JP2017152211A - 絶縁層、積層板、及びプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、ポリアミドイミド樹脂と無機フィラーとを含有するとともに高い比誘電率と良好な可撓性とを有する絶縁層を提供することである。【解決手段】本発明の一態様に係る絶縁層3は、ポリアミドイミド樹脂(A)、伸び率が50%以上のポリイミド樹脂(B)、及び無機フィラー(C)を含有する。絶縁層3は、ビスマレイミド(D)を含有することが好ましい。ビスマレイミド(D)は、例えば4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、及び1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサンからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。【選択図】図1
Description
本発明は、絶縁層、この絶縁層を備える積層板、及びこの絶縁層を備えるプリント配線板に関する。
従来、絶縁層を備える金属張積層板は、フレキシブルプリント配線板等の材料として用いられている。絶縁層の材料の一つとして、ポリアミドイミド樹脂が提案されている(特許文献1参照)。ポリアミドイミド樹脂には、絶縁層に良好な易屈曲性及び耐熱性を付与できるという利点がある。
本発明の目的は、ポリアミドイミド樹脂と無機フィラーとを含有するとともに高い比誘電率と良好な可撓性とを有する絶縁層、この絶縁層を備える積層板、及びこの絶縁層を備えるプリント配線板を提供することである。
本発明の一態様に係る絶縁層は、ポリアミドイミド樹脂(A)、伸び率が50%以上のポリイミド樹脂(B)、及び無機フィラー(C)を含有する、
本発明の一態様に係る積層板は、
第一金属層と、第二金属層と、前記第一金属層と前記第二金属層との間に介在する前記絶縁層と、を備える。
本発明の一態様に係る積層板は、
第一金属層と、第二金属層と、前記第一金属層と前記第二金属層との間に介在する前記絶縁層と、を備える。
本発明の一態様に係るプリント配線板は、第一導体配線と、第二導体配線と、前記第一導体配線と前記第二導体配線との間に介在する前記絶縁層と、を備える。
本発明の一態様によれば、ポリアミドイミド樹脂と無機フィラーとを含有するにもかかわらず脆さが抑制された絶縁層、この絶縁層を備える積層板、及びこの絶縁層を備えるプリント配線板が、得られる。
まず、発明者らが本発明に至った経緯について説明する。
ポリアミドイミド樹脂は、耐熱性が高いだけでなく、樹脂材料としては高い比誘電率を有する。そこで、発明者らは、ポリアミドイミド樹脂を含有する絶縁層を、プリント配線板における内蔵キャパシタの誘電体に適用することで、プリント配線板の耐熱性を向上しながら内蔵キャパシタの高容量化を実現することを、検討した。
しかし、高比誘電率化のためにポリアミドイミド樹脂を含有する絶縁層に更に無機フィラーを含有させると、絶縁層が脆くなり、絶縁層にドリル加工等を施すと絶縁層が破損しやすくなる。また、絶縁層が脆くなると、特にプリント配線板がフレキシブルプリント配線板である場合には、その可撓性が損なわれてしまう。
そこで、本発明者らは、鋭意研究の結果、ポリアミドイミド樹脂と無機フィラーとを含有するにもかかわらず脆さが抑制された絶縁層を発明するに至った。
本発明の一実施形態に係る絶縁層3及びこの絶縁層3を備える積層板1について説明する。
図1Cに、絶縁層3を備える積層板1を示す。積層板1は、第一金属層21と、第二金属層22と、絶縁層3とを備える。絶縁層3は、第一金属層21と第二金属層22との間に介在する。本実施形態では、絶縁層3は第一金属層21及び第二金属層22の各々に直接接するが、絶縁層3と第一金属層21との間に別の層が介在していてもよく、絶縁層3と第二金属層22との間に別の層が介在していてもよい。
絶縁層3は、ポリアミドイミド樹脂(A)、伸び率が50%以上のポリイミド樹脂(B)、及び無機フィラー(C)を、含有する。
絶縁層3は、ポリアミドイミド樹脂(A)を含有することで、良好な耐熱性を有しうる。また、絶縁層3は、ポリアミドイミド樹脂(A)及び無機フィラー(C)を含有することで、高い比誘電率を有しうる。さらに、絶縁層3は、ポリアミドイミド樹脂(A)だけでなく伸び率が50%以上のポリイミド樹脂(B)も含有することで、無機フィラー(C)を含有するにもかかわらず、脆くなりにくい。このため、絶縁層3は良好な可撓性と良好な加工性とを有しうる。
これにより、本実施形態では、ポリアミドイミド樹脂と無機フィラーとを含有するとともに脆さが抑制された絶縁層3が得られる。
また、本実施形態に係る積層板1は、ポリアミドイミド樹脂と無機フィラーとを含有するにもかかわらず脆さが抑制された絶縁層3を備える。このため、絶縁層3を内蔵キャパシタの誘電体に適用することで、積層板1の耐熱性を向上しながら内蔵キャパシタの高容量化を実現できる。しかも、積層板1の良好な加工性を維持でき、積層板1がフレキシブル積層板である場合にはその良好な可撓性も維持できる。
絶縁層3の組成について更に詳しく説明する。
絶縁層3中のポリアミドイミド樹脂(A)は、特に下記式(1)に示す構成単位(S1)と下記式(2)に示す構成単位(S2)とのうち少なくとも一方を有することが好ましい。この場合、絶縁層3は、特に高い可撓性を有しうるとともに、特に高い耐熱性も有しうる。また、この場合、絶縁層3と第一金属層21及び第二金属層22の各々とが直接接していても、絶縁層3と第一金属層21及び第二金属層22の各々との間の密着性は、十分に高い。
ポリアミドイミド樹脂(A)が構成単位(S1)と構成単位(S2)との両方を有していれば、特に好ましい。この場合、絶縁層3と第一金属層21及び第二金属層22の各々との接着性が特に高くなるとともに、絶縁層3の耐熱性が特に高くなる。
ポリアミドイミド樹脂(A)における構成単位(S1)と構成単位(S2)の合計量に対する、構成単位(S2)の量は、5〜35モル%の範囲内であることが好ましい。構成単位(S2)の量が35モル%以下(すなわち構成単位(S1)の量が65モル%以上)であると、絶縁層3の耐熱性が特に向上する。また構成単位(S2)の量が5モル%以上(すなわち構成単位(S1)が95モル%以下)であると、絶縁層3と第一金属層21及び第二金属層22の各々との接着性が特に高くなる。また、構成単位(S2)の量が5モル%以上であると、溶剤を含有する液状組成物から絶縁層3を作製する際に、液状組成物中でのポリアミドイミド樹脂(A)の溶剤への溶解性が向上し、このため絶縁層3を作製する際の成形不良が抑制される。構成単位(S1)と構成単位(S2)の合計量に対する、構成単位(S2)の量は、10モル%以上であることも好ましく、30モル%以下であることも好ましく、10〜30モル%の範囲内であれば特に好ましい。
ポリアミドイミド樹脂(A)中の構成単位は、構成単位(S1)と構成単位(S2)のみであってもよい。また、ポリアミドイミド樹脂中の構成単位に、構成単位(S1)と構成単位(S2)以外の単位(以下、構成単位(S3)という)が含まれていてもよい。ポリアミドイミド樹脂中の全構成単位に対する、構成単位(S3)の量は、20モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であれば更に好ましい。
構成単位(S3)は、例えば次の構造式(3)で示される構造を有する。
構造式(3)における「A」は芳香族残基である。「A」の構造の例は、下記[化3]に列挙した構造を含む。
[化3]におけるR1及びR2は、例えばそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜3のアルキル基、及びアリル基からなる群から選択される基である。ただし、構成単位(S1)及び構成単位(S2)と同じ構造は、構成単位(S3)から除かれる。
ポリアミドイミド樹脂(A)の合成方法の例は、イソシアネート法及びアミン法を含む。アミン法の例は、酸クロリド法、低温溶液重合法及び室温溶液重合法を含む。これらのうちイソシアネート法が特に好ましい。
イソシアネート法でポリアミドイミド樹脂(A)を合成する場合、例えばトリメリット酸又はその無水物、ハロゲン化物等の誘導体と、芳香族ジイソシアネートとを、有機溶剤中に加え、更に必要に応じて触媒を加えることで、反応性溶液を得る。この反応性溶液を、好ましくは10〜200℃の温度で1〜24時間加熱して反応させることで、ポリアミドイミド樹脂(A)を合成できる。
芳香族ジイソシアネートは、例えば4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニル及び2,4―ジイソシアン酸トリレンとを含有する。この場合、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニルと2,4―ジイソシアン酸トリレンとのモル比を調整することで、ポリアミドイミド樹脂(A)中の構成単位(S1)と構成単位(S2)のモル比を調整できる。また、芳香族ジイソシアネートが更に4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニル及び2,4―ジイソシアン酸トリレン以外の成分を含有すると、ポリアミドイミド樹脂(A)に構成単位(S3)を導入することもできる。
ポリアミドイミド樹脂(A)の具体例の一つは、東洋紡株式会社製の品番HR−16NNである。
反応性溶液中の溶剤は、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、テトラメチルウレア、スルホラン、ジメチルスルホオキシド、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、及びシクロペンタノンからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。溶剤は、更にトルエン、キシレンなどの炭化水素系有機溶剤、ジグライム、トリグライム、テトラヒドロフランなどのエーテル系有機溶剤、及びメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系有機溶剤からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有してもよい。
触媒の例は、例えば三級アミン、アルカリ金属化合物、及びアルカリ土類金属化合物を含む。
アミン法でポリアミドイミド樹脂(A)を合成する場合、例えばトリメリット酸、又はその無水物、ハロゲン化物等の誘導体と、芳香族ジアミンとを、有機溶剤中に加え、更に必要に応じて触媒も加えることで、反応性溶液を調製する。この反応性溶液を好ましくは0〜200℃の温度で1〜24時間加熱して反応させることで、ポリアミドイミド樹脂(A)を合成できる。
ポリアミドイミド樹脂(A)の数平均分子量は、ポリアミドイミド樹脂(A)に良好な溶剤溶解性を付与するためには、1万〜4万の範囲内であることが好ましい。この数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定される値である。
絶縁層3中のポリイミド樹脂(B)は、上記の通り、50%以上の伸び率を有する。ポリイミド樹脂(B)の伸び率は、JIS K 7127に従い、試験速度5mm/minの条件で測定される。
ポリイミド樹脂(B)の伸び率は、70%以上であればより好ましく、100%以上であれば特に好ましい。また、ポリイミド樹脂(B)の伸び率は、例えば400%以下であるが、これに制限されない。
ポリイミド樹脂(B)は、例えば、フェノール性水酸基を有するイミド構造を備える成分から選択され、より具体的には、例えば群栄化学工業株式会社製の品番GPI−LT、群栄化学工業株式会社製の品番GPI−LM及び株式会社ピーアイ技術研究所製の品番Q−AD−X1390からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。
ポリアミドイミド樹脂(A)及びポリイミド樹脂(B)の合計量に対する、ポリイミド樹脂(B)の量は、10〜50質量%の範囲内であることが好ましい。このポリイミド樹脂(B)の量が10質量%以上であれば、絶縁層3の脆さがより抑制され、絶縁層3は特に高い柔軟性を有しうる。このポリイミド樹脂(B)の量が50質量%以上であれば、絶縁層3が特に高い耐熱性を有しうる。このポリイミド樹脂(B)の量は、10〜30質量%の範囲内であれば、より好ましい。ポリイミド樹脂(B)の量が30質量%以上であれば、絶縁層3の脆さが特に抑制される。
上記の通り、絶縁層3は無機フィラー(C)を含有する。絶縁層3の高比誘電率化のためには、無機フィラー(C)の比誘電率は100以上であることが好ましい。
無機フィラー(C)は、例えば酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、フォルステライト、酸化アルミニウム、ニオブ酸マグネシウム酸バリウム、及びチタン酸ネオジウム酸バリウムからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。
ポリアミドイミド樹脂(A)及びポリイミド樹脂(B)の合計量に対する、無機フィラー(C)の量は、50〜300質量%の範囲内であることが好ましい。無機フィラー(C)の量が50質量%以上であれば、絶縁層3の比誘電率が特に高くなる。無機フィラー(C)の量が300質量%以下であれば、絶縁層3は特に高い柔軟性を有しうる。
絶縁層3は、ビスマレイミド(D)を含有することが好ましい。そのためには、絶縁層3を作製するための液状組成物は、ビスマレイミド(D)を含有することが好ましい。この場合、絶縁層3の耐熱性が更に向上する。また、絶縁層3がビスマレイミド(D)を含有することによって、絶縁層3に交流電場を加えたときの誘電損失が低減する。
なお、本実施形態におけるビスマレイミド(D)はモノマーである。このため、液状組成物中におけるビスマレイミド(D)の溶解性が良好であるとともに、絶縁層3が特に高い耐熱性を有しうる。
ビスマレイミド(D)は、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、及び1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサンからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有することが好ましい。この場合、誘電損失が特に低減する。
ポリアミドイミド樹脂(A)、ポリイミド樹脂(B)及びビスマレイミド(D)の合計量に対する、ビスマレイミド(D)の量は、3〜30質量%の範囲内であることが好ましい。ビスマレイミド(D)の量が3質量%以上であると絶縁層3に特に高い耐熱性が付与されるとともに、誘電損失が特に低減する。ビスマレイミド(D)の量が30質量%以下であると絶縁層3の柔軟性が特に良好である。ビスマレイミド(D)の量は、3〜20質量%の範囲内であれば特に好ましい。
液状組成物は、ビスマレイミド(D)に代えて、あるいはビスマレイミド(D)とともに、エポキシ化合物を含有することも好ましい。この場合も、絶縁層3の耐熱性が向上する。エポキシ化合物は、ナフタレン骨格を有する多官能エポキシ樹脂であることが好ましい。ナフタレン骨格を有する多官能エポキシ樹脂の例は、ノボラック型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、及びクレゾール型共縮合型エポキシ樹脂を含む。これら以外にも、多官能エポキシ化合物の例は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、及びフェノール骨格とビフェニル骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂を含む。
ポリアミドイミド樹脂(A)とエポキシ化合物との合計量に対する、エポキシ化合物の量は、3〜30質量%の範囲内であることが好ましい。エポキシ化合物の量が3質量%以上であると絶縁層3の耐熱性が特に向上する。またエポキシ化合物の量が30質量%以下であると絶縁層3の柔軟性が良好である。エポキシ化合物の量が3〜20質量%の範囲内であれば特に好ましい。
絶縁層3及びそれを備える積層板1を製造する方法の第一例について、図1Aから図1Cを参照して説明する。
まず、絶縁層3の成分を含有する液状組成物を調製する。例えば絶縁層3の成分と溶剤とを混合することで、液状組成物を調製できる。溶剤は、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、テトラメチルウレア、スルホラン、ジメチルスルホオキシド、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、及びシクロペンタノンからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。溶剤は、更にトルエン、キシレンなどの炭化水素系有機溶剤、ジグライム、トリグライム、テトラヒドロフランなどのエーテル系有機溶剤、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトンなどのケトン系有機溶剤からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有してもよい。ポリアミドイミド樹脂(A)の合成に用いられた溶剤をそのまま液状組成物に配合してもよい。
液状組成物中の溶剤の量は、液状組成物に良好な塗布性及び成膜性が付与されるように設定されることが好ましい。特に液状組成物の粘度が200〜800cPの範囲内となるように溶剤の量が設定されることが好ましい。
第一金属箔41及び第二金属箔42を用意する。第一金属箔41及び第二金属箔42の各々の厚みは、3〜70μmの範囲内であることが好ましい。第一金属箔41及び第二金属箔42の各々の厚みは、1〜5μmの範囲内、あるいは1〜3μmの範囲内であってもよい。
図1Aに示すように、第一金属箔41の一面に、液状組成物を塗布する。塗布方法として、コンマコート、ダイコート、ロールコート、グラビアコート等の、適宜の方法が採用されてよい。第一金属箔41上の液状組成物を、例えば200℃以上300℃未満の範囲内の最高温度で、加熱する。これにより、第一金属箔41上に樹脂層5を作製する。液状組成物を加熱する際の最高温度は、240℃〜270℃の範囲内であれば更に好ましい。加熱時間は、1〜10分の範囲内であることが好ましい。
液状組成物を加熱する際には、液状組成物をまず一次加熱してから、一次加熱時よりも高い温度で二次加熱することが好ましい。この場合、液状組成物を徐々に加熱することで、樹脂層5の表層における発泡を抑制できる。一次加熱における加熱温度は100〜170℃の範囲内、加熱時間は1〜10分の範囲内であることが好ましい。二次加熱における加熱温度は、200〜300℃の範囲内であり、かつ一次加熱の温度よりも高い温度であることが好ましい。二次加熱における加熱時間は、1〜10分の範囲内であることが好ましい。
図1Bに示すように、第一金属箔41上の樹脂層5と、第二金属箔42とを重ねる。この状態で、樹脂層5を、例えば300〜350℃の範囲内の温度で、加熱する。樹脂層5を加熱する間、第一金属箔41、樹脂層5、及び第二金属箔42を、これらが積層する方向にプレスすることが好ましい。プレス時の圧力は2〜5MPaの範囲内であることが好ましい。これにより、図1Cに示すように、第一金属箔41からなる第一金属層21、第二金属箔42からなる第二金属層22及び樹脂層5の硬化物からなる絶縁層3を備える、積層板1が得られる。
この方法で絶縁層3が作製されると、絶縁層3が第一金属層21及び第二金属層22の各々に強固に接着される。このため、絶縁層3が単一な層であって、この絶縁層3が第一金属層21及び第二金属層22の各々に直接接する構造を有する積層板1が得られる。
絶縁層3及びそれを備える積層板1を製造する方法の第二例について、図2Aから図2Cを参照して説明する。
第一金属箔41及び第二金属箔42を用意する。図2Aに示すように、第一金属箔41の一面に、液状組成物を塗布する。第一金属箔41上の液状組成物を、例えば最高温度200℃以上300℃未満の範囲内の温度で、加熱する。これにより、第一金属箔41上に第一の樹脂層51を作製する。液状組成物を加熱する際の最高温度が240〜270℃の範囲内であれば更に好ましく、加熱時間は1〜10分の範囲内であることが好ましい。
図2Aに示すように、第二金属箔42の一面にも、液状組成物を塗布する。第一金属箔41上の液状組成物を、例えば200℃以上300℃未満の範囲内の最高温度で、加熱する。これにより、第二金属箔42上に第二の樹脂層52を作製する。液状組成物を加熱する際の温度は240〜270℃の範囲内、加熱時間は1〜10分の範囲内であることが好ましい。
液状組成物を加熱する際には、液状組成物をまず一次加熱してから、一次加熱時よりも高い温度で二次加熱することが好ましい。この場合、液状組成物を徐々に加熱することで、液状組成物から作製される第一の樹脂層51及び第二の樹脂層52の表層における発泡を抑制できる。一次加熱における加熱温度は100〜170℃の範囲内、加熱時間は1〜10分の範囲内であることが好ましい。二次加熱における加熱温度は、200〜300℃の範囲内であり、かつ一次加熱の温度よりも高い温度であることが好ましい。二次加熱における加熱時間は1〜10分の範囲内であることが好ましい。
図2Bに示すように、第一金属箔41上の第一の樹脂層51と、第二金属箔42上の第二の樹脂層52とを重ねる。この状態で、第一の樹脂層51及び第二の樹脂層52を、例えば300〜350℃の範囲内の温度で、加熱する。第一の樹脂層51及び第二の樹脂層52を加熱する間、第一金属箔41、第一の樹脂層51、第二の樹脂層52、及び第二金属箔42を、これらが積層する方向にプレスすることが好ましい。プレス時の圧力は、2〜5MPaの範囲内であることが好ましい。これにより、第一金属箔41からなる第一金属層21、第二金属箔42からなる第二金属層22、及び第一の樹脂層51と第二の樹脂層52との硬化物からなる単一の層である絶縁層3を備える、積層板1が得られる。この場合も、絶縁層3が第一金属層21及び第二金属層22の各々に強固に接着される。このため、絶縁層3が単一な層であって、この絶縁層3が第一金属層21及び第二金属層22の各々に直接接する構造を有する積層板1が得られる。
絶縁層3の厚みは4〜12μmの範囲内であることが好ましい。この場合、絶縁層3が、良好な電気的絶縁性を有しながら、良好な可撓性も有しうる。また、絶縁層3の厚みが12μm以下であると、積層板1に高い電気容量を付与できる。特に絶縁層3が単一の層である場合、絶縁層3の厚み寸法を4〜12μmという小さな値にすることが容易である。
絶縁層3のガラス転移点は、300℃以上であることが好ましい。この場合、絶縁層3は特に高い耐熱性を有する。絶縁層3のガラス転移点は特に300〜350℃の範囲内であることが好ましい。また、絶縁層3のガラス転移点における弾性率は、0.1GPa以上であることが好ましい。この場合、絶縁層3は優れた可撓性を有する。絶縁層3に優れたフレキシブル性を持たせるためには、弾性率は特に0.1〜1.0GPaの範囲内であることが好ましい。本実施形態では、絶縁層3の組成を上述の範囲内で適宜調整することで、絶縁層3のガラス転移点が300〜350℃の範囲内であり、かつ絶縁層3のガラス転移点における弾性率が0.1〜1.0GPaの範囲内であることを達成することが可能である。
第一金属層21の絶縁層3と接する面及び第二金属層22の絶縁層3と接する面の各々の表面粗さRz、すなわちJIS B0601 1994で規定される十点平均粗さRzは、0.5〜3.0μmの範囲内であることが好ましい。この場合、絶縁層3の優れた電気絶縁性と、第一金属層21と絶縁層3との間の高いピール強度とが、両立する。
積層板1の電気容量は、0.5nF/cm2以上であることが好ましい。この場合、積層板1に内蔵キャパシタを形成する場合の、内蔵キャパシタの大容量化が可能である。積層板1の電気容量は、例えば5nF/cm2以下である。
本発明の一実施形態に係るプリント配線板9、15、24について説明する(図3Aから図3E、並びに図4Aから図4C参照)。
プリント配線板9、15、24は、第一導体配線81と、第二導体配線82と、第一導体配線81と第二導体配線82との間に介在する絶縁層3とを備える。プリント配線板9、15、24は、例えば絶縁層3を備える積層板1を材料として用いて作製される。
本実施形態に係るプリント配線板9、15、24は、ポリアミドイミド樹脂と無機フィラーとを含有するにもかかわらず脆さが抑制された絶縁層3を備える。このため、絶縁層3を内蔵キャパシタの誘電体に適用することで、プリント配線板9、15、24の耐熱性を向上しながら内蔵キャパシタの高容量化を実現できる。しかも、プリント配線板9、15、24の良好な加工性を維持することができ、プリント配線板9、15、24がフレキシブルプリント配線板である場合にはその良好な可撓性も維持できる。
本実施形態のプリント配線板の第一例(以下、プリント配線板9という)について、図3A及び図3Bを参照して説明する。プリント配線板9は、フレキシブルプリント配線板である。
まず、図3Aに示す絶縁層3を備える積層板1の、第一金属層21及び第二金属層22の各々にエッチング処理等の処理を施すことで、図3Bに示すように第一導体配線81及び第二導体配線82を作製する。さらに、絶縁層3にレーザ加工等で孔を形成し、この孔の内面をめっきすることで、絶縁層3にスルーホール6を形成してもよい。これにより、第一導体配線81、第二導体配線82及び絶縁層3を備えるプリント配線板9が得られる。
本実施形態のプリント配線板の第二例(以下、プリント配線板15という)について、図3Cから図3Eを参照して説明する。プリント配線板15は、プリント配線板9をコア材として用いて作製される。プリント配線板15は、多層フレキシブルプリント配線板である。
図3Cに示すように、プリント配線板9と、二つの金属張基材7を用意する。金属張基材7は、金属層(第三の金属層71)と、第三の金属層71上の第一層72と、第一層72上の第二層73とを備える。第三の金属層71は、例えば銅箔である。第一層72は、例えばポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等の可撓性を有する電気絶縁性材料から作製される。第二層73は、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性を有する電気絶縁性材料から作製される。
二つの金属張基材7の第二層73を、プリント配線板9における第一導体配線81及び第二導体配線82にそれぞれ重ねる。この状態で金属張基材7とプリント配線板9とをこれらが積層する方向にプレスしながら加熱する。これにより、まず第二層73が軟化して第二層73の一部が第一導体配線81及び第二導体配線82のライン間に充填され、更に絶縁層3にスルーホール6が形成されている場合には第二層73の一部がスルーホール6内にも充填される。続いて第二層73が熱硬化する。これにより、第一層72と第二層73の硬化物とからなる絶縁層(第二の絶縁層10)が作製される。
プリント配線板9と金属張基材7とが上記手法により積層一体化すると、図3Dに示されるような積層物14が得られる。この積層物14は、第一導体配線81及び第二導体配線82の各々に、第二の絶縁層10、第三の金属層71が順次積層している構造を有する。
なお、積層物14を作製するに当たり、プリント配線板9における第一導体配線81及び第二導体配線82の一方のみに金属張基材7の第二層73を重ねてもよい。この場合、積層物14は、プリント配線板9の厚み方向の片面上のみに、第二の絶縁層10、第三の金属層71が順次積層している構造を有する。
この積層物14における第三の金属層71に対して、エッチング処理等が施されることで、図3Eに示されるように導体配線(第三導体配線13)が作製される。これにより、多層のプリント配線板15が得られる。このプリント配線板15は、プリント配線板9における第一導体配線81及び第二導体配線82の各々の上に、第二の絶縁層10及び第三導体配線13が順次積層している構造を有する。
プリント配線板15をコア材として用いることで、更に多層のプリント配線板を製造することもできる。
本実施形態のプリント配線板の第三例(以下、プリント配線板24という)について、図4Aから図4Cを参照して説明する。図4Cに示すように、プリント配線板24は、複数のリジッド部33と、リジッド部33同士を接続するフレックス部32とを備えるフレックスリジッドプリント配線板である。リジッド部33は、搭載される部品の重さに耐え、筐体等に固定できる硬さと強度を持ったリジッドな部分である。フレックス部32は屈曲可能なフレキシブルな部分である。
プリント配線板24は、例えばプリント配線板15をコア材として用いて作製される。この場合、プリント配線板15を、フレックス部32となる部分を除いて多層化することで、リジッド部33を形成する。多層化のための手法は特に制限されず、公知の手法が用いられるが、例えば多層化用の金属箔付き樹脂シート17を用いるビルドアップ法が採用される。
金属箔付き樹脂シート17は、図4Aに示すように、金属箔18と、この金属箔18の片面上に積層している半硬化樹脂層19とを備える。金属箔付き樹脂シート17は、例えば銅箔等の金属箔18のマット面にエポキシ樹脂組成物等の熱硬化性樹脂組成物を塗布し、この熱硬化性樹脂組成物を半硬化(Bステージ)状態となるまで加熱することで半硬化樹脂層19を作製することで、作製される。金属箔18の厚みは6〜18μmの範囲内であることが好ましく、半硬化樹脂層19の厚みは10〜100μmの範囲内であることが好ましい。
図4Aに示すように、プリント配線板15におけるリジッド部33が形成される複数の領域の各々において、プリント配線板15の両面の各々に金属箔付き樹脂シート17の半硬化樹脂層19を重ねる。この状態で、加熱プレス成形により、半硬化樹脂層19をプリント配線板15に接着するとともにこの半硬化樹脂層19を硬化させて、図4Bに示すように絶縁層(第三絶縁層20)を作製する。この場合の成形条件は適宜設定されるが、例えば圧力は1〜3MPa範囲内、温度は160〜200℃の範囲内で設定される。
図4Cに示すように、金属箔付き樹脂シート17に由来する金属箔18にエッチング処理等を施すことで、導体配線(第四導体配線31)を作製する。これにより、リジッド部33が作製されるとともに、隣り合うリジッド部33の間にフレックス部32が作製される。リジッド部33には、必要に応じて、スルーホール、ビアホール等が形成されてもよい。リジッド部33がビルドアップ法等により更に多層化されてもよい。これにより、プリント配線板24が得られる。
1.実施例1〜11及び比較例1〜3の作製
次のようにして、積層板として、実施例1〜11及び比較例1〜3を作製した。
次のようにして、積層板として、実施例1〜11及び比較例1〜3を作製した。
実施例5及び6を作製する場合を除き、次の方法でポリアミドイミド樹脂が溶解している樹脂溶液を得た。
無水トリメリット酸(ナカライテスク株式会社製)192g、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニル211g、2,4―ジイソシアン酸トリレン35g、ジアザビシクロウンデセン(サンアプロ株式会社製)1g、及びN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC、ナカライテスク株式会社製)2482gを配合することでポリマー濃度を15質量%に調整し、得られた混合物を加熱することで1時間かけて100℃まで昇温させ、続いて混合物を100℃のまま6時間維持することで、反応を進行させた。
次いで、混合物に更にDMAC1460gを加えることでポリマー濃度を10質量%に調整し、続いて混合物を室温まで冷却した。これにより、ポリアミドイミド樹脂が溶解している樹脂溶液を得た。この樹脂溶液は黄褐色透明の液体であり、このためポリアミドイミド樹脂が十分に溶解していることが確認される。
なお、原料中の無水トリメリット酸、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニル、及び2,4−ジイソシアン酸トリレンの合計量に対する、これらの各成分の量は、表中の「ポリアミドイミド樹脂の原料組成」の欄に示す通りである。また、ポリアミドイミド樹脂における、構成単位(S1)と構成単位(S2)との合計量に対する、構成単位(S2)の量は、表1及び表2中の「(S2)/{(S1)+(S2)}」の欄に示す通りである。
実施例5及び6を作製する場合は、原料中の無水トリメリット酸、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニル、及び2,4−ジイソシアン酸トリレンの合計量に対する、これらの各成分の量を、表中の「ポリアミドイミド樹脂の原料組成」の欄に示す通り変更したこと以外は、上記と同じ条件で、ポリアミドイミド樹脂が溶解している樹脂溶液を得た。この場合の、ポリアミドイミド樹脂における、構成単位(S1)と構成単位(S2)との合計量に対する、構成単位(S2)の量は、表1中の「(S2)/{(S1)+(S2)}」の欄に示す通りである。
次に、実施例1〜11及び比較例1〜3のいずれを作製する場合も、ポリアミドイミド樹脂が溶解している樹脂溶液を含む原料を、表1及び表2の「絶縁層組成」に示す割合で混合することで、液状組成物を得た。なお、「絶縁層組成」に示す割合は、固形分のみの比率である。液状組成物の調製の際には、まず酸化チタンを除く成分を混合してから、比較例1の場合を除いて酸化チタンを加え、続いてビーズミルで混合した。
コンマコータ及びこれに接続された乾燥機を用いて、液状組成物を厚み12μmの銅箔の片面上に塗布し、続いてこの液状組成物を200℃で4分間加熱し、続いて乾燥機を用いて、250℃で10分間加熱した。これにより、銅箔上に厚み5μmの樹脂層を作製し、金属箔、及びこの金属箔の片面上に積層する樹脂層を備える、片面フレキシブル金属張基材を得た。
二つの片面フレキシブル金属張基材を、樹脂層同士を重ねて積層し、370℃、10分、4MPaの条件でプレス成形することで、積層板を得た。
なお、表1及び表2の「絶縁層組成」の欄に示す成分の詳細は次の通りである。
・ビスマレイミド1:4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、大和化成工業株式会社製、品番BMI−1000
・ビスマレイミド2:ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、大和化成工業株式会社製、品番BMI−4000。
・ポリイミド樹脂E1:群栄化学工業株式会社製、品番GPI−LT、伸び率200%。
・ポリイミド樹脂E2:群栄化学工業株式会社製、品番GPI−LM、伸び率315%。
・ポリイミド樹脂E3;株式会社ピーアイ技術研究所製、品番Q−AD−X1390、伸び率80%。
・ポリイミド樹脂E4:群栄化学工業株式会社製、品番GPI−HT、伸び率7%。
・酸化チタン:堺化学工業株式会社製、品番D963。
・ビスマレイミド1:4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、大和化成工業株式会社製、品番BMI−1000
・ビスマレイミド2:ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、大和化成工業株式会社製、品番BMI−4000。
・ポリイミド樹脂E1:群栄化学工業株式会社製、品番GPI−LT、伸び率200%。
・ポリイミド樹脂E2:群栄化学工業株式会社製、品番GPI−LM、伸び率315%。
・ポリイミド樹脂E3;株式会社ピーアイ技術研究所製、品番Q−AD−X1390、伸び率80%。
・ポリイミド樹脂E4:群栄化学工業株式会社製、品番GPI−HT、伸び率7%。
・酸化チタン:堺化学工業株式会社製、品番D963。
2.評価試験
2−1.密着性
各実施例及び比較例における最外層の銅箔を、90°方向に引き剥がしたときの、引き剥がし強度を測定した。
2−1.密着性
各実施例及び比較例における最外層の銅箔を、90°方向に引き剥がしたときの、引き剥がし強度を測定した。
なお、比較例2の場合は、銅箔を剥離しようとすると絶縁層が破損してしまうことから、引き剥がし強度を測定できなかった。
2−2.はんだ耐熱性
各実施例及び比較例を、260℃のはんだ浴に2分間浸漬し、その間の各実施例及び比較例の外観を観察した。その結果、はんだ浴への浸漬時間が2分間である時点で膨れ、はがれ等の外観異常の発生が認められない場合を「A」、浸漬時間が1分間である時点で外観異常の発生が認められないが、浸漬時間が2分間である時点で外観異常の発生が認められた場合を「B」、浸漬時間が1分間である時点で外観異常の発生が認められた場合を「C」と、評価した。
各実施例及び比較例を、260℃のはんだ浴に2分間浸漬し、その間の各実施例及び比較例の外観を観察した。その結果、はんだ浴への浸漬時間が2分間である時点で膨れ、はがれ等の外観異常の発生が認められない場合を「A」、浸漬時間が1分間である時点で外観異常の発生が認められないが、浸漬時間が2分間である時点で外観異常の発生が認められた場合を「B」、浸漬時間が1分間である時点で外観異常の発生が認められた場合を「C」と、評価した。
2−3.比誘電率
JIS C6471に従って、各実施例及び比較例にエッチング処理を施して銅箔を除くことで試料を作製し、この試料の比誘電率を測定した。
JIS C6471に従って、各実施例及び比較例にエッチング処理を施して銅箔を除くことで試料を作製し、この試料の比誘電率を測定した。
なお、比較例2の場合は、銅箔を除いたところ、絶縁層が脆いため、試料を作製できなかった。
2−4.電気容量
JIS C6471 7.5に従って、各実施例及び比較例にエッチング処理を施して銅箔を除くことで試料を作製し、この試料の、測定周波数1MHzでの電気容量を測定した。
JIS C6471 7.5に従って、各実施例及び比較例にエッチング処理を施して銅箔を除くことで試料を作製し、この試料の、測定周波数1MHzでの電気容量を測定した。
なお、比較例2の場合は、銅箔を除いたところ、絶縁層が脆いため、試料を作製できなかった。
2−5.加工性
各実施例及び比較例を切断して、平面視寸法10cm×10cmの試料を得た。この試料にエッチング処理を施して銅箔を除いた。その結果、エッチング後の試料に割れが生じなかった場合を「A」、割れが生じた場合を「B」と、評価した。
各実施例及び比較例を切断して、平面視寸法10cm×10cmの試料を得た。この試料にエッチング処理を施して銅箔を除いた。その結果、エッチング後の試料に割れが生じなかった場合を「A」、割れが生じた場合を「B」と、評価した。
Claims (10)
- ポリアミドイミド樹脂(A)、
伸び率が50%以上のポリイミド樹脂(B)、及び
無機フィラー(C)を、含有する、
絶縁層。 - 前記ポリアミドイミド樹脂(A)及び前記ポリイミド樹脂(B)の合計量に対する、前記ポリイミド樹脂(B)の量は、10〜50質量%の範囲内である、
請求項1に記載の絶縁層。 - ビスマレイミド(D)を含有する、
請求項1又は2に記載の絶縁層。 - 前記ビスマレイミド(D)は、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、及び1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサンからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する、
請求項3に記載の絶縁層。 - 前記ポリアミドイミド樹脂(A)、前記ポリイミド樹脂(B)及び前記ビスマレイミド(D)の合計量に対する、前記ビスマレイミド(D)の量は、3〜30質量%の範囲内である、
請求項3又は4に記載の絶縁層。 - 前記ポリアミドイミド樹脂(A)は、下記式(1)に示す構成単位(S1)と下記式(2)に示す構成単位(S2)とのうち、少なくとも一方を有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の絶縁層。
- 前記ポリアミドイミド樹脂(A)は、前記構成単位(S1)と前記構成単位(S2)との両方を有し、
前記構成単位(S1)と前記構成単位(S2)との合計量に対する、前記構成単位(S2)の量は、5〜35モル%の範囲内である、
請求項6に記載の絶縁層。 - 第一金属層と、
第二金属層と、
前記第一金属層と前記第二金属層との間に介在する請求項1から7のいずれか一項に記載の絶縁層と、を備える、
積層板。 - 0.5nF/cm2以上の電気容量を有する、
請求項8に記載の積層板。 - 第一導体配線と、
第二導体配線と、
前記第一導体配線と前記第二導体配線との間に介在する請求項1から7のいずれか一項に記載の絶縁層と、を備える、
プリント配線板。
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JP2016033476A JP2017152211A (ja) | 2016-02-24 | 2016-02-24 | 絶縁層、積層板、及びプリント配線板 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111334184A (zh) * | 2020-04-21 | 2020-06-26 | 西安高缘立达电气有限公司 | 一种耐热220级耐六氟化硫有机绝缘涂料及其制备方法 |
-
2016
- 2016-02-24 JP JP2016033476A patent/JP2017152211A/ja active Pending
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