JP2017146009A - 循環式冷水機 - Google Patents

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Abstract

【課題】凍結温度近傍の低温の水を安定かつ連続して送水する。
【解決手段】氷着量監視部9は、冷却器における水の流路の状態を検知し、冷却器内の氷蓄量を監視する。制御部10は、冷却器の動作中において、氷蓄量監視部9によって氷蓄量が上限に達したと判定されるまで、冷却器内の氷蓄を許容しながら、冷凍機の動作を継続する。また、制御部10は、氷蓄量が上限に達したと判定された場合、冷凍機を停止させる。これにより、冷凍機の停止時には、冷却器の氷蓄熱にて、水循環系を流れる水が冷却される。
【選択図】図2

Description

本発明は、循環式冷水機に係り、特に、冷却器内の氷蓄量に基づく冷凍機の制御に関する。
従来より、凍結温度近傍における低温の水を送水する冷水機が知られている。例えば、特許文献1には、約0℃の冷水を供給する低温冷水機が開示されている。この低温冷水機は、冷水の設定温度を約0℃に設定した上、冷水ラインに設けられた温度センサによって冷水温度を検知しながら冷凍機を動作させ、冷媒ラインの冷媒を循環させる。冷水ラインには、水の部分凍結を検知する検知器として流量センサが設置されており、部分凍結が生じた場合には、凍結解除手段によって部分凍結が解消される。この凍結解除手段の一例として、冷凍機の停止によって、冷媒ラインにおける冷媒の流れを停止させることが記載されている。部分凍結の開始時期を検知し、完全凍結の前に凍結を解除することで、凍結による配管等の破損を防止する。
特許文献2には、水槽内の水を凍結温度付近まで冷却する水冷却方法が開示されている。この水冷却方法では、熱交換器に水を高速で流すと共に、熱交換器における水の流出側の温度が凍結温度付近に達したとき、または、熱交換器内に凍結が生じて、流入側と流出側との圧力差が所定圧に達したときに、冷媒の流れを停止させる。そして、製造された水の温度が凍結温度より0.1℃以上高くなり、かつ、冷媒の流れが停止してから一定時間を経過したときに、冷媒の流れを再開させる。これにより、熱交換器における内管表面に氷の膜が発生しても、凍結による熱交換器の破裂を防止できる。
一方、特許文献3には、冷水槽内に配置された二重管式冷却器を用いた氷蓄熱式冷水機が開示されている。この冷水機において、二重管式冷却器は、同心円状に配置された内外の管によって構成されている。内管の内部には、冷水槽から供給された水が流れる。また、外管の内部(外管内側と内管外側との隙間)には冷媒が流れ、外管の外側(外周面)は冷水槽内の水と接している。冷媒との熱交換によって、内管内を流れる水、および、外管外側に接した水は、冷媒との熱交換によって冷却され、これによって、内管内に氷が生成されると共に、外管外側に氷が付着する。内管内における氷の生成状態は、この内部を流れる水の流量を検知するフローセンサ(監視手段)によって監視されている。内管内が氷で充満された状態がフローセンサによって検知されると、冷凍機の圧縮機によって生成された高温高圧の冷媒蒸気が外管内に供給され、内管内の氷と、外管外側の着氷とが融解される。これにより、内管内では、既存の氷が痩せて水に押し出されて新たな氷が生成されると共に、外管外側では、既存の着氷にひび割れて新たな着氷が生じるため、氷を効率よく生成できる。
特開平10−111062号公報 特開平7−004815号公報 特開2004−28415号公報
上述した特許文献1,2は、通常の冷水機の制御と同様、温度センサによって冷水の温度を検知しながら、検知された水温が所定の設定温度になるように、冷凍機を制御しており、その枠組みの中で、設定温度を凍結温度近傍にした際に生じる問題に対処するものである。また、水の凍結を部材の破損を招く事態とみなしているので、凍結が生じ始めた初期段階で、冷凍機を停止させている。冷凍機が停止している間は、給水などの熱負荷によって、冷水の温度が上昇する。そのため、凍結温度近傍の低温の水を安定かつ連続して送水することが困難である。一方、特許文献3は、氷蓄熱式冷水機に関するもので、その目的は、氷を効率よく生成することであって、極低温の水を安定かつ連続して送水することではない。
そこで、本発明の目的は、凍結温度近傍の低温の水を生成するのに適した新規な循環式冷水機を提供することである。
また、本発明の別の目的は、そのような極低温の水を安定かつ連続して送水することである。
かかる課題を解決すべく、第1の発明は、水槽と、水槽内に貯留された水を循環させる水循環系と、冷媒を循環させる冷媒循環系と、冷媒循環系に設けられた冷凍機と、冷媒循環系を循環する冷媒との間の熱交換によって、水循環系を循環する水を冷却する冷却器と、冷却器における水の流路の状態を検知し、冷却器内の氷蓄量を監視する氷蓄量監視部と、氷蓄量監視部によって監視された氷蓄量に基づいて、冷却器内の氷蓄を許容しながら、冷凍機を動作させる制御部とを有する循環式冷水機を提供する。
ここで、第1の発明において、制御部は、冷却器によって冷却される水の水温を参照することなく、氷蓄量監視部によって監視された氷蓄量に基づいて、冷却器内の氷蓄を許容しながらの冷凍機の動作と、冷凍機の停止とを切り替えることが好ましい。
第2の発明は、水槽と、水槽内に貯留された水を循環させる水循環系と、冷媒を循環させる冷媒循環系と、冷媒循環系に設けられた冷凍機と、冷媒循環系を循環する冷媒との間の熱交換によって、水循環系を循環する水を冷却する冷却器と、冷却器における水の流路の状態を検知し、冷却器内の氷蓄量を監視する氷蓄量監視部と、氷蓄量監視部によって監視された氷蓄量に基づいて、冷凍機を制御する制御部とを有する循環式冷水機を提供する。制御部は、冷凍機の動作中において、氷蓄量監視部によって氷蓄量が上限に達したと判定されるまで、冷却器内の氷蓄を許容しながら、冷凍機を動作させる。また、制御部は、氷蓄量監視部によって氷蓄量が上限に達したと判定された場合、動作中の冷凍機を停止させる。これにより、冷却器の氷蓄熱によって、水循環系を循環する水が冷却される。
ここで、第1または第2の発明において、制御部は、冷凍機の停止中において、氷蓄量監視部によって氷蓄量が下限に達したと判定されるまで、冷凍機を停止させ、これによって、冷却器の氷蓄熱にて水循環系を循環する水が冷却される一方、氷蓄量監視部によって氷蓄量が下限に達したと判定された場合、冷凍機を動作させることが好ましい。
第1または第2の発明において、氷蓄量監視部は、冷却器における水の流路において、冷却器の伝熱面と対向して配置され、水と氷との接触面積の比に応じて変化する温度を検知する温度センサ、冷却コイルの伝熱面に生じた氷の厚みを検出するカメラ、または、冷却コイルの伝熱面に生じた氷の厚みを検出するレーザによって、冷却器における水の流路の状態を直接的に検知してもよい。また、氷蓄量監視部は、冷水循環系の流圧または流量を検知するセンサによって、冷却器における水の流路の状態を間接的に検知してもよい。
第1または第2の発明において、制御部は、冷媒循環系を循環する冷媒の蒸発圧力を検知するセンサの検知圧力に基づいて、冷媒循環系を循環する冷媒の蒸発圧力が一定になるように、冷凍機が備える圧縮機の動作周波数を可変に制御することが好ましい。また、制御部は、氷蓄量監視部によって監視された氷蓄量を用いて、冷却器内に生じた氷の成長速度に応じて、冷凍機が備える圧縮機の動作周波数を可変に制御してもよい。
また、第1または第2の発明において、循環式冷水機に適した冷却器として、冷却コイルと、内側流路と、外側流路とを有する冷却器を用いることが好ましい。冷却コイルは、コイルの径方向の内外が仕切られていると共に、コイルを流れる冷媒との熱交換によって、冷却すべき流体を冷却する。内側流路は、冷却コイルの径方向内側において、流体が一方の軸方向に流れる。外側流路は、内側流路と全周に亘って連通していると共に、冷却コイルの径方向外側において、流体が内側流路とは反対方向に流れる。
さらに、第1または第2の発明において、水槽内に貯留された水を、冷却器を介することなく、外部に直接送水する送水系を設けてもよい。
第1の発明によれば、温度センサによって冷水の温度を検知し、その検知温度が設定温度になるように冷凍機を制御する従来の手法に代えて、氷蓄量監視部によって冷却器内の氷蓄量を監視し、これに基づいて冷凍機を制御する。冷却器内の氷蓄を許容しながら、氷蓄量ベースの制御を行うことで、凍結温度近傍の低温の水を生成するのに適した循環式冷水機を実現できる。
第2の発明によれば、冷却器内に水の凍結が生じた場合、直ちに冷凍機を停止させるのではなく、冷却器内の氷蓄を許容しながら、冷凍機の動作を継続させる。これにより、凍結が生じた後も、冷媒との熱交換によって水が冷却されると共に、冷却器内の氷が成長していく。動作中の冷凍機を停止させた場合、冷却器内に蓄えられた氷の氷蓄熱によって水が冷却され、これによって、冷凍機が停止しても熱負荷による水温の変動が抑制される。冷凍機の動作および停止の切り替えを氷蓄量に基づき行い、冷凍機の停止時に氷蓄熱を有効に活用することで、凍結温度近傍の低温の水を安定かつ連続して送水することが可能になる。
第1の実施形態に係る循環式冷水機の全体構成図 循環式冷水機における制御系のブロック図 氷厚み(氷蓄量)と検知温度との相関関係の説明図 温度センサ近傍における氷厚みの変化を示す図 循環式冷水機の制御タイムチャート 蒸発圧力と圧縮機の動作周波数との関係を示す特性図 第1の変形例に係る氷蓄量監視部のブロック図 第2の変形例に係る氷蓄量監視部のブロック図 第2の実施形態に係る冷却器の概略図 冷却コイル周りにおける水の流れを示す図
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る循環式冷水機の概略的な全体構成図である。この循環式冷水機1は、冷却対象となる水を冷却し、飲料用途はもとより、食品、水産、理化学等の各種分野で使用される、凍結温度近傍の低温の冷水を生成する。なお、本明細書において、「水」または「冷水」とは、水分を含む液体といった意味で用いられ、真水のみならず、塩水、飲料(ジュース、ビール等)、ブライン(水分を含むもの)などを含む。
循環式冷水機1は、水槽2と、冷却器3と、水循環系4と、冷媒循環系5と、給水系6と、送水系7とを主体に構成されている。水槽2には、水が貯留されており、その底面には、冷媒との熱交換によって水を冷却する冷却器3が設置されている。水循環系4は、冷却器3における水の出入口に接続されており、水槽2内に貯留された水をポンプ4aで汲み出して冷却器3に供給すると共に、冷却器3によって冷却された冷水を水槽2内に放出する。また、水循環系4において、水槽2とポンプ4aとの間には、水槽2内に貯留された水の温度、より具体的には、送水温度(水槽温度)を検知する送水温度センサ4bが設けられている。さらに、水循環系4には、冷却器3の内部における水の流路の温度を検知する温度センサ9aと、冷却器3の直上流における水の圧力(流圧)を検知する圧力センサ9bとが設けられている。
冷媒循環系5は、冷却器1における冷媒の出入口に接続されており、圧縮機および凝縮器よりなる冷凍機5aと、膨張弁5bとを備えている。冷凍機5aの運転中、冷媒は、冷凍サイクルを繰り返しながら冷媒循環系5を循環する。すなわち、冷凍機5aに供給された冷媒は、圧縮機によって圧縮されて高温高圧ガスとなり、凝縮器によって凝縮(液化)された上で、高圧液となって冷凍機5aより放出される。高圧液化された冷媒は、膨張弁5bによって減圧され、低圧液となって冷却器3に供給される。低圧液化された冷媒は、冷却器3における水との熱交換によって蒸発(気化)し、低圧ガスとなって冷凍機5aに戻される。このような冷媒の冷凍サイクルにおいて、冷却器3内を流れる水は、低圧液化された冷媒が気体に相変化する際の気化熱によって冷却される。また、冷媒循環系5において、冷却器3と冷凍機5aとの間には、冷媒の蒸発圧力(冷凍機5aの入口におけるガス吸入圧力)を検知する蒸発圧力センサ5cが設けられている。
給水系6は、水槽2内に貯留された冷水の水位を検知するレベルセンサ8によって貯留量の減少が検知された場合、給水弁6aを介して、水槽2内に水を補給する。また、送水系7は、水槽2内に貯留された冷水を、冷却器3を介することなく、外部に直接送水する。本実施形態において、送水系7は、水循環系4における冷却器3の直上流側、具体的には、ポンプ4aと冷却器3との間に一端が取り付けられており、ポンプ4aによって汲み出された冷水が外部に送水される。
図2は、循環式冷水機1における制御系のブロック図である。この制御系において、循環式冷水機1全体の制御を司る制御部10は、特徴的な制御として、以下の3つの制御を行う。
(1)給水比例制御
(2)冷凍機5aの低圧一定制御
(3)冷却器3内の氷蓄量に応じた冷凍機5aの動作/停止制御
(1)給水比例制御
制御部10は、送水温度センサ4bによって検知された送水温度(水槽温度)に基づいて、給水系6における給水弁6aの開度を比例制御する。例えば、送水温度が1.1℃で弁開度10%,送水温度が1.0℃で弁開度20%,送水温度が0.9℃で弁開度30%,送水温度が0.8℃で弁開度40%といった如くである。これにより、送水温度が例えば1.0℃よりも低い場合、最初は、給水弁6aを介した給水量が多くなるが、その偏差が小さくなるにつれて、給水量が減少していくため、1.0℃以下を維持することが可能になる。本実施形態では、一例として、比例制御時における給水弁6aの開度範囲を10〜30%としている(ただし、ある程度温度が高くなると0%)。
(2)冷凍機5aの低圧一定制御
制御部10は、蒸発圧力センサ5cによって検知された冷媒の蒸発圧力に基づいて、蒸発圧力が一定になるように、冷凍機5aが備える圧縮機の動作周波数を可変に制御する(例えば、80〜30Hz)。蒸発温度を一定に保つことで、冷却器3における急激な氷着を防止でき、氷蓄量の調整が容易になる。また、冷凍機5aの停止時間を長く設定できると共に、冷凍機5aの動作/停止の切替頻度(いわゆるハンチング)が抑制されるので、運転効率が向上する(低周波数時)。
(3)冷却器3内の氷蓄量に応じた冷凍機5aの動作/停止制御
制御部10は、氷蓄量監視部9によって監視された氷蓄量に基づいて、冷凍機5aの動作および停止を切り替える。冷凍機5aの動作/停止の切り替えを、従来の制御のような冷水温度ベースではなく、氷蓄量ベースで行っている点は、本実施形態における制御部上の特徴の一つである。冷凍機5aの動作時には、冷却器3内の氷蓄を許容しながら、冷媒との熱交換によって水が冷却される。これにより、冷却器3内の氷が成長し、冷凍機5aの停止時における給水などの熱負荷に耐え得る十分な氷蓄量が確保される。また、冷凍機5aの停止時には、冷却器3に蓄えられた氷の氷蓄熱によって水が冷却される。事前に十分な氷蓄量が確保されているので、熱負荷が存在する状況下でも水温の上昇が抑制される。なお、本明細書において、「氷蓄量」とは、冷却器3内に氷着が生じたか否かではなく、氷着後の成長過程も含めた氷の量をいう。
氷蓄量監視部9は、冷却器3における水の流路の状態を検知し、冷却器3内に付着した氷の氷蓄量を監視する。本実施形態では、冷却器3における水の流路の状態を検知するセンサの一例として、温度センサ9aと、圧力センサ9bとが用いられ、判定部9cは、温度センサ9aの検知温度Tと、圧力センサ0bの検知流圧Pとに基づいて、冷却器3内の氷蓄量が上限/下限に達したか否かを判定する。
ここで、温度センサ9aによる氷蓄量の推定メカニズムについて説明する。図3に示すように、冷却器3内に生じる氷厚み(氷蓄量)と、温度センサ9aの検知温度Tとは相関を有しており、氷厚みが増大するほど検知温度Tは低下する。ただし、同図したような単純な線形性を示すことは殆どなく、実際の特性は非線形で、かつ、機種の仕様によって特性が大きく異なる。そこで、両者の相関特性については、実験やシミュレーションを通じて、冷却器の機種毎に予め把握しておく必要がある。
氷厚みの増大に伴い検知温度Tが低下する理由は、温度センサ9aが接する物質(水と氷)の接触面積の比に由来する。この点について、図4に示すモデルを例に説明する。このモデルでは、冷水(例えば1.0℃)と冷媒(例えば−10℃)との間で熱交換が行われる冷却器3の伝熱面と対向して、温度センサ9aが配置されている。まず、伝熱面に氷が生じていない状態a(氷厚みW=0mm)では、温度センサ9aが接するのは冷水だけである。したがって、検知温度Tは、冷水そのものの温度となる(T=1.0℃)。つぎに、伝熱面に氷が生じて温度センサ9aに接した状態b(W=2mm)では、冷媒の熱が温度センサ9aに伝わり易くなる。したがって、検知温度Tが低下する(T=0.5℃)。それ以降、氷厚みWが増大するにつれて(状態c,d)、温度センサ9aと接する氷の割合(接触面積)が増大するため、検知温度Tが更に低下していく(0.0℃,−0.5℃)。そして、温度センサ9aが完全に氷のみと接した状態e(W=8mm)になると、検知温度Tが最も低くなる(T=−1.0℃)。このような氷厚みWと検知温度Tとの相関性に着目することで、温度センサ9aの検知温度Tから、温度センサ9aの設置部分における氷厚みW(氷蓄量)を推定することが可能となる。
判定部9cには、検知温度Tの判定しきい値である下限値Tlowおよび上限値Thighが記憶されている。下限値Tlowは、動作中の冷凍機5aを停止させるべき上限(上限量)に氷蓄量が達した否かを判定するしきい値であり、上限値Thighは、停止中の冷凍機5aを動作させるべき下限(下限量)に氷蓄量が達したか否かを判定するしきい値である。これらのしきい値Tlow,Thighの決定に際しては、これに先立ち、まず、氷蓄量の上限および下限を決定する必要がある。氷蓄量の上限/下限の決定基準は、概ね以下のとおりである。
[氷蓄量の上限基準]
・冷凍機5aの停止時おける熱負荷に耐え得る程度に多いこと
・冷却器3における水の流路を閉塞しない程度に少ないこと
[氷蓄量の下限基準]
・氷蓄量の上限に対してある程度の差があること
以上のような基準に基づき、氷蓄量の上限/下限が決定される。そして、氷蓄量と検知温度Tとの相関特性を参照して、氷蓄量の上限に対応する検知温度Tの値が下限値Tlowとして決定されると共に、氷蓄量の下限に対応する検知温度Tの値が上限値Thighとして決定される。例えば、図3に示した相関特性において、氷厚みWの上限を6mmとし、その下限を2mmとする場合、下限値Tlowは−0.5℃、上限値Thighは0.5℃にそれぞれ設定される。
判定部9cは、温度センサ9aの検知温度Tを判定しきい値Tlow,Thighと比較することによって、冷却器3内の氷蓄量が上限/下限に達したか否かを判定する。具体的には、冷凍機5aの動作中においては、下限値Tlowが用いられ、この下限値Tlowと、氷蓄量の増大にともない経時的に低下していく検知温度Tとが、随時比較される。検知温度Tが下限値Tlowに達していない場合(T>Tlow)、氷蓄量が未だ上限に達していないものと判定される。これに対して、検知温度Tが下限値Tlowに達した場合(T=Tlow)、氷蓄量が上限に達したものと判定される。一方、冷凍機5aの停止中においては、上限値Thighが用いられ、この上限値Thighと、氷蓄量の減少にともない経時的に上昇していく検知温度Tとが、随時比較される。検知温度Tが上限値Thighに達していない場合(T<Thigh)、氷蓄量が未だ下限に達していないものと判定される。これに対して、検知温度Tが上限値Thighに達した場合(T=Thigh)、氷蓄量が下限に達したものと判定される。
一方、氷蓄量の上限/下限の判定には、上述した温度センサ9aの検知温度Tの他に、冷却器3における水の入口に設けられた圧力センサ9bの検知流圧Pも用いられる。検知温度Tと同様、検知流圧Pも氷厚みW(氷蓄量)と相関を有している。冷却器3内に氷着が生じると、水が流れる流路の断面が狭くなって圧力損失が増大するため、冷却器3の入口圧力、すなわち、検知流圧Pが増大するのである。そこで、実験やシミュレーションを通じて、検知流圧Pと氷蓄量との相関特性を冷却器の機種毎に予め把握した上で、上限値Phighと下限値Plowとを適切に設定し、判定部9cに記憶しておく。ここで、上限値Phighは、動作中の冷凍機5aを停止させるべき上限(上限量)に氷蓄量が達した否かを判定するしきい値であり、下限値Plowは、停止中の冷凍機5aを動作させるべき下限(下限量)に氷蓄量が達したか否かを判定するしきい値である。なお、これらの判定しきい値Phigh,Plowの決定手法については、検知温度Tのそれと同様である。
判定部9cは、圧力センサ9bの検知流圧Pを判定しきい値Phigh,Plowと比較することによって、冷却器3内の氷蓄量が上限/下限に達したか否かを判定する。具体的には、冷凍機5aの動作中においては、上限値Phighが用いられ、この上限値Phighと、氷蓄量の増大にともない経時的に上昇していく検知流圧Pとが、随時比較される。検知流圧Pが上限値Phighに達していない場合(P<Phigh)、氷蓄量が未だ上限に達していないものと判定される。これに対して、検知流圧Pが上限値Phighに達した場合(P=Phigh)、氷蓄量が上限に達したものと判定される。一方、冷凍機5aの停止中においては、下限値Plowが用いられ、この下限値Plowと、氷蓄量の減少にともない経時的に低下していく検知流圧Pとが、随時比較される。検知流圧Pが下限値Plowに達していない場合(P>Plow)、氷蓄量が未だ下限に達していないものと判定される。これに対して、検知流圧Pが下限値Plowに達した場合(P=Plow)、氷蓄量が下限に達したものと判定される。
判定部9cは、以下の運転停止条件を満たす場合、氷蓄量が上限に達したものと判定し、制御部10に対して、運転中の冷凍機5aを停止させる旨を指示する。また、判定部9cは、以下の運転再開条件を満たす場合、氷蓄量が下限に達したものと判定し、制御部10に対して、停止中の冷凍機5aを運転させる旨を指示する。制御部10は、判定部9cからの指示に応じて、冷凍機5aを動作/停止させる。
[運転停止条件]
・検知温度Tが下限値Tlowに達すること、および、
・検知流圧Pが上限値Phighに達すること
[運転再開条件]
・検知温度Tが上限値Thighに達すること、および、
・検知流圧Pが下限値Plowに達すること
図5は、循環式冷水機1の制御タイムチャートである。まず、タイミングAにおいて、給水系6を介して、水槽2内への給水が開始される。レベルセンサ8の検知水位が所定の目標水位に達するまでは、給水を速やかに行うために、給水弁6aの開度が強制的に100%に設定される。
つぎに、タイミングBにおいて、給水系6による給水によって、水槽2内の渇水が解除され、これによって、水循環系4におけるポンプ4aの動作が開始される。これ以降、ポンプ4aの動作は、渇水にならない限り、冷却機5aの動作/停止を問わずに継続される。そして、タイミングBから所定時間(例えば3分)が経過したタイミングCにおいて、冷媒循環系5の冷凍機5aが、ポンプ4aよりも遅延して動作し始め、これによって、冷媒との熱交換によって水が冷却され始める。
タイミングDにおいて、レベルセンサ8の検知水位が目標水位に達すると、給水弁6aが閉じて、給水系6による給水が停止する。これ以降、給水弁6aの制御は上述した給水比例制御に切り替わり、送水温度センサ4bによって検知された送水温度に基づいて、10〜30%の開度範囲で比例制御される(送水温度の低下にともない弁開度は増大する)。ただし、タイミングDにおいては、水槽温度が未だ高いので、比例制御の下、給水弁6aは閉じた状態に設定され、水槽温度が1℃付近に近づくまでは、この閉状態が維持される。
タイミングEにおいて、水槽温度が1℃に到達すると、比例制御の下、給水弁6aが開き始め、渇水にならない限り、水槽温度(送水温度)に基づく比例制御が継続される。そして、水槽2が満水に達するタイミングE’において、給水弁6aは強制的に閉状態に切り替わる。これにより、給水による熱負荷がなくなるため、水槽温度は徐々に低下していく。
タイミングFにおいて、送水系7を介して、水槽2から外部への送水が開始される。送水の開始時期は、タイミングE以降であれば何時でもよいが、図示されたタイミングで送水を開始した場合、水槽2の水位が低下して満水状態が解除される。これによって、給水バルブ6aの比例制御によって給水が再開する。この時点では、水槽温度が低いがゆえに給水量が多くなるので、水槽温度が上昇していく。しかしながら、水槽温度が1.0℃に近づくにつれて、給水量が徐々に減っていくので、最終的には1.0℃以下に維持される。また、冷凍機5aの動作は、冷却器3内に凍結が生じた後も、一定の氷蓄量に到達するまで継続され、これによって、冷媒との熱交換によって水が冷却される共に、冷却器3内の氷が成長していく。冷凍機5aの動作中においては、氷蓄量の増大にともない経時的に低下していく検知温度Tが下限値Tlow、氷蓄量の増大にともない経時的に上昇していく検知流圧Pが上限値Phighとそれぞれ比較され、冷却器3内の氷蓄量が上限に達したか否かが判定される。
タイミングGにおいて、検知温度Tが下限値Tlowに達し、かつ、検知流圧Pが上限値Phighに達することで、上述した運転停止条件が満たされる。これにより、冷凍機5aが停止しても、熱負荷に耐え得るだけの十分な氷蓄量が確保できたとみなされ、動作中の冷凍機5aが停止する。それ以降、冷却器4内に蓄えられた氷の氷蓄熱にて、水循環系4を循環する水が冷却されるため、熱負荷が加わっている状況下でも、水槽温度の変動(上昇)が抑制される。また、冷凍機5aの停止中においては、氷蓄量の減少にともない経時的に上昇していく検知温度Tが上限値Thigh、氷蓄量の減少にともない経時的に低下していく検知流圧Pが下限値Plowとそれぞれ比較され、冷却器3内の氷蓄量が下限に達したか否かが判定される。
タイミングHにおいて、検知温度Tが上限値Thighに達し、かつ、検知流圧Pが下限値Plowに達することで、上述した運転再開条件が満たされる。これにより、氷蓄量が下限に達したものと判定されて、停止中の冷凍機5aの動作が再開される。
それ以降、氷蓄量の上限/下限の判定結果に基づいて、期間H−Gと、期間G−Hとが交互に繰り返される。期間H−Gでは、冷媒との熱交換によって水が冷却されると共に、冷凍機5aの停止時に備えて冷却器3内に氷が蓄えられる。また、期間G−Hでは、期間H−Gで冷却器3内に蓄えられた氷の氷蓄熱によって、水が冷却される。これらの期間H−G,G−Hが切り替わる間隔は、氷蓄量の上限および下限との差、具体的には、|Thigh−Tlow|や|Phigh−Plow|に依存することになる。
以上の制御タイムチャートから理解できるように、冷凍機5aの制御上の特徴の一つとして、冷凍機5aの動作/停止を、冷却器によって冷却される水の温度が設定温度に到達したか否かで切り替えるのではなく、冷却器3内の氷蓄量(上限/下限)に基づき切り替えている点が挙げられる。従来の冷水機では、冷水の目標温度となる設定温度自体を凍結温度近傍(例えば約0℃)に設定し、温度センサによって検知された水温が設定温度まで低下した時点で、冷凍機を停止させる。その際、冷却器内の凍結は異常状態とみなされ、凍結の初期段階で即座に解消される。これに対して、本実施形態では、送水温度センサ4bの検知温度は、給水弁6aの比例制御で用いられるだけであって、冷凍機5aの制御として用いられることはない。冷凍機5aの制御は、あくまで、氷蓄量監視部9によって監視された氷蓄量に基づいて行われ、凍結が生じ始めても一定の氷蓄量に達しない限り、制御上は水温に関わりなく、冷凍機5aが動作し続けることになる。このような氷蓄量ベースの制御は、凍結温度近傍の低温の水を生成するのに適している。
このように、本実施形態によれば、冷却器3内に水の凍結が生じた場合、直ちに冷凍機5aを停止させるのではなく、冷却器3内の氷蓄を許容しながら、冷凍機5aの動作を継続させる。これにより、凍結が生じた後も、冷媒との熱交換によって水が冷却されると共に、冷却器3内の氷が成長していく。そして、上記運転停止条件を満たして、冷却器3内の氷蓄量が上限に達したと判定された場合、冷凍機5aを停止させる。冷凍機5aが停止している間も、水循環系4には水が流れているため、冷凍機5aが停止しても氷蓄熱によって水が冷却され、これによって、熱負荷による水温の変動が抑制される。このように、冷凍機5aの制御を氷蓄量に基づき行い、冷凍機5aの停止時に氷蓄熱を有効に活用することで、極低温の水を安定かつ連続して送水することが可能になる。
また、本実施形態によれば、上記運転再開条件を満たして、冷却器3内の氷蓄量が下限に達したと判定された場合、冷凍機5aの運転が再開される。氷蓄量の上限とは別個に下限を設定することで、冷凍機5aの動作/停止が頻繁に切り替わること、いわゆるハンチングを防止することができる。また、上記上限とは別個に下限を設けることで、冷却器3内に蓄えられた量の氷を消費するのに十分な時間を確保できるので、氷蓄熱をより有効に活用することができる。
また、本実施形態によれば、冷媒循環系5を循環する冷媒の蒸発圧力が一定になるように、蒸発圧力センサ5cの検知圧力に基づき、冷凍機5aが備える圧縮機の動作周波数を可変に制御することで、冷却器3における急激な氷着を防止でき、氷蓄量の調整が容易になる。それとともに、冷凍機5aの停止時間を長くできると同時に、冷凍機5aの動作/停止の頻度が低下するので、運転の効率性が向上する(低周波数時)。蒸発圧力を一定に保つことは、冷却器3内の氷着量を一定量にバランスさせることができる点で有利である。この点について図6を参照しつつ説明すると、一般に、蒸発圧力を下げれば下げるほど、冷凍機5aが備える圧縮機の同派周波数は大きくなっていく。また、蒸発圧力が下がるということは、冷媒の温度も下がることを意味し、冷却器3の伝熱面に氷着が生じ易い状態となるため、氷蓄速度が上昇することになる。冷却器3内の氷蓄量が増大するにつれて、冷却器3から氷(水と接する側)への伝熱量が徐々に減少していく。それと同時に、水の流路の断面積も減少する。その結果、水の流速が増大して、水から氷(水と接する側)への伝熱量が徐々に増大していく。その結果、蒸発圧力を一定に保てば(例えば、0.3MPa以上)、ある一定の氷着量でバランスすることになる。しかし、氷着量が一定量を超えてしまうと、流路断面積の縮小により圧力損失が大きくなりすぎて、ポンプの吐出量が減少し、水の流速が増大しなくなるので、氷の成長が進んで水の流路を塞いでしまうことになる。
なお、圧縮機の動作周波数の可変制御は、氷蓄量監視部9によって検知された氷蓄量に基づいて行ってもよい。例えば、制御部10は、温度センサ9の検知温度に基づいて、冷却器3内における氷蓄の成長速度(変化率)が速い場合(検知温度の減少率が大きい場合)、圧縮機の動作周波数を抑制するといった如くである。氷蓄の成長速度が速いか否かは、例えば、所定の判定しきい値を用いて行うことができるが、それ以外に、成長速度に応じて動作周波数をリニアに変更してもよい。
さらに、本実施形態によれば、冷却器3における水の流路の状態を検知するセンサとして、冷却器3における水の流路の状態を直接的に検知すること温度センサ9aと、冷却器3における水の流路の状態を間接的に検知する圧力センサ9bとを併用することで、両者の利点を活かして、冷却器3内の氷着量を精度よく監視・判定することができる。
なお、上述した実施形態では、温度センサ9aおよび圧力センサ9bを併用しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。また、冷却器3内において、水の流速のばらつき等に起因して、局所的な凍結が生じ易い部分が複数存在する場合には、それぞれの部分に温度センサ9aを個別に設置することが好ましい。この場合、複数の温度センサ9aによって検知された検知温度Tのうち、例えば最低値(最も氷蓄量が多い)を代表値とし、これを下限値Tlow/上限値Thighと比較すればよい。また、圧力センサ9bによって、冷却器3における水の入口の流圧を検知することに代えて、冷却器3における水の出入口の流圧差を検知してもよい。さらに、冷却器3における水の流路の状態を間接的に検知する手段として、圧力センサ9bの代わりに流量センサを用い、流量センサの検知流量Fを上限値Fhigh/下限値Flowと比較することによって、冷却器3内の氷蓄量を監視・判定することも可能である。
また、冷却器3内の氷蓄量を監視するために、冷却器3における水の流路の状態を直接的に検知する手法としては、温度センサ9aを用いる手法以外に、以下に例示するような様々な手法を用いることができる。
図7は、第1の変形例に係る氷蓄量監視部のブロック図である。この氷着量監視部9’では、冷却器3における水の流路の状態を検知するセンサとして、カメラ9dを用いている。このカメラ9dは、冷却器3の水の流路内に配置され、伝熱面に生じた氷をその厚みが特定可能な方向から撮影する。例えば、コイル型冷却器の場合、冷却コイルの全周またはその一部が見渡せるように軸方向から撮影すれば、カメラ9dの見通し方向において最も厚い部分(氷厚みが最も大きい部分)が写し出される。また、冷却器3の内部にカメラ9dを配置することが困難であれば、冷却器3の外部に設置してもよく、この場合には、冷却器3の一部に透明な窓を設けるか、あるいは、冷却器3の筐体を透明な部材で構成すればよい。
判定部9cは、撮影された画像に対して歪み補正等の画像処理を施した上で、判定対象となる部位の厚み(コイル径)を特定する。そして、画像上の厚み(コイル径)と、氷がない状態の厚み(コイル径)として予め記憶されている設定値との差分を求めることで、氷自体の厚み、すなわち、氷蓄量を部位毎に特定できる。これにより、温度センサ9aを用いる場合よりも、広い範囲で氷蓄量を監視することが可能になる。
図8は、第2の変形例に係る氷蓄量監視部のブロック図である。この氷蓄量監視部9’’では、冷却器3における水の流路の状態を検知するセンサとして、レーザ9eを用いている。レーザ9eについても、上述したカメラ9dと同様の設置形態を採ることができる。レーザ9eを一次元または二次元に走査させて、照射したレーザ光の反応をトレースすることにより、温度センサ9aを用いる場合よりも、広い範囲で氷蓄量を監視することが可能になる。
その他にも、水と氷との導電率の差に着目して氷蓄量を推定する手法、水から氷になる際に体積が大きくなる点に着目して氷蓄量を推定する手法、冷水温度または冷媒温度が低いほど氷蓄が促進される点に着目し、温度と時間より氷量を推定する手法などを含めて、水と氷の物性の違いを応用した様々な手法が考えられる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態に係る循環式冷水機1は、様々な構造を有する冷却器3に対して、広く適用することができる。しかしながら、冷却器3の内部流路における水の流速がばらついていると、流れの遅い部分で局所的な凍結が生じ、急激に成長し易い。この場合、冷却器3内の氷蓄量を適切に監視するためには、流れの遅い部分毎に温度センサ9aを個別に設置する必要があり、温度センサ9aの使用数の増大を招くといった不都合が生じる。そこで、本実施形態では、局所的な凍結およびその成長を抑制するという観点から、上記循環式冷水機1に適した冷却器3の構造について説明する。
図9は、第2の実施形態に係る冷却器3の概略図である。この冷却器3は、複数の管3a〜3cと、冷却コイル3dとを有し、これらは、径方向の内外に隙間を空けて同心円状に配置されている。冷却コイル3dは、例えば、コイルを密に巻回することによって、あるいは、疎に巻回されたコイル同士の隙間を塞ぐように、シート状の伝熱部材を貼着または溶接することによって、径方向の内外が仕切られている。冷却コイル3dは、コイルを流れる冷媒との熱交換によって、冷却すべき流体を冷却する。
軸芯の内管3aの下端側から供給された水は、この内管3aの内部に形成された流路11aを軸方向上方に向かって流れる。この流路11aを経て上端側に導かれた水は、上端側の連通口12aを介して、径方向外側に全周に亘って均一に導かれた後、流路11bを軸方向下方に向かって流れる。この流路11bを経て下端側に導かれた水は、下端側の連通口12bを介して、径方向外側に全周に亘って均一に導かれた後、内側流路11cを軸方向上方に向かって流れる。この内側流路11cは、冷却コイル3dと接しているので、冷却コイル3dを流れる冷媒と、内部流路11cを流れる水との間で熱交換が行われ、これによって、水が冷却される。内部流路11cを経て上端側に導かれた冷水は、上端側の連通口12cを介して、径方向外側に全周に亘って均一に導かれた後、外側流路11dを軸方向下方に向かって流れる。この外側流路11dは、内側流路11cと同様、冷却コイル3dと接しているので、外側流路11dを流れる冷水はさらに冷却される。そして、外側流路11dを経て下端側に導かれた冷水は、下端側の連通口12d(放出口)を介して、径方向外側に全周に亘って均一に放出される。このように、冷却器1の内部流路11a〜11dにおいて、冷水は、軸方向に往復しながら、径方向外側に導かれる。
本実施形態によれば、冷却コイル3dの内外を仕切って内側流路11cと外側流路11dとに分離すると共に、これらの経路11c,11dの間を連通口12cを介して全周に亘って連通させる。これにより、冷却コイル3dに流体を導入する導入口となる連通口12b(冷却コイル3dの直上流側)より全周に亘って導入された水は、図10の矢印で示すように、内側流路11cおよび外側流路11dよりなる一連の流路を軸方向に沿って一様に往復する。その際、冷却コイル3dの隙間を介した流体の往来が規制されているので、軸方向に沿った流体の流れに乱れが生じ難い。このように流体を整流することによって、冷却コイル3dと接した内側流路11cおよび外側流路11dにおいて、流体の流速がばらつくことを有効に抑制できる。
流速のばらつきの抑制は、特に、流速の遅い部分で局所的に凍結することを防止するという点で、水を凝固温度近傍まで冷却する際に有利である。凍結が生じるとしても、部分的な凍結ではなく、冷却コイル3dの伝熱面全体が均一に凍結するので、温度センサ9aを多数設置しなくとも、少ない個数で、氷蓄量を精度よく監視・判定することが可能となる。
なお、本実施形態では、軸芯から導入した流体を径方向外側より放出する例について説明したが、図10に示した水の流れを逆にして、径方向外側から導入した流体を軸芯より放出してもよい。この場合、内側流路11cおよび外側流路11dの双方の上流に位置する連通口12dを介して、貯留槽内に貯留された流体は、全周から冷却器3の内部に導入される。
1 循環式冷水機
2 水槽
3 冷却器
4 水循環系
4a ポンプ
4b 送水温度センサ
5 冷媒循環系
5a 冷凍機
5b 膨張弁
5c 蒸発圧力センサ
6 給水系
6a 給水弁
7 送水系
8 レベルセンサ
9,9’,9’’ 氷蓄量監視部
9a 温度センサ
9b 圧力センサ
9c 判定部
9d カメラ
9e レーザ
10 制御部

Claims (10)

  1. 循環式冷水機において、
    水槽と、
    前記水槽内に貯留された水を循環させる水循環系と、
    冷媒を循環させる冷媒循環系と、
    前記冷媒循環系に設けられた冷凍機と、
    前記冷媒循環系を循環する冷媒との間の熱交換によって、前記水循環系を循環する水を冷却する冷却器と、
    前記冷却器における水の流路の状態を検知し、前記冷却器内の氷蓄量を監視する氷蓄量監視部と、
    前記氷蓄量監視部によって監視された前記氷蓄量に基づいて、冷却器内の氷蓄を許容しながら、前記冷凍機を動作させる制御部と
    を有することを特徴とする循環式冷水機。
  2. 前記制御部は、前記冷却器によって冷却される水の水温を参照することなく、前記氷蓄量監視部によって監視された前記氷蓄量に基づいて、前記冷却器内の氷蓄を許容しながらの前記冷凍機の動作と、前記冷凍機の停止とを切り替えることを特徴とする請求項1に記載された循環式冷水機。
  3. 循環式冷水機において、
    水槽と、
    前記水槽内に貯留された水を循環させる水循環系と、
    冷媒を循環させる冷媒循環系と、
    前記冷媒循環系に設けられた冷凍機と、
    前記冷媒循環系を循環する冷媒との間の熱交換によって、前記水循環系を循環する水を冷却する冷却器と、
    前記冷却器における水の流路の状態を検知し、前記冷却器内の氷蓄量を監視する氷蓄量監視部と、
    前記氷蓄量監視部によって監視された前記氷蓄量に基づいて、前記冷凍機を制御する制御部とを有し、
    前記制御部は、前記冷却器の動作中において、
    前記氷蓄量監視部によって前記氷蓄量が上限に達したと判定されるまで、前記冷却器内の氷蓄を許容しながら、前記冷凍機を動作させ、
    前記氷蓄量監視部によって前記氷蓄量が前記上限に達したと判定された場合、前記冷凍機を停止させ、これによって、前記冷却器の氷蓄熱にて、前記水循環系を循環する水が冷却されることを特徴とする循環式冷水機。
  4. 前記制御部は、前記冷凍機の停止中において、
    前記氷蓄量監視部によって前記氷蓄量が下限に達したと判定されるまで、前記冷凍機を停止させ、これによって、前記冷却器の氷蓄熱にて、前記水循環系を循環する水が冷却され、
    前記氷蓄量監視部によって前記氷蓄量が前記下限に達したと判定された場合、前記冷凍機を動作させることを特徴とする請求項3に記載された循環式冷水機。
  5. 前記氷蓄量監視部は、
    前記冷却器における水の流路において、前記冷却器の伝熱面と対向して配置され、水と氷との接触面積の比に応じて変化する温度を検知する温度センサ、前記冷却コイルの伝熱面に生じた氷の厚みを検出するカメラ、または、前記冷却コイルの伝熱面に生じた氷の厚みを検出するレーザによって、前記冷却器における水の流路の状態を直接的に検知することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載された循環式冷水機。
  6. 前記氷蓄量監視部は、
    前記水循環系の流圧または流量を検知するセンサによって、前記冷却器における水の流路の状態を間接的に検知することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載された循環式冷水機。
  7. 前記制御部は、前記冷媒循環系を循環する冷媒の蒸発圧力を検知するセンサの検知圧力に基づいて、前記冷媒循環系を循環する冷媒の蒸発圧力が一定になるように、前記冷凍機が備える圧縮機の動作周波数を可変に制御することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載された循環式冷水機。
  8. 前記制御部は、前記氷蓄量監視部によって監視された前記氷蓄量を用いて、前記冷却器内に生じた氷の成長速度に応じて、前記冷凍機が備える圧縮機の動作周波数を可変に制御することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載された循環式冷水機。
  9. 前記冷却器は、
    コイルの径方向の内外が仕切られていると共に、前記コイルを流れる冷媒との熱交換によって、冷却すべき流体を冷却する冷却コイルと、
    前記冷却コイルの径方向内側において、前記流体が一方の軸方向に流れる内側流路と、
    前記内側流路と全周に亘って連通していると共に、前記冷却コイルの径方向外側において、前記流体が前記内側流路とは反対方向に流れる外側流路と
    を有することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載された循環式冷水機。
  10. 前記水槽内に貯留された水を、前記冷却器を介することなく、外部に直接送水する送水系をさらに有することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載された循環式冷水機。
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