以下に、本発明に係る空気調和機及び空気調和システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る空気調和機の構成を示すブロック図、図2は、実施の形態1に係る空気調和機の設置例を示す模式図である。
図1及び図2に示すように、実施の形態1に係る空気調和機1は、室内機2と、室内機2と冷媒配管3により接続される室外機4と、室内機2と無線通信が可能なリモートコントローラ5とを備える。図示例では、室内機2は寝具6が設置された室内、すなわち寝室7内に設置されている。空気調和機1は、冷房運転及び暖房運転を含む空調運転が可能である。
室内機2は、室内の温度及び湿度を検出する温湿度センサ8と、室内の被検出体の表面温度を検出する表面温度センサ9と、リモートコントローラ5との間で無線通信を行う通信部10と、温湿度センサ8、表面温度センサ9及び通信部10に接続され、空調運転の制御を含む各種の制御を行う制御部11とを備える。また、室内機2は、計時情報を制御部11に出力する計時部12とを備える。なお、図1では、冷凍サイクルを含む空調運転の実現に必要な構成の図示は省略されている。
温湿度センサ8は、温度センサ及び湿度センサを有する。温湿度センサ8は、周期的に温度及び湿度を検出する。
表面温度センサ9は、周期的に室内の被検出体の表面温度を検出する。表面温度センサ9は、図示しない複数のサーモパイルを有する赤外線センサを用いて構成される。表面温度センサ9は、この赤外線センサを回転駆動することで温度検出範囲を走査し、赤外線センサの出力を用いて温度検出範囲の熱画像データを生成する。温度検出範囲内の被検出体には、人体、床面、壁面及び寝具6が含まれる。表面温度センサ9を用いることにより、室内における人の有無の判定、並びに室内に人が存在する場合には人の位置の特定及び人の表面温度の検出が可能となる。
通信部10は、無線通信用の送受信装置である。通信部10は、リモートコントローラ5との間でデータの送受信を行う。
計時部12は、リアルタイムクロックであり、計時情報を制御部11に出力する。計時情報は、月、日、時、分及び秒の情報である。
制御部11は、制御に必要な演算を実行する演算部11aと、演算に用いられるデータを記憶する記憶部11bとを備える。制御部11は、制御回路であり、マイクロコンピュータにより実現される。すなわち、演算部11aはプロセッサであり、記憶部11bはメモリである。メモリは半導体メモリが一般的である。プロセッサはメモリに記憶されたプログラムを実行し、プログラムに記載された制御方法を実行する。メモリには、空気調和機1の設定情報、温湿度センサ8の出力データ及び表面温度センサ9の出力データが記憶される。
制御部11は、空気調和機1の設定情報と温湿度センサ8の出力データと表面温度センサ9の出力データとに基づき、空調運転を制御する。
図3は、リモートコントローラ5の構成を示すブロック図、図4は、リモートコントローラ5の外観の一例を示す平面図である。
図3に示すように、リモートコントローラ5は、空気調和機1の設定情報の入力を受け付ける入力部15と、設定情報の表示が可能な表示部16と、室内機2との間で無線通信を行う通信部17と、入力部15、表示部16及び通信部17の制御を行う制御部18とを備える。また、リモートコントローラ5は、制御部18に計時情報を出力する計時部19とを備える。リモートコントローラ5は、空調制御端末であり、空気調和機1の設定情報の入力を受け付ける設定部である。
入力部15は、複数のボタン20を有する。複数のボタン20は機械式のボタンである。ボタン20を操作することで、空気調和機1の設定情報の入力が可能である。
図4では、複数のボタン20の例として、暖房ボタン20a、冷房ボタン20b、送風ボタン20c、自動ボタン20d、停止ボタン20e、温度ボタン20f、湿度ボタン20g、睡眠ボタン20h、寝つきボタン20i、睡眠中ボタン20j、起床ボタン20k、確定ボタン20p及び変更ボタン20qが示されている。
ここで、暖房ボタン20aは暖房運転の選択を受け付けるためのボタン、冷房ボタン20bは冷房運転の選択を受け付けるためのボタン、送風ボタン20cは送風運転の選択を受け付けるためのボタン、自動ボタン20dは自動運転の選択を受け付けるためのボタン、停止ボタン20eは運転の停止を受け付けるためのボタン、温度ボタン20fは設定温度の変更を受け付けるためのボタン、湿度ボタン20gは設定湿度の変更を受け付けるためのボタンである。睡眠ボタン20h、寝つきボタン20i、睡眠中ボタン20j、起床ボタン20k、確定ボタン20p及び変更ボタン20qについては後述する。
表示部16は、液晶表示パネルが一般的である。通信部17は、無線通信用の送受信装置である。通信部17は、室内機2の通信部10との間でデータの送受信を行う。
制御部18は、制御に必要な演算を実行する演算部18aと、演算に用いられるデータを記憶する記憶部18bとを備える。制御部18は、制御回路であり、マイクロコンピュータにより実現される。すなわち、演算部18aはプロセッサであり、記憶部18bはメモリである。メモリは半導体メモリが一般的である。プロセッサはメモリに記憶されたプログラムを実行し、プログラムに記載された制御方法を実行する。
また、計時部19は、リアルタイムクロックであり、計時情報を制御部18に出力する。計時情報は、月、日、時、分及び秒の情報である。
ここで、睡眠状態について説明する。図5は、就寝時から起床時までの就寝者の状態の変化の一例を示す図である。横軸は時間を表す。具体的には、就寝者の睡眠状態の変化と、就寝者の体内の深部体温の変化と、就寝者の体動の変化とを示している。睡眠状態は実線でステップ状に示され、深部体温は点線で示され、体動は棒線で示されている。深部体温としては直腸体温が代表的である。体動を示す棒線の高さは体動の大きさを相対的に示している。
一般に、睡眠は、眠りの浅いREM(Rapid Eye Movement)睡眠と、眠りの深い非REM睡眠とに大別される。REM睡眠中は、臓器及び器官が活発に活動し、特に眼球が高速で運動し、拍動の増加、血圧の上昇及び発汗量の上昇が起きる。非REM睡眠中は、体の緊張がほぐれリラックス状態となり、拍動の低下、血圧の低下及び発汗量の減少が起きる。非REM睡眠は、眠りの浅い状態の順に、「睡眠深度1」、「睡眠深度2」、「睡眠深度3」及び「睡眠深度4」に分類される。以下では、「睡眠深度1,2」の睡眠を「浅睡眠」、「睡眠深度3,4」の睡眠を「深睡眠」という。
就寝後、睡眠状態は、「睡眠深度1」、「睡眠深度2」、「睡眠深度3」、「睡眠深度4」の順に睡眠が深くなるように移行し、その後、「睡眠深度3」、「睡眠深度2」、「睡眠深度1」、REM睡眠の順に睡眠が浅くなるように移行する。その後、非REM睡眠とREM睡眠とが交互に繰り返される。このような睡眠サイクルの周期、すなわちヒトの睡眠周期は通常約90分である。
また、睡眠状態の変化は、概日リズムに支配される深部体温の変化と関係している。ヒトの深部体温は、睡眠を促すように睡眠開始後に低下し、その後最低温度に到達した後、上昇に転ずる。図示例では、深部体温は、睡眠開始直前に一旦上昇した後に、睡眠状態が深くなるにつれて徐々に下降し、睡眠状態が「睡眠深度4」から「睡眠深度3」への移行時期に上昇に転じ、その後は覚醒に向かって徐々に上昇する。
一般に、睡眠前半は眠りが深く、室内空間の温熱環境の変化に対する感覚が鈍く、一方で体温調節機能が働く。このため、気流又は温湿度のような外的な刺激による中途覚醒が生ずる可能性が低い。これに対し、睡眠後半は眠りが浅くなり、「睡眠深度3,4」になることがあまりなくなり、外的な刺激に反応しやすくなる。
また、体動の頻度は睡眠状態と関係している。一般に、深睡眠中及びREM睡眠中の体動の頻度は低く、浅睡眠中の体動の頻度は高くなる。
このように、睡眠状態の変化は深部体温の変化と関係していることから、一般に、就寝者に快適な睡眠環境を提供するためには、睡眠中の室内の温度を深部体温の変化を助長するように設定するとよい。
具体的には、睡眠開始時は、ユーザが快適と感ずる温度よりも室内の温度を下げ、放熱を促進し、深部温度を低下させるとよい。これにより、睡眠を促進することが可能となる。その後は、睡眠開始時よりも室内の温度を上げるとよい。これにより、寝冷えが抑制され、特に冷房運転時には温度刺激が抑制される。さらに起床前には、室内の温度を維持し又はさらに上げることで深部温度の上昇を助長する。
そこで、実施の形態1では、設定により決まる就寝時刻から設定により決まる起床時刻までの期間である睡眠期間を3つの区間に区分し、区間ごとに空調制御を行う。睡眠期間は、通常の冷房運転モード又は暖房運転モードとは異なる睡眠運転モードが実施される期間である。
また、実施の形態1では、設定温度が区間ごとに個別に設定可能であり、さらに区間の設定情報も設定可能な構成とする。
図6は、睡眠期間中の室温の設定を説明するための図である。図6に示すように、睡眠期間は3つの区間である第1から第3の区間に区分される。
第1の区間は、就寝時刻を含む就寝直後の期間である。就寝時刻は睡眠期間の開始時刻である。第2の区間は、第1の区間に続く期間である。第3の区間は、第2の区間に続く期間であり、起床時刻を含む起床直前の期間である。起床時刻は睡眠期間の終了時刻である。
第1の区間は、第1の区間の開始時刻である就寝時刻t1と、第1の区間の長さである第1の区間の継続時間u1とで決まる。なお、時刻t2は第1の区間の終了時刻である。また、第1の区間における設定温度はT1である。就寝時刻t1、継続時間u1及び設定温度T1は、ユーザがリモートコントローラ5から入力可能である。
第3の区間は、第3の区間の終了時刻である起床時刻t4と、第3の区間の長さである第3の区間の継続時間u2とで決まる。なお、時刻t3は第3の区間の開始時刻である。また、第3の区間における設定温度はT3である。起床時刻t4、継続時間u2及び設定温度はT3は、ユーザがリモートコントローラ5から入力可能である。
第2の区間は、第1の区間及び第3の区間を設定することで決まる。第2の区間の開始時刻は時刻t2、第2の区間の終了時刻は時刻t3である。第2の区間における設定温度はT2である。設定温度T2は、ユーザがリモートコントローラ5から入力可能である。
上述のように、設定温度は区間ごとに個別に設定可能であり、区間の設定情報も設定可能であるが、一方で、これらの設定に対して、睡眠中の深部体温の変化を考慮した場合の設定の推奨値を決めておくことができる。
ここで、睡眠中の深部体温の変化を考慮した場合の室温の設定の推奨例について説明する。まず、上記した睡眠中の深部体温の変化を考慮すると、季節にかかわらず、第1から第3の区間の設定温度は、T1<T2≦T3の関係を満たすように設定することが推奨される。
夏季における冷房運転の場合、設定情報の推奨例は次の通りである。第1の区間の継続時間u1は3時間、第1の区間の設定温度T1は27℃が推奨される。夏季には、寝つきの3時間に放熱を促進することで、就寝者は深い眠りにつくことができる。
第2の区間の設定温度T2は第1の区間の設定温度T1よりも高く、かつ設定温度T2と設定温度T1との差は0.5℃以上かつ1℃以下が推奨される。設定温度T2を設定温度T1よりも高くすることで、寝冷えが抑制される。
第3の区間の継続時間u3は30分が推奨される。第3の区間の設定温度T3は、第2の区間の設定温度T2と同じか、又は第2の区間の設定温度T2よりも高くかつ第2の区間の設定温度T2との温度差が1℃以下であることが推奨される。これは就寝者が寝苦しくならないようにし、かつ就寝者の目覚めをよくするためである。なお、図7には、このような冷房運転を行った場合の室温の変化の一例を示している。
冬季における暖房運転の場合、第1の区間の継続時間u1は30分、第1の区間の設定温度T1は17℃が推奨される。冬季には、睡眠の初期に室内を暖めれば十分であり、長く室内を暖めると、放熱が抑制され、就寝者が深い眠りを得るという観点からは逆効果である。
第2の区間の設定温度T2は第1の区間の設定温度T1よりも高く、設定温度T2と設定温度T1との差は0.5℃以上かつ1℃以下が推奨される。設定温度T2を設定温度T1よりも高くすることで、寝冷えが抑制される。
第3の区間の継続時間u3は30分が推奨される。第3の区間の設定温度T3は、第2の区間の設定温度T2と同じか、又は第2の区間の設定温度T2よりも高くかつ第2の区間の設定温度T3が第2の区間との温度差が1℃以下であることが推奨される。これは体温上昇を助長するとともに、部屋全体を暖めることで就寝者が目覚め後に寝具6から出やすくなるようにするためである。
上記した推奨例では、第1の区間の継続時間u1は第3の区間の継続時間u2よりも長い。また、第1の区間の継続時間u1は睡眠周期よりも長く、第3の区間の継続時間u2は睡眠周期よりも短い。
リモートコントローラ5の記憶部18bには、設定温度T1、継続時間u1、設定温度T2、設定温度T3及び継続時間u2の推奨値に関する情報が予め記憶されている。推奨値に関する情報は、夏季における冷房運転と冬季における暖房運転とに対してそれぞれ与えられる。ここで、夏季及び冬季は、夏季に当たる月と冬季に当たる月を定義することで決められる。また、以下では、夏季における暖房運転及び冬季における冷房運転についてはユーザにより選択されないものとして説明から除外する。
図8は、リモートコントローラ5の記憶部18bに記憶された設定情報の推奨値の一例を示すテーブルである。図8では、夏季における冷房運転の場合には、設定温度T1、継続時間u1、設定温度T2、設定温度T3及び継続時間u2のそれぞれの推奨値は、27℃、180分、27.5℃、28℃及び30分である。また、冬季における暖房運転の場合には、設定温度T1、継続時間u1、設定温度T2、設定温度T3及び継続時間u2のそれぞれの推奨値は、17℃、30分、17.5℃、18℃及び30分である。
また、記憶部18bには、就寝時刻t1及び起床時刻t4のデフォルト値に関する情報が予め記憶されている。
図9は、リモートコントローラ5の記憶部18bに記憶された就寝時刻及び起床時刻のそれぞれのデフォルト値の一例を示すテーブルである。図9では、就寝時刻t1のデフォルト値は「22:00」であり、起床時刻t4のデフォルト値は「6:00」である。これらのデフォルト値は予め決められた値である。
ここで、図4に示す睡眠ボタン20h、寝つきボタン20i、睡眠中ボタン20j及び起床ボタン20kについて説明する。
第1のボタンである寝つきボタン20iは、第1の区間における設定温度T1及び第1の区間の設定情報の入力を受け付けるためのボタンである。ここで、第1の区間の設定情報は、第1の区間の開始時刻である就寝時刻t1と、第1の区間の長さである第1の区間の継続時間u1である。
第2のボタンである睡眠中ボタン20jは、第2の区間における設定温度T2の入力を受け付けるためのボタンである。
第3のボタンである起床ボタン20kは、第3の区間における設定温度T3及び第3の区間の設定情報の入力を受け付けるためのボタンである。ここで、第3の区間の設定情報は、第3の区間の終了時刻である起床時刻t4と、第3の区間の長さである第3の区間の継続時間u2である。
第4のボタンである睡眠ボタン20hは、睡眠期間中の設定情報に基づく空気調和機1の運転の設定の入力を受け付けるためのボタンである。なお、以下では、睡眠期間中の設定情報に基づく空気調和機1の運転を「睡眠運転」という。また、冷房の睡眠運転を「睡眠冷房運転」、暖房の睡眠運転を「睡眠暖房運転」という。
次に、実施の形態1の動作について説明する。まず、図10及び図11を参照して、睡眠運転の設定方法について説明する。図10は、リモートコントローラ5による睡眠運転の設定処理を示すフローチャート、図11は、睡眠運転の設定に用いられる表示画面の一例を示す図である。まず、ユーザは、睡眠運転の設定をするために、睡眠ボタン20hを押下する。
図10のS1では、制御部18は睡眠ボタン20hの押下を検出し、表示部16に図11に示す表示画面21を表示させる。続いて、S2では、制御部18は、睡眠冷房運転又は睡眠暖房運転の設定の入力を受け付ける。
ここで、表示画面21には、睡眠冷房運転を設定するための「冷房」、睡眠暖房運転を設定するための「暖房」及び睡眠運転の設定を解除するための「オフ」が表示されている。図示例では、表示画面21は睡眠運転の設定がされていない状態であり、「オフ」が選択された状態にある。
睡眠冷房運転又は睡眠暖房運転の設定をするためには、ユーザは変更ボタン20qを操作し、「オフ」から「冷房」又は「暖房」に黒丸を移動させ、確定ボタン20pを押下する。こうすることで、睡眠運転の設定の入力が完了し、表示画面21が終了する。
次に、S3では、制御部18は、通信部17を介して設定情報を室内機2に送信する。ここで、設定情報は、睡眠冷房運転又は睡眠暖房運転が設定されたことを示す情報と、就寝時刻t1、継続時間u1、設定温度T1、設定温度T2、起床時刻t4、継続時間u2及び設定温度T3のデフォルトの情報である。
なお、就寝時刻t1及び起床時刻t4のデフォルトの設定情報は、図9に示すテーブルに記載されたデフォルト値に関する情報である。また、継続時間u1、設定温度T1、設定温度T2、継続時間u2及び設定温度T3のデフォルトの設定情報は、図8に示すテーブルに記載された推奨値に関する情報である。制御部18は、睡眠運転が睡眠冷房運転であるか又は睡眠暖房運転であるかに応じて、夏季における冷房運転の場合の推奨値又は冬季における暖房運転の場合の推奨値を選択する。
リモートコントローラ5から送信された設定情報は、通信部10を介して室内機2により受信される。制御部11は、受信された設定情報を睡眠期間中の設定情報として記憶部11bに保存する。この状態では、睡眠運転はデフォルトの設定情報に基づいて設定された状態にある。
また、制御部18は、リモートコントローラ5に送信した設定情報を睡眠期間中の設定情報として記憶部18bに保存する。
次に、第1から第3の区間における設定温度及び第1から第3の区間の設定情報の設定方法について説明する。以下では、ユーザは寝つきボタン20i、睡眠中ボタン20j及び起床ボタン20kを順に押下する場合を例に説明する。また、図10に示すフローチャートの処理に従って睡眠冷房運転が設定されているものとする。
図12及び図13を参照して、第1の区間における設定温度及び第1の区間の設定情報の設定処理について説明する。図12は、第1の区間における設定温度及び第1の区間の設定情報を設定する処理を示すフローチャート、図13は、第1の区間における設定温度及び第1の区間の設定情報の設定に用いられる表示画面の一例を示す図である。最初に、ユーザは寝つきボタン20iを押下する。
図12のS4の処理が開始される。S4では、制御部18は寝つきボタン20iの押下を検出し、表示部16に図13に示す表示画面22を表示させる。続いて、S5では、制御部18は、設定温度T1、就寝時刻t1及び継続時間u1の入力を受け付ける。
ここで、表示画面22について説明する。表示画面22は第1の表示画面である。なお、図示例では、表示画面22は、ユーザが設定情報を入力する前のデフォルトの表示状態を示している。
表示画面22には、就寝時刻t1を入力可能な入力欄22a、継続時間u1を入力可能な入力欄22b、設定温度T1を入力可能な入力欄22c、継続時間u1の推奨値を示す表示欄22d及び設定温度T1の推奨値を示す表示欄22eが含まれる。なお、継続時間u1は「寝つき運転時間」として表示されている。デフォルトの表示状態では、まず入力欄22aから入力可能である。
入力欄22aには、就寝時刻t1のデフォルト値である「22:00」が表示されている。すなわち、制御部18は、図9に示すテーブルを参照して、入力欄22aに就寝時刻t1のデフォルト値を表示させる。
ユーザが就寝時刻t1をデフォルト値から変更する場合には、ユーザは変更ボタン20qを操作し、入力欄22aに就寝時刻t1を入力し、確定ボタン20pを押下する。これにより、入力された就寝時刻t1が設定され、次に入力欄22bが入力可能な状態となる。また、ユーザが就寝時刻t1をデフォルト値から変更しない場合には、ユーザは確定ボタン20pを押下する。これにより、就寝時刻t1のデフォルト値が設定され、次に入力欄22bが入力可能な状態となる。
入力欄22b及び表示欄22dには、継続時間u1の推奨値である「180分」が表示される。これは、夏季における冷房運転の場合の継続時間u1の推奨値である。すなわち、制御部18は、図8に示すテーブルを参照し、かつ睡眠冷房運転が設定されていることに基づき、入力欄22b及び表示欄22dに夏季における冷房運転の場合の継続時間u1の推奨値を表示させる。従って、ユーザは、継続時間u1の推奨値を参考にした上で継続時間u1を設定することができる。
ユーザが継続時間u1を推奨値から変更する場合には、ユーザは変更ボタン20qを操作し、入力欄22bに継続時間u1を入力する。表示欄22dの表示は推奨値のままである。続いて、ユーザが確定ボタン20pを押下すると、入力された継続時間u1が設定され、次に入力欄22cが入力可能な状態となる。また、ユーザが継続時間u1を推奨値から変更しない場合には、ユーザは確定ボタン20pを押下する。これにより、就寝時刻t1の推奨値が設定され、次に入力欄22cが入力可能な状態となる。
入力欄22c及び表示欄22eには、設定温度T1の推奨値である「27℃」が表示されている。これは、夏季における冷房運転の場合の設定温度T1の推奨値である。すなわち、制御部18は、図8に示すテーブルを参照し、かつ睡眠冷房運転が設定されていることに基づき、入力欄22c及び表示欄22eに夏季における冷房運転の場合の設定温度T1の推奨値を表示させる。従って、ユーザは、設定温度T1の推奨値を参考にした上で設定温度T1を設定することができる。
ユーザが設定温度T1を推奨値から変更する場合には、ユーザは変更ボタン20qを操作し、入力欄22cに設定温度T1を入力する。表示欄22eの表示は推奨値のままである。続いて、ユーザが確定ボタン20pを押下すると、入力された設定温度T1が設定され、表示画面22が終了する。また、ユーザが設定温度T1を推奨値から変更しない場合には、ユーザは確定ボタン20pを押下する。これにより、設定温度T1の推奨値が設定され、表示画面22が終了する。
図12に示すフローチャートに戻ると、S6では、制御部18は、通信部17を介して設定情報を室内機2に送信する。ここで、設定情報は、表示画面22を介して設定された情報であり、就寝時刻t1、継続時間u1及び設定温度T1に関する情報である。
リモートコントローラ5から送信された設定情報は、通信部10を介して室内機2により受信される。制御部11は、新たに受信された設定情報を用いて記憶部11bに既に保存されている睡眠期間中の設定情報を更新する。
また、制御部18は、上記した設定情報を用いて記憶部18bに既に保存されている睡眠期間中の設定情報を更新する。
図14及び図15を参照して、第2の区間における設定温度の設定処理について説明する。図14は、第2の区間における設定温度を設定する処理を示すフローチャート、図15は、第2の区間における設定温度の設定に用いられる表示画面の一例を示す図である。ユーザは次に睡眠中ボタン20jを押下する。
図14のS7の処理が開始される。S7では、制御部18は睡眠中ボタン20jの押下を検出し、表示部16に図15に示す表示画面23を表示させる。続いて、S8では、制御部18は、設定温度T2の入力を受け付ける。
ここで、表示画面23について説明する。表示画面23は第2の表示画面である。なお、図示例では、表示画面23は、ユーザが設定情報を入力する前のデフォルトの表示状態を示している。
表示画面23には、設定温度T2を入力可能な入力欄23a及び設定温度T2の推奨値を示す表示欄23bが含まれる。
入力欄23a及び表示欄23bには、設定温度T2の推奨値である「27.5℃」が表示されている。これは、夏季における冷房運転の場合の設定温度T2の推奨値である。すなわち、制御部18は、図8に示すテーブルを参照し、かつ睡眠冷房運転が設定されていることに基づき、入力欄23a及び表示欄23bに夏季における冷房運転の場合の設定温度T2の推奨値を表示させる。従って、ユーザは、設定温度T2の推奨値を参考にした上で設定温度T2を設定することができる。
ユーザが設定温度T2を推奨値から変更する場合には、ユーザは変更ボタン20qを操作し、入力欄23aに設定温度T2を入力する。表示欄23bの表示は推奨値のままである。続いて、ユーザが確定ボタン20pを押下すると、入力された設定温度T2が設定され、表示画面23が終了する。また、ユーザが設定温度T2を推奨値から変更しない場合には、ユーザは確定ボタン20pを押下する。これにより、設定温度T2の推奨値が設定され、表示画面23が終了する。
図14に示すフローチャートに戻ると、S9では、制御部18は、通信部17を介して設定情報を室内機2に送信する。ここで、設定情報は、表示画面23を介して設定された情報であり、設定温度T2に関する情報である。
リモートコントローラ5から送信された設定情報は、通信部10を介して室内機2により受信される。制御部11は、新たに受信された設定情報を用いて記憶部11bに既に保存されている睡眠期間中の設定情報を更新する。
また、制御部18は、上記した設定情報を用いて記憶部18bに既に保存されている睡眠期間中の設定情報を更新する。
図16及び図17を参照して、第3の区間における設定温度及び第3の区間の設定情報の設定処理について説明する。図16は、第3の区間における設定温度及び第3の区間の設定情報を設定する処理を示すフローチャート、図17は、第3の区間における設定温度及び第3の区間の設定情報の設定に用いられる表示画面の一例を示す図である。ユーザは最後に起床ボタン20kを押下する。
図16のS10の処理が開始される。S10では、制御部18は起床ボタン20kの押下を検出し、表示部16に図17に示す表示画面24を表示させる。続いて、S11では、制御部18は、設定温度T3、起床時刻t4及び継続時間u2の入力を受け付ける。
ここで、表示画面24について説明する。表示画面24は第3の表示画面である。なお、図示例では、表示画面24は、ユーザが設定情報を入力する前のデフォルトの表示状態を示している。
表示画面24には、起床時刻t4を入力可能な入力欄24a、継続時間u2を入力可能な入力欄24b、設定温度T2を入力可能な入力欄24c、継続時間u2の推奨値を示す表示欄24d及び設定温度T2の推奨値を示す表示欄24eが含まれる。なお、継続時間u2は「起床運転時間」として表示されている。デフォルトの表示状態では、まず入力欄24aから入力可能である。
入力欄24aには、起床時刻t4のデフォルト値である「06:00」が表示されている。すなわち、制御部18は、図9に示すテーブルを参照して、入力欄24aに起床時刻t4のデフォルト値を表示させる。
ユーザが起床時刻t4をデフォルト値から変更する場合には、ユーザは変更ボタン20qを操作し、入力欄24aに起床時刻t4を入力し、確定ボタン20pを押下する。これにより、入力された起床時刻t4が設定され、次に入力欄24bが入力可能な状態となる。また、ユーザが起床時刻t4をデフォルト値から変更しない場合には、ユーザは確定ボタン20pを押下する。これにより、起床時刻t4のデフォルト値が設定され、次に入力欄24bが入力可能な状態となる。
入力欄24b及び表示欄24dには、継続時間u2の推奨値である「30分」が表示され、これは、夏季における冷房運転の場合の継続時間u2の推奨値である。すなわち、制御部18は、図8に示すテーブルを参照し、かつ睡眠冷房運転が設定されていることに基づき、入力欄24b及び表示欄24dに夏季における冷房運転の場合の継続時間u2の推奨値を表示させる。従って、ユーザは、継続時間u2の推奨値を参考にした上で継続時間u2を設定することができる。
ユーザが継続時間u2を推奨値から変更する場合には、ユーザは変更ボタン20qを操作し、入力欄24bに継続時間u2を入力する。表示欄24dの表示は推奨値のままである。続いて、ユーザが確定ボタン20pを押下すると、入力された継続時間u2が設定され、次に入力欄24cが入力可能な状態となる。また、ユーザが継続時間u2を推奨値から変更しない場合には、ユーザは確定ボタン20pを押下する。これにより、起床時刻t4の推奨値が設定され、次に入力欄24cが入力可能な状態となる。
入力欄24c及び表示欄24eには、設定温度T3の推奨値である「28℃」が表示されている。これは、夏季における冷房運転の場合の設定温度T3の推奨値である。すなわち、制御部18は、図8に示すテーブルを参照し、かつ睡眠冷房運転が設定されていることに基づき、入力欄24c及び表示欄24eに夏季における冷房運転の場合の設定温度T3の推奨値を表示させる。従って、ユーザは、設定温度T3の推奨値を参考にした上で設定温度T3を設定することができる。
ユーザが設定温度T3を推奨値から変更する場合には、ユーザは変更ボタン20qを操作し、入力欄24cに設定温度T3を入力する。この際、表示欄24eの表示は推奨値のままである。続いて、ユーザが確定ボタン20pを押下すると、入力された設定温度T3が設定され、表示画面24が終了する。また、ユーザが設定温度T3を推奨値から変更しない場合には、ユーザは確定ボタン20pを押下する。これにより、設定温度T3の推奨値が設定され、表示画面24が終了する。
図16に示すフローチャートに戻ると、S12では、制御部18は、通信部17を介して設定情報を室内機2に送信する。ここで、設定情報は、表示画面24を介して設定された情報であり、起床時刻t4、継続時間u2及び設定温度T3に関する情報である。
リモートコントローラ5から送信された設定情報は、通信部10を介して室内機2により受信される。制御部11は、新たに受信された設定情報を用いて記憶部11bに既に保存されている睡眠期間中の設定情報を用いて更新する。
また、制御部18は、上記した設定情報を用いて記憶部18bに既に保存されている睡眠期間中の設定情報を更新する。
なお、上記した説明では、睡眠運転は冷房運転であるとしたが、睡眠運転が暖房運転である場合も同様である。この場合は、表示画面22から24に表示される推奨値は冬季における暖房運転の場合の推奨値である。
また、上記した説明では、ユーザが寝つきボタン20i、睡眠中ボタン20j及び起床ボタン20kを当該順序で押下するとしたが、押下する順序は問わない。
また、睡眠期間中の設定情報が一旦設定された後も、ユーザは随時に寝つきボタン20i、睡眠中ボタン20j又は起床ボタン20kを押下し、設定情報を変更することができる。この場合、表示画面22から24には、既設定値とともに推奨値が表示される。
また、睡眠期間中の設定情報が設定された後、ユーザは図11に示す表示画面21において「オフ」を指定することで、睡眠期間中の設定情報はそのまま保持された状態で睡眠運転の実行を解除することができる。
次に、空気調和機1の睡眠運転の動作を説明する。図18は、空気調和機の睡眠運転の動作を示すフローチャートである。動作の主体は室内機2の制御部11であり、制御部11は睡眠期間中の設定情報に基づいて空気調和機1の運転を制御する。
まず、S20では、制御部11は、現在時刻が就寝時刻t1に達したか否かを判定する。この際、制御部11は、現在時刻に関する情報を計時部12の出力から得る。また、制御部11は、就寝時刻t1に関する情報を記憶部11bから得る。
現在時刻が就寝時刻t1に達していない場合は、制御部11はS20の処理を繰り返す。現在時刻が就寝時刻t1に達した場合は、制御部11はS21に示す処理に進み、寝つき運転を開始する。ここで、寝つき運転は第1の区間中の運転である。すなわち、制御部11は、温湿度センサ8により検出された温度が設定温度T1になるように運転の制御を行う。この際、制御部11は、設定温度T1に関する情報を記憶部11bから得る。
次に、S22では、制御部11は、寝つき運転時間が終了したか否かを判定する。この判定は、就寝時刻t1から現在時刻までの経過時間と継続時間u1とを比較することが行われる。この際、制御部11は、継続時間u1に関する情報を記憶部11bから得る。寝つき運転時間が終了していない場合は、制御部11はS21に示す処理に戻り、寝つき運転を継続する。寝つき運転時間が終了した場合は、制御部11は寝つき運転を終了し、S23に示す処理に進む。
S23では、制御部11は、睡眠中運転を開始する。ここで、睡眠中運転は第2の区間中の運転である。すなわち、制御部11は、温湿度センサ8により検出された温度が設定温度T2になるように運転の制御を行う。この際、制御部11は、設定温度T2に関する情報を記憶部11bから得る。
次に、S24では、制御部11は、睡眠中運転時間が終了したか否かを判定する。この判定は次のようにして行う。睡眠中運転時間は、睡眠期間から継続期間u1と継続期間u2との和を差し引くことで求まる。睡眠期間は、起床時刻t4と就寝時刻t1との差から求まる。制御部11は、睡眠中運転の開始時刻t2から現在時刻までの経過時間と睡眠中運転時間とを比較することで、睡眠中運転時間が終了したか否かを判定する。この際、制御部11は、就寝時刻t1、起床時刻t4、継続時間u1及び継続期間u2に関する情報を記憶部11bから得る。
睡眠中運転時間が終了していない場合は、制御部11はS23に示す処理に戻り、睡眠中運転を継続する。睡眠中運転時間が終了した場合は、制御部11は睡眠中運転を終了し、S25に示す処理に進む。
S25では、制御部11は、起床運転を開始する。ここで、起床運転は第3の区間中の運転である。すなわち、制御部11は、温湿度センサ8により検出された温度が設定温度T3になるように運転の制御を行う。この際、制御部11は、設定温度T3に関する情報を記憶部11bから得る。
次に、S26では、制御部11は、起床運転時間が終了したか否かを判定する。この判定は、起床運転の開始時刻t3から現在時刻までの経過時間と継続時間u2とを比較することが行われる。
起床運転時間が終了していない場合は、制御部11はS25に示す処理に戻り、起床運転を継続する。起床運転時間が終了した場合は、制御部11は起床運転を終了し、睡眠運転が終了する。
実施の形態1の効果について説明する。実施の形態1では、リモートコントローラ5は第1から第3の区間の各々における設定温度の入力を受け付ける。これにより、睡眠期間中の温度設定の自由度が高くなり、ユーザは各区間において個人の温熱感及び着衣量に応じて好みの温度を設定することが可能となる。
また、実施の形態1では、リモートコントローラ5は第1から第3の区間の各々の設定情報の入力を受け付ける。具体的には、リモートコントローラ5は、就寝時刻t1、継続時間u1、起床時刻t4及び継続時間u2の入力を受け付ける。これにより、寝つき運転時間、睡眠中運転時間及び起床運転時間の長さをユーザが設定できるので、区間設定の自由度が高くなる。
また、実施の形態1では、第1の区間における設定温度及び第1の区間の設定情報の設定に用いられる表示画面22において、設定温度T1の推奨値及び継続時間u1の推奨値が表示され、第2の区間における設定温度の設定に用いられる表示画面23において、設定温度T2の推奨値が表示され、第3の区間における設定温度及び第3の区間の設定情報の設定に用いられる表示画面24において、設定温度T3の推奨値及び継続時間u2の推奨値が表示される。
これらの推奨値は、睡眠期間中の深部体温の変化及び睡眠周期に基づき、夏季における冷房運転又は冬季における暖房運転に応じて決められる。従って、これらの推奨値を表示することは、睡眠のメカニズムを知らないユーザが設定情報を設定する際に親切である。
一般に、睡眠のメカニズムから推定される客観的な睡眠の質と起床時にユーザが体感する主観的な睡眠の質とは一致しない場合がある。ユーザが快適と感じる空調では、実際にはユーザは良く眠れていないことがある。
実施の形態1によれば、ユーザが睡眠のメカニズムを知らない場合でも、ユーザは上記した推奨値を参照し、さらに個人の好みを考慮した上で設定情報を設定することができる。従って、夏季における寝つきにくさと寝冷え、冬季における寝冷えと起床しにくさといった睡眠に関する周知の不満を解消することが可能となり、満足度の高い睡眠環境を提供することが可能となる。
実施の形態1では、設定情報の推奨値は夏季における冷房運転又は冬季における暖房運転に応じて決まり、実質は季節にかかわらず冷房又は暖房に応じて推奨値が決まる構成としているが、これに限定されるものではない。
設定情報の推奨値は、睡眠中の深部体温の変化及び睡眠周期に基づき、睡眠運転が冷房又は暖房であるかにかかわらず、季節に応じて決めることができる。あるいは、設定情報の推奨値は、睡眠中の深部体温の変化及び睡眠周期に基づき、睡眠運転が冷房及び暖房のいずれであるか及び季節の双方に応じて決めることもできる。
前者の場合、すなわち、設定情報の推奨値を睡眠運転が冷房又は暖房であるかにかかわらず季節に応じて決める場合には、予め複数の季節を定義し、図8のテーブルの推奨値を季節ごとに決めておく。そして、制御部18は、表示画面22から24を表示する際に、表示時がいずれの季節に当たるのかを計時部19からの出力に基づいて判定し、季節に応じた推奨値を図8のテーブルから選択すればよい。季節は、1年を夏季及び冬季の二季に分けてもよいし、1年を夏季、冬季及び中間期の三季に分けてもよいし、1年を春季、夏季、秋季及び冬季の四季に分けてもよいし、更に細分してもよい。
後者の場合、すなわち、設定情報の推奨値を睡眠運転が冷房及び暖房のいずれであるか及び季節の双方に応じて決める場合には、冷房又は暖房に対して季節に応じた推奨値を選択できるようなテーブルを用意すればよい。
いずれの場合でも、第1の区間における設定温度の推奨値は、第2の区間における設定温度の推奨値よりも低く、第2の区間における設定温度の推奨値は、第3の区間における設定温度の推奨値以下とすることができる。また、第1の区間の継続時間の推奨値は睡眠周期よりも長く、第3の区間の継続時間は睡眠周期よりも短いようにすることができる。
実施の形態1では、第1の区間の設定情報は就寝時刻t1及び継続時間u1に関する情報であるとしたが、継続時間u1の代わりに第1の区間の終了時刻t2を用いてもよい。この場合、表示画面22には、寝つき運転時間の代わりに第1の区間の終了時刻t2が表示され、寝つき運転時間の推奨値の代わりに第1の区間の終了時刻t2の推奨値が表示される。ここで、第1の区間の終了時刻t2の推奨値は、就寝時刻t1と継続時間u1の推奨値とから制御部18により算出される。
同様に、第3の区間の設定情報は起床時刻t4及び継続時間u2に関する情報であるとしたが、継続時間u2の代わりに第3の区間の開始時刻t3を用いてもよい。この場合、表示画面24には、起床運転時間の代わりに第3の区間の開始時刻t3が表示され、起床運転時間の推奨値の代わりに第3の区間の開始時刻t3の推奨値が表示される。ここで、第3の区間の開始時刻t3の推奨値は、起床時刻t4と継続時間u2の推奨値とから制御部18により算出される。
また、実施の形態1では、睡眠期間は第1から第3の区間に区分されているが、睡眠期間を2区間に区分し又は4区間以上に区分してもよい。すなわち、睡眠区間は一般に複数の区間に区分することが可能である。
この場合でも、リモートコントローラ5は各区間における設定温度及び各区間の設定情報の入力を受け付け、表示部16は入力を受け付ける際に各区間における設定温度の推奨値及び各区間の継続時間又は終了時刻の推奨値を表示する。
実施の形態1は、さらに一般化することも可能である。すなわち、リモートコントローラ5の入力部15が、互いに重複しない複数の期間の各々における設定温度の入力を受け付けるように構成することも可能である。これにより、複数の期間を、睡眠期間を区分した複数の区間とした場合には、睡眠期間中の空調制御における温度設定の自由度が高くなる。
さらに、リモートコントローラ5の入力部15が、複数の期間の各々の設定情報の入力を受け付けるように構成することが可能である。これにより、複数の期間を、睡眠期間を区分した複数の区間とした場合には、区間の設定の自由度が高くなる。
実施の形態1では、空気調和機1は冷房機能及び暖房機能を有するが、これに限定されない。空気調和機1は、冷房機能及び暖房機能の少なくとも一方を有していればよい。
また、リモートコントローラ5は室内機2と無線で通信をするが有線で通信するものでもよい。また、リモートコントローラ5は、専用の端末に限定されず、専用のアプリケーションソフトウェアがインストールされた携帯電話又はタブレット機器であってもよい。
実施の形態1では、第1の区間における設定温度及び第1の区間の設定情報の設定のためにリモートコントローラ5に寝つきボタン20iを設け、第2の区間における設定温度の設定のためにリモートコントローラ5に睡眠中ボタン20jを設け、第3の区間における設定温度及び第3の区間の設定情報の設定のためにリモートコントローラ5に起床ボタン20kを設けている。これにより、区間ごとの設定が容易となる。
また、リモートコントローラ5では、寝つきボタン20i、睡眠中ボタン20j及び起床ボタン20kは、ユーザに分かり易いように、それぞれ睡眠の状態を示す用語である「寝つき」、「睡眠中」及び「起床」の表示を用いて区別されている。
なお、リモートコントローラ5に設けられる複数のボタン20の構成は図4の図示例に限定されない。特に、睡眠ボタン20h、寝つきボタン20i、睡眠中ボタン20j、起床ボタン20k、確定ボタン20p及び変更ボタン20qについては、睡眠期間中の空気調和機1の設定情報を設定できるものであればどのような形態のものでもよい。また、表示部16をタッチパネル式にした場合は、複数のボタン20の少なくとも一部をタッチパネル上で実現することもできる。
また、実施の形態1では、リモートコントローラ5による設定操作において、寝つきボタン20i、睡眠中ボタン20j及び起床ボタン20kを押下するごとに異なる表示画面が表示されるとしたが、最初に2つ以上のボタンを押下した後、押下された2つ以上のボタンに応じた2つ以上の表示画面が順に表示されるようにしてもよい。
また、寝つきボタン20i、睡眠中ボタン20j及び起床ボタン20kに代る1つのボタンを設け、この1つのボタンを押下すると、まず表示部16に表示画面22が表示されて表示画面22を介した設定情報の設定が可能となり、当該設定が終了すると、次に表示部16に表示画面23が表示されて表示画面23を介した設定情報の設定が可能となり、当該設定が終了すると、最後に表示部16に表示画面24が表示されて表示画面24を介した設定情報の設定が可能になるようにしてもよい。
なお、制御部11は、表面温度センサ9の出力に基づき、就寝者の皮膚の露出面積を検出し、露出面積に応じて第1から第3の区間における設定温度を調整することもできる。
詳細には、制御部11は、表面温度センサ9の出力に基づき、皮膚の表面温度を検出し、皮膚の露出面積を算出することができる。皮膚の表面温度は、着衣の表面温度及び寝具6の表面温度との差異から検出可能である。
制御部11は、皮膚の露出面積が第1の面積閾値よりも大きいときは、露出面積の検出時が属する区間における設定温度を高くし、皮膚の露出面積が第2の面積閾値よりも小さいときは、露出面積の検出時が属する区間における設定温度を低くし、皮膚の露出面積が第1の面積閾値以下でかつ第2の面積閾値以上のときは、露出面積の検出時が属する区間における設定温度を維持する。
このような制御によれば、皮膚の露出面積が大きいとき、すなわち寝具6が就寝者の体を十分に覆っていないときには、室温が上昇して寝冷が抑制され、皮膚の露出面積が小さいとき、すなわち寝具6が就寝者の体を十分に覆っているときには、室温が下降して寝苦しさが生じないようにする。
実施の形態2.
実施の形態1では、寝つき運転、睡眠中運転及び起床運転の切り替えが、運転時間、睡眠中運転時間及び起床運転時間に基づいて行われている。ここで、運転時間、睡眠中運転時間及び起床運転時間は、ユーザにより設定される。さらに、実施の形態1では、第1から第3の区間の各々における設定温度はユーザが設定可能である。すなわち、実施の形態1では、睡眠期間中の設定情報がユーザにより設定されるマニュアル睡眠運転の機能について説明した。実施の形態2は、このようなマニュアル睡眠運転の機能に加えて、オート睡眠運転の機能を有する。
詳細には、オート睡眠運転では、制御部11は、就寝者の睡眠状態に基づき、就寝時刻、寝つき運転の終了時刻、起床運転の開始時刻及び起床時刻を判定し、寝つき運転、睡眠中運転及び起床運転の切り替えを自動的に行う。ここで、睡眠状態は、睡眠状態検出手段としての表面温度センサ9の出力に基づいて得られる。
さらに、オート睡眠運転では、設定温度T1は設定温度T1の推奨値に設定され、設定温度T2は設定温度T2の推奨値に設定され、設定温度T3は設定温度T3の推奨値に設定される。設定温度T1の推奨値、設定温度T2の推奨値及び設定温度T3の推奨値に関する情報は、記憶部11bに予め保存されている。
ここで、就寝時刻、寝つき運転の終了時刻、起床運転の開始時刻及び起床時刻の検出方法の一例について説明する。
一般に、一定期間内の体動の回数は、覚醒状態では最も多く、浅睡眠中、REM睡眠中及び深睡眠中の順に少なくなる。そこで、制御部11は、一定期間内の体動の回数が第1の閾値以上であれば覚醒と判定し、一定期間内の体動の回数が第1の閾値未満でかつ第2の閾値以上であれば浅睡眠と判定し、一定期間内の体動の回数が第2の閾値未満でかつ第3の閾値以上であればREM睡眠と判定し、一定期間内の体動の回数が第3の閾値未満であれば深睡眠と判定する。ここで、第1の閾値は第2の閾値よりも大きく、第2の閾値は第3の閾値よりも大きい。第1から第3の閾値は予め設定される。
この際、制御部11は、一定期間内の体動の回数を表面温度センサ9の出力に基づいて検出する。詳細には、表面温度センサ9は周期的に熱画像データを制御部11に出力するので、制御部11は、最新の熱画像データと前回の熱画像データとを比較し、これらの熱画像データの差異から体動を検出し、一定期間内の体動の回数を求めることができる。
制御部11は、一定期間内の体動の回数を監視し、覚醒状態から睡眠状態に移行した時を就寝時と判定し、睡眠状態から覚醒状態に移行した時を起床時と判定する。
また、制御部11は、一定期間内の体動の回数を監視し、寝つき運転の終了時を判定する。一例を挙げれば、寝つき運転の終了時は、就寝時から深睡眠が1回又は2回終了した時と決めておく。以下では、寝つき運転の終了時は、就寝時から深睡眠が1回終了した時であるとする。この場合、制御部11は、就寝時から深睡眠が1回終了した時に寝つき運転を終了する。
また、制御部11は、一定期間内の体動の回数を監視し、起床運転の開始時を判定する。一例を挙げれば、起床運転の開始時は、REM睡眠と浅睡眠とが深睡眠を経ずに交互に繰り返す睡眠状態において、浅睡眠が一定回数以上発生した時と決めておく。この一定回数は予め設定される。この場合、制御部11は、REM睡眠と浅睡眠とが深睡眠を経ずに交互に繰り返す睡眠状態において、浅睡眠が一定回数以上発生した時に起床運転を開始する。
図19は、室内機2の記憶部11bに記憶された設定温度の推奨値の一例を示すテーブルである。図19のテーブルは、継続時間u1の推奨値及び継続時間u2の推奨値を含まないことを除けば、図8のテーブルと同内容である。
図20は、リモートコントローラ5の外観の一例を示す平面図である。リモートコントローラ5は、図4に示す構成に加えて、オート睡眠運転を実行するためのオート睡眠ボタン20mを有する。すなわち、ユーザがオート睡眠ボタン20mを押下すると、リモートコントローラ5はオート睡眠運転が設定されたことを示す情報を室内機2に送信する。室内機2は、この情報を受信すると、オート睡眠運転を開始する。
図21は、オート睡眠運転の動作を示すフローチャートである。まず、ユーザによりオート睡眠ボタン20mが押下されて、室内機2はオート睡眠運転が設定された状態にあるものとする。
S30では、制御部11は、就寝者が就寝したか否かを判定する。この際、制御部11は、一定期間内の体動の回数が第1の閾値以上から第1の閾値未満に移行した時に覚醒状態から睡眠状態に移行し、就寝者が就寝したと判定する。
就寝者が就寝していない場合には、制御部11はS30の処理を繰り返す。就寝者が就寝した場合には、制御部11はS31に示す処理に進み、寝つき運転を開始する。ここで、寝つき運転は第1の区間中の運転である。
すなわち、制御部11は、温湿度センサ8により検出された温度に基づいて冷房運転又は暖房運転を選択する。一例を挙げれば、制御部11は、温湿度センサ8により検出された温度が予め決められた温度以上の場合は冷房運転を選択し、温湿度センサ8により検出された温度が予め決められた温度未満の場合は暖房運転を選択する。そして、制御部11は、冷房運転又は暖房運転に応じて図19のテーブルから設定温度T1の推奨値を選択し、設定温度T1の推奨値を設定温度T1に設定し、温湿度センサ8により検出された温度が設定温度T1になるように運転の制御を行う。
次に、S32では、制御部11は、寝つき運転を終了するか否かを判定する。この際、制御部11は、就寝時から深睡眠が1回終了した時に寝つき運転を終了する。寝つき運転を終了しない場合は、制御部11はS31に示す処理に戻り、寝つき運転を継続する。寝つき運転を終了する場合は、制御部11は寝つき運転を終了し、S33に示す処理に進む。
S33では、制御部11は、睡眠中運転を開始する。ここで、睡眠中運転は第2の区間中の運転である。
すなわち、制御部11は、冷房運転又は暖房運転に応じて図19のテーブルから設定温度T2の推奨値を選択し、設定温度T2の推奨値を設定温度T2に設定し、温湿度センサ8により検出された温度が設定温度T2になるように運転の制御を行う。
次に、S34では、制御部11は、睡眠中運転を終了するか否かを判定する。この際、制御部11は、REM睡眠と浅睡眠とが深睡眠を経ずに交互に繰り返す睡眠状態において、浅睡眠が一定回数以上発生した時に睡眠中運転を終了する。睡眠中運転を終了しない場合は、制御部11はS33に示す処理に戻り、睡眠中運転を継続する。睡眠中運転を終了する場合は、制御部11は睡眠中運転を終了し、S35に示す処理に進む。
S35では、制御部11は、起床運転を開始する。ここで、起床運転は第3の区間中の運転である。すなわち、制御部11は、冷房運転又は暖房運転に応じて図19のテーブルから設定温度T3の推奨値を選択し、設定温度T3の推奨値を設定温度T3に設定し、温湿度センサ8により検出された温度が設定温度T3になるように運転の制御を行う。
次に、S36では、制御部11は、就寝者が起床したか否かを判定する。制御部11は、一定期間内の体動の回数が第1の閾値未満から第1の閾値以上に移行した時に睡眠状態から覚醒状態に移行し、就寝者が起床したと判定する。
就寝者が起床していない場合は、制御部11はS35に示す処理に戻り、起床運転を継続する。就寝者が起床した場合は、制御部11は起床運転を終了し、オート睡眠運転を終了する。
このようなオート睡眠運転機能を設けることにより、ユーザはマニュアル睡眠運転とオート睡眠運転とを使い分けることができ、利便性が高くなる。
なお、睡眠状態は表面温度センサ9により検出されるとしたが、これに限定されない。空気調和機1に表面温度センサ9とは異なる睡眠状態検出手段を設け、この睡眠状態検出手段により睡眠状態を検出してもよい。
このような睡眠状態検出手段としては、例えばドップラレーダセンサ又はカメラが周知である。ここでドップラレーダセンサは、マイクロ波を人体に向けて送信し、送信波と反射波とから周波数の変動を求める。制御部11は、この周波数の変動から呼吸、脈拍及び寝返りといった体動を検出する。カメラを用いる場合は、制御部11は、カメラにより撮像された画像を解析して体動を検出する。
なお、オート睡眠運転では、設定温度T1、設定温度T2及び設定温度T3は各々の推奨値に設定されるとしたが、マニュアル睡眠運転のようにユーザが設定可能にすることもできる。この場合、制御部11は、就寝時刻、寝つき運転の終了時刻、起床運転の開始時刻及び起床時刻を判定し、寝つき運転、睡眠中運転及び起床運転の切り替えを自動的に行う。
また、図19のテーブルでは、設定情報の推奨値は夏季における冷房運転又は冬季における暖房運転に応じて決められているが、これに限定されるものではないことはマニュアル睡眠運転の場合と同様である。
実施の形態3.
図22は、実施の形態3に係る空気調和システムの構成を示すブロック図、図23は、実施の形態3に係る空気調和システムの設置例を示す模式図である。
図22及び図23に示すように、実施の形態3に係る空気調和システム30は、空気調和機1、加湿器31及び寝具32を備える。空気調和システム30は寝室7内に設置される。空気調和機1は、実施の形態1に係る空気調和機と同じ構成である。図22及び図23では、図1及び図2に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付している。
加湿器31は、室内の温度及び湿度を検出する温湿度センサ33と、就寝者の睡眠状態を検出する睡眠状態検出手段34と、室内機2との間で無線通信を行う通信部36と、温湿度センサ33、睡眠状態検出手段34及び通信部36に接続され、加湿運転の制御を含む各種の制御を行う制御部35とを備える。なお、図22では、加湿機能の図示は省略している。
加湿器31は、室内機2の下方に配置されている。加湿器31はスチームを吐出するスチーム方式である。図23に示すように、加湿器31は、スチームを吹出すスチーム吹出し口37と、スチーム吹出し口37の上に配置され、床面に平行に空気を吹出す送風吹出し口38とを備える。スチーム吹出し口37から吹き出されたスチームは、送風吹出し口38から吹き出される空気により、寝室7の上方に向かうことなく、寝床内で横臥する就寝者の周囲を直接加湿することが可能である。また、加湿器31は、スチームの吹出しを停止し、送風運転のみを実行することもできる。
このように加湿器31が就寝者の周囲を直接加湿することで、迅速かつ少量の水で就寝者の周囲を加湿することができ、壁面及び窓における結露を抑制することができる。
また、加湿器31は、スチーム方式に限らず、フィルターを使用した気化式又は超音波素子を使用した超音波式でもよい。ただし、気化式では風が強く、超音波式では加湿器31の周辺が濡れることがあるので、睡眠時の使用にはスチーム方式が好ましい。
なお、加湿器31を設けずに、加湿機能を有する空気調和機1により室内の加湿を行うことも可能である。ただし、寝具32が配置される寝室7の下部の湿度は室内機2が設置される寝室7の上部の湿度とは異なること及び空気調和機1により寝室7の下部の湿度を制御するには空気調和機1から強い気流を送出する必要があり、就寝者の睡眠を妨げる可能性があることから、加湿器31を設けることが好ましい。
睡眠状態検出手段34は、表面温度センサ9のように赤外線センサを用いて構成される。ただし、睡眠状態検出手段34は、これに限定されず、例えばドップラレーダセンサ又はカメラを用いたものでもよい。
なお、睡眠状態検出手段34は、寝具32内に設けることもできるし、室内機2に設けることもできるし、又は独立して設けるようにしてもよい。睡眠状態検出手段34を寝具32に設ける場合に、睡眠状態検出手段34を加速度センサとすれば、加速度センサにより就寝者の体動を直接検出することができる。
通信部36は、無線通信用の送受信装置である。通信部36は、室内機2の通信部10との間でデータの送受信を行う。すなわち、通信部36は、加湿器31の設定情報、温湿度センサ33の出力データ及び睡眠状態検出手段34の出力データを室内機2に送信する。加湿器31の設定情報は設定湿度を含む。
また、通信部36は、室内機2の通信部10から送信された空気調和機1の設定情報、温湿度センサ8の出力データ及び表面温度センサ9の出力データを受信する。空気調和機1の設定情報には、睡眠期間中の空気調和機1の設定情報が含まれる。通信部10は第1の通信部、通信部36は第2の通信部である。
制御部35は、制御に必要な演算を実行する演算部35aと、演算に用いられるデータを記憶する記憶部35bとを備える。制御部35は、制御回路であり、マイクロコンピュータにより実現される。すなわち、演算部35aはプロセッサであり、記憶部35bはメモリである。メモリは半導体メモリが一般的である。プロセッサはメモリに記憶されたプログラムを実行し、プログラムに記載された制御方法を実行する。メモリには、加湿器31の設定情報、温湿度センサ33の出力データ、睡眠状態検出手段34の出力データ及び室内機2から受信されたデータが記憶される。
制御部35は、加湿器31の設定情報と空気調和機1の設定情報と温湿度センサ33の出力データとに基づき、加湿運転又は送風運転を制御する。
室内機2の制御部11は、加湿器31から受信した睡眠状態検出手段34の出力データを睡眠運転の制御に用いることもできる。
寝具32は、寝床を構成する寝具本体に、温湿度センサ40、制御部41、通信部42及び加熱手段43が設けられて構成されている。温湿度センサ40、通信部42及び加熱手段43は制御部41に接続されている。図示例では、寝具本体はベッドである。
温湿度センサ40は、寝床内の温度及び湿度を検出する。温湿度センサ40は、例えばベッドに載置されるマットレス内に設置される。
加熱手段43は、温熱器具である。加熱手段43は、寝床内を加温可能なものであればよく、例えばマットレス内に設置されたヒータである。
制御部41は、温湿度センサ40の出力データと加温運転の設定情報とに基づき、加熱手段43を制御して、寝床内の加温運転の制御を行う。制御部41は、加温運転の制御の他、各種の制御を実行する。加温運転の設定情報は、加熱手段43の設定情報である。
通信部42は、無線通信用の送受信装置である。通信部42は、室内機2の通信部10との間でデータの送受信を行う。すなわち、通信部42は、加温運転の設定情報及び温湿度センサ40の出力データを室内機2に送信する。
また、通信部36は、室内機2の通信部10から送信された空気調和機1の設定情報、温湿度センサ8の出力データ及び表面温度センサ9の出力データを受信する。空気調和機1の設定情報には、睡眠期間中の設定情報が含まれる。通信部42は第3の通信部である。
なお、制御部41は、制御に必要な演算を実行する演算部41aと、演算に用いられるデータを記憶する記憶部41bとを備える。制御部41は、制御回路であり、マイクロコンピュータにより実現される。すなわち、演算部41aはプロセッサであり、記憶部41bはメモリである。メモリは半導体メモリが一般的である。プロセッサはメモリに記憶されたプログラムを実行し、プログラムに記載された制御方法を実行する。メモリには、加温運転の設定情報、温湿度センサ40の出力データ及び室内機2から受信されたデータが記憶される。
実施の形態3では、加湿器31は空気調和機1と連動して加湿運転又は送風運転し、寝具32は空気調和機1と連動して加温運転する。すなわち、空気調和機1は、睡眠期間中の設定情報を加湿器31と寝具32にそれぞれ送信する。これにより、加湿機31の制御部35は、就寝時刻、寝つき運転時間、睡眠中運転時間、起床運転時間及び起床時刻に関する情報を得ることができる。同様に、寝具32の制御部41は、就寝時刻、寝つき運転時間、睡眠中運転時間、起床運転時間及び起床時刻に関する情報を得ることができる。
加湿器31は、睡眠期間中の設定情報に基づき、空気調和機1が寝つき運転を実行しているときに、加湿運転又は送風運転を実行することができる。例えば、夏季には、空気調和機1の寝つき運転中に、加湿器31は送風運転する。これにより、加湿器31から就寝者の顔周りに送風され、放熱が促進される。また、冬季には、空気調和機1の寝つき運転中に、加湿器31は加湿運転する。これにより、就寝者の顔周りの空気が保湿され、就寝者の呼吸を楽にするので、睡眠の質が高まる。
また、寝具32は、睡眠期間中の設定情報に基づき、就寝前及び起床後に加温運転する。この加温運転が夏季になされた場合には、寝具32が除湿され、ダニの発生が抑制される。また、この加温運転が冬季になされた場合には、暖房と同様に、寝つき前に寝具32が暖められて就寝者は寝つき易く、起床前に寝具32が暖められて就寝者は起き易くなる。
また、加湿器31は、睡眠期間中の設定情報に基づき、空気調和機1が起床運転を実行しているときに、加湿運転又は送風運転を実行することができる。例えば、冬季には、空気調和機1の起床運転中に、加湿器31は加湿運転する。これにより、就寝者の目覚めを促進することができる。
また、寝具32は、睡眠期間中の設定情報に基づき、空気調和機1が起床運転を実行しているときに、加温運転を実行することができる。例えば、冬季には、空気調和機1の起床運転中に、寝具32は加温運転する。これにより、就寝者の深部温度の上昇が助長される。
このように、加湿器31及び寝具32が空気調和機1と連動して運転することにより、ユーザに対してより満足度の高い睡眠環境を提供することができる。
なお、図示例では、加湿器31は寝具32との間で直接通信をする構成となっていないが、加湿器31が寝具32との間でデータを直接送受信する構成にしてもよい。
またHEMS(Home Energy Management System)のような図示しない制御装置を家屋に設置した場合には、この制御装置が室内機2、加湿器31及び寝具32と相互に通信し、室内機2、加湿器31及び寝具32の制御を行うようにしてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。