JP2017151343A - モードスクランブラ及び光ファイバケーブル - Google Patents

モードスクランブラ及び光ファイバケーブル Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、複数の伝搬モードが伝搬する数モード光ファイバを伝送路としたモード多重光伝送システムに対し、伝搬モード間の結合を効率良く促進できるモードスクランブラ及び光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るモードスクランブラは、中心軸から外側に向けて屈折率が一定の中心層と、中心層の外側に配置され、屈折率が前記中心層の屈折率以上のリングコア部を備え、リングコア部の外側に配置され、屈折率が前記リングコア層の屈折率よりも小さいクラッド層を配置した、リングコアファイバを用い、このリングコアファイバに対し、S字状の曲げを付与することとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の伝搬モードが伝搬する数モードファイバを用いたモードスクランブラ及び光ファイバケーブルに関する。
伝送容量を拡大する技術として複数の伝搬モードを用いる数モード光ファイバが提案されている。特に複数の伝搬モードを用いたモード多重伝送は、伝送容量をモード数倍に向上させられることから、新たな大容量伝送方式として注目されている。
この数モード光ファイバを用いた伝送においては、伝送路中でモード間クロストークが発生することから、その補償手段として、受信端においてMIMO(Multiple−Input Multiple−Output)等化器が用いられる。しかしながら、モード間の損失差(Mode dependent Loss:以下、MDL)が存在する場合、MIMO等化器を利用したとしても伝送システムのパフォーマンス低下が課題となる(例えば、非特許文献1を参照。)。
また、受信端においてモード間の群遅延差(Differential Mode Delay:以下、DMD)が大きいと、MIMOに関わるデジタル処理(DSP)の負荷が大きくなり、長距離伝送を実現する為にはDSP負荷の低減が課題となる(例えば、非特許文献2を参照。)。
そこで、MDLやDMDの影響を緩和するために、モード間の結合を生じさせるモードスクランブラの利用が提案されている(例えば、非特許文献3を参照。)。また、モードスクランブラ単体を利用するのではなくモード間の結合を光ファイバ伝送路中で積極的に起こすために、リングコア型ファイバが提案されている(例えば、非特許文献4を参照。)。さらに、巻きつけ張力などのマイクロベンド付与によりモード間の結合が増加する様子が実験的に確認されている(例えば、非特許文献5を参照。)。
P. J. Winzer, et al., "Mode−dependent loss, gain, and noise in MIMO−SDM systems", in Proc. ECOC 2014, paper Mo.3.3.2, 2014. S.O. Arik, D. Askarov, J.M. Kahn, Effect of mode coupling on signal processing complexity in mode−division multiplexing, J. Lightwave Technol. 31 (3) (2013) 423−431. Lobato, A.; Ferreira, F.; Rabe, J.; Kuschnerov, M.; Spinnler, B.; Lankl, B., "Mode scramblers and reduced−search maximum−likelihood detection for mode−dependent−loss−impaired transmission", in Optical Communication (ECOC 2013), 39th European Conference and Exhibition, pp.1−3, 22−26 Sept. 2013 N. Fontaine, R. Ryf, M. Hirano, and T. Sasaki, "Experimental investigation of crosstalk accumulation in a ring−core fiber", in Proc. IEEE Photon. Soc. Summer Top. Meeting Series, 2013, pp. 111−112. R. Maruyama, N. Kuwaki, S. Matsuo, and M. Ohashi, "Experimental Investigation of Relation Between Mode−Coupling and Fiber Characteristics in Few−Mode Fibers", in Optical Fiber Communication Conference, OSA Technical Digest (online) (Optical Society of America, 2015), paper M2C.1. Bigot−Astruc, Marianne; Boivin, D.; Sillard, Pierre, "Design and fabrication of weakly−coupled few−modes fibers", Photonics Society Summer Topical Meeting Series, 2012 IEEE , pp.189−190.
しかしながら、非特許文献4に記載のリングコア型ファイバではモード結合が不十分である、という課題があった。そこで、本発明は、上記課題を解決するために、光ファイバ伝送路中でモード結合を促進できるモードスクランブラ及び光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、複数のモードが伝搬する光ファイバにS字状の曲げを与え、光伝送路中にモードスクランブラを形成することとした。
具体的には、本発明に係るモードスクランブラは、
複数のモードの伝搬が可能な光ファイバと、
前記光ファイバに、光の伝搬方向に連続して、曲げ方向が互いに逆である湾曲部が少なくとも2つ形成されたモード間結合部と、
を備える。
また、本発明に係る光ファイバケーブルは、
複数のモードの伝搬が可能な光ファイバを複数並列させたテープ心線と、
前記テープ心線を収納する溝を有するスロットと、
を備える光ファイバケーブルであって、
前記スロットは、前記テープ心線に、光の伝搬方向に連続して、曲げ方向が互いに逆である湾曲部を少なくとも2つ形成する曲げ付与部を前記溝の一部に有することを特徴とする。
S字状の曲げとは、途中で曲げ方向が反転する曲げである。曲げ方向が反転する点を変曲点という。前記湾曲部は、変曲点を挟んで曲げ方向を反転させたS字状の曲げ部分である。変曲点を増減すること(曲げ方向が互いに逆である曲げ部を増減させること)でモード結合効率を調整することができる。
従って、本発明は、光ファイバ伝送路中でモード結合を促進できるモードスクランブラ及び光ファイバケーブルを提供することができる。
本発明に係るモードスクランブラの前記光ファイバは、
中心軸から外側に向けて屈折率が一定の中心層と、
前記中心層の外側に配置され、屈折率が前記中心層の屈折率以上のリングコア部と、
前記リングコア部の外側に配置され、屈折率が前記リングコア部の屈折率よりも小さいクラッド層と、
を有することが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルの前記光ファイバは、
中心軸から外側に向けて屈折率が一定の中心層と、
前記中心層の外側に配置され、屈折率が前記中心層の屈折率以上のリングコア部と、
前記リングコア部の外側に配置され、屈折率が前記リングコア部の屈折率よりも小さいクラッド層と、
を有することが好ましい。
特に、光ファイバはリングコア型光ファイバであり、屈折率分布のリングコア部の内径と外径の比率を最適化し、かつ、モード間の結合を促進するための適切な曲げ半径を有するS字曲げを与えることで、モード間の結合効率が改善する。実験で見出した好ましい構造は次の通りである。
本発明に係るモードスクランブラは、前記リングコア部の内径と外径の比率が0.55〜0.75であり、前記湾曲部の曲げ半径が10〜210mmである。
また、本発明に係る光ファイバケーブルは、前記リングコア部の内径と外径の比率が0.55〜0.75であり、前記湾曲部の曲げ半径が10〜210mmである。
本発明は、光ファイバ伝送路中でモード結合を促進できるモードスクランブラ及び光ファイバケーブルを提供することができる。
S字曲げを説明する図である。 S字曲げの半径と角度を説明する図である。 リングコア型光ファイバの屈折率分布を説明する図である。 曲げが1つ付与されたリングコア型光ファイバを説明する図である。(A)は曲げ付与部の構造を説明する図である。(B)は基本モードであるLP01モードを入力し、基本モードLP01モードと高次モードLP11モードへ結合する様子とリングコア型光ファイバの内径と外径の比率0.33と0.64の場合の曲げ半径が30mmにおける各モードの電界分布を説明する図である。 本発明に係るモードスクランブラを説明する図である。(A)はS字状曲げが付与されたモード間結合部の構造を説明する図である。(B)はS字状曲げが付与されたリングコア型光ファイバに基本モードであるLP01モードを入力し、基本モードLP01モードと高次モードLP11モードへ結合する様子とリングコア型光ファイバの内径と外径の比率0.33と0.64の場合のS字曲げ半径が30mmにおける各モードの電界分布を説明する図である。 本発明に係るモードスクランブラの効果を説明する図である。リングコア型光ファイバの内径と外径の比率に対する、S字曲げ半径30mmにおけるLP01モード入力時のLP01モードとLP11モードの結合効率および伝搬定数差の計算結果を説明する図である。 本発明に係るモードスクランブラの効果を説明する図である。S字曲げ半径に対するモード結合効率の計算結果を説明する図である。 本発明に係るモードスクランブラの効果を説明する図である。リングコア型光ファイバの内径と外径の比率に対するモード結合効率が0.5以上が得られるS字曲げの最大曲げ半径、最適曲げ半径、最小曲げ半径を説明する図である。 S字曲げ半径に対するモード結合効率の測定系を説明する図である。 本発明に係るモードスクランブラの効果を説明する図である。S字曲げ半径に対するモード結合効率の測定結果および各モードのニアフィールドパターン測定結果を示す図である。 本発明に係るモードスクランブラの効果を説明する図である。リングコア型光ファイバ15.4kmに対し、LP01入力、LP11入力した場合のインパルス応答測定結果を示す図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの構造を説明する断面図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの構造を説明する斜視図である。S字曲げが付与されたスロットを説明する。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
(実施形態1)
本実施形態のモードスクランブラは、複数のモードの伝搬が可能な光ファイバと、前記光ファイバに、光の伝搬方向に連続して、曲げ方向が互いに逆である湾曲部が少なくとも2つ形成されたモード間結合部と、を備える。
光ファイバに与えるS字曲げを図1に示す。少なくとも1回は曲げ方向が反転する変曲点を有する。曲げ半径をR、湾曲部の角度をθとする。湾曲部の長さは、波長よりも十分長い光路長が得られれば良くmmオーダで十分である。このため、図2に示すように、最小曲げ角度θは10度とする。また、長手方向への延伸の観点から、最大角度は180度とする。
本発明に用いる光ファイバはステップ型やグレーデッド型についても可能ではあるが、特にモードスクランブラとしてモード間の結合効率を高めることができるリングコア型について説明する。本発明で用いるリングコア光ファイバは、中心層と、リングコアと、その外側のクラッドから構成されている。リングコアの屈折率分布は、数1で表されるような、屈折率分布をもつ。数1において、n(r)は中心から半径方向の位置rにおける屈折率、中心層半径a1、リングコア部の外周半径a、nはリングコアの屈折率、Δはリングコアの中心層に対する比屈折率差を表す。
Figure 2017151343
図3に、リングコア型の数モード光ファイバの屈折率分布の一例を示す。例えば、非特許文献4におけるリングコア型ファイバは中心層半径aが3.6μm、リングコア部の外周半径aが5.4μm、リングコアの比屈折率差Δが0.25%であり、伝搬モード数は波長1550nmにおいて2(LP01,LP11モード)である。伝搬モード数を制限するためには、中心層半径aやリングコア部の外周半径a、比屈折率差Δを調整する必要がある。以下、簡単のため伝搬モード数は弱導波近似によるLPモードにて換算する。
図4は、比較例である、曲げ(湾曲部)が1つ付与されたリングコア型光ファイバのモードスクランブラ300を説明する図である。図4(A)はモードスクランブラ300の構造を説明する図である。モードスクランブラ300は、変曲点30で直線部10と湾曲部20とが接続する。
このモードスクランブラ300の直線部10に基本モードであるLP01モードの光を入力する。そうすると、湾曲部20においてモード間結合が発生し、湾曲部20から基本モードLP01モードと高次モードLP11モードの光が出力する。図4(A)は、モードスクランブラ300の直線部10に入力された基本LP01モードの光が、基本モードLP01モードと高次モードLP11モードへ結合する様子を示している。
図4(B)は、モードスクランブラ300の各モードの電界分布とモード結合効率を説明する図である。湾曲部20の曲げ半径は30mmである。図4(B)には、リングコア型光ファイバのリングコア部の内径と外径の比率が0.33と0.64である2タイプのモードスクランブラ300の結果を示す。直線部10の出口(変曲点30)では、電界が偏っておらず[α]、湾曲部20の出口では電界が偏っている[β]。
[補足]
直線部10では、入口から変曲点30直前まで電界分布は変化しない(図4(B)の直線部の電界分布)。また、湾曲部20でも、変曲点30直後から出口まで電界分布は変化しない(図4(B)の湾曲部の電界分布)。光は直線部10から湾曲部20へ入ると同時に(変曲点30において)曲げにより電界が偏る。
さらに、それぞれのリングコア型光ファイバについて、数2を用いて各モードの電界の重なり積分によりモード結合効率ηを算出した。このとき、波長は1550nmとし、リングコア型光ファイバのリングコア部の比屈折率差Δは1.0%、リングコア幅a2−a1は4.0μmに固定した。
Figure 2017151343
ここで、Eは変曲点に入力するモードの電界、El,pは変曲点から出力するモードの電界である。
モードスクランブラ300は、リングコア部の内径と外径の比率a1/a2が0.33の場合、LP01モードからLP11モードへの結合効率は0.003であることに対し、a1/a2が0.64の場合、0.30となる。モードスクランブラ300は、リングコア部の内径と外径の比率a1/a2が0.33よりも0.64の方がモード結合効率を増大することができる。
図5は、本実施形態である、曲げが2つ(湾曲部21、22)付与されたリングコア型光ファイバのモードスクランブラ301を説明する図である。図5(A)はモードスクランブラ301の構造を説明する図である。モードスクランブラ301は、リングコア型光ファイバを変曲点30を挟み湾曲部21と湾曲部22を形成したモード間結合部を有する。
このモードスクランブラ301の湾曲部21に基本モードであるLP01モードの光を入力する。そうすると、湾曲部21と22においてモード間結合が発生し、湾曲部22から基本モードLP01モードと高次モードLP11モードの光が出力する。図5(A)は、モードスクランブラ301の湾曲部21に入力された基本LP01モードの光が、基本モードLP01モードと高次モードLP11モードへ結合する様子を示している。
図5(B)は、モードスクランブラ301の各モードの電界分布とモード結合効率を説明する図である。湾曲部21及び22の曲げ半径はともに30mmである。図5(B)には、リングコア部の内径と外径の比率0.33と0.64の2タイプのモードスクランブラ301の結果を示す。
入力する光は図4(B)の直線部10での電界分布のように偏りがない光である。この光がモードスクランブラ301のモード間結合部を伝搬するに従い電界が偏る。図5(B)の[α]は変曲点30までの湾曲部21での電界分布であり、[β]は変曲点30後の湾曲部22での電界分布である。変曲点30にてLP11モードが発生する。
さらに、それぞれのリングコア型光ファイバについて、数2を用いて各モードの電界の重なり積分によりモード結合効率ηを算出した。このとき、波長は1550nmとし、リングコア型光ファイバのリングコア部の比屈折率差Δは1.0%、リングコア幅a2−a1は4.0μmに固定した。
モードスクランブラ301は、リングコア部の内径と外径の比率a1/a2が0.33の場合、LP01モードからLP11モードへの結合効率が0.01であることに対し、a1/a2が0.64の場合、0.75となる。このようにモードスクランブラ301も、モードスクランブラ300と同様に、リングコア部の内径と外径の比率a1/a2が0.33よりも0.64の方がモード結合効率を増大することができる。
以上の比較結果より、モードスクランブラ301はモードスクランブラ300に対して次の有利な効果を有する。
(1)S字曲げの構成でモードスクランブラ301はモードスクランブラ300よりもモード結合効率を高めることができる。
(2)湾曲部の長さは半円分必要ではなく、曲げ方向が反転する変曲点があれば良い。
図6は、リングコア型光ファイバのリングコア部の内径と外径の比率(a1/a2)に対する、S字曲げ半径30mmにおけるLP01モード入力時のLP01モードとLP11モードの結合効率および伝搬定数差の計算結果である。a1/a2が0.64の時、LP11モードについて最大のモード結合効率が得られていることが分かる。つまり、S字曲げ半径に対し、最適なリングコア型光ファイバのリングコア部の内径と外径の比率が存在する。
図7は、S字曲げ半径に対するモード結合効率を示す。例えば、リングコア部の内径と外径の比率a1/a2が0.50の場合、曲げ半径が小さいほど高い結合効率が得られるが、a1/a2が0.71の場合、曲げ半径が80mmのとき最大値をとり、a1/a2が0.75の場合、曲げ半径が120mmのとき最大値をとることが分かる。
図8は、リングコア型光ファイバのa1/a2に対し、最も高いモード間結合効率が得られるS字曲げの最適曲げ半径、およびモード結合効率が0.5となる最小曲げ半径と最大曲げ半径を示した図である。モード結合効率が0.5以上であれば、変換されるモードの割合の方が大きいため、よりモードスクランブラとしての機能が高まる。つまり、図8において、最大曲げ半径の曲線と最小曲げ半径の曲線に挟まれる範囲が、リングコア型光ファイバをモードスクランブラとして機能させるための設計範囲である。
a1/a2を変数xとし、S字曲げ半径を変数yとすると、モード間の結合効率が最も得られる曲げ半径は、
y=2632.4x−2879.8x+797.06
と表すことができる。
また、モード結合効率が0.5以上得られる最小曲げ半径は
y=1675.4x−1935.6x+566.84
モード結合効率が0.5以上得られる最大曲げ半径は
y=4671x−5185.2x+1467.3
と表すことができる。
これにより、a1/a2が大きいほど、モード結合効率0.5以上が得られる曲げ半径の範囲が広いことが分かる。a1/a2が0.55の場合、S字の曲げ半径が10〜25mmまでモード結合効率0.5以上が得られる。また、a1/a2が0.75の場合、S字の曲げ半径が60〜210mmまでモード結合効率0.5以上が得られる。
a1/a2が0.55よりも小さい場合は、S字の曲げ半径を小さくしてもモード結合効率0.5以上を得ることができず、a1/a2が0.75よりも大きい場合は漏洩モードによる損失が増加するため、実使用が懸念される。このことにより、a1/a2が0.55〜0.75、S字曲げ半径は、10〜210mmが望ましい。
図9は、モード結合測定系を説明する図である。リングコア型光ファイバ103を2つの円柱150で挟むことにより、リングコア型光ファイバ103にS字曲げを与えてモード間結合部を形成する。レーザ光源152の波長は1550nmとし、シングルモードファイバ101とマルチモードファイバ102をコネクタ接続し、マルチモードファイバ102とリングコア型光ファイバ103を融着接続する。レーザ光源152から見てS字曲げの後段にモード分波器151を配置し、伝搬する光をLP01モード、LP11aモード及びLP11bモードに分波する。図9で説明した測定系を用いて、レーザ光源152からリングコア型光ファイバ103にLP01モードの光を入力し、モード分波器151から出力する各モードの光強度を測定する。
LP11モードについては、LP11aモードとLP11bモードの2つの縮退モードがあり、これらの縮退モードの和をLP11モードのパワーとした。LP01モードからの結合効率を算出する場合、LP01モードのパワーとLP11モードのパワーの比より算出した。リングコア型光ファイバ103のリングコア部の内径と外径の比率a1/a2を0.64とした。
図10は、S字曲げ半径に対するLP01モードからLP01モードへの結合効率並びにLP11モードへの結合効率の測定結果である。実際の測定結果を点、計算結果を線で示している。さらに、S字曲げを与えない場合(すなわちS字曲げ半径=∞)のLP01モードとLP11モードのニアフィールドパターンも同図に示している。計算結果と実験結果はほぼ一致している。図10より、リングコア型光ファイバのリングコア部の内径と外径の比率a1/a2に対し、効率よくモード結合が得られるS字曲げ半径が存在することが分かる。図10より、S字曲げ半径が35mmの場合、最も効率よくLP01モードからLP11モードへのモード結合が得られている。
図11は、リングコア型光ファイバ15.4kmのインパルス応答を示す図である。波形A及び波形Bは途中にモードスクランブラ301が形成された場合の結果である。波形Aはリングコア型光ファイバへLP01モードでパルス光を入力した場合の結果である。波形Bはリングコア型光ファイバへLP11モードでパルス光を入力した場合の結果である。波形Cは比較例として光ファイバを介さず光源から直接光パルスを受光した場合の結果である。
モードスクランブラ301が形成されている場合、光パルスをLP01モードで入力してもLP11モードで入力しても同様の波形が得られる(波形AとB)。これは、リングコア型光ファイバ中においてモード結合が頻繁に起こっているためであると考えられる。。リングコア型光ファイバにモードスクランブラ301が形成されることで、パルス拡がりを抑えることができている。
リングコア型光ファイバの設計上のDMDが1ns/kmであるため、モード間結合が無ければ15.4kmで15ns程度のパルス幅が広がることになる。一方、リングコア型光ファイバにモードスクランブラ301が形成されている場合、モード結合が促進されため、図11の波形AやBのように10dB幅で2ns以下に低減できる。
このように、モードスクランブラ301が形成されたリングコア型光ファイバを用いれば、MDLやDMDを低減しつつ、多モード伝送により伝送容量を拡大することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るモードスクランブラは、S字曲げを適切な曲げ半径で与えることで、モード結合効率を高めることができ、特に、リングコア型光ファイバの屈折率分布の内径と外径の比率およびS字曲げ半径を適正にすることで伝搬モード間の結合を促進することができる。従って、本実施形態に係る発明は、伝搬モード間のモード結合を増大できるとともにモードスクランブル機能を提供することができる。
(実施形態2)
本実施形態の光ファイバケーブルは、複数のモードの伝搬が可能な光ファイバを複数並列させたテープ心線と、前記テープ心線を収納する溝を有するスロットと、を備える光ファイバケーブルであって、前記スロットは、前記テープ心線に、光の伝搬方向に連続して、曲げ方向が互いに逆である湾曲部を少なくとも2つ形成する曲げ付与部を前記溝の一部に有することを特徴とする。
本実施形態の光ファイバケーブルは、テープ心線として実施形態1で説明したリングコア型光ファイバを複数本並列させて用いる。図12は、光ファイバケーブルの断面図であり、テープ心線105とスロット154の関係を説明する図である。スロット154に外周にはテープ心線105が配置される溝153がらせん状に形成される。本実施形態では、テープ心線105のそれぞれのリングコア型光ファイバに湾曲部を形成するためにスロット154の溝153を特徴的に形成する。
図13は、光ファイバケーブルの斜視図であり、溝153の一部を拡大した図である。溝153は、スロット154の外周にらせん状に形成されている。そして、溝153の少なくとも一部に、テープ心線105にS字曲げを与える曲げ付与部155が形成されている。テープ心線105は、この曲げ付与部155に沿って曲げが与えられ、それぞれのリングコア型光ファイバに湾曲部が形成される。このため、各リングコア型光ファイバでは、実施形態1で説明したようにモード間結合が起こる。この結果、本実施形態の光ファイバケーブルもMDLやDMDを低減しつつ、多モード伝送により伝送容量を拡大することができる。
ここで、前記リングコア部の内径と外径の比率が0.55〜0.75であり、
前記湾曲部の曲げ半径が10〜210mmであることが好ましい。
従来のS撚りスロットやSZ撚りスロットを用いるよりも、よりモード結合が効率よく得られる。
(他の実施形態)
実施形態1や2では、図3のようなリングコア型光ファイバで説明したが、リングコア部の形状については、屈折率がステップ型や、指数的に小さくなるグレーデッド型や多段の階段状に屈折率が小さくなるマルチステップ型にしてもよく、ダブルリングコア型でも、リングコアのすぐ外側にトレンチ(底面)を配置してもよい。
また、本発明の手法は、マルチコア技術と可能な限り組み合わせることができる。
(発明の効果)
本発明は、S字曲げを与えることで、効率の良いモードスクランブラを提供することができる。特に、リングコア型光ファイバの屈折率分布のコア構造の内径と外径の比率に対してモード間の結合が促進される適切な曲げ半径を有するS字曲げが提供される、モードスクランブラ、光ファイバコード、ケーブルを提供することができる。
本発明は、ファイバ中の高次モードの利用により光ファイバ伝送の大容量化及び長距離化を実現することができる。
10:直線部
20、21、22:湾曲部
25:モード間結合部
30:変曲点
101:シングルモードファイバ
102:マルチモードファイバ
103:リングコア型光ファイバ
105:テープ心線
150:円柱
151:モード分波器
152:レーザ光源
153:溝
154:スロット
155:曲げ付与部
300、301:モードスクランブラ

Claims (6)

  1. 複数のモードの伝搬が可能な光ファイバと、
    前記光ファイバに、光の伝搬方向に連続して、曲げ方向が互いに逆である湾曲部が少なくとも2つ形成されたモード間結合部と、
    を備えるモードスクランブラ。
  2. 前記光ファイバは、
    中心軸から外側に向けて屈折率が一定の中心層と、
    前記中心層の外側に配置され、屈折率が前記中心層の屈折率以上のリングコア部と、
    前記リングコア部の外側に配置され、屈折率が前記リングコア部の屈折率よりも小さいクラッド層と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載のモードスクランブラ。
  3. 前記リングコア部の内径と外径の比率が0.55〜0.75であり、
    前記湾曲部の曲げ半径が10〜210mmである
    ことを特徴とする請求項2に記載のモードスクランブラ。
  4. 複数のモードの伝搬が可能な光ファイバを複数並列させたテープ心線と、
    前記テープ心線を収納する溝を有するスロットと、
    を備える光ファイバケーブルであって、
    前記スロットは、
    前記テープ心線に、光の伝搬方向に連続して、曲げ方向が互いに逆である湾曲部を少なくとも2つ形成する曲げ付与部を前記溝の一部に有することを特徴とする光ファイバケーブル。
  5. 前記光ファイバは、
    中心軸から外側に向けて屈折率が一定の中心層と、
    前記中心層の外側に配置され、屈折率が前記中心層の屈折率以上のリングコア部と、
    前記リングコア部の外側に配置され、屈折率が前記リングコア部の屈折率よりも小さいクラッド層と、
    を有することを特徴とする請求項4に記載の光ファイバケーブル。
  6. 前記リングコア部の内径と外径の比率が0.55〜0.75であり、
    前記湾曲部の曲げ半径が10〜210mmである
    ことを特徴とする請求項5に記載の光ファイバケーブル。
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