JP2017151744A - 間取り図作成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】間取り図を容易に作成することのできる技術を提供する。【解決手段】(a)3次元測定装置を用いて室内の3次元点群データを取得する(S100)。(b)3次元点群データから室内の3次元モデルを作成する(S200)。(c)3次元モデルから室内の間取り図を作成する(S300)。ここで、前記(b)工程では、前処理として前記(a)工程で取得した3次元点群データに対してフィルタ処理(S210)が行われる。フィルタ処理(S210)が、ダウンサンプリングが行われた3次元点群データに対して、外れ値を除去してから平滑化を行う。【選択図】図2
Description
本発明は、間取り図作成方法に関する。
特許第5620603号(特許文献1)には、環境をスキャンして測定するためのレーザスキャナが記載されている。
特許文献1に記載のようなレーザスキャナなどの3次元測定装置を用いて、例えば家屋などの建築物(対象物)の外観について3次元測定を行い、取得した3次元点群データからその建築物の3次元モデルを作成することができる。
ところで、建築物をリフォームする際には建築当時の間取り図(設計図面)が残っていない場合がある。また、古い建築物では、あり合わせの部材を現場で組み合わせるなどし、そもそも間取り図がない場合もある。また、間取り図があったとしても、リフォーム対象の建築物との整合性がない場合、あるいは整合性がとれたとしても経年変化でそれらの寸法が必ずしも一致しない場合もある。そこで、3次元測定装置を用いて建築物の部屋、廊下などの室内(内部)の3次元測定を行うことで、取得した3次元点群データから間取り図を容易に作成することができる。
しかし、建築物の室内の3次元測定を行う際に、例えば家具(タンス、机、椅子など)が室内に設置されたままであると、これが障害物となって壁、天井、床などの内面の寸法を正確に測定することができないという問題がある。このため障害物を除去する必要があるが、3次元測定の前に障害物を撤去するにはそのための工数が必要となり、測定後に3次元測定装置より取得した点群データから障害物を手動で除去する場合には間取り図の作成の段階で除去のための工数が必要になるといった課題があった。
本発明の目的は、室内の間取り図を容易に作成することのできる技術を提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面に基づいて順次明らかにしてゆく。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。本発明の一解決手段に係る間取り図作成方法は、(a)3次元測定装置を用いて室内の3次元点群データを取得する工程と、(b)前記3次元点群データから前記室内の3次元モデルを作成する工程と、(c)前記3次元モデルから前記室内の間取り図を作成する工程と、を含むことを特徴とする。
ここで、前記(b)工程では、前処理として前記(a)工程で取得した前記3次元点群データに対してフィルタ処理が行われ、前記フィルタ処理が、ダウンサンプリングが行われた前記3次元点群データに対して、外れ値を除去してから平滑化を行うことがより好ましい。これによれば、測定誤差が取り除かれた3次元点群データを取得することができる。
また、前記(a)工程では、前記測定データとして前記室内の画像データも取得し、前記(b)工程では、前記画像データに対して画像解析処理を行い、前記室内の壁に設けられた設置物を検出して、前記3次元モデルに追加することがより好ましい。これによれば、点群データのみでは認識が困難な壁の設置物も併せて3次元モデルに表すことができる。
また、前記(b)工程では、モデリング処理が行われ、前記モデリング処理は、前記3次元点群データに対して平面領域に分割する処理を行い、分割された複数の平面領域に属する点群データと、平面領域に属しない残存点群データとに分ける工程を含むことがより好ましい。これによれば、室内を構成する平面ごとに領域分割を行うことができる。
また、前記モデリング処理の平面領域に分割する処理は、分割範囲を広げて分割する処理を行った後、分割範囲を広げて分割された平面領域に対して分割範囲を狭めて分割する処理を行うことがより好ましい。これによれば、測定誤差を除去しつつ、詳細な平面領域分割を行うことができる。
また、前記モデリング処理は、前記平面領域に属しない残存点群データに対して曲面領域に分割する処理を行い、分割された複数の曲面領域に属する点群データと、曲面領域に属しない残存点群データとに分ける工程を含むことがより好ましい。これによれば、室内を構成する曲面ごとに領域分割を行うことができる。
また、前記(a)工程では、前記測定データとして前記測定装置の位置情報も取得し、前記(b)工程では、前記位置情報を基に複数の前記3次元モデルを位置合わせして連結することがより好ましい。これによれば、室内全体を1回で測定仕切れない場合であっても、連結して室内全体の間取り図を取得することができる。
また、連結された前記3次元モデルに対して、前記測定装置の位置から所定方向における重なっている複数の面から障害物の判定を行うことがより好ましい。これによれば、壁、床、天井と、障害物とを認識することができる。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、次のとおりである。本発明の一解決手段に係る間取り図作成方法によれば、室内の間取り図を容易に作成することができる。
以下の本発明における実施形態では、必要な場合に複数のセクションなどに分けて説明するが、原則、それらはお互いに無関係ではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細などの関係にある。このため、全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、構成要素の数(個数、数値、量、範囲などを含む)については、特に明示した場合や原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。また、構成要素などの形状に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似または類似するものなどを含むものとする。
(間取り図作成システム)
本発明の実施形態に係る室内の間取り図作成システム10について、図1を参照して説明する。図1は、間取り図作成システム10のブロック図である。なお、本実施形態における室内は、壁と、天井と、床とを備えて構成されるものとする。
本発明の実施形態に係る室内の間取り図作成システム10について、図1を参照して説明する。図1は、間取り図作成システム10のブロック図である。なお、本実施形態における室内は、壁と、天井と、床とを備えて構成されるものとする。
間取り図作成システム10は、測定装置12を備える。測定装置12は、間取り図を作成する上で必要な測定データ(情報)を取得、出力するものである。本実施形態に係る測定装置12は、3次元レーザスキャナ14などの3次元測定装置と、カメラ16と、マルチセンサ18とを備える。
3次元レーザスキャナ14などの3次元測定装置は、室内の3次元点群データ(単に「点群データ」とも記す)を取得、出力するものである。3次元レーザスキャナ14は、室内をレーザスキャンした距離データをxyz座標(立体直交座標)に変換した点群データとして取得、出力する。また、カメラ16は、室内の画像データを取得、出力するものであり、例えば、室内の水平方向360度を何回かに分けて撮影し、画像データを取得、出力する。また、マルチセンサ18は、3次元レーザスキャナ14の室内における位置に関する情報を取得、出力するものである。マルチセンサ18は、例えば、コンパス(屋内地磁気センサ)、加速度センサ、ジャイロ、ハイト(気圧センサ)から構成される。
また、間取り図作成システム10は、間取り図作成装置20を備える。間取り図作成装置20は、測定装置12から出力されるデータ(情報)を取得し、2次元や3次元の間取り図を作成するものであり、例えば、プログラム(例えばアプリケーション)に従って動作するコンピュータ(例えばタブレット端末)である。間取り図作成装置20は、フィルタ部22と、画像解析部24と、モデリング部26と、位置合わせ部28と、図面処理部30とを備える。間取り図作成装置20がコンピュータで構成される場合、フィルタ部22などの各部は、次に示すような機能を実行させるプログラムである。
フィルタ部22は、3次元レーザスキャナ14で取得された点群データに対して外れ値を除去するなどのフィルタ処理を行う。また、画像解析部24は、カメラ16で取得された画像データから例えば室内のドア、窓などの設置物を検出するための解析処理を行う。また、モデリング部26は、フィルタ処理済みの点群データなどから室内の3次元モデルなどを取得(作成)するモデリング処理を行う。また、位置合わせ部28は、例えば2つの3次元モデルなどを連結する位置合わせ処理を行う。また、図面処理部30は、3次元モデルから3次元間取り図を出力(作成)する出力処理を行う。
ここで、間取り図作成システム10の使用方法について概略する。測定者(使用者)が測定装置12と間取り図作成装置20(例えばタブレット端末)を、測定対象となる例えば一般住宅(建築物)の室内に持ち運ぶ。次いで、測定者は住宅の室内において、測定装置12を用いて室内を測定する。そして、間取り図作成装置20は、測定装置12から随時点群データ、画像データ、マルチセンサ情報を取得する。取得した点群データなどから室内の3次元モデルなどを作成して、間取り図を自動的に作成する。なお、室内全体を1回で測定仕切れない場合は、室内における測定装置12の設置位置を変えて3次元モデルを作成し、位置合わせ部28によって連結すればよい。
(間取り図作成方法の概略)
本発明の実施形態に係る間取り図作成方法について、図2を参照して説明する。図2は、間取り図作成方法の概略工程フロー図である。
本発明の実施形態に係る間取り図作成方法について、図2を参照して説明する。図2は、間取り図作成方法の概略工程フロー図である。
まず、測定装置12を用いて室内の点群データ、画像データ、およびマルチセンサ情報(測定装置12の位置情報など)を含む測定データを取得する(S100;一点鎖線囲み)。これら測定データは、間取り図作成装置20に入力される。次いで、間取り図作成装置20を用いて点群データを基に室内の3次元モデルを取得(モデリング)する(S200;二点鎖線囲み)。次いで、間取り図作成装置20を用いて3次元モデルを基に室内の間取り図を作成する(S300;破線囲み)。このようにして、室内の間取り図を容易に作成することができる。
その際、間取り図作成装置20では、3次元モデルを取得(モデリング)する前処理として、測定装置12で取得した点群データに対してフィルタ処理S210が行われる。また、測定装置12で取得した画像データに対して画像解析処理S220が行われる。そして、前処理が行われた点群データと画像データの解析結果からモデリング処理S230が行われる。これにより、測定した室内の3次元モデルが作成される。この際、画像解析処理S220が行われた画像データから、室内の壁に設けられたドアや窓などの設置物を検出して、3次元モデルに追加することが好ましい。これにより、点群データのみでは認識が困難な壁の設置物も併せて3次元モデルに表すことができる。
1回の測定で室内の3次元モデルが作成される場合もあるが、通常、測定装置12を用いて室内の複数の場所でオーバーラップしながら測定を行う。このため、2箇所目以降の測定データに対しては位置合わせ処理S280が行われる。この位置合わせでは、測定装置12で取得した位置情報(マルチセンサ情報)を基に複数の3次元モデルが連結される。これによれば、室内全体を1回で測定仕切れない場合であっても、連結して室内全体の3次元モデルや3次元間取り図を取得することができる。
これらの処理は測定装置12で測定する度にストリーミング処理で行う。そして、全部の測定が終了したら、各種CAD(Computer Aided Design)プログラムで出力可能となるように図面処理S320が行われ、2次元間取り図や3次元間取り図が出力される。
以下では、フィルタ処理S210、画像解析処理S220、モデリング処理S230、位置合わせ処理S280、図面処理S320の各処理工程について詳細に説明する。
(フィルタ処理)
フィルタ処理S210について、図3を参照して説明する。図3は、フィルタ処理S210の工程フロー図である。
フィルタ処理S210について、図3を参照して説明する。図3は、フィルタ処理S210の工程フロー図である。
フィルタ処理S210では、3次元レーザスキャナ14から点群データが入力される(S211)。次いで、その点群データに対してダウンサンプリングを行う(S212)。すなわち、点群データの数を減らす(間引く)。これにより、間取り図作成装置20の処理時間を向上させることができる。次いで、ダウンサンプリングが行われた点群データに対して、外れ値の除去を行う(S213)。例えば、3次元レーザスキャナ14からのレーザが間取り図作成に不要な光沢面で反射する場合に外れ値となる。次いで、外れ値が除去された点群データに対して平滑化を行う(S214)。これにより、測定誤差が取り除かれた点群データを取得することができる。すなわち、フィルタ処理S210では、フィルタ処理済みの点群データが出力される(S215)。
(画像解析処理)
画像解析処理S220について、図4を参照して説明する。図4は、画像解析処理S220の工程フロー図である。
画像解析処理S220について、図4を参照して説明する。図4は、画像解析処理S220の工程フロー図である。
画像解析処理S220では、カメラ16から画像データが入力される(S221)。次いで、画像データに対してレンズ歪み補正を行う(S222)。カメラ16で撮像された画像データにはカメラ16のレンズにより歪みが発生している。このために、レンズ歪み補正が行われる。次いで、画像データ上のノイズを除去する(S223)。
また、画像解析処理S220では、フィルタ処理S210からフィルタ処理済みの点群データが入力される(S224)。この点群データとノイズが除去された画像データとは、座標系が異なっているので、画像データ座標を点群データの座標系へ座標変換を行う(S225)。これにより、画像データは、3次元座標情報を持つことになる。次いで、画像データに対してエッジ検出を行い、室内のエッジを抽出する(S226)。次いで、ラスターベクター変換を行い、エッジ検出した点を線にする(S227)。すなわち、画像解析処理S220では、点群データの座標系に変換された画像解析処理済みの画像データが出力される(S228)。
(モデリング処理)
モデリング処理S230について、図5を参照して説明する。図5は、モデリング処理S230の工程フロー図である。
モデリング処理S230について、図5を参照して説明する。図5は、モデリング処理S230の工程フロー図である。
モデリング処理S230では、フィルタ処理S210からフィルタ処理済みの点群データが入力される(S231)。次いで、点群データに対して平面領域に分割する処理を行い、分割された複数の平面領域に属する点群データと、平面領域に属しない残存点群データとにグループ分けをする(S232)。これにより、室内を構成する平面ごとに領域分割を行うことができる。次いで、平面領域に属しない残存点群データに対して曲面領域に分割する処理を行い、分割された複数の曲面領域に属する点群データと、曲面領域に属しない残存点群データとに分ける(S233)。これにより、室内を構成する曲面ごとに領域分割を行うことができる。このとき、室内になる例えば小さな障害物は、残存点群データに属している。3次元モデルの取得の際に残存点群データを除去することで、小さな障害物を除去することができる。なお、障害物の除去方法については、後述する。
次いで、分割された複数の平面領域に属する点群データおよび分割された複数の曲面領域に属する点群データに対して空間情報の計算(重心、平面の法線ベクトル、隣接判定)を行い、それぞれの点群データに対応する複数の分割面を取得する(S234)。次いで、複数の分割面のうち隣接する分割面の交線および交点の計算を行う(S235)。
また、モデリング処理S230では、画像解析処理S220から画像解析処理済みの画像データが入力される(S236)。この画像データからドアや窓などの設置物を検出、認識する(S237)。点群データから作成した3次元モデルにはドアや窓の情報が追加される(S238)。
そして、モデリング処理S230では、3次元モデルが作成、出力される(S260)。次いで、作成した3次元モデルから平面図を作成する(S261)。すなわち、モデリング処理S230では、2次元平面図が作成、出力される(S262)。
(位置合わせ処理)
位置合わせ処理S280について、図6を参照して説明する。図6は、位置合わせ処理S280の工程フロー図である。なお、室内において測定装置12の設置位置を変えて作成された2つの3次元モデルA、B(それぞれに対応する点群データA、B)を位置合わせして連結する場合について説明する。
位置合わせ処理S280について、図6を参照して説明する。図6は、位置合わせ処理S280の工程フロー図である。なお、室内において測定装置12の設置位置を変えて作成された2つの3次元モデルA、B(それぞれに対応する点群データA、B)を位置合わせして連結する場合について説明する。
位置合わせ処理S280では、モデリング処理S230から2つの3次元モデルA、Bが入力される(S281)。次いで、3次元モデルA、Bのそれぞれの特徴量を検出する(S282)。また、位置合わせ処理S280では、マルチセンサ18からマルチセンサ情報が入力される(S283)。このマルチセンサ情報から測定装置12の位置情報を検出する(S284)。この位置情報は、3次元モデルA、Bのそれぞれの特徴量をマッチングさせる際の位置の初期値に用いられる。
例えば、3次元モデルBの特徴量に対して幾何変換を行う。ここでは、3次元モデルAの特徴量と3次元モデルBの特徴量に対してマッチング評価関数値を算出し、いくつかのマッチングを試す(S285)。なおマッチング評価関数値はマッチングの度合が高いほど値としては低いものとなる。マッチング評価関数値が最小になった幾何変換を選択する。次いで、マッチング評価関数値が最小になった幾何変換を収束計算により最適化する(S286)。これにより、最適化された幾何変換を取得することができる。すなわち、位置合わせ処理S280では、最適化された幾何変換が出力される(S287)。
また、位置合わせ処理S280では、フィルタ処理S210から2つの処理済みの点群データが入力される(S288)。次いで、3次元モデルBに対応する点群データBに対して最適化された幾何変換を行い、3次元モデルAに対応する点群データAと合成し、位置合わせを行う(S289)。次いで、合成された点群データA、Bは、連結した部分の点群密度が濃くなるため、ダウンサンプリングを行う(S290)。すなわち、点群データの数を減らす(間引く)。これにより、位置合わせされた点群データA、Bを取得することができる。すなわち、位置合わせ処理S280では、位置合わせされた点群データA、Bが出力される(S291)。
位置合わせされた点群データA、Bの連結部分に関しては、再度モデリング処理を行う(S292)。次いで、室内における壁、天井、床または障害物のいずれかであるかを認識する処理を行う(S400)。この認識処理(S400)については、後述する。これにより、位置合わせ処理S280では、位置合わせ及び認識処理をした3次元モデル及び2次元平面図が出力される(S293)。
(図面処理)
図面処理S320について、図7を参照して説明する。図7は、図面処理S320の工程フロー図である。
図面処理S320について、図7を参照して説明する。図7は、図面処理S320の工程フロー図である。
図面処理S320では、位置合わせ処理S280から3次元モデルや2次元平面図が入力される(S321)。3次元モデルや2次元平面図には測定誤差などが含まれている。このため、3次元モデルや2次元平面図に対して丸め処理を行う(S322)。例えば、規格に合った長さに変換することで誤差を無くすことができる。次いで、例えば工務店が使用しているCADに入力できるように各種CADフォーマットで図面を出力する(S323)。これにより、図面処理S320では、室内の2次元間取り図や3次元間取り図が作成、出力される(S324)。
(障害物の除去処理)
室内に障害物がある場合において、室内の間取り図を作成する際の障害物の除去処理について説明する。
室内に障害物がある場合において、室内の間取り図を作成する際の障害物の除去処理について説明する。
まず、前述したように、平面分割された領域および曲面分割された領域に属する点群データに対応する複数の分割面を取得する際に、障害物を除去することができる。具体的には、大きさが小さい障害物は、平面領域分割や曲面分割領域において、分割した後の残存点群データに含まれる。このため、残存点群データを除去することにより、小さな障害物を除去することができる。
次に、認識処理S400による障害物の除去について、図8を参照して説明する。図8は、認識処理S400の工程フロー図である。
図8に示す工程では、まず、連結された3次元モデルに対して、重なっている複数の分割面(平面、曲面)を選択する(S401)。次いで、測定装置12の位置からみてどちらの方向(水平方向、床方向あるいは天井方向の所定方向)か決定する(S402)。
次いで、所定の方向(水平方向、床方向あるいは天井方向)における重なっている分割面(平面、曲面)から障害物の判定を行う。具体的には、水平方向では、障害物の判定をし、壁と障害物を認識し(S403)、障害物とした分割面(平面、曲面)を除去する(S404)。また、床方向では、障害物の判定をし、床と障害物を認識し(S405)、障害物とした分割面(平面、曲面)を除去する(S406)。また、天井方向では、障害物判定をし、天井と障害物を認識し(S407)、障害物とした分割面(平面、曲面)を除去する(S408)。
このような認識処理(S401〜S408)をすべての分割面で行うよう繰り返し処理する(S409)。すべての分割面で認識処理が終了すると、認定処理後の3次元モデルを取得することができる。これによれば、室内から壁、床、天井と、障害物とを認識し、障害物を除去した室内の3次元モデルを作成することができる。
(間取り図作成方法の具体例)
本発明の実施形態に係る間取り図作成方法の一例について、図9〜図15を参照して具体的に説明する。図9〜図15は、本発明の実施形態に係る工程中の間取り図作成方法の説明図であり、天井側から床側を視た室内100を示している。
本発明の実施形態に係る間取り図作成方法の一例について、図9〜図15を参照して具体的に説明する。図9〜図15は、本発明の実施形態に係る工程中の間取り図作成方法の説明図であり、天井側から床側を視た室内100を示している。
図9に示すように、間取り図作成対象の室内100は、ドア102(点線)を有し、タンス104(破線)が配置されている。ここで、ドア102は、出っ張るように室内100の壁106(一点鎖線)からある程度距離があるものとする。室内100に測定装置12が設置されて(図14に設置位置を示す)、室内100の点群データなどが取得される(S100)。そして、測定装置12で取得された点群データは、間取り図作成装置20に入力される。間取り図作成装置20では、その点群データに対してフィルタ処理S210、モデリング処理S230が行われる。
次いで、モデリング処理S230において平面領域分割を行う。ここで、平面領域分割を行うにあたり、法線ベクトルや曲率には測定誤差があるため、すべてが正確な値になっているわけではない。点群データの密度が壁106などによって違う場合があるからである。そのため、すべての平面を正確に分割するのが難しい。そこで、分割範囲を広げるように、例えば、法線ベクトル計算の範囲を広げ、ノイズを抑え、スレッショルドを緩くすることで、図10に示すように、大まかに平面毎(図10では6つの分割面M0、M1、M2、M3、M4、M5)の領域に点群データを分割する。なお、壁106で囲まれた領域の中心付近に測定装置12を設置して壁106を全周にわたって測定した際、分割面M5のような直接的に存在を確認できない面が生じることがある。この場合、分割面M0とM4の相対的関係(平行で離れている)と壁面は直角または平行である前提に基づき、図10の分割面M5が存在するものとして扱う。
次いで、詳細に平面領域分割を行う。例えば、図11に示すように、ドア102がある壁106に分割された分割面M3の点群データを用いる。この点群データに対して、分割範囲を狭めるように、法線ベクトル計算の範囲を狭めて、スレッショルドをきつくすることで、詳細な平面毎(図11では、5つの分割面M3a、M3b、M3c、M3d、M3eを示す)の領域に点群データを分割する。これにより、図12に示すようなドア102が検出されて平面領域分割がされた結果を取得することができる。また、分割範囲を広げて分割する処理を行った後、分割範囲を狭めて分割する処理を行うことで、測定誤差を除去しつつ、詳細な平面領域分割を行うことができる。
次いで、分割された複数の平面領域に属する点群データに対しては、空間情報の計算(重心、平面の法線ベクトル、隣接判定)が行われる。具体的には、図13に示すような領域分割した平面(図13では、10の分割面M0、M1、M2、M3a、M3b、M3c、M3d、M3e、M4、M5)のそれぞれについて平面の方程式の計算を行う。平面の方程式は、xyz座標系の法線ベクトル(a、b、c)を用いると、一般にax+by+cz+d=0(dは定数)と表すことができる。図13では、分割面M0、M1、M2、M3a、M3b、M3c、M3d、M3e、M4、M5のそれぞれに対応する法線ベクトルを示す。次いで、各分割面の平面方程式から、複数の分割面のうち隣接する分割面の交線および交点(図13では、10の交点P0、P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8、P9を示す)を求める計算を行う。
次いで、図13に示すような分割面のうちから、測定装置12からみて重なっている(測定装置12を始点とする同一の直線に交差する)ものの分割面を選択する。例えば、水平方向において、重なっている分割面M0、M4を選択する。次いで、障害物判定を行う。
具体的には、図14に示すように、室内100に配置された測定装置12の位置(すなわち測定位置)から分割面M0までの距離d2と、測定装置12の位置から分割面M4までの距離d1を計算する。次いで、計算による距離が長い方を壁106、短い方をタンス104と認識する。ここでは、距離d2が距離d1よりも長いので、分割面M0を壁106、分割面M4をタンス104と認識する。次いで、タンス104に対応する分割面M4を除去し、分割面M0と分割面M3eが交差するまで壁106が存在するものと認識する。次いで、タンス104(障害物)と認識した分割面M4(平面)に隣接し、頂点を共有する分割面M5(平面)を除去する。なお、障害物判定は、このような距離の違いを主要因として用いるが、例外的に他の要因により判定することもできる。
これにより、図15に示すような室内100からタンス104が除去された室内100の3次元モデルを作成することができる。また、この3次元モデルから2次元平面図を作成することができる。その後、図面処理S320を行うことで、CADデータとして室内100の2次元間取り図や3次元間取り図を作成することができる。これにより、例えば、リフォームなどの施工の際に必要な部材の量を算出することができる。また、CADデータとして取得することもでき、リフォームなどの際のレイアウト検討を行う際に有用となる。
10 間取り図作成システム; 12 測定装置; 14 3次元レーザスキャナ;
16 カメラ; 18 マルチセンサ; 20 間取り図作成装置;
22 フィルタ部; 24 画像解析部; 26 モデリング部;
28 位置合わせ部; 30 図面処理部; 100 室内; 102 ドア;
104 タンス; 106 壁。
16 カメラ; 18 マルチセンサ; 20 間取り図作成装置;
22 フィルタ部; 24 画像解析部; 26 モデリング部;
28 位置合わせ部; 30 図面処理部; 100 室内; 102 ドア;
104 タンス; 106 壁。
Claims (8)
- (a)測定装置を用いて室内の3次元点群データを含む測定データを取得する工程と、
(b)前記3次元点群データを基に前記室内の3次元モデルを取得する工程と、
(c)前記3次元モデルを基に前記室内の間取り図を作成する工程と、
を含むことを特徴とする間取り図作成方法。 - 請求項1記載の間取り図作成方法において、
前記(b)工程では、前処理として前記(a)工程で取得した前記3次元点群データに対してフィルタ処理が行われ、
前記フィルタ処理が、ダウンサンプリングが行われた前記3次元点群データに対して、外れ値を除去してから平滑化を行うことを特徴とする間取り図作成方法。 - 請求項1または2記載の間取り図作成方法において、
前記(a)工程では、前記測定データとして前記室内の画像データも取得し、
前記(b)工程では、前記画像データに対して画像解析処理を行い、前記室内の壁に設けられた設置物を検出して、前記3次元モデルに追加することを特徴とする間取り図作成方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の間取り図作成方法において、
前記(b)工程では、モデリング処理が行われ、
前記モデリング処理は、前記3次元点群データに対して平面領域に分割する処理を行い、分割された複数の平面領域に属する点群データと、平面領域に属しない残存点群データとに分ける工程を含むことを特徴とする間取り図作成方法。 - 請求項4記載の間取り図作成方法において、
前記モデリング処理の平面領域に分割する処理は、分割範囲を広げて分割する処理を行った後、分割範囲を広げて分割された平面領域に対して分割範囲を狭めて分割する処理を行うことを特徴とする間取り図作成方法。 - 請求項4または5記載の間取り図作成方法において、
前記モデリング処理は、前記平面領域に属しない残存点群データに対して曲面領域に分割する処理を行い、分割された複数の曲面領域に属する点群データと、曲面領域に属しない残存点群データとに分ける工程を含むことを特徴とする間取り図作成方法。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の間取り図作成方法において、
前記(a)工程では、前記測定データとして前記測定装置の位置情報も取得し、
前記(b)工程では、前記位置情報を基に複数の前記3次元モデルを位置合わせして連結することを特徴とする間取り図作成方法。 - 請求項7記載の間取り図作成方法において、
連結された前記3次元モデルに対して、前記測定装置の位置から所定方向における重なっている複数の面から障害物の判定を行うことを特徴とする間取り図作成方法。
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