JP2017150980A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で高精度に、ガスに由来する光の分光スペクトルを測定することができるガスセンサを提供すること。【解決手段】ガスセンサは、ガス保持部、光源、偏光分割複屈折素子、偏光子、光学素子、検出部および走査部を有する。ガス保持部はガスセルを有する。偏光分割複屈折素子は、光源から出射され、ガスセルに収容されているガスを透過した光を、偏光方向が互いに異なる第1偏光および第2偏光に分割する。偏光子は、所定の偏光方向に偏光している第1偏光の第1偏光成分と、第2偏光の第2偏光成分とを透過させる。光学素子は、第1偏光成分および第2偏光成分の干渉縞を形成する。走査部は、干渉縞のラインの並び方向に沿う方向において、干渉光の集光位置と検出部における受光素子の受光面の位置とを相対的に移動させる。検出部は、干渉次数に応じた干渉光の強度分布に基づいて、ガスを透過した光のインターフェログラムを取得する。【選択図】図2

Description

本発明は、フーリエ変換型のスペクトル分光器を有するガスセンサに関する。
気相中に存在するガス成分の種類および濃度を分析するためにガスセンサが使用されている。ガスセンサの例には、ガス雰囲気を通過した光の分光スペクトルに基づいて、ガス分子の種類および濃度を分析する、スペクトル分光型のガスセンサが含まれる(例えば、特許文献1参照)。
図1は、特許文献1に記載のガスセンサ10の構成を示す模式図である。ガスセンサ10は、光源11、ガスセル1、入射スリット12、第1凹面ミラー13、回折格子14、回転手段15、第2凹面ミラー16、出射スリット17、光検出部18およびスペクトル測定装置19を有する。
ガスセル1には、特定波長の光を吸収するガスが封入される。第1凹面ミラー13は、入射する光を平行光にしつつ反射する。第2凹面ミラー16は、入射する光を集光しつつ反射する。回転手段15は、回折格子14を回転させて、入射する光の入射角を任意の角度に設定する。スペクトル測定装置19は、回転手段15および光検出部18を制御する。
ガスセンサ10では、光源11から出射され、ガスセル1および入射スリット12を通過した光は、第1凹面ミラー13に到達する。次いで、第1凹面ミラー13で平行光に変換されつつ反射した光は、回折格子15に入射する。次いで、回折格子15によって、空間的に、波長毎に分離された光は、第2凹面ミラー16に到達する。次いで、第2凹面ミラー16で集光されつつ反射した光は、出射スリット17を通過して光検出部18に到達する。スペクトル測定装置19は、回転手段15により回折格子14を回転させて、分離された光を光検出部18で波長毎に検出して、ガスセル1に封入されているガスを透過した光の分光スペクトルを測定する。このようにして、ガスセンサ10は、ガスの種類および濃度を分析することができる。
特開2001−208607号公報
しかしながら、特許文献1に記載のガスセンサ10では、精密な回折格子14と、回折格子14の回転角度を精密に制御するための回転手段15とが必要となる。また、ガスセンサ10では、回折格子14で空間的に波長毎に光を分離するために、光路長が長くなるとともに高精度な光学設計が要求されることとなる。高精度が要求されるガスセンサ10を安定に制御する観点から、ガスセンサ10では頑強な筐体が必要となる。結果として、特許文献1に記載のガスセンサ10には、コストが高くなってしまうという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で高精度に、ガスに由来する光の分光スペクトルを測定することができるガスセンサを提供することを目的とする。
本発明者らは、回折格子の代わりに偏光子およびサバール板を使用したスペクトル分光器(例えば、特開平7−27613号公報参照)を採用することで、上記課題を解決できることを見出し、さらに検討を加えて本発明を完成させた。
すなわち、本発明に係るガスセンサは、検出対象のガスを収容するためのガスセルを有するガス保持部と、前記ガスセルに収容されているガスに光を照射するための光源と、前記光源から出射され、前記ガスセルに収容されているガスを透過した光を、偏光方向が互いに異なる第1偏光および第2偏光に分割するための偏光分割複屈折素子と、前記第1偏光に含まれている、所定の偏光方向の第1偏光成分と、前記第2偏光に含まれている、前記所定の偏光方向と同一方向の第2偏光成分とを透過させる偏光子と、前記第1偏光成分および前記第2偏光成分を重ね合せて、前記第1偏光成分および前記第2偏光成分の干渉縞を形成するための光学素子と、前記第1偏光成分および前記第2偏光成分の干渉光を検出するための受光素子を有する検出部と、前記干渉縞のラインの並び方向に沿う方向において、前記干渉光の集光位置と前記受光素子の受光面の位置とを相対的に移動させるための走査部と、を有し、前記検出部は、前記走査部が前記干渉光の集光位置と前記受光素子の受光面の位置とを相対的に移動させたときに干渉次数に応じた前記干渉光の強度分布を検出し、前記干渉光の強度分布に基づいて、前記ガスセルに収容されているガスを透過した光のインターフェログラムを取得する。
本発明によれば、構成が簡単で、かつ安価なガスセンサで高精度にガスの種類および濃度を決定することができる。
図1は、特許文献1に記載のガスセンサの構成を示す模式図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係るガスセンサの構成を示す模式図である。 図3Aは、本発明の実施の形態1に係るガスセンサによる干渉光の検出について説明するための図であり、図3Bは、本発明の実施の形態1に係るガスセンサの検出部の検出結果を模式的に示すグラフであり、図3Cは、検出部の検出結果に基づいて取得されるインターフェログラムを示す模式図である。 図4Aは、本発明の実施の形態1の変形例1に係るガスセンサの構成を示す模式図であり、図4Bは、検光子側からフーリエ変換レンズを見たときの模式図である。 図5Aは、本発明の実施の形態1の変形例2に係るガスセンサの構成を示す模式図であり、図5Bは、本発明の実施の形態1の変形例3に係るガスセンサの構成を示す模式図である。 図6Aは、本発明の実施の形態1の変形例4に係るガスセンサの構成を示す模式図であり、図6Bは、本発明の実施の形態1の変形例5に係るガスセンサの構成を示す模式図である。 図7は、本発明の実施の形態2に係るガスセンサの構成を示す模式図である。 図8は、本発明の実施の形態2の変形例に係るガスセンサの構成を示す模式図である。 図9A〜Cは、本発明に係るガスセンサによる片側インターフェログラムの取得について説明するための模式図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。以下の説明では、本発明に係るガスセンサの代表例として、検出対象のガス雰囲気中を通過した光に由来する2つの光の干渉光に基づいてインターフェログラムを取得し、当該インターフェログラムをフーリエ変換することで分光スペクトルを測定する、フーリエ変換型ガスセンサについて説明する。
[実施の形態1]
実施の形態1に係るガスセンサ100では、1つのガスに由来する光の分光スペクトルを測定する。
図2は、実施の形態1に係るガスセンサ100の構成を示す模式図である。ガスセンサ100は、光源110と、ガスセル121を有するガス保持部120と、偏光子(特許請求の範囲では、「第2偏光子」と称している)130と、偏光分割複屈折素子140と、検光子(特許請求の範囲では、「偏光子」と称している)150と、フーリエ変換レンズ(特許請求の範囲では、「光学素子」と称している)160と、検出部170と、走査部180と制御処理部(特許請求の範囲では、「処理部」と称している)190とを有する。なお、図2において、フーリエ変換レンズ160の横の二重丸(◎)は、紙面に垂直な方向へのフーリエ変換レンズ160の移動を示している。また、一点鎖線は、光源110から出射され、検出部170に入射する光の光軸OAを示している。
光源110は、ガスセル121に収容されているガスに光を照射する。光源110は、赤外光を含む光を出射する。光源110が出射する光の波長は、検出対象のガスの種類に応じて適宜設定され、例えば、1〜6μmである。光源110から出射される光は、直線偏光やランダム偏光、円偏光などの光であってもよいし、非偏光の光であってもよい。光源110の例には、黒体光源、セラミック光源、ハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)およびレーザーダイオード(LD)が含まれる。
ガス保持部120は、検出対象のガスを収容するためのガスセル121を有する。
ガスセル121は、検出対象のガスを収容する。ガスセル121は、光源110から出射される光の光路上に配置されている。ガスセル121は、ガスを収容することができればよく、ガスを一定の流量で導入するフローセルであってもよいし、ガスを封入する封入用セルであってもよい。ガスセル121の大きさは、ガスを透過する光の所望の光路長に応じて、適宜設定されうる。また、ガスセル121は、単光路ガスセルであってもよいし、長光路ガスセルであってもよい。ガスを透過する光の光路長は、ガスの濃度に応じて適宜設定される。具体的には、ガスを透過する光の光路長は、ガスの濃度が小さくなるほど、高い感度を得る観点から、長く設定される。たとえば、ガスの濃度は、1〜200000ppmであり、ガスを透過する光の光路長は、0.1〜100cmである。たとえば、高濃度のCOを検出するためのガスセンサにおいては、検出対象のCO濃度は10000〜200000ppmであり、COを透過する光の光路長は、0.1〜1cm程度である。
また、ガスセル121は、光源110からの出射光に対して透明な材料からなることが好ましい。ガスセル121では、光源110からの出射光が透過する部分(窓部)が透明であれば、他の部分が透明でなくてもよい。ガスセル121の材料は、光源110から出射される光の波長および検出対象のガスの種類に応じて適宜設定されうる。ガスセル121の材料の例には、サファイア、GeおよびSiが含まれる。
検出対象のガスの種類は、特に限定されない。検出対象のガスの種類の例には、CO、CO、HC、SO、NOx、水蒸気、麻酔ガスおよびこれらの混合物が含まれる。
偏光子130は、光源110からの出射光に含まれる、所定の偏光方向に偏光している直線偏光の光を透過させる。実施の形態1では、偏光子130は、後述の検光子150が透過させる光の偏光方向に対して、同一方向の偏光成分または直交方向の偏光成分を透過させる。偏光子130は、後述の干渉縞のラインに平行なD方向の偏光成分を透過させる(後述の図3A参照)。また、偏光子130は、光源110および偏光分割複屈折素子140の間の光路上に配置されていればよく、偏光子130は、光源110およびガスセル121の間の光路上に配置されていてもよいし、ガスセル121および偏光分割複屈折素子140の間の光路上に配置されていてもよい。実施の形態1では、偏光子130は、ガスセル121および偏光分割複屈折素子140の間の光路上に配置されている。
偏光子130は、例えば、フッ化カルシウム(CaF)製の基板にアルミニウムワイヤが平行に配置されたワイヤーグリッド偏光子である。偏光子130は、既製品であってもよい。
また、偏光子130が透過させる偏光の偏光方向と、検光子150が透過させる偏光の偏光方向とが同一である場合と、直交する場合とでは、形成される干渉縞の位相が逆転するのみであり、測定される光の分光スペクトルは同じである。
偏光分割複屈折素子140は、光源110から出射され、ガスセル121に収容されているガスを透過した光を、偏光方向が互いに異なる第1偏光および第2偏光(常光線および異常光線)に分割する。このとき、ガスを透過した光があらかじめ偏光子130を透過していることで、当該光が楕円偏光または特定の偏光方向の直線偏光であっても、第1偏光の強度と第2偏光の強度とを等しくすることができる。これにより、干渉縞の明暗の差が最大となる。また、実施の形態1では、偏光分割複屈折素子140は、第1偏光および第2偏光の偏光方向が互いに直交するように、入射した光を分割する。偏光分割複屈折素子140は、例えば、偏光子130が透過させる光の偏光方向(実施の形態1では、D方向)を基準(0°)としたときに、+45°の方向と、−45°の方向に光を分割する。偏光分割複屈折素子140は、偏光子130および検光子150の間の光路上に配置されている。
偏光分割複屈折素子140の例には、サバール板、ウオラストンプリズムおよびシェアリングプリズムが含まれる。実施の形態1では、偏光分割複屈折素子140は、サバール板である。偏光分割複屈折素子140の材料は、光源110からの出射光の波長に応じて適宜選択されうる。たとえば、光源110からの出射光の波長が2μm以下である場合、偏光分割複屈折素子140の材料として、透過波長が0.35〜2.3μmの方解石を使用することができる。また、光源110からの出射光の波長が2μm超かつ5μm以下(赤外光に相当)である場合、偏光分割複屈折素子140の材料は、透過波長が0.42〜5.2μmのニオブ酸リチウム(LiNbO、複屈折率3.5%)であることが好ましい。サバール板は、上記の偏光分割複屈折素子140の材料からなる2枚の結晶板を、偏光方向が重ならないように張り合わせることで作製されうる。また、偏光分割複屈折素子140は、既製品であってもよい。
偏光分割複屈折素子140の大きさは、透過する光の光束幅などに応じて、適宜設定されうる。また、サバール板の結晶板の厚さおよび屈折率は、第1偏光および第2偏光の、所望の光線分離距離に応じて適宜設定されうる。たとえば、サバール板の光線分離距離dは、下記式(1)により表されることが知られている。
Figure 2017150980
[上記式(1)において、tはサバール板を構成する結晶板の厚さであり、nは常光線に対する結晶の屈折率であり、nは異常光線に対する結晶の屈折率である。]
検光子150は、第1偏光に含まれている、所定の偏光方向の第1偏光成分と、第2偏光に含まれている、所定の偏光方向と同一方向の第2偏光成分とを透過させる。実施の形態1では、前述のとおり、検光子150は、偏光子130が透過させる光の偏光方向と同一の方向(D方向)の第1偏光成分および第2偏光成分を透過させる。検光子150は、偏光分割複屈折素子140およびフーリエ変換レンズ160の間において、第1偏光および第2偏光の光路上に配置されている。また、検光子150の大きさは、透過する光の光束幅などに応じて、適宜設定されうる。検光子150の種類の例については、偏光子130と同じである。
実施の形態1では、偏光子130、偏光分割複屈折素子140および検光子150は、互いに接着されている。このような構成とすることは、装置の小型化および低コスト化の観点から好ましい。
フーリエ変換レンズ160は、第1偏光成分および第2偏光成分を重ね合わせて、第1偏光成分および第2偏光成分の干渉縞を形成する。フーリエ変換レンズ160は、検光子150と、検出部170の受光素子との間の光路上に配置されている。
フーリエ変換レンズ160の焦点距離は、干渉縞形成領域の所望の大きさに応じて適宜調整されうる。たとえば、フーリエ変換レンズ160の焦点距離を大きくすると、形成される干渉縞形成領域の面積を大きくすることができる。
フーリエ変換レンズ160の直径は、透過する光の光束幅などに応じて、適宜設定されうる。また、フーリエ変換レンズ160の形状は、適宜選択されうる。フーリエ変換レンズ160の例には、凸レンズおよび凹レンズが互いに貼り合わされたアクロマートレンズや、閉回路テレビ(CCTV)レンズ、Fマウントレンズなどの写真撮影用レンズが含まれる。
フーリエ変換レンズ160の材料は、光源110からの出射光の波長に応じて適宜選択されうる。たとえば、光源110からの出射光の波長が2μm以下である場合、フーリエ変換レンズ160の材料として、石英を使用することができる。また、光源110からの出射光の波長が2μm超かつ5μm以下(赤外光に相当)である場合、フーリエ変換レンズ160の材料は、サファイアであることが好ましい。さらに、光源110からの出射光の波長が5μm超である場合、フーリエ変換レンズ160の材料は、SiやGe、ZnSeなどであることが好ましい。フーリエ変換レンズ160は、既製品であってもよい。
検出部170は、第1偏光成分および第2偏光成分の干渉光を検出するための受光素子171を有し、受光素子の受光面172で干渉光を受光する。詳細については後述するが、検出部170は、走査部180(後述)が干渉光の集光位置と受光素子171の受光面172の位置とを相対的に移動させたときに、干渉次数に応じた干渉光の強度分布を検出し、当該強度分布に基づいて、ガスセル121に収容されているガスを透過した光のインターフェログラムを取得する。また、検出部170は、取得したインターフェログラムを制御処理部190に出力する。検出部170の受光素子171の受光面172は、フーリエ変換レンズ160からフーリエ変換レンズ160の焦点距離だけ離れた位置に配置されている。言い換えると、検出部170は、受光面172が光源110からの光の出射端面に対する共役面上に位置するように配置されている。
検出部170における受光素子171の受光面172の大きさは、干渉縞のラインの大きさに応じて適宜設定されうる。たとえば、受光面172の大きさは、干渉縞のラインのピッチよりも小さい。ガスセンサ100の低コスト化の観点からは、受光素子171は、その受光面172が単一セル(単一画素)からなる光検出器であることが好ましい。検出部170の受光素子171は、例えば、InGaAsやPbS、PbSe、InAs、InSbなどを材料とする光伝導素子である。また、光源110から出射される光の波長が2μm超かつ5μm以下(赤外光に相当)である場合、検出部170の受光素子171は、サーモパイルであることが好ましい。
走査部180は、干渉縞のラインの並び方向に沿うD方向(後述の図3A参照)において、干渉光の集光位置(スポット位置)と受光面172の位置とを相対的に移動させる。走査部180は、受光面172に対してフーリエ変換レンズ160を相対的に移動させるか回動させることができればよく、フーリエ変換レンズ160を移動させるか回動させてもよいし、検出部170(受光素子171)を移動させてもよい。実施の形態1に係るガスセンサ100では、フーリエ変換レンズ160を移動させる。なお、本明細書において、「回動」とは、回転よりも広義の意味であり、フーリエ変換レンズ160の光軸と平行な任意の軸を中心とした円運動を含むものとする。
制御処理部190は、検出部170で取得されたインターフェログラムを処理する。具体的には、制御処理部190は、インターフェログラムをフーリエ変換して、ガスセル121に収容されているガスを透過した光の分光スペクトルを算出する。また、制御処理部190は、走査部180を制御する制御部としても機能する。また、制御処理部190は、算出された分光スペクトルに基づいてガスの種類および濃度を測定する。具体的には、制御処理部190は、ガスセル121内にガスが存在する状態で測定した分光スペクトルから、ガスセル121内にガスが存在しない状態であらかじめ測定しておいた、参照用の分光スペクトルを減算することでガスの吸収スペクトルを算出する。これにより、外部光などの影響を除去することができる。最後に、ガスにより吸収された光の波長に基づいてガスの種類を決定し、スペクトル強度の減衰率によりガスの濃度を測定する。
制御処理部190は、例えば、演算装置、記憶装置、制御装置、入力装置および出力装置を含む公知のコンピュータやマイコンなどによって構成される。
(ガスセンサにおける光路)
次いで、実施の形態1に係るガスセンサ100における光路について説明する。まず、光源110から出射された光は、ガスセル121およびガスセル121に収容されているガスを透過する。ガスセル121に収容されているガスを透過した光に含まれる、所定の偏光方向に偏光している光が偏光子130を透過する。このとき、入射した光のうちD方向の偏光成分のみが、偏光子130を透過する。偏光子130を透過した光は、偏光分割複屈折素子140を透過して第1偏光および第2偏光にそれぞれ分割される。次いで、第1偏光に含まれているD方向の第1偏光成分と、第2偏光に含まれているD方向の第2偏光成分とは、検光子150およびフーリエ変換レンズ160を透過し、受光素子171の受光面172に到達する。
(干渉光の検出)
次いで、実施の形態1に係るガスセンサ100による干渉光の検出について説明する。図3Aは、実施の形態1に係るガスセンサ100による干渉光の検出について説明するための図であり、図3Bは、実施の形態1に係るガスセンサ100の検出部170の検出結果を模式的に示すグラフであり、図3Cは、検出部170の検出結果に基づいて取得されるインターフェログラムを示す模式図である。ここでは、D方向における受光素子171の受光面172の幅は、干渉縞aのラインの幅より大きく、かつ干渉縞aのピッチよりも小さい。
まず、図3Aに示されるように、受光面172を含む仮想平面Sを考える。ガスセンサ100において、第1偏光成分および第2偏光成分の干渉光は、フーリエ変換レンズ160により仮想平面S上に集光されて、第1偏光成分および第2偏光成分の干渉縞aが形成される。図3Aでは、0次の干渉縞の両側に1次の干渉縞および2次の干渉縞がそれぞれ形成されている様子を示している。この状態で、制御処理部190が走査部180を操作して、フーリエ変換レンズ160をD方向に移動させると、D方向において干渉光の集光位置(スポット位置)と受光面172の位置とを相対的に移動させることができる。同時に、受光面172には、干渉次数に応じた各干渉光が順番に入射するため、受光面172に入射する干渉光の光量が、干渉次数毎の干渉光の強度に応じて変化する。すなわち、図3Bに示されるように、受光面172に入射する干渉光の光量は、仮想平面S上に形成される干渉縞aの山と谷とに応じて増減する。ガスセンサ100は、検出部170による干渉光の検出結果に基づいて、干渉次数に応じた干渉光の強度分布を、測定することができる。
(干渉縞とインターフェログラム)
実施の形態1に係るガスセンサ100では、図3Cに示されるように、検出部170の検出結果、すなわち干渉縞a(干渉光の強度分布)に関する情報に基づいて、インターフェログラムが得られる。フーリエ変換レンズ160の光軸を含み、かつ干渉縞aのラインに平行なD方向に沿った面を境界面とすると、干渉縞aは、境界面の両側に亘って対称的に形成されている。このとき、干渉縞aのラインの並び方向に沿うD方向において、フーリエ変換レンズ160の光軸に近いほど干渉縞aの強度振幅は大きく、フーリエ変換レンズ160の光軸から遠くなるほど干渉縞の強度振幅は小さくなる。このため、干渉縞aに基づいて取得されるインターフェログラムは、上記境界面に相当する基準面から離れるほど強度振幅が小さくなる対称的な形状となる(以下、「両側インターフェログラム」ともいう)。インターフェログラムは、最大光路差長L(形成された干渉縞における、0次の干渉に基づくラインと、最も高次の干渉に基づくラインとの間隔xに基づいて算出される光路差長)に亘って有効な波形情報となる。両側インターフェログラムの形状は、基準面の両側において対称であるため、一方の側のインターフェログラムのみが、有効な波形情報となる。
(効果)
実施の形態1に係るガスセンサ100では、偏光子130、150および偏光分割複屈折素子140を使用して、ガスセル121に収容されているガスを透過した光の分光スペクトルを測定し、ガスの種類および濃度を決定することができる。従来技術と比較して、実施の形態1に係るガスセンサ100では、高い精度が要求される回折格子や回折格子の回転手段を使用しなくてもよく、簡単な構成で安定的に分光スペクトルを測定できる。また、偏光分割複屈折素子140による直線的な光学系で干渉系を構成できるため、装置の小型化を実現することができる。さらに、ラインセンサや画素数の多い赤外光用センサなどの高価な受光素子171(検出器)を使用することなく、インターフェログラムを取得することができるため、装置の低コスト化を実現することができる。
また、分光スペクトルを測定する分光装置としては、プリズムや回折格子などの光学部品を使用した分散型分光装置や、サバール板およびレンズを使用した偏光分割干渉方式のフーリエ変換型分光装置(例えば、特許第3095167号公報および特許第3796024号公報)などが知られている。分散型分光装置では、高分解能を達成する観点から、入射開口を細いスリットにする必要があり、これにより光学系に取り込める光量が制限されてしまう。これに対して、フーリエ変換型分光装置では、入射開口の形状および大きさに制限がないため、光学系に多くの光を取り込むことができる。すなわち、検出される光の強度の大きさ(Jacquinotの優位性)の観点からは、本発明に係るフーリエ変換型分光装置がより好ましい。
なお、実施の形態1に係るガスセンサ100では、フーリエ変換レンズ160を移動させることにより、干渉光の集光位置と受光面172の位置とを相対的に移動させる態様について説明したが、実施の形態1に係るガスセンサはこの態様に限定されない。たとえば、実施の形態1に係るガスセンサは、後述の変形例1〜3に係るガスセンサ100a〜eであってもよい。図4A、Bは、実施の形態1の変形例1に係るガスセンサ100aの構成を示す模式図であり、図5Aは、実施の形態1の変形例2に係るガスセンサ100bの構成を示す模式図であり、図5Bは、実施の形態1の変形例3に係るガスセンサ100cの構成を示す模式図であり、図6Aは、実施の形態1の変形例4に係るガスセンサ100dの構成を示す模式図であり、図6Bは、実施の形態1の変形例5に係るガスセンサ100eの構成を示す模式図である。なお、図4A、図5A、Bおよび図6A、Bにおいて、後述の第1プリズム181b、第2プリズム181c、ミラー181dおよび凹面ミラー160eの近くに描かれている両矢印における2つの矢尻の大きさの違いは、紙面に垂直な方向への回動を示している。
[変形例1]
図4Aに示されるように、変形例1に係るガスセンサ100aの走査部180aは、フーリエ変換レンズ160を回動可能に保持する保持部181aと、受光面172に対してフーリエ変換レンズ160を相対的に回動させるための駆動部182aとを有する。図4Bは、検光子150側からフーリエ変換レンズ160を見たときの模式図である。図4Bに示されるように、変形例1に係るガスセンサ100aでは、フーリエ変換レンズ160は、保持部181a内に隙間が生じるように保持されている。
変形例1では、走査部180aの駆動部182aは、図4Bに示されるように、フーリエ変換レンズ160の光軸と回転軸とが一致しないようにフーリエ変換レンズ160を回動させることで、D方向およびD方向(図3A参照)において、干渉光の集光位置(スポット位置)と受光面172の位置とを相対的に移動させる。このとき、干渉光の集光位置(スポット位置)が円形状に移動されることで、D方向およびD方向における干渉光の集光位置と受光面172の位置とが相対的に移動される。
保持部181aは、フーリエ変換レンズ160を、ゆとりをもって保持する。保持部181aは、光源110からの光の光路を妨げない形状を有する。保持部181aの外観形状は、例えば、円筒形状である。
駆動部182aは、受光面172に対してフーリエ変換レンズ160を回動させる。変形例1では、駆動部182aは、外観形状が円筒形状である保持部181a内に保持されているフーリエ変換レンズ160を、保持部181aの外周方向に沿って回動させる。駆動部182aは、例えば、公知の回転手段から適宜選択されうる。たとえば、駆動部182aは、モーターを有し、当該モーターによりフーリエ変換レンズ160を回動させてもよい。
[変形例2]
図5Aに示されるように、変形例2に係るガスセンサ100bの走査部180bは、第1プリズム181bと、受光面172に対して第1プリズム181bを相対的に移動または回動させるための駆動部182bとを有する。第1プリズム181bは、光学素子(フーリエ変換レンズ160)および検出部170の間の光路上に配置されている。走査部180bの駆動部182bは、受光面172に対して第1プリズム181bを相対的に移動させるか回動させることで、干渉縞aのラインの並び方向に沿うD方向(図3A参照)において、干渉光の集光位置(スポット位置)と受光面172の位置とを相対的に移動させる。走査部180bは、受光面172に対して第1プリズム181bを相対的に移動させるか回動させることができればよく、第1プリズム181bを移動させるか回動させてもよいし、検出部170(受光素子171)を移動させてもよい。変形例2では、走査部180bの駆動部182bは、第1プリズム181bを回動させる。
第1プリズム181bは、光源110からの光を入射させる入射面と、第1プリズム181bの内部を通った光を出射させる出射面とが平行となるように構成されている。第1プリズム181bの大きさは、透過する光の光束幅に応じて適宜選択されうる。また、第1プリズム181bの材料は、光源110からの出射光の波長に応じて適宜選択されうる。たとえば、光源110からの出射光の波長が2μm以下である場合、第1プリズム181bの材料としては、石英を使用することができる。また、光源110からの出射光の波長が2μm超かつ5μm以下(赤外光に相当)である場合、第1プリズム181bの材料は、サファイアであることが好ましい。さらに、光源110からの出射光の波長が5μm超である場合、第1プリズム181bの材料は、SiやGe、ZnSeなどであることが好ましい。第1プリズム181bは、既製品であってもよい。
駆動部182bは、受光面172に対して第1プリズム181bを移動または回動させる。駆動部182bは、例えば、公知の移動手段または回転手段から適宜選択されうる。
[変形例3]
図5Bに示されるように、変形例3に係るガスセンサ100cの走査部180cは、第2プリズム181cと、受光面172に対して第2プリズム181cを相対的に移動または回動させるための駆動部182cとを有する。第2プリズム181cは、光学素子(フーリエ変換レンズ160)および検出部170の間の光路上に配置されている。走査部180cの駆動部182cは、受光面172に対して第2プリズム181cを相対的に移動させるか回動させることで、D方向(図3A参照)において、干渉光の集光位置(スポット位置)と受光面172の位置とを相対的に移動させる。走査部180cは、受光面172に対して第2プリズム181cを相対的に移動させるか回動させることができればよく、第2プリズム181cを移動させるか回動させてもよいし、検出部170(受光素子171)を移動させてもよい。変形例3では、走査部180cの駆動部182cは、第2プリズム181cを回動させる。変形例3では、干渉光の集光位置(スポット位置)が円形状に移動されることで、D方向およびD方向における干渉光の集光位置と受光面172の位置とが相対的に移動される。
第2プリズム181cは、光源110からの光を入射させる入射面と、第2プリズム181cの内部を通った光を出射させる出射面とが非平行となるように構成されている。第2プリズム181cの大きさは、透過する光の光束幅に応じて適宜選択されうる。また、第2プリズム181cの材料は、光源110からの出射光の波長に応じて適宜選択されうる。たとえば、光源110からの出射光の波長が2μm以下である場合、第2プリズム181cの材料としては、石英を使用することができる。また、光源110からの出射光の波長が2μm超かつ5μm以下(赤外光に相当)である場合、第2プリズム181cの材料は、サファイアであることが好ましい。さらに、光源110からの出射光の波長が5μm超である場合、第2プリズム181cの材料は、SiやGe、ZnSeなどであることが好ましい。第2プリズム181cは、既製品であってもよい。
[変形例4]
図6Aに示されるように、変形例4に係るガスセンサ100dの走査部180dは、ミラー181dと、受光面172に対してミラー181dを移動または回動させるための駆動部182dとを有する。ミラー181dは、光学素子(フーリエ変換レンズ160)および検出部170の間の光路上に配置されている。走査部180dは、受光面172に対してミラー181dを相対的に移動させるか回動させることで、干渉縞aのラインの並び方向に沿うD方向(図3A参照)において、干渉光の集光位置(スポット位置)と受光面172の位置とを相対的に移動させる。走査部180dは、受光面172に対してミラー181dを相対的に移動させるか回動させることができればよく、ミラー181dを移動させるか回動させてもよいし、検出部170(受光素子171)を移動させてもよい。変形例4では、走査部180dの駆動部182dは、ミラー181dを回動させる。
ミラー181dの大きさは、反射する光の光束幅に応じて適宜選択されうる。また、ミラー181dは、光源110からの出射光を反射することができればよく、例えば、表面にアルミニウムコートが施された平面ミラーである。
駆動部182dは、受光面172に対してミラー181dを移動または回動させる。駆動部182dは、例えば、公知の移動手段または回転手段から適宜選択されうる。たとえば、駆動部182dは、ガルバノモーターを有し、当該ガルバノモーターによりミラー181dを回動させてもよい。
[変形例5]
図6Bに示されるように、変形例5に係るガスセンサ100eは、フーリエ変換レンズ160の代わりに光学素子として凹面ミラー160eを有する。走査部180は、受光面172に対して凹面ミラー160eを相対的に移動させるか回動させることで、干渉縞のラインの並び方向に沿うD方向(図3A参照)において、干渉光の集光位置(スポット位置)と受光面172の位置とを相対的に移動させる。走査部180は、受光面172に対して凹面ミラー160eを相対的に移動させるか回動させればよく、凹面ミラー160eを移動させるか回動させてもよいし、検出部170(受光素子171)を移動させてもよい。変形例5では、走査部180は、凹面ミラー160eを回動させる。たとえば、走査部180は、ガルバノモーターを有し、当該ガルバノモーターにより凹面ミラー160eを回動させてもよい。
凹面ミラー160eの大きさは、反射する光の光束幅に応じて適宜選択されうる。また、凹面ミラー160eは、光源110からの出射光を反射することができればよく、例えば、表面にアルミニウムコートが施された凹面ミラーである。フーリエ変換レンズ160として使用されうる赤外光用のサファイアレンズは、非常に高価であるため、フーリエ変換レンズ160の代わりに凹面ミラー160eを使用することは、装置の低コスト化を実現する観点から好ましい。
[実施の形態2]
実施の形態2に係るガスセンサ200では、1または2以上のガスに由来する光の複数の分光スペクトルを同時に測定する。
実施の形態2に係るガスセンサ200は、ピンホール部225および第2光学素子260をさらに有する点と、ガス保持部220が複数のガスセル121を有する点と、検出部270が複数の受光素子171を有する点とにおいて実施の形態1に係るガスセンサ100と異なる。そこで、実施の形態1に係るガスセンサ100と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図7は、実施の形態2に係るガスセンサ200の構成を示す模式図である。ガスセンサ200は、光源110、2つのガスセル121を有するガス保持部220、ピンホール部225、第2光学素子260、偏光子(特許請求の範囲では、「第2偏光子」と称している)130、偏光分割複屈折素子140、検光子(特許請求の範囲では、偏光子)150およびフーリエ変換レンズ(特許請求の範囲では、「光学素子」と称している)160、2つの受光素子171を有する検出部270、走査部180および制御処理部(特許請求の範囲では、「処理部」と称している)190を有する。なお、図7において、フーリエ変換レンズ160の横の二重丸(◎)は、紙面に垂直な方向へのフーリエ変換レンズ160の移動を示している。
ガス保持部220は、ガスセル121を2つ有する。実施の形態2では、一方のガスセル121にのみガスが収容され、他方のガスセル121にはガスが収容されていない。
ピンホール部225は、複数のピンホールが形成されている。実施の形態2では、ピンホール部225は、第1ピンホール2251および第2ピンホール2252を有する。ピンホール部225は、光源110および偏光分割複屈折素子140の間の光路上に配置されている。第1ピンホール2251および第2ピンホール2252は、2つのガスセル121に対応する位置にそれぞれ配置されている。第1ピンホール2251は、光源110から出射され、ガスが収容されているガスセル121を透過する光の光路上に配置されている。一方、第2ピンホール2252は、光源110から出射され、ガスが収容されていないガスセル121を透過する光の光路上に配置されている。また、ピンホール部225の材料は、光源110から出射された光を遮光する材料である。
第1ピンホール2251および第2ピンホール2252は、通過する光の光束(光軸OAに垂直な面における光束の形状および光束幅)を規定する。ピンホールの大きさおよび形状は、特に限定されないが、第1ピンホール2251および第2ピンホール2252の大きさおよび形状は、同じであることが好ましい。実施の形態2では、第1ピンホール2251および第2ピンホール2252の直径は1mm程度であり、第1ピンホールおよび第2ピンホール2252の形状は円形状である。
第2光学素子260は、ピンホール部225を通過した光を平行光にする。実施の形態2では、第2光学素子260は、第1ピンホール2251および第2ピンホール2252を通過した2つの光をそれぞれ平行光にする。これにより、異なるピンホールからの複数の光線は、平行光とされた状態で、互いに異なる入射角度で偏光分割複屈折素子140に入射する。
第2光学素子260は、ピンホール部225および偏光分割複屈折素子140の間の光路上において、ピンホール部225から、第2光学素子260の焦点距離だけ離れた位置に配置されている。第2光学素子260の焦点距離は、前述の仮想平面S上における干渉縞形成領域の所望の大きさに応じて適宜調整されうる。たとえば、第2光学素子260の焦点距離を大きくすると、形成される干渉縞形成領域の面積を小さくすることができる。
また、第2光学素子260の直径は、ピンホール部225に形成されたピンホール(透過する光の光束)の数や、ピンホールの大きさ(透過する光の光束幅)などに応じて、適宜設定されうる。また、第2光学素子260の形状および材料は、適宜選択されうる。第2光学素子260の例には、凸レンズおよび凹レンズが互いに貼り合わされたアクロマートレンズや、閉回路テレビ(CCTV)レンズ、Fマウントレンズなどの写真撮影用レンズが含まれる。第2光学素子260の材料の例については、実施の形態1のフーリエ変換レンズ160と同じである。
検出部270は、2つの受光素子171を有する。検出部270は、ガスセル121およびガスセル121に収容されているガスを透過した光と、ガスが収容されていないガスセル121を透過した光とのインターフェログラムをそれぞれ取得する。
(ガスセンサにおける光路)
次いで、実施の形態2に係るガスセンサ200における光路について説明する。図7において、2本の一点鎖線は、検出部270の2つの受光素子171に入射する光の光軸OASig,OARefをそれぞれ示している。光軸OASigは、光源110から出射され、ガスセル121およびガスセル121に収容されているガスを透過して検出部270に入射する光の光軸を示しており、光軸OARefは、光源110から出射され、ガスが収容されていないガスセル121を透過して検出部270に入射する光の光軸を示している。
まず、光軸OASigで表される光は、光源110から出射され、ガスセル121およびガスセル121に収容されているガスを透過し、ピンホール部225の第1ピンホール2251を通過する。次いで、第1ピンホール2251を通過した光に含まれる、所定の偏光方向に偏光している光が偏光子130を透過する。このとき、入射した光のうちD方向の偏光成分のみが、偏光子130を透過する。偏光子130を透過した光は、偏光分割複屈折素子140を透過して第1偏光および第2偏光にそれぞれ分割される。次いで、第1偏光に含まれているD方向の第1偏光成分と、第2偏光に含まれているD方向の第2偏光成分とは、検光子150およびフーリエ変換レンズ160を透過し、検出部270の受光面172に到達する。
一方、光軸OARefで表される光は、光源110から出射され、ガスが収容されていないガスセル121を透過し、ピンホール部225の第2ピンホール2252を通過する。次いで、第2ピンホール2252を通過した光に含まれる、所定の偏光方向に偏光している光が偏光子130を透過する。このとき、入射した光のうちD方向の偏光成分のみが、偏光子130を透過する。偏光子130を透過した光は、偏光分割複屈折素子140を透過して第1偏光および第2偏光にそれぞれ分割される。次いで、第1偏光に含まれているD方向の第1偏光成分と、第2偏光に含まれているD方向の第2偏光成分とは、検光子150およびフーリエ変換レンズ160を透過し、検出部270の受光面172に到達する。
実施の形態2では、検出部270は、ガスセル121およびガスセル121に収容されているガスを透過した、光軸OASigで表わされる光(以下、「シグナル光」ともいう)と、ガスが収容されていないガスセル121を透過した、光軸OARefで表される光(以下、「参照光」ともいう)とのインターフェログラムをそれぞれ取得する。参照光はガスセル121に収容されているガスを透過していないため、参照光の分光スペクトルの結果は、リファレンスとして使用されうる。実施の形態2に係るガスセンサ200の制御処理部190は、シグナル光の分光スペクトルと、参照光の分光スペクトルとを算出し、シグナル光の分光スペクトルから参照光の分光スペクトルを減算することで、ガスの吸収スペクトルを算出する。これにより、外部光などの影響を除去することができる。実施の形態2に係るガスセンサ200では、シグナル光の検出と同時に参照光を検出することができるため、より高精度にガスの検出を行うことができる。
(効果)
実施の形態2に係るガスセンサ200では、実施の形態1に係るガスセンサ100と同様の効果を有する。さらにガスセンサ200では、シグナル光と参照光とを同時に検出することができるため、より高精度にガスの種類および濃度を決定することができる。
なお、実施の形態2に係るガスセンサ200は、第2光学素子260としてフーリエ変換レンズを使用し、かつフーリエ変換レンズ160を移動させることにより、干渉光の集光位置(スポット位置)と受光面172の位置とを相対的に移動させる態様について説明した。しかし、実施の形態2に係るガスセンサはこの態様に限定されない。たとえば、実施の形態2に係るガスセンサは、後述の変形例に係るガスセンサ200’であってもよい。図8は、実施の形態2の変形例に係るガスセンサ200’の構成を示す模式図である。
[変形例]
図8に示されるように、変形例に係るガスセンサ200’は、フーリエ変換レンズ(第2光学素子)260の代わりに第1凹面ミラー260aを有し、フーリエ変換レンズ(光学素子)160の代わりに第2凹面ミラー160eを有する。第2凹面ミラー160eは、実施の形態1の変形例5に係るガスセンサ100eにおける凹面ミラー160eと同一であるため、その説明を省略する。また、フーリエ変換レンズ160の代わりに凹面ミラー(第1凹面ミラー260aおよび第2凹面ミラー160e)を使用することは、前述のとおり、高価なフーリエ変換レンズ160(赤外光用のサファイアレンズ)を使用しなくてもよいため、装置の低コスト化を実現する観点から好ましい。
また、実施の形態2では、2つの分光スペクトルを測定する態様について説明したが、本発明に係るガスセンサは、この態様に限定されない。たとえば、ガスセンサは、複数種類のガスのそれぞれについての複数の分光スペクトルを同時に測定してもよい。この場合、ガスセル121の数と、ピンホール部225に形成されるピンホールの数とは、ガスの種類に応じて増える。複数のピンホールは、複数のガスセル121に対応する位置にそれぞれ形成される。
また、上記実施の形態1、2では、両側インターフェログラムを取得するガスセンサ100、200について説明したが、本発明に係るガスセンサはこの態様に限定されない。たとえば、ガスセンサ100、200は、後述の片側インターフェログラムを取得してもよい。この場合、光源110から出射され、ガスセンサ100、200内を進行する光の光軸OAの位置は、干渉縞のラインの並び方向に沿うD方向において、フーリエ変換レンズ160の光軸OA’を含み、かつ干渉縞のラインに平行なD方向に沿う面に対してオフセットされる(後述の図9A参照)。光源110からの出射光の光軸OAの位置をオフセットする方法は特に限定されず、例えば、光源110の配置を変更してもよいし、実施の形態2においてはピンホール部225において第1ピンホール2251および第2ピンホール2252が形成される位置を変更してもよい。
図9A〜Cは、本発明に係るガスセンサによる片側インターフェログラムの取得について説明するための模式図である。図9Aでは、一点鎖線は光源から出射され、検出部170に入射する光の光軸OAを示しており、破線はフーリエ変換レンズ160の光軸OA’を示している。図9Aに示されるように、光源110からの出射光の光軸OAの位置をD方向においてフーリエ変換レンズ160の光軸OA’からオフセットすると、仮想平面S上に形成される干渉縞a’の干渉縞形成領域の位置(干渉光のスポット位置)はD方向においてオフセットされる。図9Aでは、フーリエ変換レンズ160の光軸OA’を含み、かつ干渉縞a’のラインに平行なD方向に沿った面である境界面を基準面としたときに、干渉縞a’の干渉縞形成領域が当該境界面に接するように形成されている場合について示している。図9Aでは、0次の干渉縞の片側に1次から4次の干渉縞がそれぞれ形成されている様子を示している。
両側インターフェログラムを取得する場合と比較して、仮想平面Sにおいて干渉縞が形成される位置が異なるが、ガスセンサは、前述と同様に、検出部170による干渉光の検出結果に基づいて、干渉次数に応じた干渉光の強度分布を、測定することができる(図9A、B参照)。
また、D方向において、フーリエ変換レンズ160の光軸OA’に近いほど干渉縞a’の振幅強度は大きく、フーリエ変換レンズ160の光軸OA’から遠くなるほど干渉縞a’の振幅強度は小さくなる。このため、図9Cに示されるように、干渉縞a’に基づいて取得されるインターフェログラムは、上記境界面に相当する基準面から離れるほど振幅強度が小さくなる非対称的な形状となる(これを「片側インターフェログラム」という)。インターフェログラムは、最大光路差長L(形成された干渉縞における、0次の干渉に基づくラインと、最も高次の干渉に基づくラインとの間隔xに基づいて算出される光路差長)に亘って有効な波形情報となる。両側インターフェログラムと比較した場合に、同じ大きさの干渉縞形成領域が形成されたとしても、片側インターフェログラムでは、2倍の光路差長に相当する情報を得ることができる(図3Cおよび図9Cを比較参照)。この結果として、両側インターフェログラムに基づいて分光スペクトルを測定する場合と比較して、片側インターフェログラムに基づいて分光スペクトルを測定する場合には、2倍高い分解能で分光スペクトルを測定することができる。
また、上記実施の形態2では、ガス保持部220が、ガスが収容されているガスセル121とガスが収容されていないガスセルとを有する態様について説明したが、本発明に係るガスセンサは、この態様に限定されない。たとえば、ガスセル121が光源110から出射された光をほとんど吸収することなく透過させることができる場合や、光源110から出射された光のガスセル121による吸収率があらかじめ分かっている場合などには、ガス保持部220は、ガスが収容されないガスセル121を有していなくてもよい。
さらに、上記実施の形態1、2では、偏光子130を有するガスセンサ100、200について説明したが、本発明に係るガスセンサは、偏光子130を有していなくてもよい。これは、光源110から出射される光がランダム偏光の光である場合には、偏光子130を透過させなくても、偏光分割複屈折素子140で分離される正常光および異常光の時間平均強度が互いに等しくなり、検光子150を透過する第1方向成分および第2方向成分の大きさが互いに等しくなるためである。
本発明のガスセンサは、簡単な構成で高精度にガスを検出することができるため、例えば、気相中に存在するガス成分の種類および濃度の分析に有用である。
1 ガスセル
10 ガスセンサ
11 光源
12 入射スリット
13 第1凹面ミラー
14 回折格子
15 回転手段
16 第2凹面ミラー
17 出射スリット
18 光検出部
19 スペクトル測定装置
100、100a〜e、200、200’ ガスセンサ
110 光源
120、220 ガス保持部
121 ガスセル
130 偏光子
140 偏光分割複屈折素子
150 検光子
160 フーリエ変換レンズ
160e (第2)凹面ミラー
170、270 検出部
171 受光素子
172 受光面
180、180a〜d 走査部
181a 保持部
181b 第1プリズム
181c 第2プリズム
181d ミラー
182a〜d 駆動部
190 制御処理部
225 ピンホール部
2251 第1ピンホール
2252 第2ピンホール
260 第2光学素子
260a 第1凹面ミラー
OA、OASig、OARef 光軸
OA’ フーリエ変換レンズの光軸
S 仮想平面

Claims (14)

  1. 検出対象のガスを収容するためのガスセルを有するガス保持部と、
    前記ガスセルに収容されているガスに光を照射するための光源と、
    前記光源から出射され、前記ガスセルに収容されているガスを透過した光を、偏光方向が互いに異なる第1偏光および第2偏光に分割するための偏光分割複屈折素子と、
    前記第1偏光に含まれている、所定の偏光方向の第1偏光成分と、前記第2偏光に含まれている、前記所定の偏光方向と同一方向の第2偏光成分とを透過させる偏光子と、
    前記第1偏光成分および前記第2偏光成分を重ね合せて、前記第1偏光成分および前記第2偏光成分の干渉縞を形成するための光学素子と、
    前記第1偏光成分および前記第2偏光成分の干渉光を検出するための受光素子を有する検出部と、
    前記干渉縞のラインの並び方向に沿う方向において、前記干渉光の集光位置と前記受光素子の受光面の位置とを相対的に移動させるための走査部と、
    を有し、
    前記検出部は、前記走査部が前記干渉光の集光位置と前記受光素子の受光面の位置とを相対的に移動させたときに干渉次数に応じた前記干渉光の強度分布を検出し、前記干渉光の強度分布に基づいて、前記ガスセルに収容されているガスを透過した光のインターフェログラムを取得する、
    ガスセンサ。
  2. 前記光学素子は、フーリエ変換レンズであり、
    前記走査部は、前記受光面に対して前記フーリエ変換レンズを相対的に移動させるか回動させることで、前記干渉縞のラインの並び方向に沿う方向において、前記干渉光の集光位置と前記受光面の位置とを相対的に移動させる、
    請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記走査部は、
    モーターを有し、
    前記モーターにより前記フーリエ変換レンズの光軸および回転軸が一致しないように前記フーリエ変換レンズを回動させる、
    請求項2に記載のガスセンサ。
  4. 前記走査部は、
    前記光学素子および前記検出部の間の光路上に配置されているプリズムを有し、
    前記受光面に対して前記プリズムを相対的に移動させるか回動させることで、前記干渉縞のラインの並び方向に沿う方向において、前記干渉光の集光位置と前記受光面の位置とを相対的に移動させる、
    請求項1に記載のガスセンサ。
  5. 前記走査部は、
    前記光学素子および前記検出部の間の光路上に配置されているミラーを有し、
    前記受光面に対して前記ミラーを相対的に移動させるか回動させることで、前記干渉縞のラインの並び方向に沿う方向において、前記干渉光の集光位置と前記受光面の位置とを相対的に移動させる、
    請求項1に記載のガスセンサ。
  6. 前記走査部は、
    ガルバノモーターをさらに有し、
    前記ガルバノモーターにより前記ミラーを回動させる、
    請求項5に記載のガスセンサ。
  7. 前記光学素子は、凹面ミラーであり、
    前記走査部は、前記受光面に対して前記凹面ミラーを相対的に移動させるか回動させることで、前記干渉縞のラインの並び方向に沿う方向において、前記干渉光の集光位置と前記受光面の位置とを相対的に移動させる、
    請求項1に記載のガスセンサ。
  8. 前記走査部は、
    ガルバノモーターを有し、
    前記ガルバノモーターにより前記凹面ミラーを回動させる、
    請求項7に記載のガスセンサ。
  9. 前記走査部は、前記受光素子を移動させることで、前記干渉光の受光位置と前記受光面の位置とを相対的に移動させる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  10. 前記光源および前記偏光分割複屈折素子の間の光路上に配置されており、複数のピンホールが形成されているピンホール部と、
    前記ピンホール部および前記偏光分割複屈折素子の間の光路上に配置されており、前記ピンホール部を通過した光を平行光にするための第2光学素子と、
    をさらに有し、
    前記ガス保持部は、複数の前記ガスセルを有し、
    前記複数のピンホールは、前記複数のガスセルに対応する位置にそれぞれ形成されており、
    前記検出部は、
    複数の前記受光素子を有し、
    前記ガスセルおよび前記ガスセルに収容されているガスを透過した光と、前記ガスセルに収容されているガスを透過していない光とのインターフェログラムをそれぞれ取得する、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  11. 前記第2光学素子は、凹面ミラーである、請求項10に記載のガスセンサ。
  12. 前記光源および前記偏光分割複屈折素子の間の光路上に配置されており、前記所定の偏光方向に対して、同一方向の偏光成分または直交方向の偏光成分を透過させるための第2偏光子をさらに有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  13. 前記偏光分割複屈折素子は、サバール板である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  14. 前記インターフェログラムを処理するための処理部をさらに有し、
    前記処理部は、前記インターフェログラムをフーリエ変換して、前記ガスセルを透過した光の分光スペクトルを算出する、
    請求項1〜13のいずれか一項に記載のガスセンサ。
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