JP2017149591A - 遮音複層ガラス - Google Patents

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玄一 大木
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Naoto Kawakami
直人 川上
弘高 今西
Hirotaka Imanishi
弘高 今西
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Abstract

【課題】厚さを増大させることなく、遮音性能の向上を図ることができる遮音複層ガラスを提供する。【解決手段】遮音複層ガラス10を構成する第1の合せガラス11と第2の合せガラス12とがスペーサ13を介して接合され、第1の合せガラス11と第2の合せガラス12との間に空間層14が形成されている。第1の合せガラス11は第1内側ガラス11aと第1外側ガラス11bとが防音膜17を介して接合されて構成され、第2の合せガラス12は第2内側ガラス12aと第2外側ガラス12bとが防音膜17を介して接合されて構成されている。第1外側ガラス11bは第1内側ガラス11aより短く設定されてそこに第1段差部が形成され、第2外側ガラス12bは第2内側ガラス12aより短く設定されてそこに第2段差部が形成される。そして、第1段差部及び第2段差部には制振吸収材20が配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば建築物、車両等の窓やドアに使用され、厚さを増大させることなく、遮音性能を向上させることができる遮音複層ガラスに関する。
建築物、建設機械、鉄道車両等の窓やドアには、ポリカーボネート板等の透明樹脂ガラス板、フロートガラス板、風冷強化ガラス板、風冷強化合せガラス板、化学強化ガラス板等が用いられている。しかしながら、透明樹脂板は表面に傷が付きやすく、経時的な劣化も大きく、さらに耐光性にも劣るという欠点がある。風冷強化ガラス板は、耐衝撃性は高いが、損傷を受けた場合には破片が飛散することから、それを防ぐために風冷強化合せガラス板が用いられる。この風冷強化合せガラス板は2枚の風冷強化ガラス板を重ね合せることから、遮音性能は向上するが、いまだ十分ではない。化学強化ガラス板は圧縮応力等の機械的強度が高く、変形を抑えることはできるが、遮音性の向上には不十分である。そこで、遮音性能の一層の向上を図るため、2枚の合せガラスを、スペーサを介して接合した遮音複層ガラスが検討されている。
この種の遮音複層ガラスとして、例えば特許文献1には鉄道車両用電磁遮蔽窓ユニットが開示されている。このユニットにおいて使用される遮音複層ガラスは、中間膜を介して2枚のガラス板を接合した合せガラスと、この合せガラスに対し空気層を介して1枚のガラス板を積層したものである。この遮音複層ガラスによれば、十分な電磁遮蔽機能が得られるとともに、良好な遮音性や断熱性を得ることができる。
特開平10−322082号公報
前記特許文献1に記載されている従来構成の遮音複層ガラスは、空気層を介して接合されるガラスが一方は合せガラスであるのに対し、他方は1枚のガラス板である。このため、遮音複層ガラスによる遮音性等の性能に限界があり、高度な遮音性を発現することは困難であった。さらに、前記遮音複層ガラスにおいて、合せガラスの端部及び1枚のガラス板の端部はクッション材、パッキン及びシール材で保持されているだけであることから、合せガラスの端部及び1枚のガラス板の端部から音の漏れが生じやすく、遮音性能の低下を招くという問題があった。
そこで、本発明の目的とするところは、厚さを増大させることなく、遮音性能の向上を図ることができる遮音複層ガラスを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の遮音複層ガラスは、第1の合せガラスと第2の合せガラスとをスペーサを介して接合し、第1の合せガラスと第2の合せガラスとの間に空間層を形成するとともに、前記第1の合せガラスは第1内側ガラスと第1外側ガラスとが防音膜を介して接合されて構成され、第2の合せガラスは第2内側ガラスと第2外側ガラスとが防音膜を介して接合されて構成され、前記第1の合せガラスと第2の合せガラスとの間又は第1内側ガラスと第1外側ガラスとの間及び第2内側ガラスと第2外側ガラスとの間には制振吸収材を配置したものである。
前記第1外側ガラスと第1内側ガラスのいずれか一方を短く設定してそこに第1段差部を形成し、第2外側ガラスと第2内側ガラスのいずれか一方を短く設定してそこに第2段差部を形成し、前記第1段差部及び第2段差部には制振吸収材を配置することが好ましい。
前記第1外側ガラスを第1内側ガラスより短く設定してそこに第1段差部を形成し、第2外側ガラスを第2内側ガラスより短く設定してそこに第2段差部を形成し、第1段差部には制振吸収材を第1外側ガラスの端面と第1内側ガラスの側面に面接着し、第2段差部には制振吸収材を第2外側ガラスの端面と第2内側ガラスの側面に面接着することが好ましい。
前記制振吸収材の外面は、シール層で被覆されていることが好ましい。
前記制振吸収材は、多孔質金属材料により形成されていることが好ましい。
前記制振吸収材は、気孔の多い2つの低密度層間に気孔の少ない高密度層が形成された3層構造を有する多孔質鋳鉄よりなる多孔質金属材料を基本単位として形成されていることが好ましい。
前記第1の合せガラスと第2の合せガラスは四角板状に形成されるとともに、制振吸収材は第1の合せガラスの外周部の四角環状をなす第1段差部と第2の合せガラスの外周部の四角環状をなす第2段差部にそれぞれ配置され、第1段差部の制振吸収材と第2段差部の制振吸収材とはスペーサを介し対向して配置されていることが好ましい。
前記制振吸収材は四角柱状に形成され、その隣接する側壁面が第1外側ガラスの端面及び第1内側ガラスの側面並びに第2外側ガラスの端面及び第2内側ガラスの側面に接合されていることが好ましい。
本発明の遮音複層ガラスによれば、厚さを増大させることなく、遮音性能の向上を図ることができるという効果を奏する。
第1実施形態における遮音複層ガラスを示す断面図。 第1実施形態における遮音複層ガラスを示す正面図。 (a)は第2の合せガラスを示す断面図、(b)は第1の合せガラスを示す断面図。 第1の合せガラス及び第2の合せガラスを、スペーサを介して接合する状態を分解して示す断面図。 実施例1、実施例2及び対照例について、周波数(Hz)と音響透過損失(dB)との関係を示すグラフ。 制振吸収材の構成を示す部分斜視図。 第2実施形態における遮音複層ガラスを示す断面図。 本発明の別例の遮音複層ガラスを示す図であって、(a)は遮音複層ガラスを示す断面図、(b)は第1の合せガラスと第2の合せガラスを、スペーサを介して接合した状態を示す断面図。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図4及び図6に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の遮音複層ガラス10は、四角板状をなす第1の合せガラス11と第2の合せガラス12とが四角枠状のスペーサ13を介して接合され、そのスペーサ13の内側で第1の合せガラス11と第2の合せガラス12との間に密閉状態の空間層14が形成されて構成されている。この空間層14は遮音性能を発現するための空間である。図1及び図2の二点鎖線に示すように、この遮音複層ガラス10の周囲は窓枠15の内側に嵌め込まれ、遮音複層ガラス10と窓枠15との間にシール材16が充填された状態で、遮音複層ガラス10が窓枠15に支持されている。
図3(a)、(b)に示すように、前記第1の合せガラス11は第1内側ガラス11aと第1外側ガラス11bとが防音膜(遮音膜)17を介して接合されて構成され、第2の合せガラス12は第2内側ガラス12aと第2外側ガラス12bとが防音膜17を介して接合されて構成されている。この防音膜17は合せガラスに通常使用されるものが用いられるが、例えば内側防音膜17aと外側防音膜17bよりなる2層構成のものが好ましい。内側防音膜17aとしては例えばポリビニルブチラール(PVB)により形成された透明膜が使用され、外側防音膜17bとしては、例えば積水化学工業(株)製の遮音中間膜(S−LEC)、ソルーシア・ジャパン(株)の防音膜(Acoustic Solutions)等が用いられる。
図1、図2及び図3(a)、(b)に示すように、前記第1外側ガラス11bは第1内側ガラス11aよりも縦横が短く形成され、そこに第1段差部18が形成されている。同じく、第2外側ガラス12bは第2内側ガラス12aよりも縦横が短く形成され、そこに第2段差部19が形成されている。これらの第1段差部18及び第2段差部19は、窓枠15に沿って四角環状に形成されている。
前記第1段差部18には四角柱状をなす制振吸収材20の隣接する両側壁面20a、20bが、それぞれ第1外側ガラス11bの端面11cと第1内側ガラス11aの側面11dに対して面接着されている。同様に、第2段差部19には四角柱状をなす制振吸収材20の隣接する両側壁面20a、20bが、それぞれ第2外側ガラス12bの端面12cと第2内側ガラス12aの側面12dに対して面接着されている。これらの制振吸収材20は、互いに対向して配置されている。
前記両制振吸収材20の外面は、いずれもシリコーン、ポリサルファイド等のシール剤により形成されたシール層21で被覆されている。なお、スペーサ13の外周部も同様のシール層21で被覆されている。
前記制振吸収材20は多孔質金属材料により形成されている。この多孔質金属材料としては、多孔質鋳鉄、多孔質アルミニウム等が用いられるが、振動を吸収して遮音性能を高める観点から多孔質鋳鉄(ラスク)が好ましい。多孔質鋳鉄は、鋳鉄のチップに直接通電し、加圧により成形したものである。得られた多孔質鋳鉄は、金属の連続相と気孔(空孔)の分散相とにより構成されている。さらに、図6に示すように、多孔質鋳鉄は、気孔の多い2つの低密度層201間に気孔が少なく緻密な高密度層202が介在された3層構造を有している。このため、多孔質鋳鉄は、振動吸収機能、吸音機能、遮音機能等の機能を良好に発現することができる。
前記制振吸収材20は、多孔質鋳鉄よりなる多孔質金属材料を基本単位として構成される。この第1実施形態では多孔質金属材料を2段にして使用するが、1段又は3段以上であってもよい。
次に、前記遮音複層ガラス10の製造工程について簡単に説明する。
図4に示すように、まず第1の合せガラス11と第2の合せガラス12を、第1内側ガラス11aと第2内側ガラス12aとがスペーサ13を介して対向するように配置する。続いて、第1の合せガラス11の第1内側ガラス11aの内面と第2の合せガラス12の第2内側ガラス12aの内面を、それぞれブチルゴム等の接着剤でスペーサ13に接合する。接合後には、スペーサ13の内側で第1の合せガラス11の第1内側ガラス11aと第2の合せガラス12の第2内側ガラス12aとの間に空間層14が形成される。
次いで、第1の合せガラス11の第1段差部18には制振吸収材20の隣接する両側壁面20a、20bを、ブチルゴム等の接着剤により第1外側ガラス11bの端面11cと第1内側ガラス11aの側面11dに対して面接着する。同様にして、第2の合せガラス12の第2段差部19には制振吸収材20の隣接する両側壁面20a、20bを、例えば常温硬化型の二液性エポキシ樹脂接着剤で第2外側ガラス12bの端面12cと第2内側ガラス12aの側面12dに対して面接着する。上記二液性エポキシ樹脂接着剤として例えば、(株)スリーボンド製のThree Bond 2086M〔エポキシ樹脂を主成分とする主剤(溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド)と、ポリチオールを主成分とする硬化剤(溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド)との二剤〕が用いられる。
その後、図1に示すように、第1の合せガラス11の制振吸収材20の外面、第2の合せガラス12の制振吸収材20の外面及びスペーサ13の外面に、シリコーン等のシール剤を塗工してシール層21を形成する。このようにして、遮音複層ガラス10を調製することができる。
次に、前記のように構成された第1実施形態の遮音複層ガラス10について作用を説明する。
さて、図1に示すように、本実施形態の遮音複層ガラス10は、第1の合せガラス11と第2の合せガラス12とが空間層14を介して対向配置されている。このため、例えば遮音複層ガラス10の外部から第1の合せガラス11を透過する音が空間層14において吸収されて減音される。さらに、第1の合せガラス11と第2の合せガラス12の内部には、PVB等により形成された外側防音膜17bと内側防音膜17aとで構成される防音膜17が介装されている。そのため、第1の合せガラス11と第2の合せガラス12の各内部において、音が吸収され、低減される。
加えて、第1の合せガラス11の外周の第1段差部18及び第2の合せガラス12の第2段差部19には制振吸収材20が配置されている。この制振吸収材20は多孔質鋳鉄により形成され、金属の連続相と気孔の分散相で構成されるとともに、2つの低密度層201間に高密度層202が形成されている。このため、制振吸収材20は、振動吸収機能、吸音機能及び遮音機能を高度に発現する。斯かる制振吸収材20により、第1の合せガラス11では第1内側ガラス11aと第1外側ガラス11bとの間の振動が抑えられ、音の伝播が抑制される。第2の合せガラス12でも第2内側ガラス12aと第2外側ガラス12bとの間の振動が抑えられ、音の伝播が抑制される。
前記制振吸収材20は第1の合せガラス11の第1段差部18と第2の合せガラス12の第2段差部19に各々別個に離間した状態で配置されていることから、各制振吸収材20はその機能を相互に影響されることなく有効に発現することができる。
さらに、前記制振吸収材20は、その隣接する両側壁面20a、20bが第1の合せガラス11では第1外側ガラス11bの端面11cと第1内側ガラス11aの側面11dの2つの面に面接着されるとともに、第2の合せガラス12では第2外側ガラス12bの端面12cと第2内側ガラス12aの側面12dの2つの面に面接着されている。これらの面接着は、いずれも十分な接着面積をもって接着されている。従って、制振吸収材20は第1内側ガラス11aと第1外側ガラス11bの双方に強固に接着されると同時に、第2内側ガラス12aと第2外側ガラス12bの双方に強固に接着され、制振吸収材20の前記作用が有効に発現されるとともに、遮音複層ガラス10の端部からの音漏れを抑制することができる。
以上詳述した第1実施形態により発揮される効果を以下にまとめて説明する。
(1)本実施形態の遮音複層ガラス10では、第1の合せガラス11と第2の合せガラス12とがスペーサ13を介して接合され、中間部に空間層14が形成されている。第1の合せガラス11を構成する第1外側ガラス11bは第1内側ガラス11aより短く設定されてそこに第1段差部18が形成され、第2の合せガラス12を構成する第2外側ガラス12bは第2内側ガラス12aより短く設定されてそこに第2段差部19が形成される。そして、第1段差部18及び第2段差部19には制振吸収材20が配置される。
このため、遮音複層ガラス10の制振吸収材20により、制振性を高めて遮音性に寄与することができる。この制振吸収材20は遮音複層ガラス10の端部に配置されていることから、遮音複層ガラス10の厚さを厚くする必要がない。
従って、第1実施形態の遮音複層ガラス10によれば、厚さを増大させることなく、遮音性能の向上を図ることができる。
(2)前記第1段差部18には制振吸収材20を第1外側ガラス11bの端面11cと第1内側ガラス11aの側面11dに面接着し、第2段差部19には制振吸収材20を第2外側ガラス12bの端面12cと第2内側ガラス12aの側面12dに面接着した。そのため、制振吸収材20を第1外側ガラス11bと第1内側ガラス11aに強固に接着できるとともに、制振吸収材20を第2外側ガラス12bと第2内側ガラス12aに強固に接着でき、制振吸収材20の機能を一層高めることができる。
(3)前記両制振吸収材20の外面は、それぞれシール層21で被覆されている。このため、シール層21で制振吸収材20を保護できるとともに、遮音複層ガラス10の端部における音の漏れを抑制することができる。
(4)前記制振吸収材20は、多孔質金属材料により形成されている。この金属材料が多孔質であることにより、振動を吸収できると同時に、音の減衰効果を格段に向上させることができる。
(5)前記多孔質金属材料は、気孔の少ない2つの低密度層201間に気孔の多い高密度層202が形成された3層構造を有する多孔質鋳鉄である。このような3層構造を有する多孔質鋳鉄は、振動吸収機能、吸音機能、遮音機能等の機能を高度に発揮することができる。
(6)前記第1の合せガラス11と第2の合せガラス12は四角板状に形成されるとともに、制振吸収材20は第1の合せガラス11の外周部の四角環状をなす第1段差部18と第2の合せガラス12の外周部の四角環状をなす第2段差部19にそれぞれ配置される。前記第1段差部18の制振吸収材20と第2段差部19の制振吸収材20とはスペーサ13を介し対向して配置されている。このため、遮音複層ガラス10の周囲の四辺に配置された制振吸収材20により、遮音複層ガラス10の遮音性能を有効に発揮することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図7に基づいて説明する。この第2実施形態においては、前記第1実施形態と相違する部分について主に説明し、重複する部分の説明を省略する。
図7に示すように、第1の合せガラス11の第1内側ガラス11aと第1外側ガラス11bとは同じ長さに形成され、第2の合せガラス12の第2内側ガラス12aと第2外側ガラス12bとは同じ長さに形成されている。前記スペーサ13は第1実施形態のスペーサ13より長く形成され、従って空間層14の幅は広く形成されている。
前記第1内側ガラス11aの両端部の内面及び第2内側ガラス12aの両端部の内面には、制振吸収材20が接合されている。そして、それらの制振吸収材20を被覆するようにシール剤が充填されてシール層21が形成されている。
従って、この第2実施形態によれば、第1の合せガラス11と第2の合せガラス12との間の空間を利用し、制振吸収材20を対向して配置したことから、その制振吸収材20により遮音性能の向上を図ることができる。
以下に、実施例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
(遮音複層ガラス10の調製)
前記図1に示す遮音複層ガラス10を、以下の条件に基づいて前記第1実施形態で説明した製造工程に従って調製した。
第1の合せガラス11としては、厚さ5mmのフロートガラスよりなる第1内側ガラス11aと、厚さ4mmのフロートガラスよりなる第1外側ガラス11bとを防音膜17を介して接合したものを使用した。なお、フロートガラスは、通常のソーダ石灰ガラス(板ガラス)である。防音膜17は、PVBよりなる厚さ30ミル(0.76mm)の透明膜としての内側防音膜17aと、積水化学工業(株)製のS−LECよりなる厚さ30ミル(0.76mm)の外側防音膜17bとを接合したものを使用した。
第2の合せガラス12としては、厚さ6mmのフロートガラスよりなる第2内側ガラス12aと、厚さ5mmのフロートガラスよりなる第2外側ガラス12bとを防音膜17を介して接合したものを使用した。防音膜17は、第1の合せガラス11と同じものを用いた。前記第1内側ガラス11a及び第2内側ガラス12aは、縦1480mm、横1230mmでそれらの表面積は1.820mであった。また、第1段差部18及び第2段差部19の長さは13mmであった。
スペーサ13としては、厚さ6mmのアルミニウム製の四角柱状のものを用いた。従って、空間層14の幅(厚さ)は6mmであった。また、シール層21は、ポリサルファイドをシール剤として形成した。
この実施例1の遮音複層ガラス10の全体の厚さは26mmであった。
(遮音性の評価)
得られた実施例1の遮音複層ガラス10について、周波数(Hz)の異なる音を遮音複層ガラス10の一方の側(図1の左側)から発生させ、遮音複層ガラス10の他方の側への音響透過損失(dB)を下記の測定方法に従って測定した。測定温度は24℃であった。そして、音響透過損失(dB)と周波数(Hz)との関係を図5に示した。
音響透過損失の測定方法:JIS A 1416に準拠して音響透過損失(dB)を測定した。すなわち、音源室の開口部と受音室の開口部を対向させ、そこに遮音複層ガラス10を配置した。音源室及び受音室にスピーカー及び集音マイクを設置し、音源室内のスピーカーから広帯域雑音を発し、両室内の集音マイクで集音し、両室の音圧を測定した。続いて、両室の集音マイクを動かし、音圧の測定を5箇所で行った。さらに、受音室のスピーカーから広帯域雑音を発し、受音室残響時間を5箇所で測定した。
図5に示すように、実施例1の遮音複層ガラス10では、低周波域(低音域)から高周波域(高音域)の広範囲にわたって音響透過損失が、基準となるサッシ業界の基準(T−4)に比べて上回っており、実施例1の遮音複層ガラス10の優れた遮音性が示された。なお、対照例としてのT−4は、JIS A 4706(2000)に定められたサッシの遮音性能を示し、最も遮音性能の高い基準である。
(実施例2)
前記図7に示す遮音複層ガラス10を、第2実施形態に示したようにして調製した。
第1の合せガラス11としては、厚さ3mmのフロートガラスよりなる第1内側ガラス11aと、厚さ5mmのフロートガラスよりなる第1外側ガラス11bとを防音膜17を介して接合したものを使用した。第2の合せガラス12としては、厚さ3mmのフロートガラスよりなる第2内側ガラス12aと、厚さ4mmのフロートガラスよりなる第2外側ガラス12bとを防音膜17を介して接合したものを使用した。スペーサ13は厚さ12mmのものを2個並べて使用したので、空間層14の幅は24mmであった。その他の条件は、実施例1と同様に設定した。
そして、遮音複層ガラス10の遮音性を実施例1と同様にして測定し、その結果を図5に示した。
図5に示すように、実施例2の遮音複層ガラス10では、低周波域(200Hz)から高周波域(5000Hz)の広範囲にわたって音響透過損失が、基準となるサッシ業界の基準(T−4)に比べて上回っている。なお、図5において、周波数約140〜200Hzの領域では実施例2の音響透過損失がT−4等級線よりも下回っているが、JIS A 4706:2015の判断基準に基づいて、前記周波数約140〜200Hzの領域を含め、実施例2の遮音複層ガラス10はT−4等級に合格するものであった。すなわち、T−4の遮音等級線を下回る値の合計が2.1dBであり、3dB以下であることから、T−4等級の基準を満たすものであった。
なお、前記実施形態を次のように変更して実施することも可能である。
・図8(a)、(b)に示すように、前記第1の合せガラス11における第1内側ガラス11aを第1外側ガラス11bよりも短くして第1段差部18を形成し、第2の合せガラス12における第2内側ガラス12aを第2外側ガラス12bよりも短くして第2段差部19を形成してもよい。そして、第1段差部18及び第2段差部19にそれぞれ制振吸収材20を配置してもよい。
遮音複層ガラス10をこのように構成しても、遮音複層ガラス10の厚さを変えることなく、遮音性能を高めることができる。
・前記遮音複層ガラス10を構成する第1の合せガラス11及び第2の合せガラス12は、三角板状、六角板状等の矩形板状や円板状等の形状であっても差し支えない。
・前記防音膜17を、1層又は3層以上で構成してもよい。
・前記第1の合せガラス11又は第2の合せガラス12として、片面防火ガラスを使用してもよい。この場合、遮音複層ガラス10は、遮音性能に加えて防火性能を発揮することができる。
・前記第1の合せガラス11又は第2の合せガラス12として、表面に金属のスパッタリングを施して金属膜を形成したスパッタガラスを使用してもよい。この場合、遮音複層ガラス10は、遮音性能に加えて遮熱(断熱)性能を発揮でき、エコガラスとして用いることができる。
・前記第1の合せガラス11又は第2の合せガラス12として、強度と柔軟性に優れた中間膜を挟んだものを使用してもよい。この場合、遮音複層ガラス10は、防犯ガラスとして用いることができ、さらに割れたときに細分化して飛散を防止することができる。
10…遮音複層ガラス、11…第1の合せガラス、11a…第1内側ガラス、11b…第1外側ガラス、11c…端面、11d…側面、12…第2の合せガラス、12a…第2内側ガラス、12b…第2外側ガラス、12c…端面、12d…側面、13…スペーサ、14…空間層、17…防音膜、18…第1段差部、19…第2段差部、20…制振吸収材、20a、20b…側壁面、201…低密度層、202…高密度層、21…シール層。

Claims (8)

  1. 第1の合せガラスと第2の合せガラスとをスペーサを介して接合し、第1の合せガラスと第2の合せガラスとの間に空間層を形成するとともに、前記第1の合せガラスは第1内側ガラスと第1外側ガラスとが防音膜を介して接合されて構成され、第2の合せガラスは第2内側ガラスと第2外側ガラスとが防音膜を介して接合されて構成され、前記第1の合せガラスと第2の合せガラスとの間又は第1内側ガラスと第1外側ガラスとの間及び第2内側ガラスと第2外側ガラスとの間には制振吸収材を配置した遮音複層ガラス。
  2. 前記第1外側ガラスと第1内側ガラスのいずれか一方を短く設定してそこに第1段差部を形成し、第2外側ガラスと第2内側ガラスのいずれか一方を短く設定してそこに第2段差部を形成し、前記第1段差部及び第2段差部には制振吸収材を配置した請求項1に記載の遮音複層ガラス。
  3. 前記第1外側ガラスを第1内側ガラスより短く設定してそこに第1段差部を形成し、第2外側ガラスを第2内側ガラスより短く設定してそこに第2段差部を形成し、第1段差部には制振吸収材を第1外側ガラスの端面と第1内側ガラスの側面に面接着し、第2段差部には制振吸収材を第2外側ガラスの端面と第2内側ガラスの側面に面接着した請求項2に記載の遮音複層ガラス。
  4. 前記制振吸収材の外面は、シール層で被覆されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の遮音複層ガラス。
  5. 前記制振吸収材は、多孔質金属材料により形成されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の遮音複層ガラス。
  6. 前記制振吸収材は、気孔の多い2つの低密度層間に気孔の少ない高密度層が形成された3層構造を有する多孔質鋳鉄よりなる多孔質金属材料を基本単位として形成されている請求項5に記載の遮音複層ガラス。
  7. 前記第1の合せガラスと第2の合せガラスは四角板状に形成されるとともに、制振吸収材は第1の合せガラスの外周部の四角環状をなす第1段差部と第2の合せガラスの外周部の四角環状をなす第2段差部にそれぞれ配置され、第1段差部の制振吸収材と第2段差部の制振吸収材とはスペーサを介し対向して配置されている請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の遮音複層ガラス。
  8. 前記制振吸収材は四角柱状に形成され、その隣接する側壁面が第1外側ガラスの端面及び第1内側ガラスの側面並びに第2外側ガラスの端面及び第2内側ガラスの側面に接合されている請求項7に記載の遮音複層ガラス。
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