式(2)中、Xは炭素数2〜8のアルキル基である。具体例としては、3−エチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−プロピル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−ペンチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−ヘキシル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−オクチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムを挙げることができる。
ピリジニウム類としては、例えば、以下のカチオンを挙げることができる。
Figure 2017152351
式(3)中、Xは炭素数4〜6のアルキル基である。具体例としては、1−ブチルピリジニウム、1−ペンチルピリジニウム、1−ヘキシルピリジニウム等を挙げることができる。
アンモニウム類としては、例えば、以下のN,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムや、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムを挙げることができる。
Figure 2017152351
ピペリジニウム類としては、例えば、以下のカチオンを挙げることができる。
Figure 2017152351
式(5)中、Xは、炭素数2〜8のアルキル基である。具体例としては、N−エチル−N−メチルピペリジニウム、N−プロピル−N−メチルピペリジニウム、N−ブチル−N−メチルピペリジニウム、N−ペンチル−N−メチルピペリジニウム、N−ヘキシル−N−メチルピペリジニウム、N−オクチル−N−メチルピペリジニウム等を挙げることができる。
ピロリジニウム類としては、例えば、以下のカチオンを挙げることができる。
Figure 2017152351
式(6)中、Xは、炭素数3〜8のアルキル基、またはCH2CH2OCH2CH2OCH3である。具体例としては、N−プロピル−N−メチルピロリジニウム、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム、N−ペンチル−N−メチルピロリジニウム、N−ヘキシル−N−メチルピロリジニウム、N−オクチル−N−メチルピロリジニウム、N−(2−メトキシエトキシ)−エチル−N−メチルピロリジニウムを挙げることができる。
ホスホニウム類としては、例えば、以下のカチオンを挙げることができる。
Figure 2017152351
式(7)中、Xは、炭素数4〜6のアルキル基である。具体例としては、トリブチルメチルホスホニウム、トリペンチルメチルホスホニウム、トリヘキシルメチルホスホニウムを挙げることができる。
ピラゾリウム類の具体例としては、例えば、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウム、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウム、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウム、1,2,3,5−テトラメチルピラゾリウムを挙げることができる。
グアニジニウム類の具体例としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルグアニジニウムを挙げることができる。
特に好ましいカチオンとしては、N−プロピル−N−メチルピロリジニウム(C31pyrr)、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムなどを挙げることができる。中でも、有機カチオンの80モル%以上、更には90モル%以上もしくは95モル%以上がC31pyrrカチオンであることが好ましく、特にイオン液体の全カチオンの80モル%以上、更には90モル%以上もしくは95モル%以上が、C31pyrrカチオンであることが好ましい。
溶融塩電解質に少量の有機溶媒を含ませてもよい。ただし、有機溶媒を用いるとサイクル特性が低下する傾向がある。よって、有機溶媒の使用量は、イオン液体100質量部に対して10質量部未満とすることが望ましい。有機溶媒としては、例えばプロプレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、フルオロエチレンカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネートなど環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどの環状エステルなどを用いることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(正極)
正極は、正極活物質を含む。正極は、正極集電体と、正極集電体に担持された正極活物質(または正極合剤)とを含んでもよい。正極集電体は、金属箔でもよく、金属多孔体でもよい。正極集電体の材質としては、正極電位での安定性の観点から、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金などが好ましい。金属多孔体としては、三次元網目状の骨格(特に中空の骨格)を有する金属多孔体を使用できる。
正極活物質としては、ナトリウムイオンを吸蔵および放出(または挿入および脱離)する材料(すなわち、ファラデー反応により容量を発現する材料)が使用できる。このような材料としては、ナトリウムと遷移金属との複合化合物が挙げられる。複合化合物は、Alなどの典型金属元素を含んでもよい。中でも、高容量が得られる点で、金属ナトリウムに対して4.0V以上の電位でナトリウムイオンを吸蔵および放出するファラデー反応を発現する正極活物質が好ましい。
複合化合物としては、酸化物が好ましく、例えば、亜クロム酸ナトリウム(NaCrO)、ニッケルマンガン酸ナトリウム、鉄コバルト酸ナトリウム、鉄マンガン酸ナトリウムなどが挙げられる。中でも、ニッケルマンガン酸ナトリウムが好ましい。ニッケルマンガン酸ナトリウムのNi、MnまたはNaの一部を他元素で置換してもよい。
ニッケルマンガン酸ナトリウムの中でも、NiおよびMnに加え、Tiを含む複合酸化物(以下、NiMnTi酸化物)は、金属ナトリウムに対する電位が高く、電池の平均電圧を高めることができる点で好ましい。NiMnTi酸化物は、P2型またはO3型の層状の結晶構造を有することが好ましく、特にO3型結晶構造が望ましい。なお、O3型結晶構造とは、空間群R3mに属する結晶構造である。
層状O3型結晶構造を有する金属酸化物は、遷移金属元素(Me)と酸素とで構成されるMeO層の積層構造を含み、放電時には、MeO層の層間にナトリウムイオンが吸蔵され、充電時には、層間からナトリウムイオンが放出される。遷移金属以外の金属元素は、通常、遷移金属元素Meのサイトに置換される。
好ましいニッケルマンガン酸ナトリウムは、例えば式:NaTiNiMn2±α(式中、Mは、Na、Ti、NiおよびMn以外の金属元素であり、aは、Ti、Ni、MnおよびMの合計に対するNaの原子比であり、bは、Ti、Ni、MnおよびMに占めるTiの原子比であり、cは、Ti、Ni、MnおよびMに占めるNiの原子比であり、dはTi、Ni、MnおよびMに占めるMnの原子比であり、eは、Ti、Ni、MnおよびMに占めるMの原子比であり、b+c+d+e=1.0であり、αは酸素欠損量または酸素過剰量である)で表される。
原子比aは、充放電により増減するが、放電状態では、例えば0.86<a≦1.05である。原子比bは、結晶構造を安定化させるとともに、サイクル特性を向上させる観点から、0.10≦b≦0.40であることが好ましい。原子比cは、高容量化の観点から0.40≦c≦0.55であることが好ましく、0.46≦c≦0.50であることがより好ましい。原子比dは、平均電圧を高めやすい点で、0.10≦d<0.50であることが好ましい。
正極合剤は、正極活物質に加え、さらに導電剤および/または結着剤を含むことができる。正極合剤は、通常、分散媒を含むスラリーの形態で使用される。正極は、正極集電体に正極合剤のスラリーを塗布し、乾燥し、必要に応じて、正極合剤の塗膜を厚み方向に圧延することにより得られる。導電剤としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、および/または炭素繊維などが挙げられる。結着剤としては、例えば、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、ゴム粒子、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドなどなどが挙げられる。
(セパレータ)
セパレータとしては、例えば、樹脂製の微多孔膜、不織布などが使用できる。微多孔膜または不織布を形成する繊維に含まれる樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂(芳香族ポリアミド樹脂など)、および/またはポリイミド樹脂などが例示できる。セパレータは、セラミックス粒子などの無機フィラーを含んでもよい。
(ナトリウムイオン二次電池)
図7は、本発明の一実施形態に係るナトリウムイオン二次電池を概略的に示す縦断面図である。ナトリウムイオン二次電池は、発電要素を構成する積層型の電極群と電解質(図示せず)とを具備し、発電要素は角型の電池ケース10に収容されている。電池ケース10は、上部が開口した有底の容器本体12と、上部開口を塞ぐ蓋体13とで構成されている。電池ケース10の材質としては、軽量で加工性に優れるアルミニウムが好ましい。
ナトリウムイオン二次電池を組み立てる際には、まず、正極2と負極3とをこれらの間にセパレータ1を介在させた状態で積層することにより電極群が構成される。電極群は、電池ケース10の容器本体12に挿入される。その後、容器本体12に電解質が注液され、セパレータ1、正極2および負極3の空隙に、電解質を含浸させる工程が行われる。
蓋体13の中央には、電池ケース10の内圧が上昇したときに内部で発生したガスを放出するための安全弁16が設けられている。安全弁16を中央にして、蓋体13の一方側寄りには、蓋体13を貫通する外部正極端子14が設けられ、蓋体13の他方側寄りの位置には、蓋体13を貫通する外部負極端子が設けられる。
積層型の電極群は、いずれも矩形のシート状の複数の正極2と複数の負極3と、これらの間に介在する複数のセパレータ1とで構成されている。図1では、セパレータ1は、正極2を包囲するように袋状に形成されているが、セパレータの形態は特に限定されない。複数の正極2と複数の負極3は、電極群内で積層方向に交互に配置される。
各正極2の一端部には、正極リード片2aが形成される。複数の正極2の正極リード片2aを束ねるとともに、電池ケース10の蓋体13に設けられた外部正極端子に接続することにより、複数の正極2が並列に接続される。同様に、各負極3の一端部には、負極リード片3aが形成される。複数の負極3の負極リード片3aを束ねるとともに、電池ケース10の蓋体13に設けられた外部負極端子14に接続することにより、複数の負極3が並列に接続される。正極リード片2aの束と負極リード片3aの束は、互いの接触を避けるように間隔を空けて配置することが望ましい。
外部正極端子および外部負極端子14は、いずれも柱状であり、少なくとも外部に露出する部分が螺子溝を有する。各端子の螺子溝にはナット7が嵌められ、ナット7を回転することにより蓋体13に対してナット7が固定される。各端子の電池ケース10内部に収容される部分には、鍔部8が設けられており、ナット7の回転により、鍔部8が、蓋体13の内面に、O−リング状のガスケット9を介して固定される。
電極群は、積層タイプに限らず、正極と負極とをセパレータを介して捲回することにより形成したものであってもよい。負極に金属ナトリウムが析出するのを防止する観点から、正極よりも負極の寸法を大きくしてもよい。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
(1)負極の作製
Sn−P化合物としてSn43粉末を用いた。Sn43粉末は、Sn粉末(株式会社高純度化学研究所製)と赤リン粉末(和光純薬工業株式会社製)とを所定モル比で混合し、メカニカルアロイング法により、以下の条件で調製した。
粉砕容器 :ステンレス製
粉砕ボール :ステンレス製
粉砕ボール/粉末原料(重量比):30/1
粉砕ボール直径 :15mm
粉砕容器回転速度 :380rpm
回転時間 :10時間
メカニカルアロイング法により調製した粉末(平均粒径3μm)の構造をX線回折測定により確認したところ、Sn43が生成していることが確認され、Sn単体およびP単体の構造は見られなかった。
得られたSn43粉末70質量部と、CMC10質量部と、SBR5質量部と、アセチレンブラック15質量部と、分散媒である水を混合して、負極合剤ペーストを調製した。このペーストを厚さ20μmの負極集電体である銅箔の片面に塗布し、乾燥させ、単位面積あたりのSn−P化合物の担持量が0.704mg/cm2である負極を得た。負極は、直径10mmのコイン形に打ち抜いて用いた。
(2)溶融塩電解質の調製
ナトリウム塩としてNaFSAを用い、イオン液体として[C31pyrr]FSA(N−プロピル−N−メチルピロリジニウムビスフルオロスルホニルアミド)を用いた。NaFSAと[C31pyrr]FSAとのモル比は20:80とした。このときナトリウムイオン濃度は概ね1mol/Lになる。
(3)対向電極の作製
金属ナトリウムディスク(アルドリッチ社製、厚さ200μm)をニッケル集電体に圧着して、総厚700μm、直径15mmのコイン形の対向電極を作製した。
(4)試験用ハーフセルの作製
浅底の円筒型のAl/SUSクラッド製容器に、コイン形の対向電極を載置し、その上にコイン型のガラスマイクロファイバ製のセパレータ(ワットマン社製、グレードGF/A、厚さ260μm)を介して、負極を載置し、所定量の溶融塩電解質を容器内に注液した。その後、周縁に絶縁ガスケットを具備する浅底の円筒型のAl/SUSクラッド製封口板で、容器の開口を封口し、コイン形セルA1を作製した。
[評価1]
コイン形セルA1の30℃、60℃および90℃における充放電を、0.005〜2.000Vの電圧範囲で繰り返した。電流値はSn−P化合物1gあたりで50mAの定電流に制御した。30℃における初期5サイクルまでの充放電曲線を図1Aに示す。60℃における初期5サイクルまでの充放電曲線を図1Bに示す。90℃における初期5サイクルまでの充放電曲線を図1Cに示す。
また、30℃の各サイクルで得られた充電容量、放電容量およびクーロン効率を表1に示す。60℃の各サイクルで得られた充電容量、放電容量およびクーロン効率を表2に示す。90℃の各サイクルで得られた充電容量、放電容量およびクーロン効率を表3に示す。
Figure 2017152351
Figure 2017152351
Figure 2017152351
図1A〜1Cおよび表1〜3より、60〜90℃では、より高い容量が得られることが理解できる。一方、クーロン効率の観点からは、30℃が有利であることが理解できる。
次に、単位面積あたりのSn−P化合物の担持量を1.133mg/cm2に変更したこと以外、上記と同様の負極を作製し、セルを組み立て、同様の充放電を100サイクルまで繰り返した。100サイクルまでの放電容量と充放電サイクル数との関係を図1Dに示す。また、所定サイクルで得られた充電容量、放電容量およびクーロン効率を表4に示す。図1Dおよび表4より、Snを主成分として含むSn−P化合物を含むセルとしては極めて良好なサイクル特性が得られていることが理解できる。
Figure 2017152351
《実施例2》
結着剤としてCMCおよびSBRの代わりにポリアミドイミドを用いた。具体的には、Sn43粉末70質量部と、ポリアミドイミド15質量部と、アセチレンブラック15質量%と、分散媒であるN−メチルピロリドンを混合して、負極合剤ペーストを調製した。このペーストを用いて、実施例1と同様にして、単位面積あたりのSn−P化合物の担持量が1.364mg/cm2である負極を作製し、コイン形セルA2を作製し、評価した。30℃における初期5サイクルまでの充放電曲線を図2に示す。また、30℃の各サイクルで得られた充電容量、放電容量およびクーロン効率を表5に示す。図2および表5より、ポリアミドイミドを用いた場合には、CMCとSBRを用いた場合よりもクーロン効率が低下し、容量が低くなる傾向があることが理解できる。
Figure 2017152351
《比較例1》
負極をガスデポジション(GD)法により作製した。すなわち、Sn43粉末をキャリアガス(Ar)とともに所定の導管に導入し、導管内でエアロゾル化した後、下記条件で、真空チャンバ内に配置された厚さ20μmの負極集電体である銅箔の片面にノズルを通して噴射し、Sn−P化合物を析出させて活物質層を形成した。Sn−P化合物の担持量は150μg/cm2であった。負極は、直径10mmのコイン形に打ち抜いて用いた。
<ガスデポジション(GD)の条件>
集電体−ノズル間距離:10mm
ノズル口径:0.5mm
キャリアガスのゲージ圧とチャンバ内との圧力差:7×105Pa
30℃における初期5サイクルまでの充放電曲線を図3に示す。また、30℃の各サイクルで得られた充電容量、放電容量およびクーロン効率を表6に示す。図3および表6より、ガスデポジション法で製造された負極を用いることで、高いクーロン効率が得られることが理解できる。ただし、5サイクルで10%以上容量が低下しており、容量維持率が低くなることが理解できる。
Figure 2017152351
《比較例2》
単位面積あたりのSn−P化合物の担持量を1.775mg/cm2に変更したこと以外、上記と同様の負極を作製した。また、プロピレンカーボネート(PC)に1mol/Lの濃度でビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミドナトリウム(NaTFSA)を溶解させて有機電解液を調製した。上記負極と有機電解液を用いたこと以外、実施例1と同様に、コイン形セルB1を作製し、評価した。30℃における初期サイクルの充放電曲線を図4に示す。図4より、有機電解液を用いる場合には、充放電特性が非常に低いことが理解できる。
《比較例3》
単位面積あたりのSn−P化合物の担持量を1.435mg/cm2に変更したこと以外、上記と同様の負極を作製した。また、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との体積比1:1の混合有機溶媒に1mol/Lの濃度でNaFSAを溶解させて有機電解液を調製した。上記負極と有機電解液を用いたこと以外、実施例1と同様に、コイン形セルB2を作製し、評価した。30℃における初期サイクルの充放電曲線を図5に示す。図5より、有機電解液を用いる場合には、ほとんど充放電ができないことが理解できる。
《実施例3》
単位面積あたりのSn−P化合物の担持量を1.637mg/cm2に変更したこと以外、上記と同様の負極を作製した。また、NaFSAの代わりにNaTFSAを用い、NaTFSAと[C31pyrr]FSAとのモル比20:80の溶融塩電解質を調製した。このときもナトリウムイオン濃度は概ね1mol/Lになると考えてよい。上記負極と溶融塩電解質を用いたこと以外、実施例1と同様に、コイン形セルB3を作製し、評価した。30℃における初期5サイクルまでの充放電曲線を図6に示す。また、30℃の各サイクルで得られた充電容量、放電容量およびクーロン効率を表7に示す。
Figure 2017152351
図6および表7より、溶融塩電解質に含まれるアニオンが、FSAアニオン以外のアニオンを含む場合でも、FSAアニオンが主成分である場合には、良好なクーロン効率およびサイクル特性が得られることが理解できる。
本発明に係る電解質は、耐熱性と良好なサイクル特性が要求されるナトリウムイオン二次電池、特に、高電圧まで充電されるナトリウムイオン二次電池に適している。このようなナトリウムイオン二次電池は、例えば、家庭用または工業用の大型電力貯蔵装置、電気自動車、ハイブリッド自動車などの電源としての利用が期待される。
1:セパレータ、2:正極、2a:正極リード片、3:負極、3a:負極リード片、7:ナット、8:鍔部、9:ガスケット、10:電池ケース、12:容器本体、13:蓋体、14:外部負極端子、16:安全弁

Claims (8)

  1. 正極、負極、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータ、および溶融塩電解質、を含み、
    前記負極が、負極集電体と、前記負極集電体に付着させた負極合剤と、を有し、
    前記負極合剤は、化学式:Snxy(1≦x≦4、1≦y≦4)で示されるSn−P化合物の粉末と、結着剤とを含み、
    前記溶融塩電解質は、溶質としてナトリウム塩を溶解させたイオン液体を含み、
    前記溶融塩電解質中のアニオンが、ビスフルオロスルホニルアミドアニオンを含む、ナトリウムイオン二次電池。
  2. 前記アニオンの90モル%以上が、ビスフルオロスルホニルアミドアニオンである、請求項1に記載のナトリウムイオン二次電池。
  3. 前記Sn−P化合物が、SnP3、Sn34、SnPおよびSn43よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載のナトリウムイオン二次電池。
  4. 前記結着剤は、水溶性セルロース誘導体と、ゴム粒子と、を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のナトリウムイオン二次電池。
  5. 前記溶融塩電解質におけるナトリウムイオン濃度は、1mol/L〜3mol/Lである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のナトリウムイオン二次電池。
  6. 前記イオン液体のカチオンの80モル%以上が、イミダゾリウム類、ピリジニウム類、アンモニウム類、ピペリジニウム類、ピラゾリウム類、ピロリジニウム類、ホスホニウム類およびグアニジニウム類よりなる群から選択される少なくとも1種の有機カチオンである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のナトリウムイオン二次電池。
  7. 前記有機カチオンの80モル%以上が、N−プロピル−N−メチルピロリジニウムカチオンである、請求項6に記載のナトリウムイオン二次電池。
  8. 請求項1に記載のナトリウムイオン電池の使用方法であって、
    前記ナトリウムイオン電池の充電および/または放電を行っている期間の50%以上の期間において前記ナトリウムイオン電池の温度を60℃以上に維持する、使用方法。

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