JP2006283654A - 内燃機関 - Google Patents

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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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Abstract

【課題】 本発明の目的は、一部の気筒の排気流のみをターボチャージャユニットのタービンに導入する内燃機関において更なるトルク向上を実現することのできる内燃機関を提供すること。
【解決手段】 本発明は、一部の気筒2(図中右バンク)の排気流のみをタービンに導入するターボチャージャ18を備えた内燃機関1であり、排気流をタービンに導入する気筒2の吸気通路5上に、各気筒2毎に独立して開閉可能なパルス過給用開閉弁12を設けたことを特徴としている。パルス過給用開閉弁12によってバルブオーバーラップ時の排気効率を向上し、残留ガス量減による進角制御でトルクアップを実現できる。また、パルス過給による出力向上も実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一部の気筒の排気流のみをタービンに導入するターボチャージャを備えた内燃機関に関する。
一部の気筒の排気流のみをタービンに導入する(残りの気筒の排気流はタービンに導入しない)ターボチャージャを備えた内燃機関が知られている([特許文献1]等)。高出力を求めず、ある程度の出力で燃費の改善を行いたい場合などは、全ての気筒の排気エネルギーを利用せずに、一部の気筒の排気エネルギーを利用した方がよい場合などがあるからである。
特開昭56−110532号公報
このような一部の気筒の排気流のみをタービンに導入する内燃機関において、更なるトルク向上が要望されている。上述したように、出力(トルク)と燃費のバランスを考慮して一部の気筒の排気流のみを利用するターボチャージャを用いる場合、全気筒の排気エネルギーを利用するよりもトルクは低下せざるを得ないが、少しでもトルクを上げることで使い易いものとなる。従って、本発明の目的は、一部の気筒の排気流のみをターボチャージャユニットのタービンに導入する内燃機関において更なるトルク向上を実現することのできる内燃機関を提供することにある。
本発明は、一部の気筒の排気流のみをタービンに導入するターボチャージャを備えた内燃機関であり、排気流をタービンに導入する気筒の吸気通路上に、各気筒毎に独立して開閉可能なパルス過給用開閉弁を設けたことを特徴としている。
排気流をタービンに導入する一部の気筒については、排気圧が高くなるためにバルブオーバーラップ時にシリンダ内の燃焼後ガスが排出されにくくなり、シリンダ内の残留ガス量が増加する傾向にある。これを解消するため、本発明では、パルス過給(後述する)のための開閉弁を用いて、吸気バルブが開かれる以前のパルス過給用開閉弁〜吸気バルブ間の吸気管内圧力を高く維持させる。このようにすると、バルブオーバーラップ時(吸気行程初期:パルス過給用開閉弁:閉)には吸気ポート側からシリンダ内の燃焼後ガスを排気通路へ押し出すことで残留ガス量を減らしてトルクを向上させることができる。また、吸気行程後半には、パルス過給用開閉弁を開いて過給を行うこともできるので、これによるトルク向上も見込める。
パルス過給は、パルス吸気やインパルス過給(吸気)[impulse charge]などとも言われることもある。パルス過給では、吸気バルブの上流側に各気筒毎に独立して開閉可能な開閉弁を吸気行程の初期〜中期には閉じておいて開閉弁下流に負圧(又は低圧)を生じさせておく。そして、吸気行程の中期〜後期に開閉弁を開くことで開閉弁上流からシリンダ内に勢いよく吸入空気を充填して吸入空気量を増加させる(過給する)。開閉弁は、シリンダ内への吸入空気が反射してシリンダから吸気通路側に逆流する前に閉じられる。
本実施形態で説明するエンジン1は、車両に搭載された6気筒V型エンジンである。エンジン1は、三気筒ずつの二つの気筒群によって構成されており、各気筒群が一つのバンクを形成している。図1には、各バンク毎に一つずつ、計二つの気筒(シリンダ2)が断面図として示されている。なお、実際には、この二つのシリンダ2は紙面奥行方向にオフセットした位置にあるが、図1では説明を容易にするため二つのシリンダ2を同一平面上に示してある。
エンジン1は、インジェクタ3によってシリンダ2内のピストン4の上面に燃料を噴射するいわゆる筒内噴射型のエンジンである。エンジン1は、吸気通路5を介してシリンダ2内に吸入した空気をピストン4によって圧縮した後に燃料を噴射して混合気とし、これに点火プラグ7で着火させて燃焼させる。このときの燃焼によってシリンダ2内の圧力が上昇し、これに伴ってピストン4が往復運動され、この往復運動がクランクシャフト8によって回転運動に変換されて出力として取り出される。吸気通路5は、スロットルバルブ9の下流側で各バンクに分岐されている。
シリンダ2の内部と吸気通路5との間は、吸気バルブ10によって開閉される。燃焼後の排気ガスは排気通路6に排気される。シリンダ2の内部と排気通路6との間は、排気バルブ11によって開閉される。吸気通路5上には、上流側からエアクリーナ16、吸入空気量を検出するエアフロメータ17、ターボチャージャユニット18、インタークーラ19が配されている。インタークーラ19の下流に上述したスロットルバルブ9が位置している。
本実施形態のターボチャージャユニット18は、一部のシリンダ2(ここでは図1の右側のバンクのシリンダ2)の排気流のみがタービンに導入されるものである。上述したように、高出力を求めず、ある程度の出力で燃費の改善を行いたい場合などは、全ての気筒の排気エネルギーを利用せずに、一部の気筒の排気エネルギーを利用した方がよい場合などがあり、本実施形態でも、一部のシリンダ2の排気エネルギーのみをターボチャージャユニット18による過給に利用している。
なお、本実施形態のターボチャージャユニット18は、いわゆるバリアブルノズル機構20も有しており、多数のベーンの開度を可変制御することでタービンに導入される排気流の流速を変化させ、過給効果を制御できるようにもされている。このため、図1中右側のバンクからの排気通路6aは、ターボチャージャユニット18のタービンに接続されているが、左側のバンクからの排気通路6bは、ターボチャージャユニット18の下流で、かつ、排気浄化触媒21の上流に接続されている。また、上述したように、スロットルバルブ9の下流で吸気通路5は左右の各バンクに分岐されており、このエンジン1では、過給は全てのシリンダ2に対して行われる。
さらに、図1中の右側のバンクの各シリンダ2(排気流がタービンに導入される気筒群)の吸気通路5毎に、高応答性のパルス過給用のバルブ12が配設されている。例えば、各シリンダ2毎に吸気バルブ10が二つあるような場合は、メインの吸気通路5から、各シリンダ2毎に吸気通路5が分岐され(分岐部A)、その下流で各吸気バルブ10毎に分岐される(分岐部B)ような場合は、分岐部Aの下流で分岐部Bの上流にバルブ12が配設されることが好ましい。ただし、分岐部Bの下流に設けてもよいが、バルブ12の数が増えるため、コスト的に不利であり、配設スペース上の制約も受ける。なお、ここでは、吸気通路5のバルブ12よりも下流の部分を吸気通路下流部5aと呼ぶこととする。
本実施形態では、排気流をタービンに導入するシリンダ2にのみパルス過給用のバルブ12が設けられていることになる。パルス過給用のバルブ12や上述したスロットルバルブ9はそれぞれアクチュエータによって開閉される。各アクチュエータは、エンジン1を総合的に制御するECU14に接続されている。即ち、バルブ12,スロットルバルブ9は、ECU14によって制御される。ECU14には、エンジン回転数を検出する回転数センサ15や、上述したエアフロメータ17なども接続されている。また、ターボチャージャユニット18のバリアブルノズル機構のアクチュエータもECU14に接続されている。
本実施形態のエンジンでは、パルス過給時にはバルブ12を吸気バルブ10の開閉タイミングに合わせて開閉させることでパルス過給を行う。バルブ(パルス過給用開閉弁)12の開閉タイミングと吸排気バルブ10,11のバルブリフト量との関係を図2に示す。なお、バルブ12は、全閉又は全開の選択的制御が行われている。図2に示されるように、バルブ12は、吸気行程開始前〜吸気行程初期〜中期には全閉状態にある。こうすることで、前回の吸気行程で生じた圧力を吸気通路下流部5aに保持し、吸気行程開始以前の吸気通路下流部5a内の圧力を高く維持することができる。
このようにすることで、吸気行程初期のバルブオーバーラップ(吸排気バルブ10,11が両方とも開いた状態)時には、吸気通路下流部5a内に蓄えられた圧力によってシリンダ2内の燃焼後ガスが排気通路6(6a)に押し出されることになる。このため、バルブオーバーラップ時における燃焼後ガスの排気効率が向上し、シリンダ2内の残留ガス量を削減することができる。残留ガスが減少するとシリンダ2内の温度が低下するために、ノッキングの限界が進角側に移動する。この結果、残留ガス減少分に応じた点火時期の進角を行うことができ、エンジン1の出力トルクを向上させることができる。また、トルク変動を低減することもできる。
さらに、吸気通路下流部5a内(バルブ12の下流側)には吸気行程初期〜中期にかけてピストン4が下降することで負圧(又は低圧)が生じる。そして、バルブ12は、吸気行程の中期〜後期に全開状態とされる。バルブ12を開くことで、上述した負圧に吸引されることで、バルブ12の上流からシリンダ2内に勢いよく吸入空気が充填される(過給される)。バルブ12は、シリンダ2内への吸入空気が反射してシリンダ2から吸気通路側に逆流する前に閉じられる。即ち、パルス過給用のバルブ12が設けられたシリンダ2では、ターボチャージャユニット18による過給に併せて、パルス過給弁12による過給効果をも得られる。
このときのクランク角(吸気TDC時を0°)変化に伴う、パルス過給弁の開閉・吸気ポート内圧力・シリンダ内への空気流量(積算量ではない)の変化を図3のグラフに示す。クランク角がTDC0°を過ぎて吸気が始まると、ポート内圧力が下がる。最終的には、インテークマニホールド内の平均圧力よりも下がる。この間、バルブ(パルス過給用開閉弁)12が閉じられているため、シリンダ2内への空気流量はほとんどない。そして、バルブ(パルス過給用開閉弁)12が開かれると、空気が一気に流れ込み、吸気通路下流部5a内の圧力が上昇する。これに伴ってシリンダ2内への空気流量が一気に上昇し過給される。このとき、パルス過給用のバルブ12は常に全開状態とされてもよく、また、WOT状態では、気筒単位、あるいは、全気筒単位で目標空気量となるようにパルス過給を実施してもよい。
パルス過給によって勢いよくシリンダ2内に吸入空気が流入することで、バルブ12の下流の吸気通路下流部5a及びシリンダ2内の圧力は、吸気通路5の平均圧力よりも高くなる。この時点で、パルス過給用のバルブ12が閉じられ、さらにその後に吸気バルブ10が閉じられることで、吸気通路下流部5a内の圧力が高く維持される(図3参照)。この圧力が上述した残留ガスの削減に寄与することとなる。
ここで、本実施形態では、全てのシリンダ2に対してパルス過給用のバルブ12を設けずに、排気流をタービンに導入する一部のシリンダ2についてのみパルス過給用のバルブ12を設けた。このことについて説明する。上述したように、本発明は、吸気行程以前に吸気通路下流部5a内の圧力を高めておき、この圧力を用いてバルブオーバーラップ時の排気効率を高めるものである。
バルブオーバーラップ時における排気効率は、主として吸気圧と排気圧との差によって決まる。本実施形態の場合は、吸気通路5は左右のバンクで共有されているため同一と考えることができる。これに対して、排気圧は、タービンが排気抵抗となることから、排気流をタービンに導入する図1中右側のバンクのシリンダ2の方が左側のシリンダよりも高くなる。即ち、仮にパルス過給弁を何れのバンクにも設けないとすれば、排気流をタービンに導入する図1中右側のバンクのシリンダ2の方がバルブオーバーラップ時の排気効率が悪く、残留ガス量が増える傾向となる。このとき、何れのバンクにパルス過給用のバルブ12を設ける方が効果的かを考える。
図4に、点火時期(即ち、残留ガス量の傾向)とエンジン1の出力トルクとの関係を示したグラフを示す。残留ガス量が多いとシリンダ2内の温度が高くなるためノッキングがしやすくなる。このため、ノッキングを防止するために点火時期を遅角側に設定することになる。逆に言えば、残留ガス量が減ってシリンダ2内の温度が下がれば、その分点火時期を進角できることとなり、進角によるトルクアップが見込める。ここで、排気圧が高く残留ガス量が多いシリンダ2群に対してパルス過給を行った場合のトルクアップ幅と、排気圧が低く残留ガス量が少ないシリンダ2群に対してパルス過給を行った場合のトルクアップ幅とを比較したのが図4である。
図4から分かるように、パルス過給による残留ガス量低減によって同じだけ点火時期を進角させることができるとすれば、残留ガスが多い(=より遅角側で作動している)図1中右側のシリンダ2に対してパルス過給を行う方がトルク向上分が増える。即ち、排気流をタービンに導入しているシリンダ2群に対してパルス過給用のバルブ12を設ける方が、トルク向上効果が高い。そこで、本実施形態では、排気流をタービンに導入しているシリンダ2群に対してのみパルス過給用のバルブ12を設けている。こうすることで、全てのシリンダ2に対してパルス過給用のバルブ12を設けるよりもコストを抑えつつ、効果的なトルクアップが実現でき、コスト対効果の高い構成を実現できる。
図5に、他の実施形態の図1相当図を示す。図1の実施形態では、ターボチャージャユニット18による過給は全てのシリンダ2に対して行われた。本実施形態では、排気流をタービンに導入するシリンダ2群(図5中右側のバンク)に対してのみターボチャージャユニット18による過給を行い、残りのシリンダ2群(図5中の左側のバンク)は自然吸気としている。即ち、本実施形態では、吸気通路5が二系統とされており、それぞれにスロットルバルブ9が配設されている。その他の点に関しては、図1の実施形態のエンジン1に準じた構成であるため、同一又は同等の構成部分については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
本実施形態の場合も、排気流をタービンに導入するシリンダ2群(図5中右側のバンク)に対してのみパルス過給用のバルブ12を設けている。その理由は、上述した図1の実施形態の場合と同様でありる。即ち、排気圧の高いシリンダ2群にのみパルス過給用のバルブ12を設けることで、全てのシリンダ2に対してパルス過給用のバルブ12を設けるよりもコストを抑えつつ、効果的なトルクアップを実現し、高いコスト対効果を実現できる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態の内燃機関はV型エンジンに本発明を適用したものであったが、直列エンジンなどの他の形式のエンジンに適用してもよい。また、その気筒数も限定されない。また、上述した実施形態では、排気流をタービンに導入する気筒の吸気通路上にのみパルス過給用開閉弁を設けた。このようにすると、上述したように、残留ガス量減によるトルクアップ効果を高いコスト対効果で得ることができる。しかし、過給パルス用開閉弁を全ての気筒に対して配設することで、より高いトルクアップ効果を得ることも可能である。
本発明の吸気制御装置の一実施形態を有するエンジン構成図である。 バルブタイミングとパルス過給弁の開弁タイミングとの関係を示す説明図である。 クランクアングルとパルス過給弁開度・インテークポート圧力・インテークポート平均圧力・シリンダへの空気流量との関係を示すグラフである。 点火時期(残留ガス量傾向)とトルクとの関係を示すグラフである。 本発明の吸気制御装置の他の実施形態を有するエンジン構成図である。
符号の説明
1…エンジン(内燃機関)、2…シリンダ(気筒)、5…吸気通路、5a…吸気通路下流部、6(6a,6b)排気通路、7…点火プラグ、8…クランクシャフト、9…スロットルバルブ、10…吸気バルブ、11…排気バルブ、12…バルブ(パルス過給用開閉弁)、14…ECU、18…ターボチャージャユニット。

Claims (2)

  1. 一部の気筒の排気流のみをタービンに導入するターボチャージャを備えた内燃機関において、
    排気流を前記タービンに導入する前記気筒の吸気通路上に、各気筒毎に独立して開閉可能なパルス過給用開閉弁を設けたことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記パルス過給用開閉弁が、排気流を前記タービンに導入する前記気筒の吸気通路上にのみ設けられることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
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JP2010138775A (ja) * 2008-12-11 2010-06-24 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

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