JP2017150206A - 脱着式除雪機 - Google Patents
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Abstract
Description
このような専用車両は、降雪量の多い地方に配備されていることが一般的である。
[1]降雪量の多い地方と同じように、専用の除雪車両を予め配備しておく、
あるいは、
[2]必要時に除雪車両をレンタル業者からレンタルする、
等の対策が考えられる。
しかし、前記[1]の対策では、前記専用車両の製造コストが高いため、一定以上の稼働率が見込めない少雪地方での配備に難がある、という問題がある。
また、前記[2]の対策では、降雪日に限って、集中的に多くのレンタル注文が入ることが予想され、レンタル業者は多くの専用車両を確保しなければならない一方で、降雪日以外はこれらが全て待機在庫となり、稼働率が下がるため効率が悪い、という問題があった。
この着想によれば、既存の重機を流用できるため、専用車両の導入も不要であるため、コストの低減が期待できる。
(1)上下方向に対する自由度の確保。
除雪装置を走行面(地面や軌道など)の不陸や勾配などに追従させるために、アームと除雪装置との間で上下方向への自由度を持たせる必要がある。
(2)左右方向に対する自由度の確保。
軌道のカントに除雪装置を追従させたり、雪からの反力で除雪装置等の破壊を防止したりするために、アームと除雪装置との間で左右方向への除雪装置の自由度を持たせる必要がある。
(3)前後方向に対する自由度の確保。
除雪作業時に除雪装置が受ける力がそのまま重機のアームまで伝達されてアームの破壊に繋がらないよう、アームと除雪装置との間において前後方向に自由度を持たせる必要がある。
(4)クリアランスの調整。
走行面の不陸や勾配に応じて、除雪装置とレールとの間のクリアランスを調整自在とする必要がある。
また、本願の第2発明は、前記第1発明に記載の脱着式除雪機であって、前記取付具は、アタッチメント、スライドフレームおよびメインフレームを少なくとも具備し、前記アタッチメントは、前記アームと前記メインフレームとを、前記アームの前進移動によって前記メインフレームを牽引動作するように接続し、前記スライドフレームは、前記アタッチメントに対して、所定の範囲内で、前後方向および左右方向に相対移動自在に接続し、前記メインフレームは、前記除雪装置と接続し、かつ、前記スライドフレームに対して、上下方向に相対移動自在に接続してあることを特徴とするものである。
また、本願の第3発明は、前記第2発明に記載の脱着式除雪機であって、前記アタッチメントと前記メインフレームとの間をワイヤ接続とし、前記アタッチメント側のワイヤ接続部を、前記メインフレーム側のワイヤ接続部よりも前方に配置してあることを特徴とするものである。
また、本願の第4発明は、前記第2または第3発明に記載の脱着式除雪機であって、前記アタッチメントが、前記スライドフレームに収容するシャフト、を有し、前記スライドフレームが、前記シャフトを前後方向から把持可能であり、前後方向および左右方向への移動長を調整可能とする、把持部と、を有する、ことを特徴とするものである。
また、本願の第5発明は、前記第4発明に記載の脱着式除雪機であって、前記把持部を、上下方向及び左右方向に間隔を設けて計四箇所配置してあることを特徴とするものである。
また、本願の第6発明は、前記第2乃至第4発明のうち何れか1つの発明に記載の脱着式除雪機であって、前記アタッチメントが、前記スライドフレームに設けて、前記メインフレームとの間で上下方向への弾性変形を許容する、弾性変形部と、を有する、ことを特徴とするものである。
また、本願の第7発明は、前記第6発明に記載の脱着式除雪機であって、前記弾性変形部を、前記スライドフレームの両側面にそれぞれ配置してあることを特徴とするものである。
(1)走行面の不陸等に対する追従性が向上する。
除雪装置とアームとの間を、取付具でもって上下方向および左右方向に相対移動可能に構成することで、走行面の不陸や勾配等に追従することができる。
(2)雪からの反力に対する追従性が向上する。
除雪装置とアームとの間を、取付具でもって、三次元的に相対移動可能に構成することで、雪からの反力に対して適切な緩衝機能を発揮することができる。
(3)クリアランスの微調整が可能となる。
取付具に対して、さらに除雪装置自体の相対位置を変更可能に構成することで、走行面と除雪装置との間のクリアランス等を微調整することができる。
図1は、本発明に係る脱着式除雪機を軌陸用重機に取り付けた軌道用除雪車両の全体を示す概略側面図である。
図1に示すように、本発明に係る軌道用除雪車両は、主として軌陸用重機Aと、除雪装置Bと、取付具Cと、からなる。
以下、各構成要素の詳細について説明する。
軌陸用重機Aは、軌道上で除雪装置を移動するための装置である。
本発明では、軌陸用重機Aを、アームA1を備えた公知の装置を用いるものとする。
本実施例では、軌陸用重機Aに、アームA1の先端からバケットを取り外した状態の軌陸用バックホウを用いている。
軌陸用重機Aは、通常備えているアームA1の先端への油圧供給手段を用いて除雪装置Bの駆動源として使用することもできる。
除雪装置Bは、走行路上の雪を除去するための装置である。
除雪装置Bは、公知の除雪装置を用いることができる。
本実施例における除雪装置Bは、雪を掻き込むオーガB1と、掻き込んだ雪を排出するシュートB2と、を備えた除雪装置を用いている。
なお、除雪装置Bは、駆動源を装備して単独で駆動可能に構成してもよいし、別途軌陸用重機Aから油圧供給を受けて駆動可能に構成してもよい。
その他、除雪装置Bには、以下の各手段を設けておいてもよい。
前記オーガB1を左右方向軸回り(ピッチ)、上下方向軸回り(ヨー)、前後方向軸回り(ロール)のうち、少なくとも何れかの軸回りで旋回可能な手段を設けることができる。
本実施例では、図1に示すように、取付具Cに接続したハンドルB3を介して、オーガB1を左右方向軸回り(ピッチ)に旋回可能に構成している。
前記オーガB1の下端に取り付けて、オーガB1が軌道に接触することを防止する手段を設けることができる。
本実施例では、図1に示すように、弾性材で構成した緩衝体B4を、除雪装置Bの下端に設置して緩衝手段としている。
前記オーガB1を、上下方向、左右方向、前後方向のうち、少なくとも何れかの方向にスライド可能な手段を設けることができる(図示せず)。
図2は、取付具周辺の概略平面図である。
取付具は、前記軌陸用重機に、前記除雪装置を取り付けるための介在部材である。
本実施例に係る取付具Cは、大別して、アタッチメントC1と、スライドフレームC2と、メインフレームC3と、からなる。
以下、各部材の概要とこれらの接続関係について説明する。
図3は、アタッチメントの構造を示す概略図である。
アタッチメントC3は、前記アームとの接続部分として機能するための部材である。
アタッチメントC3は、アームA1との取付機構を有する基部10と、前記基部10と結合し、前記スライドフレーム20内に収容されるシャフト20と、前記基部11から下側に伸びるブラケット30と、を少なくとも具備する。
基部10は、前記アームA1との取付機構の本体部分として機能する部材である。
基部10の上部には、固定ピンを挿入可能な、前記アームA1との取付孔11を設けている。
基部10の前方には、略水平方向に伸びる一対のプレート12を、上下方向に間隔を設けて二箇所配置している。この一対のプレート12間を架け渡すように、シャフト20を結合する。
シャフト20は、左右方向に間隔を設けて二箇所設けている。
前記シャフト20は、上下方向に独立した上軸部21と下軸部22とに分かれており、上軸部21および下軸部22は、それぞれ前記各一対のプレート12に接続されている。
そして、前記上軸部21および下軸部22は、それぞれ前記スライドフレームC2へと収容するように構成する。
図4は、アタッチメントC1とスライドフレームC2との接続関係を示した概略断面図である。
アタッチメントC1の上軸部21は、ネジによる締結機構でもってその全長を伸縮可能に構成している。
この上軸部21をスライドフレーム内へと収容した状態を図4に示す。
図4(a)は、通常状態を示す図である。上軸部21は、その全長を縮めて、スライドフレームC2の内部に余空間Dを設けた状態であり、余空間Dの分だけ、上軸部21がスライドフレーム20内を上下方向に相対移動自在となる状態を呈している。
なお、必要に応じて、図4(b)のように、上軸部21の全長を伸ばして、スライドフレーム20内を突っ張り棒のように押圧することで、スライドフレームC2に対してアタッチメントC1が固定された状態とすることもできる。
再度、図3を参照する。
ブラケット30は、アタッチメントC1と、メインフレームC3とを連結する際において、アタッチメントC1側の連結部を構成する部材である。
本実施例では、ブラケット30に二箇所の貫通孔31を設け、この貫通孔31にそれぞれワイヤ32の前端を挿通して固定可能に構成している。
図5は、スライドフレームの構造を示す概略図である。
スライドフレームC2は、前記アタッチメントC1に対して、所定の範囲内で、前後方向および左右方向に相対移動可能に機能するための部材である。
図5に示すスライドフレームC2は、大別して、本体部40と、把持部50と、弾性変形部60と、から構成している。
本体部40は、前記アタッチメントと接続するための部材である。
本体部は、例えば、空洞からなる内部空間41を設けておく。
内部空間41は、前記アタッチメントC1のシャフト20を差し入れて収容可能とするための部材である。
内部空間41は、前記本体部40を構成する前壁および後壁と、該前後壁を繋ぐ側壁とで覆った空間によって形成することができる。
把持部50は、前記内部空間41内での、前記シャフト20の前後左右の相対移動長を制御するための部材である。
把持部50は、前記本体部40を構成する前壁および後壁に対し、それぞれ前記シャフト20に対応する位置に設けたクランプ51によって構成することができる。
前記内部空間41内で前記クランプ51の締付けや開放を行うことで、前記シャフト20を把持して固定したり、前記シャフトの前後左右の相対移動長を任意の幅に調整したりすることができる。
図6は、把持部の動作イメージを示す一部断面図である。
また、把持部50は、前記シャフト20の上軸部21、下軸部22と対応するように上下左右方向に間隔を設けて四箇所設置されている。
そこで、各把持部50の前記シャフト20の前後左右の相対移動長を個別に調整することで、アームA1に対するスライドフレームC2の左右方向軸回り(ピッチ)、および上下方向軸回り(ヨー)の許容幅を設定することができる。
弾性変形部60は、前記スライドフレームC2に対して、前記メインフレームC3を上下方向に相対移動可能とするための部材である。
弾性変形部60は、スプリングや油圧ダンパーなどの弾性部材61から構成する。
本実施例では、弾性部材61の上端は、前記スライドフレームC2の本体部の側面から張り出した鍔部42と接する状態であり、弾性部材61の下端は前記メインフレームへと接する状態である。
図7は、弾性変形部の構造を示す一部断面図である。
弾性部材61は、本体部40の左右側面に配置され、計二箇所配置されている。
それぞれの弾性部材61の変形量の差異によって、スライドフレームC2に対するメインフレームC3の前後方向軸回り(ロール)に対する姿勢制御が可能となる。
また、除雪装置Bに対して、アームA1に対するスライドフレームの左右方向軸回り(ピッチ)に対する姿勢制御も可能である
メインフレームC3は、前記除雪装置C2との接続部として機能するための部材である。
図8は、メインフレームの構造を示す概略図である。
図8に係るメインフレームは、大別して、底部70と、側部80および骨組み部90と、から構成している。
底部70は、メインフレームC3の底部分を構成する部材である。
底部70は、メインフレームC3の下面を構成する部材の後端において、前記鋼板の平面方向と直交するように立設してある接続プレート71と、軌道と接する接触部72と、から構成することができる。
接続プレート71は、前記アタッチメントC1と前記メインフレームC3とを接続するための部材である。
接続プレート71には、該接続プレート71よりも前方に位置する前記アタッチメントC1のブラケット30から伸びるワイヤ32の他端を接続する。
なお、ワイヤ32の延伸方向は、取付具Cを軌道上に設置して除雪作業が開始できる状態において、略水平方向となるように構成しておくことが望ましい。
このワイヤ32による接続によって、前記メインフレームC3は、アームA1の前進によって、前記アタッチメントC1によって牽引されて前進するように動作する。
接触部72は、取付具全体を走行面に載せるための部材である。
本実施例では、接触部72を、前記底部70に四箇所設けた軌陸用車輪で構成し、軌道上を走行可能としている。
接触部72は、前記軌陸用車輪による四輪での走行形式での走行のほかにも、一般形状の車輪を配置したものや、左右方向に連続する長手状のローラを前後方向に複数配置した態様や、そり形状によって前記軌道上を滑走する態様など、種々の形状を採用することができる。
側部80は、前記メインフレームC3を前記スライドフレームC2と接続するための部材である。
側部80は、前記底部70の左右側面から、底部70の平面方向と直交するように立設し、内側を開口してある略箱形状を呈している。
側部80の内部には、スライドフレームの側部に設けた弾性変形部を収容する。
その他にも、側部80には、弾性変形部60の弾性変形を規制するように、スライドフレームC2とメインフレームC3とを固定する固定部を設けておくこともできる。
骨組み部90は、前記メインフレームC3の剛性を確保するための部材である。
骨組み部90の形状、構造は特段限定せず、任意の形状を採用することができる。本実施例では、骨組み部90を、底部70から鉛直に伸びる縦材と、前記支柱部の上端側から、後方に伸びて前記側部の前面に接続する横材と、を、左右方向に間隔を設けて一組配置して構成している。
前記した各構成要素の接続関係に基づく、軌道用除雪車両の作動例について、再度各図面を参照しながら説明する。
図5(a)に示すように、アタッチメントC1と、スライドフレームC2との間の固定関係は、前後側全て緩めておく。
また、図5(b)に示すように、スライドフレームC2とメインフレームC3との間も、弾性変形部60を介して、上下方向に相対移動自在な状態としておく。
軌道用除雪車両でもって除雪を開始する際には、アームA1の動作によって取付具Cを前記軌道上に載置する。
取付具Cを軌道に乗せると、アタッチメントC1やスライドフレームC2の自重により、弾性変形部60は圧縮して縮んだ状態を呈する。
この状態で、図8に示すように、前記アタッチメントC1と前記メインフレームC3を繋ぐワイヤ32が、略水平方向を呈するようにしておくと、牽引効率が良くなる点で好ましい。
前記軌道用除雪車両が前進をはじめると、アームA1と固定されているアタッチメントC1に牽引される形で、前記メインフレームC3および前記除雪装置Bが前進をはじめる。
この牽引状態において、前記アタッチメントC1のシャフト20は、前記スライドフレームC2の内部空間41内で、前記把持部50で規制された範囲で前後方向および左右方向に相対移動自在な状態を呈する。
また、前記スライドフレームC2の弾性変形部60により、前記メインフレームC3は、前記スライドフレームC2、ひいては前記アタッチメントC1に対して、上下方向に相対移動自在な状態を呈する。
上記の状態を維持することで、軌道の不陸やカント、勾配の変化に対しても、取付具がアームとの間で適切な姿勢制御を行うことができる。
軌道上に積もった雪を、軌道用除雪車両が掻き込みはじめると、前方の除雪装置Bは、雪から反力を受ける状態となる。
この反力の向きは、積雪の状態や、軌道の向きなどによって様々である。
しかし、前記した取付具Cによれば、前記アームA1と前記除雪装置Bとの間を、所定の範囲内で三次元的に相対移動可能とすることで、前記反力を取付具Cで緩衝し、適切な姿勢制御を行うことができる。
よって、雪からの反力による一部の部材への応力集中を抑止して、軌道用除雪車両の故障を防止することができる。
本発明に係る脱着式除雪機は、軌道用の除雪用途に限らず、その他の重機に取り付けて、その他の場所でも使用可能な除雪車を構成するために用いることもできる。
このとき、取付具Cの接触部72を走行面上で移動可能な状態で除雪作業を行っても良いし、前記接触部72の有無を問わず、取付具Cを走行面から浮かせた状態で除雪作業を行っても良い。
B 除雪装置
B1 オーガ
B2 シュート
B3 緩衝体
B4 ハンドル
C 取付具
C1 アタッチメント
C2 スライドフレーム
C3 メインフレーム
D 余空間
10 基部
11 取付孔
12 プレート
20 シャフト
21 上軸部
22 下軸部
30 ブラケット
31 貫通孔
32 ワイヤ
40 本体部
41 内部空間
42 鍔部
50 把持部
51 クランプ
60 弾性変形部
61 弾性部材
70 底部
71 接続プレート
72 接触部
80 側部
90 骨組み部
このような専用車両は、降雪量の多い地方に配備されていることが一般的である。
[1]降雪量の多い地方と同じように、専用の除雪車両を予め配備しておく、
あるいは、
[2]必要時に除雪車両をレンタル業者からレンタルする、
等の対策が考えられる。
しかし、前記[1]の対策では、前記専用車両の製造コストが高いため、一定以上の稼働率が見込めない少雪地方での配備に難がある、という問題がある。
また、前記[2]の対策では、降雪日に限って、集中的に多くのレンタル注文が入ることが予想され、レンタル業者は多くの専用車両を確保しなければならない一方で、降雪日以外はこれらが全て待機在庫となり、稼働率が下がるため効率が悪い、という問題があった。
この着想によれば、既存の重機を流用できるため、専用車両の導入も不要であるため、コストの低減が期待できる。
(1)上下方向に対する自由度の確保。
除雪装置を走行面(地面や軌道など)の不陸や勾配などに追従させるために、アームと除雪装置との間で上下方向への自由度を持たせる必要がある。
(2)左右方向に対する自由度の確保。
軌道のカントに除雪装置を追従させたり、雪からの反力で除雪装置等の破壊を防止したりするために、アームと除雪装置との間で左右方向への除雪装置の自由度を持たせる必要がある。
(3)前後方向に対する自由度の確保。
除雪作業時に除雪装置が受ける力がそのまま重機のアームまで伝達されてアームの破壊に繋がらないよう、アームと除雪装置との間において前後方向に自由度を持たせる必要がある。
(4)クリアランスの調整。
走行面の不陸や勾配に応じて、除雪装置とレールとの間のクリアランスを調整自在とする必要がある。
また、本願の第2発明は、前記第1発明に記載の脱着式除雪機であって、前記取付具は、アタッチメント、スライドフレームおよびメインフレームを少なくとも具備し、前記アタッチメントは、前記アームと前記メインフレームとを、前記アームの前進移動によって前記メインフレームを牽引動作するように接続し、前記スライドフレームは、前記アタッチメントに対して、所定の範囲内で、前後方向および左右方向に相対移動自在に接続し、前記メインフレームは、前記除雪装置と接続し、かつ、前記スライドフレームに対して、上下方向に相対移動自在に接続してあることを特徴とするものである。
また、本願の第3発明は、前記第2発明に記載の脱着式除雪機であって、前記アタッチメントと前記メインフレームとの間をワイヤ接続とし、前記アタッチメント側のワイヤ接続部を、前記メインフレーム側のワイヤ接続部よりも前方に配置してあることを特徴とするものである。
また、本願の第4発明は、前記第2または第3発明に記載の脱着式除雪機であって、前記アタッチメントが、前記スライドフレームに収容するシャフト、を有し、前記スライドフレームが、前記シャフトを前後方向から把持可能であり、前後方向および左右方向への移動長を調整可能とする、把持部と、を有する、ことを特徴とするものである。
また、本願の第5発明は、前記第4発明に記載の脱着式除雪機であって、前記把持部を、上下方向及び左右方向に間隔を設けて計四箇所配置してあることを特徴とするものである。
また、本願の第6発明は、前記第2乃至第4発明のうち何れか1つの発明に記載の脱着式除雪機であって、前記アタッチメントが、前記スライドフレームに設けて、前記メインフレームとの間で上下方向への弾性変形を許容する、弾性変形部と、を有する、ことを特徴とするものである。
また、本願の第7発明は、前記第6発明に記載の脱着式除雪機であって、前記弾性変形部を、前記スライドフレームの両側面にそれぞれ配置してあることを特徴とするものである。
(1)走行面の不陸等に対する追従性が向上する。
除雪装置とアームとの間を、取付具でもって上下方向および左右方向に相対移動可能に構成することで、走行面の不陸や勾配等に追従することができる。
(2)雪からの反力に対する追従性が向上する。
除雪装置とアームとの間を、取付具でもって、三次元的に相対移動可能に構成することで、雪からの反力に対して適切な緩衝機能を発揮することができる。
(3)クリアランスの微調整が可能となる。
取付具に対して、さらに除雪装置自体の相対位置を変更可能に構成することで、走行面と除雪装置との間のクリアランス等を微調整することができる。
図1は、本発明に係る脱着式除雪機を軌陸用重機に取り付けた軌道用除雪車両の全体を示す概略側面図である。
図1に示すように、本発明に係る軌道用除雪車両は、主として軌陸用重機Aと、除雪装置Bと、取付具Cと、からなる。
以下、各構成要素の詳細について説明する。
軌陸用重機Aは、軌道上で除雪装置Bを移動するための装置である。
本発明では、軌陸用重機Aを、アームA1を備えた公知の装置を用いるものとする。
本実施例では、軌陸用重機Aに、アームA1の先端からバケットを取り外した状態の軌陸用バックホウを用いている。
軌陸用重機Aは、通常備えているアームA1の先端への油圧供給手段を用いて除雪装置Bの駆動源として使用することもできる。
除雪装置Bは、走行路上の雪を除去するための装置である。
除雪装置Bは、公知の除雪装置を用いることができる。
本実施例における除雪装置Bは、雪を掻き込むオーガB1と、掻き込んだ雪を排出するシュートB2と、を備えた除雪装置を用いている。
なお、除雪装置Bは、駆動源を装備して単独で駆動可能に構成してもよいし、別途軌陸用重機Aから油圧供給を受けて駆動可能に構成してもよい。
その他、除雪装置Bには、以下の各手段を設けておいてもよい。
前記オーガB1を左右方向軸回り(ピッチ)、上下方向軸回り(ヨー)、前後方向軸回り(ロール)のうち、少なくとも何れかの軸回りで旋回可能な手段を設けることができる。
本実施例では、図1に示すように、取付具Cに接続したハンドルB4を介して、オーガB1を左右方向軸回り(ピッチ)に旋回可能に構成している。
前記オーガB1の下端に取り付けて、オーガB1が軌道に接触することを防止する手段を設けることができる。
本実施例では、図1に示すように、弾性材で構成した緩衝体B3を、除雪装置Bの下端に設置して緩衝手段としている。
前記オーガB1を、上下方向、左右方向、前後方向のうち、少なくとも何れかの方向にスライド可能な手段を設けることができる(図示せず)。
図2は、取付具周辺の概略平面図である。
取付具Cは、前記軌陸用重機Aに、前記除雪装置Bを取り付けるための介在部材である。
本実施例に係る取付具Cは、大別して、アタッチメントC1と、スライドフレームC2と、メインフレームC3と、からなる。
以下、各部材の概要とこれらの接続関係について説明する。
図3は、アタッチメントの構造を示す概略図である。
アタッチメントC1は、前記アームA1との接続部分として機能するための部材である。
アタッチメントC1は、アームA1との取付機構を有する基部10と、前記基部10と結合し、前記スライドフレームC2内に収容されるシャフト20と、前記基部10から下側に伸びるブラケット30と、を少なくとも具備する。
基部10は、前記アームA1との取付機構の本体部分として機能する部材である。
基部10の上部には、固定ピンを挿入可能な、前記アームA1との取付孔11を設けている。
基部10の前方には、略水平方向に伸びる一対のプレート12を、上下方向に間隔を設けて二箇所配置している。この一対のプレート12間を架け渡すように、シャフト20を結合する。
シャフト20は、左右方向に間隔を設けて二箇所設けている。
前記シャフト20は、上下方向に独立した上軸部21と下軸部22とに分かれており、上軸部21および下軸部22は、それぞれ前記各一対のプレート12に接続されている。
そして、前記上軸部21および下軸部22は、それぞれ前記スライドフレームC2へと収容するように構成する。
図4は、アタッチメントC1とスライドフレームC2との接続関係を示した概略断面図である。
アタッチメントC1の上軸部21は、ネジによる締結機構でもってその全長を伸縮可能に構成している。
この上軸部21をスライドフレーム内へと収容した状態を図4に示す。
図4(a)は、通常状態を示す図である。上軸部21は、その全長を縮めて、スライドフレームC2の内部に余空間Dを設けた状態であり、余空間Dの分だけ、上軸部21がスライドフレームC2内を上下方向に相対移動自在となる状態を呈している。
なお、必要に応じて、図4(b)のように、上軸部21の全長を伸ばして、スライドフレームC2内を突っ張り棒のように押圧することで、スライドフレームC2に対してアタッチメントC1が固定された状態とすることもできる。
再度、図3を参照する。
ブラケット30は、アタッチメントC1と、メインフレームC3とを連結する際において、アタッチメントC1側の連結部を構成する部材である。
本実施例では、ブラケット30に二箇所の貫通孔31を設け、この貫通孔31にそれぞれワイヤ32の前端を挿通して固定可能に構成している。
図5は、スライドフレームの構造を示す概略図である。
スライドフレームC2は、前記アタッチメントC1に対して、所定の範囲内で、前後方向および左右方向に相対移動可能に機能するための部材である。
図5に示すスライドフレームC2は、大別して、本体部40と、把持部50と、弾性変形部60と、から構成している。
本体部40は、前記アタッチメントと接続するための部材である。
本体部40は、例えば、空洞からなる内部空間41を設けておく。
内部空間41は、前記アタッチメントC1のシャフト20を差し入れて収容可能とするための部材である。
内部空間41は、前記本体部40を構成する前壁および後壁と、該前後壁を繋ぐ側壁とで覆った空間によって形成することができる。
把持部50は、前記内部空間41内での、前記シャフト20の前後左右の相対移動長を制御するための部材である。
把持部50は、前記本体部40を構成する前壁および後壁に対し、それぞれ前記シャフト20に対応する位置に設けたクランプ51によって構成することができる。
前記内部空間41内で前記クランプ51の締付けや開放を行うことで、前記シャフト20を把持して固定したり、前記シャフト20の前後左右の相対移動長を任意の幅に調整したりすることができる。
図6は、把持部の動作イメージを示す一部断面図である。
また、把持部50は、前記シャフト20の上軸部21、下軸部22と対応するように上下左右方向に間隔を設けて四箇所設置されている。
そこで、各把持部50の前記シャフト20の前後左右の相対移動長を個別に調整することで、アームA1に対するスライドフレームC2の左右方向軸回り(ピッチ)、および上下方向軸回り(ヨー)の許容幅を設定することができる。
弾性変形部60は、前記スライドフレームC2に対して、前記メインフレームC3を上下方向に相対移動可能とするための部材である。
弾性変形部60は、スプリングや油圧ダンパーなどの弾性部材61から構成する。
本実施例では、弾性部材61の上端は、前記スライドフレームC2の本体部40の側面から張り出した鍔部42と接する状態であり、弾性部材61の下端は前記メインフレームC3へと接する状態である。
図7は、弾性変形部の構造を示す一部断面図である。
弾性部材61は、本体部40の左右側面に配置され、計二箇所配置されている。
それぞれの弾性部材61の変形量の差異によって、スライドフレームC2に対するメインフレームC3の前後方向軸回り(ロール)に対する姿勢制御が可能となる。
また、除雪装置Bに対して、アームA1に対するスライドフレームC2の左右方向軸回り(ピッチ)に対する姿勢制御も可能である
メインフレームC3は、前記除雪装置BとスライドフレームC2との間の接続部として機能するための部材である。
図8は、メインフレームの構造を示す概略図である。
図8に係るメインフレームC3は、大別して、底部70と、側部80および骨組み部90と、から構成している。
底部70は、メインフレームC3の底部分を構成する部材である。
底部70は、メインフレームC3の下面を構成する部材の後端において、前記鋼板の平面方向と直交するように立設してある接続プレート71と、軌道と接する接触部72と、から構成することができる。
接続プレート71は、前記アタッチメントC1と前記メインフレームC3とを接続するための部材である。
接続プレート71には、該接続プレート71よりも前方に位置する前記アタッチメントC1のブラケット30から伸びるワイヤ32の他端を接続する。
なお、ワイヤ32の延伸方向は、取付具Cを軌道上に設置して除雪作業が開始できる状態において、略水平方向となるように構成しておくことが望ましい。
このワイヤ32による接続によって、前記メインフレームC3は、アームA1の前進によって、前記アタッチメントC1によって牽引されて前進するように動作する。
接触部72は、取付具C全体を走行面に載せるための部材である。
本実施例では、接触部72を、前記底部70に四箇所設けた軌陸用車輪で構成し、軌道上を走行可能としている。
接触部72は、前記軌陸用車輪による四輪での走行形式での走行のほかにも、一般形状の車輪を配置したものや、左右方向に連続する長手状のローラを前後方向に複数配置した態様や、そり形状によって前記軌道上を滑走する態様など、種々の形状を採用することができる。
側部80は、前記メインフレームC3を前記スライドフレームC2と接続するための部材である。
側部80は、前記底部70の左右側面から、底部70の平面方向と直交するように立設し、内側を開口してある略箱形状を呈している。
側部80の内部には、スライドフレームC2の側部に設けた弾性変形部60を収容する。
その他にも、側部80には、弾性変形部60の弾性変形を規制するように、スライドフレームC2とメインフレームC3とを固定する固定部を設けておくこともできる。
骨組み部90は、前記メインフレームC3の剛性を確保するための部材である。
骨組み部90の形状、構造は特段限定せず、任意の形状を採用することができる。本実施例では、骨組み部90を、底部70から鉛直に伸びる縦材と、前記支柱部の上端側から、後方に伸びて前記側部80の前面に接続する横材と、を、左右方向に間隔を設けて一組配置して構成している。
前記した各構成要素の接続関係に基づく、軌道用除雪車両の作動例について、再度各図面を参照しながら説明する。
図5(a)に示すように、アタッチメントC1と、スライドフレームC2との間の固定関係は、前後側全て緩めておく。
また、図5(b)に示すように、スライドフレームC2とメインフレームC3との間も、弾性変形部60を介して、上下方向に相対移動自在な状態としておく。
軌道用除雪車両でもって除雪を開始する際には、アームA1の動作によって取付具Cを前記軌道上に載置する。
取付具Cを軌道に乗せると、アタッチメントC1やスライドフレームC2の自重により、弾性変形部60は圧縮して縮んだ状態を呈する。
この状態で、図8に示すように、前記アタッチメントC1と前記メインフレームC3を繋ぐワイヤ32が、略水平方向を呈するようにしておくと、牽引効率が良くなる点で好ましい。
前記軌道用除雪車両が前進をはじめると、アームA1と固定されているアタッチメントC1に牽引される形で、前記メインフレームC3および前記除雪装置Bが前進をはじめる。
この牽引状態において、前記アタッチメントC1のシャフト20は、前記スライドフレームC2の内部空間41内で、前記把持部50で規制された範囲で前後方向および左右方向に相対移動自在な状態を呈する。
また、前記スライドフレームC2の弾性変形部60により、前記メインフレームC3は、前記スライドフレームC2、ひいては前記アタッチメントC1に対して、上下方向に相対移動自在な状態を呈する。
上記の状態を維持することで、軌道の不陸やカント、勾配の変化に対しても、取付具CがアームA1との間で適切な姿勢制御を行うことができる。
軌道上に積もった雪を、軌道用除雪車両が掻き込みはじめると、前方の除雪装置Bは、雪から反力を受ける状態となる。
この反力の向きは、積雪の状態や、軌道の向きなどによって様々である。
しかし、前記した取付具Cによれば、前記アームA1と前記除雪装置Bとの間を、所定の範囲内で三次元的に相対移動可能とすることで、前記反力を取付具Cで緩衝し、適切な姿勢制御を行うことができる。
よって、雪からの反力による一部の部材への応力集中を抑止して、軌道用除雪車両の故障を防止することができる。
本発明に係る脱着式除雪機は、軌道用の除雪用途に限らず、その他の重機に取り付けて、その他の場所でも使用可能な除雪車を構成するために用いることもできる。
このとき、取付具Cの接触部72を走行面上で移動可能な状態で除雪作業を行っても良いし、前記接触部72の有無を問わず、取付具Cを走行面から浮かせた状態で除雪作業を行っても良い。
A1 アーム
B 除雪装置
B1 オーガ
B2 シュート
B3 緩衝体
B4 ハンドル
C 取付具
C1 アタッチメント
C2 スライドフレーム
C3 メインフレーム
D 余空間
10 基部
11 取付孔
12 プレート
20 シャフト
21 上軸部
22 下軸部
30 ブラケット
31 貫通孔
32 ワイヤ
40 本体部
41 内部空間
42 鍔部
50 把持部
51 クランプ
60 弾性変形部
61 弾性部材
70 底部
71 接続プレート
72 接触部
80 側部
90 骨組み部
また、本願の第2発明は、前記第1発明に記載の脱着式除雪機であって、前記アタッチメントと前記メインフレームとの間をワイヤ接続とし、前記アタッチメント側のワイヤ接続部を、前記メインフレーム側のワイヤ接続部よりも前方に配置してあることを特徴とするものである。
また、本願の第3発明は、前記第1または第2発明に記載の脱着式除雪機であって、前記アタッチメントが、前記スライドフレームに収容するシャフト、を有し、前記スライドフレームが、前記シャフトを前後方向から把持可能であり、前後方向および左右方向への移動長を調整可能とする、把持部と、を有する、ことを特徴とするものである。
また、本願の第4発明は、前記第3発明に記載の脱着式除雪機であって、前記把持部を、上下方向及び左右方向に間隔を設けて計四箇所配置してあることを特徴とするものである。
また、本願の第5発明は、前記第1乃至第4発明のうち何れか1つの発明に記載の脱着式除雪機であって、前記アタッチメントが、前記スライドフレームに設けて、前記メインフレームとの間で上下方向への弾性変形を許容する、弾性変形部と、を有する、ことを特徴とするものである。
また、本願の第6発明は、前記第5発明に記載の脱着式除雪機であって、前記弾性変形部を、前記スライドフレームの両側面にそれぞれ配置してあることを特徴とするものである。
Claims (7)
- 重機のアームと脱着自在に取付け可能な、脱着式除雪機であって、
前記アームの前方に接続する、取付具と、
前記取付具の前方に接続する、除雪装置と、を少なくとも有し、
前記取付具を、前記アームに対して、前記除雪装置を所定の範囲内で三次元的に相対移動自在な構成としたことを特徴とする、
脱着式除雪機。 - 前記取付具は、アタッチメント、スライドフレームおよびメインフレームを少なくとも具備し、
前記アタッチメントは、前記アームと前記メインフレームとを、前記アームの前進移動によって前記メインフレームを牽引動作するように接続し、
前記スライドフレームは、前記アタッチメントに対して、所定の範囲内で、前後方向および左右方向に相対移動自在に接続し、
前記メインフレームは、前記除雪装置と接続し、かつ、前記スライドフレームに対して、上下方向に相対移動自在に接続してあることを特徴とする、
請求項1に記載の脱着式除雪機。 - 前記アタッチメントと前記メインフレームとの間をワイヤ接続とし、
前記アタッチメント側のワイヤ接続部を、前記メインフレーム側のワイヤ接続部よりも前方に配置してあることを特徴とする、
請求項2に記載の脱着式除雪機。 - 前記アタッチメントが、
前記スライドフレームに収容するシャフト、を有し、
前記スライドフレームが、
前記シャフトを前後方向から把持可能であり、前後方向および左右方向への移動長を調整可能とする、把持部と、を有する、
ことを特徴とする、
請求項2または3に記載の脱着式除雪機。 - 前記把持部を、上下方向及び左右方向に間隔を設けて計四箇所配置してあることを特徴とする、
請求項4に記載の脱着式除雪機。 - 前記アタッチメントが、
前記スライドフレームに設けて、前記メインフレームとの間で上下方向への弾性変形を許容する、弾性変形部と、を有する、
ことを特徴とする、
請求項2乃至5のうち何れか1項に記載の脱着式除雪機。 - 前記弾性変形部を、前記スライドフレームの両側面にそれぞれ配置してあることを特徴とする、
請求項6に記載の脱着式除雪機。
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