JP2013253500A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、排気弁の開き時期および閉じ時期のうちの少なくとも一方を可変とする排気可変動弁機構を備える内燃機関において、スカベンジ制御の実施に伴う空燃比センサの出力のずれを良好に防止することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】吸入空気を過給するターボ過給機20を備える。排気弁の作用角を可変とする排気可変動弁機構34を備える。内燃機関10の複数の気筒からそれぞれ排出される排気ガスの空燃比を検出するA/Fセンサ36を備える。吸気弁の開弁期間と排気弁の開弁期間とをオーバーラップさせることによって吸気通路12から筒内に流入した空気の一部が排気通路14に排出されるスカベンジ制御の実行中に、A/Fセンサ36により検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比となるように排気可変動弁機構34によって排気弁の作用角を制御する。
【選択図】図3

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、過給機付き内燃機関を制御するうえで好適な内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、ターボ過給機を備える内燃機関の制御装置が開示されている。この従来の内燃機関のように過給機付きの内燃機関では、加速時や登坂時のような低回転高負荷運転が行われたときに、吸気圧力(過給圧)が排気圧力よりも高くなる運転領域が存在する。上記従来の制御装置は、そのような低回転高負荷運転が行われるときに、吸気弁の開弁期間と排気弁の開弁期間とをオーバーラップさせることによって吸気通路から筒内に流入した空気の一部が排気通路に排出されるようにスカベンジ制御を実行する。
特開2011−190771号公報 特開2007−154814号公報 特開2010−190077号公報 国際公開第2009/063831号 特開2003−293802号公報
上記スカベンジ制御が行われていると、バルブオーバーラップ期間においては排気通路への新気の吹き抜けが発生し、一方、通常の排気行程(バルブオーバーラップ期間を除く)においては、同一サイクルのバルブオーバーラップ期間中に新気の一部が吹き抜けてしまった分、筒内からリッチな排気ガスが排出される。したがって、スカベンジ制御の実行中には、筒内から排気通路に、リーンな排気ガスとリッチな排気ガスとが順に出て行くことになる。
排気弁の開き時期および閉じ時期のうちの少なくとも一方を可変とする排気可変動弁機構を備える内燃機関が知られている。例えば、爆発間隔が180°CAとされた一般的な直列4気筒エンジンのように、複数の気筒を有する内燃機関の形式によっては、ある気筒のバルブオーバーラップ期間と、この気筒の次に爆発タイミングが到来する他の気筒の排気弁の開弁期間とは、排気弁の開き時期および閉じ時期のうちの少なくとも一方(以下、便宜上、「排気タイミング」と称する)の制御状態次第で重なり合うものとなる。
上記のような形式の内燃機関において、ある気筒のバルブオーバーラップ期間と上記他の気筒の排気弁の開弁期間とが重なるような排気タイミングが用いられているとする。また、ここでは、これらの気筒(上記のある気筒と他の気筒)から排出される排気ガスの空燃比が同一の空燃比センサによって検出されるように排気系が構成されているものとする。上記のような排気タイミングが用いられている場合においてスカベンジ制御が実行されると、バルブオーバーラップ期間が到来している気筒からは、新気の吹き抜けによってリーンガスが排出され、一方、同時期に排気弁の開弁期間が到来している上記他の気筒からは、同一サイクルのバルブオーバーラップ期間中に新気が吹き抜けてしまった分、筒内からリッチガスが排出される。空燃比センサでは、これらのリーンガスとリッチガスとが混ざり合ったガスの空燃比が検出される。
上記のリーンガス量とリッチガス量との割合は、排気タイミングの制御状態に応じて変化する。リーンガス量がリッチガス量よりも多いと、空燃比センサの出力はリーンとなり、一方、リッチガス量がリーンガス量よりも多いと、空燃比センサの出力はリッチとなる。このように、排気タイミングの設定に起因するリーンガス量とリッチガス量との割合次第で、スカベンジ制御の実行中に空燃比センサにより検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比からずれてしまうおそれがある。上記の要因で空燃比センサの出力にずれが生じているにもかかわらず、例えば目標空燃比よりもリーン側に出力が振れてしまった場合にそれを打ち消すためのフィードバック制御が実施されると、筒内の空燃比が更にリッチとなってしまう。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、排気弁の開き時期および閉じ時期のうちの少なくとも一方を可変とする排気可変動弁機構を備える内燃機関において、スカベンジ制御の実施に伴う空燃比センサの出力のずれを良好に防止することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、内燃機関の制御装置であって、
吸入空気を過給する過給機と、
排気弁の開き時期および閉じ時期のうちの少なくとも一方を可変とする排気可変動弁機構と、
複数の気筒からそれぞれ排出される排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサと、を備え、
前記複数の気筒のうちのある気筒に到来する吸気弁の開弁期間と排気弁の開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間と、前記複数の気筒のうちの他の気筒に到来する排気弁の開弁期間とが、前記排気可変動弁機構による排気弁の開き時期および閉じ時期のうちの少なくとも一方の制御状態次第で重なることのある内燃機関の制御装置であって、
吸気弁の開弁期間と排気弁の開弁期間とをオーバーラップさせることによって吸気通路から筒内に流入した空気の一部が排気通路に排出されるスカベンジ制御の実行中に、前記空燃比センサにより検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比となるように前記排気可変動弁機構によって排気弁の開き時期および閉じ時期のうちの少なくとも一方を制御することを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記排気可変動弁機構は、排気弁の開き時期および閉じ時期のうちの少なくとも開き時期を可変とする機構であって、
スカベンジ制御の実行中に、前記空燃比センサにより検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比となるように前記排気可変動弁機構によって排気弁の開き時期を制御することを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
スカベンジ制御の実行中に前記空燃比センサによって検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比よりもリッチ側にずれているときには、前記空燃比センサにより検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比となるように、前記排気可変動弁機構によって排気弁の開き時期を遅角させることを特徴とする。
また、第4の発明は、第2または第3の発明において、
スカベンジ制御の実行中に前記空燃比センサによって検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比よりもリーン側にずれているときには、前記空燃比センサにより検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比となるように、前記排気可変動弁機構によって排気弁の開き時期を進角させることを特徴とする。
また、第5の発明は、第1〜第4の発明の何れか1つにおいて、
加速要求度が所定値よりも高い高加速要求時には、スカベンジ制御の実行中に前記排気可変動弁機構によって排気弁の開き時期および閉じ時期のうちの少なくとも一方を制御することを禁止することを特徴とする。
また、第6の発明は、第1〜第5の発明の何れか1つにおいて、
前記排気可変動弁機構は、排気弁の作用角を可変とする機構であって、
スカベンジ制御の実行中に前記空燃比センサによって検出される排気ガスの空燃比と目標空燃比とのずれが生じないようにするための排気弁の目標作用角を、前記内燃機関の所定の制御パラメータとの関係で記憶した排気目標作用角記憶手段と、
排気弁の前記目標作用角が得られるように前記排気可変動弁機構によって排気弁の作用角が制御された状態で前記ずれが生じた場合において、排気弁の作用角の制御によって前記ずれが解消した際の、排気弁の目標作用角に対する実作用角の差が、前記排気可変動弁機構により制御される排気弁の作用角のばらつき量であると判定する作用角ばらつき量判定手段と、
を更に備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、スカベンジ制御の実行中にある気筒からバルブオーバーラップ期間中に排出されるリーンガスと、同時期に他の気筒から排出されるリッチガスとの混合割合を調整して、これらのガスの混合に起因する空燃比センサの出力ずれを良好に解消させることができる。このため、スカベンジ制御の実行中であっても常に空燃比センサから高い信頼性の出力を得られるようにすることができる。これにより、空燃比センサの上記出力ずれに伴う、排気エミッションの悪化や、排気温度の増加などを抑制できるようになる。
第2の発明によれば、排気弁の開き時期の調整によって、スカベンジ制御の実行中に空燃比センサにより検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比となるように制御される。このような手法によれば、バルブオーバーラップ期間は変更されないので、スカベンジ量や内部EGRガス量などに与える影響をできるだけ抑えながら上記出力ずれを解消することができる。
第3および第4の発明によれば、排気弁の開き時期の調整によってスカベンジ制御の実行中に空燃比センサにより検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比となるように制御する具体的な手法が提供される。
第5の発明によれば、上述した空燃比センサの出力ずれの解消のための排気弁の開き時期および閉じ時期のうちの少なくとも一方の制御の実行による内燃機関のトルク変化が加速性能に悪影響を与えるのを回避することができる
第6の発明によれば、上述した空燃比センサの出力ずれの解消のための排気弁の開き時期および閉じ時期のうちの少なくとも一方の制御の実行を利用して、排気動弁機構により制御される排気弁の開き時期および閉じ時期のうちの少なくとも一方のばらつき量を判定することが可能となる。
本発明の実施の形態1における内燃機関のシステム構成を説明するための図である。 スカベンジ制御の課題について説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 過給圧とバルブオーバーラップ期間(O/L)との間でA/Fセンサの出力ずれ量を定めた関係を表した図である。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。
実施の形態1.
[実施の形態1のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態1における内燃機関10のシステム構成を説明するための図である。図1に示すシステムは、内燃機関10を備えている。内燃機関10は、一例として直列4気筒型のガソリンエンジンであるものとする。内燃機関10の燃焼室には、吸気通路12および排気通路14が連通している。
吸気通路12の入口近傍には、エアクリーナ16が配置されている。エアクリーナ16の下流側の吸気通路12には、吸気通路12に吸入される空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ18が設けられている。エアフローメータ18よりも下流側の吸気通路12には、ターボ過給機20のコンプレッサ20aが配置されている。
コンプレッサ20aよりも下流側の吸気通路12には、コンプレッサ20aにより圧縮された空気を冷却するインタークーラ22が配置されている。インタークーラ22よりも下流側の吸気通路12には、電子制御式のスロットルバルブ24が設けられている。また、スロットルバルブ24の下流側の吸気通路12(サージタンク)には、この部位における吸気圧力を検出する吸気圧センサ26が取り付けられている。
内燃機関10の各気筒には、燃焼室内(筒内)に直接燃料を噴射するための燃料噴射弁28、および、混合気に点火するための点火プラグ30がそれぞれ設けられている。また、内燃機関10は、吸気弁(図示省略)の開弁特性を可変とする吸気可変動弁機構32と、排気弁(図示省略)の開弁特性を可変とする排気可変動弁機構34とを備えている。より具体的には、吸気可変動弁機構32は、一例として、クランクシャフトの回転位相に対する吸気カムの回転位相を連続的に可変とする位相可変機構(可変バルブタイミング機構)と、吸気弁の作用角およびリフト量を連続的に可変とする作用角可変機構とを具備する公知の機構であるものとする。また、排気可変動弁機構34についても、吸気可変動弁機構32と同様の構成を備えているものとする。このような可変動弁機構32、34によれば、位相可変機構による吸排気弁の開閉時期の変更と、作用角可変機構による吸排気弁の作用角およびリフト量の変更とを、個々に或いは同時に実行することができる。
排気通路14には、ターボ過給機20のタービン20bが配置されている。タービン20bよりも上流側の排気通路14には、各気筒から排出された排気ガスの空燃比に対してほぼリニアな出力を発する(メイン)A/Fセンサ36が配置されている。また、タービン20bよりも下流側の排気通路14には、排気ガスを浄化するための排気浄化触媒として、触媒(三元触媒)38等が配置されている。触媒38の下流側の排気通路14には、触媒38から流出してくる排気ガスが理論空燃比に対してリッチである場合にリッチ出力を発生し、また、その排気ガスが理論空燃比に対してリーンである場合にリーン出力を発生する(サブ)Oセンサ40が配置されている。
更に、図1に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50の入力部には、上述したエアフローメータ18、吸気圧センサ26、A/Fセンサ36およびOセンサ40に加え、エンジン回転数を検出するためのクランク角センサ52等の内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサが接続されている。また、ECU50の入力部には、内燃機関10を搭載する車両のアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検知するためのアクセル開度センサ54が接続されている。一方、ECU50の出力部には、上述したスロットルバルブ24、燃料噴射弁28、点火プラグ30および可変動弁機構32、34等の内燃機関10の運転を制御するための各種のアクチュエータが接続されている。ECU50は、それらのセンサ出力と所定のプログラムとに従って上記各種のアクチュエータを駆動することにより、内燃機関10の運転状態を制御するものである。
[スカベンジ制御]
上述した構成を有する可変動弁機構32、34によれば、吸気弁の開き時期の進角量と排気弁の閉じ時期の遅角量のうちの少なくとも一方を変更することにより、吸気弁の開弁期間と排気弁の開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間を増減することができる。
ターボ過給機20を備える本実施形態の内燃機関10では、高負荷領域においてターボ過給機20による過給によって吸気圧力が排気圧力よりも高くなる。このような圧力条件が成立する高負荷領域(以下、「スカベンジ領域」と称する)において(上記可変動弁機構32等による制御によって、もしくは予め設定された吸排気弁のバルブタイミングによって)バルブオーバーラップ期間が設定されていると、新気(吸気)が燃焼室を介して吸気通路12から排気通路14に向けて吹き抜けるという現象が生ずる。このような新気の吹き抜けが発生していると、通常であれば燃焼室のすきま容積分は少なくとも存在してしまう筒内の残留ガスを、吸気通路12からの新気を用いて押し出すことによって掃気し、新気に置き換えることができる(スカベンジ効果)。このように、上記高負荷領域においてバルブオーバーラップ期間を設けるスカベンジ制御を実行することにより、内燃機関10のトルク向上などの効果を得ることができる。
[実施の形態1の課題]
図2は、上述したスカベンジ制御の課題について説明するための図であり、スカベンジ領域においてバルブオーバーラップ期間が設定された状態を示している。より具体的には、図2(A)は、排気弁の作用角が大きい制御状態(排気弁が膨張下死点よりも進角側のタイミングで開いた後に排気上死点よりも遅角側のタイミングで閉じるように制御された状態)のものであり、図2(B)は、排気弁の作用角が小さい制御状態(排気弁が膨張下死点付近のタイミングで開いた後に排気上死点よりも遅角側のタイミングで閉じるように制御された状態)のものである。
スカベンジ制御が行われていると、バルブオーバーラップ期間においては排気通路14への新気の吹き抜けが発生し、一方、通常の排気行程(バルブオーバーラップ期間を除く)においては、同一サイクルのバルブオーバーラップ期間中に新気の一部が吹き抜けてしまった分、筒内からリッチな排気ガスが排出される。したがって、スカベンジ制御の実行中には、筒内から排気通路14に、リーンな排気ガスとリッチな排気ガスとが順に出て行くことになる。
図2に示すように、直列4気筒型(一例)の内燃機関10では、所定の爆発順序で一般的に180°CAの等間隔で爆発タイミングが到来する。このような構成の複数の気筒を有する内燃機関10では、ある気筒のバルブオーバーラップ期間と、この気筒の次に爆発タイミングが到来する他の気筒(以下、「次気筒」と称する)の排気弁の開弁期間とは、排気弁の開き時期および閉じ時期のうちの少なくとも一方(以下、便宜上、「排気タイミング」と称する)の制御状態次第で図2に示すように重なり合うものとなる。
内燃機関10は、図1に示すように排気マニホールド14aによって集められた4気筒(全気筒)からの排気ガスの空燃比が同一のA/Fセンサ36によって検出されるように構成されている。図2に示すような排気タイミングが用いられている場合においてスカベンジ制御が実行されると、バルブオーバーラップ期間が到来している気筒からは、新気の吹き抜けによってリーンガス(図2中に(1)と付して示すガス)が排出され、一方、同時期に排気弁の開弁期間が到来している次気筒からは、同一サイクルのバルブオーバーラップ期間中に新気が吹き抜けてしまった分、筒内からリッチガス(図2中に(2)と付して示すガス)が排出される。したがって、A/Fセンサ36によれば、これらのリーンガスとリッチガスとが混ざり合ったガスの空燃比が検出される。
上記のリーンガス量とリッチガス量との割合は、排気タイミング(排気弁の開き時期、閉じ時期、またはこれら双方によって特定される作用角)の制御状態に応じて変化する。具体的には、スカベンジ率は多くても20%前後である。このため、図2(A)に示すように排気弁の作用角が大きく制御されていることで、ある気筒のバルブオーバーラップ期間と次気筒の排気弁の開弁期間とが大きく重なっている状態では、上記(1)のリーンガス量よりも上記(2)のリッチガス量が多くなる。その結果、この場合には、A/Fセンサ36の出力がリッチ側に振れてしまい、所定の目標空燃比(本実施形態では、一例として理論空燃比)よりもリッチな値となる。一方、図2(B)に示すように排気弁の作用角が図2(A)に示す状態よりも小さく制御されていることで、ある気筒のバルブオーバーラップ期間と次気筒の排気弁の開弁期間との重なりが小さい状態では、この重なり区間での次気筒の排気弁のリフト量が小さく、上記(2)のリッチガスが少なくなる。このため、この場合には、上記(1)のリーンガスの割合が大きくなるので、A/Fセンサ36の出力がリーン側に振れてしまい、目標空燃比(理論空燃比)よりもリーンな値となる。
以上のように、排気タイミングの設定に起因するリーンガス量とリッチガス量との割合次第で、スカベンジ制御の実行中にA/Fセンサ36により検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比に対してリッチ側もしくはリーン側にずれてしまうおそれがある。上記の要因でA/Fセンサ36の出力にずれが生じているにもかかわらず、例えば、目標空燃比よりもリーン側に出力が振れてしまった場合にそれを打ち消すためのフィードバック制御が実施されると、筒内の空燃比が更にリッチとなってしまう。
[実施の形態1の特徴的な制御]
そこで、本実施形態では、スカベンジ制御の実行中に、A/Fセンサ36により検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比(本実施形態では、理論空燃比)となるように、排気可変動弁機構34によって排気弁の開き時期を制御するようにした(言い換えれば、排気弁の閉じ時期は変更せずに排気弁の作用角を制御するようにした)。具体的には、スカベンジ制御の実行中にA/Fセンサ36により検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比よりもリッチ側にずれているときには、A/Fセンサ36により検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比となるように、排気弁の開き時期を遅角させるようにした(言い換えれば、排気弁の閉じ時期は変更せずに排気弁の作用角を小さくするようにした)。一方、スカベンジ制御の実行中にA/Fセンサ36により検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比よりもリーン側にずれているときには、A/Fセンサ36により検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比となるように、排気弁の開き時期を進角させるようにした(言い換えれば、排気弁の閉じ時期は変更せずに排気弁の作用角を大きくするようにした)。
図3は、本発明の実施の形態1における特徴的な制御を実現するために、ECU50が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。尚、本ルーチンは、所定の制御周期毎に繰り返し実行されるものとする。
図3に示すルーチンでは、先ず、内燃機関10の現在の運転領域がスカベンジ領域であるか否かが判定される(ステップ100)。内燃機関10では、運転領域(吸入空気量(負荷)とエンジン回転数とで規定)との関係でスカベンジ制御を行うスカベンジ領域が予め設定されている。本ステップ100の判定は、例えば、エアフローメータ18およびクランク角センサ52を用いてそれぞれ検出される吸入空気量およびエンジン回転数に基づいて、現在の運転領域がスカベンジ領域に入っているか否かを判断することによって行うことができる。また、本ステップ100の判定は、例えば、現在の過給圧(吸気圧センサ26によって検出された値、或いは推定値でもよい)、背圧(排気圧センサ(図示省略)によって検出された値、或いは推定値でもよい)、および現在の吸排気弁のバルブタイミング(バルブオーバーラップ期間)に基づいて算出してもよい。
ステップ100において現在の運転領域がスカベンジ領域であると判定された場合には、A/Fセンサ36の出力が目標空燃比(ここでは、理論空燃比)に対してずれているか否かが判定される(ステップ102)。その結果、A/Fセンサ36の出力に目標空燃比に対するずれが認められた場合には、A/Fセンサ36の出力が目標空燃比となるように、スカベンジ量に応じて排気弁の作用角が変更される(ステップ104)。尚、スカベンジ量(排気通路14に吹き抜ける空気量)自体は、例えば、吸入空気量、吸気圧力、背圧(排気圧力)、バルブオーバーラップ量およびエンジン回転数に基づいて算出することができる。
上述した排気可変動弁機構34が備える作用角可変機構は、一例として、排気弁の閉じ時期を一定としつつ、作用角およびリフト量を連続的に変更可能な機構であるものとする。ステップ104では、A/Fセンサ36の出力が目標空燃比に対してリッチ側にずれている場合には、現在のスカベンジ量に応じた量で排気弁の開き時期を遅角させる処理が実行される。このような処理は、例えば、A/Fセンサ36により検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比となるように、位相可変機構は用いずに排気弁の作用角が小さくなるように作用角可変機構を制御することによって実現することができる。一方、A/Fセンサ36の出力が目標空燃比に対してリーン側にずれている場合には、現在のスカベンジ量に応じた量で排気弁の開き時期を進角させる処理が実行される。このような処理は、例えば、A/Fセンサ36により検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比となるように、位相可変機構は用いずに排気弁の作用角が大きくなるように作用角可変機構を制御することによって実現することができる。以上のようなステップ104の処理は、ステップ102の判定が不成立となるまで継続して実行される。
以上説明した図3に示すルーチンによれば、スカベンジ制御の実行中にA/Fセンサ36の出力が目標空燃比に対してリッチ側にずれている場合には、排気弁の開き時期を遅角させるべく、排気弁の閉じ時期は固定のまま作用角が小さくなるように制御される。これにより、次気筒から排出される上記(2)のリッチガス量を減らすことができるので、A/Fセンサ36の出力を目標空燃比に近づけることができる。上記ルーチンによれば、逆に、スカベンジ制御の実行中にA/Fセンサ36の出力が目標空燃比に対してリーン側にずれている場合には、排気弁の開き時期を進角させるべく、排気弁の閉じ時期は固定のまま作用角が大きくなるように制御される。これにより、次気筒から排出される上記(2)のリッチガス量を増やすことができるので、A/Fセンサ36の出力を目標空燃比に近づけることができる。
以上説明したように、本実施形態におけるスカベンジ制御の実行中の排気弁の作用角制御によれば、A/Fセンサ36が所定の目標空燃比に応じた出力を発せられるように、ある気筒からバルブオーバーラップ期間中に排出される上記(1)のリーンガスと、同時期にこの気筒の次気筒から排出される上記(2)のリッチガスとの混合割合を適切に調整することができる。これにより、これらのガスの混合に起因するA/Fセンサ36の出力ずれを良好に解消させることができる。このため、スカベンジ制御の実行中であっても常にA/Fセンサ36から高い信頼性の出力を得られるようにすることができる。これにより、上記のA/Fセンサ36の出力ずれに伴う、排気エミッションの悪化や、排気温度の増加などを抑制できるようになる。
また、上記ルーチンによれば、スカベンジ制御の実行中にA/Fセンサ36の出力ずれを解消するために、排気弁の開き時期の調整が実行される。このような手法によれば、バルブオーバーラップ期間は変更されないので、スカベンジ量や内部EGRガス量などに与える影響をできるだけ抑えながら上記出力ずれを解消することができる。
実施の形態2.
次に、図4を主に参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU50に図3に示すルーチンに代えて後述の図4に示すルーチンを実行させることにより実現することができるものである。
上述した実施の形態1におけるスカベンジ制御の実行中の排気弁の作用角制御によれば、上記(1)のリーンガスと上記(2)のリッチガスとのバランスを改善することができるものの、排気弁の開き時期が変化することで排気の押し出し損失が変化するなどの理由により、内燃機関10が発生するトルクが変化する。
そこで、本実施形態では、車両の加速要求度が所定値よりも高い高加速要求時には、スカベンジ制御の実行中にA/Fセンサ36の出力ずれの解消のための排気弁の作用角制御の実行を禁止するようにした。
図4は、本発明の実施の形態2における特徴的な制御を実現するために、ECU50が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。尚、図4において、実施の形態1における図3に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図4に示すルーチンでは、先ず、上記の高加速要求が出されているか否かが判定される(ステップ200)。具体的には、本ステップ200では、アクセル開度センサ54によって検出されるアクセル開度の変化率が所定値よりも高いか否か、および、アクセル開度が所定値よりも大きいか否かのうちの少なくとも一方が成立したかどうかが判定される。
ステップ200の判定が不成立である場合、すなわち、高加速要求が出されていないと判断できる場合には、次いで、上記図3に示すルーチンにおけるステップ100〜104の処理が実行される。一方、ステップ200の判定が成立する場合、すなわち、高加速要求が出されたと判断できる場合には、加速レスポンスを高く確保できるよう予め設定されたレスポンス要求排気作用角となるように、排気可変動弁機構34によって排気弁の作用角が制御される(ステップ202)。付け加えると、このレスポンス要求排気作用角は、A/Fセンサ36の出力ずれの解消よりもエンジン出力を重視した作用角値である。
以上説明した図4に示すルーチンによれば、高加速要求が出された場合には、スカベンジ制御の実行中であってもA/Fセンサ36の出力ずれの解消のための排気弁の作用角の制御を実行することが禁止される。これにより、このような作用角制御の実行による内燃機関10のトルク変化が加速性能に悪影響を与えるのを回避することができる。そして、上記ルーチンによれば、そのような高加速要求時には、エンジン出力を重視したレスポンス要求排気作用角が使用される。これにより、スカベンジの実行中の加速レスポンスを高く確保できるようになる。
実施の形態3.
次に、図5および図6を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU50に図3に示すルーチンに代えて後述の図6に示すルーチンを実行させることにより実現することができるものである。
図5は、過給圧とバルブオーバーラップ期間(O/L)との間でA/Fセンサ36の出力ずれ量を定めた関係を表した図である。
本実施形態のシステムでは、図5に示すように、スカベンジ制御の実行中に生じ得る既述したA/Fセンサ36の出力のずれ量を過給圧とバルブオーバーラップ期間との間で定めた関係が、予め実験等によって適合されている。この図5に示す関係は、過給圧が高いほど、また、バルブオーバーラップ期間が長いほど、A/Fセンサ36の出力ずれ量が大きくなるというものである。ECU50には、このような適合結果に基づいて把握されるA/Fセンサ36の出力ずれ量を解消するための排気弁の目標作用角が、過給圧とバルブオーバーラップ期間との関係で予めマップ化されて記憶されている。
本実施形態のシステムは、スカベンジ制御の実行中には、上記マップを参照して得られる排気弁の目標作用角に向けて排気弁の作用角を制御する。そして、本システムは、このように排気弁の作用角が制御されている状態で、A/Fセンサ36の出力にずれが生ずるか否かを判定し、当該ずれが生ずる場合には上述した実施の形態1の排気弁の作用角制御によってA/Fセンサ36の出力ずれを解消させる。そのうえで、本システムは、出力ずれを解消した際の、目標作用角(マップ値)に対する実作用角の差が、排気可変動弁機構34により制御される排気弁の作用角のばらつき量であると判断することを特徴としている。
図6は、本発明の実施の形態3における特徴的な制御を実現するために、ECU50が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。尚、図6において、実施の形態1における図3に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図6に示すルーチンでは、上記ステップ100において内燃機関10の現在の運転領域がスカベンジ領域であると判定された場合には、現在のバルブオーバーラップ期間と過給圧とに基づいて、上記マップの関係に従って排気弁の目標作用角が読み込まれる(ステップ300)。
次に、ステップ300において読み込まれた目標作用角が得られるように、排気可変動弁機構34を用いて排気弁の作用角が制御される(ステップ302)。次いで、このような制御によって排気弁の作用角が目標作用角に制御された状態で、上記ステップ102の処理によってA/Fセンサ36の出力ずれが生じているか否かが判定される。
本ルーチンでは、上記ステップ102の処理によってA/Fセンサ36の出力ずれが生じていると判定された場合には、上記ステップ104の処理によって当該出力ずれを解消すべく排気弁の作用角が制御される。そのうえで、ステップ104の処理によって上記出力ずれが解消した場合には、当該ずれの解消時の排気弁の実作用角を用いて、排気弁の目標作用角に対する実作用角の差が、排気可変動弁機構34により制御される排気弁の作用角のばらつき量であると判断され、ECU50に取り込まれる(ステップ304)。このようにして取り込まれた排気弁の作用角のばらつき量は、次回以降の本ルーチンにおける排気弁の作用角の制御に反映されるようになる。
以上説明した図6に示すルーチンによっても、スカベンジ制御の実行中にA/Fセンサ36の上記出力ずれが生じている場合には、上述した実施の形態1と同じ制御によって、当該出力ずれを良好に解消させることができる。
バルブオーバーラップ期間と過給圧との関係で予めマップとして記憶しておいた排気弁の目標作用角に向けて排気弁の実作用角を制御した際に上記出力ずれが生ずる場合には、排気可変動弁機構34により制御される排気弁の作用角(実作用角)に対してばらつきが存在しているものと判断することができる。そして、この場合の出力ずれを解消した際の、目標作用角に対する実作用角の差は、排気可変動弁機構34により制御される排気弁の作用角のばらつき量を示すものであると判断することができる。すなわち、上記ルーチンによれば、排気弁の作用角の上記差に基づいて、排気可変動弁機構34により制御される排気弁の作用角のばらつき量を判定することも可能となる。
尚、上述した実施の形態3においては、A/Fセンサ36の出力ずれ量を解消するための排気弁の目標作用角を過給圧とバルブオーバーラップ期間との関係でマップとして記憶するECU50によって前記第6の発明における「排気目標作用角記憶手段」が実現されており、そして、ECU50が上記ステップ304の処理を実行することにより前記第6の発明における「作用角ばらつき量判定手段」が実現されている。また、過給圧とバルブオーバーラップ期間とが前記第6の発明における「制御パラメータ」に相当している。尚、この制御パラメータには、例えば、排気弁の開き時期を含めるようにしてもよい。
ところで、上述した実施の形態1〜3においては、スカベンジ制御の実行中に排気弁の作用角制御によって調整される排気ガスの目標空燃比を理論空燃比とした内燃機関10を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明は、理論空燃比よりもリーンな空燃比が目標空燃比とされている内燃機関にも適用可能であり、また、理論空燃比よりもリッチな空燃比であり且つ出力空燃比よりもリーンな空燃比が目標空燃比とされている内燃機関にも適用可能である。
また、上述した実施の形態1〜3においては、排気可変動弁機構34が備える作用角可変機構を用いて、スカベンジ制御の実行中に上記A/Fセンサ36の出力ずれを解消するように排気弁の開き時期を制御する(言い換えれば、排気弁の閉じ時期を固定としつつ、作用角を制御する)構成を例に挙げて説明を行った。このような構成によれば、バルブオーバーラップ期間は変更されないので、スカベンジ量や内部EGRガス量などに与える影響をできるだけ抑えながら上記出力ずれを解消することができる。しかしながら、本発明における排気可変動弁機構は、排気可変動弁機構34が備える上記作用角可変機構の構成に代え、排気弁の閉じ時期のみを可変とするものであってもよく、或いは、排気弁の開き時期および閉じ時期を作用角は固定のままで可変するもの(例えば、上記位相可変機構のみを備える機構が該当)や、排気弁の開き時期および閉じ時期を作用角の変化を伴いながら個々に可変するもの(例えば、上記排気可変動弁機構34が該当)であってもよい。
そして、本発明におけるスカベンジ制御の実行中の排気弁の制御は、上記のような各種構成の排気可変動弁機構を用いて、排気弁の開き時期のみの調整に代え、上記出力ずれが解消するように排気弁の閉じ時期を、単独で或いは開き時期とともに変更するものであってもよい。更に付け加えると、排気弁の閉じ時期を進角または遅角することで、バルブオーバーラップ期間の変化を伴うが、このような手法によっても、スカベンジ量(すなわち、上記(1)のリーンガス量)を変化させることができ、上記(1)のリーンガスと上記(2)のリッチガスとのバランスを調整することができる。
また、本実施形態の内燃機関10は、排気可変動弁機構34が備える位相可変機構、および吸気可変動弁機構32のうちの少なくとも一方を用いて、スカベンジ領域においてスカベンジ効果を利用するためにバルブオーバーラップ期間を調整可能な構成である。しかしながら、本発明は、排気弁の開き時期のみを可変とする排気可変動弁機構(例えば、上記作用角可変機構のみを備える機構が該当)と、吸気弁の開き時期を可変とする吸気可変動弁機構とを備え、吸気弁の開き時期の調整によってスカベンジ領域においてバルブオーバーラップ期間を設けることでスカベンジ制御を実行する構成に対しても適用可能である。また、本発明は、排気弁の開き時期のみを可変とする排気可変動弁機構(例えば、上記作用角可変機構のみを備える機構が該当)を備え、バルブオーバーラップ期間が運転状態によらず固定とされた構成に対しても適用可能である。本明細書中においては、このようなバルブオーバーラップ期間が固定された内燃機関において吸気圧力が背圧よりも高くなる高負荷領域にてスカベンジ効果を利用することをも含め、「スカベンジ制御」として広く表現している。
また、上述した実施の形態1〜3においては、タービン20bよりも上流側の排気通路14に空燃比センサ(A/Fセンサ36)を備えた内燃機関10を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明は、上記の構成のものに限らず、ターボ過給機のタービンよりも下流側の排気通路に配置された空燃比センサを備える内燃機関にも適用可能である。更に、本発明における過給機は、ターボ過給機20に限らず、例えば、内燃機関のクランク軸からの動力を利用する機械式過給機や、モータによりコンプレッサを駆動する電動式の過給機であってもよい。
10 内燃機関
12 吸気通路
14 排気通路
18 エアフローメータ
20 ターボ過給機
20a ターボ過給機のコンプレッサ
20b ターボ過給機のタービン
22 インタークーラ
24 スロットルバルブ
26 吸気圧センサ
28 燃料噴射弁
30 点火プラグ
32 吸気可変動弁機構
34 排気可変動弁機構
36 A/Fセンサ
38 触媒
40 Oセンサ
50 ECU(Electronic Control Unit)
52 クランク角センサ
54 アクセル開度センサ

Claims (6)

  1. 吸入空気を過給する過給機と、
    排気弁の開き時期および閉じ時期のうちの少なくとも一方を可変とする排気可変動弁機構と、
    複数の気筒からそれぞれ排出される排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサと、を備え、
    前記複数の気筒のうちのある気筒に到来する吸気弁の開弁期間と排気弁の開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間と、前記複数の気筒のうちの他の気筒に到来する排気弁の開弁期間とが、前記排気可変動弁機構による排気弁の開き時期および閉じ時期のうちの少なくとも一方の制御状態次第で重なることのある内燃機関の制御装置であって、
    吸気弁の開弁期間と排気弁の開弁期間とをオーバーラップさせることによって吸気通路から筒内に流入した空気の一部が排気通路に排出されるスカベンジ制御の実行中に、前記空燃比センサにより検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比となるように前記排気可変動弁機構によって排気弁の開き時期および閉じ時期のうちの少なくとも一方を制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記排気可変動弁機構は、排気弁の開き時期および閉じ時期のうちの少なくとも開き時期を可変とする機構であって、
    スカベンジ制御の実行中に、前記空燃比センサにより検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比となるように前記排気可変動弁機構によって排気弁の開き時期を制御することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. スカベンジ制御の実行中に前記空燃比センサによって検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比よりもリッチ側にずれているときには、前記空燃比センサにより検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比となるように、前記排気可変動弁機構によって排気弁の開き時期を遅角させることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. スカベンジ制御の実行中に前記空燃比センサによって検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比よりもリーン側にずれているときには、前記空燃比センサにより検出される排気ガスの空燃比が目標空燃比となるように、前記排気可変動弁機構によって排気弁の開き時期を進角させることを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 加速要求度が所定値よりも高い高加速要求時には、スカベンジ制御の実行中に前記排気可変動弁機構によって排気弁の開き時期および閉じ時期のうちの少なくとも一方を制御することを禁止することを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記排気可変動弁機構は、排気弁の作用角を可変とする機構であって、
    スカベンジ制御の実行中に前記空燃比センサによって検出される排気ガスの空燃比と目標空燃比とのずれが生じないようにするための排気弁の目標作用角を、前記内燃機関の所定の制御パラメータとの関係で記憶した排気目標作用角記憶手段と、
    排気弁の前記目標作用角が得られるように前記排気可変動弁機構によって排気弁の作用角が制御された状態で前記ずれが生じた場合において、排気弁の作用角の制御によって前記ずれが解消した際の、排気弁の目標作用角に対する実作用角の差が、前記排気可変動弁機構により制御される排気弁の作用角のばらつき量であると判定する作用角ばらつき量判定手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の内燃機関の制御装置。
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