JP2017145715A - ターボ過給エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】発電機での発電量の増減にかかわらずエンジン出力を安定的に確保する。
【解決手段】ターボ過給エンジンは、吸気通路20および排気通路30と、ターボ過給機50と、発電装置60とを備える。排気通路30は、排気行程が重ならない2つ以上の気筒からなる第1気筒群(2B,2C)に連通する第1排気マニホールド31と、第1気筒群とは異なる2つ以上の気筒からなりかつ排気行程が重ならない第2気筒群(2A,2D)に連通する第2排気マニホールド32とを有する。ターボ過給機50は、第1排気マニホールド31に配設された過給用タービン51と、吸気通路20に配設されたコンプレッサ52とを有する。発電装置60は、第2排気マニホールド32に配設された発電用タービン61と、発電用タービン61により駆動されて発電する発電機(62)とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、排気通路に設けられたタービンと吸気通路に設けられたコンプレッサとを含むターボ過給機を備えたターボ過給エンジンに関する。
上記ターボ過給エンジンの一例として、下記特許文献1のものが知られている。この特許文献1のターボ過給エンジンでは、排気通路にターボ過給機のタービン(過給用タービン)が配設されるとともに、当該過給用タービンのさらに下流側の排気通路に、発電機を駆動するためのタービン(発電用タービン)が配設されている。
このように、過給用タービンの下流側に発電用タービンが配設された特許文献1のターボ過給エンジンによれば、過給用タービンを通過した後の排気のエネルギーを利用して発電用タービンを駆動し、本来であれば捨てられる排気エネルギーの一部を電力に変換する(発電する)ことができるので、排気エネルギーのより有効な利用を図ることができる。
特開2015−108330号公報
しかしながら、上記特許文献1のターボ過給エンジンでは、過給用タービンの下流側に発電用タービンが配設されているため、例えば発電機での発電量が増大したときに、発電用タービンの回転抵抗が増える結果、発電用タービンの上流側、つまり過給用タービンと発電用タービンとの間の排気圧力が高くなり、過給用タービンの回転が阻害されて過給能力が低下するおそれがあった。また、排気圧力の増大に伴って、エンジンの各気筒の掃気性が悪化し、ノッキング防止のために点火タイミングのリタード制御が必要になる可能性もあった。
このように、上記特許文献1において発電機での発電量が増大した場合には、過給能力の低下および掃気性の悪化を招くので、エンジン出力が低下するだけでなく、排気エネルギーの減少につながり、結局のところ発電量が想定よりも増えないという事態につながるおそれがあった。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、発電機での発電量を要求に応じて適切に増減させることができ、しかもエンジン出力を安定的に確保することが可能なターボ過給エンジンを提供することを目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本発明は、複数の気筒と、各気筒に導入される吸気が流通する吸気通路と、各気筒から排出される排気が流通する排気通路と、排気のエネルギーを利用して吸気を過給するターボ過給機と、排気のエネルギーを利用して発電する発電装置とを備えたターボ過給エンジンであって、前記排気通路は、排気行程が重ならない2つ以上の気筒からなる第1気筒群に連通する第1排気マニホールドと、前記第1気筒群とは異なる2つ以上の気筒からなりかつ排気行程が重ならない第2気筒群に連通する第2排気マニホールドとを有し、前記第1排気マニホールドは、前記第1気筒群からそれぞれ延びる独立した2つ以上の第1枝管と、各第1枝管の下流端がそれぞれ接続された共通の第1集合管とを有し、前記第2排気マニホールドは、前記第2気筒群からそれぞれ延びる独立した2つ以上の第2枝管と、各第2枝管の下流端がそれぞれ接続された共通の第2集合管とを有し、前記ターボ過給機は、前記第1気筒群から排出された排気のエネルギーを受けて回転するように前記第1集合管に配設された過給用タービンと、前記吸気通路に配設され、前記過給用タービンにより駆動されて吸気を過給するコンプレッサとを有し、前記発電装置は、前記第2気筒群から排出された排気のエネルギーを受けて回転するように前記第2集合管に配設された発電用タービンと、当該発電用タービンにより駆動されて発電する発電機とを有する、ことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、排気行程が重ならない第1気筒群に接続された第1排気マニホールドに過給用タービンが配設されるとともに、排気行程が重ならない第2気筒群に接続された第2排気マニホールドに発電用タービンが配設されているため、要求発電量の変化に対応させて発電機での発電量を増減させたとしても(これに応じて発電用タービンの回転抵抗が変動したとしても)、そのことが第2気筒群の掃気性に影響したり、ひいては第1気筒群の掃気性や過給性能に影響したりすることがなく、発電量の変動にかかわらずエンジン出力を安定的に確保することができる。
例えば、発電機での発電量が増えると、発電用タービンの回転抵抗が増大するので、この発電用タービンに第2排気マニホールドを通じて排気を供給する第2気筒群の排気圧力、より詳しくは、第2排気マニホールドにおける発電用タービンよりも上流側の圧力もしくは第2気筒群の排気ポートの圧力は、特に当該第2気筒群の排気行程の開始時(排気下死点近傍)において大きく上昇する。しかしながら、第2気筒群は排気行程が重ならない関係にあるので、この第2気筒群に属するいずれの気筒においても、それぞれの排気行程の終了時(排気上死点近傍)には排気圧力が十分に低下する。したがって、上記のように発電量を増大させたとしても、第2気筒群の掃気性が悪化する(気筒内に残留する燃焼ガスの量が増える)ことがなく、その対策のための燃焼補正、例えばノッキングを防止するために当該第2気筒群の点火タイミングをリタードするなどの実質的な燃焼補正を行う必要がない。また、第2気筒群の排気行程の終了時において排気圧力が十分に低下することから、仮に当該排気圧力の低下が遅れた場合に生じ得る他気筒への影響、つまり、第1気筒群から排気を排出する動作が第2気筒群からの排気の圧力により阻害されるような事態を回避することができる。これにより、第1気筒群での燃焼に対しても実質的な影響が及ばず、当該第1気筒群からの排気のエネルギーにより駆動されるターボ過給機による過給能力も良好に維持することができ、エンジン出力を安定化させることができる。このように、本発明によれば、要求発電量の変化に対応させて発電機での発電量を適切に増減させながら、当該発電量の増減に伴うエンジン出力の変動を最小限に抑えることができる。
本発明のターボ過給エンジンは、好ましくは、前記発電機での発電量が増大されたときに、前記第1気筒群および第2気筒群に導入される吸気の流量を増量補正する吸気量調整手段をさらに備える(請求項2)。
この構成によれば、発電量の増大およびそれに起因したポンピングロスの増大が生じた場合でも、エンジンの正味の出力トルク(軸トルク)として、発電量の増大前と同等のトルクを確実に確保することができる。
前記吸気通路は、前記第1気筒群および第2気筒群に属する複数の気筒にそれぞれ連通する独立した4つ以上の独立吸気管と、各独立吸気管と連通するようにその上流側に設けられた共通吸気管とを有するものであってもよい。この場合、前記吸気量調整手段は、前記共通吸気管に設けられたスロットル弁とすることができる(請求項3)。
この構成によれば、第1・第2気筒群に導入される吸気の流量を増量補正する制御を、スロットル弁の開度を増大させることにより簡単に実現することができる。
本発明において、好ましくは、前記排気通路は、前記第1排気マニホールドおよび第2排気マニホールドの各下流端が接続された共通排気管と、共通排気管に設けられた排気浄化用の触媒装置と、前記過給用タービンまたは発電用タービンに流入する前の排気を当該過給用タービンまたは発電用タービンを迂回しつつ前記共通排気管に導くバイパス通路と、バイパス通路に開閉可能に設けられた切替弁とをさらに有し、前記切替弁は、前記触媒装置内の触媒が未活性状態にあるときに開弁される(請求項4)。
この構成によれば、過給用タービンまたは発電用タービンで消費される排気エネルギーが減少するので、高温の排気を触媒に流入させて当該触媒を迅速に活性化させることができる。
以上説明したように、本発明のターボ過給エンジンによれば、発電機での発電量を要求に応じて適切に増減させることができ、しかもエンジン出力を安定的に確保することができる。
本発明の一実施形態にかかるターボ過給エンジンの全体構成を概略的に示す平面図である。 上記エンジンの本体部(エンジン本体)の断面図である。 上記エンジンの制御系統を示すブロック図である。 ジェネレータ(発電機)での発電量増大に伴い実行される制御の具体例を示すタイムチャートである。 触媒の未活性時に実行される制御の具体例を説明するためのフローチャートである。 過給用の気筒と発電用の気筒とにおける排気圧力の変化を示す図である。
(1)エンジンの全体構成
図1は、本発明の一実施形態にかかるターボ過給エンジンの全体構成を概略的に示す平面図である。本図に示されるエンジンは、走行用の動力源として車両に搭載された4サイクルのガソリンエンジンであり、列状に並ぶ4つの気筒2A〜2Dを有する直列多気筒型のエンジン本体1と、エンジン本体1に燃焼用の空気を導入するための吸気通路20と、エンジン本体1で生成された燃焼ガス(排気)を排出するための排気通路30と、排気通路30を流通する排気により駆動されるターボ過給機50と、同じく排気通路30を流通する排気により駆動される発電装置60とを備えている。
図2は、エンジン本体1の断面図である。本図に示すように、エンジン本体1は、円筒状の気筒2A〜2Dが内部に形成されたシリンダブロック3と、気筒2A〜2Dの上面を塞ぐようにシリンダブロック3に取り付けられたシリンダヘッド4と、各気筒2A〜2Dにそれぞれ往復動可能に挿入されたピストン5とを有している。
ピストン5の上方には燃焼室6が画成されており、この燃焼室6には、後述するインジェクタ11から噴射されるガソリンを主成分とする燃料が供給される。そして、供給された燃料が燃焼室6で燃焼し、その燃焼による膨張力で押し下げられたピストン5が上下方向に往復運動するようになっている。なお、当実施形態のエンジンは、一般的なガソリンエンジンと同じく、基本的にストイキ燃焼で運転される。このため、各気筒2A〜2Dでの混合気の空燃比(A/F)は、例外的な場合を除いて理論空燃比(14.7)もしくはその近傍に設定される。
ピストン5の下方には、エンジン本体1の出力軸であるクランク軸15が配設されている。クランク軸15は、ピストン5とコネクティングロッド14を介して連結され、ピストン5の往復運動に応じて中心軸回りに回転する。シリンダブロック3には、クランク軸15の回転速度つまりエンジン本体1の出力回転速度を検出するエンジン回転センサSN1が設けられている。
シリンダヘッド4には、燃焼室6に向けて燃料(ガソリン)を噴射するインジェクタ11と、インジェクタ11から噴射された燃料と空気との混合気に点火する点火プラグ12とが、各気筒2A〜2Dにつき1組ずつ設けられている。
ここで、当実施形態のような4サイクル4気筒のガソリンエンジンでは、各気筒2A〜2Dに設けられたピストン5がクランク角で180°(180°CA)の位相差をもって上下運動する。これに対応して、各気筒2A〜2Dでの点火のタイミングも、180°CAずつ位相をずらしたタイミングに設定される。具体的には、図1の左側から順に、気筒2Aを第1気筒、気筒2Bを第2気筒、気筒2Cを第3気筒、気筒2Dを第4気筒とすると、第1気筒2A→第3気筒2C→第4気筒2D→第2気筒2Bの順に点火(燃焼)が行われるようになっている。
図1および図2に示すように、シリンダヘッド4には、各気筒2A〜2Dに対応して、吸気通路20から供給される空気(吸気)を各気筒2A〜2Dに導入するための吸気ポート7と、各気筒2A〜2Dで生成された排気を排気通路30に導出するための排気ポート8と、吸気ポート7を開閉可能に閉鎖する吸気弁9と、排気ポート8を開閉可能に閉鎖する排気弁10とがそれぞれ設けられている。
図1に示すように、吸気通路20は、第1気筒2A〜第4気筒2Dにそれぞれ吸気ポート7を介して連通する4本の独立した独立吸気管21〜24と、独立吸気管21〜24の各上流端が接続された共通のサージタンク25と、サージタンク25から上流側に延びる単管状の共通吸気管26とを有している。なお、本明細書において、吸気通路20における上流(または下流)とは、吸気通路20を流通する吸気の流れ方向の上流(または下流)のことをいう。
共通吸気管26には、吸気中に含まれる異物を除去するエアクリーナ27と、ターボ過給機50(後述するコンプレッサ52)により過給された吸気を冷却するインタークーラ28と、共通吸気管26を流通する吸気の流量を調整する開閉可能なスロットル弁29(請求項にいう「吸気量調整手段」に相当)とが、上流側からこの順に配設されている。また、共通吸気管26におけるエアクリーナ27よりも下流側(エアクリーナ27と後述するコンプレッサ52との間)には、吸気の流量を検出するエアフローセンサSN2が設けられるとともに、共通吸気管26におけるスロットル弁29よりも下流側(スロットル弁29とサージタンク25との間)には、当該位置を通過する吸気の圧力、つまりターボ過給機50により過給された後の吸気の圧力を検出する過給圧センサSN3が設けられている。
排気通路30は、第2気筒2Bおよび第3気筒2Cに排気ポート8を介して連通する第1排気マニホールド31と、第1気筒2Aおよび第4気筒2Dに排気ポート8を介して連通する第2排気マニホールド32と、第1排気マニホールド31および第2排気マニホールド32の各下流端どうしが集合した集合部33と、集合部33からさらに下流側に延びる単管状の共通排気管34とを有している。なお、本明細書において、排気通路30における下流(または上流)とは、排気通路30を流通する排気の流れ方向の下流(または上流)のことをいう。
共通排気管34には、排気中に含まれる有害物質(HC,CO,NOx)を浄化するための触媒装置35が設けられている。触媒装置35は、いわゆる三元触媒からなる触媒と、当該触媒を内部に収容するケーシングとを有している。ケーシングには、触媒の温度を検出する触媒温度センサSN6が取り付けられている。
第1排気マニホールド31は、第2気筒2Bおよび第3気筒2Cからそれぞれ延びる独立した2つの枝管31a,31bと、各枝管31a,31bの下流端が集合した集合部31cと、集合部31cから下流側に延びる集合管31dとを有している。集合管31dには、第2気筒2Bおよび第3気筒2Cの空燃比(A/F)を調べるために排気中に含まれる酸素の濃度を検出するリニアO2センサからなる第1A/FセンサSN4が設けられている。なお、第1排気マニホールド31の枝管31a,31bは、請求項にいう「第1枝管」に相当し、第1排気マニホールド31の集合管31dは、請求項にいう「第1集合管」に相当する。
第2排気マニホールド32は、第1気筒2Aおよび第4気筒2Dからそれぞれ延びる独立した2つの枝管32a,32bと、各枝管32a,32bの下流端が集合した集合部32cと、集合部32cから下流側に延びる集合管32dとを有している。集合管32dには、第1気筒2Aおよび第4気筒2Dの空燃比(A/F)を調べるために排気中に含まれる酸素の濃度を検出するリニアO2センサからなる第2A/FセンサSN5が設けられている。なお、第2排気マニホールド32の枝管32a,32bは、請求項にいう「第2枝管」に相当し、第2排気マニホールド32の集合管32dは、請求項にいう「第2集合管」に相当する。
ターボ過給機50は、第1排気マニホールド31に配設された過給用タービン51と、共通吸気管26に配設されたコンプレッサ52と、コンプレッサ52と過給用タービン51とを連結する連結軸53とを有している。より詳しくは、過給用タービン51は、第1排気マニホールド31における集合管31dの途中部に配設されており、第2気筒2Bおよび第3気筒2Cから排出されて集合管31dを通過する排気のエネルギーを受けて回転する。コンプレッサ52は、過給用タービン51と連動して回転することにより、共通吸気管26を流通する空気を加圧(過給)する。
第1排気マニホールド31には、過給用タービン51をバイパスするバイパス通路36と、バイパス通路36に開閉可能に設けられたウェストゲート弁37(請求項にいう「切替弁」に相当)とが設けられている。バイパス通路36は、第1排気マニホールド31の集合管31dにおける過給用タービン51の上流側部位と下流側部位とを互いに連通するように設けられている。ウェストゲート弁37は、コンプレッサ52により加圧された吸気の圧力(つまり過給圧)の過上昇を防止するためのものであり、当該過給圧が上限値を超えたときに開弁されてバイパス通路36内の排気の流れを許容することにより、過給用タービン51に流入する排気の流量を制限する。
発電装置60は、第2排気マニホールド32に配設された発電用タービン61と、発電用タービン61と連結軸63を介して連結されたジェネレータ62(請求項にいう「発電機」に相当)とを有している。より詳しくは、発電用タービン61は、第2排気マニホールド32における集合管32dの途中部に配設されており、第1気筒2Aおよび第4気筒2Dから排出されて集合管32dを通過する排気のエネルギーを受けて回転する。ジェネレータ62は、発電用タービン61と連動して回転するロータコイルを有し、当該ロータコイルの回転に伴う電磁誘導により発電を行う。発電された電力は、車両に搭載された図外の各種電気機器に供給されるか、もしくはバッテリに蓄電される。
以上のように、当実施形態では、第2気筒2Bおよび第3気筒2Cに対し共通の第1排気マニホールド31が接続され、第1気筒2Aおよび第4気筒2Dに対し共通の第2排気マニホールド32が接続されている。言い換えると、当実施形態では、エンジン本体1から排気通路30の集合部33までの間において、第2気筒2Bおよび第3気筒2Cの排気経路と、第1気筒2Aおよび第4気筒2Dの排気経路とが互いに分離(独立)している。そして、一方の排気経路(第1排気マニホールド31)に過給用タービン51が配設され、他方の排気経路(第2排気マニホールド32)に発電用タービン61が配設されている。したがって、過給用タービン51には第2気筒2Bおよび第3気筒2Cから排出される排気のみが作用し、発電用タービン61には第1気筒2Aおよび第4気筒2Dから排出される排気のみが作用する。
また、当実施形態では、上記のような気筒の組合せ(気筒2B,2C/気筒2A,2D)に対しそれぞれ排気マニホールド31,32が接続されているため、排気干渉の発生を回避することが可能である。すなわち、当実施形態では、上述したように、第1気筒2A→第3気筒2C→第4気筒2D→第2気筒2Bの順に燃焼順序が設定されている。このため、排気経路が分けられた上記2つの気筒群、つまり第2気筒2Bおよび第3気筒2Cの組と、第1気筒2Aおよび第4気筒2Dの組とは、それぞれ、排気順序が連続しない関係、言い換えると、排気行程が互いに重ならない(分断された)関係にある。具体的に、前者の組、つまり第2気筒2Bおよび第3気筒2Cについては、排気順序が1つ飛ばしの関係にあるので、一方の気筒(2Bまたは2C)から排気が排出される排気行程の期間と、他方の気筒(2Cまたは2B)から排気が排出される排気行程の期間とが重なり合うことがない。このため、第2気筒2Bからの排気と第3気筒2Cからの排気とは、第1排気マニホールド31内で干渉することなくスムーズに排出される。同様に、後者の組、つまり第1気筒2Aおよび第4気筒2Dについても、排気順序が1つ飛ばしの関係にあるので、一方の気筒(2Aまたは2D)から排気が排出される排気行程の期間と、他方の気筒(2Dまたは2A)から排気が排出される排気行程の期間とが重なり合うことがない。このため、第1気筒2Aからの排気と第4気筒2Dからの排気とは、第2排気マニホールド32内で干渉することなくスムーズに排出される。なお、当実施形態において、第1排気マニホールド31が接続される第2気筒2Bおよび第3気筒2Cの組は、請求項にいう「第1気筒群」に相当し、第2排気マニホールド32が接続される第1気筒2Aおよび第4気筒2Dの組は、請求項にいう「第2気筒群」に相当する。
(2)制御系統
次に、エンジンの制御系統について図3のブロック図を参照しつつ説明する。本図に示されるECU70は、エンジンの各部を統括的に制御するためのマイクロプロセッサであり、周知のCPU、ROM、RAM等から構成されている。このECU70は、請求項にいう「制御手段」に相当する。
ECU70には各種センサによる検出信号が入力される。例えば、ECU70は、上述したエンジン回転センサSN1、エアフローセンサSN2、過給圧センサSN3、第1・第2A/FセンサSN4,SN5、および触媒温度センサSN6と電気的に接続されており、これら各種センサによって検出された情報(つまりエンジン回転速度、吸気流量、過給圧、排気中の酸素濃度、および触媒温度)が電気信号としてECU70に逐次入力されるようになっている。
また、車両には、当該車両を運転するドライバーにより操作されるアクセルペダル(図示省略)の開度を検出するアクセルセンサSN7と、車両に搭載されたバッテリ(図示省略)の電圧を検出するバッテリセンサSN8とが設けられており、これアクセルセンサSN7およびバッテリセンサSN8による検出信号もECU70に入力される。
ECU70は、上記各種センサからの入力信号に基づいて種々の判定や演算等を実行しつつ、エンジンの各部を制御する。すなわち、ECU70は、インジェクタ11、点火プラグ12、スロットル弁29、ウェストゲート弁37、およびジェネレータ62等の機器と電気的に接続されており、上記演算の結果等に基づいて、これらの機器にそれぞれ制御用の信号を出力する。
例えば、エンジン運転中の典型的な制御について簡単に説明しておくと、ECU70は、アクセルセンサSN7により検出されるアクセル開度に基づいて、当該アクセル開度が大きいほど吸気流量が増えるようにスロットル弁29の開度を制御する。また、エアフローセンサSN2により検出される吸気流量等に基づいて、各気筒2A〜2Dにおける混合気の空燃比が予め設定された目標空燃比(通常は理論空燃比(14.7)もしくはその近傍)になるようにインジェクタ11から各気筒2A〜2Dに噴射される燃料の目標噴射量を決定し、当該目標噴射量に一致する量の燃料が噴射されるようにインジェクタ11を制御する。さらに、第1・第2A/FセンサSN4,SN5により検出される酸素濃度に基づいて各気筒2A〜2Dでの空燃比を特定し、当該空燃比が上記目標空燃比から外れる場合にはインジェクタ11からの目標噴射量を補正する制御(フィードバック制御)を行う。
(3)発電量が変動したときの制御動作
次に、ジェネレータ62での発電量が変動したときにECU70により実行される制御動作の一例について、図4のタイムチャートを参照しつつ説明する。この図4の例では、時点t1においてジェネレータ62に対する要求発電量がG1からG2に増大したものとする(グラフ(b)参照)。一方、要求発電量の増えた時点t1の前後において、エンジンの要求トルクは変わらず、TA0のまま一定であるとする(グラフ(a)参照)。
ここで、ジェネレータ62に対する要求発電量は、エンジンおよび車両の種々の状態に基づいて決定される。例えば、ECU70は、エンジン回転センサSN1やアクセルセンサSN7等の検出値から特定されるエンジンの運転状態(回転速度・負荷)と、バッテリセンサSN8の検出値から特定されるバッテリの残容量と、車両に搭載された各種電気機器の負荷(消費電力)とを含む各種条件に基づいて、ジェネレータ62に対する要求発電量を逐次決定する。時点t1では、このような要求発電量の決定因子に何らかの変化があり(例えば電気機器の負荷が増大するなどの変化があり)、これに基づいて要求発電量がG1からG2まで増大設定されている。
要求発電量がG2まで増大すると、ECU70は、その要求発電量G2に一致する電力が実際に発生するようにジェネレータ62を制御する。具体的には、ジェネレータ62のロータコイルに印加される磁化用の電流を要求発電量の増分に応じて増やすことにより、増大後の要求発電量G2に一致する電力をジェネレータ62で発生させる。ただし、ここでは、要求発電量が増えた時点t1で直ちに実際の発電量を増大させるのではなく、気筒2A〜2Dへの燃料噴射量が増やされる後述する時点t2まで待ってから実際の発電量を増大させる。
上記のようにジェネレータ62での発電量が増大すると、発電用タービン61の回転抵抗が増大するので、第2排気マニホールド32を流通する排気の流通抵抗が高まり、ポンピングロスが増大する。このため、発電量が増えた後もエンジンを同一条件で運転したままでは、エンジンの出力軸(クランク軸15)から仕事として取り出せる正味のトルク(軸トルク)が減少してしまう。そこで、ECU70は、ポンピングロスに対応する軸トルクの低下を補うべく、スロットル弁29の開度を増大させるとともに、インジェクタ11からの噴射量を増大させる制御(出力補正制御)を実行する。
具体的に、ECU70は、上記出力補正制御として、まず、要求発電量がG2に増えた時点t1でスロットル弁29を開方向に駆動し、その開度をV1からこれより大きいV2まで増大させる(グラフ(c)参照)。加えて、開度V2への増大後、気筒への吸気充填量が実際に増えるのに要する時間(遅れ時間)が経過した時点t2で、インジェクタ11から気筒2A〜2Dに噴射される燃料の噴射量をF1からF2に増大させる(グラフ(d)参照)。なお、ここでのスロットル弁29の開度の増大幅(V2−V1)は、要求発電量の増分(G2−G1)が大きいほど大きくされる。また、燃料噴射量の増大幅(F2−F1)は、スロットル弁29の開度の増大幅(V2−V1)が大きいほど大きくされる。
そして、ECU70は、噴射量がF2まで増やされた時点t2において、ジェネレータ62による実際の発電量を増大させる(グラフ(b)参照)。すなわち、ジェネレータ62のロータコイルに印加される磁化用の電流を増やすことにより、増大後の要求発電量G2に一致する電力をジェネレータ62で発生させる。
以上のような制御が行われるのに伴って、図4の最下段のグラフ(e)に示すように、時点t2以降、燃料噴射量が増えた分だけエンジンの図示トルク(損失を無視した計算上のトルク)が増大する。一方、上述したように、時点t2での発電量の増大に伴いポンピングロスは増えているので、このポンピングロスの増分を差し引いた正味の軸トルクは、発電量の増大前と増大後で変化せず、一定のままとなる。
上記時点t2以降、ECU70は、エンジンの軸トルクが実際に目標通りになるように、フィードバック制御によってスロットル弁29の開度および燃料噴射量を微調整する。例えば、ECU70は、エアフローセンサSN2により検出される吸気流量と、過給圧センサSN3により検出される過給圧と、第1・第2A/FセンサSN4,SN5により検出される酸素濃度(ひいては各気筒2A〜2Dの空燃比)とをパラメータとしたフィードバック制御により、エンジンの軸トルクが目標値から大きく外れないようにスロットル弁29の開度および燃料噴射量を微調整する。
なお、図4では、ジェネレータ62に対する要求発電量が増大した場合の出力補正制御(スロットル弁29の開度および燃料噴射量を増大させる制御)について例示したが、要求発電量が減少した場合にも、同様の目的の出力補正制御が実行される。ただし、要求発電量が減少した場合には、ポンピングロスが減少するので、その減少分だけエンジンの図示トルクを減少させるべく、図4とは逆に、スロットル弁29の開度および燃料噴射量が低減される。
(4)触媒未活性時の制御
ここで、エンジンが冷間始動された直後のように、触媒装置35内の三元触媒の温度が十分に高くない(活性化温度を下回る)状況下では、いち早く排気エミッションを改善するために、触媒の活性化を優先的に実現させる必要がある。次に、このような場合にECU70により実行される制御を図5のフローチャートを用いて説明する。
図5に示す制御がスタートすると、ECU70は、触媒温度センサSN6により検出される触媒温度が、触媒が活性化していることを表す温度として予め定められた所定値Tx以上であるか否かを判定する(ステップS1)。
上記ステップS1でNOと判定されて触媒温度が所定値Tx未満であること、つまり触媒が活性化していないことが確認された場合、ECU70は、アクセルセンサSN7により検出されるアクセル開度等に基づいて、エンジンの負荷(アクセル開度に基づく要求トルク)が予め定められた基準値よりも低いか否かを判定する(ステップS2)。
上記ステップS2でYESと判定されてエンジン負荷が低いことが確認された場合、ECU70は、ウェストゲート弁37を全開位置まで開く制御を実行する(ステップS3)。これにより、第2気筒2Bおよび第3気筒2Cから排出された排気のほぼ全量が、過給用タービン51ではなくバイパス通路36を流れるようになる。すなわち、ウェストゲート弁37が開弁されたバイパス通路36により、過給用タービン51に流入する前の排気が、当該過給用タービン51を迂回して共通排気管34および触媒装置35へと導かれる。
また、上記ステップS3の制御と併せて、ECU70は、ジェネレータ62での発電を停止もしくは抑制する制御を実行する(ステップS4)。すなわち、ECU70は、仮に発電を停止しても当面は必要な電力を確保できる状況であれば、ジェネレータ62での発電を停止し、ジェネレータ62での発電なしには必要電力を確保できない状況であれば、必要最低限の発電のみを許容する(余分な発電は禁止する)ようにジェネレータ62を制御する。
さらに、上記ステップS3,S4の制御と併せて、ECU70は、各気筒2A〜2Dに対する点火プラグ12の点火タイミングを通常よりも遅いタイミングに設定する点火リタード制御を実行する(ステップS5)。
以上のようなステップS3〜S5の制御は、触媒の活性化を促進させるAWSモードの一環として実行されるものである。すなわち、上記ステップS3〜S5の制御は、いずれも、触媒装置35に流入する排気の温度を高めることにつながるので、触媒の活性化に有効である。例えば、ステップS5の制御(点火リタード)により、混合気の燃焼エネルギーのうちピストン5を押し下げるのに消費されるエネルギーが減少するので、各気筒2A〜2Dから排出される排気の温度自体が上昇する。また、ステップS3の制御(ウェストゲート弁37の開弁)により、過給用タービン51を回転させるために排気エネルギーが消費されなくなるので、触媒装置35に流入する排気の温度が上昇する。さらに、ステップS4の制御(発電の停止もしくは抑制)により、発電用タービン61を回転させるために消費される排気エネルギーが減少するので、やはり触媒装置35に流入する排気の温度が上昇する。これらの制御(AWSモード)により、触媒の早期活性化が図られる。
一方、上記ステップS1でYESと判定されて触媒温度が所定値Tx以上であること(つまり触媒が活性化していること)が確認された場合、もしくは、上記ステップS2でNOと判定されてエンジン負荷が低くないことが確認された場合、ECU70は、触媒の活性化を特に優先しない通常モードの制御を実行する(ステップS6)。すなわち、この通常モードでは、触媒の活性化を優先する上述したAWSモード(ステップS3〜S5)が実行されることはなく、エンジンの効率もしくは出力を重視した通常通りの制御が実行される。
(5)作用効果
以上説明したように、当実施形態のターボ過給エンジンでは、排気行程が重ならない第2気筒2Bおよび第3気筒2Cに接続された第1排気マニホールド31に過給用タービン51が配設されるとともに、排気行程が重ならない第1気筒2Aおよび第4気筒2Dに接続された第2排気マニホールド32に発電用タービン61が配設されているので、要求発電量の変化に対応させてジェネレータ62での発電量を増減させたとしても(これに応じて発電用タービン61の回転抵抗が変動したとしても)、そのことが第1気筒2Aおよび第4気筒2Dの掃気性に影響したり、ひいては第2気筒2Bおよび第3気筒2Dの掃気性や過給性能に影響したりすることがなく、発電量の変動にかかわらずエンジン出力を安定的に確保することができる。
例えば、ジェネレータ62での発電量が増えると、発電用タービン61の回転抵抗が増大するので、この発電用タービン61に第2排気マニホールド32を通じて排気を供給する第1気筒2Aおよび第4気筒2Dの排気圧力、より詳しくは、第2排気マニホールド32における発電用タービン61よりも上流側の圧力もしくは第1気筒2Aおよび第4気筒2Dの排気ポート8の圧力は、特に当該気筒の排気行程の開始時(排気下死点近傍)において大きく上昇する。しかしながら、第1気筒2Aおよび第4気筒2Dは排気行程が重ならない関係にあるので、これら気筒2A,2Dのいずれにおいても、それぞれの排気行程の終了時(排気上死点近傍)には排気圧力が十分に低下する。したがって、上記のように発電量を増大させたとしても、第1気筒2Aおよび第4気筒2Dの掃気性が悪化する(気筒内に残留する燃焼ガスの量が増える)ことがなく、その対策のための燃焼補正、例えばノッキングを防止するために当該気筒2A,2Dの点火タイミングをリタードするなどの実質的な燃焼補正を行う必要がない。また、第1気筒2Aまたは第4気筒2Dの排気行程の終了時において排気圧力が十分に低下することから、仮に当該排気圧力の低下が遅れた場合に生じ得る他気筒への影響、つまり、第2気筒2Bまたは第3気筒2Cから排気を排出する動作が第1気筒2Aまたは第4気筒2Dからの排気の圧力により阻害されるような事態を回避することができる。これにより、第2気筒2Bおよび第3気筒2Cでの燃焼に対しても実質的な影響が及ばず、当該気筒2B,2Cからの排気のエネルギーにより駆動されるターボ過給機50による過給能力も良好に維持することができ、エンジン出力を安定化させることができる。このように、上記実施形態によれば、要求発電量の変化に対応させてジェネレータ62での発電量を適切に増減させながら、当該発電量の増減に伴うエンジン出力の変動を最小限に抑えることができる。
ただし、ジェネレータ62での発電量が増減されると、発電用タービン61の回転抵抗が変動して第2排気マニホールド32内の排気の流通抵抗が変動する(つまりポンピングロスが変動する)。そこで、上記実施形態では、当該ポンピングロスの変動にかかわらずエンジンの正味の出力トルク(軸トルク)を同等に維持するべく、エンジン出力を補正する出力補正制御が実行される。例えば、図4に示したように、ジェネレータ62での発電量が増大した場合には、それによるポンピングロスの増分を補って同等の軸トルクを確保するべく、スロットル弁29の開度を増大させるとともに、各気筒2A〜2Dへの燃料噴射量を増大させる制御が実行される。これにより、エンジンの軸トルクとして、発電量の増大前と同等のトルクを確実に確保することができる。
以上のことを図6を用いてより詳しく説明する。図6における上段のグラフは、発電用タービン61に排気を供給する第1気筒2Aおよび第4気筒2D(以下、発電用気筒ともいう)の排気圧力を示しており、下段のグラフは、過給用タービン51に排気を供給する第2気筒2Bおよび第3気筒2C(以下、過給用気筒ともいう)の排気圧力を示している。各グラフの実線の波形は、発電量を増やす前の初期状態の排気圧力である。例えば、発電用気筒2A,2Dの排気圧力(上段)は、それぞれの排気行程の開始直後(排気下死点BDCの近傍)においてピークを迎えている。同様に、過給用気筒2B,2Cの排気圧力(下段)は、それぞれの排気行程の開始直後(排気下死点BDCの近傍)においてピークを迎えている。初期状態ではジェネレータ62の発電量が少ないため、発電用タービン61の回転抵抗が小さく(排気の流通抵抗が小さく)、よって発電用気筒2A,2Dの排気圧力(実線)のピークは比較的小さい。一方、過給用タービン51はコンプレッサ52に過給をさせる仕事をしているので、過給用タービン51の回転抵抗は比較的大きく、よって過給用気筒2B,2Cの排気圧力(実線)のピークは発電用気筒2A,2Dに比べて大きい。
このような状態を初期状態として、そこからジェネレータ62での発電量が増やされた場合の発電用気筒2A,2Dの排気圧力を上段のグラフにおいて破線の波形で示している。この破線の波形に示すように、ジェネレータ62での発電量が増やされると、これに伴って発電用タービン61の回転抵抗が高まることから、発電用気筒2A,2Dの排気圧力のピーク値(BDC近傍の排気圧力)は大きくなる。しかしながら、第2排気マニホールド32内で排気干渉が起きないことから、各気筒2A,2Dの排気行程の終了時(排気上死点TDCの近傍時期)において、排気圧力は十分に低下している。したがって、この時点で排気行程が開始される他の気筒(つまり過給用気筒)2B,2Cにおいては、自身の排気ポート8の圧力(もしくは第1排気マニホールド31の圧力)が十分に低下していることになり、排気を排出する動作が阻害されない。このため、当該過給用気筒2B,2Cの排気圧力は、発電量の増大後においても、基本的に実線の波形のまま変化しない。
図6では、上記のように発電量が増大設定された状態から、さらにポンピングロスの増分を補うための出力補正制御(図4に示したようなスロットル開度および燃料噴射量の増大制御)が実行された場合の発電用気筒2A,2Dの排気圧力を上段のグラフにおいて一点鎖線で示すとともに、同じく出力補正制御が実行された場合の過給用気筒2B,2Cの排気圧力を下段のグラフにおいて一点鎖線で示している。上段グラフの一点鎖線の波形に示すように、発電用気筒2A,2Dでは、上記出力補正制御により排気の流量および熱量がわずかに増大することに伴って、当該制御の実行前(破線の波形)に比べて排気圧力のピーク値が上昇している。ただしこの場合も、ピーク後の排気圧力は自身の排気行程の終了時までに十分に低下している。同様に、下段グラフの一点鎖線の波形に示すように、過給用気筒2B,2Cにおいても、出力補正制御の実行前(実線の波形)に比べて排気圧力のピーク値が上昇するとともに、ピーク後の排気圧力は排気行程の終了時までに十分に低下している。以上のように、発電量の増大および出力補正制御に伴って、発電用気筒2A,2Dおよび過給用気筒2B,2Cの排気圧力の波形(特にピーク値)はそれぞれ変化するが、気筒間で相互に影響し合うことはなく、各気筒2A〜2Dの排気行程の終了時にはそれぞれの気筒の排気圧力は十分に低下している。このため、各気筒2A〜2Dの掃気性が悪化することや、これに伴い点火タイミングのリタードなどの実質的な燃焼補正をする必要が生じるのを回避することができる。
また、上記実施形態では、図5に示したように、触媒(触媒装置35内の三元触媒)が未活性状態にあるときに、AWSモードの一環として、ウェストゲート弁37を開く制御(ステップS3)や、ジェネレータ62での発電を停止もしくは抑制する制御(ステップS4)が実行される。これにより、過給用タービン51および発電用タービン61で消費される排気エネルギーが減少するので、高温の排気を触媒装置35に流入させて当該触媒装置35内の触媒を迅速に活性化させることができる。
(6)変形例
上記実施形態では、ストイキ燃焼を行うガソリンエンジンであることを前提に、ジェネレータ62での発電量が増大したときの出力補正制御(ポンピングロスの増分を補う制御)を、スロットル弁29の開度を大きくして各気筒2A〜2Dへの吸気量を増やし、かつ各気筒2A〜2Dへの燃料噴射量を増やすことによって実現したが、例えば理論空燃比よりもリーンな空燃比で燃焼を行うリーンバーンガソリンエンジンもしくはディーゼルエンジンである場合には、各気筒に導入される吸気量を同等にしながら燃料噴射量のみを増やすことにより、同様の出力補正を行うことが可能である。また、上記実施形態(ストイキ燃焼を行うガソリンエンジン)においてジェネレータ62での発電量が減少した場合には、スロットル弁29の開度を低減しつつ燃料噴射量を減らすところであるが、リーンバーンガソリンエンジンもしくはディーゼルエンジンである場合には、吸気量を同等にしながら燃料噴射量のみを減らせばよい。
また、上記実施形態では、発電量の変動に応じた出力補正のために吸気量を増減させる制御を、吸気通路20の共通吸気管26に設けられたスロットル弁29の開度を調整することにより実現したが、吸気量を増減させることのできる手段であればスロットル弁29に限らず使用可能である。例えば、各気筒2A〜2Dの吸気弁9の開閉タイミングやリフト量を変更可能なバルブ可変機構を備えるエンジンである場合、このバルブ可変機構を用いて吸気弁9の開閉タイミングまたはリフト量を変更することにより、吸気量を増減させることが考えられる。さらに、過給用タービン51として、タービンに流入する排気の流速を変更するための可変ベーンを備えたいわゆる可変ジオメトリー式のタービン(VGT)を使用したエンジンである場合には、この可変ベーンを用いてタービンの駆動力を調整することにより、吸気量を増減させことが考えられる。
また、上記実施形態では、過給用タービン51をバイパスするバイパス通路36を第1排気マニホールド31に設け、触媒装置35内の触媒が未活性状態であるときには、当該バイパス通路36に設けられたウェストゲート弁37(切替弁)を開くことにより、過給用タービン51に流入する前の排気を当該過給用タービン51を迂回させつつ触媒装置35(共通排気管34)に流すようにしたが、第2排気マニホールド32にも同様のバイパス通路を設けてもよい。すなわち、発電用タービン61をバイパスするバイパス通路を第2排気マニホールド32に設けるとともに、当該バイパス通路を開閉するための切替弁を設け、触媒の未活性時には切替弁を開くことにより、発電用タービン61に流入する前の排気を当該発電用タービン61を迂回させつつ触媒装置に流すようにしてもよい。
また、上記実施形態では、4つの気筒2A〜2Dを有する4気筒エンジンに本発明を適用した例について説明したが、本発明は、4気筒エンジンに限らず、5気筒や6気筒など、種々の多気筒エンジンに適用することが可能である。例えば6気筒エンジンである場合には、排気行程が重ならない3つの気筒と、排気行程が重ならない別の3つの気筒とに分けて、一方の気筒群から排出される排気を過給用タービンに供給し、他方の気筒群から排出される排気を発電用タービンに供給することが考えられる。
2A〜2D 気筒
20 吸気通路
21〜24 独立吸気管
26 共通吸気管
29 スロットル弁(吸気量調整手段)
30 排気通路
31 第1排気マニホールド
31a,31b 枝管(第1枝管)
31d 集合管(第1集合管)
32 第2排気マニホールド
32a,32b 枝管(第2枝管)
32d 集合管(第2集合管)
34 共通排気管
35 触媒装置
36 バイパス通路
37 ウェストゲート弁(切替弁)
50 ターボ過給機
51 過給用タービン
52 コンプレッサ
60 発電装置
61 発電用タービン
62 ジェネレータ(発電機)

Claims (4)

  1. 複数の気筒と、各気筒に導入される吸気が流通する吸気通路と、各気筒から排出される排気が流通する排気通路と、排気のエネルギーを利用して吸気を過給するターボ過給機と、排気のエネルギーを利用して発電する発電装置とを備えたターボ過給エンジンであって、
    前記排気通路は、排気行程が重ならない2つ以上の気筒からなる第1気筒群に連通する第1排気マニホールドと、前記第1気筒群とは異なる2つ以上の気筒からなりかつ排気行程が重ならない第2気筒群に連通する第2排気マニホールドとを有し、
    前記第1排気マニホールドは、前記第1気筒群からそれぞれ延びる独立した2つ以上の第1枝管と、各第1枝管の下流端がそれぞれ接続された共通の第1集合管とを有し、
    前記第2排気マニホールドは、前記第2気筒群からそれぞれ延びる独立した2つ以上の第2枝管と、各第2枝管の下流端がそれぞれ接続された共通の第2集合管とを有し、
    前記ターボ過給機は、前記第1気筒群から排出された排気のエネルギーを受けて回転するように前記第1集合管に配設された過給用タービンと、前記吸気通路に配設され、前記過給用タービンにより駆動されて吸気を過給するコンプレッサとを有し、
    前記発電装置は、前記第2気筒群から排出された排気のエネルギーを受けて回転するように前記第2集合管に配設された発電用タービンと、当該発電用タービンにより駆動されて発電する発電機とを有する、ことを特徴とするターボ過給エンジン。
  2. 請求項1に記載のターボ過給エンジンにおいて、
    前記発電機での発電量が増大されたときに、前記第1気筒群および第2気筒群に導入される吸気の流量を増量補正する吸気量調整手段をさらに備えた、ことを特徴とするターボ過給エンジン。
  3. 請求項2に記載のターボ過給エンジンにおいて、
    前記吸気通路は、前記第1気筒群および第2気筒群に属する複数の気筒にそれぞれ連通する独立した4つ以上の独立吸気管と、各独立吸気管と連通するようにその上流側に設けられた共通吸気管とを有し、
    前記吸気量調整手段は、前記共通吸気管に設けられたスロットル弁である、ことを特徴とするターボ過給エンジン。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のターボ過給エンジンにおいて、
    前記排気通路は、前記第1排気マニホールドおよび第2排気マニホールドの各下流端が接続された共通排気管と、共通排気管に設けられた排気浄化用の触媒装置と、前記過給用タービンまたは発電用タービンに流入する前の排気を当該過給用タービンまたは発電用タービンを迂回しつつ前記共通排気管に導くバイパス通路と、バイパス通路に開閉可能に設けられた切替弁とをさらに有し、
    前記切替弁は、前記触媒装置内の触媒が未活性状態にあるときに開弁される、ことを特徴とするターボ過給エンジン。
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