JP2017145737A - 容量可変型斜板式圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出容量の変化に応じて吐出室から外部へ流通する冷媒の流量を調整可能であるとともに、外部から吐出室へ冷媒が逆流することを阻止可能であり、かつ、小型化を実現可能な容量可変型斜板式圧縮機を提供する。【解決手段】本発明の圧縮機では、ハウジング1に吐出室、第1連通路15、第2連通路16が形成されている。第1連通路15は外部から直線状に延びている。第2連通路16は、第1連通路15と同軸に延びて吐出室に連通しており、第1連通路15側に弁座27が形成されている。第1連通路15内には、ガイド29と弁体31とが収容されている。ガイド29は、第1連通路15内に固定されている。弁体31はガイド29に案内されてガイド29の軸方向に移動可能である。弁体31は、弁座27との間で流路35の連通面積を変更する。また、弁体31とガイド29との間には、付勢部材としてのコイルばね33が設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は容量可変型斜板式圧縮機に関する。
特許文献1に従来の容量可変型斜板式圧縮機(以下、圧縮機という。)が開示されている。この圧縮機は、ハウジングと、圧縮機構と、吐出室と、逆止弁とを備えている。ハウジングはリヤハウジングを有している。圧縮機構は、ハウジング内に設けられており、冷媒を圧縮する。圧縮機構は、斜板を有しているとともに、斜板の傾斜角度を変更可能となっている。吐出室は、リヤハウジングに形成されており、圧縮機構で圧縮された冷媒が吐出される。また、リヤハウジングには、吐出室に連通する収納室と、外部から直線状に延びて収納室に接続する連通路とが形成されている。
収納室には逆止弁が圧入されている。逆止弁は、弁座部材と、弁座部材に嵌着されたケースと、ケースの内部に設けられた弁体と、ケースの内部に設けられて弁体を弁座部材に着座させる付勢部材とからなる。弁座部材には、吐出室とケースの内部とを連通する流路が形成されている。また、ケースの外周面には、ケースの内部と収納室とを連通する二等辺三角形状の連通口が形成されている。弁体は、ケースの内部を摺動することにより、連通口を開閉可能である。
この圧縮機では、圧縮機構において、斜板の傾斜角度を変更することにより、冷媒の吐出容量を変更することが可能である。そして、逆止弁では、流路を流通する冷媒によって、弁体が付勢部材の付勢力に抗しつつ、ケースの内部を摺動して連通口を開放する。ここで、吐出容量が少なく、吐出室内の冷媒の圧力が小さい場合には、弁体は、ケースの内部を僅かに摺動し、連通口を小さく開放する。一方、吐出容量が多く、吐出室内の冷媒の圧力が大きい場合には、弁体は、ケースの内部を大きく摺動し、連通口を大きく開放する。
こうして、この圧縮機では、吐出容量が少ない場合には、逆止弁は、吐出室から収容室及び連通路、ひいては外部へ流通する冷媒の流量を減少させることができる。一方、吐出容量が多い場合には、逆止弁は、吐出室から外部へ流通する冷媒の流量を増大させることができる。また、逆止弁は、連通路を通じて外部から吐出室へ冷媒が逆流することを阻止する。
特開2000−346217号公報
しかし、上記従来の圧縮機では、リヤハウジングに収容室を確保する必要があるため、リヤハウジング、ひいてはハウジングを小型化することが難しい。また、逆止弁が弁座部材等の複数の部材によって構成されることから、逆止弁自体を小型化することも難しく、結果として、収容室を小型化することも難しい。このため、この圧縮機では小型化を実現し難い。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、吐出容量の変化に応じて吐出室から外部へ流通する冷媒の流量を調整可能であるとともに、外部から吐出室へ冷媒が逆流することを阻止可能であり、かつ、小型化を実現可能な容量可変型斜板式圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、ハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、斜板を有して冷媒を圧縮するとともに、前記斜板の傾斜角度を変更して吐出容量を変更可能な圧縮機構と、
前記ハウジングに形成され、前記圧縮機構で圧縮された冷媒が吐出される吐出室とを備えた容量可変型圧縮機において、
前記ハウジングには、外部から直線状に延びて形成される第1連通路と、前記第1連通路と同軸に延びて前記吐出室に連通し、前記第1連通路側に弁座が形成される第2連通路とが形成され、
前記第1連通路内には、前記第1連通路内に固定され、前記第1連通路と同軸に延びるガイドと、前記ガイドに案内されて前記ガイドの軸方向に移動可能であり、前記第1連通路の内周面との間で流路を形成しつつ、前記弁座との間で前記流路の連通面積を変更可能な弁体とが収容され、
前記弁体と前記ガイドとの間には、前記弁体を前記弁座に着座させる付勢部材が設けられていることを特徴とする。
本発明の圧縮機では、圧縮機構で圧縮されて吐出室に吐出された冷媒は、第2連通路から第1連通路を経て外部に吐出される。ここで、この圧縮機では、吐出容量が少なく、第2連通路を流通する冷媒の圧力が小さい場合には、弁体は、付勢部材の付勢力に抗しつつ、ガイドに案内されてガイドの軸方向に第1連通路内を僅かに移動する。これにより、弁体は流路の連通面積を小さくする。このため、第1連通路内では、流路を流通する冷媒の流量が減少する。こうして、この圧縮機では、吐出容量が少ない場合には、第1連通路から外部へ流通する冷媒の流量を減少させることができる。
一方、この圧縮機では、吐出容量が多く、第2連通路を流通する冷媒の圧力が大きい場合には、弁体は、付勢部材の付勢力に抗しつつ、ガイドの軸方向に第1連通路内を大きく移動する。これにより、弁体は流路の連通面積を大きくする。このため、第1連通路内では、流路を流通する冷媒の流量が増大する。こうして、この圧縮機では、吐出容量が多い場合には、第1連通路から外部へ流通する冷媒の流量を増大させることができる。
また、この圧縮機では、付勢部材の付勢力によって弁体が弁座に着座しておれば、弁体は第1連通路と第2連通路との間を閉鎖する。これにより、この圧縮機では、弁体は、第1連通路及び第2連通路を通じて外部から吐出室へ冷媒が逆流することを阻止できる。
ここで、この圧縮機では、上記の各作用を奏するに当たって、第1連通路内にガイドと弁体と付勢部材とを設ければ足りる。このため、この圧縮機では、従来の圧縮機のような逆止弁を設ける場合と比較して、第1連通路や弁体等の構成を簡素化することができる。これにより、この圧縮機では、第1連通路を小型化でき、結果としてハウジングを小型化することが可能となる。
したがって、本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、吐出容量の変化に応じて吐出室から外部へ流通する冷媒の流量を調整可能であるとともに、外部から吐出室へ冷媒が逆流することを阻止可能であり、かつ、小型化を実現できる。
特に、この圧縮機では、上記のように弁体等の構成を簡素化できることから、第1連通路の設計の自由度を高くすることができる。このため、この圧縮機では、第1連通路に接続される配管の大きさに応じて、ハウジングに第1連通路を形成することが可能となる。
第1連通路は円柱状に形成され得る。また、第2連通路は、第1連通路より小径の円柱状に形成され得る。そして、弁体は、円柱状に延びる弁本体と、弁本体から弁本体より小径の円柱状に突出し、第2連通路を移動可能な小径部と、小径部から先細り状に突出するテーパ部とを有していることが好ましい。
この場合には、弁体では、弁本体がガイドの軸方向に第1連通路内を移動することにより、小径部は第2連通路を移動する。これにより、テーパ部は弁座と第2連通路との間で流路の連通面積を徐々に変更する。こうして、この圧縮機では、第1、2連通路及び弁体の構成を簡素化しつつ、上記の各作用を好適に奏することが可能となる。
また、第1連通路は、円柱状をなす連通路本体と、第1連通路本体から先細り状に延びるテーパ孔と、テーパ孔の先端から円柱状に形成された小径孔とを有し得る。さらに、第2連通路は、小径孔より小径の円柱状に形成され得る。そして、弁体は、円柱状に延びていることも好ましい。
この場合には、弁体がガイドの軸方向に第1連通路内を移動することにより、テーパ孔と小径孔と弁座との間において、流路の連通面積が徐々に変更される。こうして、この圧縮機でも、第1、2連通路及び弁体の構成を簡素化しつつ、上記の各作用を好適に奏することが可能となる。
また、第1連通路、第2連通路及び弁体の少なくとも一つには、弁体の移動によって連通面積を変化させる凹部が形成されていることも好ましい。この場合にも、第1、2連通路及び弁体の構成を簡素化しつつ、上記の各作用を好適に奏することが可能となる。また、この圧縮機では、凹部の形状や個数によって、連通面積が変化する際の変化量を調整することも可能となる。
ガイドは、円柱状の軸部を有し得る。そして、弁体は、軸部及び付勢部材を収納する有底の収納空間を有することが好ましい。この場合、弁体はガイドの軸方向に好適に移動することが可能となる。また、この圧縮機では、付勢部材を容易に設けることが可能となる。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、吐出容量の変化に応じて吐出室から外部へ流通する冷媒の流量を調整可能であるとともに、外部から吐出室へ冷媒が逆流することを阻止可能であり、かつ、小型化を実現できる。
図1は、実施例1の圧縮機を示す断面図である。 図2は、実施例1の圧縮機に係り、図1の領域Xを示す要部拡大断面図である。 図3は、実施例1の圧縮機に係り、ガイドを示す側面図である。 図4は、実施例1の圧縮機に係り、ガイドを示す上面図である。 図5は、実施例1の圧縮機に係り、弁体を示す側面図である。 図6は、実施例1の圧縮機に係り、吐出容量が少ない場合の第1連通路における弁体の位置等を示す要部拡大断面図である。 図7は、実施例1の圧縮機に係り、吐出容量が多い場合の第1連通路における弁体の位置等を示す要部拡大断面図である。 図8は、実施例1の圧縮機に係り、ピストンのストロークと流路の連通面積との関係を示すグラフである。 図9は、実施例2の圧縮機を示す図2と同様の要部拡大断面図である。 図10は、実施例2の圧縮機に係り、吐出容量が少ない場合の第1連通路における弁体の位置等を示す要部拡大断面図である。 図11は、実施例2の圧縮機に係り、吐出容量が多い場合の第1連通路における弁体の位置等を示す要部拡大断面図である。 図12は、実施例3の圧縮機を示す要部拡大断面図である。 図13は、実施例4の圧縮機を示す要部拡大断面図である。
以下、本発明を具体化した実施例1〜4を図面を参照しつつ説明する。これらの圧縮機は、いずれも車両に搭載されており、車両用空調装置の冷凍回路を構成している。
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の圧縮機は、ハウジング1と圧縮機構100とを備えている。本実施例の圧縮機は、具体的には片頭ピストン式の容量可変型斜板式圧縮機である。
ハウジング1は、フロントハウジング3、リヤハウジング5、シリンダブロック7及び弁形成プレート9を有している。本実施例では、フロントハウジング3が位置する側を圧縮機の前方側とし、リヤハウジング5が位置する側を圧縮機の後方側として、圧縮機の前後方向を規定している。また、図1の紙面の上方を圧縮機の上方側とし、紙面の下方を圧縮機の下方側として、圧縮機の上下方向を規定している。そして、図2以降では、図1に対応させて前後方向及び上下方向を規定している。なお、圧縮機は、搭載される車両等に対応して、その姿勢が適宜変更される。
フロントハウジング3は、前方で上下方向、つまり、フロントハウジング3の径方向に延びる前壁3aと、前壁3aと一体化され、圧縮機の前方から後方に向かって延びる周壁3bとを有している。これらの前壁3aと周壁3bとにより、フロントハウジング3は有底の略円筒形状をなしている。
前壁3aには、前方に向かって突出するボス3cが形成されている。このボス3c内には、軸封装置11が設けられている。また、ボス3c内には、圧縮機の前後方向に延びる第1軸孔3dが形成されている。この第1軸孔3d内には第1軸受13aが設けられている。
リヤハウジング5には、吸入室5aと、吐出室5bと、環状壁5cと、外周壁5dと、吸入ポート5eと、第1給気通路17aと、第2給気通路17bとが形成されている。また、リヤハウジング5には、容量制御弁19が設けられている。
吸入室5aは、環状壁5cによって区画されており、リヤハウジング5の内側に位置している。吐出室5bは、環状壁5cと外周壁5dとよって区画されており、リヤハウジング5の外周側に位置している。吐出室5bは、周方向に延びて吸入室5aを環状に囲んでいる。吸入ポート5eは、吸入室5aと連通してリヤハウジング5の径方向に延びている。吸入ポート5eは、吸入室5aと圧縮機の外部とを連通させる。
第1給気通路17aは、吐出室5bと容量制御弁19とに接続されている。第2給気通路17bは、後端が容量制御弁19と接続されおり、前端がリヤハウジング5の前端面に開口している。容量制御弁19は開度を外部からの給電制御によって調節することによって、後述するクランク室21の内圧を調整する。なお、容量制御弁19についての詳細は後述する。
また、図2に示すように、リヤハウジング5には、第1連通路15と第2連通路16とが形成されている。第1連通路15は円柱状に形成されている。第1連通路15は、リヤハウジング5の外部、すなわち、圧縮機の外部から、リヤハウジング5の内部に向かって、リヤハウジング5の径方向に直線状に延びている。第2連通路16は、第1連通路15よりも小径の円筒状に形成されている。第2連通路16は、第1連通路15と同軸でリヤハウジング5の内部に向かってリヤハウジング5の径方向に直線状に延びており、第1連通路15と吐出室5bとに接続している。第2連通路16が円柱状に形成されていることから、第2連通路16の内周面160は円柱状をなしている。このように、この圧縮機では、第1連通路15及び第2連通路16は、圧縮機の上下方向に直線状に延びて吐出室5bと圧縮室の外部とを連通させている。これにより、第1連通路15及び第2連通路16が吐出ポートとして機能する。なお、第1連通路15と圧縮機の外部とを連通する専用の吐出ポートを設けても良い。
第1連通路15は、リヤハウジング5の外部に開口する上端部15aと、上端部15aと第2連通路16とに接続する連通路本体15bとを有している。上端部15a及び連通路本体15bは円柱状に形成されている。このため、上端部15aの内周面150及び連通路本体15bの内周面151は、それぞれ円柱状をなしている。ここで、上端部15aは、連通路本体15bよりも大径に形成されており、上端部15aと連通路本体15bとの境界には段部15cが形成されている。
また、第2連通路16は連通路本体15bよりも小径であることから、第2連通路16と連通路本体15bとの境界、つまり、第2連通路16における第1連通路15側には、弁座27が円環状に形成されている。
第1連通路15内には、ガイド29が収容されている。図3に示すように、ガイド29は、軸部29aと固定部29bとを有している。軸部29aは円柱状に形成されており、圧縮機の上下方向に延びている。軸部29aの内部には、軸部29aの軸方向に軸部29aを貫通する通孔290が形成されている。図4に示すように、固定部29bは円環状に形成されている。固定部29bの外周は、第1連通路15の上端部15aの内周面150とほぼ同径に形成されている。固定部29bは、軸部29aの外側に位置しており、4つの接続部291によって軸部29aと接続されることで軸部29aの上方に固定されている。また、4つの接続部291によって軸部29aと固定部29bとが接続されることにより、軸部29aと固定部29bとの間には、各接続部291によって、4つの連通口292が区画されている。なお、各接続部291及び各連通口292の個数は適宜設計することが可能である。
また、図2に示すように、第1連通路15内には、弁体31が収容されている。図5に示すように、弁体31は、弁本体31aと小径部31bとテーパ部31cとを有している。図2に示すように、弁本体31aは、第2連通路16よりも大径であって、連通路本体15bよりも小径をなす円柱状に形成されており、圧縮機の上下方向に延びている。また、弁本体31aには、弁本体31aと同軸で延びる有底の収納空間310が凹設されている。収納空間310は、ガイド29の軸部29aとほぼ同径の円柱状に形成されている。収納空間310の上端は、弁本体31aの上端に開口している。収納空間310内には、コイルばね33が収容されている。コイルばね33は本発明における付勢部材の一例である。
図5に示すように、小径部31bは、弁本体31aと同軸で弁本体31aの下端に形成されている。小径部31bは、弁本体31aよりも小径であって、第2連通路16の内周面160とほぼ同径をなす円柱状に形成されており、弁本体31aの下端から圧縮機の下方に向かって突出している。テーパ部31cは、小径部31bの下端に形成されており、小径部31bから遠ざかるにつれて先細り状に縮径しつつ、圧縮機の下方に向かって突出している。
図2に示すように、この圧縮機では、リヤハウジング5の外部から第1連通路15内に弁体31が収納される。これにより、弁本体31aの下端が弁座27に当接し、弁体31が弁座27に着座する。また、小径部31b及びテーパ部31cが第2連通路16内に進入する。こうして、この圧縮機では、連通路本体15bの内周面151と、第2連通路16の内周面160と、弁体31との間に流路35が形成されている。
また、上記のように、収納空間310内には、コイルばね33が収容される。この状態で、リヤハウジング5の外部から第1連通路15内にガイド29が収納される。これにより、ガイド29では、固定部29bが第1連通路15の上端部15aに嵌め込まれた状態で段部15cに保持される。こうして、ガイド29は、第1連通路15内において弁体31よりも上方に位置した状態で、第1連通路15内に固定される。このため、ガイド29の軸部29aは、第1連通路15内を下方に向かって延びるように配置される。そして、第1連通路15内では、各連通口292によって、上端部15aと連通路本体15bとが連通する。
また、ガイド29では、軸部29aの一部が収納空間310内に収容される。これにより、通孔290が上端部15aと収納空間310とに連通する。また、コイルばね33は、収納空間310の底面と軸部29aとに当接し、弁座27に着座するように、弁体31を第1連通路15の下方に向けて付勢する。弁体31は、弁座27に着座し、かつ、小径部31bを第2連通路16内に位置させることにより、第2連通路16を閉鎖して第1連通路15と第2連通路16との間を閉鎖する。これにより、流路35が閉鎖される。
図1に示すように、シリンダブロック7は、フロントハウジング3とリヤハウジング5との間に位置している。これにより、フロントハウジング3とシリンダブロック7との間には、クランク室21が形成されている。
シリンダブロック7には、複数個のシリンダボア7aが周方向に等角度間隔で形成されている。各シリンダボア7aの前端はクランク室21と連通している。また、図示を省略するものの、シリンダブロック7には、後述する吸入リード弁91aの最大開度を規制するリテーナ溝が形成されている。
また、シリンダブロック7には、凹部7bと、凹部7bと連通する第2軸孔7cとが形成されている他、第3給気通路17cと、抽気通路17dとが形成されている。第2軸孔7c内には、第2軸受13bが設けられている。また、第2軸孔7c内において第2軸受13bよりも後方には、第2スラスト軸受23bとコイルばね25とが設けられている。コイルばね25は、第2スラスト軸受23bと弁形成プレート9との間に位置しており、第2スラスト軸受23bを前方に向けて付勢しつつ支持している。
第3給気通路17c及び抽気通路17dは、ともにシリンダブロック7の前後方向に延びている。第3給気通路17c及び抽気通路17dの各前端は、それぞれクランク室21に開口しており、各後端は、それぞれシリンダブロック7の後端面に開口している。
弁形成プレート9は、シリンダブロック7とリヤハウジング5との間に配置されている。弁形成プレート9は、バルブプレート90と、吸入弁プレート91と、吐出弁プレート92と、リテーナプレート93とを有している。バルブプレート90、吐出弁プレート92及びリテーナプレート93には、シリンダボア7aと同数の吸入孔90aが形成されている。バルブプレート90及び吸入弁プレート91には、シリンダボア7aと同数の吐出孔90bが形成されている。さらに、バルブプレート90、吸入弁プレート91、吐出弁プレート92及びリテーナプレート93には、第1、2連通孔90c、90dが形成されている。
各シリンダボア7aは、各吸入孔90aを通じて吸入室5aと連通する。また、各シリンダボア7aは、各吐出孔90bを通じて吐出室5bと連通する。そして、第1連通孔90cを通じて、第2給気通路17bと第3給気通路17cとが連通する。第2連通孔90dを通じて、抽気通路17dと吸入室5aとが連通する。
吸入弁プレート91は、バルブプレート90の前面に設けられている。吸入弁プレート91には、弾性変形により各吸入孔90aを開閉可能な吸入リード弁91aが複数形成されている。吐出弁プレート92は、バルブプレート90の後面に設けられている。吐出弁プレート92には、弾性変形により各吐出孔90bを開閉可能な吐出リード弁92aが複数形成されている。リテーナプレート93は、吐出弁プレート92の後面に設けられている。リテーナプレート93は、各吐出リード弁92aの最大開度を規制する。
この圧縮機では、第2、3給気通路17b、17c及び第1連通孔90cによって、クランク室21と容量制御弁19とが接続されている。これにより、第1〜3給気通路17a〜17c、第1連通孔90c及び容量制御弁19を介して、クランク室21と吐出室5bとが連通している。さらに、抽気通路17d及び第2連通孔90dによって、クランク室21と吸入室5aとが連通している。
シリンダブロック7は、リヤハウジング5との間に弁形成プレート9を介在させた状態で、フロントハウジング3とリヤハウジング5とに挟持され、この状態で複数本のボルト45によって締結されている。これにより、フロントハウジング3と、シリンダブロック7と、弁形成プレート9と、リヤハウジング5とが一体化されている。
また、フロントハウジング3と、シリンダブロック7とには、駆動軸47が挿通されている。駆動軸47は、フロントハウジング3内において、軸封装置11及び第1軸受13aに挿通されている。また、駆動軸47は、シリンダブロック7内において、第2軸受13bに挿通されている。これにより、駆動軸47は、ハウジング1に支持されており、圧縮機の前後方向と平行な回転軸心O周りで回転可能となっている。また、駆動軸47の後端は、シリンダブロック7内において、第2スラスト軸受23bに挿通されて支持されている。
駆動軸47には、ラグプレート49が圧入されている。ラグプレート49はクランク室21内において前方に配置されており、駆動軸47の回転に伴ってクランク室21内で回転可能となっている。ラグプレート49とフロントハウジング3の前壁3aとの間には第1スラスト軸受23aが設けられている。
また、駆動軸47には斜板51が挿通されている。斜板51は、クランク室21内において、ラグプレート49の後方に位置している。ラグプレート49と斜板51との間には、駆動軸47回りで傾角縮小ばね53が設けられている。また、駆動軸47には、サークリップ55が固定されており、サークリップ55と斜板51との間には、駆動軸47回りで復帰ばね57が設けられている。
クランク室21内において、ラグプレート49と斜板51とはリンク部材59によって接続されている。リンク部材59は、ラグプレート47に対する斜板51の傾斜角度を変更可能に斜板51を支持している。
各シリンダボア7a内には、それぞれピストン61が往復動可能に収納されている。各ピストン61の後端面は、各シリンダボア7a内で弁形成プレート9と対向している。これにより、各ピストン61は、各シリンダボア7aの後側に圧縮室63を区画している。
各ピストン61と斜板51との間には、前後で対をなすシュー65a、65bが設けられている。各対のシュー65a、65bによって、斜板51の回転がピストン61の往復動に変換されるようになっている。また、各ピストン61は、各対のシュー65a、65bによって、斜板51の傾斜角度に応じたストロークで、各シリンダボア7a内を往復動することが可能となっている。
これらの容量制御弁19、第1〜3給気通路17a〜17c、抽気通路17d、駆動軸47、ラグプレート49、斜板51、リンク部材59、各ピストン61、各対のシュー65a、65b等によって、圧縮機構100が構成されている。
この圧縮機では、吸入ポート5eに対して蒸発器に繋がる配管が接続される。これにより、吸入室5a内には、蒸発器を経た低圧の冷媒ガスが吸入ポート5eを通じて流入する。また、この圧縮機では、第1連通路15の上端部15aに対して凝縮器に繋がる配管が接続される。これにより、第1連通路15から高圧の冷媒ガスが凝縮器へ流通する。凝縮器は配管及び膨張弁を介して蒸発器と接続される。これらの圧縮機、蒸発器、膨張弁、凝縮器等によって車両用空調装置の冷凍回路が構成されている。なお、蒸発器、膨張弁、凝縮器及び各配管の図示は省略する。
以上のように構成された圧縮機では、駆動軸47が回転することにより、斜板51が回転し、各ピストン61がシリンダボア7a内を往復動する。このため、圧縮室63は、ピストン61のストロークに応じて容積を変化させる。このため、この圧縮機では、圧縮室63へ冷媒ガスを吸入する吸入行程と、圧縮室63において冷媒ガスが圧縮される圧縮行程と、圧縮された冷媒ガスが吐出室5bに吐出される吐出行程等とが繰り返し行われることとなる。
この間、この圧縮機では、容量制御弁19によってクランク室21の内圧を調整することにより、吐出容量を適宜変更することが可能となっている。
具体的には、容量制御弁19の開度を調節することで、吐出室5bから第1〜3給気通路17a〜17c及び第1連通孔90cを通じてクランク室21に導入される高圧の冷媒ガスの量と、クランク室21から抽気通路17d及び第2連通孔90dを通じて吸入室5aに導出される冷媒ガスの量とのバランスが制御され、クランク室21の内圧が決定される。そして、クランク室21の内圧の変更に応じてクランク室21と圧縮室63との差圧が変更され、斜板51の傾斜角度が変更される結果、各ピストン61のストロークが変更され、圧縮機の吐出容量が調節される。
このため、この圧縮機では、容量制御弁19の開度を増大させれば、クランク室21の内圧が上昇する。このため、斜板51の傾斜角度が減少して各ピストン61のストロークが減少し、駆動軸47の1回転当たりの吐出容量が減少する。反対に、容量制御弁19の開度を減少させれば、クランク室21の内圧が低下する。このため、斜板51の傾斜角度が増大してピストン61のストロークが増大し、駆動軸47の1回転当たりの吐出容量が増大する。
この圧縮機では、各圧縮室63で圧縮されて吐出室5bに吐出された冷媒ガスは、第1連通路15に向かって第2連通路16を流通する。ここで、図6に示すように、吐出容量が少なく、吐出室5bから第2通路16へ流通する冷媒ガスの圧力が小さい場合には、弁体31は、コイルばね33の付勢力に抗しつつ、軸部29aの軸方向に連通路本体15b内を僅かに上方へ移動する。この際、弁体31では、弁本体31aが収納空間310の内周面を通じてガイド29の軸部29aを摺接することにより、ガイド29の軸部29aに案内されて連通路本体15b内を上方へ移動する。これにより、弁体31では、弁本体31aが弁座27から離れるとともに、小径部31b及びテーパ部31cが第2連通路16内を上方に移動する。そして、小径部31bは、第2連通路16内から脱出することにより、第2連通路16を開放する。このため、第1連通路15と第2連通路16とが連通し、流路35が開放される。この際、弁体31では、テーパ部31cが弁座27と第2連通路16との間で流路35の連通面積を変更する。
上記のように、テーパ部31cは、小径部31bから遠ざかるにつれて先細り状に縮径する形状である。このため、弁体31が連通路本体15b内を僅かに上方へ移動した状態では、第2連通路16の内周面160とテーパ部31cとの隙間が小さく形成される。これにより、この圧縮機では、吐出容量が少ない場合には、テーパ部31c、ひいては弁体31は、弁座27と第2連通路16との間において、流路35の連通面積を小さくする。このため、第1連通路15内では、流路35を流通する冷媒ガスの流量が減少する。そして、流路35を流通する冷媒ガスは、ガイド29の各連通口292を通過して第1連通路15の上端部15aに至る。
一方、吐出容量が多くなり、吐出室5bから第2連通路16へ流通する冷媒ガスの圧力が大きくなるにつれて、弁体31は、コイルばね33の付勢力に抗しつつ、軸部29aの軸方向に連通路本体15b内をさらに上方へ移動する。これにより、テーパ部31cが第2連通路16をさらに上方へ移動するため、第2連通路16の内周面160とテーパ部31cとの隙間が徐々に大きくなる。このように、この圧縮機では、吐出容量が多くなるにつれて、弁体31は、弁座27と第2連通路16との間において、流路35の連通面積を徐々に大きくする。このため、第1連通路15内では、流路35を流通する冷媒ガスの流量が徐々に増大する。
そして、図7に示すように、吐出容量がさらに多くなり、弁体31が連通路本体15b内を上方へ大きく移動するのに伴って、テーパ部31cが第2連通路16内から完全に脱出する。これにより、弁座27と第2連通路16との間において、流路35の連通面積が最大となる。このため、第1連通路15内では、流路35を流通する冷媒ガスの流量が最大となる。
こうして、この圧縮機では、図8のグラフに示すように、各ピストン61のストロークが小さく、吐出容量が少ない場合には、流路35の連通面積を小さくして、吐出室5bから第1連通路15を通じて圧縮機の外部の凝縮器へ流通する冷媒ガスの流量を減少させることができる。そして、各ピストン61のストロークが大きくなるにつれて、つまり、吐出容量が多くなるにつれて、流路35の連通面積を徐々に大きくして、吐出室5bから第1連通路15を通じて凝縮器へ流通する冷媒ガスの流量を徐々に増大させることができる。このように、この圧縮機では、吐出容量の変化に応じて第1連通路15から凝縮器へ流通する冷媒ガスの流量を変化させることができる。
また、図2に示すように、この圧縮機では、コイルばね33の付勢力によって弁本体31aが弁座27に着座しておれば、小径部31bが第2連通路16内に進入して第2連通路16を閉鎖する。これにより、弁体31は、第1連通路15と第2連通路16との間を閉鎖する。これにより、この圧縮機では、弁体31は、第1、2連通路15、16を通じて凝縮器や配管から吐出室5bへ冷媒ガスが逆流することを阻止できる。
ここで、この圧縮機では、上記の各作用を奏するに当たって、第1連通路15内にガイド29と、弁体31と、コイルばね33とを設ければ足りる。このため、この圧縮機では、従来の圧縮機のような逆止弁を設ける場合と比較して、第1連通路15や弁体31等の構成を簡素化することができる。これにより、この圧縮機では、第1連通路15を小型化でき、リヤハウジング5を小型化することができる。また、この圧縮機では、リヤハウジング5等に逆止弁を設けるためのスペースを確保する必要もない。この結果、この圧縮機では、ハウジング1を小型化することが可能となっている。
したがって、実施例1の圧縮機は、吐出容量の変化に応じて吐出室5bから外部へ流通する冷媒ガスの流量を調整可能であるとともに、外部から吐出室5bへ冷媒ガスが逆流することを阻止可能であり、かつ、小型化を実現できる。
特に、この圧縮機では、上記のように弁体31等の構成を簡素化できることから、第1連通路15の設計の自由度を高くすることができる。このため、この圧縮機では、第1連通路15の上端部15aに接続される配管の大きさに応じて、リヤハウジング5に第1連通路15を形成することが可能となっている。
また、この圧縮機では、第1連通路15及び第2連通路16がともに円柱状に形成されているため、リヤハウジング7に第1連通路15及び第2連通路16を容易に形成することが可能となっている。さらに、第2連通路16を第1連通路15よりも小径に形成することにより、弁座27の形成も容易となっている。
さらに、ガイド29は軸部29aを有しており、弁体31は収納空間310に軸部29aの一部を収納する。このため、この圧縮機では、弁本体31aが軸部29aに摺接することにより、弁体31は軸部29aの軸方向、すなわち、ガイド29の軸方向に好適に移動することが可能となっている。また、収納空間310にコイルばね33を収納することにより、この圧縮機では、第1連通路15内において、弁体31とガイド29との間にコイルばね33を容易に設けることが可能となっている。
(実施例2)
実施例2の圧縮機では、第1連通路15に換えて、図9に示す第1連通路67がリヤハウジング5に形成されている。また、この圧縮機では、弁体31が弁本体31aのみで構成されている。
第1連通路67は円柱状に形成されている。第1連通路15と同様、第1連通路67も、リヤハウジング5の外部から、リヤハウジング5の内部に向かって、リヤハウジング5の径方向に直線状に延びており、第2連通路16と接続している。この圧縮機では、第1連通路67及び第2連通路16が吐出ポートとして機能する。
第1連通路67は、上端部67aと、連通路本体67bと、テーパ孔67cと、小径孔67dとを有している。上端部67aは、上記の第1連通路15の上端部15aと同様に形成されている。連通路本体67bは、上端部67aよりも小径であって、弁本体31aよりも大径をなす円柱状に形成されている。連通路本体67bは、上端部67aと接続しており、圧縮機の下方に向かって延びている。上端部67aと連通路本体67bとの境界には段部67eが形成されている。テーパ孔67cは、連通路本体67bの下端と接続されており、連通路本体67bから遠ざかるにつれて先細り状に縮径しつつ、圧縮機の下方に向かって延びている。小径孔67dは、第2連通路16よりも大径であって、弁本体31aとほぼ同径をなす円柱状に形成されている。小径孔67dは、テーパ孔67cの下端と第2連通路16とに接続されている。
このように、上端部67a、連通路本体67b及び小径孔67dが円柱状に形成されていることから、上端部67aの内周面670、連通路本体67bの内周面671及び小径孔67dの内周面673は、それぞれ円柱状をなしている。また、テーパ孔67cの内周面672は、連通路本体67bから遠ざかるにつれて縮径する円錐状をなしている。また、小径孔67dが第2連通路16よりも大径であることから、この圧縮機においても、第2連通路16における第1連通路67側には、弁座69が円環状に形成されている。
実施例1の圧縮機と同様、この圧縮機でも第1連通路67内に、ガイド29と弁体31とコイルばね33とが設けられている。これにより、この圧縮機では、連通路本体67bの内周面671と、テーパ孔67cの内周面672と、小径孔67dの内周面673と、第2連通路16の内周面160と、弁体31との間に流路71が形成されている。
そして、この圧縮機では、弁本体31aの下端が弁座69に当接することで弁体31が弁座69に着座する。また、コイルばね33は、弁座69に着座するように、弁体31を第1連通路67の下方に向けて付勢する。弁体31は、弁座69に着座することにより、弁本体31の下端が小径孔67d内に位置する。これにより、弁体31は、第2連通路16を閉鎖して、第1連通路67と第2連通路16との間を閉鎖する。また、弁本体31aの下端が小径孔67dを閉鎖する。これらにより、流路71が閉鎖される。また、ガイド29は、固定部29bが第1連通路67の上端部67aに嵌め込まれた状態で段部67eに保持されることにより、第1連通路67内に固定されている。また、第1連通路67内において、ガイド29の各連通口292は、上端部67aと連通路本体67bとを連通する。この圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
図10に示すように、この圧縮機においても、吐出容量が少ない場合には、弁体31は、コイルばね33の付勢力に抗しつつ、弁座69から離れて軸部29aの軸方向に連通路本体67b内を僅かに上方へ移動する。そして、弁体31では、弁本体31aの下端が小径孔67dよりも上方に位置することで、第2連通路16及び小径孔67dが開放されて第1連通路67と第2連通路16とが連通する。このため、流路71が開放される。この際、この圧縮機では、テーパ孔67cと小径孔67dと弁座69との間において、流路71の連通面積が変更される。
上記のように、テーパ孔67cは、連通路本体67bから遠ざかるにつれて、つまり、圧縮機の下方に向かうにつれて先細り状に縮径する形状である。このため、弁体31が第2連通路67b内を僅かに上方へ移動した状態では、テーパ孔67cの内周面672と弁本体31aとの隙間が小さく形成される。これにより、この圧縮機では、吐出容量が少ない場合には、テーパ孔67cと小径孔67dと弁座69との間において、流路71の連通面積が小さくなる。このため、この圧縮機においても、流路71を流通する冷媒ガスの流量が減少する。
そして、図11に示すように、吐出容量が多くなり、吐出室5bから第2通路16へ流通する冷媒ガスの圧力が大きくなるにつれて、弁体31は、連通路本体67b内を上方へ大きく移動する。これにより、テーパ孔67cの内周面672と弁本体31aとの隙間が徐々に大きくなる。こうして、この圧縮機では、吐出容量が多くなるにつれて、テーパ孔67cと小径孔67dと弁座69との間において、流路71の連通面積が徐々に大きくなる。このため、流路71を流通する冷媒ガスの流量が徐々に増大する。そして、弁体31が連通路本体67b内を上方へ大きく移動し、弁本体31aの下端がテーパ孔67cよりも上方に位置することで、流路71の連通面積が最大となる。このため、流路71を流通する冷媒ガスの流量が最大となる。
こうして、この圧縮機においても、各ピストン61のストロークが小さく、吐出容量が少ない場合には、流路71の連通面積を小さくして、吐出室5bから第1連通路67を通じて凝縮器へ流通する冷媒ガスの流量を減少させることができる。そして、各ピストン61のストロークが大きくなり、吐出容量が多くなるにつれて、流路71の連通面積を徐々に大きくして、吐出室5bから第1連通路67を通じて凝縮器へ流通する冷媒ガスの流量を徐々に増大させることができる。
また、図9に示すように、この圧縮機でも、弁体31が弁座69に着座しておれば、第1連通路67と第2連通路16との間が閉鎖されるため、第1、2連通路67、16を通じて凝縮器や配管から吐出室5bへ冷媒ガスが逆流することを阻止できる。この圧縮機における他の作用は実施例1の圧縮機と同様である。
(実施例3)
図12に示すように、実施例3の圧縮機では、弁体31が弁本体31aと小径部31dとを有している。小径部31dは、弁本体31aと同軸で弁本体31aの下端に形成されている。小径部31dは、弁本体31aよりも小径であって、第2連通路16の内周面160とほぼ同径をなす円柱状に形成されており、弁本体31aの下端から圧縮機の下方に向かって突出している。
小径部31dの外周面には、4つの三角スリット73が凹設されている。各三角スリット73は本発明における凹部の一例である。各三角スリット73は、二等辺三角形に形成されており、弁本体31aから遠ざかるにつれて面積が大きくなっている。なお、各三角スリット73の個数は適宜設計することができる。この圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様である。
この圧縮機では、弁体31が弁座27に着座することにより、小径部31dが第2連通孔16内に位置し、第2連通路16を閉鎖する。これにより、流路35が閉鎖される。そして、冷媒ガスの圧力によって、弁本体31aが連通路本体15b内を上方へ移動すれば、それに伴って小径部31dが第2連通路16内を上方へ移動する。この際、各三角スリット73は、連通路本体15bとの連通面積を変更することにより、弁座27と連通路本体15bとの間で流路35の連通面積を変更する。
上記のように、各三角スリット73は二等辺三角形に形成されており、弁本体31aから遠ざかるにつれて面積が大きくなっている。そして、第2連通路16内の冷媒ガスは、各三角スリット73を通って連通路本体15bへ流通する。このため、吐出容量が少なく、小径部31dが第2連通路16内を僅かに上方へ移動した状態では、連通路本体15b内に露出する各三角スリット73の面積、つまり、各三角スリット73と連通路本体15bとの連通面積が小さくなる。このように、この圧縮機では、吐出容量が少ない場合には、各三角スリット73は、弁座27と連通路本体15bとの間において、流路35の連通面積を小さくする。このため、第1連通路15内では、流路35を流通する冷媒ガスの流量が減少する。
一方、吐出容量が多くなり、小径部31dが第2連通路16内をさらに上方へ移動すれば、連通路本体15b内に露出する各三角スリット73の面積が徐々に大きくなるため、各三角スリット73と連通路本体15bとの連通面積が徐々に大きくなる。これにより、この圧縮機では、吐出容量が多くなることで、各三角スリット73は、弁座27と連通路本体15bとの間において、流路35の連通面積を徐々に大きくする。このため、第1連通路15内では、流路35を流通する冷媒ガスの流量が増大する。こうして、この圧縮機でも、吐出容量の変化に応じて第1連通路15から凝縮器へ流通する冷媒ガスの流量を変化させることができる。この圧縮機における他の作用は実施例1と同様である。
(実施例4)
図13に示すように、実施例4の圧縮機では、小径部31dの外周面に矩形スリット75a〜75dが凹設されている。矩形スリット75a〜75dも本発明における凹部の一例である。矩形スリット75a〜75dは、小径部31dの上下に延びる形状に形成されている。ここで、矩形スリット75a〜75dでは、それぞれ上下方向の長さが異なっており、矩形スリット75aが最も長く、矩形スリット75b、矩形スリット75c、矩形スリット75dの順で次第に短くなっている。つまり、矩形スリット75a〜75dのうち、矩形スリット75aが弁本体31aに最も近い位置まで延びるように形成されており、矩形スリット75b、矩形スリット75c、矩形スリット75dの順で次第に弁本体31aから遠ざかるように形成されている。なお、矩形スリット75a〜75dの個数は適宜設計することができる。この圧縮機における他の構成は実施例1、3の圧縮機と同様である。
この圧縮機では、各矩形スリット75a〜75dの上下方向の長さが異なるため、吐出容量が少なく、小径部31dが第2連通路16内を僅かに上方へ移動した状態では、矩形スリット75aの上端のみが連通路本体15b内に露出するため、矩形スリット75aのみが連通路本体15bと連通する。そして、第2連通路16内の冷媒ガスは、矩形スリット75aのみを通って連通路本体15bへ流通する。つまり、各矩形スリット75a〜75dと連通路本体15bとの連通面積が小さくなる。これにより、この圧縮機では、吐出容量が少ない場合には、各矩形スリット75a〜75dは、弁座27と連通路本体15bとの間において、流路35の連通面積を小さくする。このため、第1連通路15内では、流路35を流通する冷媒ガスの流量が減少する。
そして、吐出容量が多くなり、小径部31dが第2連通路16内をさらに上方へ移動すれば、矩形スリット75aに続いて、矩形スリット75b、矩形スリット75c及び矩形スリット75dも順に連通路本体15b内に露出して連通路本体15bと連通する。これにより、第2連通路16内の冷媒ガスは、矩形スリット75a〜75dのそれぞれを通って連通路本体15bへ流通する。つまり、連通路本体15bと連通する個数が増えることにより、各矩形スリット75a〜75dと連通路本体15bとの連通面積が大きくなる。これにより、この圧縮機では、吐出容量が多くなることで、各矩形スリット75a〜75dは、弁座27と連通路本体15bとの間において、流路35の連通面積を増大させる。ここで、この圧縮機では、吐出容量が多くなることで、矩形スリット75a〜75dが順に連通路本体15bと連通するため、流路35の連通面積が段階的に増大する。この圧縮機における他の作用は実施例1、3と同様である。
以上において、本発明を実施例1〜4に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜4に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1〜4圧縮機は、片頭ピストン式の容量可変型斜板式圧縮機としているが、これに限らず、両頭ピストン式の容量可変型斜板式圧縮機としても良い。
また、実施例1の圧縮機において、第1連通路15及び第2連通路16をフロントハウジング3やリヤハウジング5に形成しても良い。実施例2〜4の圧縮機についても同様である。
また、実施例1の圧縮機において、第1連通路15及び第2連通路16をリヤハウジング5の前後方向に延びる形状に形成しても良い。実施例2〜4の圧縮機についても同様である。
さらに、実施例3の圧縮機では、弁体31の小径部31dの外周面に三角スリット73を凹設しているが、これに限らず、第2連通路16の内周面160や連通路本体15bの内周面151において、小径部31dの近傍となる位置に三角スリット73を凹設しても良い。実施例4の圧縮機についても同様である。
本発明は空調装置等に利用可能である。
1…ハウジング
5b…吐出室
15…第1連通路
15b…連通路本体
16…第2連通路
27…弁座
29…ガイド
29a…軸部
31…弁体
31a…弁本体
31b…小径部
31c…テーパ部
31d…小径部
33…コイルばね(付勢部材)
35…流路
51…斜板
67…第1連通路
67b…連通路本体
67c…テーパ孔
67d…小径孔
69…弁座
71…流路
73…三角スリット(凹部)
75a〜75d…矩形スリット(凹部)
100…圧縮機構
310…収納空間

Claims (5)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジング内に設けられ、斜板を有して冷媒を圧縮するとともに、前記斜板の傾斜角度を変更して吐出容量を変更可能な圧縮機構と、
    前記ハウジングに形成され、前記圧縮機構で圧縮された冷媒が吐出される吐出室とを備えた容量可変型斜板式圧縮機において、
    前記ハウジングには、外部から直線状に延びて形成される第1連通路と、前記第1連通路と同軸に延びて前記吐出室に連通し、前記第1連通路側に弁座が形成される第2連通路とが形成され、
    前記第1連通路内には、前記第1連通路内に固定され、前記第1連通路と同軸に延びるガイドと、前記ガイドに案内されて前記ガイドの軸方向に移動可能であり、前記第1連通路の内周面との間で流路を形成しつつ、前記弁座との間で前記流路の連通面積を変更可能な弁体とが収容され、
    前記弁体と前記ガイドとの間には、前記弁体を前記弁座に着座させる付勢部材が設けられていることを特徴とする容量可変型斜板式圧縮機。
  2. 前記第1連通路は円柱状に形成され、
    前記第2連通路は、前記第1連通路より小径の円柱状に形成され、
    前記弁体は、円柱状に延びる弁本体と、前記弁本体から前記弁本体より小径の円柱状に突出し、前記第2連通路を移動可能な小径部と、前記小径部から先細り状に突出するテーパ部とを有している請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  3. 前記第1連通路は、円柱状をなす連通路本体と、前記第1連通路本体から先細り状に延びるテーパ孔と、前記テーパ孔の先端から円柱状に形成された小径孔とを有し、
    前記第2連通路は、前記小径孔より小径の円柱状に形成され、
    前記弁体は、円柱状に延びている請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  4. 前記第1連通路、前記第2連通路及び前記弁体の少なくとも一つには、前記弁体の移動によって前記連通面積を変化させる凹部が形成されている請求項1乃至3のいずれか1項記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  5. 前記ガイドは、円柱状の軸部を有し、
    前記弁体は、前記軸部及び前記付勢部材を収納する有底の収納空間を有する請求項1乃至4のいずれか1項記載の容量可変型斜板式圧縮機。
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