JP2017150930A - 光学式物理量測定装置及びその光源制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、赤外線光源を用いて測定対象ガスの濃度測定を行うガス濃度測定装置としては、非分散赤外線吸収型(Non−Dispersive Infrared)ガス濃度測定装置が知られている。非分散赤外線吸収型ガス濃度測定装置は、ガスの種類によって吸収される赤外線の波長が異なることを利用し、この吸収量を検出することによりそのガス濃度を測定する。
この原理を用いたガス濃度測定装置として、例えば、測定対象ガスが吸収特性を持つ波長に限定した赤外線を透過するフィルタ(透過部材)と赤外線センサとを組み合わせ、測定対象ガスが吸収する赤外線の吸収量を測定することによってガスの濃度を測定するように構成された装置が挙げられる。
このような炭酸ガス濃度測定装置及び炭酸ガス検出方法は、検出精度や出力の安定性を向上させることができることが、特許文献1には記載されている。以下、炭酸ガスを含めてガス濃度を測定する装置及び方法を総称してガス濃度測定装置及びガス濃度測定方法という。
セラミックヒータの放射強度分布は、炭酸ガスの赤外線吸収スペクトルを含み、2μm〜50μmの波長領域でブロードであり、炭酸ガスの赤外線吸収スペクトル付近の波長領域で十分な放射強度を有する。したがって、光源にセラミックヒータを用いたガス測定装置の検出精度及び出力の安定性は向上する。
また、実際のガス濃度測定装置の使用においては、必要とされるガス濃度測定結果の更新速度に応じて光源を周期的に点滅させたり、光源の発光強度を周期的に変化させることで消費電力を低減することができる。この周期動作による低消費電力化は、例えば、電力供給を断つ消灯状態と、ある既定の駆動条件で電力を供給する点灯状態を交互に繰り返すことによって実現できるし、また、上述した消灯の代わりに他のある既定の駆動条件で電力を供給する状態を交互に繰り返すことによっても実現できる。
上述した周期動作を一定周期のもと十分な時間繰り返すと、例えば、周期動作が点滅動作である場合、点灯開始直後の光源の温度、赤外線の光量やスペクトルは周期毎に各々毎回同じ値になり、毎回の点灯開始から一定の時間経過後に光源から出力される赤外線の光量やスペクトルは毎回同じ値になることが期待されるが、光源が十分に冷えている状態からの点滅動作開始直後等は前述の物理量が毎回同じ値になることは期待できない。よって、ガス濃度測定装置の動作開始直後から精度よくガス濃度を算出するためには何らかの対策が必要となる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、測定装置本体の動作開始又は再開直後から高精度に媒質中の測定対象分子の数量や密度を測定することができる光学式物理量測定装置及びその光源制御方法を提供することにある。
また、本発明の第2の態様は、複数の駆動条件を用いて光源を周期的に駆動する光学式物理量測定装置の光源制御方法であって、第n(nは1以上の整数)周期目の開始時に所定の駆動条件により前記光源を駆動する第1のステップと、前記第1のステップの期間中の所定のタイミングで前記光源の状態を取得する第2のステップと、前記第2のステップで取得した前記光源の状態に基づいて該第1のステップによる駆動を継続するか終了するかを決定する第3のステップと、を有する。
<実施形態1>
図1は、本発明に係る光学式物理量測定装置の実施形態1を説明するための構成図である。
図1に示すように、本実施形態1に係る光学式物理量測定装置100は、複数の駆動条件を用いて装置本体内に収納された光源101を周期的に駆動する光学式物理量測定装置100(以下、単に物理量測定装置という)である。
測定用光検出部102は、光源101が出力する光に応じた信号を測定出力として出力する。光源状態検出部105は、光源101の状態を取得する。光源制御部103は、光源101の駆動状態を制御する。演算部104は、測定用光検出部102からの測定出力に基づいて測定対象分子の数量又は密度を算出する。
本発明に係る光学式物理量測定装置の光源制御方法は、複数の駆動条件を用いて光源101を周期的に駆動する光学式物理量測定装置の光源制御方法であり、第n(nは1以上の整数)周期目の開始時に所定の駆動条件により光源101を駆動する第1のステップと、第1のステップの期間中の所定のタイミングで光源101の状態を取得する第2のステップと、第2のステップで取得した光源101の状態に基づいて第1のステップによる駆動を継続するか終了するかを決定する第3のステップと、を有する。
つまり、第n(nは1以上の整数)周期目の開始時には1種類以上の所定の駆動条件により、1回以上実行される、光源101を駆動する第1のステップと、第1のステップの期間中の所定のタイミングで光源101の状態を取得する、1回以上実行される、第2のステップと、第2のステップで取得した光源101の状態に基づいて第1のステップによる駆動を継続するか終了するかを決定する、1回以上実行される、第3のステップと、を用いて光源101の駆動を制御する。
また、「光源を周期的に駆動する」とは、2種類以上の複数の駆動条件により光源101を駆動する期間を複数回繰り返すことを意味する。ここで、駆動条件とは、光源101に対して供給又は印加する電力、電圧又は電流の大きさ(0を含む)及び供給時間又は印加時間である。2種以上の複数の駆動条件は、定電力を供給する条件と、電力を供給しない条件の2種でも良い。この場合、この2種の駆動条件を交互に繰り返すことで、光源101を間欠駆動することができる。
媒質が固相の場合は、光源101と測定用光検出部102の間にその置いても良い。媒質が気相の場合は、光源101と測定用光検出部102を含む適度に閉鎖された空間を用いてその中に封入しても良いし、光源101と測定用光検出部102の間の空間に媒質を直接流入しても良いし、測定に使用する光に対して十分な透過性を有する容器に入れた上でその容器を光源101と測定用光検出部102の間に置いても良い。また、媒質が液相の場合は、測定に使用する光に対して十分な透過性を有する容器に入れた上でその容器を光源101と測定用光検出部102の間に置いても良い。
また、測定用光検出部102は、上述の特性を有していれば特に制限されない。例えば、測定に赤外線を用いる場合、測定用光検出部102には、焦電センサ(Pyroelectric sensor)、サーモパイル(Thermopile)、ボロメータ(Bolometer)等の熱型赤外線センサや、ダイオードやフォトトランジスタ等の量子型赤外線センサ等が好適である。また、例えば、測定に紫外線を用いる場合、ダイオードやフォトトランジスタ等の量子型紫外線センサ等が好適である。また、例えば、測定にX線を用いる場合、各種半導体センサが好適である。
図2は、本発明に係る光学式物理量測定装置の実施形態2を説明するための構成図である。図1に示した実施形態1との相違は、本実施形態2においては、光源状態検出部105が、光源101から出力される光の内、測定用光検出部102とは別の波長帯に感度を有する参照用光検出部(図示せず)の出力に基づいて光源101の状態を取得する点である。
つまり、本実施形態2においては、例えば、図2に示すように、光源101から出力される光の内、測定用光検出部102とは別の波長帯に感度を有する参照用光検出部の出力に基づいて、光源101の状態を取得しても良い。この参照用光検出部が、感度を有する波長帯は測定対象ガスに作用を及ぼさない帯域で合っても良い。また、光源101の抵抗値及び参照用光検出部の出力に基づいて光源101の状態を取得してもよい。
例えば、光源101の抵抗値に基づいて光源101の状態を取得する場合、光源101の駆動により光源抵抗値が増大する場合は、光源抵抗値があらかじめ用意された基準抵抗値以上となった場合に第1のステップによる駆動を終了しても良いし、光源101の駆動により光源抵抗値が減少する場合は、光源抵抗値があらかじめ用意された基準抵抗値以下となった場合に第1のステップによる駆動を終了しても良い。この基準抵抗値は、物理量測定装置の校正時に装置個体ごとに任意に定めても良い。
しかし、冷却過程が、光源温度が周囲環境温度と一致するまで冷却されるほど長くない場合、2回目以降の点灯開始時の光源温度は周囲環境温度よりも高い温度となる。この点灯開始時の光源温度は間欠駆動を繰り返すことで徐々に上昇し、やがて定常駆動時の点灯開始時の光源温度に収束する。毎回の間欠駆動の点灯状態における駆動条件が同一であれば、点灯開始時の光源温度の違いは点灯開始から一定の時間経過後の光源温度の違い、すなわち、光源101から出力される赤外線の光量及びスペクトルの差異となって現れる。
また、実際には定常駆動時にも外気温度の変化等により、光源101の点灯開始時の光源101の温度は周期ごとに変化し得る。よって、定常駆動時であっても精度よく測定対象分子の数量や密度(この例の場合、具体的にはガス濃度)を算出するために、毎回の点灯開始時の光源101の状態は揃えられることが望ましい。そのために、物理量測定装置100は第n(nは1以上の整数)周期目の開始時に1種類以上の所定の駆動条件により、1回以上実行される、光源101を駆動する第1のステップと、第1のステップの期間中の所定のタイミングで光源101の状態を取得する、1回以上実行される、第2のステップと、第2のステップで取得した光源101の状態に基づいて第1のステップによる駆動を継続するか終了するかを決定する、1回以上実行される、第3のステップと、を有する光源制御方法を用いてもよい。
また、光源101を駆動することにより光源温度が上昇すればするほど、光源温度上昇幅に対する光源状態を示す物理量の変化幅がより大きくなる場合は、毎回の点灯開始時の光源101の状態をより素早くそろえるために、毎回の点灯開始時、定電圧駆動を用いる1回目の第1ステップと、1回目の第1のステップの期間中の所定のタイミングで光源101の状態を取得する1回目の第2のステップと、1回目の第2のステップで取得した光源101の状態に基づいて第1のステップによる駆動を継続するか終了するかを決定する、1回以上実行される、第3のステップと、を有し、1回目の第1ステップによる駆動終了後は定電流駆動を用いる2回目の第1ステップと、2回目の第1のステップの期間中の所定のタイミングで光源101の状態を取得する2回目の第2のステップと、2回目の第2のステップで取得した光源101の状態に基づいて第1のステップによる駆動を継続するか終了するかを決定する、1回以上実行される、第3のステップと、をする光源制御方法を用いてもよい。
上述した実施形態及び後述する実施例は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図3は、本実施形態における物理量測定装置の物理量測定方法を説明するためのフローチャートを示す図である。
物理量測定装置100は、まず、ステップS101では、測定出力(最大値)を初期化して光源101を点灯する。ステップS101の次のステップS102では、測定用光検出部102から最新の測定出力、測定出力(最新値)を取得する。ステップS102の次のステップS103では、ステップS102で取得した測定出力(最新値)がその時点で保持している測定出力(最大値)より大きければ測定出力(最新値)を新たな測定出力(最大値)として更新する。ただし、測定出力(最大値)の初期化後1回目の測定出力(最新値)に対しては、S103内の真偽判定は常に真とする。
ステップS105の次のステップS106では、物理量測定装置100が測定終了の命令を受けているかを判定し、その結果が真であれば測定を終了し、偽であればステップS107に進む。ステップS107では、直前の光源消灯から既定時間経過しているかを判定し、判定結果が真となるまでステップS107にとどまる。
ステップS112では、ステップS105と同様に光源101を消灯し、保持している測定出力(最大値)に基づいて物理量を算出する。ステップS112の次のステップS113では、ステップS106と同様に物理量測定装置100が測定終了の命令を受けている場合は測定を終了し、そうでない場合はステップS107に戻る。
こうすることで、本実施形態における物理量測定装置100は、第1周期目から定常動作時の測定出力(最大値)と同等の値を用いて物理量を算出することができ、精度よく測定対象分子の数量や密度を算出することができる。
実測データを取得する際における物理量測定装置100は、光源101の点灯時には光源101を定電流駆動している。図4(a),(b)は、それぞれ光源制御方法で光源101を駆動した際の駆動電流波形と、測定用光検出部102の出力波形である。また、図4(c),(d)は、それぞれ、第1周期目から第2周期目以降と同様の光源101の点灯、消灯を行った際の駆動電流波形と測定用光検出部102の出力波形である。
なおここでは、第1周期目にのみ、光源101の状態を取得するステップが存在しているが、本発明はこの形態のみに限られず、第2周期目以降にも光源101の状態を取得するステップを有してもよい。またここでは、光源101の状態を光源抵抗値に基づいて取得するステップが存在しているが、本発明はこの形態のみに限られず、参照用光検出部の出力に基づいて光源101の状態を取得するステップを有してもよい。
図5に示すように、本実施形態における物理量測定装置100は、まずステップS201では測定出力(最大値)を初期化して光源101を点灯する。ステップS201の次のステップS202では、測定用光検出部102から最新の測定出力、測定出力(最新値)を取得する。ステップS202の次のステップS203では、ステップS202で取得した測定出力(最新値)がその時点で保持している測定出力(最大値)より大きければ測定出力(最新値)を新たな測定出力(最大値)として更新する。ただし、測定出力(最大値)の初期化後1回目の測定出力(最新値)に対しては、S203内の真偽判定は常に真とする。
こうすることで、本実施形態における物理量測定装置100は、毎回の光源101の消灯時の状態を一致させることができ、その結果、単に既定の時間で点灯と消灯を周期的に繰り返す場合と比べて、次の点灯開始時の光源101の状態を毎回揃えることができ、これにより毎周期、既定の定常動作時の測定出力(最大値)と同等の値を用いて物理量を算出することができ、精度よく測定対象分子の数量や密度を算出することができる。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の技術的範囲には限定されない。上述した実施形態に、多様な変更又は改良を加えることも可能であり、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
101 光源
102 測定用光検出器
103 光源制御部
104 演算部
105 光源状態検出部
Claims (10)
- 複数の駆動条件を用いて装置本体内に収納された光源を周期的に駆動する光学式物理量測定装置であって、
前記光源が出力する光に応じた信号を測定出力として出力する測定用光検出部と、
前記光源の状態を取得する光源状態検出部と、
前記光源の駆動状態を制御する光源制御部と、
前記測定用光検出部からの測定出力に基づいて測定対象分子の数量又は密度を算出する演算部と、
を備える光学式物理量測定装置。 - 前記光源制御部が、前記演算部からの命令により前記光源に対して複数の駆動条件で電力供給状態を制御し、かつ、前記光源状態検出部から取得される光源状態に応じて電力供給状態を制御する請求項1に記載の光学式物理量測定装置。
- 前記演算部が、前記光源制御部を介して前記光源を周期的に駆動する請求項1又は2に記載の光学式物理量測定装置。
- 前記光源状態検出部が、前記光源と前記光源制御部の間に設けられ、前記光源の抵抗値に基づいて前記光源の状態を取得する請求項1,2又は3に記載の光学式物理量測定装置。
- 前記光源状態検出部が、前記光源から出力される光の内、前記測定用光検出部とは別の波長帯に感度を有する参照用光検出部の出力に基づいて前記光源の状態を取得する請求項1,2又は3に記載の光学式物理量測定装置。
- 複数の駆動条件を用いて光源を周期的に駆動する光学式物理量測定装置の光源制御方法であって、
第n(nは1以上の整数)周期目の開始時に所定の駆動条件により前記光源を駆動する第1のステップと、
前記第1のステップの期間中の所定のタイミングで前記光源の状態を取得する第2のステップと、
前記第2のステップで取得した前記光源の状態に基づいて該第1のステップによる駆動を継続するか終了するかを決定する第3のステップと、
を有する光学式物理量測定装置の光源制御方法。 - 前記第n(nは1以上の整数)周期目の開始時に実行される前記光源の駆動条件は、前記複数の駆動条件の内の1つである請求項6に記載の光学式物理量測定装置の光源制御方法。
- 前記第2のステップでは、前記光源の抵抗値に基づいて前記光源の状態を取得する請求項6又は7記載の光学式物理量測定装置の光源制御方法。
- 前記第2のステップでは、参照用光検出部の出力に基づいて前記光源の状態を取得する請求項6又は7記載の光学式物理量測定装置の光源制御方法。
- 前記nが1である請求項6乃至9のいずれか1項に記載の光学式物理量測定装置の光源制御方法。
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