JP2007132217A - 圧縮自着火エンジンの燃焼制御装置 - Google Patents

圧縮自着火エンジンの燃焼制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】筒内ガス温度を圧縮自着火可能な温度まで昇温させることができると共に、圧縮自着火可能な運転領域の拡大を実現する。
【解決手段】吸気通路8に配設したターボ過給機11のコンプレッサ11aと、コンプレッサ11aの下流に配設したインタークーラ14と、インタークーラ14をバイパスする給気バイパス通路18と、インタークーラ14と給気バイバス通路18に対する吸入空気の配分量を設定する第1、第2温度調整弁17,19とを有し、エンジン回転数Neとエンジン負荷Loとが共に高い領域では、第1温度調整弁17を閉じ、第2温度調整弁19を開いて給気バイパス通路18を通過する吸入空気量を増加させることで、燃焼室3へ供給する吸入空気の温度を高く設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸入空気の温度を圧縮自着火可能な温度に調整して燃焼室へ供給する圧縮自着火エンジンの燃焼制御装置に関する。
従来、4サイクルエンジンの熱効率を向上させる手段として、混合ガスをリーン化させることで作動ガスの比熱比を大きくして理論熱効率を向上させることが知られている。又、混合ガスをリーン化することにより、同じトルクで運転する場合でも、より多くの空気をエンジンに吸入させるので、ポンピング損失を低減させることができる。
しかし、混合ガスのリーン化は燃焼期間の長期化や燃焼の不安定化を伴うため熱効率の向上には限界がある。そこで、筒内噴射によって、混合ガスを成層化した状態のまま点火プラグの周囲に集め着火性を確保する成層燃焼により、この限界を拡げるようにしているが、成層燃焼では、点火プラグ周りにリッチ混合ガスを集中させるので、燃焼温度が高くなり、NOxが増大し易いという問題がある。
一方、ディーゼルエンジンは、圧縮自着火により燃焼させるため熱効率が高く、空燃比の大幅なリーン化は可能であるが、高負荷時の空気利用率が悪いため、出力が低く、煤の排出を生じることがあり、排気ガス対策上問題となる。
そこで、このような問題を解決する手段として、ガソリン混合ガスを点火プラグを用いず、断熱圧縮により多点着火させる圧縮自着火式エンジンが提案されている。ガソリン混合ガスを圧縮自着火燃焼させるためには、高温の残留ガス熱を利用して新気を活性化させる必要があり、その1つの方法として、排気弁の閉弁時期を早め、吸気弁の開弁時期を遅らせることで、排気上死点前後で両弁が閉弁する負のオーバラップ期間を形成し、排気行程後半から吸気行程前半にかけて残留ガスを燃焼室内に閉じ込めるようにした技術が知られている。
例えば特許文献1(特開2002−332887号公報)には、圧縮自着火運転では、スロットル弁を全開とし、排気上死点前後で、排気弁と吸気弁との双方を共に閉弁する負のバルブオーバラップ期間を形成し、燃焼室内に閉じ込めた残留ガスと、機械式過給機によって加圧された状態で燃焼室へ供給される吸気とを、圧縮行程時の断熱圧縮により予圧昇温させて、圧縮自着火を促進させる技術が開示されている。
又、特許文献2(特開平11−210539号公報)には、予め設定した圧縮自着火可能な目標温度に筒内のガス温度が収束するように、EGR制御弁の開度や吸気弁の開弁時期等を設定し、点火プラグによる点火タイミングにて圧縮自着火時期を制御する技術が開示されている。
特開2002−332887号公報 特開平11−210539号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術では、圧縮自着火を促進させるために、スロットル弁を全開とし、且つ負のバルブオーバラップ期間を形成するようにしているので、運転領域が低負荷側に限定されてしまう問題がある。
又、特許文献2に開示されている技術では、圧縮自着火可能な目標温度を筒内圧にのみ基づいて設定しているが、圧縮自着火可能な時間はエンジン回転数の増加に伴い短くなるため、燃焼タイミングにずれが生じやすくなる。
本発明は、上記事情に鑑み、負のオーバラップ期間を形成することなく、筒内ガス温度を圧縮自着火可能な温度まで上昇させることができると共に、圧縮自着火可能な運転領域の拡大を実現することのできる圧縮自着火エンジンの燃焼制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、吸気通路に配設され吸入空気を冷却する吸気冷却器と、該吸気冷却器をバイパスして上記吸気通路に連通する給気バイパス通路と、上記吸気冷却器と上記給気バイバス通路に対する上記吸入空気の配分量を設定する温度調整弁とを有し、該温度調整弁の開閉動作により燃焼室へ供給する上記吸入空気の温度を調整する圧縮自着火エンジンの燃焼制御装置において、上記両温度調整弁の開度を少なくともエンジン回転数に基づき、該エンジン回転数が高い領域では、該エンジン回転数が低い領域に比し上記給気バイパス通路を通過する上記吸入空気量を増加させる方向へ設定して上記燃焼室へ供給する上記吸入空気の温度を高く設定することを特徴とする。
本発明によれば、負のオーバラップ期間を形成することなく、筒内ガス温度を圧縮自着火可能な温度まで上昇させることができると共に、圧縮自着火可能な運転領域を拡大させることができる。
以下、図面に基づいて本発明の一形態を説明する。図1〜図12に本発明の第1形態を示す。図1はエンジンの全体構成図である。
同図の符号1はターボ過給機付エンジンのエンジン本体、2はピストン、3は燃焼室、4は吸気ポート、5は排気ポート、6は吸気弁、7は排気弁であり、吸気ポート4に吸気通路8が連通され、一方、排気ポート5に排気通路9が連通されている。尚、図示しないが燃焼室3の頂面に筒内噴射用インジェクタの噴孔と点火プラグの発火部とが臨まされている。
又、吸気通路8の中途に、スロットル弁10が介装され、更にその上流側に、吸気冷却器としてのインタークーラ14が介装されている。尚、図示しないが吸気通路8の最上流に設けた吸気取り入れ口にエアクリーナが介装されている。
一方、排気通路9の中途に、ターボ過給機11のタービン11bが介装されており、このタービン11bがコンプレッサ11aにタービン軸11cを介して連設されている。又、図示しないが排気通路9の下流端側にマフラが介装されている。
更に、排気通路9のタービン11b上流側と下流側とが排気バイパス通路12を介してバイパス接続されており、この排気バイパス通路12に、ターボ過給機11のタービン11b内の排気背圧(排気ガスの圧力)を調整するウエイストゲート弁13が介装されている。
又、吸気通路8のコンプレッサ11a下流側に、コンプレッサ11aから吐出される吸入空気を冷却するインタークーラ14が介装されており、このコンプレッサ11a上流側が、インタークーラ14とスロットル弁10との間にエアバイパス通路15を介してバイパス接続されている。このエアバイパス通路15に圧力調整弁16が介装されている。この圧力調整弁16は、スロットル弁10が全閉となる減速時、或いはノック発生時等において開弁動作することで、コンプレッサ11aにより加圧された吸入空気を、エアバイパス通路15を経てコンプレッサ11aの上流側へリークさせ過給圧の上昇を防止する。
更に、吸気通路8のコンプレッサ11aとインタークーラ14との間に、第1温度調整弁17が介装されている。又、この吸気通路8の第1温度調整弁17とコンプレッサ11aとの間と、インタークーラ14とスロットル弁10との間が、給気バイパス通路18を介して接続されている。この給気バイパス通路18に第2温度調整弁19が介装されている。この両温度調整弁17,19は、それを開閉動作させることで、燃焼室3に供給される吸入空気の温度を調整する。
又、吸気弁6と排気弁7とに可変動弁機構20,21が連設されている。この各可変動弁機構20,21は、バルブタイミングの異なる2種類のカム山を切り換える2段式カム機構や、周知の電磁動弁等を用いた連続可変動弁機構等で構成されており、後述する電子制御ユニット(ECU)30からの制御信号に基づき、運転領域に応じてバルブタイミングが切換え動作される。
このECU30は、マイクロコンピュータを主体に構成されており、その入力側に、エンジン回転数Ne[rpm]を検出するエンジン回転数センサ23、エアクリーナから取り入れられる吸入空気量(吸入空気流量)Qを検出する吸入空気量センサ24、エンジン本体1に伝達される機械的振動から、異常燃焼の代表であるノック発生の有無を検出するノックセンサ25等、エンジンの運転条件を検出するセンサ、スイッチ類が接続されている。
又、ECU30の出力側に、上述した各弁13,16,17,19、及び可変動弁機構20,21に設けられている各アクチュエータ(図示せず)が接続されている。
ECU30では、エンジン負荷Loとエンジン回転数Neとに基づき、図7に示す運転領域判定マップを参照して、運転領域を判定する。
運転領域は、低中負荷で且つ低中回転領域の圧縮自着火(HCCI:Homogeneous Charge Compression Ignition:予混合圧縮着火とも云う)領域(I)と、高負荷領域或いは高回転領域(この場合、高負荷領域及び高回転領域も含む、以下同じ)の火花点火(SI:Spark Ignition)領域(II)とに区分されており、HCCI領域(I)では、空燃比の超リーンな圧縮自着火燃焼を行い、SI領域(II)では、通常の火花点火によるリーン燃焼を行なう。
圧縮自着火燃焼は、NOx生成温度以下で燃焼させることができるため、NOxがほとんど発生せず、しかも、空気過剰率が高いので、排気ガス中のCOとHCとを触媒の酸化反応により浄化させることができる。
そして、運転領域がHCCI領域(I)、すなわち、燃焼形態が圧縮自着火燃焼に設定されたときの吸気弁6と排気弁7とのバルブタイミングは、HCCIバルブタイミングに設定される。図6(a)、図12(a)に示すように、HCCIバルブタイミングは、排気上死点(TDC)前後で、排気弁7と吸気弁6とが共に開弁するバルブオーバラップ期間が比較的広いクランク角度に設定され、又、吸気弁6の閉弁時期IVCが吸気下死点(BDC)に設定され、更に、排気弁7の開弁時期EVOが燃焼工程後半に設定される。同時に第1温度調整弁17が閉弁され、又、第2温度調整弁19が開弁される。更にウエイストゲート弁13と圧力調整弁16との開度がエンジン負荷Loに応じて制御される。
すると、排気行程においては、吸気弁6の開弁時期IVOが排気上死点(TDC)前の比較的早い時期に設定されるため、燃焼ガスの一部が吸気通路8側へ流れ込み、吸気行程において吸気通路8側へ流れ込んだ燃焼ガスが燃焼室3へ戻されて残留ガスとなる。又、排気弁7の閉弁時期EVCが吸気行程後に設定されるため、排気行程において排気通路9側へ流れ込んだ燃焼ガスの一部も、吸気行程において燃焼室3側へ戻されて残留ガスとなる。
更に、吸気行程では、ターボ過給機11のタービン11bにて加圧された吸入空気が、インタークーラ14で冷却されることなく、このインタークーラ14をバイパスする給気バイパス通路18を経て燃焼室3へ供給される。その結果、燃焼室3には、ターボ過給機11のコンプレッサ11aにより過給、昇温された吸入空気と高温の残留ガスとが供給され、圧縮行程において、筒内ガス温度が断熱圧縮により圧縮自着火可能な温度にまで昇温される。その際、吸気弁6の閉弁時期IVCが吸気下死点(BDC)に設定されているので、燃焼室3内に吸入される空気の温度が最も高くなると共に高い充填効率を得ることができ、その分、運転効率が向上する。
一方、運転領域がSI領域(II)、すなわち、燃焼形態が通常の火花点火燃焼に設定されたときの吸気弁6と排気弁7とのバルブタイミングは、SIバルブタイミングに設定される。図6(b)に示すように、SIバルブタイミングは、排気弁7と吸気弁6とが共に開弁するバルブオーバラップ期間を排気上死点(TDC)後のクランク角度に設定されると共に、排気弁7の開弁時期EVOが、HCCI領域(I)に比し遅れたクランク角度に設定される。更に、吸気弁6の閉弁時期IVCが吸気下死点(BDC)を通過した圧縮行程中のクランク角に設定される。同時に第1温度調整弁17が開弁され、第2温度調整弁19が閉弁される。更にウエイストゲート弁13と圧力調整弁16との開度がエンジン負荷Loに応じて制御される。
すると、ターボ過給機11のタービン11bにて加圧された吸入空気は、インタークーラ14を通過する際に冷却された後、燃焼室3へ供給されるため、高負荷領域或いは高回転領域での充填効率が高くなり、通常の火花点火による燃焼が可能となる。又、その際、圧力調整弁16の開度により燃焼室3へ供給される過給圧が調整され、しかも、吸気弁6の閉弁時期IVCを圧縮行程側に設定することで、実圧縮比が低下されるので、ノック等の異常燃焼が抑制され、高負荷領域或いは高回転領域において良好な運転性能を得ることができる。更に、排気弁7の開弁時期EVOが遅らされているため、高膨張比化による仕事量が増加し、相対的に火花点火によるリーン燃焼が可能となり、SI領域(II)での運転効率を向上させることができる。
ECU30は、燃料噴射制御機能、点火時期制御機能等、通常の燃焼制御機能に加え、上述したバルブタイミング設定機能、各通路12,15,18とインタークーラ14上流とを各々開閉する弁13,16,19,17の開閉動作させる通路開閉制御機能を備えている。バルブタイミング設定機能、及び通路開閉制御機能は、具体的には、図2に示す燃焼制御ルーチンに従って実行される。
このルーチンでは、先ず、ステップS1で、エンジン回転数センサ23と吸入空気量センサ24とで各々検出したエンジン回転数Neと吸入空気量Qとを読込み、続くステップS2で、このエンジン回転数Neと吸入空気量Qとに基づきマッブ参照或いは演算によりエンジン負荷Loを設定する。尚、エンジン負荷Loを演算により算出する場合は、例えばLo=Q/Neから求める。
次いで、ステップS3で、エンジン負荷Loとエンジン回転数Neとに基づき、図7に示す運転領域マップを参照して、現在の運転領域を検出する。図7に示すように、運転領域は、低中負荷で且つ低中回転領域のHCCI領域(I)と、高負荷領域或いは高回転領域のSI領域(II)とに区分されており、HCCI領域(I)では、空燃比の超リーンな圧縮自着火(HCCI)燃焼を実行し、SI領域(II)では、通常の火花点火(SI)によるリーン燃焼を実行する。
その後、ステップS4で、運転領域がHCCI領域(I)かSI領域(II)かを判定し、SI領域(II)のときはステップS5へ分岐し、SI燃焼制御を実行して、ステップS1へ戻る。又、HCCI領域(I)のときはステップS6へ進み、ノックセンサ25の出力信号からノック発生の有無を調べる。そして、ノックが発生していないときは、ステップS7へ進み、HCCI燃焼制御を実行してステップS1へ戻る。又、ノック発生と判定したときはステップS8へ進み、ノック回避制御を実行してステップS1へ戻る。
ステップS5で実行されるSI燃焼制御は、図3に示すSI燃焼制御サブルーチンに従って処理される。このサブルーチンでは、先ず、ステップS11で、バルブタイミングをSIバルブタイミングに設定する。図6(b)に示すように、SIバルブタイミングは、排気弁7と吸気弁6とが共に開弁するバルブオーバラップ期間を排気上死点(TDC)後に設定し、更に、排気弁7の開弁時期EVOを、後述するHCCI領域(I)に比し遅れた角度に設定する。更に、吸気弁6の閉弁時期IVCを吸気下死点(BDC)を通過した圧縮行程中のクランク角に設定する。
次いで、ステップS12へ進み、エンジン回転数Neとエンジン負荷Loとに基づき、図8に示すウエイストゲート弁開度マップを補間計算付で参照して、ウエイストゲート弁13の開度を設定する。図8に示すように、運転領域が破線で囲まれた領域の外側のSI領域(I)にあるときは、エンジン負荷Loとエンジン回転数Neとが、HCCI領域(I)との境界から次第に高くなるに従い、ウエイストゲート弁13の弁開度が開方向へ設定され、全負荷(WOT)で全開(100%)に設定される。
従って、SI領域(I)におけるウエイストゲート弁13の開度は、エンジン負荷Loとエンジン回転数Neとが増加するに従い次第に大きくなり、排気バイパス通路12を通過する排気流量が増加するため、相対的にターボ過給機11のタービン11bに流れる排気流量が減少し、コンプレッサ11aによる過給圧が次第に低下する。
次いで、ステップS13へ進み、インタークーラ14の上流に配設されている第1温度調整弁17を全開とし、続くステップS14で、インタークーラ14をバイパスする給気バイパス通路18に介装されている第2温度調整弁19を全閉とし、更に、ステップS15へ進み、コンプレッサ11a及びインタークーラ14をバイパスするエアバイパス通路15に介装されている圧力調整弁16を全閉として、ルーチンを抜ける。
その結果、図示しないエアクリーナから吸気通路に吸い込まれた吸入空気の殆どは、ターボ過給機11のタービン11bを通り、加圧された後、インタークーラ14にて冷却され、その後、燃焼室3へ供給される。従って、高負荷領域或いは高回転領域での充填効率が高くなり、良好な火花点火による燃焼を実行することができる。その際、上述したようにSIバルブタイミングでは、吸気弁6の閉弁時期IVCが圧縮行程側に設定されているので、実圧縮比が低下され、ノック等の異常燃焼が抑制される。更に、排気弁7の開弁時期EVOが、HCCIバルブタイミングに比し遅れたクランク角度に設定されているため、高膨張比化による仕事量が増加し、相対的に火花点火によるリーン燃焼が可能となり、SI領域(II)での運転効率が向上する。
又、図2のステップS7で実行されるHCCI燃焼制御は、図4に示すHCCI燃焼制御サブルーチンに従って処理される。このサブルーチンでは、先ず、ステップS21で、バルブタイミングをHCCIバルブタイミングに設定する。図6(a)、図12(a)に示すように、HCCIバルブタイミングは、排気弁7と吸気弁6とが共に開弁するバルブオーバラップ期間を、排気上死点(TDC)前後で比較的広いクランク角度に設定する。更に、吸気弁6の閉弁時期IVCを吸気下死点(BDC)に設定する。又、排気弁7の開弁時期EVOを燃焼工程後半に設定する。尚、図12(b)は運転領域がHCCI領域にあるときの筒内圧を示すもので、筒内噴射用インジェクタからの燃料噴射開始時期は吸気行程後半に設定される。
次いで、ステップS22へ進み、エンジン負荷Loとエンジン回転数Neとに基づき、図8に示すウエイストゲート弁開度マップを補間計算付で参照して、ウエイストゲート弁13の開度を設定する。図8に示すように、運転領域が破線で囲まれたHCCI領域(I)にあるときは、エンジン負荷Loとエンジン回転数Neとが共に高い、SI領域(II)との境界にある状態でほぼ全閉に設定され、ここからエンジン負荷Loとエンジン回転数Neとが共に低下するに従い、ウエイストゲート弁13が次第に開き、アイドル運転(軽負荷)で全開(100%)に設定される。
このように、ウエイストゲート弁13は、エンジン負荷Loとエンジン回転数Neとが共に低下するに従い次第に大きくなるので、排気バイパス通路12を通過する排気流量が増加し、相対的にターボ過給機11に設けたタービン11b内の排気背圧が減少し、コンプレッサ11aによる過給圧が次第に低下する。又、ウエイストゲート弁13の開度変化による排気抵抗の変化に伴い、排気ガスの圧力を変化させて、燃焼室3内の温度を変化させ、適切な燃焼タイミングを得ることができる。
次いで、ステップS23へ進み、エンジン回転数Neとエンジン負荷Loとに基づき、図9、図10に示す第1温度調整弁開度マップ、第2温度調整弁開度マップを各々参照して、第1温度調整弁17と第2温度調整弁19との弁開度を各々設定する。
図9に示すように、第1温度調整弁17の開度は、エンジン回転数Neが高い状態から、エンジン回転数Neが低下し且つエンジン負荷Loが高くなるに従い、開く方向に設定され、エンジン負荷LoがSI領域(II)との境界付近にあるとき全開(100%)に設定される。
一方、図10に示すように、第2温度調整弁19の開度は、エンジン負荷LoがSI領域(II)との境界付近にある状態から、エンジン回転数Neが上昇し且つエンジン負荷Loが低下するに従い、開く方向に設定され、エンジン回転数NeがSI領域(II)との境界付近のとき全開(100%)に設定される。
このように、両温度調整弁17,19の開度は、エンジン負荷Loとエンジン回転数Neとをパラメータとして、その総和がほぼ一定となるように設定されている。すなわち、図11に示すように、両温度調整弁17,19の開度の総和の開度比率を100[%]とした場合、同図(a)に示すように、第1温度調整弁17の開度が小さくなると、相対的に第2温度調整弁19の開度が大きくなる。一方、同図(b)に示すように、第1温度調整弁17の開度が大きくなると、相対的に第2温度調整弁19の開度が小さくなる。そして、両温度調整弁17,19の一方が全開のとき他方が全閉となる。その結果、両温度調整弁17,19の開度制御により、インタークーラ14と給気バイパス通路18とを通過する吸入空気の配分量が設定される。
従って、HCCI領域(I)では、エンジン負荷Loが高い場合は、第1温度調整弁17が全開、第2温度調整弁19が全閉となるので、吸入空気の殆どはインタークーラ14によって冷却された後、燃焼室3に供給される。一方、エンジン負荷Loが低下し、且つエンジン回転数Neが上昇すると、第1温度調整弁17が次第に閉じ、第2温度調整弁19が次第に開く。
本形態では、燃焼室3へ供給される吸入空気の温度を、エンジン回転数Neとエンジン負荷Loとに基づいて調整するようにしたので、燃料タイミングに遅れが生じなくなるばかりでなく、筒内温度を圧縮自着火可能な目標温度に対し、より早く収束させることができ、適切な圧縮自着火燃焼を行わせることができる。
その後、ステップS24へ進むと、エンジン回転数Neとエンジン負荷Loとに基づき圧力調整弁16の開度を設定し、ルーチンを抜ける。圧力調整弁16の開度は、上述したウエイストゲート弁13の開度にほぼ同期して動作される。すなわち、圧力調整弁16は、エンジン負荷Loとエンジン回転数Neとが共に高い、SI領域(II)との境界付近で全閉に設定され、ここからエンジン負荷Loとエンジン回転数Neとが共に低下するに従い次第に開かれる。その結果、コンプレッサ11aへ供給される吸入空気は、エンジン負荷Loとエンジン回転数Neとが共に高い、SI領域(II)との境界付近で最大となり、ここからエンジン負荷Loとエンジン回転数Neとが共に低下するに従い、エアバイパス通路15側へ分流される量が増加する。尚、この圧力調整弁16は、全運転領域を通して、スロットル弁10が全閉となる減速時、或いはノック発生時等において開弁動作される。圧力調整弁16を開弁させることで、コンプレッサ11aにより加圧された吸入空気が、エアバイパス通路15を経てコンプレッサ11a上流側へリークされるため、過給圧の上昇が防止される。
このように、運転領域がHCCI領域(I)にあるときは、ターボ過給機11によって発生する過給圧が、ウエイストゲート弁13と圧力調整弁16との協調動作により適正に設定され、燃焼室3へ供給される吸入空気量が調整される。
又、その際、エンジン回転数Neとエンジン負荷Loとに基づいて、第1、第2温度調整弁17,19の開度の総和がほぼ一定となるように設定される。例えばエンジン負荷Loが大きいときは、第1温度調整弁17の開度が大きく、第2温度調整弁19の開度が小さく設定されるので、コンプレッサ11aにより加圧、昇温された吸入空気の多くがインタークーラ14で冷却されてスロットル弁10の上流へ至り、ここで、給気バイパス通路18側から供給される吸入空気とミキシングされる。又、エンジン負荷Loが低下し、エンジン回転数Neが上昇すると、第1温度調整弁17が次第に閉じ、第2温度調整弁19が次第に開く。その結果、給気バイパス通路18側へ導かれる吸入空気量が増加し、スロットル弁10の上流で、この吸入空気量とインタークーラ14によって冷却された吸入空気とがミキシングされる。従って、燃焼室3へは、自着火可能な温度に調整された吸入空気が供給される。
又、バルブタイミングが、HCCIバルブタイミングに設定されると、排気行程において、吸気弁6の開弁時期IVOが排気上死点(TDC)前の比較的早い時期に設定されるため、燃焼ガスの一部が吸気通路8側へ流れ込む。この吸気通路8へ流れ込んだ燃焼ガスは、吸気行程において燃焼室3へ戻されて残留ガスとなる。
本形態によるHCCI領域(I)では、バルブオーバラップを増加させることで残留ガスを増加させることができる。更に、燃焼室3に供給される吸入空気の温度が、第1、第2温度調整弁17,19によりインタークーラ14にて冷却される吸入空気と、給気バイパス通路18を経てインタークーラ14にて冷却されることなく供給される吸入空気とをミキシングして圧縮自着火可能な温度に調整することができる。加えて、燃焼室3へ供給する吸入空気量をウエイストゲート弁13と圧力調整弁16との協調動作により適正に設定することができる。その結果、最適な圧縮自着火燃焼を得ることができるばかりでなく、HCCI領域(I)の拡大を実現することができる。
又、図2のステップS8で実行されるノック回避制御は、図5に示すノック回避制御サブルーチンに従って処理される。このサブルーチンでは、先ず、ステップS31で、第1温度調整弁17の開度を、前回の開度から設定開度aだけ加算した値で設定し、これに同期して、ステップS32において、第2温度調整弁19の開度を、前回の開度から設定開度aだけ減算した値で設定する。従って、第1温度調整弁17が次第に開弁し、第2温度調整弁19が次第に閉弁する。その結果、インタークーラ14により冷却される吸入空気量が増加し、燃焼室3に供給される吸入空気の温度が低下される。
このように、ノックが発生した場合、先ず、第1、第2温度調整弁17,19の開度を調整して燃焼室3へ供給する吸入空気の温度を下げるようにしたので、早期にノックを回避することができる。
そして、ステップS33へ進み、第1温度調整弁17が全開に達したか否かを調べ、全開に達していなければルーチンを抜ける。又、全開に達したときは、ステップS34へ進み、第2温度調整弁19が全閉に達したか否かを調べる。全閉に達していなければルーチンを抜ける。又、全閉に達したときは、ステップS35へ進む。
このように、第1温度調整弁17が全開となり、或いは、第2温度調整弁19が全閉となるまで、第1温度調整弁17を開弁し、且つ第2温度調整弁19を閉弁して、吸入空気の温度を低下させることで、ノックを収拾する。
そして、第1温度調整弁17が全開し、且つ第2温度調整弁19が全閉した後もノックが回避されない場合は、ステップS35へ進み、ウエイストゲート弁13を設定開度bで、演算周期毎に開弁させる。次いで、ステップS36で、ウエイストゲート弁13が全開に達したか否かを調べ、全開に達していなければルーチンを抜ける。全開に達したときは、ステップS37へ進む。
従って、ウエイストゲート弁13は、ノックが収拾するまで開弁動作され、全開に達してもノックが収拾されないときは、ステップS37へ進む。
ステップS37では、圧力調整弁16を設定開度cで、演算周期毎に開弁させ、ルーチンを抜ける。
尚、圧力調整弁16を開弁させて、吸入空気のエアバイパス通路15を通過する割合を増加させてもノックが収拾されない場合は、バルブタイミングをSIバルブタイミングとし、火花点火による燃焼に切換えると共に、点火時期を遅角させてノック発生を回避する。
又、図13〜図21に本発明の第2形態を示す。尚、第1形態と同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。上述した第1形態では、吸入空気量Qを検出する吸入空気量センサ24を用いたLジェトロニック方式を採用するエンジンに、本発明を適用した場合について説明したが、本形態は、スロットル弁10下流の吸気管圧力(過給圧)P[Pa]を検出する吸気管圧力センサ26を用いたDジェトロニック方式を採用するエンジンに、本発明を適用した場合について説明する。又、本形態ではコンプレッサ11aとインタークーラ14とをバイパスするエアバイパス通路15(図1参照)が省略されている。
ECU30は、エンジン回転数センサ23で検出したエンジン回転数Neと、吸気管圧力センサ26で検出した吸気管圧力Pとに基づき運転領域を判定し、運転領域毎に燃焼制御を行う。具体的には、図14に示す燃焼制御ルーチンに従って実行される。
先ず、ステップS41で、エンジン回転数センサ23で検出したエンジン回転数Neと吸気管圧力センサ26で検出した吸気管圧力Pとを読込む。次いで、ステップS42へ進み、エンジン回転数Neと吸気管圧力Pとに基づき、図18に示す運転領域マップを参照して、現在の運転領域を検出する。図18に示すように、運転領域は、吸気管圧力Pが低中圧で、且つエンジン回転数Neが低中回転のHCCI領域(I)と、吸気管圧力Pが高い高圧領域或いは高回転領域のSI領域(II)とに区分されており、HCCI領域(I)では、空燃比の超リーンな圧縮自着火(HCCI)燃焼を実行し、SI領域(II)では、通常の火花点火(SI)によるリーン燃焼を実行する。
その後、ステップS43で、運転領域がHCCI領域(I)かSI領域(II)かを判定し、SI領域(II)のときはステップS44へ分岐し、SI燃焼制御を実行して、ステップS41へ戻る。又、HCCI領域(I)のときはステップS45へ進み、ノックセンサ25の出力信号からノック発生の有無を調べる。そして、ノックが発生していないときは、ステップS46へ進み、HCCI燃焼制御を実行してステップS1へ戻る。又、ノック発生と判定したときはステップS47へ進み、ノック回避制御を実行してステップS1へ戻る。
ステップS44で実行されるSI燃焼制御は、図15に示すSI燃焼制御サブルーチンに従って処理される。このサブルーチンでは、先ず、ステップS51で、バルブタイミングをSIバルブタイミングに設定する。尚、このバルブタイミングの設定は、図3のステップS11と同様の処理で行われるため説明を省略する。
次いで、ステップS52へ進み、エンジン回転数Neと吸気管圧力Pとに基づき、図19に示すウエイストゲート弁開度マップを補間計算付で参照して、ウエイストゲート弁13の開度を設定する。
図19に示すように、運転領域が破線で囲まれた領域の外側のSI領域(I)にあるときは、吸気管圧力Pとエンジン回転数Neとが、HCCI領域(I)との境界から次第に高くなるに従い、ウエイストゲート弁13の弁開度が開方向へ設定され、全負荷(WOT)で全開(100%)に設定される。
従って、SI領域(I)におけるウエイストゲート弁13の開度は、吸気管圧力Pとエンジン回転数Neとが増加するに従い次第に大きくなり、排気バイパス通路12を通過する排気流量が増加するため、相対的にターボ過給機11のタービン11bに流れる排気流量が減少し、コンプレッサ11aによる過給圧が次第に低下する。
次いで、ステップS53,S54へ進み、ルーチンを抜ける。ステップS53,S54は、図3のステップS13,S14と同様の処理が行われる。すなわち、ステップS53では、インタークーラ14の上流に配設されている第1温度調整弁17を全開とし、ステップS54では、インタークーラ14をバイパスする給気バイパス通路18に介装されている第2温度調整弁19を全閉とする。
その結果、ターボ過給機11のタービン11bから吐出された吸入空気の殆どは、インタークーラ14にて冷却されて、燃焼室3へ供給される。尚、このときの作用効果は、図3のステップS13,S14と同様であるため、説明を省略する。
又、図14のステップS46で実行されるHCCI燃焼制御は、図16に示すHCCI燃焼制御サブルーチンに従って処理される。このサブルーチンでは、先ず、ステップS61で、バルブタイミングをHCCIバルブタイミングに設定する。尚、このバルブタイミングの設定は、図16のステップS21と同様の処理で行われるため説明を省略する。
次いで、ステップS62へ進み、吸気管圧力Pとエンジン回転数Neとに基づき、図19に示すウエイストゲート弁開度マップを補間計算付で参照して、ウエイストゲート弁13の開度を設定する。
図19に示すように、運転領域が破線で囲まれたHCCI領域(I)にあるときは、吸気管圧力Pとエンジン回転数Neとが共に高い、SI領域(II)との境界にある状態でほぼ全閉に設定され、ここから吸気管圧力Pとエンジン回転数Neとが共に低下するに従い、ウエイストゲート弁13が次第に開き、アイドル運転(軽負荷)で全開(100%)に設定される。
このように、ウエイストゲート弁13は、吸気管圧力Pとエンジン回転数Neとが共に低下するに従い次第に大きくなるので、排気バイパス通路12を通過する排気流量が増加し、相対的にターボ過給機11に設けたタービン11b内の排気背圧が減少するので、コンプレッサ11aによる過給圧が次第に低下する。
次いで、ステップS63へ進み、エンジン回転数Neと吸気管圧力Pとに基づき、図20、図21に示す第1温度調整弁開度マップ、第2温度調整弁開度マップを各々参照して、第1温度調整弁17と第2温度調整弁19との弁開度を各々設定した後、ルーチンを抜ける。
図20に示すように、第1温度調整弁17の開度は、エンジン回転数Neが高い状態から、エンジン回転数Neが低下し且つ吸気管圧力Pが高くなるに従い、開く方向に設定され、吸気管圧力PがSI領域(II)との境界付近にあるとき全開(100%)に設定される。
一方、図21に示すように、第2温度調整弁19の開度は、吸気管圧力PがSI領域(II)との境界付近にある状態から、エンジン回転数Neが上昇し且つ吸気管圧力Pが低下するに従い、開く方向に設定され、エンジン回転数NeがSI領域(II)との境界付近のとき全開(100%)に設定される。両温度調整弁17,19の開度は、吸気管圧力Pとエンジン回転数Neとをパラメータとしてほぼ、その総和がほぼ一定となるように動作する。従って、HCCI領域(I)では、吸気管圧力Pが高い場合は、第1温度調整弁17が全開、第2温度調整弁19が全閉となるので、吸入空気の殆どはインタークーラ14によって冷却された後、燃焼室3に供給される。一方、吸気管圧力Pが低下し、且つエンジン回転数Neが上昇すると、第1温度調整弁17が次第に閉じ、第2温度調整弁19が次第に開く。
このように、本形態では、運転領域がHCCI領域(I)にあるときは、ターボ過給機11によって発生する過給圧が、ウエイストゲート弁13の開度により適正に設定され、燃焼室3へ供給される吸入空気量が調整される。又、その際、吸気管圧力Pとエンジン回転数Neとに基づいて、第1、第2温度調整弁17,19の開度は、その総和ががほぼ一定となるように設定される。例えば吸気管圧力Pが大きいときは、第1温度調整弁17の開度が大きく、第2温度調整弁19の開度が小さく設定されるので、コンプレッサ11aにより加圧、昇温された吸入空気の多くがインタークーラ14で冷却されてスロットル弁10の上流へ至り、ここで、給気バイパス通路18側から供給される吸入空気とミキシングされる。又、吸気管圧力Pが低下し、エンジン回転数Neが上昇すると、第1温度調整弁17が次第に閉じ、第2温度調整弁19が次第に開く。その結果、給気バイパス通路18側へ導かれる吸入空気量が増加し、スロットル弁10の上流で、この吸入空気量とインタークーラ14によって冷却された吸入空気とがミキシングされる。従って、燃焼室3へは、自着火可能な温度に調整された吸入空気が供給される。
本形態によるHCCI領域(I)では、バルブオーバラップが増加されるので、残留ガスを増加させることができる。更に、燃焼室3に供給される吸入空気の温度が、第1、第2温度調整弁17,19によりインタークーラ14にて冷却される吸入空気と、給気バイパス通路18を経てインタークーラ14にて冷却されることなく供給される吸入空気とをミキシングして圧縮自着火可能な温度に調整することができる。その結果、最適な圧縮自着火燃焼を得ることができるばかりでなく、HCCI領域(I)の拡大を実現することができる。
又、図14のステップS47で実行されるノック回避制御は、図17に示すノック回避制御サブルーチンに従って処理される。このサブルーチンは、第1形態の図5に示すサブルーチンと殆ど同じであるが、本形態のエンジンはエアバイパス通路15が省略されているため、ステップS36,S37の処理が省略されている。
すなわち、図17に示すサブルーチンでは、先ず、ステップS71で、第1温度調整弁17の開度を、前回の開度から設定開度aだけ加算した値で設定し、これに同期して、ステップS72において、第2温度調整弁19の開度を、前回の開度から設定開度aだけ減算した値で設定する。従って、第1温度調整弁17が次第に開弁し、第2温度調整弁19が次第に閉弁する。その結果、インタークーラ14により冷却される吸入空気量が増加するため、燃焼室3に供給される吸入空気の温度が低下される。
その後、ステップS73へ進み、第1温度調整弁17が全開に達したか否かを調べ、全開に達していなければルーチンを抜ける。全開に達したときは、ステップS74へ進み、第2温度調整弁19が全閉に達したか否かを調べる。全閉に達していなければルーチンを抜ける。又、全閉に達したときは、ステップS75へ進む。
このように、第1温度調整弁17が全開となり、或いは、第2温度調整弁19が全閉となるまで、第1温度調整弁17を開弁し、且つ第2温度調整弁19を閉弁して、吸入空気の温度を低下させることで、ノックを収拾する。
そして、第1温度調整弁17が全開し、且つ第2温度調整弁19が全閉した後もノックが回避されない場合は、ステップS75へ進み、ウエイストゲート弁13を設定開度bで、演算周期毎に開弁させた後、ルーチンを抜ける。
尚、ウエイストゲート弁13を全開として、過給動作を停止させてもノックが収拾されない場合は、バルブタイミングをSIバルブタイミングとし、火花点火による燃焼に切換えると共に、点火時期を遅角させてノック発生を回避する。
又、本発明は、上述した各形態に限るものではなく、例えば第1温度調整弁17と第2温度調整弁19とを廃止し、それに代えて、吸気通路8と給気バイパス通路18との分岐部に、1つの温度調整弁を配設するようにしても良い。この場合、温度調整弁は運転条件に応じ、エンジン回転数が高いときは、吸気通路8側を閉弁して、給気バイパス通路18を開弁し、逆にエンジン回転数が低いときは吸気通路8側を開弁して、給気バイパス通路18を閉弁する切換え弁として機能させる。
第1形態によるエンジンの全体構成図 同、燃焼制御ルーチンを示すフローチャート 同、SI燃焼制御サブルーチンを示すフローチャート 同、HCCI燃焼制御サブルーチンを示すフローチャート 同、ノック回避制御サブルーチンを示すフローチャート 同、運転領域が圧縮自着火領域にあるときのバルブタイミングを示す説明図、(b)運転領域が火花点火領域にあるときのバルブタイミングを示す説明図 同、運転領域判定マップの説明図 同、ウエイストゲート弁開度マップの説明図 同、第1温度調整弁開度マップの説明図 同、第2温度調整弁開度マップの説明図 同、(a)はエンジン回転数が高く且つエンジン負荷が低いときの第1温度調整弁開度と第2温度制御弁開度との説明図、(b)はエンジン回転数が低く且つエンジン負荷が高いときの第1温度調整弁開度と第2温度制御弁開度との説明図 同、運転領域が圧縮自着火領域にあるときのバルブタイミングと筒内圧との関係を示す説明図 第2形態によるエンジンの全体構成図 同、燃焼制御ルーチンを示すフローチャート 同、SI燃焼制御サブルーチンを示すフローチャート 同、HCCI燃焼制御サブルーチンを示すフローチャート 同、ノック回避制御サブルーチンを示すフローチャート 同、運転領域判定マップの説明図 同、ウエイストゲート弁開度マップの説明図 同、第1温度調整弁開度マップの説明図 同、第2温度調整弁開度マップの説明図
符号の説明
1…エンジン本体、3…燃焼室、6…吸気弁、7…排気弁、8…吸気通路、9…排気通路、10…スロットル弁、11…ターボ過給機、11a…コンプレッサ、11b…タービン、12…排気バイパス通路、13…ウエイストゲート弁、14…インタークーラ、15…エアバイパス通路、16…圧力調整弁、17…第1温度調整弁、18…給気バイパス通路、19…第2温度調整弁、23…エンジン回転数センサ、24…吸入空気量センサ、25…ノックセンサ、26…吸気管圧力センサ、Lo…エンジン負荷、Ne…エンジン回転数、P…吸気管圧力、Q…吸入空気量

Claims (6)

  1. 吸気通路に配設され吸入空気を冷却する吸気冷却器と、該吸気冷却器をバイパスして上記吸気通路に連通する給気バイパス通路と、上記吸気冷却器と上記給気バイバス通路に対する上記吸入空気の配分量を設定する温度調整弁とを有し、該温度調整弁の開閉動作により燃焼室へ供給する上記吸入空気の温度を調整する圧縮自着火エンジンの燃焼制御装置において、
    上記両温度調整弁の開度を少なくともエンジン回転数に基づき、該エンジン回転数が高い領域では、該エンジン回転数が低い領域に比し上記給気バイパス通路を通過する上記吸入空気量を増加させる方向へ設定して上記燃焼室へ供給する上記吸入空気の温度を高く設定する
    ことを特徴とする圧縮自着火エンジンの燃焼制御装置。
  2. 上記温度調整弁の開度を、エンジン負荷に基づき、上記エンジン負荷が低いときは、上記エンジン負荷が高い場合に比し、上記給気バイパス通路を通過する上記吸入空気量を増加させる方向へ設定して上記燃焼室へ供給する該吸入空気の温度を高くする
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮自着火エンジンの燃焼制御装置。
  3. 上記温度調整弁の開度を、スロットル弁下流の吸気管圧力に基づき、上記吸気管圧力が低いときは、上記吸気管圧力が高い場合に比し、上記給気バイパス通路を通過する上記吸入空気量を増加させる方向へ設定して上記燃焼室へ供給する該吸入空気の温度を高くする
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮自着火エンジンの燃焼制御装置。
  4. 上記温度調整弁の開度を、エンジンに異常燃焼が発生したときは上記給気バイパス通路を通過する上記吸入空気量を減少させると共に上記吸気冷却器を通過する該吸入空気量を増加させる方向へ設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮自着火エンジンの燃焼制御装置。
  5. 上記エンジンの排気ガスを駆動源として上記吸入空気を過給するターボ過給機を有し、上記エンジンの排気通路に設けた上記ターボ過給機のタービンをバイパスして上記排気通路に連通する排気バイパス通路に該排気バイパス通路を開閉するウエイストゲート弁を設け、該ウエイストゲート弁の開度を上記エンジン回転数が低下するに従い上記排気バイパス通路を通過する排気流量を増加させる方向に設定する
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の圧縮自着火エンジンの燃焼制御装置。
  6. 上記吸入空気を過給する過給機を有し、該過給機と上記吸気冷却器とをバイパスして上記吸気通路に連通するエアバイパス通路を設け、該エアバイパス通路に圧力調整弁を設け、該圧力調整弁の開度を、上記エンジン回転数が低下するに従い該エアバイパス通路を通過して上記過給機の上流側へ戻る上記吸入空気量を増加させる方向に設定する
    ことを特徴とする請求1に記載の圧縮自着火エンジンの燃焼制御装置。
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