JP2017150276A - 擁壁用コンクリートブロック施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の擁壁用コンクリートブロックを設置する際に、隣合う擁壁用コンクリートブロック同士の据付けをより強固なものとするための擁壁用コンクリートブロック施工方法の提供を目的とする。【解決手段】 本発明に係る擁壁用コンクリートブロック施工方法は、壁部2と壁部2の下部に連続する傾斜底板部3を備え、壁部2は、下縁の幅が上縁の幅よりも短い略台形状に形成された擁壁用コンクリートブロック1を、複数、並べて配列するとともに、隣接する擁壁用コンクリートブロック1同士では、それぞれの壁部2の側縁が当接した状態とすることで、複数の擁壁用コンクリートブロック1の配列状態が上方に凸となる円弧状となるようにしたものである。【選択図】図8

Description

本発明は、擁壁用コンクリートブロック施工方法に関する。
特開2013−14102号公報
特許文献1には、壁部及び壁部に連続する傾斜底面部を有する擁壁用L字型コンクリートブロックの構造が記載されている。また複数の当該擁壁用L字型コンクリートブロックを、垂直部を地面に対して垂直に立て並べて配置した後、このように配置した擁壁用L字型コンクリートブロックに対して、傾斜底板の上面に盛り土をすることで土留めをするといった擁壁用L字型コンクリートブロックの施工方法が記載されている。
ところで、宅地造成工事等の土留め工事において、上記のような方法で複数の擁壁用コンクリートブロックを施工した場合、隣り合う擁壁用コンクリートブロック同士がしっかりと固定されていないため、当該擁壁用コンクリートブロックの据付けを十分に確保することができず、施工後においても災害や、老朽化による滑動、傾倒、沈降等の思わぬ事故を招くおそれがあった。
そこで本発明は、複数の擁壁用コンクリートブロックを設置する際に、隣合う擁壁用コンクリートブロック同士の据付けをより強固なものとするための擁壁用コンクリートブロック施工方法の提供を目的とする。
本発明に係る擁壁用コンクリートブロック施工方法は、壁部と前記壁部の下部に連続する傾斜底板部を備え、前記壁部は、下縁の幅が上縁の幅よりも短い略台形状に形成された擁壁用コンクリートブロックを、複数、並べて配列するとともに、隣接する前記擁壁用コンクリートブロック同士では、それぞれの前記壁部の側縁が当接した状態とすることで、複数の前記擁壁用コンクリートブロックの配列状態が上方に凸となる円弧状となるようにしたものである。
略台形状に形成された擁壁用コンクリートブロックを、それぞれの壁部の側縁が当接した状態となるように配列することで、複数の擁壁用コンクリートブロックが全体としてアーチ構造を形成する。
上記した擁壁用コンクリートブロック施工方法は、予め基礎を設ける基礎形成工程を有し、前記擁壁用コンクリートブロックは、前記基礎形成工程で設けられた前記基礎に前記壁部が載置された状態で配列されることが考えられる。
基礎の上に擁壁用コンクリートブロックを載置することで地盤が悪い土地であっても、安定して擁壁用コンクリートブロックを載置することができる。
上記した擁壁用コンクリートブロック施工方法は、前記擁壁用コンクリートブロックは前記壁部から前記傾斜底板部にかけてテーパー孔が形成された補強リブを備え、前記テーパー孔に連結部材を連通することで複数の前記擁壁用コンクリートブロックを連結する工程を更に有することが考えられる。
各擁壁用コンクリートブロックのテーパー孔に連結部材を連通させることで、擁壁用コンクリートブロック同士の連結が強固なものとなる。
上記した擁壁用コンクリートブロック施工方法は、前記壁部の両側面に嵌合凹部と嵌合凸部が形成され、隣り合う前記擁壁用コンクリートブロックの前記嵌合凹部と前記嵌合凸部が嵌合するように複数の前記擁壁用コンクリートブロックを配列することが考えられる。
隣り合う擁壁用コンクリートブロックの嵌合凹部と嵌合凸部を嵌合させて複数の擁壁用コンクリートブロックを設置することで、擁壁用コンクリートブロック同士の連結がより強固なものとなる。
上記した擁壁用コンクリートブロック施工方法は、前記基礎形成工程において、前記基礎に載置した前記擁壁用コンクリートブロックの前記傾斜底板部の下方に形成された空間にコンクリートを打設する工程を更に有することが考えられる。
基礎に載置した擁壁用コンクリートブロックの傾斜底板部の下方に形成された空間にコンクリートを打設することにより、傾斜底板部と基礎との間に形成される空間にコンクリートが十分に充填される。
上記した擁壁用コンクリートブロック施工方法は、前記基礎形成工程において、前記基礎の上面から突出する補強部を設けることが考えられる。
傾斜底板部と基礎との間に形成される空間にコンクリートを打設することにより、基礎の表面に形成された補強部とコンクリートが結合する。
本発明によれば、複数の擁壁用コンクリートブロックの全体としての結合が強固になるため、一部の擁壁用コンクリートブロックの沈降等を防止することができる。その結果、災害や、擁壁用コンクリートブロックの老朽化等による事故を未然に防止することが可能となる。
実施の形態の擁壁用コンクリートブロックを前面側及び背面側から見た斜視図である。 実施の形態の擁壁用コンクリートブロックが盛り土の土留めに使用されている様子及び複数の擁壁用コンクリートブロックが並べて配置された状態を示した説明図である。 実施の形態の擁壁用コンクリートブロック製造型枠の斜視図である。 実施の形態の傾斜底板成形板と成形基板を載置架台から取り外した状態で示した擁壁用コンクリートブロック製造型枠の斜視図である。 実施の形態の成形基板の斜視図である。 実施の形態の擁壁用コンクリートブロックの施工方法の説明図及び基板の変形例の概略図である。 実施の形態の基礎及び複数の擁壁用コンクリートブロックが並べて配置された状態の説明図である。 複数の擁壁用コンクリートブロックを連結部材で固定した状態及び杭が打ち込まれた状態の基礎の説明図である。 実施の形態の第2の実施の形態における擁壁用コンクリートブロックを前面側及び背面側から見た斜視図である。 実施の形態の第2の実施の形態における傾斜底板成形板の斜視図である。 実施の形態の第2の実施の形態における擁壁用コンクリートブロック製造型枠の斜視図である。 実施の形態の第2の実施の形態における擁壁用コンクリートブロックの施工方法の説明図である。 実施の形態の第2の実施の形態における連結補強部の説明図及び擁壁用コンクリートブロックとコンクリートの間に生じる隙間の説明図である。 実施の形態の変形例における擁壁用コンクリートブロックを前面側から見た斜視図及び形成された空間にコンクリートを充填した様子を示した説明図である。 実施の形態の変形例における擁壁用コンクリートブロックを前面側及び背面側から見た斜視図である。 実施の形態の変形例における擁壁用コンクリートブロックを背面側から見た斜視図及び形成された空間にコンクリートを充填した様子を示した説明図である。 実施の形態の変形例における擁壁用コンクリートブロックが盛り土の土留めに使用されている様子を示した説明図である。
以下、本発明擁壁用コンクリートブロック製造型枠を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
<1.擁壁用コンクリートブロックの構成>
まず、本実施の形態で製造される擁壁用コンクリートブロックの構成について添付図面を参照して説明する。
本発明擁壁用コンクリートブロックは、主に宅地造成工事等の土留め工事において擁壁を構築するために用いられるものである。
以下擁壁用コンクリートブロック1の説明にあっては、擁壁用コンクリートブロック1の表面方向を前方として、図1に示すように、前後上下左右の方向を示すものとする。前後上下左右の方向は、図2Aに示すような擁壁用コンクリートブロック1が設置される状態に基づくものである。但し、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
擁壁用コンクリートブロック1は、図2Bに示すように、土留めをするため左右に並べて配置される。擁壁用コンクリートブロック1は、図1A及び図1Bに示すように、前後方向を向く縦長の矩形の略平板状に形成された壁部2と、壁部2の背面の下部に連結されている傾斜底板部3と、壁部2の背面から傾斜底板部3の上面に跨がって肉厚に形成された補強リブ4とを有する。
壁部2は、両側面に嵌合凹部2aと嵌合凸部2bがそれぞれ形成されている。嵌合凹部2aと嵌合凸部2bは、図2Bに示すように、擁壁用コンクリートブロック1が並べられて設置される際に、隣り合う擁壁用コンクリートブロック1同士で、嵌合凹部2aと嵌合凸部2bが嵌合するように形成されている。
壁部2は、左右方向の幅が底面に近づくにつれて狭くなる略台形状に形成されている。壁部2は略台形状に形成されているが、視認したときに略長方形状に見える程度のものである。
壁部2の上縁の一辺の長さをL1と、下縁の一辺の長さをL2とすると、壁部2はL1がL2よりも長くなるように形成され、例えばL1が100cm、L2が90〜98cmに形成されている。なお、L1はL2よりも長ければ、上記長さに限られることはない。
また、壁面2の表面には様々な模様が形成されていてもよい。例えば、模様としては、縞模様、自然石模様、タイル模様、木目模様、煉瓦模様などが形成されていてもよい。壁面2の表面に模様が形成されることで、コンクリートの寒々とした地肌が模様により覆い隠され暖かい印象を与えることができる。従って、擁壁用コンクリートブロック1の美観の向上を図ることが可能となる。
傾斜底板部3は、図2Aに示すように、壁部2に対して角度θをもって一体に形成されている。当該角度θは105度になるように形成されている。即ち、擁壁用コンクリートブロック1は、壁部2と傾斜底板部3が互いに支え合う構造、いわゆるハイヒール型の形状(ハイヒール形状)となる。これにより、土留め前に擁壁用コンクリートブロック1を設置する際に安定性が増し、容易にその後の土留め等の施工を行うことができる。また施工後も安定した状態を保つことができ、擁壁用コンクリートブロック1の滑動、傾倒、沈降等を軽減、防止することができる。
傾斜底板部3は、図1Aに示すように、前縁の左右方向における幅Xが後縁の左右方向における幅Yよりも長い略台形状に形成されている。これは、複数の擁壁用コンクリートブロック1を並べる際に、多少傾斜が異なっても問題ないようにするためである。また、複数の擁壁用コンクリートブロック1を設置する際に、隣り合う擁壁用コンクリートブロック1の傾斜底板部3の間に一定の隙間が確保される。よって、図6Aに示すような傾斜底板部3と基礎80との間に形成される空間300に傾斜底板部3の側面から確実にコンクリート200を注入することができる。
補強リブ4は、図1B及び図2Bに示すように、所定部位に2つのテーパー孔4a、4bを有する。テーパー孔4a、4bは、複数の擁壁用コンクリートブロック1が並べられた際に、図2Bに示すように、連結部材90を連通して隣合う擁壁用コンクリートブロック1同士を連結するために用いられる。連結部材90としては、ワイヤロープ等が考えられる。
<2.擁壁用コンクリートブロック製造型枠の構造>
次に、上記のような擁壁用コンクリートブロック1の製造に用いるコンクリートブロック製造型枠10(擁壁用コンクリートブロック製造型枠)の構造について添付図面を参照して説明する。
コンクリートブロック製造型枠10は、図3に示すように、成形基板20と、傾斜底板成形板30と、載置架台40とを有する。
以下コンクリートブロック製造型枠10の説明にあっては、コンクリートブロック製造型枠10の傾斜底板成形板30の方向を前方として、図3に示すように、前後上下左右の方向を示すものとする。前後上下左右の方向性は、コンクリートブロック製造型枠10が設置される状態に基づくものである。但し、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
成形基板20は、図3乃至図5に示すように、擁壁成形基部21、天端部22、傾斜底板成形基部23、傾斜底板成形枠部24、補強リブ型枠部25、テーパーピン26a、26b、接合フック27を有する。成形基板20は、例えば鉄板で形成される。
擁壁成形基部21は、擁壁用コンクリートブロック1の壁部2の背面(補強リブ4の形成側)を成形する面とされる。
天端部22は、壁部2の上面(図2Aの設置状態で上端となる面)を成形する面とされる。天端部22の左右方向の幅をWL1、壁基部成形面部32の左右方向の幅をWL2とすると、WL1はWL2よりも長くなるように形成されている。WL1がWL2よりも長くなるように形成されているコンクリートブロック製造型枠10にコンクリート200を打設し凝固させることで、図1Aに示すような壁部2が略台形状のコンクリートブロック1を成形することができる。
傾斜底板形成基部23は、擁壁用コンクリートブロック1の傾斜底板3の上面(補強リブ4の形成側)を成形する面とされる。
傾斜底板成形基部23の周囲三方には、傾斜底板成形枠部24が形成されており、これにより傾斜底板3の両側面及び端面が成形される。傾斜底板成形枠部24は、後述する傾斜底板成形面部31が嵌合するように略台形状に形成されている。
壁部成形基部21から傾斜底板成形基部23にかけて補強リブ型枠部25が形成されている。
補強リブ型枠部25は、上述の擁壁用コンクリートブロック1における補強リブ4を成形する空間を形成している。補強リブ型枠部25内には、テーパーピン26a、26bが取り付けられている。テーパーピン26a、26bによって補強リブ4に図1Bのようなテーパー孔4a、4bが形成される。
接合フック27は、傾斜底板成形基部23の両側面の傾斜底板成形枠部24にそれぞれ形成されている。接合フック27の詳細については後述する。
成形基板20は、図3に示すように、載置架台40の上面に載置される。なお、本実施の形態においては成形基板20は、載置架台40から着脱可能に載置されているが、成形基板20は、載置架台40と一体として形成されていてもよい。
載置架台40は、図3又は図4に示すように、支持架41が箱状に組み付けられて形成されている。なお、支持架41による骨組みの形態は図示のものに限られない。また骨組みに代えて周囲を板状部材で覆うように形成してもよい。
載置架台40の上部両側には、側壁部42(第1の側壁部)、43(第2の側壁部)が設けられている。
側壁部42、43のそれぞれは、載置架台40の骨組みを形成している断面L字状の渡し部材44、44に対して、蝶番45で取り付けられており、図3のように側壁を形成する状態と、図4のように水平に開いた状態とで開閉可能とされている。このように開閉可能とすることで、嵌合凹部2a及び嵌合凸部2bを有する擁壁用コンクリートブロック1をコンクリートブロック製造型枠10から取り出すことができるようにしたものである。
側壁部42、43は、擁壁用コンクリートブロック1の壁部2の両側面を成形する面となる。上述のように壁部2の両側面には嵌合凹部2aと嵌合凸部2bが形成されている。嵌合凹部2aを形成するために、側壁部42には、凸部42aが形成されている。嵌合凸部2bを形成するために、側壁部43には凹部43aが形成されている。
図3に示すように、載置架台40上に成形基板20が載置され、側壁部42、43が閉じられていることで、擁壁用コンクリートブロック1の壁部2を成形する空間が形成されることになる。
載置架台40の上部には、成形基板20の天端部22と当接して、成形基板20の載置位置を規定する天端止め部46が形成されている。
天端止め部46から一段下がった位置に、成形基板20を載置するための基板載置部47が形成されている。
図3は載置架台40上に成形基板20が載置され、さらに傾斜底板成形板30とが取り付けられた状態を示している。
傾斜底板成形板30は、図4に示すように、傾斜底板成形面部31と、擁壁用コンクリートブロック1の底面部を成形する壁基部成形面部32と、ピン33とを有する。
傾斜底板成形面部31は、上端の長さが下端よりも長い略台形状に形成されている。傾斜底板成形板30は、傾斜底板成形面部31の内面が、成形基板20の傾斜底板成形基部23に対面するように取り付けられる。
ピン33は、傾斜底板成形板30の両側面にそれぞれ形成されている。ピン33が、成形基板20の接合フック27で係止されることで、傾斜底板成形部30が成形基板20に固定される。
傾斜底板成形板30が成形基板20に固定された状態で、図4に示した傾斜底板成形基部23、傾斜底板成形枠部24と、傾斜底板成形面部31によって、上述した図1A、1Bに示すような略台形状の傾斜底板3を成形する空間が形成される。
以上の説明からわかるように、本実施の形態のコンクリートブロック製造型枠は、図4のように載置架台40に成形基板20が載置され、成形基板20に傾斜底板成形板30が取り付けられることで、その内面側がコンクリート打設空間となる。このコンクリートブロック製造型枠にコンクリート200を打設し、その後凝固させたコンクリート200をコンクリートブロック製造型枠から取り出すことで、図1に示した形状の擁壁用コンクリートブロック1が成形される。
<3.擁壁用コンクリートブロックの施工方法>
次に、上記のようなコンクリートブロック製造型枠10(擁壁用コンクリートブロック製造型枠)を用いて成形された擁壁用コンクリートブロック1を設置するための施工方法について添付図面を参照して説明する。
擁壁用コンクリートブロック1の施工にあたっては、図6Aに示すように、基礎80を形成する(基礎形成工程)。基礎形成工程において、基礎80は、例えば地面100に溝を設け、当該溝に砕石を敷き詰めた後コンクリート200を打設することで形成される。基礎80は形成面が、図7Aに示すように、上方に凸となる円弧状になるように形成される。後述する設置工程において複数のコンクリートブロックの配列状態が上方に凸となる円弧状となるようにするためである。
なお、図7Aにおいては、説明の都合上、基礎80を極端な曲線で表現したが、実際の施工においては、基礎80は略直線と視認できるような穏やかな曲線を描くように形成されている。また基礎80には、凹部80a又は凸部80bを設けることも考えられる。例えば、図6Dで示すような壁部2の底面が嵌合する凹部80aや、図6Eで示すような壁部2の背面に接するような凸部80bを設けることで、擁壁用コンクリートブロック1を設置する際、容易に位置決めをすることが可能となる。
上述した基礎形成工程の後、図6B及び図7Bに示すように、上方に凸となる円弧状にに形成した基礎80上に複数の擁壁用コンクリートブロック1を並べて設置する(設置工程)。擁壁用コンクリートブロック1が並べられて設置される際に、隣り合う擁壁用コンクリートブロック1同士で、嵌合凹部2aと嵌合凸部2bが嵌合するように設置する。嵌合凹部2aと嵌合凸部2bが嵌合するように擁壁用コンクリートブロック1を設置することで、隣り合う擁壁用コンクリートブロック1同士の位置決めが容易となり、前後方向からの力による傾倒、滑動等を防止することができる。
複数の擁壁用コンクリートブロック1を並べて設置することで、図7Bに示すように、アーチ配列が形成される。
複数の擁壁用コンクリートブロック1が全体としてアーチ配列を形成することにより、隣り合う擁壁用コンクリートブロック1同士に圧縮力が働くため、盛り土101による上からの荷重に対して強固な構造となる。即ち、複数の擁壁用コンクリートブロック1の全体としての結合が強固になるため、地震等の災害によって、地面の強度が弱まった場合も擁壁用コンクリートブロック1が沈降等することを防止することができる。
また、擁壁用コンクリートブロック1を設置する際に、地盤が悪いときは、図8Bに示すように、基礎80を形成する前に地盤を補強するため杭60を地面100に打ち込むことになるが、擁壁用コンクリートブロック1の配列がアーチ構造を有することにより、配列した擁壁用コンクリートブロック1全体の構造が安定したものとなるため、本来必要な打ち込む杭60の本数よりも少ない本数で基礎80を形成することができる。例えば、各コンクリートブロックに対応して杭を打ち込む必要はなくなる。即ち、施工工程の効率化を図ることが可能となる。
なお、図7B、図8においては、説明の都合上、複数の擁壁用コンクリートブロック1が形成するアーチ配列を極端な曲線で表現したが、実際の施工においては、当該アーチ配列は略直線と視認できるような穏やかな曲線を描くように形成されている。
上述した設置工程の後、図8Aに示すように、複数の擁壁用コンクリートブロック1の有するテーパー孔4a、4bにワイヤーロープ等の連結部材90を連通して隣合う擁壁用コンクリートブロック1同士を連結する(連結工程)。各擁壁用コンクリートブロック1のテーパー孔4a、4bに連結部材90を連通させることで、擁壁用コンクリートブロック1同士の連結が強固なものとなる。
従って、施工時の擁壁用コンクリートブロック1の滑動や傾倒等による事故を未然に防止し安全な施工作業が可能となる。また、施工後も災害が起きたときに生じかねない二次災害や、老朽化による思わぬ事故等を防止することも可能となる。
なお、連結部材90は複数の擁壁用コンクリートブロック1の連結を一層強固にするために用いられるものであり、複数の擁壁用コンクリートブロック1の連結が確保することができる場合は、必ずしも必要なものではない。
上述した連結工程の後、配置した擁壁用コンクリートブロック1に対して、傾斜底板3の上面に盛り土101が置かれることで土留めをする。当該土留めがなされることで、擁壁用コンクリートブロック1の施工が完了する(盛り土工程)。
<4.擁壁用コンクリートブロックの施工方法の第2の実施の形態>
次に、図9乃至図13で擁壁用コンクリートブロックの施工方法の第2の実施の形態について説明する。図9乃至図13において図1乃至図8と同様の構成については、同一符号を付し、説明を省略する。
[5−1.擁壁用コンクリートブロックの構成]
上記した構成に加えて傾斜底板部3は、図9に示すように、傾斜底板部3の前端部に、上下方向に貫通する注入孔3a、3bを有する。注入孔3a、3bは、補強リブ4を挟んで対称に設けられており、図7Bに示すように擁壁用コンクリートブロック1を設置する際に、コンクリートを注入する孔である。補強リブ4を挟んで左右両方に注入孔3a、3bを設けることにより、コンクリート200の注入の際、空間300にコンクリート200が均等に行き渡る。
なお、本実施の形態においては、注入孔3a、3bは、補強リブ4を挟んで対称に位置しているが、必ずしも注入孔3a、3bの位置は補強リブ4を挟んで対称である必要はなく、コンクリートを注入できる位置に設けられていれば何れの位置でもよい。また、本実施の形態において注入孔は2つ設けられているが、注入孔の数は1つでもよいし、3つ以上であってもよい。
[5−2.擁壁用コンクリートブロック製造型枠の構造]
上記した構成に加えて傾斜底板成形板30の傾斜底板成形面部31には、図10に示すように、上部の左右両端に、補強リブ型枠部25を跨ぐように注入孔形成凸部31a、31bが形成されている。注入孔3a、3bを形成するために、傾斜底板成形面部31には、注入孔形成凸部31a、31bが形成されている。
なお、注入孔形成凸部31a、31bは、注入孔3a、3bの位置に応じて形成されている。また、本実施の形態においては、注入孔形成凸部31a、31bが傾斜底板成形面部31と一体となって形成されているが、注入孔形成凸部31a、31bは、傾斜底板成形面部31と別の取付け部材として形成されていてもよい。
以上の説明からわかるように、本実施の形態のコンクリートブロック製造型枠は、図11のように載置架台40に成形基板20が載置され、成形基板20に傾斜底板成形板30が取り付けられることで、その内面側がコンクリート打設空間となる。このコンクリートブロック製造型枠にコンクリート200を打設し、その後凝固させたコンクリート200をコンクリートブロック製造型枠から取り出すことで、図9に示した形状の注入孔3a、3bを有する擁壁用コンクリートブロック1が成形される。
[5−3.擁壁用コンクリートブロックの施工方法]
次に、上記のようなコンクリートブロック製造型枠10(擁壁用コンクリートブロック製造型枠)を用いて成形された擁壁用コンクリートブロック1を設置するための施工方法について添付図面を参照して説明する。
擁壁用コンクリートブロック1の施工にあたっては、図7Aに示すように、基礎80を略円弧状に盛り上がるように形成する(基礎形成工程)。その後、図7Bに示すように、略円弧状に形成した基礎80上に複数の擁壁用コンクリートブロック1を並べて設置する(設置工程)。このとき、図12Aに示すように、傾斜底板部3と基礎80との間に空間300が形成される。
第2の実施の形態における擁壁用コンクリートブロック1の施工にあたっては、図12Aに示すように、基礎80を作る基礎形成工程の際に、基礎80の表面から突出する補強部70を設ける。補強部70は例えば鉄筋である。なお、本実施の形態においては、補強部70は基礎80の表面から突出するものとされているが、図13Aに示すように、突出した複数の補強部70に連結補強部71を挿入してもよい。連結補強部71は例えば鉄筋である。連結補強部71を設けることで補強部70が設けられた基礎80とコンクリート200が強固に結合する。
また、連結補強部70として、図12に示すような鉄筋を例に挙げたが、鉄筋はメッシュ状(金網状)に形成されていてもよい。鉄筋メッシュ(溶接金網)を用いることで鉄筋をそれぞれ設置する手間が省かれ、施工工程を削減し、効率化することができる。また、鉄筋メッシュを用いることで配筋の乱れをなくすことができ、加工精度の向上を図ることができる。
上述した設置工程の後、図12Bに示すように、傾斜底板部3と基礎80との間に形成される空間300に傾斜底板部3の側面からコンクリート200を打設する(打設工程)。即ち、図7Bに示すように、複数の擁壁用コンクリートブロック1を設置する際に、隣り合う擁壁用コンクリートブロック1の傾斜底板部3の間に生じる隙間からコンクリート200を打設する。当該隙間は、傾斜底板部3が後縁を短辺とする略台形状に形成されているために生ずるものである。
基礎80に設けられた補強部70(鉄筋)が注入されるコンクリート200と一体化することでコンクリートの引っ張り強度を補うことができる。即ち、強度の高いコンクリート200が空間300に設けられたことで、擁壁用コンクリートブロック1の前後方向への滑動や傾倒等を防止することができる。なお、引っ張り強度とは、コンクリート等が一定方向に引っ張られたときに、断裂せずに耐える限界の強度をいう。
また、空間300に傾斜底板部3の側面からコンクリート200を打設することで、少なくとも傾斜底板部3の両側面を隙間なくコンクリート200で充填することができる。即ち、擁壁用コンクリートブロック1の左右方向の両端がコンクリート200により補強されることになり、擁壁用コンクリートブロック1の安定性が強固なものとなる。また側面からコンクリート200を打設することにより、視認しながらコンクリート200を打設することができる。即ち、コンクリート200が十分に打設されたかを容易に視認することができる。
また上述した打設工程の際、図12Cに示すように、注入孔3a、3bからコンクリート200を注入する。擁壁用コンクリートブロック1の側面からだけでなく、注入孔3a、3bからもコンクリート200を打設することで、側面から打設しきれなかった空間にもコンクリート200を確実に打設することができる。また、補強部70である鉄筋が隠れるようにコンクリート200を注入することが容易になる。即ち、鉄筋について十分なかぶり厚をとることができ、鉄筋を酸化から守ることができる。これは、特に海が近い地域での鉄筋の塩害(塩による構造物への被害)を防止することができる点で実益がある。
上述した打設工程の後、図12Dに示すように、空間300にコンクリート200を充填し凝固させる。その後、配置した擁壁用コンクリートブロック1に対して、傾斜底板3の上面に盛り土101が置かれることで土留めがなされることで、擁壁用コンクリートブロック1の施工が完了する(盛り土工程)。
なお、擁壁用コンクリートブロック1の成形後にあらかじめ、図13Bに示すように、充填したコンクリート200の表面と傾斜底板部3の底面に隙間400を設け、傾斜底板部3の底面に固着防止剤を塗布することも考えられる(固着防止工程)。コンクリート200と傾斜底板部3が固着するのを防止することで、擁壁用コンクリートブロック1はコンクリートブロック200及び基礎80とは別個に動くことが可能となる。これにより、地震等により地面100及び基礎80が振動した場合に、擁壁用コンクリートブロック1が基礎80と一体となって振動することがなくなり、擁壁用コンクリートブロック1の前後方向にかかる力を受け流すことができ、擁壁用コンクリートブロック1の傾倒等を防止することができる。
また擁壁用コンクリートブロック1が基礎80と一体とならずに別々に振動したとしても、擁壁用コンクリートブロック1は上述したようなハイヒール形状(図2A参照)を有するため、地震の上下振動により擁壁用コンクリートブロック1が浮いてしまった場合も、擁壁用コンクリートブロック1の三角形状の底面にコンクリートブロック200が嵌合することで、元の位置に戻すことができる。従って、ハイヒール形状を有する擁壁用コンクリートブロック1の底面にコンクリート200が固着しないように設置することで、擁壁の耐震性を向上させることができる。
<5.変形例>
続いて、擁壁用コンクリートブロック1の変形例について説明する。図14乃至図17において図1乃至図13と同様の構成については、同一符号を付し、説明を省略する。
擁壁用コンクリートブロック1は、図14A及び図14Bに示すように、傾斜底板部3の両側面に切込部3cを有していてもよい。切込部3cは切口が球面上に形成されている。
擁壁用コンクリートブロック1を施工する際に、第一打設工程において、切込部3cを介してコンクリート200を空間300に打設する。切込部3cの切口が球面上に形成されていることで、コンクリート打設用ホースを容易に空間300に挿入することが可能となり、より確実に空間300にコンクリート200を充填させることができる。
なお、本実施の形態において、切込部3cは傾斜底板部3の両側面に設けられているが、切込部はコンクリート200が空間300に注入できればどのような態様に設けられていてもよく、切込部3cは片方の側面のみに設けられてもよいし、両側面に2つ以上設けられていてもよい。また、切込部3cの形状についても、コンクリート200が空間300に注入できれば、図15A及び図15Bに示すような傾斜底板部3を上下方向に貫通するように切り込んだ円弧状の切口であってもよいし、矩形状や三角形状の切口であってもよい。
擁壁用コンクリートブロック1は、図16A及び図16Bに示すように、傾斜底板部3の切込部3cが設けられることにより薄くなった部分の強度が不十分である場合、上部に厚みを設けることとしてもよい。これにより、切込部3cを設けることにより薄くなった部分の強度を補うことができる。即ち、側面からコンクリート200を充填できるという利便性を確保しつつ、擁壁用コンクリートブロック1の強度を保つことができる。
傾斜底板3の底面には、図17に示すように側面からみて三角波状の複数の凹凸部3dが所定のピッチで形成されていてもよい。凹凸部3dは、図17に示すように、凹凸によりできる溝の深さhが傾斜底板部3の厚さHの半分よりも浅いものとなるように形成されている。
これにより、傾斜底板部3の凹部が形成された部分にもコンクリートの一定の厚さが保たれる。即ち、傾斜底板部3自体の強度を維持しつつ、凹凸部3dと土とのかみ合わせを強固にすることで、擁壁用コンクリートブロック1の強度の一層の向上を図ることができる。
傾斜底板3の先端部は、擁壁用コンクリートブロック1を設置する際に壁部2の底面よりも下部に位置するように形成されている。これにより、土留めの際に傾斜底板部3の上面と盛り土の接触面積を増加させ、土と凹凸部のかみ合わせがより一層強固になる。
なお、凹凸部3aにおける所定のピッチは、均等なピッチで凹凸が形成されているが、凹凸が確認できれば凹凸の幅は均等であるものに限られず、不規則であってもよい。
<5.まとめ>
以上の実施の形態では、次のような効果が得られる。実施の形態の擁壁用コンクリートブロック施工方法は、図1乃至図17に示したような構成を採る。
本発明に係る擁壁用コンクリートブロック施工方法は、壁部2と壁部2の下部に連続する傾斜底板部3を備え、壁部2は、下縁の幅が上縁の幅よりも短い略台形状に形成された擁壁用コンクリートブロック1を、複数、並べて配列するとともに、隣接する擁壁用コンクリートブロック1同士では、それぞれの壁部2の側縁が当接した状態とすることで、複数の擁壁用コンクリートブロック1の配列状態が上方に凸となる円弧状となるようにしたものである。
略台形状に形成された擁壁用コンクリートブロック1を、それぞれの壁部2の側縁が当接した状態となるように配列することで、複数の擁壁用コンクリートブロック1が全体としてアーチ構造を形成する。
従って、本発明によれば、複数の擁壁用コンクリートブロック1が全体としてアーチ構造を形成することにより、隣り合う擁壁用コンクリートブロック1同士に圧縮力が働くため、盛り土101による上からの荷重に対して強固な構造となる。即ち、複数の擁壁用コンクリートブロック1の全体としての結合が強固になるため、地震等の災害によって、地面の強度が弱まった場合も擁壁用コンクリートブロック1が沈降等することを防止することができる。
また、擁壁用コンクリートブロック1する際に、地盤が悪いときは、基礎80を形成する前に地盤を補強するため杭60を地面100に打ち込むことになるが、擁壁用コンクリートブロック1の配列がアーチ構造を有することにより、配列した擁壁用コンクリートブロック1全体の構造が安定したものとなるため、本来必要な打ち込む杭60の本数よりも少ない本数で基礎80を形成することができる。即ち、施工工程の効率化を図ることが可能となる
また擁壁用コンクリートブロック施工方法は、予め基礎80を設ける基礎形成工程を有し、擁壁用コンクリートブロック1は、基礎形成工程で設けられた基礎80に壁部2が載置された状態で配列されることが考えられる。
基礎80上に擁壁用コンクリートブロック1を載置することで地盤が悪い土地であっても、安定して擁壁用コンクリートブロック1を載置することができる。
また擁壁用コンクリートブロック施工方法は、擁壁用コンクリートブロック1は壁部2から傾斜底板部3にかけてテーパー孔4a、4bが形成された補強リブ4を備え、テーパー孔4a、4bに連結部材90を連通することで複数の擁壁用コンクリートブロック1を連結する工程を更に有することが考えられる。
各擁壁用コンクリートブロック1のテーパー孔4a、4bに連結部材90を連通させることで、擁壁用コンクリートブロック1同士の連結が強固なものとなる。
従って、施工時の擁壁用コンクリートブロック1の滑動や傾倒等による事故を未然に防止し安全な施工作業が可能となる。また、施工後も災害が起きたときに生じかねない二次災害や、老朽化による思わぬ事故等を防止することも可能となる。
また擁壁用コンクリートブロック施工方法は、壁部2の両側面に嵌合凹部2aと嵌合凸部2bが形成され、隣り合う擁壁用コンクリートブロック1の嵌合凹部2aと嵌合凸部2bが嵌合するように複数の擁壁用コンクリートブロック1を配列することが考えられる。
隣り合う擁壁用コンクリートブロック1の嵌合凹部2aと嵌合凸部2bを嵌合させて複数の擁壁用コンクリートブロック1を設置することで、擁壁用コンクリートブロック1同士の連結がより強固なものとなる。
従って、並べられた複数の擁壁用コンクリートブロック1間の連結が強固なものとなり、設置された擁壁用コンクリートブロック全体としての安定性を向上させることができる。また、嵌合凹部2aと嵌合凸部2bが嵌合するように擁壁用コンクリートブロック1を設置することで、隣り合う擁壁用コンクリートブロック1同士の位置決めが容易となり、前後方向からの力による傾倒、滑動等を防止することができる。
また擁壁用コンクリートブロック施工方法は、基礎形成工程において、基礎2に載置した擁壁用コンクリートブロック1の傾斜底板部3の下方に形成された空間300にコンクリート200を打設する工程を更に有することが考えられる。
基礎2に載置した擁壁用コンクリートブロック1の傾斜底板部3の下方に形成された空間300にコンクリート200を打設することにより、傾斜底板部3と基礎80との間に形成される空間300にコンクリート200が十分に充填される。
従って、傾斜底板部3の側面からコンクリート200を打設することで、少なくとも傾斜底板部3の両側面側の下方は確実にコンクリート200で充填することができる。即ち、擁壁用コンクリートブロック1の左右方向の両端がコンクリート200により補強されることになり、擁壁用コンクリートブロック1の安定性が強固なものとなる。また側面からコンクリート200を打設することにより、視認しながらコンクリート200を打設することができる。即ち、コンクリート200が十分に打設されたかを容易に視認することができ、より確実に擁壁用コンクリートブロック1の両端にコンクリート200を打設することができる。
また、擁壁用コンクリートブロック1の側面からだけでなく、注入孔3a、3bからもコンクリート200を打設することで、側面から打設しきれなかった空間300にもコンクリート200を確実に打設することができる。基礎80が補強部70である鉄筋を有する場合、当該鉄筋にコンクリートのかぶせが不十分であると、鉄筋が酸化してしまい、コンクリート200の強度が著しく低下することになる。よって、上述のようにより確実にコンクリート200を打設することで、鉄筋について十分なかぶり厚をとることができ、鉄筋を酸化から守ることができる。これは、特に海が近い地域での鉄筋の塩害(塩による構造物への被害)を防止することができる点で実益がある。なお、かぶり厚とは、鉄筋からコンクリート200の表面までの最短距離のことを指す。
また擁壁用コンクリートブロック施工方法は、基礎形成工程において、基礎2の上面から突出する補強部70を設けることが考えられる。
傾斜底板部3と基礎80との間に形成される空間300にコンクリート200を打設することにより、基礎80の表面に形成された補強部70とコンクリート200が結合する。
従って、突出する補強部70を有することで、基礎80とコンクリート200の接触面積が増加するためコンクリート200と基礎80をより強固に一体化することができる。即ち、擁壁用コンクリートブロック1の底面がコンクリート200に勘合することで、前後方向への滑動や傾倒等を未然に防止することができる。
また、コンクリート200に補強部70を設けることで、コンクリート200の引っ張り強度を補い、より強固な結合を図ることができる。
さらに、コンクリート200が乾燥や、収縮で割れるのを防止することができるため、擁壁用コンクリートブロック1を基礎80にコンクリート200を介してより強固に固定することができる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
1…擁壁用コンクリートブロック、2…壁部、2a…嵌合凹部、2b…嵌合凸部、3…傾斜底板部、3a、3b…注入孔、3c…補強部、4…補強リブ、4a、4b…テーパー孔、70…補強部、80…基礎、90…連結部材、101…盛り土、200…コンクリート、300…空間
本発明に係る擁壁用コンクリートブロック施工方法は、予め基礎を設ける基礎形成工程と、前記基礎形成工程で設けられた前記基礎に擁壁用コンクリートブロックを設置する設置工程とを有し、前記基礎形成工程では、上方に突出するように湾曲した形状の前記基礎に形成し、前記設置工程では、壁部と前記壁部の下部から延長された傾斜底板部を備え、前記壁部は、下縁の幅が上縁の幅よりも短い略台形状に形成された前記擁壁用コンクリートブロックを、前記基礎に前記壁部が載置された状態で、複数、並べて配列するとともに、隣接する前記擁壁用コンクリートブロック同士では、それぞれの前記壁部の側縁が当接した状態とすることで、複数の前記擁壁用コンクリートブロックの配列状態が上方に突出するように湾曲した形状となるようにしたものである。
略台形状に形成された擁壁用コンクリートブロックを、それぞれの壁部の側縁が当接した状態となるように配列することで、複数の擁壁用コンクリートブロックが全体としてアーチ構造を形成する。
また、基礎の上に擁壁用コンクリートブロックを載置することで地盤が悪い土地であっても、安定して擁壁用コンクリートブロックを載置することができる。
上記した擁壁用コンクリートブロック施工方法は前記基礎に載置した前記擁壁用コンクリートブロックの前記傾斜底板部の下方に形成された空間にコンクリートを打設する打設工程を更に有することが考えられる。
基礎に載置した擁壁用コンクリートブロックの傾斜底板部の下方に形成された空間にコンクリートを打設することにより、傾斜底板部と基礎との間に形成される空間にコンクリートが十分に充填される。
上記した擁壁用コンクリートブロック施工方法は、前記基礎形成工程において、前記基礎の上面から突出する補強部を設け、前記打設工程において、前記コンクリートに前記補強部が埋設されるようにしたことが考えられる。
傾斜底板部と基礎との間に形成される空間にコンクリートを打設することにより、基礎の表面に形成された補強部とコンクリートが結合する。

Claims (6)

  1. 壁部と前記壁部の下部に連続する傾斜底板部を備え、前記壁部は、下縁の幅が上縁の幅よりも短い略台形状に形成された擁壁用コンクリートブロックを、複数、並べて配列するとともに、
    隣接する前記擁壁用コンクリートブロック同士では、それぞれの前記壁部の側縁が当接した状態とすることで、複数の前記擁壁用コンクリートブロックの配列状態が上方に凸となる円弧状となるようにした
    擁壁用コンクリートブロック施工方法。
  2. 予め基礎を設ける基礎形成工程を有し、
    前記擁壁用コンクリートブロックは、前記基礎形成工程で設けられた前記基礎に前記壁部が載置された状態で配列される
    請求項1に記載の擁壁用コンクリートブロック施工方法。
  3. 前記擁壁用コンクリートブロックは前記壁部から前記傾斜底板部にかけてテーパー孔が形成された補強リブを備え、
    前記テーパー孔に連結部材を連通することで複数の前記擁壁用コンクリートブロックを連結する工程を更に有する
    請求項1又は請求項2に記載の擁壁用コンクリートブロック施工方法。
  4. 前記壁部の両側面に嵌合凹部と嵌合凸部が形成され、
    隣り合う前記擁壁用コンクリートブロックの前記嵌合凹部と前記嵌合凸部が嵌合するように複数の前記擁壁用コンクリートブロックを配列する
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の擁壁用コンクリートブロック施工方法。
  5. 前記基礎形成工程において、前記基礎に載置した前記擁壁用コンクリートブロックの前記傾斜底板部の下方に形成された空間にコンクリートを打設する工程を更に有する
    請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の擁壁用コンクリートブロック施工方法。
  6. 前記基礎形成工程において、前記基礎の上面から突出する補強部を設ける
    請求項5に記載の擁壁用コンクリートブロック施工方法。
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